JP2010028980A - 車両駆動用モータの冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の走行状態に従って必要な冷却性能を得ると共に、エネルギー損失を少なくできる車両駆動用モータの冷却装置を提供する。
【解決手段】車両駆動用モータ11の回転軸12と連動して回転するアウトプット軸13を介して駆動され、油溜め26内の油を汲み上げて車両駆動用モータ11側へと供給するオイルポンプ22,23が二台設置され、各オイルポンプの吸入側と油路24,27を通して連通しているストレーナ25,28が前記油溜め26内の異なる部位に配置されている。各オイルポンプ22,23が汲み上げて車両駆動用モータ11へ供給する油量を車両の走行状態に応じて変化させて、車両駆動用モータ11の冷却に過不足のない油量を供給するようにしている。
【選択図】図1
【解決手段】車両駆動用モータ11の回転軸12と連動して回転するアウトプット軸13を介して駆動され、油溜め26内の油を汲み上げて車両駆動用モータ11側へと供給するオイルポンプ22,23が二台設置され、各オイルポンプの吸入側と油路24,27を通して連通しているストレーナ25,28が前記油溜め26内の異なる部位に配置されている。各オイルポンプ22,23が汲み上げて車両駆動用モータ11へ供給する油量を車両の走行状態に応じて変化させて、車両駆動用モータ11の冷却に過不足のない油量を供給するようにしている。
【選択図】図1
Description
この発明は、車両駆動用モータをポンプによって汲み上げたオイルで冷却する冷却装置に関するものである。
従来、低公害車両としてハイブリッド自動車、電気自動車などが開発されており、これらの車両では、車両を駆動するための車両駆動用モータが使用され、このモータにより駆動のための動力を得ている。
このような車両駆動用モータを駆動すると、モータを構成しているステータおよびロータの電磁コイルで発熱し、また車両のホイールおよびタイヤに動力を伝達するための差動歯車、遊星歯車などの動力伝達系においても摩擦によって発熱する。したがって車両駆動用モータにオイルポンプなどを設けて油を車両駆動用モータと動力伝達系とに循環させ、供給と冷却とを行うようにしている。
そこで、例えば特許文献1に記載されている冷却装置では、車両駆動用モータの冷却および動力伝達系の潤滑に対して、潤滑回路と冷却回路とを連結する油路を有する2系統の冷却回路が用意されており、1つは前記車両駆動用モータからアウトプット軸を介して機械式オイルポンプを作動させ、冷却のための油を汲み上げて供給する構成と、他の1つは、前記車両駆動用モータとは別の冷却用モータの回転を受けて作動する電動式オイルポンプにより油を汲み上げて供給する構成とである。
この方式によると、車両駆動トルクは動力伝達系を介して駆動輪に伝達される。そして、前記動力伝達系には機械式オイルポンプが接続され、前記車両駆動用モータの回転を受けて作動する。前記機械式オイルポンプから吐出された油は前記潤滑回路と前記冷却回路とによって前記動力伝達系と前記車両駆動用モータとに供給され、車両駆動用モータの冷却、および動力伝達系の潤滑と冷却とが行われる。
また、前記車両駆動用モータとは別の冷却用モータが設けられ、該冷却用モータの回転を受けて電動式オイルポンプが作動させられる。そして、該電動式オイルポンプから吐出された油は冷却回路によって前記車両駆動用モータに供給され、前記車両駆動用モータを冷却する。前記潤滑回路と冷却回路とは油路によって連結され、該油路に設けられたオリフィスを介して相互に移動する。
前記機械式オイルポンプは、動力伝達系を介して車両駆動用モータの回転を受けて作動するため、車両の高速走行時など動力伝達系の回転数が高くなると、それだけ油の吐出量が多くなる。その結果、潤滑回路には十分な量の油が供給されることになる。そこで余分な油を前記油路を介して冷却回路に供給することができ、その間、電動式オイルポンプを停止させることができる。したがって、冷却用モータを駆動するための消費電力が小さくなる。
一方、車両の低速走行時においては、トルク伝達系の回転数が低くなり、それだけ油の吐出流量が少なくなる。また、停止状態においては、回転していないので油切れとなり、発進が油切れ状態で行われてしまう。更に、後進時においては機械式オイルポンプの回転体が逆方向に回転するため、油は吐出されない。
これらの事態を回避するために、電動オイルポンプにより作動する冷却回路の油が、前記油路を介して潤滑回路に供給されるため、低速走行時および後進における潤滑不足による動力伝達系の発熱を防止することができ、さらに、油切れ状態で車両が発進することを防ぐことができる。
しかしながら、上記の特許文献1に記載されている冷却装置のように、前記機械式オイルポンプを車両駆動用モータの回転軸と連動して回転するアウトプット軸を介して作動させ、冷却もしくは潤滑のための油を汲み上げて供給する構成とした場合、要求性能に合致させることが難しい。さらに供給する油量が必要以上となって(たとえば、風冷性能によって冷却性能が十分に得られるくらいの高速状態となった場合など)、オイルポンプの駆動によるエネルギー損失が大きくなるといった問題点があった。加速側では冷却を多くする必要がある一方、減速側では冷却がそれほど必要ないため、冷却性能向上と損失低減の両立をはかる必要があり、この点の向上において改善するべき余地があった。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、動力損失を低減して全体としての冷却効率が良好な車両駆動用モータの冷却装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、走行のための駆動力を出力するモータが、オイルによって冷却される車両駆動用モータの冷却装置において、前記オイルを貯留し、かつ、車両の傾きもしくは加速度によって油面が車両の進行方向に対して傾斜する油溜め部と、前記油面が車両進行方向に対して傾斜した場合の、深い位置と浅い位置とのそれぞれに浸漬された少なくとも二つの吸入部を備えた、前記オイルを汲み上げるポンプ装置とを備えていることを特徴とする車両駆動用モータの冷却装置である。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記油溜め部は、前記車両の減速時もしくは降坂路走行時に前記油面が前記車両進行方向に対して傾斜するように設けられ、前記吸入部は、前記車両の減速時もしくは降坂路走行時における前記油面の前記車両進行方向に対しての傾斜によって、深くなる位置に浸漬されている第1の吸入部と、浅くなる位置に浸漬されている第2の吸入部とを含み、前記ポンプ装置は、前記車両の減速時もしくは降坂路走行時に前記第1の吸入部からの前記オイルの吸入能力を前記第2の吸入部からの前記オイルの吸入能力より相対的に少なくするように構成されていることを特徴とする車両駆動用モータの冷却装置である。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記油溜め部は、前記車両の加速時もしくは登坂路走行時に前記油面が前記車両進行方向に対して傾斜するように設けられ、前記吸入部は、前記車両の加速時もしくは登坂路走行時における前記油面の前記車両進行方向に対しての傾斜によって、浅くなる位置に浸漬されている第1の吸入部と、深くなる位置に浸漬されている第2の吸入部とを含み、前記ポンプ装置は、前記車両の加速時もしくは登坂路走行時に前記第1の吸入部からの前記オイルの吸入能力を前記第2の吸入部からの前記オイルの吸入能力より相対的に少なくするように構成されていることを特徴とする車両駆動用モータの冷却装置である。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記車両の走行速度が予め定めた基準速度以上の場合に、前記第2の吸入部が吐出したオイルをドレンさせる排出機構を、更に備えていることを特徴とする車両駆動用モータの冷却装置である。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記排出機構は、前記第1の吸入部に吐出圧を供給するポンプによる吐出圧で開閉動作して、前記第2の吸入部が吐出したオイルをドレンさせる機構を含むことを特徴とする車両駆動用モータの冷却装置である。
請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記オイルに空気が混入している場合、前記オイルと混入した空気とを分離する機能を備えていることを特徴とする車両駆動用モータの冷却装置である。
請求項1の発明によれば、油溜め部における車両進行方向に対する油面の傾きに応じて、前記オイルを汲み上げるポンプ装置の作動により、オイルを吸入する前記油面が、車両進行方向に対して傾斜した場合の、深い位置と浅い位置とのそれぞれに浸漬された少なくとも二つの吸入部から供給される油量を車両走行状態(より詳しくは車両の傾きもしくは加速度)に応じて変化させることができる。
請求項2の発明によれば、上述した請求項1の発明で得られる効果と同様の効果に加えて、前記車両の減速時もしくは降坂路走行時は前記車両の加速時もしくは登坂路走行時に比較して、車両駆動用モータの発生出力が小さく冷却性能がそれほど必要ではないので、二つの吸入部からの吸入オイル量を調節することで、ポンプ装置の合計吐出量を小さくすることが可能となり、オイル供給のため作動するポンプ装置によるエネルギー損失を低減できる。
請求項3の発明によれば、上述した請求項1の発明で得られる効果と同様の効果に加えて、前記車両の加速時もしくは登坂路走行時は前記車両の減速時もしくは降坂路走行時に比較して、冷却性能がより必要なため、第1の吸入部に比較して大きい、第2の吸入部のオイル吸入能力を発揮し、十分な車両駆動用モータの冷却および動力伝達系の冷却と潤滑とのためのオイルの供給をすることができる。
請求項4の発明によれば、上述した請求項3の発明で得られる効果と同様の効果に加えて、高速走行時のオイル供給のため作動するポンプ装置によるエネルギー損失を低減できる。
請求項5の発明によれば、上述した請求項4の発明で得られる効果と同様の効果に加えて、新たに装置を組み込むことなく、第2の吸入部を選択的にドレンに連通させ、ポンプにかかる動力を低減できる。
請求項6の発明によれば、上述した請求項1の発明で得られる効果と同様の効果に加えて、前記オイルに空気が混入していることによる前記オイルの冷却効果の低下を抑制もしくは防止することができる。
以下、この発明の実施の形態を添付の図を参照して説明する。図1は実施形態の概念図であって、車両駆動用モータ11に対して冷却装置21が設置されている。車両駆動用モータ11および冷却装置21は、タイヤ51が取り付けられているホイール52内に設置されている。このように車両駆動用モータ11はホイール52に内蔵された、いわゆるインホイールモータとなっている。車両駆動用モータ11の回転軸12とホイール52は、遊星歯車などの図示されていない動力伝達系を介して連結されている。車両駆動用モータ11に電力を供給して回転軸12を回転させると、そのモータトルクが動力伝達系を介してホイール52に伝達される。また、ホイール52が回転している状態、すなわち走行状態で車両駆動用モータ11に供給している電力を遮断すると、車両の運動エネルギーが車両駆動用モータ11に伝達され、車両駆動用モータ11は電力を生成する回生モータとして動作する。ここで、車両の前進方向を矢示61の方向とする。
前記車両駆動用モータ11の回転軸12に対して、これに連動して回転するアウトプット軸13が設けられている。前記冷却装置21は、このアウトプット軸13を介して駆動される二台のオイルポンプ22およびオイルポンプ23を備えている。二台のオイルポンプのうち、一方のオイルポンプ22は他方のオイルポンプ23の汲み上げ性能よりも大きい汲み上げ性能を有するものとされている。図では汲み上げ性能の大小を円の直径の大小で表しており、サイズ(寸法)の大小を表しているわけではない。
一方のオイルポンプ22の吸入側に連通させて油路24が設けられ、この油路24の端部にストレーナ25が油溜め部26の車両の前進方向に向かって後方に設置されている。他方のオイルポンプ23の吸入側に連通させて設けた油路27の端部にもストレーナ28が接続され、このストレーナ28が油溜め26の、車両の前進方向に向かって前方に配置されている。
一方のオイルポンプ22の吐出側に連通させた油路29と、他方のオイルポンプ23の吐出側に連通させた油路30とは、共通の油路31の基端部に合流させてある。そして共通の油路31の先端部がキャッチタンク32内に臨ませてあり、そこで開口している。キャッチタンク32の底部には供給油路33が設けられ、この供給油路33が前記車両駆動用モータ11へと導かれている。すなわち、一方のオイルポンプ22が、油溜め26内に溜まった油をストレーナ25および油路24を通して汲み上げ、汲み上げた油を油路29,31を通してキャッチタンク32へ供給するようにされている。また、他方のオイルポンプ23が、油溜め26内に溜まった油をストレーナ28および油路27を通して汲み上げ、汲み上げた油を油路30,31を通してキャッチタンク32へと供給するようにされている。そして、キャッチタンク32に供給された油は供給油路33を通して車両駆動用モータ11へ供給するようにされている。
前記キャッチタンク32は、供給された油中に混入した空気を分離する機能を有しているもので、底部に溜まった油分だけを供給油路33を通して車両駆動用モータ11へ供給し、空気分は外部へ逃がすことができるようにされている。前記油路29,30にはチェックボール34,35が介在させてある。このチェックボール34,35はオイルポンプ22、オイルポンプ23から油路29,30へと供給されてくる流体を判別する機能を有しているもので、油ではなく空気が供給されてきた時には、これをチェックして油路29または30を遮断できるようにされている。
さらに、一方のオイルポンプ22の吐出側の油路29にはドレン回路36が分岐して設けてある。このドレン回路36には開閉弁37が介在させてあり、この開閉弁37を動作させる制御油路38が開閉弁37と前記他方のオイルポンプ23の吐出側に設けた油路30との間に設けてある。制御油路38を通して開閉弁37に予め定めた油圧より高い圧力が伝達されると開閉弁37が開状態となって前記ドレン回路36が流通状態となり、一方のオイルポンプ22で汲み上げた油をドレン回路36を通して油溜め26へ戻すことができるようにされている。
前記共通の油路31には、更に別の分岐油路39が設けられている。この分岐油路39は動力伝達系の冷却および潤滑のために設けられているもので、ここでは、詳しい説明は省略することとする。
油溜め26の内部に示した点線40は、車両が定速状態で走行しているときの油面を示している。このとき、前記ストレーナ25,28はそれぞれ油の中に没する高さに配置されている。実線41は、車両が増速状態若しくは登坂状態で走行しているときの油面を示している。すなわち、一方のオイルポンプ22と連通しているストレーナ25は、車両が増速若しくは登坂するときに油面が傾斜し、その状態で深い部位に配置されているのである。また、一点鎖線42は車両が減速若しくは降坂状態で走行しているときの油面を模式的に示している。このように、他方のオイルポンプ23と連通しているストレーナ28は、車両が減速若しくは降坂するときに油面が傾斜し、その状態で深い部位に配置されているのである。
次に、上記のように構成された冷却装置21の動作について説明する。車両が増速若しくは登坂状態で走行する場合、車両駆動用モータ11は大きなモータトルクを出力する力行状態で駆動され、これに対応して高い冷却性能が要求されることとなる。このとき、油溜め26内の油面は実線41で示される傾向で傾くため、油の汲み上げ性能を比較的大きくした一方のオイルポンプ22に連通しているストレーナ25が油中に確実に没することになり、一方のオイルポンプ22は空気を吸い込むことなく多くの油を汲み上げて車両駆動用モータ11へ供給し、必要な冷却性能を確保することができる。他方のオイルポンプ23についてみると、ストレーナ28は油面より上の空気中に位置するか若しくは油と空気の境界あたりに位置することとなる。
車両が減速若しくは降坂状態で走行する場合は、車両駆動用モータ11は電力を生成する回生状態となり、これに対応して要求する冷却性能は低下する。このときは、油溜め26内の油面は一点鎖線42で示される傾向で傾くこととなり、汲み上げ性能を比較的小さくした他方のオイルポンプ23と連通しているストレーナ25は油面より上の空気中か若しくは油と空気の境界あたりに位置することとなる。この結果、他方のオイルポンプ23が汲み上げた比較的少量の油(一方のオイルポンプ22が汲み上げる量より少ない量の油)を車両駆動用モータ11側へ供給し、モータが要求する冷却性能(力行時より低い)を確保することができる。一方のオイルポンプ22に連通したストレーナ25が空気中か若しくは油と空気の境界あたりに位置する結果、一方のオイルポンプ22は空気を吸い込むようになる。これはチェックボール34が検知して油路29を遮断し、車両駆動用モータ11側へ空気を供給するのを防ぐことができ、冷却性能の低下を防止する。また、ストレーナ25が空気中に位置すると、一方のオイルポンプは空転するため、この場合もエネルギー損失を低減させることができ、回生効率を向上させて燃費の向上に寄与する。
車両の走行によって得られる車両駆動用モータ11に対する風冷性能は、車速が速くなるに従って増大する。この実施形態の冷却装置21においては、車速の増減により他方のオイルポンプ23から一方のオイルポンプ22へ油圧を伝達する。すなわち、車両駆動用モータ11の回転数が増加するに従って他方のオイルポンプ23の回転数も増加し、汲み上げる油の量も増加する。汲み上げる油の量が増加するに従って油路30内の油圧も上昇する。この油路30の油圧は制御油路38を通して開閉弁37に伝達されており、伝達される油圧が、開閉弁に予め設定した圧力に達すると開閉弁37が開の状態になる。開閉弁37が開になると、一方のオイルポンプ22が汲み上げた油は、ドレン回路36を通して油溜め26に戻され、一方のオイルポンプ22を油の供給から解放し、他方のオイルポンプ23のみで車両駆動用モータ11も冷却を行うようになる。一方のオイルポンプ22を油の供給から解放することによって、一方のオイルポンプ22の損失を低減し、オイルポンプ全体としての損失も低減することができる。
前記油路30の油圧を開閉弁37に伝達する手段は、上記のように制御油路38を通して行うものに限られない。例えば、油路30に圧力センサを設ける一方、開閉弁37には電磁ソレノイドなどのアクチュエータを設け、制御電子回路で圧力センサの情報を受け、予め設定した油圧を超えたときには制御電子回路がアクチュエータを動作させる構成とすることもできる。
オイルポンプ22およびオイルポンプ23が空気を吸い込んだ時には、チェックボール34,35がこれを検知して油路29,30を遮断するようにしているが、油路29,30を通して共通の油路31側へ供給される油の中に空気が混入することを完全に避けることは難しい。この混入した空気が油と共に車両駆動用モータ11側に供給される対策として、キャッチタンク32が設けられている。キャッチタンク32は油と混入した空気を分離し、油分のみを供給油路33へ導いて、空気を除去することができる。この結果、車両駆動用モータ11の冷却を安定的に行うことができる。
キャッチタンク32は、上記の実施形態では車両駆動用モータ11の冷却のための供給油路33に設け、動力伝達系の冷却、潤滑のための分岐油路39へ供給される油中の空気は分離しない構成としたが、図2のように、分岐油路39もキャッチタンク32の底部に接続して、全ての油中の空気を分離除去するようにしても良い。
また、油と空気との分離は、前記のようなキャッチタンク32に限られるものでもない。例えば、車両駆動用モータ11の回転軸12のサイクロン式の分離機構を連結し、この分離機構で油と空気とを分離するようにしても良い。
図3は、この発明の実施形態の冷却装置21の特性曲線を示したものである。横軸を車速として、上部には前記オイルポンプ22とオイルポンプ23によって供給される冷却のための油の流量が示されている。また、下部には車速に対するオイルポンプ22およびオイルポンプ23の損失の変化の様子と、風冷性能の変化の様子が示されている。
オイルポンプ22とオイルポンプ23によって供給される油の流量は、当初二台のオイルポンプの合計流量として増加していく。オイルポンプ23の流量がCに達すると、前記開閉弁37を開状態にする油圧が制御油路38に生じ、オイルポンプ22を油の供給から解放し、供給流量はオイルポンプ23の供給直線に沿って変化するようになる。オイルポンプ22を油の供給から解放する結果、オイルポンプ全体としての損失は、下の図のように変化し、車速の増加に従って増加するのを避けている。オイルポンプ22の解放によって冷却のために供給される油の流量が減少し、その分油による冷却効果は減少するが、車速の増加に従って風冷性能が増加し、油による冷却効果の減少を補うことができる。
11…車両駆動用モータ、 12…回転軸、 13…アウトプット軸、 21…冷却装置、 22…オイルポンプ、 23…オイルポンプ、 24…油路、 25…ストレーナ、 26…油溜め、 27…油路、 28…ストレーナ、 29…油路、 30…油路、 31…共通の油路、 32…キャッチタンク、 33…供給油路、 34…チェックボール、 35…チェックボール、 36…ドレン回路、 37…開閉弁、 38…制御油路、 39…分岐油路、 40,41,42…油面、 51…タイヤ、 52…ホイール、 61…車両の前進方向。
Claims (6)
- 走行のための駆動力を出力するモータが、オイルによって冷却される車両駆動用モータの冷却装置において、
前記オイルを貯留し、かつ、車両の傾きもしくは加速度によって油面が車両の進行方向に対して傾斜する油溜め部と、
前記油面が車両進行方向に対して傾斜した場合の、深い位置と浅い位置とのそれぞれに浸漬される少なくとも二つの吸入部を備えた、前記オイルを汲み上げるポンプ装置と
を備えていることを特徴とする車両駆動用モータの冷却装置。 - 前記油溜め部は、前記車両の減速時もしくは降坂路走行時に前記油面が前記車両進行方向に対して傾斜するように設けられ、
前記吸入部は、前記車両の減速時もしくは降坂路走行時における前記油面の前記車両進行方向に対する傾斜によって、深くなる位置に浸漬されている第1の吸入部と、浅くなる位置に浸漬されている第2の吸入部とを含み、
前記ポンプ装置は、前記車両の減速時もしくは降坂路走行時に前記第1の吸入部からの前記オイルの吸入能力を前記第2の吸入部からの前記オイルの吸入能力より相対的に少なくするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両駆動用モータの冷却装置。 - 前記油溜め部は、前記車両の加速時もしくは登坂路走行時に前記油面が前記車両進行方向に対して傾斜するように設けられ、
前記吸入部は、前記車両の加速時もしくは登坂路走行時における前記油面の前記車両進行方向に対する傾斜によって、浅くなる位置に浸漬されている第1の吸入部と、深くなる位置に浸漬されている第2の吸入部とを含み、
前記ポンプ装置は、前記車両の加速時もしくは登坂路走行時に前記第1の吸入部からの前記オイルの吸入能力を前記第2の吸入部からの前記オイルの吸入能力より相対的に少なくするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両駆動用モータの冷却装置。 - 前記車両の走行速度が予め定めた基準速度以上の場合に、前記第2の吸入部が吐出したオイルをドレンさせる排出機構を、更に備えていることを特徴とする請求項3に記載の車両駆動用モータの冷却装置。
- 前記排出機構は、前記第1の吸入部に吐出圧を供給するポンプによる吐出圧で開閉動作して、前記第2の吸入部が吐出したオイルをドレンさせる機構を含むことを特徴とする請求項4に記載の車両駆動用モータの冷却装置。
- 前記オイルに空気が混入している場合、前記オイルと混入した空気とを分離する機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両駆動用モータの冷却装置。
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