JP2009286643A - 酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法、及び該製造方法により得られる酸化ジルコニウム系焼結体 - Google Patents

酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法、及び該製造方法により得られる酸化ジルコニウム系焼結体 Download PDF

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Abstract

【課題】酸化ジルコニウム系粒子を主成分とし、酸化アルミニウム粒子を含有するような酸化ジルコニウム系原料配合物を押出成形して押出成形体を得、該押出成形体から焼結体を製造する場合において、緻密な酸化ジルコニウム系焼結体を得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】酸化ジルコニウム系粒子を主成分とし、且つ、酸化アルミニウム粒子を所定量含有する酸化ジルコニウム系原料配合物と有機バインダと水とを含有する成形材料を押出成形する工程と、押出成形体を乾燥させる工程と、乾燥させた押出成形体を冷間等方圧加圧することにより圧縮する工程と、有機バインダを熱分解させて除去する工程と、焼結工程とを備え、成形材料中の有機バインダの配合量が酸化ジルコニウム系原料配合物100質量部に対し、10質量部以下である酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、強度の高い酸化ジルコニウム系焼結体を生産性に優れた押出成形法を用いて製造するための酸化ジルコニウム系焼結体の製造する方法及び該製造方法により得られる酸化ジルコニウム系焼結体に関する。
従来から、酸化ジルコニウム系焼結体は、その優れた耐熱性、耐摩耗及び耐食性を有する点から、セラミクス製歯科補綴物、切削バイトやドリル工具等の機械部品、自動車用のブレーキ部品等の幅広い分野で使用されている。それらの中でも、酸化アルミニウムを所定量含有する酸化ジルコニウム系焼結体は、特に強度が高い焼結体として知られている。
例えば、下記特許文献1には、酸化セリウムを8〜12mol%含む正方晶酸化ジルコニウム粒子と酸化アルミニウム粒子を主成分とする原料配合物を、冷間等方圧加圧(CIP:Cold Isostatic Pressing)により成形して圧粉体を得る圧粉体成形工程と、この圧粉体を所定形状に整形して整形加工体を得る整形加工工程と、この整形加工体を、該整形加工体が緻密焼結される温度より低い温度で予備焼結して予備焼結体を得る予備焼結工程と、この予備焼結体を、完成品となる歯科補綴物と略同一形状に切削加工して切削加工体を得る切削加工工程と、この切削加工体を、該切削加工体が緻密焼結される温度で緻密焼結して歯科補綴物を得る緻密焼結工程とを含むような製造方法による、セラミック製歯科補綴物の製造方法が記載されている。
特開2006−271435号公報
上記特許文献1に示されたような酸化ジルコニウム系粒子を主成分とし、酸化アルミニウム粒子を含有するような酸化ジルコニウム系原料配合物の焼結体は、焼結体密度を高くすることにより本来の高い強度を発現する。
ところで、生産性よくセラミクス製品を製造する方法としては、従来から、無機粉体原料と有機バインダと水とを配合してなる押出成形用原料を押出成形した後、得られた押出成形体を焼結させることによりセラミクス製品を製造する方法が広く知られている。本発明者らは、酸化ジルコニウム系粒子を主成分とし、酸化アルミニウム粒子を含有するような酸化ジルコニウム系原料配合物の焼結体を生産性よく製造する目的で、押出成形を用いて酸化ジルコニウム系原料配合物の押出成形体を得、得られた押出成形体を焼結させることにより酸化ジルコニウム系焼結体を得ようとした。しかしながら、通常の押出成形の方法によれば、上記特許文献1に示されたような有機バインダを用いずにCIPにより圧粉体を成形した後、焼結させる方法や、従来から知られたようなプレス成形した後、焼結させる方法により得られるような酸化ジルコニウム系焼結体に比べて、密度の低い焼結体しか得られなかった。
本発明は、酸化ジルコニウム系粒子を主成分とし、酸化アルミニウム粒子を含有するような酸化ジルコニウム系原料配合物の押出成形を経て、焼結体を生産性よく製造する場合において、緻密な酸化ジルコニウム系焼結体を得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、通常の押出成形の方法によれば、強度の低い焼結体しか得られない理由を検討したところ、酸化ジルコニウム系粒子を主成分とし、酸化アルミニウム粒子を含有するような酸化ジルコニウム系原料配合物を有機バインダ及び水の存在下で押出成形して押出成形体を得、このような押出成形体を焼結させて得られる焼結体は、開気孔率が高く、密度が低い焼結体になっていることに気付いた。そして、密度が低い焼結体が得られる原因をさらに検討したところ、酸化アルミニウム粒子単独の焼結温度は通常1500〜1600℃程度であり、酸化ジルコニウム系粒子の焼結温度は通常1350〜1500℃程度であるために、焼結される前の押出成形体が緻密なものでなければ、焼結温度の高い酸化アルミニウム粒子が充分に焼結しないのではないかと考えた。このようなことから、押出成形により得られる焼結前の押出成形体の見かけ密度をより高くして緻密にすることにより上記問題点を解決できるのではないかと考え、本発明に想到するに至った。
すなわち、上記課題を解決する本発明の酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法は、安定化剤を含有する酸化ジルコニウム系粒子を主成分とし、且つ、酸化アルミニウム粒子を0.5〜50容積%の範囲で含有する酸化ジルコニウム系原料配合物と有機バインダと水とを含有する成形材料を押出成形することにより押出成形体を得る押出成形工程と、該押出成形体中の水分を乾燥させる乾燥工程と、該乾燥させた押出成形体を冷間等方圧加圧することにより圧縮成形体を得る圧縮工程と、前記有機バインダが熱分解する温度以上であり、且つ、前記圧縮成形体が焼結する温度未満の温度で該圧縮成形体を加熱することにより有機バインダを除去する脱脂工程と、前記有機バインダが除去された圧縮成形体を焼結する焼結工程とを備え、前記成形材料中の有機バインダの配合量が前記酸化ジルコニウム系原料配合物100質量部に対し、10質量部以下であることを特徴とする。このような方法によれば、押出成形を用いて生産性よく、酸化ジルコニウム系粒子を主成分とし、酸化アルミニウム粒子を含有する、緻密な酸化ジルコニウム系焼結体を得ることができる。
また、前記乾燥工程で乾燥された押出成形体の含水率としては、3.5質量%以下であることが、後のCIPにおいて押出成形体を充分に圧縮することができ、また、脱脂や焼結の際にクラックやボイドが生じることを抑制することができる。
また、前記圧縮成形体の見かけ密度としては3.2g/cm以上であることがより緻密な焼結体が得られる点から好ましい。
また、前記酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法としては、前記圧縮成形体を切削加工することにより所定の形状に成形する切削加工工程をさらに備えることが好ましい。押出成形体は焼結されることにより硬くなり加工が困難になる。従って、焼結前に切削加工により成形することにより、成形加工が容易になる。
また、前記安定化剤としては、酸化セリウムを8〜12mol%含有することが、より焼結性が向上することにより強度が高い焼結体が得られる点から好ましい。
また、本発明の酸化ジルコニウム系焼結体は、上記酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法により得られたものであり、その開気孔率が0.5%以下であることが好ましい。このような焼結体であれば、より高い強度が得られる。
本発明の酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法によれば、押出成形を用いて生産性よく、酸化ジルコニウム系粒子を主成分とし、酸化アルミニウム粒子を含有する、緻密な酸化ジルコニウム系焼結体を得ることができる。
本発明の酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法においては、はじめに、安定化剤を含有する酸化ジルコニウム系粒子を主成分とし、且つ、酸化アルミニウム粒子を0.5〜50容積%の範囲で含有する酸化ジルコニウム系原料配合物と有機バインダと水とを含有する成形材料を押出成形することにより押出成形体を得る(押出成形工程)。
前記酸化ジルコニウム系原料配合物は、安定化剤を含有する酸化ジルコニウム系粒子を主成分とし、且つ、酸化アルミニウム粒子を0.5〜50容積%の範囲で含有するものである。
酸化ジルコニウム系粒子に含有される安定化剤とは、酸化ジルコニウム系焼結体中に固溶させることにより、酸素空孔を形成させて立方晶および正方晶を室温で安定または準安定化させるための成分であり、CeO(酸化セリウム)、CaO(酸化カルシウム)、MgO(酸化マグネシウム)、TiO(酸化チタン)、Y(酸化イットリウム)等のような酸化物が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、CeOが安定化の作用が特に優れている点から好ましい。なお、安定化剤として、CeOを含有する場合には、酸化ジルコニウム系粒子中、8〜12mol%含有することがより強度の高い焼結体が得られる点から好ましい。
なお、酸化ジルコニウム系粒子の平均粒子径としては、40〜90nm、さらには55〜75nm程度であることが焼結性に優れる点から好ましい。
前記酸化ジルコニウム系原料配合物は、安定化剤を含有する酸化ジルコニウム系粒子と酸化アルミニウム粒子とを、混合することにより得られる。
酸化ジルコニウム系原料配合物中の酸化アルミニウム粒子の配合割合は、0.5〜50容積%であり、好ましくは10〜50容積%、さらに好ましくは30〜40容積%である。前記酸化アルミニウム粒子の配合割合が0.5容積%未満の場合には、高い焼結体強度が得られず、50容積%を超える場合には靭性が低下する。
なお、酸化アルミニウム粒子の平均粒子径としては、70〜130μm、さらには90〜110μm程度であることが焼結性に優れる点から好ましい。
前記成形材料は、上記のような酸化ジルコニウム系原料配合物と有機バインダと水とを混合することにより得られる。
有機バインダとしては、MIM(Metal Injection Molding)やCIM(Ceramic Injection Molding)等の分野で従来から用いられているバインダ、具体的には、例えば、メチルセルロース等のセルロース、グリセリン,ステアリン酸,パラフィンワックス等のワックス類、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、及びポリプロピレン等の有機バインダ等が用いられうる。
有機バインダの配合量は酸化ジルコニウム系原料配合物100質量部に対し、10質量部以下、好ましくは8質量部以下であり、好ましくは6.5質量部以上、さらに好ましくは7.5質量部以上である。有機バインダの配合量が酸化ジルコニウム系原料配合物100質量部に対し、10質量部を超える場合には、密度の高い予備成形体が得られない。また、有機バインダの配合量が少なすぎる場合には結着力が不充分になり、押出成形における成形性が低下する傾向がある。
また、成形材料中の水の配合量は、押出成形における混練性が適当になるような量であれば特に限定されず、具体的には、例えば、酸化ジルコニウム系原料配合物100質量部に対し15〜22質量部、さらには、17〜20質量部程度であることが混練性の点から好ましい。水の配合量が少なすぎる場合には、混練時におけるスクリューのトルクが高くなり、多すぎる場合には形状維持性が低下する傾向がある。
成形材料は、所定の配合組成で、酸化ジルコニウム系原料配合物と有機バインダと水とを適当な容器に仕込み、充分に撹拌混合することにより調製される。なお、より充分に混練するためには、予備撹拌の後、ニーダー、バンバリーミキサ、ロール、ボールミル等を用いて充分に混練することが好ましい。
次に、このように調製された成形材料を押出成形することにより押出成形体を得る。押出成形の方法としては、特に限定されず、従来から知られた単軸押出機または二軸押出機等を用いた方法が用いられる。具体的には、押出成形機に備えられた材料供給口からシリンダ内に成形材料を供給し、供給された成形材料をシリンダ内に備えられたスクリューにより混練する。そして、スクリューにより混練された後、押出成形機の先端に備えられた所定形状の口金から、押出成形物を連続して吐出する。そして、連続して吐出された押出成形物を、ベルトコンベアで搬送した後、カッターで所定の長さに切断することにより予備成形体が得られる。なお、押出成形においては、シリンダ内を減圧することにより、成形材料中のガスを脱気するために、真空ポンプ等の減圧装置が接続された押出成形機を用いることが好ましい。
次に、得られた押出成形体中の水分を乾燥させる(乾燥工程)。
乾燥工程は、押出成形体中の水分を充分に乾燥させることにより、後のCIPにおいて押出成形体を充分に圧縮できるようにし、また、脱脂や焼結の際にクラックやボイドが生じることを抑制するための工程である。
乾燥工程においては、例えば、乾燥前の含水率が12〜18質量%程度の押出成形体を好ましくは3.5質量%、さらに好ましくは3質量%以下の含水率にまで乾燥させることが好ましい。
乾燥工程における乾燥方法としては、含水率が5〜8質量%になるまでは、24時間以上常温付近で乾燥させ、その後、75〜85℃程度に設定された恒温装置に12〜48時間放置することにより高温で乾燥させることにより、押出成形体中の含水率を3.5質量%以下になる程度まで充分に乾燥させる方法が好ましい。このように、含水率が高いときには、常温付近で長時間かけて乾燥し、含水率が比較的低くなったときに高温で強制的に乾燥させることにより、押出成形体中の含水率を充分に低下させることができる。
次に、乾燥された押出成形体を冷間等方圧加圧により圧縮することにより圧縮成形体を得る(圧縮工程)。この圧縮工程を図1を参照しながら説明する。
図1は冷間等方圧加圧装置(CIP装置)10の概略模式図を示す。図1中、1は液体、2は上蓋、3は下蓋、4は円筒、5は圧縮処理される押出成形体6を密封する樹脂袋である。
冷間等方圧加圧は、図1に示すように、押出成形体6を樹脂袋5で真空密封した後、CIP装置10の内部に貯蔵された液体1中に浸漬し、図略の外部ポンプにより液体1を送液して圧力を付与することにより、押出成形体6に等方的な圧力が付与される。付与される等方的な圧力としては、150〜400MPa、さらには、200〜300MPa程度であることが好ましい。前記圧力が低すぎる場合には、押出成形体6が充分に圧縮されず、また、大きすぎる場合には、押出成形体6が変形するおそれがある。
このようにして得られた圧縮成形体の見かけ密度としては、3.2g/cm以上、さらには3.23g/cm以上であることが好ましい。圧縮成形体の見かけ密度が低すぎる場合には、得られる焼結体の開気孔率が高くなって緻密な焼結体が得られなくなる傾向がある。
次に、このようにして得られた圧縮成形体を有機バインダが熱分解する温度以上であり、且つ、圧縮成形体が焼結する温度未満の温度、具体的には、例えば、450〜600℃、さらに好ましくは500〜600℃程度の温度で、大気中で24〜72時間加熱することにより予め有機バインダを除去する(脱脂工程)。
有機バインダを除去するためには、圧縮成形体を焼結する際に、焼結するのと同時に有機バインダを燃焼させる方法も考えられる。しかしながら、焼結するのと同時に有機バインダを燃焼させて除去する方法によれば、有機バインダの燃焼により系内の酸素が消費されて雰囲気が還元性になる。この場合には、酸化ジルコニウム系原料の焼結が充分に進行しないおそれがある。このような場合において、予め、有機バインダのみを除去した後、酸化雰囲気下で押出成形体を焼結させることにより酸化物である安定化剤からの酸素の脱離を抑制することができ、それにより結晶構造の安定化の効果を充分に発揮させることができる。
このようにして得られた圧縮成形体を酸化雰囲気下で焼結させることにより、酸化ジルコニウム系焼結体が得られる。
焼結は、大気雰囲気等の酸化雰囲気下で1400〜1480℃程度の温度に設定した焼結炉内で所定の時間、例えば12〜24時間行われる。焼結温度が低すぎる場合には粒の結合強度不足により得られる酸化ジルコニウム系焼結体の強度が低下する傾向があり、高すぎる場合には粒の過剰な成長により得られる酸化ジルコニウム系焼結体の強度が低下する傾向がある。
なお、所定の形状の焼結体を得るために切削加工による成形を必要とする場合には、焼結前に圧縮成形体を所定の形状に切削加工した後、焼結することが好ましい。焼結された後の酸化ジルコニウム系焼結体は、硬度が高くなるために切削加工が困難になるために、焼結工程の前に切削加工することにより容易に所定の形状を得ることができる。
このようにして得られた酸化ジルコニウム系焼結体は、開気孔率が低く、密度が高い緻密な焼結体になる。このような酸化ジルコニウム系焼結体の開気孔率としては、1%以下、さらには0.5%以下である。
このような酸化ジルコニウム系焼結体は、高い強度を有し、耐熱性、耐摩耗及び耐食性にも優れる点から、歯科補綴物、切削バイトやドリル工具等の機械部品等に好ましく用いられうる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
安定剤として9mol%CeO、0.1mol%MgO、0.05mol%TiOを含有する、平均粒子径65nmの酸化ジルコニウム系粒子と平均粒子径100nmの酸化アルミニウム粒子とを、酸化ジルコニウム系粒子70容積%、酸化アルミニウム粒子30容積%になるように配合及び混合することにより酸化ジルコニウム系原料配合物を調製した。
そして、上記酸化ジルコニウム系原料配合物100質量部に対し、有機バインダ7.5質量部及び水20質量部を配合し、予備撹拌の後、三本ロール混練機で混練することにより成形材料を調製した。なお、有機バインダとしては、メチルセルロース:グリセリン=2:1(質量比)の混合物を用いた。
次に、得られた成形材料をシリンダ径20mm、出口金型の直径10mmの真空押出成形機に供給し、金型温度を10〜20℃に維持しながら押出成形し、吐出された直径10mmの棒状成形体を100mmに切断することにより押出成形体を得た。
そして、得られた押出成形体を常温で3日間自然乾燥させた後、80℃に設定した恒温装置を用いて12時間、強制乾燥した。乾燥後の押出成形体の含水率は2%であった。なお、含水率は赤外線水分計により測定した。
次に、乾燥された押出成形体をビニール袋に真空パックし、250MPa,1分間の保持条件でCIP処理を行うことにより圧縮して、圧縮成形体を得た。得られた圧縮成形体の見掛け密度は3.3g/cmであった。このときの見掛け密度は圧縮成形体の重量(W(g))を測定し、一方、圧縮成形体の半径(D(cm))及び長さ(L(cm))をノギスで計測して成形品の体積(V(cm))=D×(円周率)×Lを求め、W/Vから求めた。
そして、得られた圧縮成形体を脱脂炉内に入れ、大気雰囲気で常温から550℃まで30時間かけて昇温し、550℃到達後1時間放置し、550℃から室温まで17時間かけて室温まで降温させることにより、有機バインダを熱分解させて除去(脱脂)した。
そして、脱脂された圧縮成形体を1450℃に設定した焼結炉で、大気雰囲気中で1時間保持して焼結させることにより、酸化ジルコニウム系焼結体を得た。
そして得られた酸化ジルコニウム系焼結体の密度と開気孔率をJIS R 1634に準じて測定した。
その結果、開気孔率は0.4%、密度は5.52g/cmであった。
(実施例2〜4)
酸化ジルコニウム系原料配合物100質量部に対し、有機バインダ7.5質量部を配合する代わりに、それぞれ、8質量部、8.5質量部、及び10質量部配合した以外は実施例1と同様にして酸化ジルコニウム系焼結体を得、評価した。結果を表1に示す。
(比較例1〜4)
乾燥された押出成形体をCIP処理せずに、脱脂炉内に入れて脱脂した後、焼結した以外は実施例1〜4と同様にして酸化ジルコニウム系焼結体を得、評価した。結果を表1に示す。
(比較例5)
酸化ジルコニウム系原料配合物100質量部に対し、有機バインダ7.5質量部を配合する代わりに、17質量部配合した以外は実施例1と同様にして酸化ジルコニウム系焼結体を得、評価した。結果を表1に示す。
(比較例6)
乾燥された押出成形体をCIP処理せずに、脱脂炉内に入れて脱脂処理した後、焼結した以外は比較例5と同様にして酸化ジルコニウム系焼結体を得、評価した。結果を表1に示す。
(比較例7)
脱脂処理しなかった以外は実施例2と同様にして酸化ジルコニウム系焼結体を得、評価した。結果を表1に示す。
(比較例8)
乾燥された押出成形体をCIP処理及び脱脂処理せずに、焼結した以外は実施例2と同様にして酸化ジルコニウム系焼結体を得、評価した。結果を表1に示す。
(比較例9)
押出成形体を乾燥しなかった以外は実施例1と同様にして酸化ジルコニウム系焼結体を得、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2009286643
表1の結果から、本発明に係る実施例1〜4の製造方法によれば、いずれも開気孔率が低く、また密度も高い緻密な酸化ジルコニウム系焼結体が得られた。また、このとき得られた圧縮成形体の密度も低かった。
一方、実施例1〜4の製造方法において、CIP処理をしなかった以外は同様に行った比較例1〜4の製造方法によれば、開気孔率が5%以上と大幅に高く、密度も低い焼結体しか得られなかった。また、バインダ量が多い比較例5及び脱脂処理をしなかった比較例7においても緻密な焼結体が得られなかった。さらに、乾燥処理をしなかった比較例9においては、クラックが発生したため酸化ジルコニウム系焼結体の密度が測定できなかった。
冷間等方圧加圧を説明する模式図。
符号の説明
1 液体
2 上蓋
3 下蓋
4 円筒
5 樹脂袋
6 押出成形体
10 冷間等方圧加圧装置

Claims (7)

  1. 安定化剤を含有する酸化ジルコニウム系粒子を主成分とし、且つ、酸化アルミニウム粒子を0.5〜50容積%の範囲で含有する酸化ジルコニウム系原料配合物と有機バインダと水とを含有する成形材料を押出成形することにより押出成形体を得る押出成形工程と、該押出成形体中の水分を乾燥させる乾燥工程と、該乾燥させた押出成形体を冷間等方圧加圧することにより圧縮成形体を得る圧縮工程と、前記有機バインダが熱分解する温度以上であり、且つ、前記圧縮成形体が焼結する温度未満の温度で該圧縮成形体を加熱することにより有機バインダを除去する脱脂工程と、前記有機バインダが除去された圧縮成形体を焼結する焼結工程とを備え、
    前記成形材料中の有機バインダの配合量が前記酸化ジルコニウム系原料配合物100質量部に対し、10質量部以下であることを特徴とする酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法。
  2. 前記乾燥工程で乾燥された押出成形体の含水率が3.5質量%以下である請求項1に記載の酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法。
  3. 前記圧縮成形体の見かけ密度が3.2g/cm以上である請求項1または2に記載の酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法。
  4. 前記圧縮成形体を切削加工することにより所定の形状に成形する切削加工工程をさらに備える請求項1〜3の何れか1項に記載の酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法。
  5. 前記安定化剤として、酸化セリウムを8〜12mol%含有する請求項1〜4の何れか1項に記載の酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法により得られる酸化ジルコニウム系焼結体。
  7. 開気孔率が0.5%以下である請求項6に記載の酸化ジルコニウム系焼結体。
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