JPH06305829A - ジルコニア質焼結体及びその製造方法 - Google Patents

ジルコニア質焼結体及びその製造方法

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JPH06305829A
JPH06305829A JP5099367A JP9936793A JPH06305829A JP H06305829 A JPH06305829 A JP H06305829A JP 5099367 A JP5099367 A JP 5099367A JP 9936793 A JP9936793 A JP 9936793A JP H06305829 A JPH06305829 A JP H06305829A
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JP
Japan
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zro2
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zro
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Pending
Application number
JP5099367A
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English (en)
Inventor
Terumitsu Ichimori
照光 一森
Susumu Nakayama
享 中山
Nobuo Ayusawa
信夫 鮎澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinagawa Refractories Co Ltd
Original Assignee
Shinagawa Refractories Co Ltd
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ZrO2 を主体とし、CeO2 を10〜20
モル%含有する主成分と、該主成分に対して0.1〜1
0重量%のAl23 と、0.05〜0.5重量%のS
iO2 と、0.05〜0.5重量%のB23 とを含む
ジルコニア質焼結体。原料粉末を成型した後、1400
〜1600℃にて焼結させる。 【効果】 CeO2 系ZrO2 の優れた破壊靭性特性を
生かしつつ、強度面及び耐熱衝撃性の面について向上さ
せて、従来にない高い破壊靭性値と高耐熱衝撃性を兼ね
揃えた、ジルコニア質焼結体が提供される。高い破壊靭
性特性を持ちながら、曲げ強度や耐熱衝撃性の問題によ
り、その特性を十分に利用できなかった様々な工業的応
用分野に対し、新たな材料として、一般使用において十
分耐え得る強度を持ち、高靭性、高耐熱衝撃性を持った
ジルコニア質焼結体を提供することが可能とされ、その
工業的有用性は極めて大である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジルコニア質焼結体及び
その製造方法に係り、特に、CeO2 で安定化させたZ
rO2 において、耐熱衝撃性を向上させた、高破壊靭
性、高耐熱衝撃性ジルコニア質焼結体及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】常温で安定な単斜晶ZrO2 は、115
0℃近辺において正方晶へ、更に2370℃付近におい
て立方晶へ相転移する。この相転移に伴う体積変化は、
焼結体中にクラックを生じさせる原因となり、ZrO2
の焼結体を得ることの障害となっていた。
【0003】しかし、このZrO2 にMgOやCaO又
はY23 などを添加することにより、常温において準
安定相である正方晶ZrO2 を単斜晶に転移させること
なく焼結を行えることが明らかになり、様々な研究が繰
り返され、現在においては、強靭性を応用したセラミッ
クス製ハサミや、潤滑性を利用した金型押し出し用のダ
イス、断熱性や熱膨張特性を利用した断熱型エンジン用
部品、酸素イオン導電性を応用した酸素センサーや燃料
電池等の構成材料として幅広く使用されるようになっ
た。
【0004】また、ZrO2 のもつマルテンサイト変態
による効果とされる高破壊靭性特性については特に、C
eO2 を安定化剤として用いた焼結体が近年最も高い特
性を示すことが報告され(特公平3−52425号公
報)、注目されるようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、CeO2 で安
定化したZrO2 は比較的低強度であり耐熱衝撃特性が
悪いという面があるために、その利用範囲はごく限られ
たものになっていた。そこで、近年では、同じジルコニ
ア質焼結体で高強度であることが知られている、Y2
3 系ZrO2 の特性を利用して、CeO2 系ZrO2
23 を添加するか、或いは、CeO2 系ZrO2
23 系ZrO2 とを混合した系を作るなどといった
方法により、強度の向上を図ることが行われた。
【0006】これらの方法で得られた焼結体は、従来の
ものに比べ強度の向上は図れるものの、強度向上に伴い
CeO2 系ZrO2 の特徴であった高い破壊靭性値の低
下をきたすという欠点があった。また、耐熱衝撃特性の
向上に対しては、ジルコニア質焼結体において、比較的
耐熱衝撃性の良いとされるMgO系ZrO2 との混合が
行われたが、これについても強度向上時と同様に、耐熱
衝撃性の向上に伴い破壊靭性値の低下が起きるといった
問題を生じていた。その他、Al23 或いはAl2
3 −MgO,Al23 −SiO2 等を添加することに
より特性を向上させたZrO2 (特開昭60−2462
61号公報)等の報告もあるが、完全な問題解決となる
ものではなかった。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解決し、C
eO2 系ZrO2 のもつ高い破壊靭性特性を十分に生か
し、強度及び耐熱衝撃特性を向上させたジルコニア質焼
結体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のジルコニア質焼
結体は、ZrO2 を主体とし、CeO2 を10〜20モ
ル%含有する主成分と、該主成分に対して0.1〜10
重量%のAl23 と、0.05〜0.5重量%のSi
2 と、0.05〜0.5重量%のB23 とを含むこ
とを特徴とする。
【0009】本発明のジルコニア質焼結体の製造方法
は、原料粉末を成型した後、1400〜1600℃にて
焼結させることを特徴とする。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明のジルコニア質焼結体は、CeO2
にて安定化させたZrO2 を主成分とするものである
が、この主成分中のCeO2 の含有量が10モル%未満
では、安定したZrO2 が得られず、焼成体に亀裂が生
じてしまう。また、20モル%を超えると、前記したよ
うなCeO2 系ZrO2 の最大の特徴であるとも言える
高い破壊靭性特性が得られない。従って、主成分中のC
eO含有量は10〜20モル%とする。
【0012】Al23 及びSiO2 の添加は、主成分
であるCeO2 系ZrO2 の強度向上に対して大きな効
果がある。Al23 もしくはSiO2 のみによっても
強度向上の効果は得られるが、Al23 及びSiO2
を同時添加することによりその効果は更に大きくなる。
また、このAl23 ,SiO2 の添加量はそれぞれ、
前記主成分に対し0.1〜10重量%、0.05〜0.
5重量%、好ましくは、Al23 0.3〜3重量%、
SiO2 0.05〜0.2重量%とする。Al23
加量が0.1重量%未満では、Al23 の添加効果が
得られない。また、SiO2 添加量が0.05重量%未
満のときにおいても同様である。Al23 添加量が1
0重量%を超える場合、もしくは、SiO2 添加量が
0.5重量%を超えるものにおいては、その過剰量に応
じて強度の低下が見られ好ましくない。
【0013】B23 はCeO2 系ZrO2 の耐熱衝撃
性の向上に効果を示すものであるが、添加量が過度に多
いと強度の低下を招いてしまう。従って、B23 は主
成分に対して0.5重量%以下の添加量とする必要があ
る。このB23 添加による耐熱衝撃性の向上効果は、
主成分に対して0.05重量%以上の添加において現れ
ており、よってB23 添加量は0.05〜0.5重量
%、好ましくは0.05〜0.25重量%とする。
【0014】これら添加成分(B,Al,Si)は、酸
化物のほかに炭化物、窒化物又は水酸化物などの形で添
加しても同様の効果が得られる。
【0015】本発明の方法に従って、本発明のジルコニ
ア質焼結体を製造するには、まず、通常の酸化物混合法
等により、ZrO2 ,CeO2 ,Al23 ,SiO
2 ,B23 を上記所定配合にて混合する。例えば、原
料酸化物にイオン交換水等の高純度水を添加しボールミ
ルで混練した後、乾燥する。
【0016】得られた混合物を常法に従って成型して1
400〜1600℃の温度範囲内で焼結させる。ここで
1400℃未満にて焼成したものは、焼結が不十分であ
るがゆえに高特性とはなり得ない。逆に、1600℃を
超える温度で焼成を行うと、焼結が進み過ぎて、本来も
っている特性を劣化させてしまう。このため、焼成温度
は1400〜1600℃とする。
【0017】
【作用】本発明の化学組成及び製造方法により、CeO
2 系ZrO2 が本来持っている破壊靭性特性を生かしつ
つ、強度及び耐熱衝撃性の向上を図ることが可能であ
り、高靭性、高耐熱衝撃特性と言った優れた特性をもつ
ジルコニア質焼結体を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
【0019】実施例1 表1,2に示す組成となるように酸化ジルコニウム(Z
rO2 )、酸化セリウム(CeO2 )、酸化アルミニウ
ム(Al23 )、二酸化ケイ素(SiO2 )、酸化ホ
ウ素(B23 )を秤量し、溶媒としてイオン交換水を
用い、ゴムライニングのボールミルにてZrO2 質玉石
を使用して混練した後、乾燥を行った。次に、仮焼を行
い、得られた仮焼粉を上記混練時と同様のボールミルに
て解砕し、アクリル系共重合樹脂を3重量%加えてスプ
レー造粒した。得られた造粒粉を1000Kgf/cm
2 の圧力でCIP成型して、表3,4,5に示す温度に
て焼成を行った。
【0020】得られたジルコニア質焼結体について、フ
ァインセラミックスの曲げ強さ試験方法(JIS R1
601)に従って測定した3点曲げ強度、IF法により
求めた破壊靭性値(JIS R1607)、一定温度よ
り水中へ入れ急冷却した後、曲げ強度の低下を測定し強
度低下の直前温度を試料のΔtとした耐熱衝撃試験の測
定結果を表3,4,5に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】上記結果より次のことが明らかである。本
発明のジルコニア質焼結体は、CeO2 を10〜20モ
ル%含むCeO2 系ZrO2 主成分に対し、Al2
3 ,SiO2 ,B23 の3種類の添加物が含まれ、そ
れぞれの添加量が、0.1〜10重量%、0.05〜
0.5重量%、0.05〜0.5重量%の範囲内にある
ものであり、これらの添加物のうち、1種でもこの範囲
よりはずれるものもしくは、3種類の添加物が総て含ま
れていないものでは、高靭性でかつ高い耐熱衝撃特性を
持ったジルコニア質焼結体を得ることはできない。
【0027】また、ZrO2 内に含有するCeO2 量が
10〜20モル%であり、更に、本発明に係る上記3種
の添加物をそれぞれ本発明の数値限定範囲内に収めた組
成を用いるものであっても、焼成時において、本発明の
数値限定範囲外の温度にて焼結させたものでは、本発明
のジルコニア質焼結体は得られない。
【0028】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のジルコニア
質焼結体及びその製造方法によれば、CeO2 系ZrO
2 の優れた破壊靭性特性を生かしつつ、強度面及び耐熱
衝撃性の面について向上させて、従来にない高い破壊靭
性値と高耐熱衝撃性を兼ね揃えた、ジルコニア質焼結体
が提供される。
【0029】従って、本発明によれば、高い破壊靭性特
性を持ちながら、曲げ強度や耐熱衝撃性の問題により、
その特性を十分に利用できなかった様々な工業的応用分
野に対し、新たな材料として、一般使用において十分耐
え得る強度を持ち、高靭性、高耐熱衝撃性を持ったジル
コニア質焼結体を提供することが可能とされ、その工業
的有用性は極めて大である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ZrO2 を主体とし、CeO2 を10〜
    20モル%含有する主成分と、該主成分に対して0.1
    〜10重量%のAl23 と、0.05〜0.5重量%
    のSiO2 と、0.05〜0.5重量%のB23 とを
    含むことを特徴とするジルコニア質焼結体。
  2. 【請求項2】 原料粉末を成型した後、1400〜16
    00℃にて焼結させることを特徴とする請求項1に記載
    のジルコニア質焼結体の製造方法。
JP5099367A 1993-04-26 1993-04-26 ジルコニア質焼結体及びその製造方法 Pending JPH06305829A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009286643A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Panasonic Electric Works Co Ltd 酸化ジルコニウム系焼結体の製造方法、及び該製造方法により得られる酸化ジルコニウム系焼結体

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6246959A (ja) * 1985-08-20 1987-02-28 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 耐熱安定性に優れた高靭性セラミツク焼結体及びその製造方法

Patent Citations (1)

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JPS6246959A (ja) * 1985-08-20 1987-02-28 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 耐熱安定性に優れた高靭性セラミツク焼結体及びその製造方法

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