JP2004359534A - ジルコニア質焼結体 - Google Patents

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Abstract

【課題】接触する物質への不純物元素汚染がなく、耐熱衝撃性(特に1800℃までの耐急速加熱衝撃性をいう)に優れ、高い機械的強度を有するジルコニア質焼結体を提供する。
【解決手段】(1)HfOを除く不可避不純物総量が0.3wt%以下の高純度化処理されたZrOとZrO高温結晶相の安定化剤としての希土類金属酸化物及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種又は2種以上とを混合し、その混合物の融点以上とし溶融状態を経させたジルコニア原料、(2)HfOを除く不可避不純物総量が0.5wt%以下の高純度化処理されたZrOをその融点以上とし溶融状態を経させたZrOとZrO高温結晶相の安定化剤としての希土類金属酸化物及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種又は2種以上とを混合したジルコニア原料を、特定の条件下で焼結させる。
【選択図】なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、耐熱衝撃性(本発明では、特に1800℃までの耐急速加熱衝撃性をいう)に優れ、高い機械的強度を有し、接触する物質への不純物元素汚染をなくしたジルコニア質焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジルコニア(ZrO)は、室温では単斜晶が安定であり、これを加熱していくと、約1170℃前後で大きな体積収縮を起こして正方晶に転移し、続いて約2370℃前後で立方晶に転移する。一方、立方晶ジルコニアを冷却していくと、正方晶に転移し、続いて約960℃前後で大きな体積膨張を伴い、室温で安定な単斜晶に転移する。このようにジルコニアは、可逆相転移をする際、大きな体積収縮ないしは体積膨張を伴うものであり、これにより割れが発生するという欠点を有している。この欠点を解消するため、一般にマグネシウム、カルシア等のアルカリ土類金属酸化物又は、セリア、イットリア等の希土類金属酸化物などを安定化剤として添加し、上記のようなジルコニアの相転移を抑制している。
【0003】
この安定化剤を含有するジルコニア質焼結体は、その結晶を構成する相により安定化ジルコニアあるいは部分安定化ジルコニアと呼ばれ、強靱性を応用したセラミックス製ハサミ、潤滑性を利用した金型押出し用ダイス、断熱性や熱膨張特性を利用した断熱型エンジン用部品、酸素イオン導電性を応用した酸素センサー、燃料電池等の構成材料、耐熱性や反応性の低さからセラミックスの焼成用敷粉等に多く利用されている。
しかしながら、ジルコニア質焼結体は、高強度、高靱性、耐食性、耐熱性、低反応性等に優れている上に熱伝導率が小さく断熱性にも優れている等、種々の長所を有しているにもかかわらず、耐熱衝撃性に劣るため、これが広汎な使用を妨げる原因の1つとなっていた。
現在、ジルコニア質耐火物は、安定化剤を所定量加えて電融した電融ジルコニアが一般的であるが、このものはその粉砕粉末を成形しても30%程度の気孔率を有する多孔性のものしか得られず、曲げ強度などの機械的強度について必ずしも満足すべきものは得られておらず、耐熱衝撃性を要求するものに対しては使用に耐えられない。また、ジルコニア原料として安定化剤を配合して焼成安定化させた焼成ジルコニアも知られてはいるが、これを焼結したジルコニア質耐火物は気孔率が上がり、耐熱衝撃性に劣る。
【0004】
その一例として、焼成中の安定化反応を高めるため、325メッシュ以下で平均粒径0.5〜5μmのバデライト(ZrO)に325メッシュ以下のMgO、CaO及びYの1種又は2種以上からなる安定化剤を2〜7重量%配合し、これを有機質又は無機質の粘着剤を使用して造粒し、成形後1600〜1850℃の温度で焼成することによって焼結及びジルコニアの安定化処理を同時に行うことにより曲げ強度の高いジルコニア質耐火物を得ているが、その曲げ強度は最高でも147N/mmであり、その気孔率も20%以上と高い(特許文献1)。
すなわち、構造用セラミックス材料としては比較的機械的強度の低いアルミナ焼結体なみの196N/mm以上の曲げ強度を有し、溶融金属の侵入及び反応を少なくすることができる20%以下の気孔率を有し、更に耐熱衝撃性を有するジルコニア質焼結体とは成り得ていない。
【0005】
近年、機械的強度に優れ、高い耐熱衝撃性を有するジルコニア質焼結体を実現する1つの手段として、バデライトからなるZrOを主成分とした希土類金属酸化物安定化ジルコニア質焼結体が提案されている。このジルコニア質焼結体は、一定組成域で気孔率を満足するジルコニア質焼結体を用いることにより、従来にない、耐熱衝撃性に優れ、低価格で、高い機械的強度を有するジルコニア質焼結体及び簡便な工程からなるその製造方法を提供するものであるが、天然原料であるバデライトを用いているために原料中にはFeを始めとする不純物元素が多く存在するため、そのジルコニア質焼結体と接触するものへの汚染が問題となる(特許文献2及び3)。
このバデライト中の不純物元素は、一般的な工業的手法である酸・アルカリ処理法では十分に除くことができない。一方、バデライト鉱石を水溶液に溶かし、高純度化が施されたZrOを主成分としたジルコニア質焼結体では、十分な耐熱衝撃性を得ることは不可能である。
【特許文献1】
特開昭60−42274号公報
【特許文献2】
特開平8−40770号公報
【特許文献3】
特開平8−59345号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点に鑑み成されたものであって、その目的とするところは、接触する物質への不純物元素汚染がなく、耐熱衝撃性(本発明では、特に1800℃までの耐急速加熱衝撃性をいう)に優れ、高い機械的強度を有するジルコニア質焼結体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、高純度化処理されたZrO又はZrOと安定化剤との混合物を、融点以上で溶融状態とすることにより、バデライト鉱石が地球上で形成された同じ状態を経させたジルコニア原料とし、このジルコニア原料を特定の条件下で焼結することにより、接触する物質への不純物元素汚染がなく、耐熱衝撃性(本発明では、特に1800℃までの耐急速加熱衝撃性をいう)に優れ、高い機械的強度を有するジルコニア質焼結体が得られることを見出した。
この知見に基づき、本発明は、
(1)HfOを除く不可避不純物総量が0.3wt%以下の高純度化処理されたZrOとZrO高温結晶相の安定化剤としての希土類金属酸化物(但し、Laの酸化物及びPrの酸化物を除く)及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種又は2種以上とを混合し、その混合物の融点以上とし溶融状態を経させたジルコニア原料を、1450〜1850℃で焼結したジルコニア質焼結体において、上記希土類金属酸化物(但し、Laの酸化物及びPrの酸化物を除く)とZrOとのモル比が1/99〜5/95及び/又は上記アルカリ金属酸化物とZrOとのモル比が4/96〜12/88であり、かつ、該焼結体の気孔率が20%以下であることを特徴とするジルコニア質焼結体、
(2)HfOを除く不可避不純物総量が0.3wt%以下の高純度化処理されたZrOをその融点以上とし溶融状態を経させたZrOとZrO高温結晶相の安定化剤としての希土類金属酸化物(但し、Laの酸化物及びPrの酸化物を除く)及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種又は2種以上とを混合したジルコニア原料を、1450〜1850℃で焼結したジルコニア質焼結体において、上記希土類金属酸化物(但し、Laの酸化物及びPrの酸化物を除く)とZrOとのモル比が1/99〜5/95及び/又は上記アルカリ金属酸化物とZrOとのモル比が4/96〜12/88であり、かつ、該焼結体の気孔率が20%以下であることを特徴とするジルコニア質焼結体、
を提供するものである。
【0008】
以下に本発明のジルコニア質粉末についてを詳細に説明する。
先ず、HfOを除く不可避不純物総量が0.3wt%以下、好ましくは0.2wt%、特に好ましくは0.1wt%の高純度化処理されたZrOは、特にその製造方法に限定されるものではないが、例えば、ジルコニウム酸性塩を中和または加水分解反応により水酸化物とし、これを焼成することにより得ることが出来る。
不可避不純物総量が0.3wt%を超えると接触する物質への不純物元素の汚染が特に顕著になり、好ましくない。
表1にZrOの代表的な不可避不純物の分析例を示す。
【表1】
Figure 2004359534
【0009】
次に、ZrO高温結晶相の安定化剤としては、希土類金属酸化物及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種又は2種以上である。
希土類金属酸化物としては、Sc、Y、Ce、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luが例示される。なお、Ceよりもイオン半径の大きなLaの酸化物及びPrの酸化物は、得られるジルコニア質焼結体に亀裂が発生するので、好ましくない。
そして、ZrO高温結晶相の安定化剤として希土類金属酸化物(RE)を用いた場合には、ZrOとのモル比(RE/ZrO)は、1/99〜5/95以下とすることが好ましく、特に好ましい範囲は1.5/98.5〜4/96である。RE/ZrOモル比が1/99未満では、得られるジルコニア質焼結体に亀裂が発生する。また、RE/ZrOモル比が5/95を超えるものでは、十分な機械的強度を有するジルコニア質焼結体が得られない。
一方、アルカリ土類金属酸化物(RO)としては、MgO及びCaOが例示される。
そして、ZrOとのモル比(RO/ZrO)は、4/96〜12/88が好ましく、特に好ましい範囲は6/94〜10/90である。RO/ZrOモル比が4/96未満では、得られるジルコニア質焼結体に亀裂が発生する。また、RO/ZrOモル比が12/88を超えるものでは、十分な機械的強度を有するジルコニア質焼結体が得られない。
【0010】
本発明では、(1)HfOを除く不可避不純物総量が0.3wt%以下の高純度化処理されたZrOとZrO高温結晶相の安定化剤としての希土類金属酸化物(但し、Laの酸化物及びPrの酸化物を除く)及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種又は2種以上とを混合し、その混合物の融点以上とし溶融状態を経させたもの、(2)HfOを除く不可避不純物総量が0.3wt%以下の高純度化処理されたZrOをその融点以上とし溶融状態を経させたZrO、をジルコニア原料として用いることを特徴とする。
そして、(1)HfOを除く不可避不純物総量が0.3wt%以下の高純度化処理されたZrOとZrO高温結晶相の安定化剤としての希土類金属酸化物(但し、Laの酸化物及びPrの酸化物を除く)及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種又は2種以上とを混合し、その混合物の融点以上とし溶融状態を経させたジルコニア原料を特定の条件下で焼結する、(2)HfOを除く不可避不純物総量が0.3wt%以下の高純度化処理されたZrOをその融点以上とし溶融状態を経させたZrOとZrO高温結晶相の安定化剤としての希土類金属酸化物(但し、Laの酸化物及びPrの酸化物を除く)及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種又は2種以上とを混合したジルコニア原料を特定の条件下で焼結する、ことにより、接触する物質への不純物元素汚染がなく、耐熱衝撃性(本発明では、特に1800℃までの耐急速加熱衝撃性をいう)に優れ、高い機械的強度を有するジルコニア質焼結体が得られる。
【0011】
なお、焼結の条件等については、特に限定されるものではないが、焼結の対象物を予め325メッシュ以下とし、これに有機質又は無機質の粘結剤を使用して造粒し、CIP等で成形後、1450〜1850℃、好ましくは、1500〜1650℃の温度で焼結することが好ましい。
1450℃未満では緻密化が進まず、気孔率が大きくなるとともに曲げ強度が低くなり、又、1850℃を超えると結晶粒の異常成長等により、高強度な焼結体が得られないので、好ましくない。
なお、本発明の焼結体は、気孔率が20%以下、好ましくは15%以下、特に好ましくは10%以下であることを特徴とする。
気孔率が20%を超えると、十分な機械的強度を有するジルコニア質焼結体が得られないので、好ましくない。
【0012】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0013】
〔実施例1〕
HfOを除く不可避不純物総量が0.1wt%以下の高純度化処理されたZrO(第一稀元素化学工業株式会社、DK−3CH、不純物(Al:<0.01、Fe:<0.01、SiO:0.01、TiO:<0.01(単位:wt%))と表2の組成モル比になるように各種希土類金属酸化物(RE)を秤量し、よく混合した後、カーボン容器を用い、アーク式電気炉によりその組成における融点以上で溶融を2時間行った。冷却後に粉砕機にて微粉砕(325メッシュ以下)したものを、溶媒としてイオン交換水を用い、更にアクリル系共重合樹脂を3重量%加えて、ゴムライニングのボールミルにてZrO質メディアを使用して混練した後、スプレー造粒を行った。この造粒粉を98N/mmの圧力でCIP成形し、表2に示す温度にて本焼成を2時間行った。
得られた各ジルコニア質焼結体について、「気孔率」、ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法(JIS R1601)に基づいて測定した「3点曲げ強度」及び「耐熱衝撃性」を表2に示す。なお、焼結体の「気孔率」は、3点曲げ強度測定用試料を用い、JIS R2205を参考にして測定した。焼結体の「耐熱衝撃性」は、焼結体を1800℃に保持されたガスバーナー炎中に室温状態から直接入れ30秒保持した後、焼結体の亀裂状態を観察して判断した。
表2から、安定化剤とZrOとのモル比が本発明の所定範囲内の実施例では、高い機械的強度を示し、しかも耐熱衝撃性が良好なジルコニア質焼結体が得られることが理解できる。そして、本発明で規定する上記所定範囲の1つでもはずれたものでは、本発明のジルコニア質焼結体を得ることはできない。例えば、本発明で規定する「RE/ZrO:1/99〜5/95」の範囲外である組成No.16(Y/ZrO:0.5/99.5)の比較例では、安定化剤のYが微量であるので亀裂を生じ、同じく組成No.24(Y/ZrO:6/94)の比較例では、曲げ強度が147N/mm以下と低く、さらに耐熱衝撃性が悪く、さらに、組成No.20(Y/ZrO:2.6/97.4)で焼成温度が1400℃の比較例では、気孔率が20%以上で、本発明で規定する範囲外となり、曲げ強度が147N/mm以下と低く、所望のジルコニア質焼結体を得ることはできない。また、組成No.2と組成No.3の本発明で規定する希土類酸化物ではないLaとPr11を安定化剤に用いた比較例も、亀裂を生じ、所望のジルコニア質焼結体を得ることはできない。
【0014】
【表2】
Figure 2004359534
【0015】
〔実施例2〕
HfOを除く不可避不純物総量が0.1wt%以下の高純度化処理されたZrO(第一稀元素化学工業株式会社、DK−3CH)を、カーボン容器を用い、アーク式電気炉により2700℃以上で溶融を2時間行った。冷却後に粉砕機にて微粉砕(325メッシュ以下)したZrOに、表3に示す組成モル比になるように各種希土類金属酸化物(RE)を秤量し、溶媒としてイオン交換水を用い、更にアクリル系共重合樹脂を3重量%加えて、ゴムライニングのボールミルにてZrO質メディアを使用して混練した後、スプレー造粒を行った。この造粒粉を98N/mmの圧力でCIP成形し、表3に示す温度にて本焼成を2時間行った。
表3から、安定化剤とZrOとのモル比が本発明の所定範囲内の実施例では、高い機械的強度を示し、しかも耐熱衝撃性が良好なジルコニア質焼結体が得られることが理解できる。そして、実施例1と同じく、本発明で規定する上記所定範囲の1つでもはずれたものでは、本発明のジルコニア質焼結体を得ることはできない。
【0016】
【表3】
Figure 2004359534
【0017】
〔実施例3〕
HfOを除く不可避不純物総量が0.1wt%以下の高純度化処理されたZrO(第一稀元素化学工業株式会社、DK−3CH)と表4の組成モル比になるようにMgO及び/又はCaOを秤量し、よく混合した後、カーボン容器を用い、アーク式電気炉によりその組成における融点以上で溶融を2時間行った。冷却後に粉砕機にて微粉砕(325メッシュ以下)したものを、溶媒としてイオン交換水を用い、更にアクリル系共重合樹脂を3重量%加えて、ゴムライニングのボールミルにてZrO質メディアを使用して混練した後、スプレー造粒を行った。この造粒粉を98N/mmの圧力でCIP成形し、表4に示す温度にて本焼成を2時間行った。
表4から、安定化剤とZrOとのモル比が本発明の所定範囲内の実施例では、高い機械的強度を示し、しかも耐熱衝撃性が良好なジルコニア質焼結体が得られることが理解できる。そして、本発明で規定する上記所定範囲の1つでもはずれたものでは、本発明のジルコニア質焼結体を得ることはできない。例えば、本発明で規定する「RO/ZrO:4/96〜12/88」の範囲外である組成No.51(MgO/ZrO:3.5/96.5)の比較例では、安定化剤のMgOが微量であるので亀裂を生じ、同じく組成No.59(MgO/ZrO:13/87)の比較例では、曲げ強度が147N/mm以下と低く、さらに耐熱衝撃性が悪く、さらに、組成No.55(MgO/ZrO:8/92)で焼成温度が1400℃の比較例では、気孔率20%以上で、本発明で規定する範囲外となり、曲げ強度が147N/mm以下と低く、所望のジルコニア質焼結体を得ることはできない。
【0018】
【表4】
Figure 2004359534
【0019】
〔実施例4〕
HfOを除く不可避不純物総量が0.1wt%以下の高純度化処理されたZrO(第一稀元素化学工業株式会社、DK−3CH)を、カーボン容器を用い、アーク式電気炉により2700℃以上で溶融を2時間行った。冷却後に粉砕機にて微粉砕(325メッシュ以下)したZrOに、表5に示す組成モル比になるようにMgO又はCaOを秤量し、溶媒としてイオン交換水を用い、更にアクリル系共重合樹脂を3重量%加えて、ゴムライニングのボールミルにてZrO質メディアを使用して混練した後、スプレー造粒を行った。この造粒粉を98N/mmの圧力でCIP成形し、表5に示す温度にて本焼成を2時間行った。
表5から、安定化剤とZrOとのモル比が本発明の所定範囲内の実施例では、高い機械的強度を示し、しかも耐熱衝撃性が良好なジルコニア質焼結体が得られることが理解できる。そして、実施例3と同じく、本発明で規定する上記所定範囲の1つでもはずれたものでは、本発明のジルコニア質焼結体を得ることはできない。
【0020】
【表5】
Figure 2004359534
【0021】
【発明の効果】
本発明は、接触する物質への不純物元素汚染がなくすため、HfOを除く不可避不純物総量が0.3wt%以下の高純度化処理されたZrOを用い、そして、(1)高純度化処理されたZrOとZrO高温結晶相の安定化剤としての希土類金属酸化物(但し、Laの酸化物及びPrの酸化物を除く)及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種又は2種以上とを混合し、その混合物の融点以上とし溶融状態を経させたジルコニア原料を特定の条件下で焼結する、(2)高純度化処理されたZrOをその融点以上とし溶融状態を経させたZrOとZrO高温結晶相の安定化剤としての希土類金属酸化物(但し、Laの酸化物及びPrの酸化物を除く)及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種又は2種以上とを混合したジルコニア原料を特定の条件下で焼結する、ことにより、従来にない、耐熱衝撃性(本発明では、特に1800℃までの耐急速加熱衝撃性をいう)に優れ、高い機械強度を有するジルコニア質焼結体を提供するものであり、その工業的有用性は極めて大である。

Claims (2)

  1. HfOを除く不可避不純物総量が0.3wt%以下の高純度化処理されたZrOとZrO高温結晶相の安定化剤としての希土類金属酸化物(但し、Laの酸化物及びPrの酸化物を除く)及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種又は2種以上とを混合し、その混合物の融点以上とし溶融状態を経させたジルコニア原料を、1450〜1850℃で焼結したジルコニア質焼結体において、上記希土類金属酸化物(但し、Laの酸化物及びPrの酸化物を除く)とZrOとのモル比が1/99〜5/95及び/又は上記アルカリ金属酸化物とZrOとのモル比が4/96〜12/88であり、かつ、該焼結体の気孔率が20%以下であることを特徴とするジルコニア質焼結体。
  2. HfOを除く不可避不純物総量が0.3wt%以下の高純度化処理されたZrOをその融点以上とし溶融状態を経させたZrOとZrO高温結晶相の安定化剤としての希土類金属酸化物(但し、Laの酸化物及びPrの酸化物を除く)及び/又はアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種又は2種以上とを混合したジルコニア原料を、1450〜1850℃で焼結したジルコニア質焼結体において、上記希土類金属酸化物(但し、Laの酸化物及びPrの酸化物を除く)とZrOとのモル比が1/99〜5/95及び/又は上記アルカリ金属酸化物とZrOとのモル比が4/96〜12/88であり、かつ、該焼結体の気孔率が20%以下であることを特徴とするジルコニア質焼結体。
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