JP2009286188A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転電機が上部に配置される場合に、回転電機を適切に、かつ簡素な構成で冷却できる動力伝達装置を提供すること。
【解決手段】一方の端部に開口部が設けられたケース本体71と、開口部を閉塞するカバー部材72とで形成される第二収容部G3の上部に回転電機9が配置されている。第一貯留部30よりも回転電機9側の位置に、ケース本体とカバー部材とで潤滑油を貯留する第二貯留部50が形成されている。ケース本体には、回転電機のステータ25におけるカバー部材側の端部が固定される取付部71aが、ステータの外周部と第一貯留部との間の位置に、回転電機の周方向に沿って形成され、カバー部材には、取付部へ向けて突出し、カバー部材が開口部を閉塞した状態で取付部と当接する突出部51が形成されている。第二貯留部は、取付部と、カバー部材における突出部よりも鉛直方向上方の部分とに囲まれた空間である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、動力伝達装置に関し、特に、隔壁によって仕切られた第一収容部と第二収容部とを有するケースと、第一収容部に収容され、車両の駆動源である第一の駆動源と車両の駆動軸との間の動力の伝達を行う伝達機構と、第二収容部に収容され、第一の駆動源とは異なる駆動源であって、伝達機構との間で動力を伝達する回転電機と、第二収容部内における鉛直方向の下部に設けられ、潤滑油を貯留し、第一収容部と連通された第一貯留部とを備え、第二収容部内における鉛直方向の上方に回転電機が配置される動力伝達装置に関する。
駆動源として、第一の駆動源(例えば、内燃機関)と、第一の駆動源とは異なる回転電機とを有する車両が知られている。このような車両の動力伝達装置において、第一の駆動源と車両の駆動軸との間の動力の伝達を行う伝達機構を収容する第一収容部と、伝達機構との間で動力を伝達する回転電機を収容する第二収容部とが、ケース内において隔壁により仕切られている場合がある。
第二収容部における鉛直方向の下部には、潤滑油を貯留する貯留部が設けられる。回転電機に供給されて回転電機を冷却した潤滑油は、貯留部に落下して貯留部に貯留される。貯留部は、例えば、第一収容部と連通されており、貯留部と第一収容部との間で潤滑油の流通が可能である。
このような動力伝達装置として、例えば、特許文献1には、ステータと、該ステータ内で回転するロータシャフトを有するロータとからなるモータと、前記ロータシャフトの回転を車輪へ伝達するギヤ部と、前記モータおよびギヤ部を収納するケースと、からなり、該ケースは、前記モータを収納するモータ室と前記ギヤ部を収納するギヤ室とを隔てる隔壁を有し、該隔壁には、前記モータ室の下方部とギヤ室とを連通するオリフィスが形成された電気自動車用駆動装置が開示されている。
特開平9−226394号公報
効果的に回転電機を冷却するために、貯留部に貯留された潤滑油に回転電機(例えば、コイルエンドの部分)を浸けることが考えられるが、回転電機の配置によっては、このように貯留部の潤滑油で回転電機を冷却することが困難となる場合がある。例えば、回転電機が第二収容部における鉛直方向の上部に配置される場合である。この場合に、貯留部のオイルレベルを上げて回転電機を冷却しようとすると、伝達機構において潤滑油による攪拌抵抗が増加するなどの問題が生じてしまう。貯留部のオイルレベルを上昇させると、これに対応して、伝達機構が収容された第一収容部のオイルレベルが上昇してしまい、ギヤ等の回転物が潤滑油に浸かって攪拌抵抗が増大してしまう。
回転電機が第二収容部における鉛直方向の上部に配置されている場合に、潤滑油により回転電機を適切に冷却できることが望まれている。
また、コスト低減等の観点からは、より簡素な構成、例えば、より少ない部品点数で回転電機を冷却できることが望まれる。
本発明の目的は、ケースと、ケースを一方の端部側と他方の端部側とに仕切る隔壁と、隔壁と、隔壁よりも他方の端部側のケースとにより形成される第一収容部に収容され、車両の駆動源である第一の駆動源と車両の駆動軸との間の動力の伝達を行う伝達機構と、隔壁と、隔壁よりも一方の端部側のケースとにより形成される第二収容部に収容され、第一の駆動源とは異なる駆動源であって、伝達機構との間で動力を伝達する回転電機と、第二収容部内における鉛直方向の下部に設けられ、潤滑油を貯留し、第一収容部と連通された第一貯留部とを備え、回転電機が第二収容部内における第一貯留部よりも鉛直方向の上方の位置に配置される動力伝達装置において、回転電機を適切に、かつ、簡素な構成で冷却できる動力伝達装置を提供することである。
本発明の動力伝達装置は、一方の端部に開口部が設けられたケース本体と、前記開口部を閉塞するカバー部材とを有するケースと、前記ケース本体を前記一方の端部側と他方の端部側とに仕切る隔壁と、前記隔壁と、前記隔壁よりも前記他方の端部側の前記ケース本体とにより形成される第一収容部に収容され、車両の駆動源である第一の駆動源と前記車両の駆動軸との間の動力の伝達を行う伝達機構と、前記隔壁と、前記隔壁よりも前記一方の端部側の前記ケース本体と、前記カバー部材とにより形成される第二収容部に収容され、前記第一の駆動源とは異なる前記駆動源であって、前記伝達機構との間で動力を伝達する回転電機と、前記第二収容部内における鉛直方向の下部に設けられ、潤滑油を貯留し、前記第一収容部と連通された第一貯留部とを備え、前記回転電機が、前記第二収容部内における前記第一貯留部よりも鉛直方向の上方の位置に配置され、前記回転電機の軸方向の両端部のうち、前記カバー部材側の端部が、前記開口部に露出している動力伝達装置であって、前記第二収容部内における前記第一貯留部よりも前記回転電機側に位置し、前記ケース本体と前記カバー部材とで形成され、前記潤滑油を貯留する第二貯留部と、前記第二貯留部に前記潤滑油を供給する供給手段と、前記第二貯留部に設けられ、前記第二貯留部に貯留された前記潤滑油を前記第一貯留部に排出する排出口とを備え、前記ケース本体には、前記回転電機のステータにおける前記カバー部材側の端部が固定される取付部が、前記ステータの外周部と前記第一貯留部との間の位置に、前記回転電機の周方向に沿って形成され、前記カバー部材には、前記取付部へ向けて突出する凸形状をなし、前記カバー部材が前記開口部を閉塞した状態において前記取付部と当接する突出部が形成され、前記第二貯留部は、前記取付部と、前記カバー部材における前記突出部よりも鉛直方向上方の部分とに囲まれた空間であることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記ステータにおける前記カバー部材側の端部は、取付部材を介して前記ケース本体に固定されており、前記取付部は、前記取付部材を含むことを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記排出口の位置は、前記第二貯留部に貯留された前記潤滑油の油面が、前記ステータの内周部よりも前記第一貯留部側となるように設定されていることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記排出口と前記第一貯留部との間の前記カバー部材には、前記第二貯留部から前記第一貯留部へ向かう方向に沿って設けられ、前記ケース本体へ向けて突出する第二突出部が形成されており、前記第二突出部において、前記第一貯留部に近い部分と比較して、前記第一貯留部から遠い部分が前記ケース本体へ向けて大きく突出していることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記ケースは、前記カバー部材における前記回転電機と対向する側と反対側の壁面である外壁面が前記車両の側方を向くように前記車両に搭載されるものであって、前記外壁面には、前記車両の前後方向に沿って設けられ、前記車両の側方に向けて突出する第三突出部が少なくとも一つ形成されていることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置は、一方の端部に開口部が設けられたケース本体と、開口部を閉塞するカバー部材とを有するケースと、ケース本体を一方の端部側と他方の端部側とに仕切る隔壁と、隔壁と、隔壁よりも他方の端部側のケース本体とにより形成される第一収容部に収容され、車両の駆動源である第一の駆動源と車両の駆動軸との間の動力の伝達を行う伝達機構と、隔壁と、隔壁よりも一方の端部側のケース本体と、カバー部材とにより形成される第二収容部に収容され、第一の駆動源とは異なる駆動源であって、伝達機構との間で動力を伝達する回転電機と、第二収容部内における鉛直方向の下部に設けられ、潤滑油を貯留し、第一収容部と連通された第一貯留部とを備え、回転電機が、第二収容部内における第一貯留部よりも鉛直方向の上方の位置に配置される動力伝達装置であって、回転電機の軸方向の両端部のうち、カバー部材側の端部が、開口部に露出している。動力伝達装置は、第二収容部内における第一貯留部よりも回転電機側に位置し、ケース本体とカバー部材とで形成され、潤滑油を貯留する第二貯留部と、第二貯留部に潤滑油を供給する供給手段と、第二貯留部に設けられ、第二貯留部に貯留された潤滑油を第一貯留部に排出する排出口とを備える。
ケース本体には、回転電機のステータにおけるカバー部材側の端部が固定される取付部が、ステータの外周部と第一貯留部との間の位置に、回転電機の周方向に沿って形成されている。また、カバー部材には、取付部へ向けて突出する凸形状をなし、カバー部材が開口部を閉塞した状態において取付部と当接する突出部が形成されている。第二貯留部は、取付部と、カバー部材における突出部よりも鉛直方向上方の部分とに囲まれた空間である。第二貯留部が設けられることで、第一貯留部に貯留される潤滑油のオイルレベルを大きく上昇させることなく、供給手段により供給されて第二貯留部に貯留される潤滑油によって回転電機を適切に冷却することができる。また、カバー部材とケース本体とで第二貯留部を形成するため、部品点数の増加を抑制し、簡素な構成で回転電機を効率的に冷却することができる。
以下、本発明の動力伝達装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図8を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、隔壁によって仕切られた第一収容部と第二収容部とを有するケースと、第一収容部に収容され、車両の駆動源である第一の駆動源と車両の駆動軸との間の動力の伝達を行う伝達機構と、第二収容部に収容され、第一の駆動源とは異なる駆動源であって、伝達機構との間で動力を伝達する回転電機と、第二収容部内における鉛直方向の下部に設けられ、潤滑油を貯留し、第一収容部と連通された第一貯留部とを備え、第二収容部内における鉛直方向の上方に回転電機が配置される動力伝達装置に関する。
本実施形態の動力伝達装置では、第2のモータジェネレータ(図3の符号9参照)を収容する空間(図3の符号G3参照)において、鉛直方向の下方に設けられたオイルストレーナ室(図3の符号30参照)とは別に、第2のモータジェネレータ9を冷却する油溜り(図3の符号50参照)が設けられる。油溜り50は、動力伝達装置のケース本体としてのエクステンションハウジング(図3の符号71参照)と、エクステンションハウジング71の開口部を閉塞するエンドカバー(図3の符号72参照)とで形成されている。
エクステンションハウジング71には、第2のモータジェネレータ9のステータ(図3の符号25参照)におけるエンドカバー72側の端部が固定される取付部(図3の符号71a参照)が形成されている。一方、エンドカバー72には、取付部71aへ向けて突出し、取付部71aに当接する突出部(図3の符号51参照)が形成されている。油溜り50は、取付部71aと、エンドカバー72における突出部51よりも上方の部分とに囲まれた空間である。
油溜り50が設けられることで、オイルストレーナ室30のオイルレベルを上昇させることなく、油溜り50に貯留される潤滑油により、第2のモータジェネレータ9を適切に冷却することができる。また、エンドカバー72と、エクステンションハウジング71とで油溜り50を形成するため、部品点数の増加を抑制し、簡素な構成で低コストに第2のモータジェネレータ9を冷却することができる。
図1は、この発明の一実施形態が適用されたFF(フロントエンジンフロントドライブ;エンジン前置き前輪駆動)形式のハイブリッド車の動力伝達装置100を示すスケルトン図である。図1において、1はエンジン(第一の駆動源)であり、このエンジン1としては内燃機関、具体的にはガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジンまたはメタノールエンジンまたは水素エンジンなどを用いることができる。
この実施形態においては、便宜上、エンジン1としてガソリンエンジンを用いた場合について説明する。エンジン1は、燃料の燃焼によりクランクシャフト2から動力を出力する装置であって、吸気装置、排気装置、燃料噴射装置、点火装置、冷却装置などを備えた公知のものである。クランクシャフト2は車両の幅方向に、かつ、水平に配置され、クランクシャフト2の後端部にはフライホイール3が形成されている。
エンジン1の外壁には、中空のトランスアクスルケース(ケース)4が取り付けられている。トランスアクスルケース4は、エンジン側ハウジング(ケース本体)70と、エクステンションハウジング(ケース本体)71と、エンドカバー(カバー部材)72とを有している。これらエンジン側ハウジング70およびエクステンションハウジング71およびエンドカバー72は、アルミニウムなどの金属材料を成形加工したものである。また、エンジン側ハウジング70の一方の開口端73とエンジン1とが接触した状態で、エンジン1とエンジン側ハウジング70とが相互に固定されている。
また、エンジン側ハウジング70とエンドカバー72との間に、エクステンションハウジング71が配置されている。さらに、エンジン側ハウジング70の他方の開口端74と、エクステンションハウジング71の一方の開口端75とが接触した状態で、エンジン側ハウジング70とエクステンションハウジング71とが相互に固定されている。さらにまた、エクステンションハウジング71の他方の開口端(開口部)76を塞ぐようにエンドカバー72が取り付けられて、エンドカバー72とエクステンションハウジング71とが相互に固定されている。
トランスアクスルケース4の内部G1には、インプットシャフト5、第1のモータジェネレータ6、動力合成機構7、変速機構8、第2のモータジェネレータ(回転電機)9が設けられている。インプットシャフト5はクランクシャフト2と同心状に配置されている。インプットシャフト5におけるクランクシャフト2側の端部には、クラッチハブ10がスプライン嵌合されている。
フライホイール3とインプットシャフト5との動力伝達状態を制御するクラッチ11が設けられている。また、フライホイール3とインプットシャフト5との間におけるトルク変動を抑制・吸収するダンパ機構12が設けられている。第1のモータジェネレータ6は、インプットシャフト5の外側に配置され、第2のモータジェネレータ9は、第1のモータジェネレータ6よりもエンジン1から遠い位置に配置されている。
すなわち、エンジン1と第2のモータジェネレータ9との間に第1のモータジェネレータ6が配置されている。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9は、電力の供給により駆動する電動機としての機能(力行機能)と、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9としては、例えば、交流同期型のモータジェネレータを用いることができる。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9に電力を供給する電力供給装置としては、バッテリ、キャパシタなどの蓄電装置、あるいは公知の燃料電池などを用いることができる。
第1のモータジェネレータ6の配置位置および第1のモータジェネレータ6の構成を具体的に説明する。エンジン側ハウジング70の内面には、エンジン1側に向けて延ばされ、ついで、インプットシャフト5側に向けて延ばされた隔壁77が形成されている。さらに、隔壁77に対してケースカバー78が固定されている。このケースカバー78は、エンジン1から離れる方向に延ばされ、ついで、インプットシャフト5側に向けて延ばされた形状を有している。そして、隔壁77とケースカバー78とにより取り囲まれた空間G2に、第1のモータジェネレータ6が配置されている。第1のモータジェネレータ6は、トランスアクスルケース4側に固定されたステータ13と、回転自在なロータ14とを有している。ステータ13は、隔壁77に固定された鉄心15と、鉄心15に巻かれたコイル16とを有している。
ステータ13およびロータ14は、所定肉厚の電磁鋼板を、その厚さ方向に複数枚を積層して構成したものである。なお、複数の電磁鋼板は、インプットシャフト5の軸線方向に積層されている。そして、インプットシャフト5の軸線方向における第1のモータジェネレータ6のコイル16の両端間が、インプットシャフト5の軸線方向における第1のモータジェネレータ6の配置領域L1である。一方、インプットシャフト5の外周には、中空シャフト17が取り付けられている。そして、インプットシャフト5と中空シャフト17とが相対回転可能に構成されている。ロータ14は、中空シャフト17の外周側に連結されている。
また、動力合成機構(言い換えれば動力分配機構)7は、第1のモータジェネレータ6と第2のモータジェネレータ9との間に設けられている。動力合成機構7は、いわゆるシングルピニオン形式の遊星歯車機構7Aを有している。すなわち、遊星歯車機構7Aは、サンギヤ18と、サンギヤ18と同心状に配置されたリングギヤ19と、サンギヤ18およびリングギヤ19に係合するピニオンギヤ20を保持したキャリヤ21とを有している。そして、サンギヤ18と中空シャフト17とが連結され、キャリヤ21とインプットシャフト5とが連結されている。なお、リングギヤ19は、インプットシャフト5と同心状に配置された環状部材(言い換えれば円筒部材)22の内周側に形成されており、この環状部材22の外周側にはカウンタドライブギヤ23が形成されている。
第2のモータジェネレータ9は、カウンタドライブギヤ23よりもエンジン1から遠い位置に設けられている。第2のモータジェネレータ9のロータ26がMGシャフト45の外周に連結されており、MGシャフト45は車両の幅方向にほぼ水平に配置されている。このMGシャフト45とインプットシャフト5および中空シャフト17とが非同心状に配置されている。言い換えると、MGシャフト45の中心軸線の位置は、インプットシャフト5の中心軸線の位置とは異なる。さらに言い換えれば、MGシャフト45とインプットシャフト5および中空シャフト17とが、その半径方向にオフセットされている。
第2のモータジェネレータ9の配置位置および第2のモータジェネレータ9の構成を具体的に説明する。エクステンションハウジング71の内面には、MGシャフト45側に向けて延ばされた隔壁79が形成されている。トランスアクスルケース4内は、隔壁79により、開口端76が設けられた一方の端部側と他方の端部側とに仕切られている。そして、エクステンションハウジング71と隔壁79とエンドカバー72とにより取り囲まれた空間(第二収容部)G3に、第2のモータジェネレータ9が配置されている。第2のモータジェネレータ9の軸方向の両端部のうち、エンドカバー72側の端部は、開口端76に露出している。また、エンジン側ハウジング70とエクステンションハウジング71と隔壁79とにより形成された空間(第一収容部)G4には、エンジン1と後述するフロントドライブシャフト43との間の動力の伝達を行う伝達機構(5,7,23,35,36,37等)が収容される。
第2のモータジェネレータ9は、トランスアクスルケース4に固定されたステータ25と、回転自在なロータ26とを有している。ステータ25は、鉄心27と、鉄心27に巻かれたコイル28とを有している。ステータ25およびロータ26は、所定肉厚の電磁鋼板を、その厚さ方向に複数枚を積層して構成したものである。なお、複数の電磁鋼板は、MGシャフト45の軸線方向に積層されている。第2のモータジェネレータ9の軸線方向の両端部は、隔壁79およびエンドカバー72とそれぞれ対向している。そして、MGシャフト45の軸線方向における第2のモータジェネレータ9のコイル28の両端間が、MGシャフト45の軸線方向における第2のモータジェネレータ9の配置領域L2に相当する。
上記のように、第1のモータジェネレータ6と第2のモータジェネレータ9とは、MGシャフト45およびインプットシャフト5ならびに中空シャフト17の軸線方向において異なる位置に配置されている。より具体的には、軸線方向において、第1のモータジェネレータ6の配置領域L1と、第2のモータジェネレータ9の配置領域L2とが、重ならないように、各モータジェネレータの配置位置が設定されている。また、第1のモータジェネレータ6の回転中心(中心軸線)と、第2のモータジェネレータ9の回転中心(中心軸線)とが各シャフトの半径方向に位置ずれしている。
MGシャフト45における動力合成機構7側の端部にはギヤ46が形成されている。ギヤ46は、カウンタドライブギヤ23と係合している。カウンタドライブギヤ23とギヤ46とは、ギヤ46からカウンタドライブギヤ23に動力が伝達される場合の変速比が“1”より大きくなるように構成されている。これらのギヤ46およびカウンタドライブギヤ23により、変速機構8が構成されている。第2のモータジェネレータ9の動力がMGシャフト45を介してギヤ46に伝達されると、ギヤ46の回転速度が減速されて環状部材22に伝達される。すなわち、第2のモータジェネレータ9のトルクが増幅されて動力合成機構7に伝達される。
一方、前記トランスアクスルケース4の内部には、インプットシャフト5と平行なカウンタシャフト34が設けられている。カウンタシャフト34には、カウンタドリブンギヤ35およびファイナルドライブピニオンギヤ36が形成されている。そして、カウンタドライブギヤ23とカウンタドリブンギヤ35とが係合されている。さらに、トランスアクスルケース4の内部にはデファレンシャル37が設けられており、デファレンシャル37は、デフケース38の外周側に形成されたファイナルリングギヤ39と、デフケース38に対してピニオンシャフト40を介して取り付けられた連結された複数のピニオンギヤ41と、複数のピニオンギヤ41に係合されたサイドギヤ42と、サイドギヤ42に連結された2本のフロントドライブシャフト(駆動軸)43とを有している。各フロントドライブシャフト43には前輪44が連結されている。このように、トランスアクスルケース4の内部に、変速機構8およびデファレンシャル37を一括して組み込んだ、いわゆるトランスアクスルを構成している。
ここで、図2を参照して、トランスアクスルケース4内の各軸の配置について説明する。
各軸5,34,43,45の配置は、次のとおりである。インプットシャフト5を基準として、MGシャフト45はその斜め上方に配置されている。言い換えると、MGシャフト45の中心軸線C4は、インプットシャフト5の中心軸線C3よりも上方に位置している。また、インプットシャフト5を基準として、カウンタシャフト34は斜め下方に配置されている。フロントドライブシャフト43の中心軸線C5と比較して、カウンタシャフト34の中心軸線C6は、わずかに下方に位置している。カウンタシャフト34の中心軸線C6は、インプットシャフト5の中心軸線C3とフロントドライブシャフト43の中心軸線C5とを結ぶ仮想線L4よりも下方に位置している。MGシャフト45をトランスアクスルケース4内の上部、カウンタシャフト34を下部に配置することで、全体として各軸5,34,43,45をコンパクトに配置することができる。これにより、HVの大きな課題であるコスト低減や、車両搭載性の向上、質量低減による燃費向上等の大きなメリットが得られる。
各軸5,45,43,34の回転方向は、図2に矢印A3からA6でそれぞれ示した方向である。つまり、フロントドライブシャフト43は、中心軸線C5の下方において図2の右方向に回転し、カウンタシャフト34は、中心軸線C6の下方において図2の左方向に回転する。言い換えると、フロントドライブシャフト43の回転方向とカウンタシャフト34の回転方向とが、それぞれの中心軸線よりも下方の領域で互いに離間する方向である。なお、図示の回転方向は、車両の前進時のものである。また、本実施形態の説明における上下方向とは、特にことわりのない限り、車両に搭載された状態における上下方向(鉛直方向)を意味している。
本実施形態の動力伝達装置100では、トランスアクスルケース4内の下部に溜まった潤滑油は、ファイナルリングギヤ39で掻き揚げられて(矢印Y2参照)トランスアクスルケース4内の上部に設けられたオイルキャッチタンク(供給手段)32に送られる。オイルキャッチタンク32からは、トランスアクスルケース4内の潤滑箇所(被潤滑部)や冷却箇所に向けて適宜の流量で潤滑油が滴下される。第2のモータジェネレータ9は、オイルキャッチタンク32から供給された潤滑油により冷却される。
上記のように構成されたハイブリッド車においては、車速およびアクセル開度などの条件に基づいて、前輪44に伝達するべき要求トルクが算出され、その算出結果に基づいて、エンジン1、クラッチ11、第1のモータジェネレータ6、第2のモータジェネレータ9が制御される。エンジン1から出力されるトルクを前輪に伝達する場合は、クラッチ11が係合される。すると、クランクシャフト2の動力(言い換えればトルク)がインプットシャフト5を介してキャリヤ21に伝達される。
キャリヤ21に伝達されたトルクは、リングギヤ19、環状部材22、カウンタドライブギヤ23、カウンタドリブンギヤ35、カウンタシャフト34、ファイナルドライブピニオンギヤ36、デファレンシャル37を介して前輪44に伝達され、駆動力が発生する。また、エンジン1のトルクをキャリヤ21に伝達する際に、第1のモータジェネレータ6を発電機として機能させ、発生した電力を蓄電装置(図示せず)に充電することもできる。
さらに、第2のモータジェネレータ9を電動機として駆動させ、その動力を動力合成機構7に伝達することができる。第2のモータジェネレータ9の動力がMGシャフト45を介してギヤ46に伝達されると、ギヤ46の回転速度が減速されて環状部材22に伝達される。すなわち、第2のモータジェネレータ9のトルクが増幅されて動力合成機構7に伝達される。このようにして、エンジン1の動力および第2のモータジェネレータ9の動力が動力合成機構7に入力されて合成され、合成された動力が前輪44に伝達される。
上記のように、本実施形態の動力伝達装置100では、MGシャフト45は、トランスアクスルケース4内の鉛直方向上部に設けられている。このように、MGシャフト45、すなわち、第2のモータジェネレータ9がトランスアクスルケース4内の上部に設けられる場合、以下に図8を参照して説明するように、第2のモータジェネレータ9の冷却が困難であるという問題があった。
図8は、従来の動力伝達装置100におけるエンドカバー72付近の断面の一例を示す図である。エクステンションハウジング71と隔壁79(図1参照)とエンドカバー72とにより取り囲まれた空間G3における鉛直方向の下部には、潤滑油を貯留する第一貯留部としてのオイルストレーナ室30が設けられている。図1に示すように、オイルストレーナ室30は、隔壁79に設けられた接続路79aを介してトランスアクスルケース4内における隔壁79よりもエンジン1側の空間G4と連通されている。従って、接続路79aを介してオイルストレーナ室30とエンジン1側の空間(第一収容部)G4との間で潤滑油の流通が可能である。また、オイルストレーナ室30には、図示しないポンプの吸込み部を構成するストレーナ(図示せず)が設けられている。オイルストレーナ室30に貯留された潤滑油は、ストレーナを介してポンプに吸込まれ、ポンプによりトランスアクスルケース4内の各部に供給される。
第2のモータジェネレータ9を適切に冷却するために、オイルストレーナ室30に貯留された潤滑油に第2のモータジェネレータ9を浸けることが考えられる。そのために、オイルストレーナ室30のオイルレベルLv1(図8参照)を第2のモータジェネレータ9まで上げる方法が考えられるが、この場合、ファイナルリングギヤ39やカウンタドリブンギヤ35において潤滑油による攪拌抵抗が増加するなどの問題が生じてしまう。オイルストレーナ室30とトランスアクスルケース4におけるエンジン1側の空間G4とが連通されているため、オイルストレーナ室30のオイルレベルLv1を上昇させると、これに対応して、エンジン1側の空間G4のオイルレベルが上昇してしまう。その結果、上記のように攪拌抵抗が増加するなどの問題が生じる。
これに対して、本実施形態では、以下に図3および図4を参照して説明するように、オイルストレーナ室30とは別に、第2のモータジェネレータ9の端部の近傍に、潤滑油を貯留する第二貯留部としての油溜り50が設けられている。
図3は、本実施形態の動力伝達装置100におけるエンドカバー72付近の断面図である。図4は、エクステンションハウジング71側から見たエンドカバー72を示す透視図である。すなわち、図4は、図3におけるB視図である。
図3において、符号Fは、エクステンションハウジング71とエンドカバー72との合わせ面(以下、単に「合わせ面」と記す)を示す。エクステンションハウジング71には、第2のモータジェネレータ9のステータ25におけるエンドカバー72側の端部が固定される取付部71aが形成されている。取付部71aは、エンドカバー72と対向する壁面である。取付部71aは、ステータ25の外周部とオイルストレーナ室30との間の位置に、第2のモータジェネレータ9の周方向に沿って形成されている。
エンドカバー72におけるエクステンションハウジング71と対向する壁面である内壁面72aには、取付部71aへ向けて突出する突出部51が形成されている。突出部51は、エンドカバー72がエクステンションハウジング71に取り付けられた(開口端76をエンドカバーが閉塞した)状態において、取付部71aに当接する。突出部51は、内壁面72aにおけるMGシャフト45の中心軸線(第2のモータジェネレータ9の中心軸線)C4と、オイルストレーナ室30との間の位置に設けられている。取付部71aが第2のモータジェネレータ9の周方向に沿って形成されていることに対応して、図4に示すように、突出部51は、第2のモータジェネレータ9の周方向に沿って設けられている。突出部51における上記周方向の端部51aと比較して、上記周方向の中央部51bは、オイルストレーナ室30側に位置している。言い換えると、突出部51における上記周方向の中央部51bが、オイルストレーナ室30へ向けて突出している。
図5は、図4のS1断面における突出部51および取付部71a付近を示す断面図である。図5に示すように、取付部71aは、第2のモータジェネレータ9の軸方向において、合わせ面Fと同じ位置に設けられている。すなわち、合わせ面F上に取付部71aが位置している。一方、突出部51は、上記軸方向において、合わせ面Fまで突出している。すなわち、突出部51の先端部は、合わせ面Fに位置している。合わせ面Fにおいて、突出部51の先端部が取付部71aに当接している。これにより、突出部51よりも鉛直方向上方のエンドカバー72(突出部51を含む内壁面72a)と、取付部71aとにより、潤滑油を貯留する油溜り50が形成されている。
油溜り50には、オイルキャッチタンク32から第2のモータジェネレータ9に供給された潤滑油が流入する。これにより、図3および図4に示すように、油溜り50に潤滑油が貯留される。本実施形態では、取付部71aの位置、および、突出部51の先端部の位置を、それぞれ合わせ面Fと同じ位置とすることで、取付部71a、および、突出部51の製造ばらつき(軸方向の位置のばらつき)を小さくすることができる。よって、取付部71aと突出部51との間の隙間を実質的に0として、油溜り50からの潤滑油の漏れがほとんど生じないようにすることができる。符号Lv2は、油溜り50に貯留された潤滑油のオイルレベルを示す。
油溜り50に潤滑油が流入して、油溜り50の潤滑油のオイルレベルLv2がステータ25のコイルエンド28aまで上昇することにより、コイルエンド28aが潤滑油により冷却される。コイルエンド28aが油溜り50の潤滑油に浸かった状態となることにより、適切にコイルエンド28aを冷却することができる。油溜り50の潤滑油で第2のモータジェネレータ9を冷却することができるため、第2のモータジェネレータ9を冷却するためにオイルストレーナ室30のオイルレベルLv1を高い位置に設定する必要がない。これにより、ファイナルリングギヤ39やカウンタドリブンギヤ35において潤滑油による攪拌抵抗が増加することを抑制しつつ、第2のモータジェネレータ9を適切に冷却することができる。
ここで、油溜り50の潤滑油のオイルレベルLv2がステータ25の内周部25a(図4参照)まで上昇すると、ステータ25の内周部25aとロータ26との隙間に潤滑油が入り、ロータ26の回転抵抗(潤滑油のせん断抵抗)が増大してしまう。そこで、本実施形態では、突出部51は、周方向の端部51aが、ステータ25の内周部25aよりもオイルストレーナ室30側に位置するように形成されている。油溜り50の潤滑油のオイルレベルLv2が突出部51の周方向の端部51aまで上昇すると、図4に矢印Y3で示すように、潤滑油が油溜り50からあふれてオイルストレーナ室30へ流下する。つまり、突出部51の周方向の端部51aが油溜り50の潤滑油をオイルストレーナ室30へ排出する排出口として機能し、周方向の端部51aよりもオイルレベルLv2が上昇することを抑制している。
その結果、ステータ25の内周部25aとロータ26との隙間に潤滑油が入ることを抑制できる。なお、コイルエンド28aの多くの部分を潤滑油に浸けて冷却するためには、突出部51の周方向の端部51aは、できるだけ高い位置(鉛直方向の上方)に設けられることが望ましい。突出部51の周方向の端部51aの位置は、油溜り50の潤滑油のオイルレベルLv2がステータ25の内周部25aまで上昇しない範囲で、最も高い位置に設定されることができる。
また、図3および図4に示すように、エンドカバー72の内壁面72aには、油溜り50から流出する潤滑油をオイルストレーナ室30に導く第二突出部52が形成されている。第二突出部52は、内壁面72aにおける油溜り50とオイルストレーナ室30との間の部分に、油溜り50からオイルストレーナ室30へ向かう方向に沿って設けられており、エクステンションハウジング71へ向けて突出している。本実施形態では、第二突出部52は、鉛直方向に沿って形成されている。第二突出部52は、油溜り50に貯留された潤滑油をオイルストレーナ室30に排出する排出口の鉛直方向下方に設けられている。油溜り50から排出された潤滑油は、第二突出部52に沿って流下することにより冷却される。
車両の走行時には、エンドカバー72に沿って走行風が流れることにより、エンドカバー72(第二突出部52を含む)が冷却される。油溜り50から排出された潤滑油を第二突出部52に沿って流下させることで、低温となった第二突出部52により潤滑油を冷却することができる。第二突出部52が設けられていることで、内壁面72aと第二突出部52とを合わせた大きな接触面積で潤滑油と接触するため、潤滑油が淀むことなく流れ、効率的に潤滑油を冷却することができる。また、効率的に冷却されて低温となった潤滑油がオイルストレーナ室30からトランスアクスルケース4内を循環して再び第2のモータジェネレータ9に供給されることで、第2のモータジェネレータ9を適切に冷却することができる。
図3に示すように、第二突出部52は、オイルストレーナ室30へ近づくに連れて内壁面72aからの突出量が小さくなっている。言い換えると、第二突出部52において、オイルストレーナ室30に近い部分52bと比較して、オイルストレーナ室30から遠い部分52aがエクステンションハウジング71へ向けて大きく突出している。
これにより、矢印Y4に示すように、油溜り50から流出した潤滑油を第二突出部52に沿って流下させつつ、内壁面72a側に導くことができる。エンドカバー72は、走行風により冷却されて低温となっており、第二突出部52において、内壁面72aに近い部分ほど温度が低い。潤滑油を内壁面72a側に導くことにより、第二突出部52においてより低温の部分に沿って潤滑油を流すことができ、コイルエンド28aを冷却して高温となった潤滑油を効率的に冷却することができる。
また、本実施形態では、図4に符号51cで示すように、突出部51は、周方向においてその一部が不連続となっており、潤滑油が流出可能とされている。言い換えると、突出部51には、油溜り50に貯留された潤滑油をオイルストレーナ室30に排出する排出路51cが設けられている。排出路51cは、第二突出部52と対応する位置に設けられている。すなわち、排出路51cから排出された潤滑油を第二突出部52に沿って流下させることができるように、排出路51cと第二突出部52との位置関係が設定されている。例えば、第二突出部52は、排出路51cの下方、すなわち、排出路51cよりもオイルストレーナ室30側の位置に設けられる。これにより、油溜り50から排出される潤滑油を可能な限り第二突出部52に沿って流下させ、効率的に潤滑油を冷却することができる。
また、トランスアクスルケース4内の各装置の配置等によっては、突出部51が当接する取付部71aをエクステンションハウジング71に形成できない領域が生じる場合がある。本実施形態では、このように、エクステンションハウジング71そのもので取付部71aを形成できない領域では、第2のモータジェネレータ9に固定されたリング53(図3参照)を取付部71aとして機能させる。
図3に示すように、ステータ25の外周部(分割コアの外周部)には、円筒形状のリング(取付部材)53が焼きばめにより固定されている。リング53は、エクステンションハウジング71における合わせ面F上に位置する取付部71aに取り付けられている。図5に示すように、リング53における軸方向の端部には、フランジ部53aが形成されている。フランジ部53aは、エクステンションハウジング71に固定されている。すなわち、ステータ25は、リング53を介してエクステンションハウジング71に固定されている。
オイルポンプ等のトランスアクスルケース4内の内蔵物の配置によっては、エクステンションハウジング71そのもので取付部71aを形成できない領域が存在する場合がある。図4において、符号Rは、エクステンションハウジング71に取付部71aを形成できない領域を示す。
図6は、図4のS2断面における突出部51およびリング53付近を示す断面図、すなわち、エクステンションハウジング71そのもので取付部71aを形成できない領域Rにおける油溜り50の構成を示す断面図である。
取付部71aを形成できない領域Rでは、図6に示すように、リング53のフランジ部53aへ向けて突出部51を突出させる。ここで、フランジ部53aにおけるエンドカバー72の内壁面72aと対向する面53bは、合わせ面Fよりもエンドカバー72側に位置している。このため、突出部51とフランジ部53aとの間にわずかに隙間が生じる場合がある。突出部51の先端部を合わせ面Fと異なる位置とする場合には、先端部を合わせ面Fと一致させる場合と比較して、加工誤差を考慮したマージンを大きくすることとなる。このため、突出部51とフランジ部53aとの間に隙間が生じ、その隙間から図4に矢印Y5で示すように、潤滑油が漏れる。
しかしながら、本実施形態では、図5に示すように、エクステンションハウジング71における合わせ面Fと同じ面にフランジ部53aが固定されている。これにより、フランジ部53aにおけるエンドカバー72の内壁面72aと対向する面53b(図6参照)の軸方向の位置のばらつきを小さなものとし、突出部51とフランジ部53aとの間に生じる隙間を極力小さくすることができる。また、上記隙間から漏れ出す潤滑油を導くことができる位置に第二突出部52が形成されており、潤滑油を効率的に冷却している。
なお、エンドカバー72における外壁面(エンドカバー72におけるエクステンションハウジング71と対向する側と反対側の壁面、図3の72b参照)には、車両の前後方向に沿う第三突出部54が形成されている。本実施形態のトランスアクスルケース4は、外壁面72bが、車両の側方を向くように車両に搭載されており、第三突出部54が設けられることで、走行風により効率的にエンドカバー72を冷却すると共に、エンドカバー72の剛性を向上させている。
図7は、図3のD視図であり、エンドカバー72の外壁面72bを示す図である。図7に示すように、エンドカバー72の外壁面72bには、車両の前後方向に沿って第三突出部54が複数形成されている。図3に示すように、第三突出部54は、車両の側方に向けて突出している。第三突出部54が車両の前後方向に沿って形成されていることにより、図7に矢印Y6で示すように、走行風が外壁面72bおよび第三突出部54に沿ってスムーズに流れる。よって、外壁面72bに接する空気が淀むことなく流れ、外壁面72bと第三突出部54とを合わせた広い接触面積で走行風により効率的にエンドカバー72が冷却される。よって、冷却されて低温となったエンドカバー72により、潤滑油を効率よく冷却することができる。
また、第二突出部52が鉛直方向に沿って形成される一方、第三突出部54が前後方向に沿って形成されることにより、エンドカバー72には、リブが格子状に配置されることとなる。これにより、エンドカバー72の面剛性が向上し、膜振動によるNV(騒音、振動)を抑制することができる。
本発明の動力伝達装置の実施形態に係る装置を示すスケルトン図である。 本発明の動力伝達装置の実施形態の軸配置を示す図である。 本発明の動力伝達装置の実施形態におけるエンドカバー付近の断面図である。 本発明の動力伝達装置の実施形態におけるエクステンションハウジング側から見たエンドカバーを示す透視図である。 本発明の動力伝達装置の実施形態の突出部および取付部付近を示す断面図である。 本発明の動力伝達装置の実施形態の突出部およびリング付近を示す断面図である。 本発明の動力伝達装置の実施形態のエンドカバーの外壁面を示す図である。 従来の動力伝達装置におけるエンドカバー付近の断面の一例を示す図である。
符号の説明
1 エンジン
2 クランクシャフト
3 フライホイール
4 トランスアクスルケース
5 インプットシャフト
6 第1のモータジェネレータ
7 動力合成機構
7A 遊星歯車機構
8 変速機構
9 第2のモータジェネレータ
13 ステータ
14 ロータ
15 鉄心
16 コイル
18 サンギヤ
19 リングギヤ
20 ピニオンギヤ
21 キャリヤ
22 環状部材
23 カウンタドライブギヤ
25 ステータ
25a 内周部
26 ロータ
27 鉄心
28 コイル
30 オイルストレーナ室
32 オイルキャッチタンク
34 カウンタシャフト
35 カウンタドリブンギヤ
39 ファイナルリングギヤ
43 フロントドライブシャフト
44 前輪
45 MGシャフト
46 ギヤ
50 油溜り
51 突出部
51a 周方向の端部
51b 周方向の中央部
51c 排出路
52 第二突出部
53 リング
54 第三突出部
70 エンジン側ハウジング
71 エクステンションハウジング
71a 取付部
72 エンドカバー
72a 内壁面
72b 外壁面
100 動力伝達装置

Claims (5)

  1. 一方の端部に開口部が設けられたケース本体と、前記開口部を閉塞するカバー部材とを有するケースと、
    前記ケース本体を前記一方の端部側と他方の端部側とに仕切る隔壁と、
    前記隔壁と、前記隔壁よりも前記他方の端部側の前記ケース本体とにより形成される第一収容部に収容され、車両の駆動源である第一の駆動源と前記車両の駆動軸との間の動力の伝達を行う伝達機構と、
    前記隔壁と、前記隔壁よりも前記一方の端部側の前記ケース本体と、前記カバー部材とにより形成される第二収容部に収容され、前記第一の駆動源とは異なる前記駆動源であって、前記伝達機構との間で動力を伝達する回転電機と、
    前記第二収容部内における鉛直方向の下部に設けられ、潤滑油を貯留し、前記第一収容部と連通された第一貯留部と
    を備え、前記回転電機が、前記第二収容部内における前記第一貯留部よりも鉛直方向の上方の位置に配置され、前記回転電機の軸方向の両端部のうち、前記カバー部材側の端部が、前記開口部に露出している動力伝達装置であって、
    前記第二収容部内における前記第一貯留部よりも前記回転電機側に位置し、前記ケース本体と前記カバー部材とで形成され、前記潤滑油を貯留する第二貯留部と、
    前記第二貯留部に前記潤滑油を供給する供給手段と、
    前記第二貯留部に設けられ、前記第二貯留部に貯留された前記潤滑油を前記第一貯留部に排出する排出口とを備え、
    前記ケース本体には、前記回転電機のステータにおける前記カバー部材側の端部が固定される取付部が、前記ステータの外周部と前記第一貯留部との間の位置に、前記回転電機の周方向に沿って形成され、
    前記カバー部材には、前記取付部へ向けて突出する凸形状をなし、前記カバー部材が前記開口部を閉塞した状態において前記取付部と当接する突出部が形成され、
    前記第二貯留部は、前記取付部と、前記カバー部材における前記突出部よりも鉛直方向上方の部分とに囲まれた空間である
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の動力伝達装置において、
    前記ステータにおける前記カバー部材側の端部は、取付部材を介して前記ケース本体に固定されており、
    前記取付部は、前記取付部材を含む
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1または2に記載の動力伝達装置において、
    前記排出口の位置は、前記第二貯留部に貯留された前記潤滑油の油面が、前記ステータの内周部よりも前記第一貯留部側となるように設定されている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、
    前記排出口と前記第一貯留部との間の前記カバー部材には、前記第二貯留部から前記第一貯留部へ向かう方向に沿って設けられ、前記ケース本体へ向けて突出する第二突出部が形成されており、
    前記第二突出部において、前記第一貯留部に近い部分と比較して、前記第一貯留部から遠い部分が前記ケース本体へ向けて大きく突出している
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、
    前記ケースは、前記カバー部材における前記回転電機と対向する側と反対側の壁面である外壁面が前記車両の側方を向くように前記車両に搭載されるものであって、
    前記外壁面には、前記車両の前後方向に沿って設けられ、前記車両の側方に向けて突出する第三突出部が少なくとも一つ形成されている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
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