JP2010000874A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】動力伝達装置の大型化を抑制しつつ、内燃機関の動力で駆動される潤滑油のポンプを配置できる動力伝達装置を提供すること。
【解決手段】回転電機9が連結された回転電機軸と平行に配置され、内燃機関との間で動力を伝達する入力軸5の軸方向の一方側の端部に設けられ、入力軸あるいは回転電機軸のうち少なくともいずれか一方の動力を駆動軸に伝達する入力軸回転部材23と、内燃機関の動力で駆動される潤滑油の圧送手段54と、圧送手段を収容するポンプ本体51とを有するポンプ50とをケース内に備える動力伝達装置であって、ポンプは、入力軸回転部材の径方向内方に位置し、入力軸回転部材とポンプ本体の外周部との間に設けられた軸受56と、入力軸回転部材の軸方向の一方側の側面と対向する壁部79とを備え、ポンプ本体は、軸受を介して入力軸回転部材を回転可能に支持し、かつ、軸方向の一方側の端部51aが、壁部に固定されている。
【選択図】 図3
【解決手段】回転電機9が連結された回転電機軸と平行に配置され、内燃機関との間で動力を伝達する入力軸5の軸方向の一方側の端部に設けられ、入力軸あるいは回転電機軸のうち少なくともいずれか一方の動力を駆動軸に伝達する入力軸回転部材23と、内燃機関の動力で駆動される潤滑油の圧送手段54と、圧送手段を収容するポンプ本体51とを有するポンプ50とをケース内に備える動力伝達装置であって、ポンプは、入力軸回転部材の径方向内方に位置し、入力軸回転部材とポンプ本体の外周部との間に設けられた軸受56と、入力軸回転部材の軸方向の一方側の側面と対向する壁部79とを備え、ポンプ本体は、軸受を介して入力軸回転部材を回転可能に支持し、かつ、軸方向の一方側の端部51aが、壁部に固定されている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、動力伝達装置に関し、特に、車両の駆動源である回転電機のロータが連結された回転電機軸と、回転電機軸と平行に配置され、駆動源である内燃機関との間で動力を伝達する入力軸と、入力軸の軸方向の一方側の端部に設けられ、入力軸の動力あるいは回転電機軸の動力のうち少なくともいずれか一方を車両の駆動軸に伝達する入力軸回転部材と、内燃機関の動力により駆動されて潤滑油を圧送するポンプとをケース内に備える動力伝達装置に関する。
複数の駆動源を備えた車両が知られている。このような車両の動力伝達装置として、車両の駆動源である回転電機のロータが連結された回転電機軸と、回転電機軸と平行に配置され、駆動源である内燃機関との間で動力を伝達する入力軸と、入力軸の軸方向の一方側の端部に設けられ、入力軸の動力あるいは回転電機軸の動力のうち少なくともいずれか一方を車両の駆動軸に伝達する入力軸回転部材とを備える動力伝達装置が知られている。
例えば、特許文献1には、モータジェネレータのロータが連結されたシャフト(回転電機軸)と、エンジンとの間で動力を伝達するインプットシャフト(入力軸)と、インプットシャフトに設けられた動力合成機構(入力軸回転部材)とを備え、シャフトとインプットシャフトとが非同心状に配置された動力伝達装置が開示されている。
動力伝達装置に、さらに、内燃機関の動力により駆動されて潤滑油を圧送するポンプが設けられることがある。この場合に、ポンプの配置によっては、動力伝達装置の大型化につながる可能性がある。
動力伝達装置の大型化を抑制しつつ、内燃機関の動力により駆動されて潤滑油を圧送するポンプを配置できることが望まれている。
本発明の目的は、車両の駆動源である回転電機のロータが連結された回転電機軸と、回転電機軸と平行に配置され、駆動源である内燃機関との間で動力を伝達する入力軸と、入力軸の軸方向の一方側の端部に設けられ、入力軸の動力あるいは回転電機軸の動力のうち少なくともいずれか一方を車両の駆動軸に伝達する入力軸回転部材とを備える動力伝達装置において、動力伝達装置の大型化を抑制しつつ、内燃機関の動力により駆動されて潤滑油を圧送するポンプを配置できる動力伝達装置を提供することである。
本発明の動力伝達装置は、車両の駆動源である回転電機のロータが連結された回転電機軸と、前記回転電機軸と平行に配置され、前記駆動源である内燃機関との間で動力を伝達する入力軸と、前記入力軸の軸方向の一方側の端部に設けられ、前記入力軸の前記動力あるいは前記回転電機軸の前記動力のうち少なくともいずれか一方を前記車両の駆動軸に伝達する入力軸回転部材と、前記内燃機関の前記動力により駆動されて潤滑油を圧送する圧送手段と、前記圧送手段を収容するポンプ本体とを有するポンプとをケース内に備える動力伝達装置であって、前記ポンプは、前記入力軸回転部材の径方向の内方に配置されており、前記径方向における前記入力軸回転部材と前記ポンプ本体の外周部との間に設けられた軸受と、前記ケースに設けられ、前記入力軸回転部材の前記軸方向の前記一方側の側面と対向する壁部とを備え、前記ポンプ本体は、前記軸受を介して前記入力軸回転部材を回転可能に支持しており、前記ポンプ本体における前記軸方向の前記一方側の端部が、前記壁部に固定されていることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記壁部には、前記ポンプ本体を支持する支持孔が、前記軸方向に沿って形成されており、前記ポンプ本体における前記軸方向の前記一方側の端部が、前記支持孔に挿入されており、前記支持孔に挿入された状態で前記ポンプ本体を前記支持孔に固定する固定手段を備えることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記回転電機は、前記軸方向において、前記壁部よりも前記ポンプ側と反対側に配置されており、前記ポンプは、リリーフバルブを有し、前記リリーフバルブと前記回転電機とを接続する前記潤滑油の排出通路が設けられていることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記圧送手段に前記潤滑油を供給する供給通路は、前記壁部に形成されたケース側供給通路と、前記ポンプ本体に形成されたポンプ側供給通路とを有し、前記ケース側供給通路と、前記ポンプ側供給通路とは、前記ポンプ本体が前記支持孔に挿入された状態において、前記ポンプ本体の外周部と前記支持孔とが接した部分において連通していることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記ポンプと、前記軸受と、前記入力軸回転部材とが、一体の構成部品を構成していることを特徴とする。
本発明によれば、車両の駆動源である回転電機のロータが連結された回転電機軸と、回転電機軸と平行に配置され、駆動源である内燃機関との間で動力を伝達する入力軸と、入力軸の軸方向の一方側の端部に設けられ、入力軸の動力あるいは回転電機軸の動力のうち少なくともいずれか一方を車両の駆動軸に伝達する入力軸回転部材と、内燃機関の動力により駆動されて潤滑油を圧送するポンプとをケース内に備える動力伝達装置において、ポンプは、入力軸回転部材の径方向の内方に配置されている。ポンプは、内燃機関の動力により駆動されて潤滑油を圧送する圧送手段と、圧送手段を収容するポンプ本体とを有している。
動力伝達装置は、径方向における入力軸回転部材とポンプ本体の外周部との間に設けられた軸受と、ケースに設けられ、入力軸回転部材の軸方向の一方側の側面と対向する壁部とを備える。ポンプ本体は、軸受を介して入力軸回転部材を回転可能に支持しており、ポンプ本体における軸方向の一方側の端部が、壁部に固定されている。ポンプが入力軸回転部材の径方向の内方に配置されることで、動力伝達装置の大型化を抑制しつつ、ポンプを配置することができる。
以下、本発明の動力伝達装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施形態)
図1から図4を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、車両の駆動源である回転電機のロータが連結された回転電機軸と、回転電機軸と平行に配置され、駆動源である内燃機関との間で動力を伝達する入力軸と、入力軸の軸方向の一方側の端部に設けられ、入力軸の動力あるいは回転電機軸の動力のうち少なくともいずれか一方を車両の駆動軸に伝達する入力軸回転部材と、内燃機関の動力により駆動されて潤滑油を圧送するポンプとをケース内に備える動力伝達装置に関する。
図1から図4を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、車両の駆動源である回転電機のロータが連結された回転電機軸と、回転電機軸と平行に配置され、駆動源である内燃機関との間で動力を伝達する入力軸と、入力軸の軸方向の一方側の端部に設けられ、入力軸の動力あるいは回転電機軸の動力のうち少なくともいずれか一方を車両の駆動軸に伝達する入力軸回転部材と、内燃機関の動力により駆動されて潤滑油を圧送するポンプとをケース内に備える動力伝達装置に関する。
図1は、この発明の一実施形態が適用されたFF(フロントエンジンフロントドライブ;エンジン前置き前輪駆動)形式のハイブリッド車の動力伝達装置100を示すスケルトン図である。図1において、1はエンジンであり、このエンジン1としては内燃機関、具体的にはガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジンまたはメタノールエンジンまたは水素エンジンなどを用いることができる。
この実施形態においては、便宜上、エンジン1としてガソリンエンジンを用いた場合について説明する。エンジン1は、燃料の燃焼によりクランクシャフト2から動力を出力する装置であって、吸気装置、排気装置、燃料噴射装置、点火装置、冷却装置などを備えた公知のものである。クランクシャフト2は車両の幅方向に、かつ、水平に配置され、クランクシャフト2の後端部にはフライホイール3が形成されている。
エンジン1の外壁には、中空のトランスアクスルケース(ケース)4が取り付けられている。トランスアクスルケース4は、エンジン側ハウジング70と、エクステンションハウジング71と、エンドカバー72とを有している。これらエンジン側ハウジング70およびエクステンションハウジング71およびエンドカバー72は、アルミニウムなどの金属材料を成形加工したものである。また、エンジン側ハウジング70の一方の開口端73とエンジン1とが接触した状態で、エンジン1とエンジン側ハウジング70とが相互に固定されている。
また、エンジン側ハウジング70とエンドカバー72との間に、エクステンションハウジング71が配置されている。さらに、エンジン側ハウジング70の他方の開口端74と、エクステンションハウジング71の一方の開口端75とが接触した状態で、エンジン側ハウジング70とエクステンションハウジング71とが相互に固定されている。さらにまた、エクステンションハウジング71の他方の開口端76を塞ぐようにエンドカバー72が取り付けられて、エンドカバー72とエクステンションハウジング71とが相互に固定されている。
トランスアクスルケース4の内部G1には、インプットシャフト(入力軸)5、第1のモータジェネレータ6、動力合成機構7、変速機構8、第2のモータジェネレータ(回転電機)9が設けられている。インプットシャフト5はクランクシャフト2と同心状に配置されている。インプットシャフト5におけるクランクシャフト2側の端部には、クラッチハブ10がスプライン嵌合されている。
トランスアクスルケース4内には、フライホイール3とインプットシャフト5との動力伝達状態を制御するクラッチ11が設けられている。また、フライホイール3とインプットシャフト5との間におけるトルク変動を抑制・吸収するダンパ機構12が設けられている。第1のモータジェネレータ6は、インプットシャフト5の外側に配置され、第2のモータジェネレータ9は、第1のモータジェネレータ6よりもエンジン1から遠い位置に配置されている。
すなわち、エンジン1と第2のモータジェネレータ9との間に第1のモータジェネレータ6が配置されている。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9は、電力の供給により駆動する電動機としての機能(力行機能)と、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9としては、例えば、交流同期型のモータジェネレータを用いることができる。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9に電力を供給する電力供給装置としては、バッテリ、キャパシタなどの蓄電装置、あるいは公知の燃料電池などを用いることができる。
第1のモータジェネレータ6の配置位置および第1のモータジェネレータ6の構成を具体的に説明する。エンジン側ハウジング70の内面には、エンジン1側に向けて延ばされ、ついで、インプットシャフト5側に向けて延ばされた隔壁77が形成されている。さらに、隔壁77に対してケースカバー78が固定されている。このケースカバー78は、エンジン1から離れる方向に延ばされ、ついで、インプットシャフト5側に向けて延ばされた形状を有している。そして、隔壁77とケースカバー78とにより取り囲まれた空間G2に、第1のモータジェネレータ6が配置されている。第1のモータジェネレータ6は、トランスアクスルケース4側に固定されたステータ13と、回転自在なロータ14とを有している。ステータ13は、隔壁77に固定された鉄心15と、鉄心15に巻かれたコイル16とを有している。
ステータ13およびロータ14は、所定肉厚の電磁鋼板を、その厚さ方向に複数枚を積層して構成したものである。なお、複数の電磁鋼板は、インプットシャフト5の軸線方向に積層されている。そして、インプットシャフト5の軸線方向における第1のモータジェネレータ6のコイル16の両端間が、インプットシャフト5の軸線方向における第1のモータジェネレータ6の配置領域L1である。一方、インプットシャフト5の外周には、中空シャフト17が取り付けられている。そして、インプットシャフト5と中空シャフト17とが相対回転可能に構成されている。ロータ14は、中空シャフト17の外周側に連結されている。
また、動力合成機構(言い換えれば動力分配機構)7は、第1のモータジェネレータ6と第2のモータジェネレータ9との間に設けられている。動力合成機構7は、いわゆるシングルピニオン形式の遊星歯車機構7Aを有している。すなわち、遊星歯車機構7Aは、サンギヤ18と、サンギヤ18と同心状に配置されたリングギヤ19と、サンギヤ18およびリングギヤ19に係合するピニオンギヤ20を保持したキャリヤ21とを有している。そして、サンギヤ18と中空シャフト17とが連結され、キャリヤ21とインプットシャフト5とが連結されている。なお、リングギヤ19は、インプットシャフト5と同心状に配置された環状部材(言い換えれば円筒部材)22と連結されており、この環状部材22の外周側にはカウンタドライブギヤ(入力軸回転部材)23が形成されている。カウンタドライブギヤ23は、インプットシャフト5における軸方向の一方側(エンジン1側と反対側)の端部に設けられている。
第2のモータジェネレータ9は、カウンタドライブギヤ23よりもエンジン1から遠い位置に設けられている。第2のモータジェネレータ9のロータ26がMGシャフト(回転電機軸)45の外周に連結されており、MGシャフト45は車両の幅方向にほぼ水平に配置されている。このMGシャフト45とインプットシャフト5および中空シャフト17とが非同心状に配置されている。
すなわち、インプットシャフト5は、MGシャフト45と平行に配置されている。言い換えると、インプットシャフト5は、MGシャフト45からMGシャフト45の径方向に離間した位置にMGシャフト45の軸方向に沿って配置されている。インプットシャフト5における軸方向の一方側(エンドカバー72側)の端部を含む軸方向の一部の領域5tと、MGシャフト45における軸方向の他方側(エンジン1側)の端部を含む軸方向の一部の領域45tとが径方向に互いに対向している。言い換えると、軸方向において、MGシャフト45は、動力合成機構7との動力の伝達を行う後述するギヤ46からエンドカバー72方向に向けて延設されており、一方、インプットシャフト5は、動力合成機構7からエンジン1へ向けて延設されている。
第2のモータジェネレータ9の配置位置および第2のモータジェネレータ9の構成を具体的に説明する。エクステンションハウジング71の内面には、MGシャフト45側に向けて延ばされた隔壁(壁部)79が形成されている。隔壁79は、ギヤ46の軸方向の一方側(エンジン1側と反対側)の側面と対向している。そして、エクステンションハウジング71と隔壁79とエンドカバー72とにより取り囲まれた空間G3に、第2のモータジェネレータ9が配置されている。
第2のモータジェネレータ9は、トランスアクスルケース4に固定されたステータ25と、回転自在なロータ26とを有している。ステータ25は、鉄心27と、鉄心27に巻かれたコイル28とを有している。ステータ25およびロータ26は、所定肉厚の電磁鋼板を、その厚さ方向に複数枚を積層して構成したものである。なお、複数の電磁鋼板は、MGシャフト45の軸線方向に積層されている。そして、MGシャフト45の軸線方向における第2のモータジェネレータ9のコイル28の両端間が、MGシャフト45の軸線方向における第2のモータジェネレータ9の配置領域L2に相当する。
上記のように、第1のモータジェネレータ6と第2のモータジェネレータ9とは、MGシャフト45およびインプットシャフト5ならびに中空シャフト17の軸線方向において異なる位置に配置されている。より具体的には、軸線方向において、第1のモータジェネレータ6の配置領域L1と、第2のモータジェネレータ9の配置領域L2とが、重ならないように、各モータジェネレータの配置位置が設定されている。また、第1のモータジェネレータ6の回転中心(中心軸線)と、第2のモータジェネレータ9の回転中心(中心軸線)とが各シャフトの半径方向に位置ずれしている。
MGシャフト45における動力合成機構7側の端部にはギヤ46が形成(連結)されている。ギヤ46は、はすば歯車であり、カウンタドライブギヤ23と噛み合って(係合して)いる。カウンタドライブギヤ23とギヤ46とは、ギヤ46からカウンタドライブギヤ23に動力が伝達される場合の変速比が“1”より大きくなるように構成されている。これらのギヤ46およびカウンタドライブギヤ23により、変速機構8が構成されている。第2のモータジェネレータ9の動力がMGシャフト45を介してギヤ46に伝達されると、ギヤ46の回転速度が減速されて環状部材22に伝達される。すなわち、第2のモータジェネレータ9のトルクが増幅されて動力合成機構7に伝達される。
一方、前記トランスアクスルケース4の内部には、インプットシャフト5と平行なカウンタシャフト34が設けられている。カウンタシャフト34には、カウンタドリブンギヤ35およびファイナルドライブピニオンギヤ36が形成されている。そして、カウンタドライブギヤ23とカウンタドリブンギヤ35とが係合されている。さらに、トランスアクスルケース4の内部にはデファレンシャル37が設けられており、デファレンシャル37は、デフケース38の外周側に形成されたファイナルリングギヤ39と、デフケース38に対してピニオンシャフト40を介して取り付けられた連結された複数のピニオンギヤ41と、複数のピニオンギヤ41に係合されたサイドギヤ42と、サイドギヤ42に連結された2本のフロントドライブシャフト(駆動軸)43とを有している。各フロントドライブシャフト43には前輪44が連結されている。このように、トランスアクスルケース4の内部に、変速機構8およびデファレンシャル37を一括して組み込んだ、いわゆるトランスアクスルを構成している。
ここで、図2を参照して、トランスアクスルケース4内の各軸の配置について説明する。図2は、動力伝達装置100の軸配置を示す図である。
各軸5,34,43,45の配置は、次のとおりである。インプットシャフト5を基準として、MGシャフト45はその斜め上方に、カウンタシャフト34は斜め下方に配置されている。フロントドライブシャフト43の中心軸線C5と比較して、カウンタシャフト34の中心軸線C6は、わずかに下方に位置している。カウンタシャフト34の中心軸線C6は、インプットシャフト5の中心軸線C3とフロントドライブシャフト43の中心軸線C5とを結ぶ仮想線L4よりも下方に位置している。MGシャフト45をトランスアクスルケース4内の上部、カウンタシャフト34を下部に配置し、さらに、カウンタドライブギヤ23が、ギヤ46に駆動されるドリブンギヤを兼ねることで、全体として各軸5,34,43,45をコンパクトに配置することができる。これにより、HVの大きな課題であるコスト低減や、車両搭載性の向上、質量低減による燃費向上等の大きなメリットが得られる。
各軸5,45,43,34の回転方向は、図2に矢印A3からA6でそれぞれ示した方向である。つまり、フロントドライブシャフト43は、中心軸線C5の下方において図2の右方向に回転し、カウンタシャフト34は、中心軸線C6の下方において図2の左方向に回転する。言い換えると、フロントドライブシャフト43の回転方向とカウンタシャフト34の回転方向とが、それぞれの中心軸線よりも下方の領域で互いに離間する方向である。なお、図示の回転方向は、車両の前進時のものである。また、本実施形態の説明における上下方向とは、特にことわりのない限り、車両に搭載された状態における上下方向(鉛直方向)を意味している。
本実施形態の動力伝達装置100では、トランスアクスルケース4内の下部に溜まった潤滑油は、ファイナルリングギヤ39で掻き揚げられて(矢印Y2参照)トランスアクスルケース4内の上部に設けられたオイルキャッチタンク32に送られる。オイルキャッチタンク32からは、トランスアクスルケース4内の潤滑箇所(被潤滑部)や冷却箇所に向けて適宜の流量で潤滑油が滴下される。
上記のように構成されたハイブリッド車においては、車速およびアクセル開度などの条件に基づいて、前輪44に伝達するべき要求トルクが算出され、その算出結果に基づいて、エンジン1、クラッチ11、第1のモータジェネレータ6、第2のモータジェネレータ9が制御される。エンジン1から出力されるトルクを前輪に伝達する場合は、クラッチ11が係合される。すると、クランクシャフト2の動力(言い換えればトルク)がインプットシャフト5を介してキャリヤ21に伝達される。
キャリヤ21に伝達されたトルクは、リングギヤ19、環状部材22、カウンタドライブギヤ23、カウンタドリブンギヤ35、カウンタシャフト34、ファイナルドライブピニオンギヤ36、デファレンシャル37を介して前輪44に伝達され、駆動力が発生する。また、エンジン1のトルクをキャリヤ21に伝達する際に、第1のモータジェネレータ6を発電機として機能させ、発生した電力を蓄電装置(図示せず)に充電することもできる。
さらに、第2のモータジェネレータ9を電動機として駆動させ、その動力を動力合成機構7に伝達することができる。第2のモータジェネレータ9の動力がMGシャフト45を介してギヤ46に伝達されると、ギヤ46の回転速度が減速されて環状部材22に伝達される。すなわち、第2のモータジェネレータ9のトルクが増幅されて動力合成機構7に伝達される。このようにして、エンジン1の動力および第2のモータジェネレータ9の動力が動力合成機構7に入力されて合成され、合成された動力が前輪44に伝達される。つまり、動力合成機構7(カウンタドライブギヤ23)は、エンジン1の動力、あるいは、第2のモータジェネレータ9の動力のうち少なくともいずれか一方を前輪44に伝達する。
上記のように、本実施形態の動力伝達装置100では、インプットシャフト5とMGシャフト45とを別軸とすること等により、全体として各軸5,34,43,45をコンパクトに配置することができる。これにより、動力伝達装置100の全体をコンパクト化することが可能となる。このような動力伝達装置100において、更に、オイルポンプが設けられることがある。例えば、エンジン1の動力により駆動されて潤滑油をトランスアクスルケース4内に供給するオイルポンプが設けられることがある。この場合に、オイルポンプを設けることによる動力伝達装置100の大型化を抑制できることが望ましい。
本実施形態では、以下に図3および図4を参照して説明するように、オイルポンプ(図3の符号50参照)とカウンタドライブギヤ23とがギヤユニット(構成部品、図3の符号60参照)として一体に構成されている。オイルポンプ50は、カウンタドライブギヤ23の径方向の内方に配置され、オイルポンプ50の外周部に配置された軸受(図3の符号56参照)により、カウンタドライブギヤ23を回転可能に支持している。オイルポンプ50とカウンタドライブギヤ23とを組み合わせたギヤユニット60は、軸方向の一端部(図3の符号51a参照)が隔壁79に圧入されている。
このように、オイルポンプ50とカウンタドライブギヤ23とをユニット化することにより、動力伝達装置100が大型化することを抑制しつつ、エンジン1の動力で駆動されるオイルポンプ50を配置することができる。
図3は、本実施形態のオイルポンプ50およびカウンタドライブギヤ23を含んで構成されるギヤユニット60の概略構成を示す断面図である。図4は、オイルポンプ50と隔壁79との嵌合部を示す断面図である。
図3において、符号50は、オイルポンプ(ポンプ)を示す。オイルポンプ50は、ポンプボデー(ポンプ本体)51と、ポンプドライブシャフト52と、ポンプカバー53と、ポンプロータ(圧送手段)54と、リリーフバルブ55を有している。ポンプボデー51は、中空の円筒形状をなしており、ポンプボデー51を軸方向に貫く貫通孔51cには、ポンプドライブシャフト52が配置されている。ポンプドライブシャフト52におけるエンジン1側の端部52aは、ポンプボデー51からエンジン1側に突出しており、インプットシャフト5とスプライン嵌合している。すなわち、ポンプドライブシャフト52は、インプットシャフト5と一体に回転するものであり、エンジン1の動力により駆動される。
ポンプドライブシャフト52におけるエンジン1側と反対側の端部には、ポンプロータ54が設けられている。ポンプロータ54は、ポンプドライブシャフト52に連結されたドライブロータ54aと、回転可能に設けられ、ドライブロータ54aと噛み合うドリブンロータ54bとを有する。ドライブロータ54aとドリブンロータ54bとにより、公知のトロコイド式のポンプが構成されている。
ポンプボデー51におけるポンプロータ54の径方向の外方の位置には、フランジ部51bが形成されている。フランジ部51bは、径方向の外方に向けて突出しており、環状に形成されている。ポンプボデー51におけるフランジ部51bよりもエンジン1側と反対側(軸方向の一方側の端部)には、隔壁79に圧入される端部筒状部51aが形成されている。端部筒状部51aは、円筒形状をなし、ポンプボデー51におけるフランジ部51bよりもエンジン1側の部分と比較して、大径に形成されている。端部筒状部51aの径方向の内方には、ポンプカバー53が設けられている。ポンプカバー53と、ポンプボデー51との間には、軸方向に隙間が設けられており、ポンプロータ54は、このポンプカバー53とポンプボデー51との間に形成される空間であるロータ室83に配置されている。エンジン1の動力により駆動されてドライブロータ54aとドリブンロータ54bとが回転することにより、ロータ室83への潤滑油の吸入および吐出が行われる。
隔壁79には、端部筒状部51aの断面形状と対応する断面形状を有する支持孔79aが形成されている。支持孔79aは、隔壁79に軸方向に沿って形成されており、軸方向の長さは、端部筒状部51aの長さと対応している。端部筒状部51aは、フランジ部51bと隔壁79とが当接するように支持孔79aに圧入されている。本実施形態では、支持孔79aに挿入された状態でポンプボデー51を支持孔79aに固定する固定手段として、端部筒状部51aが支持孔79aに圧入されている。端部筒状部51aが、支持孔79aに圧入されていることにより、端部筒状部51aと支持孔79aとの相対運動が規制されている。フランジ部51bにより、ポンプボデー51の軸方向の位置決めがなされている。また、テーパドスナップリング(固定手段)81により、支持孔79aと端部筒状部51aとが連結されており、隔壁79とポンプボデー51との軸方向の相対運動が規制されている。言い換えると、端部筒状部51aと支持孔79aとで構成されるインロー部において、隔壁79をフランジ部51bとテーパドスナップリング81とで挟んでポンプボデー51を隔壁79に固定(軸方向に固定)している。
第2のモータジェネレータ9は、軸方向において、隔壁79よりもオイルポンプ50側と反対側に配置されている。本実施形態では、ステータ25のコイルエンド25aが、ポンプ50の軸方向の延長線上に位置するように、第2のモータジェネレータ9が配置されている。より具体的には、リリーフバルブ55のリリーフ通路55aの延長線上に、コイルエンド25aが位置している。これにより、後述するように、リリーフバルブ55から排出される潤滑油でコイルエンド25aを冷却することができる。
ポンプボデー51は、外周部に設けられた軸受によりカウンタドライブギヤ23を回転可能に支持している。ポンプボデー51の外周部におけるフランジ部51bよりもエンジン1側には、円すいころ軸受(テーパドローラベアリング)56が設けられている。本実施形態の円すいころ軸受56は、2つのころの列を有する複列円すいころ軸受である。円すいころ軸受56の外輪56bは、カウンタドライブギヤ23(環状部材22)の内周部に圧入されている。ポンプボデー51は、カウンタドライブギヤ23の径方向の内方に配置されている。円すいころ軸受56の内輪56aは、ポンプボデー51の外周部と外輪56bとの間に配置され、ロックナット82によりポンプボデー51に固定されている。言い換えると、円すいころ軸受56は、径方向におけるカウンタドライブギヤ23とポンプボデー51の外周部との間に設けられている。オイルポンプ50と、円すいころ軸受56と、カウンタドライブギヤ23とがギヤユニット60として一体に構成されている。
ギヤユニット60では、カウンタドライブギヤ23の支持ボス部として機能するポンプボデー51を内周側に配置し、円すいころ軸受56を介してカウンタドライブギヤ23を外周側に配置している。これにより、支持ボス部を外周側に設ける場合と比較して、カウンタドライブギヤ23のフランジ部が不要となること等により、コンパクト化することができる。このように支持ボス部を内周側に配置する場合、支持ボス部の外径、断面係数が小さくなるため、アルミダイカスト製のトランスアクスルケース4自体で支持ボス部を構成した場合には、支持ボス部の応力や変形量が増大し、強度やギヤノイズの問題が生じることとなる。
これに対して、本実施形態では、支持ボス部がトランスアクスルケース4とは別体のポンプボデー51で構成されている。このため、ポンプボデー51をトランスアクスルケース4と比較して高強度、高剛性の材質(例えば、鉄鋼)で構成することにより、強度の確保や変形量の低減が可能となる。よって、カウンタドライブギヤ23を内周側で支持することによるコンパクト化と、小径の支持ボス部の強度や剛性を確保することとを両立できる。
本実施形態では、端部筒状部51aが支持孔79aに圧入されることで、ポンプボデー51の径方向の位置(軸位置)精度、および径方向の剛性(隔壁79とポンプボデー51との取付部における剛性)を適切なものとすることができる。また、フランジ部51bとテーパドスナップリング81とで隔壁79を挟むことにより、軸方向の位置精度を確保(ガタ詰め)し、かつ、軸方向の剛性(隔壁79とポンプボデー51との取付部における剛性)を適切なものとすることができる。フランジ部51bを隔壁79に当接させた状態としておくことにより、径方向および軸方向の剛性を向上させることができる。
また、オイルポンプ50と、円すいころ軸受56と、カウンタドライブギヤ23との一体モジュール化(ユニット化)により、円すいころ軸受56のプレロード調整や、オイルポンプ50の小物部品の取付等の細かな作業をサブライン化し、動力伝達装置100のメイン組立ラインを縮小することができる。これにより、組立ラインのコンパクト化や設備投資の削減が可能となる。テーパドスナップリング81の組付け以外は、一方向組付けができる。テーパドスナップリング81の組付け程度であれば、設備によっては反転工程なし(下方組付け)でも対応可能となるため、トランスアクスル組付けにおける反転工程が不要となる。
次に、図4を参照して、オイルポンプ50に供給される潤滑油の通路について説明する。
隔壁79における端部筒状部51aの下方には、オイルポンプ50に供給(吸入)される潤滑油の通路を構成するケース側供給通路79bが形成されている。ケース側供給通路79bには、オイルストレーナパイプ80が接続されている。オイルストレーナパイプ80は、トランスアクスルケース4内に設けられた油溜り(図示せず)とケース側供給通路79bとを接続している。トランスアクスルケース4内の各部を潤滑した潤滑油は、油溜りに流入し、油溜りからオイルストレーナパイプ80を介してケース側供給通路79bに供給される。端部筒状部51aには、オイルポンプ50に供給(吸入)される潤滑油の通路を構成するポンプ側供給通路51dが形成されている。ポンプ側供給通路51dは、ケース側供給通路79bを介して供給される潤滑油をポンプロータ54に導く。言い換えると、ポンプ側供給通路51dは、ケース側供給通路79bとロータ室83とを連通している。
ポンプカバー53には、ロータ室83から吐出される潤滑油の通路を構成するカバー側吐出通路53aが形成されている。カバー側吐出通路53aは、ロータ室83と、ポンプドライブシャフト52を軸方向に貫通する貫通孔52bとを連通している。ポンプロータ54により圧縮されてロータ室83から吐出された潤滑油は、カバー側吐出通路53a、貫通孔52bを経て動力合成機構7等に供給される。
カバー側吐出通路53aには、リリーフバルブ55が設けられている。リリーフバルブ55は、リリーフ通路(排出通路)55aと、ばね55bと、弁体55cを有する。リリーフ通路55aは、ポンプカバー53に軸方向に沿って形成されている。リリーフ通路55aの一端は、カバー側吐出通路53aと接続されており、他端は、第2のモータジェネレータ9のステータ25のコイルエンド25aに向けて開口している。言い換えると、リリーフ通路55aは、リリーフバルブ55と第2のモータジェネレータ9とを接続する潤滑油の排出通路として機能する。リリーフ通路55aは、リリーフバルブ55の開弁時に余剰となって排出される潤滑油を第2のモータジェネレータ9に導く。
弁体55cは、リリーフ通路55aを開閉することで、カバー側吐出通路53aとリリーフ通路55aとを連通または遮断する。弁体55cは、ばね55bによりエンジン1側に付勢されている。これにより、弁体55cは、カバー側吐出通路53aとリリーフ通路55aとの連通を遮断している。カバー側吐出通路53aの圧力が高くなり、所定のリリーフ圧を超えると、カバー側吐出通路53aの圧力が弁体55cを押圧し、ばね55bの付勢力に抗してエンジン1側と反対側に弁体55cを移動する。これにより、カバー側吐出通路53aとリリーフ通路55aとが連通し、カバー側吐出通路53aの潤滑油がリリーフ通路55aに排出される。
リリーフ通路55aに排出された潤滑油は、第2のモータジェネレータ9のコイルエンド25aにかかり、コイルエンド25aを冷却する。すなわち、リリーフバルブ55の開弁時に余剰となって排出される潤滑油は、リリーフバルブ55から第2のモータジェネレータ9へ導かれ、第2のモータジェネレータ9に向けて吐出される。
本実施形態では、第2のモータジェネレータ9がトランスアクスルケース4内の上部に配置されているため、ファイナルリングギヤ39の掻き揚げによる潤滑油の供給方法だけでは、第2のモータジェネレータ9を十分に冷却することが困難となる可能性がある。これに対して、オイルキャッチタンク32から供給される潤滑油だけでなく、リリーフバルブ55のリリーフ通路55aからも第2のモータジェネレータ9に潤滑油が供給されることで、第2のモータジェネレータ9に対する冷却性能を向上させることができる。オイルポンプ50の高回転(高吐出量)時に余剰となって排出される潤滑油を、コイルエンド25aに直接掛けて冷却するため、第2のモータジェネレータ9の冷却用の部品を新たに設けることなく、低コストで第2のモータジェネレータ9を冷却できる。
第2のモータジェネレータ9において熱的に厳しい条件となるのは、エンジン1の高負荷(高回転)時である場合が多く、これは、リリーフ油(リリーフバルブ55から排出される潤滑油)が多くなる場合と一致する。すなわち、第2のモータジェネレータ9において冷却が必要となる状況において、リリーフバルブ55が開放し、第2のモータジェネレータ9が冷却される。また、リリーフ油により第2のモータジェネレータ9を冷却する方法では、トランスアクスルケース4内の上部に設けられたオイルキャッチタンク32へ掻き揚げられる潤滑油量にかかわりなく、第2のモータジェネレータ9を冷却することができる。例えば、オイルキャッチタンク32への潤滑油の掻き揚げ量が少量となり、オイルキャッチタンク32から第2のモータジェネレータ9に供給される潤滑油の量が比較的少量となりやすい低車速時であっても、リリーフ通路55aから第2のモータジェネレータ9に潤滑油を供給して冷却することができる。なお、リリーフバルブ55が開くまでの間に、動力合成機構7等に優先的に潤滑油が配分されているため、遊星歯車機構7Aの潤滑不足等が生じることはない。
また、本実施形態では、オイルポンプ50に供給される潤滑油の通路において、トランスアクスルケース4側の潤滑油の通路であるケース側供給通路79bと、ポンプボデー51側の潤滑油の通路であるポンプ側供給通路51dとが、インロー部において連通されている。言い換えると、ケース側供給通路79bと、ポンプ側供給通路51dとは、ポンプボデー51と支持孔79aとが嵌合した(ポンプボデー51が支持孔79aに挿入された)状態において、ポンプボデー51の外周部(端部筒状部51aの外周部)と支持孔79aとが接した部分において連通して(互いに接続されて)いる。さらに言い換えると、ケース側供給通路79bは、支持孔79aに開口する開口部79cを有し、ポンプ側供給通路51dは、端部筒状部51aの外周部において開口部79cと対向する位置に開口する開口部51eを有している。
このようにポンプボデー51の外周部(端部筒状部51aの外周部)と支持孔79aとが接した部分においてケース側供給通路79bとポンプ側供給通路51dとが連通されていることにより、ケース側供給通路79bからポンプ側供給通路51dに潤滑油が流れる場合に、潤滑油の漏れが抑制される。特に、端部筒状部51aが支持孔79aに圧入されていることにより、潤滑油の漏れがより確実に抑制される。シール部材(Oリング等)を追加しなくとも、端部筒状部51aと支持孔79aとの間に漏れ出す潤滑油の漏れ量が抑えられる。言い換えると、部品点数を削減しつつ、潤滑油の漏れ量を低減することができる。オイルポンプ50に供給される潤滑油の通路をこのように嵌合部で径方向に連通させることで、コイルエンド25aを避けてオイルストレーナ(オイルストレーナパイプ80)を配置できる。このため、トランスアクスルの全長を短くでき、動力伝達装置100の車両搭載性が向上する。
また、本実施形態では、端部筒状部51aと支持孔79aとが嵌合するインロー部の内径側に、オイルポンプ50の部品(ポンプカバー53、ポンプロータ54、リリーフバルブ55等)が配置されている。言い換えると、軸方向におけるインロー部(端部筒状部51a、支持孔79a)の設置領域と、オイルポンプ50の部品の設置領域とがオーバーラップして(重なって)いる。このように、インロー部を有効利用してオイルポンプ50の部品を配置することにより、トランスアクスルの全長を短くでき、車両搭載性が向上する。
なお、本実施形態では、オイルポンプ50を隔壁79に固定する方法として、隔壁79に形成された支持孔79aにポンプボデー51の端部筒状部51aを圧入したが、これに代えて、例えば、ボルト等によりポンプボデー51を隔壁79に締結するようにしてもよい。この場合、隔壁79とポンプボデー51とが嵌合していなくともよい。
本実施形態では、カウンタドライブギヤ23を回転可能に支持する軸受が、円すいころ軸受であったが、軸受の種類はこれには限定されない。
1 エンジン
2 クランクシャフト
3 フライホイール
4 トランスアクスルケース
5 インプットシャフト
6 第1のモータジェネレータ
7 動力合成機構
7A 遊星歯車機構
8 変速機構
9 第2のモータジェネレータ
13 ステータ
14 ロータ
15 鉄心
16 コイル
18 サンギヤ
19 リングギヤ
20 ピニオンギヤ
21 キャリヤ
22 環状部材
23 カウンタドライブギヤ
25 ステータ
26 ロータ
27 鉄心
28 コイル
32 オイルキャッチタンク
34 カウンタシャフト
35 カウンタドリブンギヤ
39 ファイナルリングギヤ
43 フロントドライブシャフト
44 前輪
45 MGシャフト
46 ギヤ
50 オイルポンプ
51 ポンプボデー
51a 端部筒状部
51b フランジ部
51c 貫通孔
51d ポンプ側供給通路
52 ポンプドライブシャフト
53 ポンプカバー
54 ポンプロータ
55 リリーフバルブ
55a リリーフ通路
55b ばね
55c 弁体
56 円すいころ軸受
60 ギヤユニット
70 エンジン側ハウジング
71 エクステンションハウジング
72 エンドカバー
79 隔壁
79a 支持孔
79b ケース側供給通路
80 オイルストレーナパイプ
81 テーパドスナップリング
82 ロックナット
83 ロータ室
100 動力伝達装置
2 クランクシャフト
3 フライホイール
4 トランスアクスルケース
5 インプットシャフト
6 第1のモータジェネレータ
7 動力合成機構
7A 遊星歯車機構
8 変速機構
9 第2のモータジェネレータ
13 ステータ
14 ロータ
15 鉄心
16 コイル
18 サンギヤ
19 リングギヤ
20 ピニオンギヤ
21 キャリヤ
22 環状部材
23 カウンタドライブギヤ
25 ステータ
26 ロータ
27 鉄心
28 コイル
32 オイルキャッチタンク
34 カウンタシャフト
35 カウンタドリブンギヤ
39 ファイナルリングギヤ
43 フロントドライブシャフト
44 前輪
45 MGシャフト
46 ギヤ
50 オイルポンプ
51 ポンプボデー
51a 端部筒状部
51b フランジ部
51c 貫通孔
51d ポンプ側供給通路
52 ポンプドライブシャフト
53 ポンプカバー
54 ポンプロータ
55 リリーフバルブ
55a リリーフ通路
55b ばね
55c 弁体
56 円すいころ軸受
60 ギヤユニット
70 エンジン側ハウジング
71 エクステンションハウジング
72 エンドカバー
79 隔壁
79a 支持孔
79b ケース側供給通路
80 オイルストレーナパイプ
81 テーパドスナップリング
82 ロックナット
83 ロータ室
100 動力伝達装置
Claims (5)
- 車両の駆動源である回転電機のロータが連結された回転電機軸と、
前記回転電機軸と平行に配置され、前記駆動源である内燃機関との間で動力を伝達する入力軸と、
前記入力軸の軸方向の一方側の端部に設けられ、前記入力軸の前記動力あるいは前記回転電機軸の前記動力のうち少なくともいずれか一方を前記車両の駆動軸に伝達する入力軸回転部材と、
前記内燃機関の前記動力により駆動されて潤滑油を圧送する圧送手段と、前記圧送手段を収容するポンプ本体とを有するポンプと
をケース内に備える動力伝達装置であって、
前記ポンプは、前記入力軸回転部材の径方向の内方に配置されており、
前記径方向における前記入力軸回転部材と前記ポンプ本体の外周部との間に設けられた軸受と、
前記ケースに設けられ、前記入力軸回転部材の前記軸方向の前記一方側の側面と対向する壁部とを備え、
前記ポンプ本体は、前記軸受を介して前記入力軸回転部材を回転可能に支持しており、
前記ポンプ本体における前記軸方向の前記一方側の端部が、前記壁部に固定されている
ことを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1に記載の動力伝達装置において、
前記壁部には、前記ポンプ本体を支持する支持孔が、前記軸方向に沿って形成されており、
前記ポンプ本体における前記軸方向の前記一方側の端部が、前記支持孔に挿入されており、
前記支持孔に挿入された状態で前記ポンプ本体を前記支持孔に固定する固定手段を備える
ことを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1または2に記載の動力伝達装置において、
前記回転電機は、前記軸方向において、前記壁部よりも前記ポンプ側と反対側に配置されており、
前記ポンプは、リリーフバルブを有し、
前記リリーフバルブと前記回転電機とを接続する前記潤滑油の排出通路が設けられている
ことを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項2または3に記載の動力伝達装置において、
前記圧送手段に前記潤滑油を供給する供給通路は、前記壁部に形成されたケース側供給通路と、前記ポンプ本体に形成されたポンプ側供給通路とを有し、
前記ケース側供給通路と、前記ポンプ側供給通路とは、前記ポンプ本体が前記支持孔に挿入された状態において、前記ポンプ本体の外周部と前記支持孔とが接した部分において連通している
ことを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、
前記ポンプと、前記軸受と、前記入力軸回転部材とが、一体の構成部品を構成している
ことを特徴とする動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008160747A JP2010000874A (ja) | 2008-06-19 | 2008-06-19 | 動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008160747A JP2010000874A (ja) | 2008-06-19 | 2008-06-19 | 動力伝達装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010000874A true JP2010000874A (ja) | 2010-01-07 |
Family
ID=41582955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008160747A Pending JP2010000874A (ja) | 2008-06-19 | 2008-06-19 | 動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010000874A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014111963A (ja) * | 2012-12-05 | 2014-06-19 | Toyota Motor Corp | リリーフバルブ |
JP2022068430A (ja) * | 2020-10-22 | 2022-05-10 | ダイハツ工業株式会社 | トランスアクスル |
-
2008
- 2008-06-19 JP JP2008160747A patent/JP2010000874A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014111963A (ja) * | 2012-12-05 | 2014-06-19 | Toyota Motor Corp | リリーフバルブ |
JP2022068430A (ja) * | 2020-10-22 | 2022-05-10 | ダイハツ工業株式会社 | トランスアクスル |
JP7278248B2 (ja) | 2020-10-22 | 2023-05-19 | ダイハツ工業株式会社 | トランスアクスル |
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