JP4104632B2 - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車両を走行させる駆動力を発生するエンジンおよび電動モータを備えたハイ
ブリッド車両に関する。
エンジンの駆動力をベルト式無段変速機を介して駆動輪に伝達する第1駆動力伝達経路
と、エンジンのクランクシャフトと同軸に配置したモータ・ジェネレータの駆動力を固定
減衰比の減速機を介して駆動輪に伝達する第2駆動力伝達経路とを備え、車両の中・高速
走行時にはエンジンの駆動力で前記第1駆動力伝達経路を介して駆動輪を駆動し、車両の
発進時や低速走行時にはモータ・ジェネレータの駆動力で前記第2駆動力伝達経路を介し
て駆動輪を駆動するハイブリッド車両が、下記特許文献1により公知である。
特開2005−59788号公報
ところで上記従来のものは、パワーユニットのモータハウジング内に収納されるモータ
・ジェネレータを、前記モータハウジングのエンジンブロックとの結合面側から組み付け
るようになっているため、電動モータの外径寸法がエンジンおよびモータハウジングの結
合面の寸法によって制限されることになり、モータ・ジェネレータの外径寸法を拡大しよ
うとすると、エンジンブロックを設計変更する必要が生じてコストアップの要因となる問
題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、走行用の駆動源としてエンジンおよび電
動モータを備えたハイブリッド車両において、電動モータの外径寸法の拡大を可能にする
ことを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、クランクシャフトを
有するエンジンと、前記クランクシャフトに同軸に結合されたメインシャフトおよび該メ
インシャフトに対して平行に配置されたカウンタシャフトを有する変速機と、前記エンジ
ンおよび前記変速機に挟まれた位置で前記メインシャフトの外周を囲むように配置された
電動モータと、前記エンジンの駆動力を前記変速機を介して車輪に伝達する第1駆動力伝
達経路と、前記電動モータの駆動力を減速機を介して車輪に伝達する第2駆動力伝達経路
とを備え、前記電動モータを収容するモータハウジングは前記変速機側にモータ挿入部を
備え、前記減速機が前記モータ挿入部と前記変速機との間に配置され、かつ前記電動モー
タを覆うように前記モータハウジングに固定された減速機支持部材に前記減速機が支持さ
れることを特徴とするハイブリッド車両が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記電動モータの
軸線を前記メインシャフトの軸線に対してオフセットしたことを特徴とするハイブリッド
車両が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前
記変速機は、固定側プーリ半体および可動側プーリ半体を有してメインシャフト上に配置
された駆動プーリと、固定側プーリ半体および可動側プーリ半体を有してカウンタシャフ
ト上に配置された従動プーリとに金属ベルトを巻き掛けたベルト式無段変速機よりなり、
前記両固定側プーリ半体および前記両可動側プーリ半体は対角位置に配置され、前記エン
ジンおよび前記変速機間の動力伝達を断接する断接クラッチを前記メインシャフト上の前
記駆動プーリの固定側プーリ半体に隣接して配置したことを特徴とするハイブリッド車両
が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記クランクシャ
フトと平行に配置された第2電動モータを備え、前記第2電動モータは減速ギヤを介して
前記メインシャフトに接続されるとともに、前記減速ギヤは前記変速機を挟んで前記エン
ジンと反対側に配置されることを特徴とするハイブリッド車両が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、前記断接クラッチ
を係合解除した状態で前記第2電動モータを駆動して前記エンジンを始動することを特徴
とするハイブリッド車両が提案される。
尚、実施の形態の油圧多板クラッチ19は本発明の断接クラッチに対応し、実施の形態
のベルト式無段変速機21は本発明の変速機に対応し、実施の形態のドライブギヤ41お
よびドリブンギヤ42は本発明の減速ギヤに対応し、実施の形態のモータカバー56は本
発明の減速機支持部材に対応し、実施の形態のモータ・ジェネレータMGは本発明の電動
モータに対応し、実施の形態のスタータモータSMは本発明の第2電動モータに対応する
請求項1の構成によれば、モータハウジングに電動モータを組み付ける際に、モータハ
ウジングのエンジン側からではなく反エンジン側のモータ挿入部から電動モータを挿入す
るので、エンジンおよびモータハウジングの結合面の寸法に規制されることなく、即ちエ
ンジンブロックの設計変更を行うことなく電動モータの外径寸法を拡大することができる
。これにより、同じ出力を得るための電動モータの軸方向寸法を小型化することができ、
パワーユニットの軸方向寸法の小型化を図ることができる。しかも前記モータ挿入部と変
速機との間に配置される減速機を直接モータハウジングに支持することなく、電動モー
タを覆うようにモータハウジングに固定した減速機支持部材に支持するので、モータハウ
ジングに減速機の支持部を設ける必要がなくなる。その結果、電動モータが前記減速機の
支持部と干渉して外径寸法が制限されることがなくなり、電動モータの外径寸法を拡大す
ることができる。
また請求項2の構成によれば、電動モータの軸線をメインシャフトの軸線に対してオフ
セットしたので、電動モータの外径寸法をパワーユニット内の他部材と干渉することなく
最大限に拡大し、その出力を増加させることができる。また電動モータの出力を従前どお
りとすれば、その外径寸法が増加した分だけ軸方法寸法を小型化することができる。
また請求項3の構成によれば、ベルト式無段変速機のメインシャフト上の駆動プーリお
よびカウンタシャフト上の従動プーリの両固定側プーリ半体および両可動側プーリ半体を
対角位置に配置し、断接クラッチをメインシャフト上の駆動プーリの固定側プーリ半体に
隣接して配置したので、可動側プーリ半体よりも小型の固定側プーリ半体に隣接する位置
に形成されるデッドスペースを断接クラッチの配置スペースに利用し、パワーユニットの
軸方向寸法を小型化することができる。
また請求項4の構成によれば、クランクシャフトと平行に配置した第2電動モータを減
速ギヤを介してメインシャフトに接続したので、第2電動モータで減速ギヤおよびメイン
シャフトを介してクランクシャフトをクランキングしてエンジンを始動することができる
。しかも減速ギヤを変速機を挟んでエンジンと反対側に配置したので、請求項3の効果と
同様に、可動側プーリ半体よりも小型の固定側プーリ半体に隣接する位置に形成されるデ
ッドスペースを減速ギヤの配置スペースに利用し、パワーユニットの軸方向寸法を小型化
することができる。
また請求項5の構成によれば、断接クラッチを係合解除して変速機から切り離した状態
で第2電動モータを駆動してエンジンを始動するので、電動モータあるいは車輪から第2
電動モータに駆動力が逆伝達されるのを防止してエンジンをスムーズに始動することがで
きる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明の第1の実施の形態を示すもので、図1はハイブリッド車両の駆動
力伝達経路のスケルトン図、図2は図1の2−2線矢視図、図3はハイブリッド車両のパ
ワーユニットの縦断面図、図4は図3のA部拡大図、図5は図3のB部拡大図、図6は図
3のC部拡大図である。
図1に示すように、ハイブリッド車両は左右の車輪W,Wを駆動するエンジンEおよび
モータ・ジェネレータMGを備える。エンジンEのクランクシャフト11はフライホイー
ル付きダンパー12を介してメインシャフト13に接続されており、メインシャフト13
の外周にモータ・ジェネレータMGが同軸に配置される。モータ・ジェネレータMGはケ
ーシング14に固定した環状のステータ15と、このステータ15の内周に回転自在に配
置されたロータ16とを備えており、このロータ16はメインシャフト13の外周に相対
回転自在に嵌合する中空のモータ出力軸17に固定される。メインシャフト13の外周に
は更に中空の駆動プーリ軸18が相対回転自在に嵌合しており、メインシャフト13と駆
動プーリ軸18とは油圧多板クラッチ19により締結可能である。
メインシャフト13と、それに平行に配置されたカウンタシャフト20との間に配置さ
れるベルト式無段変速機21は、駆動プーリ軸18に支持された固定側プーリ半体22お
よび可動側プーリ半体23よりなる駆動プーリ24と、カウンタシャフト20に支持され
た固定側プーリ半体25および可動側プーリ半体26よりなる従動プーリ27と、駆動プ
ーリ24および従動プーリ27に巻き掛けた金属ベルト28とを備える。
駆動プーリ24の可動側プーリ半体23を固定側プーリ半体22から離間させ、従動プ
ーリ27の可動側プーリ半体26を固定側プーリ半体25に接近させるとベルト式無段変
速機21の変速比がLOW側に無段階に変化し、逆に駆動プーリ24の可動側プーリ半体
23を固定側プーリ半体22に接近させ、従動プーリ27の可動側プーリ半体26を固定
側プーリ半体25から離間させるとベルト式無段変速機21の変速比がTOP側に無段階
に変化する。
駆動プーリ24は、可動側プーリ半体23がエンジンE側に配置されて固定側プーリ半
体22が反エンジンE側に配置されているのに対し、従動プーリ27は、可動側プーリ半
体26が反エンジンE側に配置されて固定側プーリ半体25がエンジンE側に配置される
。即ち、両可動側プーリ半体23,26と両固定側プーリ半体22,25とは対角位置に
配置される。
メインシャフト13およびカウンタシャフト20と平行にセカンダリシャフト29が配
置されており、カウンタシャフト20に設けた第1減速ギヤ30がセカンダリシャフト2
9に設けた第2減速ギヤ31に噛合し、セカンダリシャフト29に設けたファイナルドラ
イブギヤ32がディファレンシャルギヤ33に設けたファイナルドリブンギヤ34に噛合
する。ディファレンシャルギヤ33から左右に延びる車軸43,43が左右の車輪W,W
に接続される。
モータ・ジェネレータMGのモータ出力軸17に設けた第1モータギヤ35がアイドラ
シャフト36に設けた第2モータギヤ37に噛合し、この第2モータギヤ37がカウンタ
シャフト20に設けた第3モータギヤ38に噛合する。これら第1〜第3モータギヤ35
,37,38は減速機39を構成する。
メインシャフト13と平行にスタータモータSMが配置されており、このスタータモー
タSMのモータ出力軸40とメインシャフト13とがドライブギヤ41およびドリブンギ
ヤ42で接続される。
ベルト式無段変速機21に対して、減速機39はエンジンE側に配置され、また油圧多
板クラッチ19、ドライブギヤ41およびドリブンギヤ42は反エンジンE側に配置され
る。駆動プーリ24の固定側プーリ半体22は、それに対向する従動プーリ27の可動側
プーリ半体26よりも軸方向寸法が小さくなるが、その寸法差により発生したデッドスペ
ースを利用して油圧多板クラッチ19、ドライブギヤ41およびドリブンギヤ42を配置
したので、パワーユニットの軸方向寸法を小型化することができる。
エンジンEからメインシャフト13、ベルト式無段変速機21、カウンタシャフト20
およびディファレンシャルギヤ33を介して車輪W,Wに至る経路が第1駆動力伝達経路
44とされ、モータ・ジェネレータMGから減速機39、カウンタシャフト20およびデ
ィファレンシャルギヤ33を介して車輪W,Wに至る経路が第2駆動力伝達経路45とさ
れる。
図2に示すように、メインシャフト13に対してカウンタシャフト20が後上方に配置
され、カウンタシャフト20に対してセカンダリシャフト29が後下方に配置され、セカ
ンダリシャフト29に対して車軸43,43が下方に配置される。アイドラシャフト36
はメインシャフト13の上方であってカウンタシャフト20の前下方に配置される。
次に、図3〜図6に基づいてパワーユニットの構造を詳細に説明する。
パワーユニットのケーシング14は、エンジンEに結合される側から順番にモータハウ
ジング51と、変速機ケース52と、中間支持プレート53と、変速機カバー54とを結
合して構成される。
モータハウジング51は隔壁51aを有しており、この隔壁51aのエンジンE側にフ
ライホイール付きダンパー12が収納され、反エンジンE側にモータ・ジェネレータMG
が収納される。モータハウジング51の隔壁51aとの間にモータ・ジェネレータMGを
収容するモータ・ジェネレータ室55を区画すべく、前記隔壁51aに対向するようにモ
ータハウジングにモータカバー56が固定される。モータ・ジェネレータ室55は変速機
ケース52の内部と連通しており、ベルト式無段変速機21を潤滑・冷却するオイルでモ
ータ・ジェネレータMGを潤滑・冷却することができる。スタータモータSMはベルト式
無段変速機21と同じ変速機ケース52の内部に配置されているので、同様にベルト式無
段変速機21を潤滑・冷却するオイルでスタータモータSMを潤滑・冷却することができ
る。
モータハウジング51のモータ・ジェネレータ室55は反エンジンE側の大きく開放す
るモータ挿入部51b(図3および図4参照)を備えており、そのモータ挿入部51bか
らモータ・ジェネレータMGを挿入してモータハウジング51に組み付けた後に、その反
エンジンE側の側面がモータハウジング51に固定されるモータカバー56で覆われる。
ケーシング14は全体としてエンジンEとの結合面からベルト式無段変速機21に向かっ
て次第に拡径しており、従ってモータハウジング51の反エンジンE側からモータ・ジェ
ネレータMGを組み付けることで、エンジンE側から組み付ける場合に比べてモータ・ジ
ェネレータMGの外径寸法を大きくすることができる。仮に、同寸法のモータ・ジェネレ
ータMGをエンジン側から組み付けようとすると、エンジンEのモータハウジング51へ
の結合面を大きくする必要があり、エンジンEの大幅な設計変更が余儀なくされる。
このようにして、モータ・ジェネレータMGの外径寸法を大きくすることで、同じ出力
を得るためのモータ・ジェネレータMGの軸方向寸法を小型化することができ、これによ
りパワーユニットの軸方向寸法の小型化を図ることができる。
またモータ・ジェネレータMGおよびベルト式無段変速機21間に配置される減速機3
9の第2モータギヤ37を支持するアイドラシャフト36は、その一端側が変速機ケース
52にボールベアリング57で支持され、その他端がモータカバー56にボールベアリン
グ58で支持される(図4参照)。このように、減速機39のアイドラシャフト36の他
端をモータカバー56に支持したことにより、それを直接モータハウジング51に支持す
る場合に比べてモータ・ジェネレータMGの外径寸法を拡大することができる。
なぜならば、減速機39のアイドラシャフト36の他端を、モータカバー56ではなく
モータハウジング51に支持すると、その支持部がモータ・ジェネレータMGと干渉する
のを避けるには、メインシャフト13の軸線と前記支持部との距離よりもモータ・ジェネ
レータMGの半径を小さくする必要があり、その分だけモータ・ジェネレータMGの外径
寸法が小さくなるからである。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
車両の発進時には低回転で高トルクが得られるモータ・ジェネレータMGの駆動力が利
用される。この場合、油圧多板クラッチ19を係合解除してメインシャフト13と駆動プ
ーリ軸18とを切り離し、エンジンEの駆動力がベルト式無段変速機21に伝達されない
ようにした状態でモータ・ジェネレータMGを駆動すると、モータ出力軸17の回転が第
1モータギヤ35、第2モータギヤ37、第3モータギヤ38、カウンタシャフト20、
第1減速ギヤ30、第2減速ギヤ31、セカンダリシャフト29、ファイナルドライブギ
ヤ32、ファイナルドリブンギヤ34、ディファレンシャルギヤ33および車軸43,4
3を介して後輪W,Wに伝達され、低回転で高トルクが得られるモータ・ジェネレータM
Gの駆動力で車両をスムーズに発進させ、あるいは低速領域での走行を可能にすることが
できる。
車両の発進が完了すると、油圧多板クラッチ19を係合してメインシャフト13に駆動
プーリ軸18を締結する。この状態でエンジンEを駆動すると、クランクシャフト11の
回転がフライホイール付きダンパー12、メインシャフト13、油圧多板クラッチ19、
駆動プーリ軸18、駆動プーリ24、金属ベルト28、従動プーリ27、カウンタシャフ
ト20、第1減速ギヤ30、第2減速ギヤ31、セカンダリシャフト29、ファイナルド
ライブギヤ32、ファイナルドリブンギヤ34、ディファレンシャルギヤ33および車軸
43,43を介して後輪W,Wに伝達されるため、エンジンEの負荷および回転数に応じ
てベルト式無段変速機21の変速比を制御することで、エンジンEの燃料消費量を節減し
ながら中・高速領域での走行を可能にすることができる。
またエンジンEでの走行時にモータ・ジェネレータMGを駆動すれば、エンジンEの駆
動力をモータ・ジェネレータMGの駆動力でアシストすることができ、またモータ・ジェ
ネレータMGをジェネレータとして機能させればエンジンEの駆動力で発電することがで
きる。更に、車両の減速時に油圧多板クラッチ19を係合解除してエンジンEを駆動輪W
,Wから切り離せば、駆動輪W,Wから逆伝達される駆動力でモータ・ジェネレータMG
を回生制動して車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収することができる。
またモータ・ジェネレータMGを逆転駆動すれば、駆動力伝達経路45を介して車両を
後進走行させることができる。このように、車両の後進はバッテリでモータ・ジェネレー
タMGを逆転駆動することで行われるが、バッテリの残容量が少ないときには、油圧多板
クラッチ19を係合解除した状態でエンジンEによりスタータモータSMを駆動し、スタ
ータモータSMが発電した電力でモータ・ジェネレータMGを逆転駆動して車両を後進さ
せることができる。
またモータ・ジェネレータMGによる走行中に油圧多板クラッチ19を係合解除した状
態でスタータモータSMを駆動すると、モータ出力軸40、ドライブギヤ41、ドリブン
ギヤ42、メインシャフト13およびフライホイール付きダンパー12を介してクランク
シャフト11をクランキングし、エンジンEを始動することができる。このとき、油圧多
板クラッチ19を係合解除しているので、モータ・ジェネレータMGあるいは車輪W、W
からの駆動力がスタータモータSMに逆伝達されるのを防止し、エンジンEのスムーズな
始動が可能になる。
次に、図7に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態はメインシャフト13の軸線L1に対してモータ・ジェネレータMG
の中空のモータ出力軸17の軸線L2を距離αだけオフセットしたものである。そのオフ
セットの方向は、図2に矢印Aで示すように、車軸43,43から遠ざかる方向とされる
モータ・ジェネレータMGの外径寸法を拡大しようとすると、モータ・ジェネレータM
Gがディファレンシャルギヤ33のケーシングと干渉して拡大が困難になるが、モータ出
力軸17を車軸43,43から遠ざかる方向にオフセットすることで、モータ・ジェネレ
ータMGの外径寸法を最大限に拡大し、同じ出力を得るためのモータ・ジェネレータMG
の軸方向寸法を小型化することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の
設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の変速機は実施の形態のベルト式無段変速機21に限定されず、任意の
構造の変速機が含まれる。
第1の実施の形態に係るハイブリッド車両の駆動力伝達経路のスケルトン図 図1の2−2線矢視図 ハイブリッド車両のパワーユニットの縦断面図 図3のA部拡大図 図3のB部拡大図 図3のC部拡大図 第2の実施の形態に係るハイブリッド車両のパワーユニットの部分縦断面図
符号の説明
11 クランクシャフト
13 メインシャフト
19 油圧多板クラッチ(断接クラッチ)
20 カウンタシャフト
21 ベルト式無段変速機(変速機)
22 固定側プーリ半体
23 可動側プーリ半体
24 駆動プーリ
25 固定側プーリ半体
26 可動側プーリ半体
27 従動プーリ
28 金属ベルト
39 減速機
41 ドライブギヤ(減速ギヤ)
42 ドリブンギヤ(減速ギヤ)
44 第1駆動力伝達経路
45 第2駆動力伝達経路
51 モータハウジング
51b モータ挿入部
56 モータカバー(減速機支持部材)
E エンジン
L1 メインシャフトの軸線
L2 電動モータの軸線
MG モータ・ジェネレータ(電動モータ)
SM スタータモータ(第2電動モータ)
W 車輪

Claims (5)

  1. クランクシャフト(11)を有するエンジン(E)と、
    前記クランクシャフト(11)に同軸に結合されたメインシャフト(13)および該メ
    インシャフト(13)に対して平行に配置されたカウンタシャフト(20)を有する変速
    機(21)と、
    前記エンジン(E)および前記変速機(21)に挟まれた位置で前記メインシャフト(
    13)の外周を囲むように配置された電動モータ(MG)と、
    前記エンジン(E)の駆動力を前記変速機(21)を介して車輪(W)に伝達する第1
    駆動力伝達経路(44)と、
    前記電動モータ(MG)の駆動力を減速機(39)を介して車輪(W)に伝達する第2
    駆動力伝達経路(45)とを備え、
    前記電動モータ(MG)を収容するモータハウジング(51)は前記変速機(21)側
    にモータ挿入部(51b)を備え、前記減速機(39)が前記モータ挿入部(51b)と
    前記変速機(21)との間に配置され、かつ前記電動モータ(MG)を覆うように前記モ
    ータハウジング(51)に固定された減速機支持部材(56)に前記減速機(39)が支
    持されることを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 前記電動モータ(MG)の軸線(L2)を前記メインシャフト(13)の軸線(L1)
    に対してオフセットしたことを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 前記変速機(21)は、固定側プーリ半体(22)および可動側プーリ半体(23)を
    有してメインシャフト(13)上に配置された駆動プーリ(24)と、固定側プーリ半体
    (25)および可動側プーリ半体(26)を有してカウンタシャフト(20)上に配置さ
    れた従動プーリ(27)とに金属ベルト(28)を巻き掛けたベルト式無段変速機よりな
    り、前記両固定側プーリ半体(22,25)および前記両可動側プーリ半体(23,26
    )は対角位置に配置され、前記エンジン(E)および前記変速機(21)間の動力伝達を
    断接する断接クラッチ(19)を前記メインシャフト(13)上の前記駆動プーリ(24
    )の固定側プーリ半体(22)に隣接して配置したことを特徴とする、請求項1または請
    求項2に記載のハイブリッド車両。
  4. 前記クランクシャフト(11)と平行に配置された第2電動モータ(SM)を備え、前
    記第2電動モータ(SM)は減速ギヤ(41,42)を介して前記メインシャフト(13
    )に接続されるとともに、前記減速ギヤ(41,42)は前記変速機(21)を挟んで前
    記エンジン(E)と反対側に配置されることを特徴とする、請求項3に記載のハイブリッ
    ド車両。
  5. 前記断接クラッチ(19)を係合解除した状態で前記第2電動モータ(SM)を駆動し
    て前記エンジン(E)を始動することを特徴とする、請求項4に記載のハイブリッド車両
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