JP5239814B2 - 回転電機の潤滑油供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機の潤滑油供給装置に関し、特に、ケースにより回転可能に支持された回転電機軸の外周部に連結されたロータと、ロータの径方向外方に配置され、かつ、ケースに固定されたステータとを有する回転電機に対して潤滑油を供給する回転電機の潤滑油供給装置に関する。
ステータとロータとを有する回転電機を備える装置において、ロータの回転軸に軸方向に設けられた軸方向油路、および、軸方向油路と回転電機とを径方向に連通する径方向油路を介して回転電機に潤滑油を供給する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、モータ軸に設けられた油流通孔(軸方向油路)と、吐出孔(径方向油路)とを介して遠心力によってロータやステータに潤滑油を供給する車両用ホイール駆動装置が開示されている。上記特許文献1の車両用ホイール駆動装置では、油流通孔の軸方向の一方側にあるギヤ収納室から潤滑油が流入する。
特開2006−248417号公報
軸方向のいずれか一方の側から軸方向油路に潤滑油が供給される場合など、軸方向油路における潤滑油が供給される位置によっては、回転電機に対する潤滑油の供給量が軸方向においてアンバランスとなってしまうことがある。これは、軸方向において潤滑油が供給される位置に近い径方向油路から優先的に潤滑油が流出してしまうことによる。例えば、軸方向に沿って径方向油路が複数配置されており、かつ、軸方向油路の一方の側から潤滑油が供給される場合、潤滑油が供給される位置に近い径方向油路から優先的に潤滑油が流出してしまう。このため、潤滑油が供給される位置から遠い径方向油路まで到達する潤滑油の量が少なくなってしまう。その結果、径方向油路を介して回転電機の軸方向の一方側に供給される潤滑油の供給量と径方向油路を介して回転電機の軸方向の他方側に供給される潤滑油の供給量とがアンバランスとなり、回転電機を均等に冷却することが困難となる虞がある。
軸方向油路に供給された潤滑油を径方向油路を介して回転電機に供給する場合に、径方向油路を介して回転電機に供給される潤滑油の供給量が軸方向においてアンバランスとなることを抑制できることが望まれている。
本発明の目的は、ケースにより回転可能に支持された回転電機軸の外周部に連結されたロータと、ロータの径方向外方に配置され、かつ、ケースに固定されたステータとを有する回転電機に対して、回転電機軸の径方向内方に軸方向に形成された軸方向油路と、軸方向油路と回転電機とを径方向に連通する径方向油路とを介して回転電機に潤滑油を供給する場合に、回転電機に供給される潤滑油の供給量が軸方向においてアンバランスとなることを抑制できる回転電機の潤滑油供給装置を提供することである。
本発明の回転電機の潤滑油供給装置は、ケースにより回転可能に支持された回転電機軸の外周部に連結されたロータと、前記ロータの径方向外方に配置され、かつ、前記ケースに固定されたステータとを有する回転電機に対して潤滑油を供給する回転電機の潤滑油供給装置であって、前記回転電機軸の径方向内方に軸方向に形成された軸方向油路と、前記軸方向油路に潤滑油を供給する供給手段と、前記軸方向油路と前記回転電機の軸方向の一方側とを径方向に連通する径方向第一油路と、前記軸方向油路と前記回転電機の軸方向の他方側とを径方向に連通する径方向第二油路と、前記回転電機軸における前記軸方向油路を構成する内周面に軸方向に形成され、前記径方向第一油路と接続され、かつ、前記径方向第二油路とは接続されていない第一溝と、前記内周面に軸方向に形成され、前記径方向第二油路と接続され、かつ、前記径方向第一油路とは接続されていない第二溝とを備えることを特徴とする。
本発明の回転電機の潤滑油供給装置において、前記第一溝と、前記第二溝とは、前記内周面における周方向の異なる位置に形成されていることを特徴とする。
本発明の回転電機の潤滑油供給装置において、前記供給手段は、前記軸方向油路に流出口を有する通路を介して潤滑油を供給し、前記内周面における軸方向の所定範囲には、前記第一溝と前記第二溝とが並列して形成され、前記所定範囲には、前記流出口から流出する潤滑油の軸方向の流れ方向における前記流出口よりも下流側の範囲が含まれていることを特徴とする。
本発明の回転電機の潤滑油供給装置において、前記第一溝の底部に形成され、前記径方向第一油路へ向かうほど径方向外側へ向かう傾斜面、あるいは、前記第二溝の底部に形成され、前記径方向第二油路へ向かうほど径方向外側へ向かう傾斜面の少なくともいずれか一方を備えることを特徴とする。
本発明の回転電機の潤滑油供給装置は、回転可能に支持された回転電機軸の外周部に連結されたロータと、ロータの径方向外方に配置され、かつ、固定されたステータとを有する回転電機に対して潤滑油を供給する回転電機の潤滑油供給装置であって、回転電機軸の径方向内方に軸方向に形成された軸方向油路と、軸方向油路に潤滑油を供給する供給手段と、軸方向油路と回転電機の軸方向の一方側とを径方向に連通する径方向第一油路と、軸方向油路と回転電機の軸方向の他方側とを径方向に連通する径方向第二油路と、回転電機軸における軸方向油路を構成する内周面に軸方向に形成され、径方向第一油路と接続され、かつ、径方向第二油路とは接続されていない第一溝と、内周面に軸方向に形成され、径方向第二油路と接続され、かつ、径方向第一油路とは接続されていない第二溝とを備える。
供給手段により軸方向油路に供給された潤滑油は、第一溝と第二溝のそれぞれに流入する。第一溝に流入した潤滑油は、第一溝を径方向第一油路に向けて流れ、径方向第一油路を介して回転電機の軸方向の一方側に供給される。一方、第二溝に流入した潤滑油は、第二溝を径方向第二油路に向けて流れ、径方向第二油路を介して回転電機の軸方向の他方側に供給される。流入した潤滑油を径方向第一油路に導く第一溝と、流入した潤滑油を径方向第二油路に導く第二溝とが互いに独立して形成されていることで、軸方向のいずれか一方の径方向油路から優先的に潤滑油が流出してしまうことを抑制することができる。よって、回転電機に供給される潤滑油の供給量が軸方向においてアンバランスとなることを抑制することができる。
以下、本発明の回転電機の潤滑油供給装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図5を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、ケースにより回転可能に支持された回転電機軸の外周部に連結されたロータと、ロータの径方向外方に配置され、かつ、ケースに固定されたステータとを有する回転電機に対して潤滑油を供給する回転電機の潤滑油供給装置に関する。
本実施形態では、トランスアクスルの潤滑油を第2のモータジェネレータ(回転電機、図3の符号9参照)の軸心へ供給し、冷却・潤滑を確保する構成において、第一MGシャフト(回転電機軸、図3の符号45a参照)には、左右それぞれの径方向油路(軸心油冷孔、図3の符号52,53参照)へ潤滑油を導く溝加工がなされている。第一MGシャフト45aの軸方向の一方側には径方向第一油路52が形成され、軸方向の他方側には径方向第二油路53が形成されている。径方向第一油路52と径方向第二油路53とは、位相をずらして設置されている。第一MGシャフト45aの内周面には、径方向第一油路52に潤滑油を導く第一溝(図3の符号57参照)と、径方向第二油路53に潤滑油を導く第二溝(図3の符号58参照)がそれぞれ溝加工されている。溝加工部分へ流れた潤滑油は、それぞれ溝57,58を伝って径方向油路52,53へ向かう(図3の矢印Y6、Y7参照)ため、左右への潤滑油の均等分配が可能となる。
図1は、この発明の一実施形態が適用されたFF(フロントエンジンフロントドライブ;エンジン前置き前輪駆動)形式のハイブリッド車の動力伝達装置100を示すスケルトン図である。図1において、1はエンジンであり、このエンジン1としては内燃機関、具体的にはガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジンまたはメタノールエンジンまたは水素エンジンなどを用いることができる。
この実施形態においては、便宜上、エンジン1としてガソリンエンジンを用いた場合について説明する。エンジン1は、燃料の燃焼によりクランクシャフト2から動力を出力する装置であって、吸気装置、排気装置、燃料噴射装置、点火装置、冷却装置などを備えた公知のものである。クランクシャフト2は車両の幅方向に、かつ、水平に配置され、クランクシャフト2の後端部にはフライホイール3が形成されている。
エンジン1の外壁には、中空のトランスアクスルケース(ケース)4が取り付けられている。トランスアクスルケース4は、エンジン側ハウジング70と、エクステンションハウジング71と、エンドカバー72とを有している。これらエンジン側ハウジング70およびエクステンションハウジング71およびエンドカバー72は、アルミニウムなどの金属材料を成形加工したものである。また、エンジン側ハウジング70の一方の開口端73とエンジン1とが接触した状態で、エンジン1とエンジン側ハウジング70とが相互に固定されている。
また、エンジン側ハウジング70とエンドカバー72との間に、エクステンションハウジング71が配置されている。さらに、エンジン側ハウジング70の他方の開口端74と、エクステンションハウジング71の一方の開口端75とが接触した状態で、エンジン側ハウジング70とエクステンションハウジング71とが相互に固定されている。さらにまた、エクステンションハウジング71の他方の開口端76を塞ぐようにエンドカバー72が取り付けられて、エンドカバー72とエクステンションハウジング71とが相互に固定されている。
トランスアクスルケース4の内部G1には、インプットシャフト5、第1のモータジェネレータ6、動力合成機構7、変速機構8、第2のモータジェネレータ(回転電機)9が設けられている。インプットシャフト5はクランクシャフト2と同心状に配置されている。インプットシャフト5におけるクランクシャフト2側の端部には、クラッチハブ10がスプライン嵌合されている。
トランスアクスルケース4内には、フライホイール3とインプットシャフト5との動力伝達状態を制御するクラッチ11が設けられている。また、フライホイール3とインプットシャフト5との間におけるトルク変動を抑制・吸収するダンパ機構12が設けられている。第1のモータジェネレータ6は、インプットシャフト5の径方向外方に配置され、第2のモータジェネレータ9は、第1のモータジェネレータ6よりもエンジン1から遠い位置に配置されている。
すなわち、エンジン1と第2のモータジェネレータ9との間に第1のモータジェネレータ6が配置されている。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9は、電力の供給により駆動する電動機としての機能(力行機能)と、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9としては、例えば、交流同期型のモータジェネレータを用いることができる。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9に電力を供給する電力供給装置としては、バッテリ、キャパシタなどの蓄電装置、あるいは公知の燃料電池などを用いることができる。
第1のモータジェネレータ6の配置位置および第1のモータジェネレータ6の構成を具体的に説明する。エンジン側ハウジング70の内面には、エンジン1側に向けて延ばされ、ついで、インプットシャフト5側に向けて延ばされた隔壁77が形成されている。さらに、隔壁77に対してケースカバー78が固定されている。このケースカバー78は、エンジン1から離れる方向に延ばされ、ついで、インプットシャフト5側に向けて延ばされた形状を有している。そして、隔壁77とケースカバー78とにより取り囲まれた空間G2に、第1のモータジェネレータ6が配置されている。第1のモータジェネレータ6は、トランスアクスルケース4側に固定されたステータ13と、回転自在なロータ14とを有している。ステータ13は、隔壁77に固定された鉄心15と、鉄心15に巻かれたコイル16とを有している。
ステータ13およびロータ14は、所定肉厚の電磁鋼板を、その厚さ方向に複数枚を積層して構成したものである。なお、複数の電磁鋼板は、インプットシャフト5の軸線方向に積層されている。インプットシャフト5の外周には、中空シャフト17が取り付けられている。そして、インプットシャフト5と中空シャフト17とが相対回転可能に構成されている。ロータ14は、中空シャフト17の外周側に連結されている。
動力合成機構(言い換えれば動力分配機構)7は、第1のモータジェネレータ6と第2のモータジェネレータ9との間に設けられている。動力合成機構7は、いわゆるシングルピニオン形式の遊星歯車機構7Aを有している。すなわち、遊星歯車機構7Aは、サンギヤ18と、サンギヤ18と同心状に配置されたリングギヤ19と、サンギヤ18およびリングギヤ19に係合するピニオンギヤ20を保持したキャリヤ21とを有している。そして、サンギヤ18と中空シャフト17とが連結され、キャリヤ21とインプットシャフト5とが連結されている。なお、リングギヤ19は、インプットシャフト5と同心状に配置された環状部材(言い換えれば円筒部材)22の内周側に形成されており、この環状部材22の外周側にはカウンタドライブギヤ23が形成されている。
第2のモータジェネレータ9は、カウンタドライブギヤ23よりもエンジン1から遠い位置に設けられている。第2のモータジェネレータ9のロータ26がMGシャフト(回転電機軸)45の外周部に連結されており、MGシャフト45は車両の幅方向にほぼ水平に配置されている。このMGシャフト45とインプットシャフト5および中空シャフト17とが非同心状に配置されている。
第2のモータジェネレータ9の配置位置および第2のモータジェネレータ9の構成を具体的に説明する。エクステンションハウジング71の内面には、MGシャフト45側に向けて延ばされた隔壁79が形成されている。そして、エクステンションハウジング71と隔壁79とエンドカバー72とにより取り囲まれた空間G3に、第2のモータジェネレータ9が配置されている。
第2のモータジェネレータ9は、トランスアクスルケース4に固定されたステータ25と、回転自在なロータ26とを有している。ステータ25は、鉄心27と、鉄心27に巻かれたコイル28とを有している。ステータ25およびロータ26は、所定肉厚の電磁鋼板を、その厚さ方向に複数枚を積層して構成したものである。なお、複数の電磁鋼板は、MGシャフト45の軸線方向に積層されている。
MGシャフト45における動力合成機構7側の端部にはギヤ46が形成(連結)されている。ギヤ46は、はすば歯車であり、カウンタドライブギヤ23と噛み合って(係合して)いる。カウンタドライブギヤ23とギヤ46とは、ギヤ46からカウンタドライブギヤ23に動力が伝達される場合の変速比が“1”より大きくなるように構成されている。これらのギヤ46およびカウンタドライブギヤ23により、変速機構8が構成されている。第2のモータジェネレータ9の動力がMGシャフト45を介してギヤ46に伝達されると、ギヤ46の回転速度が減速されて環状部材22に伝達される。すなわち、第2のモータジェネレータ9のトルクが増幅されて動力合成機構7に伝達される。
トランスアクスルケース4の内部には、インプットシャフト5と平行なカウンタシャフト34が設けられている。カウンタシャフト34には、カウンタドリブンギヤ35およびファイナルドライブピニオンギヤ36が形成されている。カウンタドリブンギヤ35はカウンタドライブギヤ23と係合している。さらに、トランスアクスルケース4の内部にはデファレンシャル37が設けられており、デファレンシャル37は、デフケース38の外周側に形成されたファイナルリングギヤ39と、デフケース38に対してピニオンシャフト40を介して取り付けられた連結された複数のピニオンギヤ41と、複数のピニオンギヤ41に係合されたサイドギヤ42と、サイドギヤ42に連結された2本のフロントドライブシャフト43とを有している。各フロントドライブシャフト43には前輪44が連結されている。このように、トランスアクスルケース4の内部に、変速機構8およびデファレンシャル37を一括して組み込んだ、いわゆるトランスアクスルが構成されている。
ここで、図2を参照して、トランスアクスルケース4内の各軸の配置について説明する。図2は、動力伝達装置100の軸配置を示す図である。
各軸5,34,43,45の配置は、次のとおりである。インプットシャフト5を基準として、MGシャフト45はその斜め上方に、カウンタシャフト34は斜め下方に配置されている。MGシャフト45の中心軸線C4は、他の軸5,34,43の中心軸線C3,C6,C5よりも上方に位置している。フロントドライブシャフト43の中心軸線C5と比較して、カウンタシャフト34の中心軸線C6は、わずかに下方に位置している。カウンタシャフト34の中心軸線C6は、インプットシャフト5の中心軸線C3とフロントドライブシャフト43の中心軸線C5とを結ぶ仮想線L4よりも下方に位置している。MGシャフト45をトランスアクスルケース4内の上部、カウンタシャフト34を下部に配置し、さらに、カウンタドライブギヤ23が、ギヤ46に駆動されるドリブンギヤを兼ねることで、全体として各軸5,34,43,45をコンパクトに配置することができる。これにより、HVの大きな課題であるコスト低減や、車両搭載性の向上、質量低減による燃費向上等の大きなメリットが得られる。
各軸5,45,43,34の回転方向は、図2に矢印A3からA6でそれぞれ示した方向である。つまり、フロントドライブシャフト43は、中心軸線C5の下方において図2の左方向に回転し、カウンタシャフト34は、中心軸線C6の下方において図2の右方向に回転する。言い換えると、フロントドライブシャフト43の回転方向とカウンタシャフト34の回転方向とが、それぞれの中心軸線よりも下方の領域で互いに離間する方向である。なお、図示の回転方向は、車両の前進時のものである。また、本実施形態の説明における上下方向とは、特にことわりのない限り、車両に搭載された状態における上下方向(鉛直方向)を意味している。
本実施形態の動力伝達装置100では、トランスアクスルケース4内の下部に溜まった潤滑油は、ファイナルリングギヤ39で掻き揚げられて(矢印Y1参照)トランスアクスルケース4内の上部に設けられたオイルキャッチタンク32に送られる。トランスアクスルケース4内において、フロントドライブシャフト43の鉛直方向下方には、潤滑油を貯留する貯留部30が形成されている。貯留部30は、トランスアクスルケース4の内壁(側壁および底部)により構成されている。オイルキャッチタンク32は、ファイナルリングギヤ39の上方に設けられている。貯留部30に溜まった潤滑油は、ファイナルリングギヤ39の回転により送り出され、その一部が矢印Y1に示すようにオイルキャッチタンク32に流入する。オイルキャッチタンク32からは、トランスアクスルケース4内の潤滑箇所(被潤滑部)や冷却箇所に向けて適宜の流量で潤滑油が滴下される。
上記のように構成されたハイブリッド車においては、車速およびアクセル開度などの条件に基づいて、前輪44に伝達するべき要求トルクが算出され、その算出結果に基づいて、エンジン1、クラッチ11、第1のモータジェネレータ6、第2のモータジェネレータ9が制御される。エンジン1から出力されるトルクを前輪に伝達する場合は、クラッチ11が係合される。すると、クランクシャフト2の動力(言い換えればトルク)がインプットシャフト5を介してキャリヤ21に伝達される。
キャリヤ21に伝達されたトルクは、リングギヤ19、環状部材22、カウンタドライブギヤ23、カウンタドリブンギヤ35、カウンタシャフト34、ファイナルドライブピニオンギヤ36、デファレンシャル37を介して前輪44に伝達され、駆動力が発生する。また、エンジン1のトルクをキャリヤ21に伝達する際に、第1のモータジェネレータ6を発電機として機能させ、発生した電力を蓄電装置(図示せず)に充電することもできる。
さらに、第2のモータジェネレータ9を電動機として駆動させ、その動力を動力合成機構7に伝達することができる。第2のモータジェネレータ9の動力がMGシャフト45を介してギヤ46に伝達されると、ギヤ46の回転速度が減速されて環状部材22に伝達される。すなわち、第2のモータジェネレータ9のトルクが増幅されて動力合成機構7に伝達される。このようにして、エンジン1の動力および第2のモータジェネレータ9の動力が動力合成機構7に入力されて合成され、合成された動力が前輪44に伝達される。つまり、動力合成機構7は、エンジン1の動力、あるいは、第2のモータジェネレータ9の動力のうち少なくともいずれか一方を前輪44に伝達する。
本実施形態の動力伝達装置100では、ファイナルリングギヤ39により送り出されてオイルキャッチタンク32に溜まった潤滑油が、第2のモータジェネレータ9へ送られて第2のモータジェネレータ9を潤滑および冷却する。オイルキャッチタンク32に貯留された潤滑油は、図2に矢印Y2で示すように、オイルキャッチタンク32からエンドカバー72を通って第2のモータジェネレータ9の軸心に供給される。
図3は、第2のモータジェネレータ9付近を示す軸方向の断面図である。
図3に示すように、MGシャフト45は、第一MGシャフト45aと、第二MGシャフト45bとに分割されている。第一MGシャフト45aは、軸方向において第二MGシャフト45bよりもエンドカバー72側(エンジン1から遠い側)に配置されている。第一MGシャフト45aと第二MGシャフト45bとは、スプライン嵌合されており、一体となって回転する。第一MGシャフト45aの外周部には、第2のモータジェネレータ9のロータ26が連結されている。ステータ25は、ロータ26の径方向外方に配置されており、エクステンションハウジング71に固定されている。第二MGシャフト45bの外周部には、ギヤ46が形成されている。
第一MGシャフト45aは、二つの軸受61,62により回転可能に支持されている。軸受61,62は、軸方向におけるロータ26の一方側と他方側にそれぞれ配置されている。第一MGシャフト45aの軸方向の一方側の端部は、軸受62を介して隔壁79により支持されている。第一MGシャフト45aの軸方向の他方側の端部は、軸受61を介してエンドカバー72により支持されている。
第一MGシャフト45aの径方向内方には、軸方向に沿って孔部(軸方向油路)51が形成されている。孔部51は、第一MGシャフト45aを軸方向に貫通している。言い換えると、第一MGシャフト45aは、中空円筒形状に形成されている。第一MGシャフト45aには、孔部51とMGシャフト45aの径方向外方とを径方向に連通する二つの径方向油路52,53が設けられている。径方向第一油路52と径方向第二油路53とは、軸方向の異なる位置に設けられており、それぞれ孔部51と第2のモータジェネレータ9とを径方向に連通している。
径方向第一油路52は、軸方向における第2のモータジェネレータ9の一方側(図3における右側)に配置されており、孔部51と、第2のモータジェネレータ9における軸方向の一方側とを径方向に連通している。一方、径方向第二油路53は、軸方向における第2のモータジェネレータ9の他方側(図3における左側)に配置されており、孔部51と、第2のモータジェネレータ9における軸方向の他方側とを径方向に連通している。本実施形態では、径方向油路52,53は、それぞれ第2のモータジェネレータ9の軸方向の端部に対応する位置に設けられている。
エンドカバー72には、孔部51に潤滑油を供給するカバー内通路(供給手段)56が形成されている。カバー内通路56の上部(流入口)には、図示しない油路を介してオイルキャッチタンク32から潤滑油が送られる(矢印Y3参照)。エンドカバー72には、軸方向の一方側に向けて突出する突出部54が形成されており、突出部54の先端部は、第一MGシャフト45aの径方向内方に位置している。カバー内通路56の流出口56aは、突出部54の先端部に形成されており、カバー内通路56内の潤滑油は、流出口56aから孔部51に供給される。つまり、オイルキャッチタンク32からカバー内通路56に送られた潤滑油は、重力によりカバー内通路56を流下し(矢印Y4)、流出口56aから孔部51に供給される(矢印Y5)。
流出口56aの軸方向の位置は、ロータ26の軸方向の一方側の端部26aと他方側の端部26bとの間の位置であって、かつ、ロータ26の他方側の端部26b寄りの位置となっている。つまり、流出口56aから流出する潤滑油は、孔部51において径方向第一油路52よりも径方向第二油路53に近い位置に供給される。
このように、孔部51において潤滑油が供給される位置が、径方向第二油路53に近く、径方向第一油路52から遠い場合、従来であれば、径方向第二油路53から優先的に潤滑油が流出してしまっていた。径方向第二油路53を介して第2のモータジェネレータ9に供給される潤滑油が多く、径方向第一油路52を介して第2のモータジェネレータ9に供給される潤滑油が少なくなるため、第2のモータジェネレータ9に供給される潤滑油の供給量が軸方向においてアンバランスとなっていた。
これに対して、本実施形態では、以下に図3、図4−1、および図4−2を参照して説明するように、第一溝57および第二溝58が設けられている。これにより、上記のように潤滑油の供給量が軸方向においてアンバランスとなることが抑制される。図4−1は、第一溝57を示す軸方向の断面図、図4−2は、第二溝58を示す軸方向の断面図である。
図3、図4−1、および図4−2に示すように、第一MGシャフト45aの内周面には、第一溝57、および第二溝58が形成されている。第一溝57、および第二溝58は、第一MGシャフト45aにおける孔部51を構成する内周面に軸方向に形成されており、かつ、第一溝57と第二溝58とは互いに独立している。第一溝57は、径方向第一油路52と接続され、かつ、径方向第二油路53とは接続されていない。一方、第二溝58は、径方向第二油路53と接続され、かつ、径方向第一油路52とは接続されていない。つまり、径方向第一油路52は、第一溝57と第2のモータジェネレータ9の軸方向の一方側とを連通しており、第一溝57内の潤滑油は径方向第一油路52を介して第2のモータジェネレータ9の軸方向の一方側に供給される。径方向第二油路53は、第二溝58と第2のモータジェネレータ9の軸方向の他方側とを連通しており、第二溝58内の潤滑油は、径方向第二油路53を介して第2のモータジェネレータ9の軸方向の他方側に供給される。
第一溝57の軸方向の設置領域と、第二溝58の軸方向の設置領域とは、重なる部分を有している。言い換えると、第一MGシャフト45aの孔部51を構成する内周面において、軸方向の所定範囲には、第一溝57と第二溝58とが並列して形成されている。本実施形態では、第一MGシャフト45aの内周面において、軸方向における径方向第一油路52と径方向第二油路53との間の範囲(所定範囲)Rに第一溝57と第二溝58とが並列して形成されている。
車両の走行時において、流出口56aから孔部51に供給された潤滑油は、第一MGシャフト45aの回転に伴って、第一溝57および第二溝58にそれぞれ流入する。第一溝57に流入した潤滑油は、第一溝57内を流動し、径方向第一油路52に到達する。第一MGシャフト45aの回転により、潤滑油には遠心力が作用するため、径方向第一油路52に到達した潤滑油は、径方向第一油路52を介して径方向の外側へ向けて流出する。このように、第一溝57内には、径方向第一油路52へ向かう流れ(図3の矢印Y6参照)が生じる。流出口56aから供給されて第一溝57に流入した潤滑油は、径方向第一油路52を介して第2のモータジェネレータ9の軸方向の一方側に供給され、第2のモータジェネレータ9を冷却する。
第二溝58に流入した潤滑油は、第二溝58内を流動し、径方向第二油路53に到達する。径方向第二油路53に到達した潤滑油は、遠心力により径方向第二油路53を介して径方向の外側へ向けて流出する。このように、第二溝58内には、径方向第二油路53へ向かう流れ(矢印Y7参照)が生じる。流出口56aから供給されて第二溝58に流入した潤滑油は、径方向第二油路53を介して第2のモータジェネレータ9の軸方向の他方側に供給され、第2のモータジェネレータ9を冷却する。
第一溝57と第二溝58とが並列して形成される所定範囲Rが設けられていることで、第一溝57および第二溝58のそれぞれへ潤滑油をより確実に分配することができる。特に、本実施形態では、所定範囲Rは、流出口56aから供給される潤滑油が第一溝57および第二溝58のそれぞれに均等に分配されやすくなるように設定されている。具体的には、所定範囲Rは、流出口56aから流出する潤滑油の軸方向の流れ方向(矢印Y5参照)における流出口56aよりも下流側の範囲を含んでいる。言い換えると、第一MGシャフト45aの内周面における流出口56aよりも流出方向の前方には、第一溝57と第二溝58とが並列して形成されている。
これにより、流出口56aから孔部51に供給された潤滑油が、流出口56aよりも下流側へ向けて流れるときに、第一溝57と第二溝58とが並列に形成された所定範囲Rにおいて、第一溝57および第二溝58のそれぞれに潤滑油が分配される。よって、径方向第一油路52から流出する潤滑油の量と、径方向第二油路53から流出する潤滑油の量とがアンバランスとなることがより確実に抑制される。
また、本実施形態では、所定範囲Rが、径方向第一油路52から径方向第二油路53までの軸方向の範囲に設定されている。このように、径方向第一油路52と径方向第二油路53との間の全範囲において、右方向に潤滑油が流れる第一溝57と、左方向に潤滑油が流れる第二溝58とが独立して形成されていることで、潤滑油が左右いずれの方向から供給されても溝57,58により左右それぞれの径方向油路52,53へ潤滑油を分配することが可能である。例えば、径方向第二油路53よりも軸方向の他方側から潤滑油が供給される場合や、径方向第一油路52よりも軸方向の一方側から潤滑油が供給される場合であっても、両方の径方向油路52,53のそれぞれに潤滑油を分配することができる。
第一MGシャフト45aの回転により、潤滑油には遠心力が作用するため、溝57,58に流入した潤滑油は、径方向油路52,53から流出するまでそれぞれ溝57,58内にとどまったままとなる。例えば、第一溝57に流入した潤滑油は、径方向第二油路53に向けて流れてしまうことなく、第一溝57により径方向第一油路52へ導かれる。従って、本実施形態によれば、径方向油路52,53のうち、流出口56aに近い径方向第二油路53から優先的に潤滑油が流出してしまうことを抑制すること、あるいは、流出口56aから遠い径方向第一油路52へ向かう潤滑油の流れを促進することの少なくともいずれか一方を実現できる。その結果、第2のモータジェネレータ9に供給される潤滑油の供給量が軸方向においてアンバランスとなることを抑制することができる。よって、第2のモータジェネレータ9を均等に冷却することが可能となる。
また、流出口56aから供給される潤滑油が少量であっても、流出口56aに近い径方向第二油路53にだけ潤滑油が流出してしまうことを抑制できる。流出口56aから供給される潤滑油は、第一溝57と第二溝58とに分配されるため、流出口56aから供給される潤滑油が少量であっても、径方向第一油路52と径方向第二油路53とに潤滑油が分配される。つまり、流出口56aから供給される潤滑油の量の多寡にかかわらず、第2のモータジェネレータ9の軸方向の両側に均等に潤滑油を供給することが可能である。
潤滑油の供給量が軸方向においてアンバランスとなることをより確実に抑制する手段として、例えば、溝57,58の断面積が調節されてもよい。溝57,58の断面積(軸方向と直交する断面の断面積)を大きくすることで、溝57,58に潤滑油が流入しやすくなることなどにより、溝57,58を流れる潤滑油の流量を増加させることができる。例えば、第一溝57の断面積を第二溝58の断面積と比較して大きなものとすることで、第一溝57から径方向第一油路52を介して第2のモータジェネレータ9に供給される潤滑油の供給量を増加させることができる。溝57,58を設けることに加えて、第一溝57の断面積と、第二溝58の断面積とを適切に設定することで、第2のモータジェネレータ9の軸方向の一方側に供給される潤滑油の供給量と、軸方向の他方側に供給される潤滑油の供給量とを更に効果的にバランスさせることが可能である。
また、断面積を調節することに加えて、あるいは、断面積を調節することに代えて、径方向油路52,53および溝57,58の設置数を調節することにより、潤滑油の供給量が軸方向においてアンバランスとなることを抑制してもよい。例えば、径方向第一油路52、および径方向第一油路52に接続された第一溝57の設置数を増加させると第2のモータジェネレータ9の軸方向の一方側への潤滑油の供給量が増加する。これとは逆に、径方向第一油路52および第一溝57の設置数を減少させれば第2のモータジェネレータ9の軸方向の一方側への潤滑油の供給量が減少する。よって、径方向第二油路53および第二溝58の設置数と、径方向第一油路52および第一溝57の設置数との関係を調節することで、第2のモータジェネレータ9への潤滑油の供給量の軸方向におけるバランスを調節することが可能である。
なお、本実施形態の溝57,58が設けられていない従来のMGシャフトにおいて、単に径方向油路52,53の数を調節するだけでは、潤滑油の供給量が軸方向においてアンバランスとなることを調節することは困難である。径方向油路52,53の数のみを調節したとしても、流出口56aに近い径方向第二油路53から優先的に潤滑油が流出してしまい、流出口56aから遠い径方向第一油路52まで到達する潤滑油の量自体が少なくなる状況には変わりがない。これに対して、本実施形態では、第一溝57が径方向第一油路52に向けて潤滑油を導くため、第一溝57の設置数を増やすことで、径方向第一油路52まで到達する潤滑油の量を増加させることができる。
また、本実施形態では、径方向第一油路52と径方向第二油路53とは位相をずらして配置されている。図5は、径方向第一油路52と径方向第二油路53の配置の一例を示す径方向の断面図である。図5に示す第一MGシャフト45aでは、径方向第一油路52と径方向第二油路53とは、周方向に交互に配置されており、かつ、互いの位相が90度ずれている。これに対応して、第一溝57と第二溝58とは、周方向に交互に配置され、かつ、互いの位相が90度ずれている。径方向第一油路52と径方向第二油路53とが周方向の異なる位置に設けられることで、溝57,58の周方向の間隔が大きくなり、溝57,58の長さや幅(周方向の幅)の設定の自由度が増す。例えば、周方向の幅を大きくすること等により、第一溝57および第二溝58の容積を大きなものとすることができる。第一溝57および第二溝58の容積を大きなものとした場合、第一溝57および第二溝58に貯留できる潤滑油の量を大きくすることができる。
その結果、孔部51から外部にこぼれてしまう潤滑油の量を減少させることができる。溝57,58が設けられていない場合、孔部51において潤滑油をとどめておく(溜めておく)箇所がない。そのため、流出口56aから供給されたものの、径方向油路52,53のいずれにも流入しなかった潤滑油は、第一MGシャフト45aの軸方向の端部から流出してしまう。これに対して、本実施形態のように溝57,58が設けられている場合、溝57,58が潤滑油をとどめておくことで、第一MGシャフト45aの軸方向の端部から流出する潤滑油の量を減少させることができる。
特に、第一溝57および第二溝58の容積を大きなものとした場合、流出口56aから孔部51に供給される潤滑油の多くを第一溝57および第二溝58に保持し、径方向第一油路52および径方向第二油路53にそれぞれ導くことができる。よって、径方向第一油路52および径方向第二油路53のいずれにも流入しないまま孔部51の端部から潤滑油が流出してしまうことを抑制し、オイルキャッチタンク32から供給される潤滑油を効率的に利用することができる。
MGシャフト45の軸心に潤滑油をとどめる構成を有するものとして、特開2006−248417号公報に開示されたモータ軸のように、アンダーカット構造のシャフトが従来公知である。ここで、MGシャフト45の内周面がアンダーカットされる(周方向に一様な深さのアンダーカット加工がなされる)場合、MGシャフト45を大径とする必要があった。これに対して、本実施形態の第一MGシャフト45aは、内周面の周方向の一部に軸方向の溝加工を入れる形状であるため、従来のアンダーカット構造のシャフトと比較して小径のシャフトとしたり、ストレートな形状のシャフトとしたりすることができる。また、アンダーカット構造のシャフトと比較して加工量が少ないため、材料費および加工費の低減が可能である。
(第2実施形態)
図6を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
本実施形態にかかる第一MGシャフト45aが、上記第1実施形態と異なる点は、溝59,60に勾配が設けられていることである。溝59,60には、径方向油路へ向かうに連れて径方向外方へ向かう勾配が設定されている。これにより、潤滑油を効率よく径方向油路へ導くことができる。
図6は、本実施形態にかかる第一MGシャフト45aを示す軸方向の断面図である。
図6に示すように、本実施形態の第一MGシャフト45aでは、径方向第一油路52と接続された第一溝59、および、径方向第二油路53と接続された第二溝60は、それぞれ底部に勾配が設けられている。第一溝59の底部59aには、第一MGシャフト45aが回転する場合に径方向第一油路52に向かう潤滑油の流れが促進される勾配が設けられている。具体的には、第一溝59の底部59aには、径方向第一油路52へ向かうほど径方向外側へ向かう傾斜面が形成されている。言い換えると、第一溝59の底部59aにおいて、径方向第一油路52に近い部分ほど径方向の外側に位置している。よって、第一MGシャフト45aが回転し、第一溝59内の潤滑油に遠心力が作用すると、径方向第一油路52へ向かう潤滑油の流れが促進される。
同様に、第二溝60の底部60aには、第一MGシャフト45aが回転する場合に、径方向第二油路53に向かう潤滑油の流れが促進される勾配が設けられている。具体的には、第二溝60の底部60aには、径方向第二油路60へ向かうほど径方向外側へ向かう傾斜面が形成されている。言い換えると、第二溝60の底部60aにおいて、径方向第二油路53に近い部分ほど径方向の外側に位置している。よって、第一MGシャフト45aが回転し、第二溝60内の潤滑油に遠心力が作用すると、径方向第二油路53へ向かう潤滑油の流れが促進される。
このように、第一MGシャフト45aの回転で各溝59,60において径方向油路52,53へ向かう潤滑油の流れがそれぞれ促進されることで、流出口56aから孔部51に供給される潤滑油を効率よく第2のモータジェネレータ9に供給することができる。
また、潤滑油の供給量が軸方向においてアンバランスとなることをより確実に抑制する手段として、各溝59,60の勾配が調節されてもよい。例えば、本実施形態では、孔部51において、流出口56aから潤滑油が供給される位置が、径方向第二油路53に近く、径方向第一油路52から遠い。第一溝59および第二溝60が設けられることで、第2のモータジェネレータ9に供給される潤滑油の供給量が軸方向においてアンバランスとなることが抑制されるものの、なお第2のモータジェネレータ9の軸方向の他方側に供給される潤滑油の量が、軸方向の一方側に供給される潤滑油の量を上回る可能性がある。
この場合に、第一溝59の底部59aの勾配を、第二溝60の底部60aの勾配よりも急な勾配とすることで、第一溝59を径方向第一油路52へ向けて流れる潤滑油の流れを促進させ、第2のモータジェネレータ9の軸方向の一方側に供給される潤滑油の量と、他方側に供給される潤滑油の量とをバランスさせることができる。
なお、本実施形態では、第一溝59および第二溝60のいずれの底部59a,60aにも傾斜面が形成されていたが、これに代えて、第一溝59あるいは第二溝60のいずれか一方の底部のみに傾斜面が形成されてもよい。例えば、第一溝59および第二溝60のうち、径方向油路への潤滑油の流れを促進させたい溝の底部にのみ傾斜面が形成されることができる。
本発明の回転電機の潤滑油供給装置の第1実施形態が適用された動力伝達装置を示すスケルトン図である。 本発明の回転電機の潤滑油供給装置の第1実施形態が適用された動力伝達装置の軸配置を示す図である。 本発明の回転電機の潤滑油供給装置の第1実施形態における第2のモータジェネレータ付近を示す軸方向の断面図である。 本発明の回転電機の潤滑油供給装置の第1実施形態における第一溝を示す軸方向の断面図である。 本発明の回転電機の潤滑油供給装置の第1実施形態における第二溝を示す軸方向の断面図である。 本発明の回転電機の潤滑油供給装置の第1実施形態における径方向第一油路と径方向第二油路の配置の一例を示す径方向の断面図である。 本発明の回転電機の潤滑油供給装置の第2実施形態にかかる第一MGシャフトを示す軸方向の断面図である。
符号の説明
1 エンジン
4 トランスアクスルケース
6 第1のモータジェネレータ
7 動力合成機構
7A 遊星歯車機構
8 変速機構
9 第2のモータジェネレータ
25 ステータ
26 ロータ
32 オイルキャッチタンク
34 カウンタシャフト
35 カウンタドリブンギヤ
39 ファイナルリングギヤ
43 フロントドライブシャフト
45 MGシャフト
45a 第一MGシャフト
45b 第二MGシャフト
51 孔部
52 径方向第一油路
53 径方向第二油路
54 突出部
56 カバー内通路
56a 流出口
57,59 第一溝
58,60 第二溝
70 エンジン側ハウジング
71 エクステンションハウジング
72 エンドカバー
79 隔壁
100 動力伝達装置

Claims (4)

  1. ケースにより回転可能に支持された回転電機軸の外周部に連結されたロータと、前記ロータの径方向外方に配置され、かつ、前記ケースに固定されたステータとを有する回転電機に対して潤滑油を供給する回転電機の潤滑油供給装置であって、
    前記回転電機軸の径方向内方に軸方向に形成された軸方向油路と、
    前記軸方向油路に潤滑油を供給する供給手段と、
    前記軸方向油路と前記回転電機の軸方向の一方側とを径方向に連通する径方向第一油路と、
    前記軸方向油路と前記回転電機の軸方向の他方側とを径方向に連通する径方向第二油路と、
    前記回転電機軸における前記軸方向油路を構成する内周面に軸方向に形成され、前記径方向第一油路と接続され、かつ、前記径方向第二油路とは接続されていない第一溝と、
    前記内周面に軸方向に形成され、前記径方向第二油路と接続され、かつ、前記径方向第一油路とは接続されていない第二溝とを備える
    ことを特徴とする回転電機の潤滑油供給装置。
  2. 請求項1に記載の回転電機の潤滑油供給装置において、
    前記第一溝と、前記第二溝とは、前記内周面における周方向の異なる位置に形成されている
    ことを特徴とする回転電機の潤滑油供給装置。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機の潤滑油供給装置において、
    前記供給手段は、前記軸方向油路に流出口を有する通路を介して潤滑油を供給し、
    前記内周面における軸方向の所定範囲には、前記第一溝と前記第二溝とが並列して形成され、
    前記所定範囲には、前記流出口から流出する潤滑油の軸方向の流れ方向における前記流出口よりも下流側の範囲が含まれている
    ことを特徴とする回転電機の潤滑油供給装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の回転電機の潤滑油供給装置において、
    前記第一溝の底部に形成され、前記径方向第一油路へ向かうほど径方向外側へ向かう傾斜面、あるいは、前記第二溝の底部に形成され、前記径方向第二油路へ向かうほど径方向外側へ向かう傾斜面の少なくともいずれか一方を備える
    ことを特徴とする回転電機の潤滑油供給装置。
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