JP2005006429A - 回転電機におけるロータ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動機において、簡易な構造で効率的に、冷却油でステータコイルエンドを冷却する。
【解決手段】電動機は、複数のスロットが形成され、スロットにステータコイルが装着されたステータコア2000と、ステータコア2000の中空部の内周側に配置された回転自在なロータ1010とから構成される。スロットには絶縁紙2012が装着されてステータコイル2011が巻着され、絶縁紙2012の回転軸方向の長さは、ステータコア2000の回転軸方向の長さよりも長い。電動機は、ロータ端面に冷却液を供給する回転軸冷却油路1100と、ロータ1010の端面に設けられ、ステータコア2000から回転軸方向にはみ出した絶縁紙2012よりも回転軸方向の外側にあるステータコイルエンド2010に冷却液を誘導する傾斜部1022とを含む。
【選択図】 図3
【解決手段】電動機は、複数のスロットが形成され、スロットにステータコイルが装着されたステータコア2000と、ステータコア2000の中空部の内周側に配置された回転自在なロータ1010とから構成される。スロットには絶縁紙2012が装着されてステータコイル2011が巻着され、絶縁紙2012の回転軸方向の長さは、ステータコア2000の回転軸方向の長さよりも長い。電動機は、ロータ端面に冷却液を供給する回転軸冷却油路1100と、ロータ1010の端面に設けられ、ステータコア2000から回転軸方向にはみ出した絶縁紙2012よりも回転軸方向の外側にあるステータコイルエンド2010に冷却液を誘導する傾斜部1022とを含む。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの構造に関し、特に、自動車等の車両に搭載される液冷のモータの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両に搭載されるモータや発電機は、回転子(ロータ)と、その周囲に配設されステータ巻線が巻き付けられたステータコアとを有する。モータはステータ巻線に通電して回転力を得て、発電機はロータの回転によりステータ巻線に流れる電流を取り出す。そして、ロータ回転時にステータ巻線に電流が流れると、ステータコアやステータ巻線が発熱する。この発熱を抑えるための冷却に関する技術が、以下の公報に開示されている。
【0003】
実開昭53−152102号公報(特許文献1)は、液冷回転電機を開示する。この液冷回転電機は、液体噴出ノズルにより冷却液を回転子鉄心の一端側に供給するものにおいて、鉄心両端の短絡環を通じて開口する軸方向冷却孔を有する回転子鉄心と、この鉄心の一端側に取り付けられ一体をなして回転し、その周端部全周辺に仕切りのない枝杓状凹部とこの凹部の底辺から軸方向冷却孔の他方の短絡環開口部へ通じる通路とを有する給液部材、およびこの給液部材の周端部と給液部材のない側の短絡環とにそれぞれ設けられて両固定子巻線端部へ冷却液を供給して両固定子巻線端部を冷却する射出部とを備える。
【0004】
特許文献1に開示された液冷回転電機によると、射出部は、射出方向が回転子の軸方向で外方へ向き、冷却液を固定子巻線端を介して外側へ飛散させるので、固定子鉄心、回転子鉄心の間の空隙に飛沫を侵入させない。射出部の射出角度は円周方向によって変わるので冷却液を拡散し、固定子巻線端の冷却を均一に向上せしめ、かつ巻線端へ集中して巻線端を侵蝕することがない。
【0005】
特開平9−154257号公報(特許文献2)は、冷却用流体をロータ、ステータおよびスピンドル上へ有効に飛散供給して、それらを均一かつ効果的に冷却するビルトインモータを開示する。このビルトインモータは、ハウジングと、そのハウジング内に回転可能に支持されたスピンドルと、ハウジング内に配設されたステータと、そのステータと対応するようにスピンドル上に配設されたロータとを備えるビルトインモータにおいて、ハウジング内のスピンドル表面またはその近傍に配置された冷却用液体の供給口から、ステータ、ロータ、スピンドルの少なくとも1つ以上に冷却用液体を噴射する。
【0006】
特許文献2に開示されたビルトインモータによると、ハウジング内のスピンドル表面またはその近傍に配設された供給口から直接ロータ、ステータおよびスピンドルの少なくとも1つ以上に冷却用液体が噴射されるため、モータの熱が他の部分に伝達する前に効果的に冷却することができ、熱による変形を抑制することができる。特に、ロータエンドリングがその内周側に斜面を有しており、この斜面により環状溝が外方に向かってテーパ状に拡開している。このため、環状溝内に対する冷却用液体の導入が円滑に行なわれるとともに、遠心力による冷却用液体の飛散がステータコイルエンドに向かって確実に行なわれる。
【0007】
特開2001−16826号公報(特許文献3)は、冷却効率の優れた電動機ロータを開示する。この電動機ロータは、冷却油の経路となる中空部を有するロータシャフトと、このロータシャフトの中空部と連通し、電動機ロータの径方向に形成された1または2以上の第1の油路と、この第1の油路と連通し、電動機ロータの円周表面または表面近傍に回転方向に沿って形成される1または2以上の第2の油路と、この第2の油路と連通し、電動機ロータの円周表面または表面近傍に軸方向に沿って、電動機ロータの端面近傍まで形成される1または2以上の第3の油路と、この第3の油路と連通し、電動機ロータの端面近傍に形成される油留め部と、この油留め部と連通し、電動機ロータの端面に形成され、断面が油留め部よりも狭められた形状を有する吹き出し口が形成されているロータコアとを備える。
【0008】
特許文献3に開示された電動機ロータによると、概ね電動機ロータの全体の冷却が効率よく行なわれるようになる。また、電動機ロータの高速回転による遠心力と、冷却油が吹き出し口から空気との摩擦により引き出される作用とにより、ポンプ等の特殊な冷却油供給手段を必要とせず、電動機の構造を簡単なものとすることができる。
【0009】
特開2001−128404号公報(特許文献4)は、電動機のコイル部と固定子の間には電気的に絶縁するために絶縁紙を介在させていたが、この絶縁紙がコイルの冷却という点で障害になることを防止する電動機を開示する。この電動機は、複数の電磁鋼板を積層した固定子本体を備える電動機であって、固定子本体のスロット部の積層面に配置された高熱伝導性絶縁シートと、この高熱伝導性絶縁シートを介してスロット部に巻線を施したコイル部とを備える。
【0010】
特許文献4に開示された電動機によると、固定子本体とコイル部との間に高熱伝導性絶縁シートを配置することで、コイル部の熱が固定子本体に伝わり易くなり電動機の放熱性が優れるようになる。
【0011】
【特許文献1】
実開昭53−152102号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平9−154257号公報
【0013】
【特許文献3】
特開2001−16826号公報
【0014】
【特許文献4】
特開2001−128404号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した公報に開示された技術では以下に示す問題がある。すなわち、特許文献4に開示された電動機のように、ステータコアのスロットとコイルとの間には絶縁紙が介装されるが、この絶縁紙がステータコアの端部から軸方向にはみ出して介装されている。このような状態のステータコアに対して、特許文献1〜3のいずれかに記載されたように冷却油をロータの遠心力により射出させると、このはみ出した絶縁紙に冷却油が当たって絶縁紙を傷付けることになる。絶縁紙が傷付いて、その一部が破損すると、電動機のハウジング内部に絶縁紙の欠片が落下したり、絶縁性が失われたりする。
【0016】
一方、この絶縁紙を避けてステータのコイルエンド中心に冷却油を射出させようとするとロータの軸方向の厚みを厚くする必要がある。
【0017】
すなわち、エンドプレートが傾斜を有さないでかつ薄いものであれば重量が軽く不要なイナーシャ増加を抑えられるが、冷却油がステータの絶縁紙を直撃する。冷却油がステータの絶縁紙を直撃しないようにエンドプレートの厚みを厚くすると(すなわちコイルエンドの中心部までエンドプレートの厚みを一様に厚くすると)、重量が重く不要なイナーシャ増加を抑えられない。
【0018】
車両に搭載される電動機の重量はできる限り軽いほうが好ましく、不要なイナーシャはエネルギ損失につながり究極的には燃費の悪化を招く。
【0019】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ステータのコイルエンドにロータから冷却媒体を供給して冷却する回転電機において、簡易な構造であって、かつ効率的にステータコイルエンドを冷却することができる回転電機におけるロータの構造を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るロータの構造は、複数のスロットとティースとが交互に形成され、スロットにコイルが装着された中空円筒形状のステータと、ステータの中空部の内周側に配置された回転自在なロータとから構成される回転電機におけるロータの構造である。これらの複数のスロットには絶縁体が装着されてステータコイルが巻着される。この絶縁体の回転軸方向の長さは、ステータコアの回転軸方向の長さよりも長いものである。ロータ構造は、ロータ端面に冷却媒体を供給するための供給手段と、ロータ端面に設けられ、ステータコアから回転軸方向にはみ出した絶縁体よりも回転軸方向の外側にあるステータコイルエンドに冷却媒体を誘導するための誘導手段とを含む。
【0021】
第1の発明によると、回転電機は、中空円筒形状を有するステータと、ステータの中空部の内周側に配置された円筒形状を有する回転自在なロータとから構成される。ステータには、ステータコイルを巻着するための多数のスロットが設けられ、ステータコアからステータコイルエンドがはみ出している。これらのスロットには、ステータとステータコイルとを絶縁するための絶縁体が、ステータコアの長さよりも長く、すなわちステータコイルエンドに被さるように装着されている。誘導手段は、ステータコアから回転軸方向にはみ出してステータコイルエンドに被さった絶縁体よりも回転軸方向の外側にあるステータコイルエンドに冷却媒体を誘導する。このため、冷却媒体が絶縁体に吹きかけられることはなく、絶縁体を傷付けることを避けて、ステータコイルエンドに冷却媒体を飛沫できる。その結果、ステータのコイルエンドにロータから冷却媒体を供給して冷却する回転電機において、簡易な構造であって、かつ効率的にステータコイルエンドを冷却することができる。
【0022】
第2の発明に係るロータ構造においては、第1の発明の構成に加えて、誘導手段は、ロータ端面に設けられた傾斜部により構成されるものである。
【0023】
第2の発明によると、傾斜部に沿って冷却媒体が誘導されて、ステータコアから回転軸方向にはみ出してステータコイルエンドに被さった絶縁体よりも回転軸方向の外側にあるステータコイルエンドに冷却媒体が飛沫される。すなわち、ロータ端面のエンドプレートが傾斜を有さないでかつ薄いものであれば重量が軽く不要なイナーシャ増加を抑えられるが、冷却媒体がステータの絶縁紙を直撃する。一方、冷却媒体がステータの絶縁紙を直撃しないようにエンドプレートの厚みを厚くすると(すなわちステータコイルエンドの中心部までエンドプレートの厚みを一様に厚くすると)、重量が重く不要なイナーシャ増加を抑えられない。第2の発明によると、エンドプレートに傾斜部を付けて、傾斜部の先端から飛沫する冷却媒体は、絶縁体よりも回転軸方向の外側であってステータコイルエンドのほぼ中央に到達するようにしたので、エンドプレートが重くなることを最小限に抑えつつ、効率的にステータコイルエンドを冷却することができる。
【0024】
第3の発明に係るロータ構造においては、第2の発明の構成に加えて、傾斜部の回転軸方向の先端位置は、ステータコアから回転軸方向にはみ出した絶縁体よりも回転軸方向の外側であるものである。
【0025】
第3の発明によると、傾斜部の回転軸方向の先端位置が、絶縁体よりも回転軸方向の外側であるので、傾斜部に沿ってステータコイルエンドに飛沫された冷却媒体は、ステータコイルエンドに被さった絶縁体を直撃することなく、ステータコイルエンドに飛沫されてステータコイルエンドを冷却できる。
【0026】
第4の発明に係るロータ構造においては、第2または3の発明の構成に加えて、誘導手段は、ロータの回転による遠心力により冷却媒体を傾斜部に沿って移動させて、傾斜部先端からステータコイルエンドに冷却媒体を誘導するものである。
【0027】
第4の発明によると、ロータが回転軸を中心として回転するので遠心力が生じる。この遠心力により、冷却媒体を傾斜部に沿って移動させる。冷却媒体は、傾斜部の先端からステータコイルエンドに誘導されて飛沫され、絶縁体を直撃することなく、ステータコイルエンドを冷却する。
【0028】
第5の発明に係るロータ構造においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、供給手段は、回転軸の内部に設けられた油路により冷却媒体を供給するための手段を含む。
【0029】
第5の発明によると、ロータの回転軸の内部に設けられた油路を通じてオイルポンプなどから冷却媒体である冷却油が供給され、ステータコイルエンドの絶縁体を避けて、ステータコイルエンドに冷却油が飛沫され、ステータコイルエンドが良好に冷却される。
【0030】
第6の発明に係るロータ構造においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、冷却媒体は液体である。
【0031】
第6の発明によると、冷却油などの液体がロータの遠心力で傾斜部に沿って移動されて傾斜部の先端からステータコイルエンドに飛沫してステータコイルエンドの導体と冷却油との間で熱交換が行なわれ、ステータコイルエンドが良好に冷却される。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0033】
なお、以下の説明においては、本発明における回転電機を電動機として説明するが、本発明は電動機に限定されて適用されるものではない。たとえば、ジェネレータやオルタネータなどの発電機に適用するようにしてもよい。
【0034】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る車両に搭載される電動機について説明する。車両には図1に示すように回転軸を水平あるいはほぼ水平な状態にして搭載される。
【0035】
図1は、このような電動機の横断面図を示す。この電動機は、2つのベアリング1020により回転自在に支持されたロータ1010を含むロータ部と、ロータ1010の外周方向に設置されたステータコア2000を含むステータ部とから構成される。このロータ1010は、ベアリング1020により支持され、回転軸1000を中心として回転して、回転トルクを車両のパワートレーンに伝達する。
【0036】
ロータ1010に対応して、わずかなギャップを介して対向した位置には、ステータコア2000が設けられる。ステータコア2000には、回転軸に平行な方向にステータコア2000を貫通するように設けられたスリットに、コイルが巻着される。このコイルに電流が流されて、ステータコア2000は、ロータ1010を回転させるための磁界を発生させる。
【0037】
図1に示すようにロータ1010の両側の端面には、傾斜部1022が設けられている。この傾斜部1022は、冷却油が沿って流れる傾斜面1024を有する。
【0038】
また、ステータコア2000に巻着されたステータコイルの端部がコイルエンド2010として形成されている。ステータコイルは、図2に示すように、ステータコア2000のスロット2110に絶縁紙2112が設けられている。またスロット2110間にはティース2120が形成されている。図2に示すように、絶縁紙2112は、スロット2110からはみ出すように設けられている。そのため、ステータコイルエンド2010の根元には絶縁紙2112が被さっている。
【0039】
なお、図2に示すロータ1010におけるスロット2110およびティース2120の数および形状は一例であって、本発明はこのような数および形状に限定されるものではない。また、ロータ1010は、多数の電磁鋼板(0.3mm〜0.5mm程度の薄板)を積層して構成されたものであっても、一体的なものであってもいずれでもよい。
【0040】
図1に戻り、ステータコイルエンド2010の根元には絶縁紙2012が被さり、傾斜部1022の傾斜面1024の回転軸方向先端部は、ステータコイルエンド2010の位置であって、絶縁紙2012の位置よりも回転軸外側の位置である。なお、回転軸外側とは、ロータ1010の回転軸1000に平行な方向において、電動機から離れる方向をいう。そのため、後述するようにロータ1010の回転軸1000の中を通って傾斜部1022に供給された冷却油は、絶縁紙2012に当たることなくステータコイルエンド2010に飛沫され、ステータコイルエンド2010を冷却する。
【0041】
なお、これらの構成部品である、回転軸1000、ロータ1010、ベアリング1020、ステータコア2000、ステータコイルエンド2010は、ハウジング3000内に収められている。
【0042】
図3を参照して、電動機内部の油路の構造について説明する。図3は、ロータ1010およびステータコア2000を含む断面図である。ロータ1010の回転軸1000は中空軸であって、その中空部分は、回転軸冷却油路1100とされる。この回転軸冷却油路1100は図示しないオイルポンプに接続され、冷却油がこの回転軸冷却油路1100に供給され、ステータコイルエンド2010に供給される。ステータコイルエンド2010を冷却した冷却油は、ハウジング3000の下方に設けられたオイルパンに貯められて、再度オイルポンプで回転軸冷却油路1100に供給される。すなわち、オイルポンプにより冷却油が循環して使用される。
【0043】
回転軸冷却油路1100は、ロータ1010の回転軸方向のほぼ中央で、回転軸分岐油路1102と1104とに、ロータ1010の円周方向に分岐する。
【0044】
回転軸分岐油路1102は、ロータ1010に設けられた溝部であるロータ冷却油路1106に接続され、ロータ冷却油路1106はさらに傾斜部1022の内部に設けられたロータ端面油路1110に接続される。ロータ端面油路1110は、傾斜部1022に設けられた噴射孔1114に接続される。噴射孔1114は、傾斜面1024よりも回転軸の中心側に設けられている。
【0045】
一方、回転軸分岐油路1104は、ロータ1010に設けられた溝部であるロータ冷却油路1108に接続され、ロータ冷却油路1108はさらに傾斜部1022の内部に設けられたロータ端面油路1112に接続される。ロータ端面油路1112は、傾斜部1022に設けられた噴射孔1116に接続される。噴射孔1116は、傾斜面1024よりも回転軸の中心側に設けられている。
【0046】
なお、傾斜部1022の材質は、非磁性体であるアルミニウムやステンレスなどの非鉄材質である。
【0047】
ステータコア2000には、スロット2110に設けられた絶縁紙2012に包含されてスロット2110に巻着されたステータコイル2011が設けられる。ステータコイル2011のステータコア2000の外側はステータコイルエンド2010であって、冷却油により冷却される。
【0048】
以上のような構造を有する電動機における、ステータコア2000のコイルに電流を流すことによりステータコイルエンド2010に発生した熱の冷却について説明する。
【0049】
電動機が回転軸1000を中心として回転して、車両を駆動するためには、ステータコア2000のコイルに、所定の電流(たとえば、車両を走行させるために必要とされるトルクを発生するための電流)が流される。このとき、この電流によりステータコイルエンド2010が発熱、あるいはステータコア2000での発熱がステータコイルエンド2010に熱伝導されて、ステータコイルエンド2010が発熱する。
【0050】
このとき、中空軸である回転軸1000の回転軸冷却油路1100を通ってオイルポンプから冷却油が供給される。回転軸冷却油路1100を通った冷却油は、ロータ1010のほぼ中央で、回転軸分岐油路1102と回転軸分岐油路1104とに分岐して、回転軸分岐油路1102側に分岐した冷却油は、ロータ冷却油路1106を通ってロータ端面油路1110を通って噴出孔1114に到達する。また、回転軸分岐油路1104側に分岐した冷却油は、ロータ冷却油路1108を通ってロータ端面油路1112を通って噴出孔1116に到達する。
【0051】
噴出孔1114および噴出孔1116から傾斜部1022に供給された冷却油は、ロータ1010の回転による遠心力を受けて、傾斜面1024に沿ってロータ1010の外周側へ移動する。傾斜面1024の先端からステータコイルエンド2010に冷却油が飛沫される。このとき、図3に示すように、傾斜部1022の傾斜面1024の位置および角度によると、ステータコイルエンド2010の絶縁紙2012に冷却油がかからない。
【0052】
以上のようにして、本実施の形態に係る電動機によると、中空円筒形状を有するステータと、電動機は、ステータの中空部の内周側に配置された円筒形状を有する回転自在なロータとから構成され、ステータには、ステータコイルを巻着するための多数のスロットが設けられ、ステータコアからステータコイルエンドがはみ出している。特徴的であるのは、これらのスロットには、ステータとステータコイルとを絶縁するための絶縁紙が、ステータコアの長さよりも長く、すなわちステータコイルエンドの根元に被さるように装着されている。傾斜部は、ステータコアから回転軸方向にはみ出してステータコイルエンドに被さった絶縁紙よりも回転軸方向の外側にあるステータコイルエンドに冷却液を飛沫するように誘導する。このため、冷却液が絶縁紙に吹きかけられることはなく、絶縁紙を傷付けることを避けて、ステータコイルエンドに冷却液を飛沫できる。その結果、ステータのコイルエンドにロータから冷却媒体を供給して冷却する電動機において、簡易な構造であって、かつ効率的にステータコイルエンドを冷却することができる。
【0053】
なお、図4に示すように、図3に示した傾斜部1022に代えて傾斜部1023であってもよい。この傾斜部1023も傾斜部1022と同様に、傾斜部1023の傾斜面1025の回転軸方向先端部は、ステータコイルエンド2010の位置であって、絶縁紙2012の位置よりも回転軸外側である。
【0054】
図4に示すように、回転軸分岐油路1102は、ロータ1010に設けられた溝部であるロータ冷却油路1106に接続され、ロータ冷却油路1106はロータ端面油路1110に接続される。ロータ端面油路1110は、傾斜部1023よりも回転軸の中心側に設けられた噴射孔1114に接続される。噴射孔1114から噴出された冷却油は、ロータ1010の回転による遠心力により傾斜面1025に誘導されて、絶縁紙2012に当たることなくステータコイルエンド2010に飛沫される。
【0055】
一方、回転軸分岐油路1104は、ロータ1010に設けられた溝部であるロータ冷却油路1108に接続され、ロータ冷却油路1108はロータ端面油路1112に接続される。ロータ端面油路1112は、傾斜部1023よりも回転軸の中心側に設けられた噴射孔1116に接続される。噴射孔1116から噴出された冷却油は、ロータ1010の回転による遠心力により傾斜面1025に誘導されて、絶縁紙2012に当たることなくステータコイルエンド2010に飛沫される。
【0056】
このため、ロータ1010の回転軸1000の中を通って傾斜部1023に供給された冷却油は、傾斜面1025に誘導されて、絶縁紙2012に当たることなくステータコイルエンド2010に飛沫され、ステータコイルエンド2010を冷却することができる。
【0057】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電動機の断面図である。
【図2】ステータ部分の拡大図である。
【図3】ロータおよびステータの断面拡大図(その1)である。
【図4】ロータおよびステータの断面拡大図(その2)である。
【符号の説明】
1000 回転軸、1010 ロータ、1020 ベアリング、1022 傾斜部、1024 傾斜面、1100 回転軸冷却油路、1102,1104 回転軸分岐油路、1106,1108 ロータ冷却油路、1110,1112 ロータ端面油路、1114,1116 噴射孔、2000 ステータコア、2010 ステータコイルエンド、2110 スロット、2011 ステータコイル、2112 絶縁紙、2120 ティース、3000 ハウジング。
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの構造に関し、特に、自動車等の車両に搭載される液冷のモータの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両に搭載されるモータや発電機は、回転子(ロータ)と、その周囲に配設されステータ巻線が巻き付けられたステータコアとを有する。モータはステータ巻線に通電して回転力を得て、発電機はロータの回転によりステータ巻線に流れる電流を取り出す。そして、ロータ回転時にステータ巻線に電流が流れると、ステータコアやステータ巻線が発熱する。この発熱を抑えるための冷却に関する技術が、以下の公報に開示されている。
【0003】
実開昭53−152102号公報(特許文献1)は、液冷回転電機を開示する。この液冷回転電機は、液体噴出ノズルにより冷却液を回転子鉄心の一端側に供給するものにおいて、鉄心両端の短絡環を通じて開口する軸方向冷却孔を有する回転子鉄心と、この鉄心の一端側に取り付けられ一体をなして回転し、その周端部全周辺に仕切りのない枝杓状凹部とこの凹部の底辺から軸方向冷却孔の他方の短絡環開口部へ通じる通路とを有する給液部材、およびこの給液部材の周端部と給液部材のない側の短絡環とにそれぞれ設けられて両固定子巻線端部へ冷却液を供給して両固定子巻線端部を冷却する射出部とを備える。
【0004】
特許文献1に開示された液冷回転電機によると、射出部は、射出方向が回転子の軸方向で外方へ向き、冷却液を固定子巻線端を介して外側へ飛散させるので、固定子鉄心、回転子鉄心の間の空隙に飛沫を侵入させない。射出部の射出角度は円周方向によって変わるので冷却液を拡散し、固定子巻線端の冷却を均一に向上せしめ、かつ巻線端へ集中して巻線端を侵蝕することがない。
【0005】
特開平9−154257号公報(特許文献2)は、冷却用流体をロータ、ステータおよびスピンドル上へ有効に飛散供給して、それらを均一かつ効果的に冷却するビルトインモータを開示する。このビルトインモータは、ハウジングと、そのハウジング内に回転可能に支持されたスピンドルと、ハウジング内に配設されたステータと、そのステータと対応するようにスピンドル上に配設されたロータとを備えるビルトインモータにおいて、ハウジング内のスピンドル表面またはその近傍に配置された冷却用液体の供給口から、ステータ、ロータ、スピンドルの少なくとも1つ以上に冷却用液体を噴射する。
【0006】
特許文献2に開示されたビルトインモータによると、ハウジング内のスピンドル表面またはその近傍に配設された供給口から直接ロータ、ステータおよびスピンドルの少なくとも1つ以上に冷却用液体が噴射されるため、モータの熱が他の部分に伝達する前に効果的に冷却することができ、熱による変形を抑制することができる。特に、ロータエンドリングがその内周側に斜面を有しており、この斜面により環状溝が外方に向かってテーパ状に拡開している。このため、環状溝内に対する冷却用液体の導入が円滑に行なわれるとともに、遠心力による冷却用液体の飛散がステータコイルエンドに向かって確実に行なわれる。
【0007】
特開2001−16826号公報(特許文献3)は、冷却効率の優れた電動機ロータを開示する。この電動機ロータは、冷却油の経路となる中空部を有するロータシャフトと、このロータシャフトの中空部と連通し、電動機ロータの径方向に形成された1または2以上の第1の油路と、この第1の油路と連通し、電動機ロータの円周表面または表面近傍に回転方向に沿って形成される1または2以上の第2の油路と、この第2の油路と連通し、電動機ロータの円周表面または表面近傍に軸方向に沿って、電動機ロータの端面近傍まで形成される1または2以上の第3の油路と、この第3の油路と連通し、電動機ロータの端面近傍に形成される油留め部と、この油留め部と連通し、電動機ロータの端面に形成され、断面が油留め部よりも狭められた形状を有する吹き出し口が形成されているロータコアとを備える。
【0008】
特許文献3に開示された電動機ロータによると、概ね電動機ロータの全体の冷却が効率よく行なわれるようになる。また、電動機ロータの高速回転による遠心力と、冷却油が吹き出し口から空気との摩擦により引き出される作用とにより、ポンプ等の特殊な冷却油供給手段を必要とせず、電動機の構造を簡単なものとすることができる。
【0009】
特開2001−128404号公報(特許文献4)は、電動機のコイル部と固定子の間には電気的に絶縁するために絶縁紙を介在させていたが、この絶縁紙がコイルの冷却という点で障害になることを防止する電動機を開示する。この電動機は、複数の電磁鋼板を積層した固定子本体を備える電動機であって、固定子本体のスロット部の積層面に配置された高熱伝導性絶縁シートと、この高熱伝導性絶縁シートを介してスロット部に巻線を施したコイル部とを備える。
【0010】
特許文献4に開示された電動機によると、固定子本体とコイル部との間に高熱伝導性絶縁シートを配置することで、コイル部の熱が固定子本体に伝わり易くなり電動機の放熱性が優れるようになる。
【0011】
【特許文献1】
実開昭53−152102号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平9−154257号公報
【0013】
【特許文献3】
特開2001−16826号公報
【0014】
【特許文献4】
特開2001−128404号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した公報に開示された技術では以下に示す問題がある。すなわち、特許文献4に開示された電動機のように、ステータコアのスロットとコイルとの間には絶縁紙が介装されるが、この絶縁紙がステータコアの端部から軸方向にはみ出して介装されている。このような状態のステータコアに対して、特許文献1〜3のいずれかに記載されたように冷却油をロータの遠心力により射出させると、このはみ出した絶縁紙に冷却油が当たって絶縁紙を傷付けることになる。絶縁紙が傷付いて、その一部が破損すると、電動機のハウジング内部に絶縁紙の欠片が落下したり、絶縁性が失われたりする。
【0016】
一方、この絶縁紙を避けてステータのコイルエンド中心に冷却油を射出させようとするとロータの軸方向の厚みを厚くする必要がある。
【0017】
すなわち、エンドプレートが傾斜を有さないでかつ薄いものであれば重量が軽く不要なイナーシャ増加を抑えられるが、冷却油がステータの絶縁紙を直撃する。冷却油がステータの絶縁紙を直撃しないようにエンドプレートの厚みを厚くすると(すなわちコイルエンドの中心部までエンドプレートの厚みを一様に厚くすると)、重量が重く不要なイナーシャ増加を抑えられない。
【0018】
車両に搭載される電動機の重量はできる限り軽いほうが好ましく、不要なイナーシャはエネルギ損失につながり究極的には燃費の悪化を招く。
【0019】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ステータのコイルエンドにロータから冷却媒体を供給して冷却する回転電機において、簡易な構造であって、かつ効率的にステータコイルエンドを冷却することができる回転電機におけるロータの構造を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るロータの構造は、複数のスロットとティースとが交互に形成され、スロットにコイルが装着された中空円筒形状のステータと、ステータの中空部の内周側に配置された回転自在なロータとから構成される回転電機におけるロータの構造である。これらの複数のスロットには絶縁体が装着されてステータコイルが巻着される。この絶縁体の回転軸方向の長さは、ステータコアの回転軸方向の長さよりも長いものである。ロータ構造は、ロータ端面に冷却媒体を供給するための供給手段と、ロータ端面に設けられ、ステータコアから回転軸方向にはみ出した絶縁体よりも回転軸方向の外側にあるステータコイルエンドに冷却媒体を誘導するための誘導手段とを含む。
【0021】
第1の発明によると、回転電機は、中空円筒形状を有するステータと、ステータの中空部の内周側に配置された円筒形状を有する回転自在なロータとから構成される。ステータには、ステータコイルを巻着するための多数のスロットが設けられ、ステータコアからステータコイルエンドがはみ出している。これらのスロットには、ステータとステータコイルとを絶縁するための絶縁体が、ステータコアの長さよりも長く、すなわちステータコイルエンドに被さるように装着されている。誘導手段は、ステータコアから回転軸方向にはみ出してステータコイルエンドに被さった絶縁体よりも回転軸方向の外側にあるステータコイルエンドに冷却媒体を誘導する。このため、冷却媒体が絶縁体に吹きかけられることはなく、絶縁体を傷付けることを避けて、ステータコイルエンドに冷却媒体を飛沫できる。その結果、ステータのコイルエンドにロータから冷却媒体を供給して冷却する回転電機において、簡易な構造であって、かつ効率的にステータコイルエンドを冷却することができる。
【0022】
第2の発明に係るロータ構造においては、第1の発明の構成に加えて、誘導手段は、ロータ端面に設けられた傾斜部により構成されるものである。
【0023】
第2の発明によると、傾斜部に沿って冷却媒体が誘導されて、ステータコアから回転軸方向にはみ出してステータコイルエンドに被さった絶縁体よりも回転軸方向の外側にあるステータコイルエンドに冷却媒体が飛沫される。すなわち、ロータ端面のエンドプレートが傾斜を有さないでかつ薄いものであれば重量が軽く不要なイナーシャ増加を抑えられるが、冷却媒体がステータの絶縁紙を直撃する。一方、冷却媒体がステータの絶縁紙を直撃しないようにエンドプレートの厚みを厚くすると(すなわちステータコイルエンドの中心部までエンドプレートの厚みを一様に厚くすると)、重量が重く不要なイナーシャ増加を抑えられない。第2の発明によると、エンドプレートに傾斜部を付けて、傾斜部の先端から飛沫する冷却媒体は、絶縁体よりも回転軸方向の外側であってステータコイルエンドのほぼ中央に到達するようにしたので、エンドプレートが重くなることを最小限に抑えつつ、効率的にステータコイルエンドを冷却することができる。
【0024】
第3の発明に係るロータ構造においては、第2の発明の構成に加えて、傾斜部の回転軸方向の先端位置は、ステータコアから回転軸方向にはみ出した絶縁体よりも回転軸方向の外側であるものである。
【0025】
第3の発明によると、傾斜部の回転軸方向の先端位置が、絶縁体よりも回転軸方向の外側であるので、傾斜部に沿ってステータコイルエンドに飛沫された冷却媒体は、ステータコイルエンドに被さった絶縁体を直撃することなく、ステータコイルエンドに飛沫されてステータコイルエンドを冷却できる。
【0026】
第4の発明に係るロータ構造においては、第2または3の発明の構成に加えて、誘導手段は、ロータの回転による遠心力により冷却媒体を傾斜部に沿って移動させて、傾斜部先端からステータコイルエンドに冷却媒体を誘導するものである。
【0027】
第4の発明によると、ロータが回転軸を中心として回転するので遠心力が生じる。この遠心力により、冷却媒体を傾斜部に沿って移動させる。冷却媒体は、傾斜部の先端からステータコイルエンドに誘導されて飛沫され、絶縁体を直撃することなく、ステータコイルエンドを冷却する。
【0028】
第5の発明に係るロータ構造においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、供給手段は、回転軸の内部に設けられた油路により冷却媒体を供給するための手段を含む。
【0029】
第5の発明によると、ロータの回転軸の内部に設けられた油路を通じてオイルポンプなどから冷却媒体である冷却油が供給され、ステータコイルエンドの絶縁体を避けて、ステータコイルエンドに冷却油が飛沫され、ステータコイルエンドが良好に冷却される。
【0030】
第6の発明に係るロータ構造においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、冷却媒体は液体である。
【0031】
第6の発明によると、冷却油などの液体がロータの遠心力で傾斜部に沿って移動されて傾斜部の先端からステータコイルエンドに飛沫してステータコイルエンドの導体と冷却油との間で熱交換が行なわれ、ステータコイルエンドが良好に冷却される。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0033】
なお、以下の説明においては、本発明における回転電機を電動機として説明するが、本発明は電動機に限定されて適用されるものではない。たとえば、ジェネレータやオルタネータなどの発電機に適用するようにしてもよい。
【0034】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る車両に搭載される電動機について説明する。車両には図1に示すように回転軸を水平あるいはほぼ水平な状態にして搭載される。
【0035】
図1は、このような電動機の横断面図を示す。この電動機は、2つのベアリング1020により回転自在に支持されたロータ1010を含むロータ部と、ロータ1010の外周方向に設置されたステータコア2000を含むステータ部とから構成される。このロータ1010は、ベアリング1020により支持され、回転軸1000を中心として回転して、回転トルクを車両のパワートレーンに伝達する。
【0036】
ロータ1010に対応して、わずかなギャップを介して対向した位置には、ステータコア2000が設けられる。ステータコア2000には、回転軸に平行な方向にステータコア2000を貫通するように設けられたスリットに、コイルが巻着される。このコイルに電流が流されて、ステータコア2000は、ロータ1010を回転させるための磁界を発生させる。
【0037】
図1に示すようにロータ1010の両側の端面には、傾斜部1022が設けられている。この傾斜部1022は、冷却油が沿って流れる傾斜面1024を有する。
【0038】
また、ステータコア2000に巻着されたステータコイルの端部がコイルエンド2010として形成されている。ステータコイルは、図2に示すように、ステータコア2000のスロット2110に絶縁紙2112が設けられている。またスロット2110間にはティース2120が形成されている。図2に示すように、絶縁紙2112は、スロット2110からはみ出すように設けられている。そのため、ステータコイルエンド2010の根元には絶縁紙2112が被さっている。
【0039】
なお、図2に示すロータ1010におけるスロット2110およびティース2120の数および形状は一例であって、本発明はこのような数および形状に限定されるものではない。また、ロータ1010は、多数の電磁鋼板(0.3mm〜0.5mm程度の薄板)を積層して構成されたものであっても、一体的なものであってもいずれでもよい。
【0040】
図1に戻り、ステータコイルエンド2010の根元には絶縁紙2012が被さり、傾斜部1022の傾斜面1024の回転軸方向先端部は、ステータコイルエンド2010の位置であって、絶縁紙2012の位置よりも回転軸外側の位置である。なお、回転軸外側とは、ロータ1010の回転軸1000に平行な方向において、電動機から離れる方向をいう。そのため、後述するようにロータ1010の回転軸1000の中を通って傾斜部1022に供給された冷却油は、絶縁紙2012に当たることなくステータコイルエンド2010に飛沫され、ステータコイルエンド2010を冷却する。
【0041】
なお、これらの構成部品である、回転軸1000、ロータ1010、ベアリング1020、ステータコア2000、ステータコイルエンド2010は、ハウジング3000内に収められている。
【0042】
図3を参照して、電動機内部の油路の構造について説明する。図3は、ロータ1010およびステータコア2000を含む断面図である。ロータ1010の回転軸1000は中空軸であって、その中空部分は、回転軸冷却油路1100とされる。この回転軸冷却油路1100は図示しないオイルポンプに接続され、冷却油がこの回転軸冷却油路1100に供給され、ステータコイルエンド2010に供給される。ステータコイルエンド2010を冷却した冷却油は、ハウジング3000の下方に設けられたオイルパンに貯められて、再度オイルポンプで回転軸冷却油路1100に供給される。すなわち、オイルポンプにより冷却油が循環して使用される。
【0043】
回転軸冷却油路1100は、ロータ1010の回転軸方向のほぼ中央で、回転軸分岐油路1102と1104とに、ロータ1010の円周方向に分岐する。
【0044】
回転軸分岐油路1102は、ロータ1010に設けられた溝部であるロータ冷却油路1106に接続され、ロータ冷却油路1106はさらに傾斜部1022の内部に設けられたロータ端面油路1110に接続される。ロータ端面油路1110は、傾斜部1022に設けられた噴射孔1114に接続される。噴射孔1114は、傾斜面1024よりも回転軸の中心側に設けられている。
【0045】
一方、回転軸分岐油路1104は、ロータ1010に設けられた溝部であるロータ冷却油路1108に接続され、ロータ冷却油路1108はさらに傾斜部1022の内部に設けられたロータ端面油路1112に接続される。ロータ端面油路1112は、傾斜部1022に設けられた噴射孔1116に接続される。噴射孔1116は、傾斜面1024よりも回転軸の中心側に設けられている。
【0046】
なお、傾斜部1022の材質は、非磁性体であるアルミニウムやステンレスなどの非鉄材質である。
【0047】
ステータコア2000には、スロット2110に設けられた絶縁紙2012に包含されてスロット2110に巻着されたステータコイル2011が設けられる。ステータコイル2011のステータコア2000の外側はステータコイルエンド2010であって、冷却油により冷却される。
【0048】
以上のような構造を有する電動機における、ステータコア2000のコイルに電流を流すことによりステータコイルエンド2010に発生した熱の冷却について説明する。
【0049】
電動機が回転軸1000を中心として回転して、車両を駆動するためには、ステータコア2000のコイルに、所定の電流(たとえば、車両を走行させるために必要とされるトルクを発生するための電流)が流される。このとき、この電流によりステータコイルエンド2010が発熱、あるいはステータコア2000での発熱がステータコイルエンド2010に熱伝導されて、ステータコイルエンド2010が発熱する。
【0050】
このとき、中空軸である回転軸1000の回転軸冷却油路1100を通ってオイルポンプから冷却油が供給される。回転軸冷却油路1100を通った冷却油は、ロータ1010のほぼ中央で、回転軸分岐油路1102と回転軸分岐油路1104とに分岐して、回転軸分岐油路1102側に分岐した冷却油は、ロータ冷却油路1106を通ってロータ端面油路1110を通って噴出孔1114に到達する。また、回転軸分岐油路1104側に分岐した冷却油は、ロータ冷却油路1108を通ってロータ端面油路1112を通って噴出孔1116に到達する。
【0051】
噴出孔1114および噴出孔1116から傾斜部1022に供給された冷却油は、ロータ1010の回転による遠心力を受けて、傾斜面1024に沿ってロータ1010の外周側へ移動する。傾斜面1024の先端からステータコイルエンド2010に冷却油が飛沫される。このとき、図3に示すように、傾斜部1022の傾斜面1024の位置および角度によると、ステータコイルエンド2010の絶縁紙2012に冷却油がかからない。
【0052】
以上のようにして、本実施の形態に係る電動機によると、中空円筒形状を有するステータと、電動機は、ステータの中空部の内周側に配置された円筒形状を有する回転自在なロータとから構成され、ステータには、ステータコイルを巻着するための多数のスロットが設けられ、ステータコアからステータコイルエンドがはみ出している。特徴的であるのは、これらのスロットには、ステータとステータコイルとを絶縁するための絶縁紙が、ステータコアの長さよりも長く、すなわちステータコイルエンドの根元に被さるように装着されている。傾斜部は、ステータコアから回転軸方向にはみ出してステータコイルエンドに被さった絶縁紙よりも回転軸方向の外側にあるステータコイルエンドに冷却液を飛沫するように誘導する。このため、冷却液が絶縁紙に吹きかけられることはなく、絶縁紙を傷付けることを避けて、ステータコイルエンドに冷却液を飛沫できる。その結果、ステータのコイルエンドにロータから冷却媒体を供給して冷却する電動機において、簡易な構造であって、かつ効率的にステータコイルエンドを冷却することができる。
【0053】
なお、図4に示すように、図3に示した傾斜部1022に代えて傾斜部1023であってもよい。この傾斜部1023も傾斜部1022と同様に、傾斜部1023の傾斜面1025の回転軸方向先端部は、ステータコイルエンド2010の位置であって、絶縁紙2012の位置よりも回転軸外側である。
【0054】
図4に示すように、回転軸分岐油路1102は、ロータ1010に設けられた溝部であるロータ冷却油路1106に接続され、ロータ冷却油路1106はロータ端面油路1110に接続される。ロータ端面油路1110は、傾斜部1023よりも回転軸の中心側に設けられた噴射孔1114に接続される。噴射孔1114から噴出された冷却油は、ロータ1010の回転による遠心力により傾斜面1025に誘導されて、絶縁紙2012に当たることなくステータコイルエンド2010に飛沫される。
【0055】
一方、回転軸分岐油路1104は、ロータ1010に設けられた溝部であるロータ冷却油路1108に接続され、ロータ冷却油路1108はロータ端面油路1112に接続される。ロータ端面油路1112は、傾斜部1023よりも回転軸の中心側に設けられた噴射孔1116に接続される。噴射孔1116から噴出された冷却油は、ロータ1010の回転による遠心力により傾斜面1025に誘導されて、絶縁紙2012に当たることなくステータコイルエンド2010に飛沫される。
【0056】
このため、ロータ1010の回転軸1000の中を通って傾斜部1023に供給された冷却油は、傾斜面1025に誘導されて、絶縁紙2012に当たることなくステータコイルエンド2010に飛沫され、ステータコイルエンド2010を冷却することができる。
【0057】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電動機の断面図である。
【図2】ステータ部分の拡大図である。
【図3】ロータおよびステータの断面拡大図(その1)である。
【図4】ロータおよびステータの断面拡大図(その2)である。
【符号の説明】
1000 回転軸、1010 ロータ、1020 ベアリング、1022 傾斜部、1024 傾斜面、1100 回転軸冷却油路、1102,1104 回転軸分岐油路、1106,1108 ロータ冷却油路、1110,1112 ロータ端面油路、1114,1116 噴射孔、2000 ステータコア、2010 ステータコイルエンド、2110 スロット、2011 ステータコイル、2112 絶縁紙、2120 ティース、3000 ハウジング。
Claims (6)
- 複数のスロットとティースとが交互に形成され、前記スロットにコイルが装着された中空円筒形状のステータと、前記ステータの中空部の内周側に配置された回転自在なロータとから構成される回転電機におけるロータの構造であって、前記スロットには絶縁体が装着されてステータコイルが巻着され、前記絶縁体の回転軸方向の長さは、ステータコアの回転軸方向の長さよりも長く、
前記ロータ端面に冷却媒体を供給するための供給手段と、
前記ロータ端面に設けられ、前記ステータコアから回転軸方向にはみ出した絶縁体よりも回転軸方向の外側にあるステータコイルエンドに前記冷却媒体を誘導するための誘導手段とを含む、ロータ構造。 - 前記誘導手段は、前記ロータ端面に設けられた傾斜部により構成される、請求項1に記載のロータ構造。
- 前記傾斜部の回転軸方向の先端位置は、前記ステータコアから回転軸方向にはみ出した絶縁体よりも回転軸方向の外側である、請求項2に記載のロータ構造。
- 前記誘導手段は、前記ロータの回転による遠心力により前記冷却媒体を前記傾斜部に沿って移動させて、前記傾斜部先端から前記ステータコイルエンドに前記冷却媒体を誘導する、請求項2または3に記載のロータ構造。
- 前記供給手段は、前記回転軸の内部に設けられた油路により冷却媒体を供給するための手段を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のロータ構造。
- 前記冷却媒体は液体である、請求項1〜5のいずれかに記載のロータ構造。
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