JP2019173923A - 車両用駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブリーザ装置の構成を簡略化しつつ、ブリーザ孔への油の流入を少なく抑えることが可能な車両用駆動装置を実現する。【解決手段】駆動伝達機構は、第1軸A1上に配置される駆動伝達部材51を備え、回転電機20は、第1軸A1よりも上方の第2軸A2上に配置される。駆動伝達部材51は、回転電機20に対して第2軸A2を基準とする軸方向Lの一方側である軸方向第1側L1に配置される対象部分51aを有する。ブリーザ装置10のブリーザ室13が、ケース60の内部における、軸方向Lに沿った軸方向L視で回転電機20と重複する位置であって、第1軸A1を基準とする径方向Rに沿った径方向R視で対象部分51aと重複する位置に形成される。【選択図】図3
Description
本発明は、回転電機を含む駆動力源の駆動力を、車輪に駆動連結される出力部材に伝達する駆動伝達機構と、回転電機及び駆動伝達機構を収容するケースと、ケースの内部とケースの外部とを連通させるブリーザ装置と、を備えた車両用駆動装置に関する。
上記のような回転電機を備えた車両用駆動装置のケースに限らず、出力部材に駆動力を伝達する駆動伝達機構を収容するケースには、一般に、ケースの内部と外部との間の圧力差を低減するためのブリーザ装置が設けられる。例えば特開2003−161362号公報(特許文献1)には、自動変速機のケースに設けられるブリーザ装置に関する技術が記載されている。具体的には、特許文献1に記載のブリーザ装置では、変速機構の回転部材の中空部をブリーザ室としている。このように回転部材に囲まれた空間をブリーザ室とすることで、ブリーザ室に流入した油がブリーザ孔からケースの外部に吹き出すブリーザ吹きの発生を、回転部材の回転に伴う遠心力の作用により抑制することを可能としている。
しかしながら、特許文献1に記載のブリーザ装置では、回転部材の内部にブリーザ室を形成しているため、ブリーザ室及びブリーザ室につながるブリーザパイプ等のブリーザ装置の構成が複雑なものとなり易かった。一方、ブリーザ装置の構成を簡略化するとしても、ブリーザ室を設ける場所によっては、ブリーザ孔への油の流入が生じ易くなる可能性がある。
そこで、ブリーザ装置の構成を簡略化しつつ、ブリーザ孔への油の流入を少なく抑えることが可能な車両用駆動装置の実現が望まれる。
上記に鑑みた、回転電機を含む駆動力源の駆動力を、車輪に駆動連結される出力部材に伝達する駆動伝達機構と、前記回転電機及び前記駆動伝達機構を収容するケースと、前記ケースの内部と前記ケースの外部とを連通させるブリーザ装置と、を備えた車両用駆動装置の特徴構成は、前記駆動伝達機構は、第1軸上に配置される駆動伝達部材を備え、前記回転電機は、前記第1軸よりも上方の第2軸上に配置され、前記駆動伝達部材は、前記回転電機に対して前記第2軸を基準とする軸方向の一方側である軸方向第1側に配置される対象部分を有し、前記ブリーザ装置のブリーザ室が、前記ケースの内部における、前記軸方向に沿った軸方向視で前記回転電機と重複する位置であって、前記第1軸を基準とする径方向に沿った径方向視で前記対象部分と重複する位置に形成されている点にある。
上記の特徴構成によれば、ブリーザ室を、一般に比較的大径の装置とされる回転電機と軸方向視で重複する位置に形成する。よって、車両用駆動装置の大型化を抑制しつつ、ブリーザ室を大きく確保し、ブリーザ孔への油の流入を少なく抑えることが容易となっている。
また、回転電機は、駆動伝達部材が配置される第1軸よりも上方の第2軸に配置されるため、回転電機と軸方向視で重複する位置にブリーザ室を形成することで、ブリーザ室を、ケースの内部における比較的上方の位置に形成することができる。よって、ブリーザ室がケースの内部における比較的油がかかり難い場所に配置されることになる。また、ブリーザ室をこのような比較的上方の位置に形成することにより、ブリーザ室とケースの外部とを連通するブリーザ孔を、車両が水溜まり等を走行した際に水が飛散し難い高さに形成することができ、例えばブリーザプラグの先端部をブリーザ孔よりも上方に配置するためのブリーザホースやブリーザパイプが不要となる等、ブリーザ装置を構成する部品点数を少なく抑えることが可能となる。
なお、このように回転電機と軸方向視で重複する位置にブリーザ室を形成する場合、ブリーザ室が回転電機に対して軸方向の一方側に配置されることで、回転電機が配置される第2軸において装置が軸方向に大型化し得る。この点に関し、上記の特徴構成によれば、ブリーザ室は、第1軸に配置される駆動伝達部材の対象部分と径方向視で重複する位置に形成されるため、これらが径方向視で重複する分、車両用駆動装置の軸方向の大型化を抑制することができる。
以上より、上記の特徴構成によれば、ブリーザ装置の構成を簡略化しつつ、ブリーザ孔への油の流入を少なく抑えることができる。
また、回転電機は、駆動伝達部材が配置される第1軸よりも上方の第2軸に配置されるため、回転電機と軸方向視で重複する位置にブリーザ室を形成することで、ブリーザ室を、ケースの内部における比較的上方の位置に形成することができる。よって、ブリーザ室がケースの内部における比較的油がかかり難い場所に配置されることになる。また、ブリーザ室をこのような比較的上方の位置に形成することにより、ブリーザ室とケースの外部とを連通するブリーザ孔を、車両が水溜まり等を走行した際に水が飛散し難い高さに形成することができ、例えばブリーザプラグの先端部をブリーザ孔よりも上方に配置するためのブリーザホースやブリーザパイプが不要となる等、ブリーザ装置を構成する部品点数を少なく抑えることが可能となる。
なお、このように回転電機と軸方向視で重複する位置にブリーザ室を形成する場合、ブリーザ室が回転電機に対して軸方向の一方側に配置されることで、回転電機が配置される第2軸において装置が軸方向に大型化し得る。この点に関し、上記の特徴構成によれば、ブリーザ室は、第1軸に配置される駆動伝達部材の対象部分と径方向視で重複する位置に形成されるため、これらが径方向視で重複する分、車両用駆動装置の軸方向の大型化を抑制することができる。
以上より、上記の特徴構成によれば、ブリーザ装置の構成を簡略化しつつ、ブリーザ孔への油の流入を少なく抑えることができる。
車両用駆動装置の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
車両用駆動装置の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、鉛直方向Vは、車両用駆動装置1の使用状態での鉛直方向、すなわち、車両用駆動装置1をその使用状態での向きに配置した場合の鉛直方向を意味する。車両用駆動装置1は車両に搭載されて使用されるため、鉛直方向Vは、車両用駆動装置1が車両に搭載された状態での鉛直方向、より具体的には、車両用駆動装置1が車両に搭載された状態であって、当該車両が平坦路(水平面に沿う道路)に停止している状態での鉛直方向と一致する。そして、「上方」及び「下方」は、この鉛直方向Vにおける上方及び下方を意味する。また、以下の説明における各部材についての方向は、それらが車両用駆動装置1に組み付けられた状態での方向を表す。なお、各部材についての寸法、配置方向、配置位置等に関する用語は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態を含む概念である。
本明細書では、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を意味する。この概念には、2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態や、2つの回転要素が1つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態が含まれる。このような伝動部材には、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(軸、歯車機構、ベルト、チェーン等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等)が含まれてもよい。また、本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。また、本明細書では、2つの部材の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。例えば、「径方向視で重複する」とは、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が、周方向の少なくとも一部の領域に存在することを意味する。
図1に示すように、車両用駆動装置1は、回転電機20を含む駆動力源Dの駆動力を、車輪8に駆動連結される出力部材7に伝達する駆動伝達機構50と、回転電機20及び駆動伝達機構50を収容するケース60と、を備えている。駆動力源Dは、車輪8の駆動力源である。本実施形態では、駆動力源Dには、回転電機20に加えて内燃機関2が含まれ、駆動伝達機構50は、内燃機関2の駆動力を出力部材7に伝達することが可能に構成されている。すなわち、本実施形態では、車両用駆動装置1は、駆動力源Dとして内燃機関2及び回転電機20の双方を備えるハイブリッド車両用の駆動装置である。ここで、内燃機関2は、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等)である。車両用駆動装置1は、内燃機関2及び回転電機20の少なくとも一方のトルクを車輪8に伝達させて車両(車両用駆動装置1が搭載された車両)を走行させる。本実施形態では、車両用駆動装置1は、FF(Front Engine Front Drive)車両用の駆動装置である。詳細は省略するが、回転電機20は、バッテリやキャパシタ等の蓄電装置と電気的に接続されており、蓄電装置から電力の供給を受けて力行し、或いは、内燃機関2のトルクや車両の慣性力等により発電した電力を蓄電装置に供給して蓄電させる。
図1に示すように、本実施形態では、駆動伝達機構50は、変速機4と、変速機4と出力部材7との間の動力伝達経路に設けられるカウンタギヤ機構5と、を備えている。駆動伝達機構50は、更に、駆動力源Dと変速機4との間の動力伝達経路に設けられる連結部材45と、カウンタギヤ機構5と出力部材7との間の動力伝達経路に設けられる出力用差動歯車装置6とを備えている。
本実施形態では、内燃機関2の出力軸(クランクシャフト等)である内燃機関出力軸2aは、ダンパ3、入力部材40、及び第1係合装置41を介して、連結部材45に連結されている。すなわち、第1係合装置41は、内燃機関2(入力部材40)と連結部材45とを連結又は連結解除する係合装置である。一方、回転電機20は、ギヤ機構30を介して連結部材45に連結されている。具体的には、回転電機20は、ステータ21と、ステータ21に対して回転自在に支持されるロータ24と、を備えている(図3参照)。ロータ24が備えるロータコア25は、ロータ軸26と一体的に回転するように連結されており、ロータ軸26には出力ギヤ27が設けられている。そして、出力ギヤ27と、連結部材45に設けられた入力ギヤ46とが、ギヤ機構30が備える筒状ギヤ31に対して周方向(後述する第5軸A5を基準とする周方向)の互いに異なる位置で噛み合うことで、回転電機20(ロータ24)と連結部材45とがギヤ機構30を介して連結されている。
内燃機関2及び回転電機20のうちの少なくとも内燃機関2のトルクを車輪8に伝達させて車両を走行させる際、停止状態の内燃機関2を始動させるために回転電機20のトルクにより内燃機関2を回転駆動(クランキング)する際、車両の停止中等に内燃機関2のトルクにより回転電機20に発電を行わせる際等に、第1係合装置41は係合される。また、内燃機関2及び回転電機20のうちの回転電機20のトルクのみを車輪8に伝達させて車両を走行させる際等に、第1係合装置41は解放される。
本実施形態では、連結部材45は、第2係合装置42を介して変速機4の入力部材である変速入力部材4aに連結されている。すなわち、第2係合装置42は、連結部材45と変速機4(変速入力部材4a)とを連結又は連結解除する係合装置である。内燃機関2及び回転電機20のうちの少なくともいずれかのトルクを車輪8に伝達させて車両を走行させる際、車両の慣性力により回転電機20に発電を行わせる際等に、第2係合装置42は係合される。また、車両の停止状態で内燃機関2のトルクにより回転電機20に発電を行わせる際等に、第2係合装置42は解放される。
変速機4は、変速入力部材4aの回転を変速して、変速機4の出力部材である変速出力部材4b(ここでは、歯車部材)に伝達する。本実施形態では、変速機4は、変速比を変更可能な変速機である。具体的には、変速機4は、変速比の異なる複数の変速段を切替可能な有段の自動変速機(自動有段変速機)であり、変速入力部材4aの回転を、形成されている変速段に応じた変速比で変速して変速出力部材4bに伝達する。なお、変速機4として、変速比を無段階に変更可能な自動無段変速機や、変速比の異なる複数の変速段を切替可能な手動有段変速機等を用いることもできる。
出力部材7は、車輪8(駆動輪)に駆動連結される伝動部材である。本実施形態では、出力部材7は、出力用差動歯車装置6と車輪8とを連結する軸部材(ドライブシャフト)である。出力用差動歯車装置6は、変速機4側から差動入力ギヤ6aに入力される回転及びトルクを、左右一対の出力部材7(すなわち、左右一対の車輪8)に分配して伝達する。本実施形態では、出力用差動歯車装置6は、カウンタギヤ機構5を介して変速機4(変速出力部材4b)に連結されており、差動入力ギヤ6aには、カウンタギヤ機構5を介して変速機4側から回転及びトルクが入力される。具体的には、カウンタギヤ機構5は、第1ギヤ5aと、第2ギヤ5bと、第1ギヤ5aと第2ギヤ5bとを連結する連結軸5cとを備えている。そして、第1ギヤ5aが変速出力部材4bに噛み合うと共に第2ギヤ5bが差動入力ギヤ6aに噛み合うことで、変速機4(変速出力部材4b)と出力用差動歯車装置6(差動入力ギヤ6a)とがカウンタギヤ機構5を介して連結されている。
図1及び図2に示すように、駆動伝達機構50は、第1軸A1上に配置される駆動伝達部材51を備え、回転電機20は、第1軸A1よりも上方の第2軸A2上に配置されている。駆動伝達機構50を構成する少なくともいずれかの部材が、第1軸A1上に配置される。本実施形態では、カウンタギヤ機構5が第1軸A1上に配置されている。よって、本実施形態では、駆動伝達部材51は、カウンタギヤ機構5又は当該カウンタギヤ機構5と一体的に回転する部材とされる。図3に示すように、本実施形態では、駆動伝達機構50は、カウンタギヤ機構5と一体的に回転する部材として、パーキングロック機構を構成するパーキングギヤ9を備えている。ここでは、パーキングギヤ9は、第1ギヤ5aに対して後述する軸方向第2側L2に隣接する位置に設けられている。また、パーキングギヤ9は、第1ギヤ5aの形成部材に一体的に形成されている。車両用駆動装置1は、パーキングロック機構を構成するパーキングポール47を備えており、パーキングポール47をパーキングギヤ9に係合させてパーキングギヤ9の回転を規制することで、車輪8がロックされる。
図1及び図2に示すように、出力用差動歯車装置6は第3軸A3上に配置され、連結部材45及び変速機4は第4軸A4上に配置され、ギヤ機構30は第5軸A5上に配置されている。以下では、第2軸A2を基準とする軸方向を「軸方向L」とし、軸方向Lの一方側を「軸方向第1側L1」とし、軸方向Lの他方側(軸方向第1側L1とは反対側)を「軸方向第2側L2」とする(図1、図3参照)。また、以下では、第1軸A1を基準とする径方向を「径方向R」とする(図3参照)。第1軸A1、第2軸A2、第3軸A3、第4軸A4、及び第5軸A5は、互いに平行に配置される軸(仮想軸)であるため、軸方向Lは、これらの各軸(A1〜A5)の間で共通した軸方向(すなわち、各軸に平行な方向)である。本実施形態では、車両用駆動装置1は、軸方向Lが水平面に沿う向きで車両に搭載される。また、本実施形態では、車両用駆動装置1は、軸方向Lが車両の左右方向に沿う向きで車両に搭載される。
上述したように、第2軸A2は、第1軸A1よりも上方に配置される。図2に示すように、本実施形態では、第2軸A2は、第3軸A3、第4軸A4、及び第5軸A5よりも上方に配置されている。すなわち、本実施形態では、回転電機20が配置される第2軸A2は、ケース60の内部における回転部材が配置される複数の軸(本実施形態では、第1軸A1、第2軸A2、第3軸A3、第4軸A4、及び第5軸A5)の中で、最も上方に配置される軸である。
図3に示すように、回転電機20のステータ21は、ケース60に固定されるステータコア22を備えている。ステータコア22にはコイルが巻装されており、ステータコア22から軸方向Lに突出するコイルの部分であるコイルエンド部23が、ステータコア22に対して軸方向Lの両側に形成されている。以下では、ステータコア22に対して軸方向第1側L1に形成されるコイルエンド部23を第1コイルエンド部23aとし、ステータコア22に対して軸方向第2側L2に形成されるコイルエンド部23を第2コイルエンド部23bとする。本実施形態では、回転電機20はインナロータ型の回転電機であり、ロータコア25は、ステータコア22に対して径方向内側に配置されている。なお、ここでの径方向は、第2軸A2を基準とする径方向である。
回転電機20は、第4軸A4を基準とする径方向視で変速機4と重複するように配置されている。具体的には、回転電機20は、第4軸A4を基準とする周方向の一部の領域において、第4軸A4を基準とする径方向視で変速機4と重複するように配置されている。すなわち、図1に示すように、回転電機20は、変速機4と軸方向Lの配置領域が重複している。また、回転電機20は、径方向R視でカウンタギヤ機構5と重複するように配置されている。具体的には、回転電機20は、第1軸A1を基準とする周方向の一部の領域において、径方向R視でカウンタギヤ機構5と重複するように配置されている。すなわち、図1に示すように、回転電機20は、カウンタギヤ機構5と軸方向Lの配置領域が重複している。
図1に示すように、本実施形態では、変速出力部材4bは、回転電機20に対して軸方向第1側L1に配置されている。具体的には、変速機4は、回転電機20よりも軸方向Lの長さが大きく形成されており、変速機4は、回転電機20に対して軸方向第1側L1に突出するように配置されている。そして、変速機4における回転電機20に対して軸方向第1側L1に突出する部分に、変速出力部材4bが設けられている。このように、本実施形態では、変速出力部材4bが回転電機20に対して軸方向第1側L1に配置されるため、変速出力部材4bに噛み合う第1ギヤ5aも、回転電機20に対して軸方向第1側L1に配置されている。
図3に示すように、車両用駆動装置1は、ケース60の内部とケース60の外部とを連通させるブリーザ装置10を備えている。ブリーザ装置10は、ケース60の内部とケース60の外部との間の圧力差を低減するための装置である。図3に示すように、ブリーザ装置10は、ケース60の内部に形成されるブリーザ室13と、ブリーザ孔15と、を備えている。ブリーザ孔15は、ケース60の外部とブリーザ室13とを連通するように形成されている。また、ブリーザ室13は、ケース60の内部におけるブリーザ室13の外側の空間(以下、内部空間70という。)と連通するように形成されている。よって、駆動伝達機構50が収容される内部空間70と、ケース60の外部との間で圧力差が生じた場合には、ケース60の外部とブリーザ室13との間で空気が流通すると共に、ブリーザ室13と内部空間70との間で空気が流通することで、当該圧力差が低減される。
図3に示すように、本実施形態では、ケース60は、回転電機20に対して軸方向第1側L1に配置される壁部64を備えている。壁部64は、回転電機20に対して軸方向第1側L1に隣接して配置されている。壁部64は、ロータ軸26を支持する支持壁である。そして、本実施形態では、ブリーザ室13は、壁部64に形成されている。具体的には、ケース60は、第1ケース部61と、第1ケース部61に対して軸方向第2側L2から接合される第2ケース部62と、を備えている。そして、第1ケース部61は、軸方向L視で駆動伝達機構50を囲むように形成される(すなわち、軸方向Lに延びる筒状に形成される)周壁部63を備えており、周壁部63における軸方向第1側L1の端部から軸方向Lに交差する方向(ここでは、軸方向Lに直交する方向)に延びるように、壁部64が形成されている。すなわち、壁部64は、周壁部63の軸方向第1側L1の開口を覆うように形成されている。本実施形態では、壁部64は、第1ケース部61と一体的に形成されている。
図3に示すように、ブリーザ室13は、軸方向Lに沿った軸方向L視で回転電機20と重複する位置に形成されている。すなわち、ブリーザ室13は、軸方向L視でステータ21及びロータ24の少なくとも一方と重複する位置に形成されている。なお、ここでのロータ24には、ロータ軸26を含めてもよい。壁部64は、回転電機20に対して軸方向第1側L1に隣接して配置されている。よって、このような壁部64に形成されるブリーザ室13は、回転電機20に対して軸方向第1側L1に隣接して配置される。図5に示すように、本実施形態では、ブリーザ室13は、軸方向L視で第2軸A2と重複しないように形成されている。すなわち、ブリーザ室13は、壁部64におけるロータ軸26の支持部分を避けて形成されている。なお、図5は、回転電機20及び後述するカバー部材16が取り付けられていない状態における第1ケース部61の一部を、軸方向第2側L2から見た図である。一方、図4は、回転電機20が取り付けられていない状態における第1ケース部61の一部を、軸方向第2側L2から見た図である。すなわち、図4は、カバー部材16が取り付けられた状態を示す点で、図5とは異なる。
また、図3に示すように、ブリーザ室13は、径方向Rに沿った径方向R視で対象部分51aと重複する位置に形成されている。ここで、対象部分51aは、駆動伝達部材51における回転電機20に対して軸方向第1側L1に配置される部分である。すなわち、駆動伝達部材51は、第1軸A1上に配置される部材であって、回転電機20に対して軸方向第1側L1に配置される部分(対象部分51a)を有する部材である。
上述したように、本実施形態では、駆動伝達部材51は、カウンタギヤ機構5又は当該カウンタギヤ機構5と一体的に回転する部材とされる。図3に示すように、本実施形態では、カウンタギヤ機構5は、回転電機20に対して軸方向第1側L1に配置される部分を有している。具体的には、第1ギヤ5aの全体と、連結軸5cにおける軸方向第1側L1の部分とが、回転電機20に対して軸方向第1側L1に配置されている。また、本実施形態では、駆動伝達機構50は、カウンタギヤ機構5と一体的に回転する部材としてパーキングギヤ9を備え、パーキングギヤ9は、回転電機20に対して軸方向第1側L1に配置される部分を有している。具体的には、パーキングギヤ9の全体が、回転電機20に対して軸方向第1側L1に配置されている。よって、本実施形態では、カウンタギヤ機構5及び当該カウンタギヤ機構5と一体的に回転する部材(具体的には、パーキングギヤ9)の双方が、駆動伝達部材51とされる。そして、図3に示すように、ブリーザ室13は、カウンタギヤ機構5における回転電機20に対して軸方向第1側L1に配置される部分と径方向R視で重複する位置に形成されている。また、ブリーザ室13は、パーキングギヤ9と径方向R視で重複する位置に形成されている。
以上のように、ブリーザ室13は、ケース60の内部における、軸方向Lに沿った軸方向L視で回転電機20と重複する位置であって、径方向Rに沿った径方向R視で対象部分51aと重複する位置に形成されている。これにより、ブリーザ装置10の構成を簡略化しつつ、ブリーザ孔15への油の流入を少なく抑えることを可能としている。本実施形態の車両用駆動装置1では、更に以下のようにブリーザ装置10を構成することで、ブリーザ装置10の構成を簡略化することを容易とし、或いは、ブリーザ孔15への油の流入を少なく抑えることを容易としている。
図5に示すように、本実施形態では、ブリーザ室13の少なくとも一部が、第2軸A2よりも上方に形成されている。そして、ブリーザ孔15は、ブリーザ室13における第2軸A2よりも上方に形成された部分とケース60の外部とを連通するように形成されている。具体的には、図3から図5に示すように、ケース60(本実施形態では、壁部64)は、ブリーザ室13を囲む部分である包囲部65を備えており、この包囲部65にブリーザ孔15が形成されている。図5に示すように、本実施形態では、包囲部65は、軸方向L視で、ブリーザ室13を全周に亘って囲むように形成されている。なお、図5に示す例では、ブリーザ室13の一部のみが、第2軸A2よりも上方に形成されているが、ブリーザ室13の全体が、第2軸A2よりも上方に形成される構成とすることもできる。
そして、図3及び図4に示すように、ブリーザ孔15に、ブリーザプラグ14が挿入されている。ブリーザプラグ14は、ブリーザ孔15からケース60の外側に油が漏出することを抑制するためや、水や異物等がケース60の外部からブリーザ孔15に入ることを抑制するために設けられている。ブリーザプラグ14として、例えば、ブリーザ室13の圧力が所定値以上となった場合にブリーザ室13とケース60の外部とを連通する構成のものを用いることができる。本実施形態では、ブリーザプラグ14は、ブリーザ孔15に挿入されている。すなわち、本実施形態では、ブリーザプラグ14は、ブリーザホースやブリーザパイプのようなブリーザプラグ14の位置を高くするための部材を用いずに、ブリーザ孔15に直接取り付けられている。
図3に示すように、本実施形態では、ブリーザ室13は、軸方向第2側L2に向かって開口する開口部13aを有するように、壁部64に形成されている。具体的には、軸方向第1側L1に窪むように壁部64に形成された凹部によって、ブリーザ室13が形成されている。よって、上述した包囲部65は、壁部64における軸方向L視で当該凹部を囲む部分により形成されている。そして、開口部13aの少なくとも一部を軸方向第2側L2から覆うカバー部材16が、壁部64に取り付けられている。カバー部材16は、板状(ここでは、平板状)に形成されている。そして、壁部64(ここでは、壁部64における軸方向L視で包囲部65に囲まれる部分)に、ボルト17が締結される締結孔18が形成されており、カバー部材16は、ボルト17により壁部64に締結固定されている。
ブリーザ装置10は、内部空間70とブリーザ室13とをそれぞれ連通する第1連通孔11及び第2連通孔12を備えている。図4及び図5に示すように、第1連通孔11は、ブリーザ室13の底部13bに開口するように形成され、第2連通孔12は、第1連通孔11よりも上方に形成されている。ここで、ブリーザ室13の底部13bは、ブリーザ室13の最下部を構成する部分である。本実施形態では、第1連通孔11は第2軸A2よりも下方に形成され、第2連通孔12は第2軸A2よりも上方に形成されている。具体的には、第2連通孔12は、ブリーザ室13の頂部或いはその近傍に開口するように形成されている。ここで、ブリーザ室13の頂部は、ブリーザ室13の最上部を構成する部分である。このように第1連通孔11をブリーザ室13の底部13bに開口するように形成することで、ブリーザ室13に油が溜まることを抑制できる。また、このように第2連通孔12を第1連通孔11よりも上方に形成することで、ブリーザ室13を介した内部空間70とケース60の外部との間の空気の流通がブリーザ室13に存在する油により阻害されること(すなわち、ブリーザ機能が低下すること)を抑制できる。
本実施形態では、第1連通孔11及び第2連通孔12のそれぞれは、カバー部材16に形成された孔部により、又は、カバー部材16と壁部64との隙間により形成されている。ここでは、図4に示すように、第1連通孔11は、カバー部材16と壁部64(包囲部65)との隙間により形成されている。具体的には、カバー部材16は、開口部13aにおけるブリーザ室13の底部13bを除く部分を覆うように壁部64に取り付けられており、開口部13aにおけるカバー部材16により覆われていない部分に、第1連通孔11が形成されている。また、第2連通孔12は、カバー部材16に形成された孔部により形成されている。なお、第1連通孔11を、カバー部材16に形成された孔部により形成することもできる。また、第2連通孔12を、カバー部材16と壁部64との隙間により形成することもできる。
図3に示すように、本実施形態では、ケース60の内部におけるブリーザ室13よりも下方に、ブリーザ室13と回転電機20との隙間G(ブリーザ室13と回転電機20とにより軸方向Lの両側から挟まれる空間)に対して油が下方から流入することを規制する規制部69が設けられている。ケース60の内部では、冷却や潤滑等の目的で油が循環されているが、規制部69を設けることで、ブリーザ室13よりも下方に配置された回転部材の回転により飛散する油(例えば、差動入力ギヤ6aによって掻き上げられる油や、第1ギヤ5aから飛散する油)が、ブリーザ室13に流入し難い構成とすることが可能となっている。
図3に示すように、規制部69は、軸方向第2側L2に向かって壁部64から突出する突出部66を含んでいる。突出部66は、包囲部65に対して軸方向第2側L2に突出するように形成されている。本実施形態では、突出部66は、壁部64に一体的に形成されている。突出部66は、隙間Gに対して下方に配置される部分(鉛直方向V視で隙間Gと重複する部分)を有するように形成されている。また、突出部66は、ステータコア22の軸方向第1側L1の端面(ここでは、当該端面における第2軸A2を基準とする径方向の外側部分)と軸方向Lに対向するように形成されており、突出部66とステータコア22との隙間は、ブリーザ室13と回転電機20との隙間Gよりも狭く形成されている。これにより、ブリーザ室13と回転電機20との隙間Gに対して油が下方から流入することが規制されている。なお、突出部66が壁部64とは別部材である構成とし、突出部66が、壁部64から軸方向第2側L2に向かって突出するように壁部64に取り付けられる構成とすることもできる。
図3に示すように、本実施形態では、壁部64と第1コイルエンド部23aとの隙間も、ブリーザ室13と回転電機20との隙間Gよりも狭く形成されており、ブリーザ室13と回転電機20との隙間Gに対して油が下方から流入することが、突出部66だけでなく、第1コイルエンド部23aによっても規制される。そのため、本実施形態では、規制部69は、突出部66に加えて第1コイルエンド部23aを含んでいる。なお、第1コイルエンド部23aを覆うカバー部材が設けられ、当該カバー部材と壁部64との隙間が、ブリーザ室13と回転電機20との隙間Gよりも狭く形成される構成とすることもできる。この場合、規制部69が、突出部66に加えて当該カバー部材を含む構成となる。
〔その他の実施形態〕
次に、車両用駆動装置のその他の実施形態について説明する。
次に、車両用駆動装置のその他の実施形態について説明する。
(1)上記の実施形態では、第1連通孔11及び第2連通孔12のそれぞれが、カバー部材16に形成された孔部により、又は、カバー部材16と壁部64との隙間により形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1連通孔11及び第2連通孔12の一方又は双方が、包囲部65に形成された孔部により形成される構成とすることもできる。また、上記の実施形態では、ブリーザ装置10が、内部空間70とブリーザ室13とを連通する孔部として、第1連通孔11及び第2連通孔12の2つを備える構成を例として説明したが、ブリーザ装置10が、このような孔部を1つ又は3つ以上備える構成とすることもできる。
(2)上記の実施形態では、ブリーザ室13が、軸方向第2側L2に向かって開口する開口部13aを有するように形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、ブリーザ室13が、上方又は下方に向かって開口する開口部を有するように形成される構成とすることもできる。
(3)上記の実施形態では、ブリーザ孔15が、ブリーザ室13における第2軸A2よりも上方に形成された部分とケース60の外部とを連通するように形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、ブリーザ孔15が、ブリーザ室13における第2軸A2よりも下方に形成された部分とケース60の外部とを連通するように形成される構成とすることもできる。
(4)上記の実施形態では、ブリーザ室13の少なくとも一部が、第2軸A2よりも上方に形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、ブリーザ室13の全体が、第2軸A2よりも下方に形成される構成とすることもできる。
(5)上記の実施形態では、規制部69が突出部66を含む構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、規制部69が突出部66を含まない構成とすることもできる。このような場合に、例えば、ステータコア22の外周面に嵌合(例えば、焼き嵌め)される円筒状のステータコア支持部材が設けられ、当該ステータコア支持部材と壁部64との隙間が、ブリーザ室13と回転電機20との隙間Gよりも狭く形成される構成とすることもできる。この場合、規制部69が、当該ステータコア支持部材を含む構成となる。
(6)上記の実施形態では、駆動伝達機構50が備えるカウンタギヤ機構5が、第1軸A1上に配置され、駆動伝達部材51が、カウンタギヤ機構5又は当該カウンタギヤ機構5と一体的に回転する部材とされる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、駆動伝達部材51が備えるカウンタギヤ機構5以外の部材(例えば、変速機4)が、第1軸A1上に配置される駆動伝達部材51となる構成とすることもできる。
(7)上記の実施形態で示した駆動伝達機構50の構成は一例であり、駆動伝達機構50の構成は適宜変更することが可能である。例えば、駆動伝達機構50が、変速機4、カウンタギヤ機構5、及び出力用差動歯車装置6の少なくともいずれかを備えない構成とすることもできる。駆動伝達機構50が出力用差動歯車装置6を備えない場合、駆動伝達機構50は、駆動力源Dの駆動力を、左右一対の車輪8ではなく1つの車輪のみに伝達するように構成される。また、例えば、駆動伝達機構50が、第1係合装置41及び第2係合装置42の一方又は双方を備えない構成とすることもできる。
(8)上記の実施形態では、駆動力源Dに、回転電機20に加えて内燃機関2が含まれる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、駆動力源Dに内燃機関2が含まれない構成とすることもできる。例えば、駆動力源Dに回転電機20のみが含まれる構成、すなわち、車両用駆動装置1が電動車両(電気自動車)用の駆動装置である構成とすることができる。
(9)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した車両用駆動装置の概要について説明する。
以下、上記において説明した車両用駆動装置の概要について説明する。
回転電機(20)を含む駆動力源(D)の駆動力を、車輪(8)に駆動連結される出力部材(7)に伝達する駆動伝達機構(50)と、前記回転電機(20)及び前記駆動伝達機構(50)を収容するケース(60)と、前記ケース(60)の内部と前記ケース(60)の外部とを連通させるブリーザ装置(10)と、を備えた車両用駆動装置(1)であって、前記駆動伝達機構(50)は、第1軸(A1)上に配置される駆動伝達部材(51)を備え、前記回転電機(20)は、前記第1軸(A1)よりも上方の第2軸(A2)上に配置され、前記駆動伝達部材(51)は、前記回転電機(20)に対して前記第2軸(A2)を基準とする軸方向(L)の一方側である軸方向第1側(L1)に配置される対象部分(51a)を有し、前記ブリーザ装置(10)のブリーザ室(13)が、前記ケース(60)の内部における、前記軸方向(L)に沿った軸方向(L)視で前記回転電機(20)と重複する位置であって、前記第1軸(A1)を基準とする径方向(R)に沿った径方向(R)視で前記対象部分(51a)と重複する位置に形成されている。
この構成によれば、ブリーザ室(13)を、一般に比較的大径の装置とされる回転電機(20)と軸方向(L)視で重複する位置に形成する。よって、車両用駆動装置(1)の大型化を抑制しつつ、ブリーザ室(13)を大きく確保し、ブリーザ孔(15)への油の流入を少なく抑えることが容易となっている。
また、回転電機(20)は、駆動伝達部材(51)が配置される第1軸(A1)よりも上方の第2軸(A2)に配置されるため、回転電機(20)と軸方向(L)視で重複する位置にブリーザ室(13)を形成することで、ブリーザ室(13)を、ケース(60)の内部における比較的上方の位置に形成することができる。よって、ブリーザ室(13)がケース(60)の内部における比較的油がかかり難い場所に配置されることになる。また、ブリーザ室(13)をこのような比較的上方の位置に形成することにより、ブリーザ室(13)とケース(60)の外部とを連通するブリーザ孔(15)を、車両が水溜まり等を走行した際に水が飛散し難い高さに形成することができ、例えばブリーザプラグ(14)の先端部をブリーザ孔(15)よりも上方に配置するためのブリーザホースやブリーザパイプが不要となる等、ブリーザ装置(10)を構成する部品点数を少なく抑えることが可能となる。
なお、このように回転電機(20)と軸方向(L)視で重複する位置にブリーザ室(13)を形成する場合、ブリーザ室(13)が回転電機(20)に対して軸方向(L)の一方側に配置されることで、回転電機(20)が配置される第2軸(A2)において装置が軸方向(L)に大型化し得る。この点に関し、上記の構成によれば、ブリーザ室(13)は、第1軸(A1)に配置される駆動伝達部材(51)の対象部分(51a)と径方向(R)視で重複する位置に形成されるため、これらが径方向(R)視で重複する分、車両用駆動装置(1)の軸方向(L)の大型化を抑制することができる。
以上より、上記の構成によれば、ブリーザ装置(10)の構成を簡略化しつつ、ブリーザ孔(15)への油の流入を少なく抑えることができる。
また、回転電機(20)は、駆動伝達部材(51)が配置される第1軸(A1)よりも上方の第2軸(A2)に配置されるため、回転電機(20)と軸方向(L)視で重複する位置にブリーザ室(13)を形成することで、ブリーザ室(13)を、ケース(60)の内部における比較的上方の位置に形成することができる。よって、ブリーザ室(13)がケース(60)の内部における比較的油がかかり難い場所に配置されることになる。また、ブリーザ室(13)をこのような比較的上方の位置に形成することにより、ブリーザ室(13)とケース(60)の外部とを連通するブリーザ孔(15)を、車両が水溜まり等を走行した際に水が飛散し難い高さに形成することができ、例えばブリーザプラグ(14)の先端部をブリーザ孔(15)よりも上方に配置するためのブリーザホースやブリーザパイプが不要となる等、ブリーザ装置(10)を構成する部品点数を少なく抑えることが可能となる。
なお、このように回転電機(20)と軸方向(L)視で重複する位置にブリーザ室(13)を形成する場合、ブリーザ室(13)が回転電機(20)に対して軸方向(L)の一方側に配置されることで、回転電機(20)が配置される第2軸(A2)において装置が軸方向(L)に大型化し得る。この点に関し、上記の構成によれば、ブリーザ室(13)は、第1軸(A1)に配置される駆動伝達部材(51)の対象部分(51a)と径方向(R)視で重複する位置に形成されるため、これらが径方向(R)視で重複する分、車両用駆動装置(1)の軸方向(L)の大型化を抑制することができる。
以上より、上記の構成によれば、ブリーザ装置(10)の構成を簡略化しつつ、ブリーザ孔(15)への油の流入を少なく抑えることができる。
ここで、前記ブリーザ室(13)の少なくとも一部が、前記第2軸(A2)よりも上方に形成されていると好適である。
この構成によれば、ブリーザ室(13)の全体が第2軸(A2)よりも下方に形成される場合に比べて、ブリーザ孔(15)を高い位置に形成しやすくなる。よって、ブリーザ孔(15)への油の流入を少なく抑え易くなると共に、外部からの水の流入を少なく抑えるための構成を簡略化することも容易となる。
上記のように前記ブリーザ室(13)の少なくとも一部が前記第2軸(A2)よりも上方に形成される構成において、前記ケース(60)における前記ブリーザ室(13)を囲む部分(65)に、ブリーザプラグ(14)が挿入されるブリーザ孔(15)が形成され、前記ブリーザ孔(15)は、前記ブリーザ室(13)における前記第2軸(A2)よりも上方に形成された部分と前記ケース(60)の外部とを連通するように形成されていると好適である。
この構成によれば、ブリーザ室(13)における第2軸(A2)よりも下方に形成された部分とケース(60)の外部とを連通するようにブリーザ孔(15)が形成される場合に比べて、ブリーザ室(13)に流入した油がブリーザ孔(15)の近傍に流動し難い構成とすることができる。なお、上述したように、本開示に係る車両用駆動装置(1)では、ブリーザ孔(15)を、車両が水溜まり等を走行した際に水が飛散し難い高さに形成することができるため、ブリーザ孔(15)に挿入されるブリーザプラグ(14)として、ブリーザホースやブリーザパイプのない比較的簡素な構造のもの(すなわち、部品点数の少ないもの)を用いることができる。
上記の各構成の車両用駆動装置(1)において、前記ケース(60)は、前記回転電機(20)に対して前記軸方向第1側(L1)に配置される壁部(64)を備え、前記ブリーザ室(13)は、前記軸方向第1側(L1)とは前記軸方向(L)の反対側である軸方向第2側(L2)に向かって開口する開口部(13a)を有するように、前記壁部(64)に形成され、前記開口部(13a)の少なくとも一部を前記軸方向第2側(L2)から覆うカバー部材(16)が、前記壁部(64)に取り付けられていると好適である。
この構成によれば、ケース(60)に設けられる壁部(64)を利用して、ブリーザ室(13)を形成することができる。そして、ブリーザ室(13)の開口部(13a)の少なくとも一部がカバー部材(16)により覆われるため、ケース(60)の内部におけるブリーザ室(13)の外側の空間(70)からブリーザ室(13)に油が流入することを、カバー部材(16)により抑制することができる。
上記のように前記カバー部材(16)が前記壁部(64)に取り付けられる構成において、前記ブリーザ装置(10)は、前記ケース(60)の内部における前記ブリーザ室(13)の外側の空間(70)と、前記ブリーザ室(13)と、をそれぞれ連通する第1連通孔(11)及び第2連通孔(12)を備え、前記第1連通孔(11)及び前記第2連通孔(12)のそれぞれは、前記カバー部材(16)に形成された孔部により、又は、前記カバー部材(16)と前記壁部(64)との隙間により形成され、前記第1連通孔(11)は、前記ブリーザ室(13)の底部(13b)に開口するように形成され、前記第2連通孔(12)は、前記第1連通孔(11)よりも上方に形成されていると好適である。
この構成によれば、ブリーザ室(13)に存在する油を、ブリーザ室(13)の底部(13b)に開口するように形成された第1連通孔(11)から、ケース(60)の内部におけるブリーザ室(13)の外側の空間(70)に排出することができる。よって、ブリーザ室(13)に油が流入した場合であっても、ブリーザ室(13)における油面が高くなることを抑制することができる。この結果、ブリーザ孔(15)の近傍に油が流動し難くしてブリーザ吹きの発生を抑制することができると共に、第2連通孔(12)の近傍に油が流動し難い構成としてブリーザ機能(ケース(60)の内部と外部との間の圧力差の低減機能)を適切に維持することができる。
上記の各構成の車両用駆動装置(1)において、前記ブリーザ室(13)は、前記回転電機(20)に対して前記軸方向第1側(L1)に隣接して配置され、前記ケース(60)の内部における前記ブリーザ室(13)よりも下方に、前記ブリーザ室(13)と前記回転電機(20)との隙間(G)に対して油が下方から流入することを規制する規制部(69)が設けられていると好適である。
この構成によれば、第1軸(A1)上に配置されている駆動伝達部材(51)等の、ブリーザ室(13)よりも下方に配置された回転部材の回転により飛散する油が、ブリーザ室(13)に流入し難い構成とすることができる。
上記のように前記ケース(60)の内部における前記ブリーザ室(13)よりも下方に前記規制部(69)が設けられ構成において、前記ケース(60)は、前記回転電機(20)に対して前記軸方向第1側(L1)に配置される壁部(64)を備え、前記ブリーザ室(13)は、前記壁部(64)に形成され、前記規制部(69)が、前記軸方向第1側(L1)とは前記軸方向(L)の反対側である軸方向第2側(L2)に向かって前記壁部(64)から突出する突出部(66)を含むと好適である。
この構成によれば、突出部(66)を、ブリーザ室(13)と回転電機(20)との隙間(G)に対して下方から流入しようとする油に対する防護壁として機能させることができるため、規制部(69)を適切に設けることができる。また、上記の構成によれば、ブリーザ室(13)が形成される壁部(64)を利用して規制部(69)を設けることができるため、規制部(69)を設けることによるコストの増大を抑制することもできる。
上記の各構成の車両用駆動装置(1)において、前記駆動伝達機構(50)は、変速機(4)と、前記変速機(4)と前記出力部材(7)との間の動力伝達経路に設けられるカウンタギヤ機構(5)と、を備え、前記駆動伝達部材(51)は、前記カウンタギヤ機構(5)又は当該カウンタギヤ機構(5)と一体的に回転する部材(9)であると好適である。
このように車両用駆動装置(1)がカウンタギヤ機構(5)を備え、駆動伝達部材(51)がカウンタギヤ機構(5)又はカウンタギヤ機構(5)と一体的に回転する部材である場合、カウンタギヤ機構(5)が配置される第1軸(A1)は、一般に、出力部材(7)が配置される軸(A3)よりも上方に配置される。そして、上述したように、回転電機(20)が配置される第2軸(A2)は、このような第1軸(A1)よりも上方に配置されるため、回転電機(20)は、ケース(60)の内部における比較的上方の位置に配置される。本開示に係る車両用駆動装置(1)では、このような回転電機(20)と軸方向(L)視で重複する位置にブリーザ室(13)が形成されるため、ブリーザ室(13)を、ケース(60)の内部における上方の位置に形成しやすい。
本開示に係る車両用駆動装置は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができれば良い。
1:車両用駆動装置
4:変速機
5:カウンタギヤ機構
7:出力部材
8:車輪
9:パーキングギヤ(カウンタギヤ機構と一体的に回転する部材)
10:ブリーザ装置
11:第1連通孔
12:第2連通孔
13:ブリーザ室
13a:開口部
13b:底部
14:ブリーザプラグ
15:ブリーザ孔
16:カバー部材
20:回転電機
50:駆動伝達機構
51:駆動伝達部材
51a:対象部分
60:ケース
64:壁部
65:包囲部(ブリーザ室を囲む部分)
66:突出部
69:規制部
70:内部空間(ケースの内部におけるブリーザ室の外側の空間)
A1:第1軸
A2:第2軸
D:駆動力源
G:隙間
L:軸方向
L1:軸方向第1側
L2:軸方向第2側
R:径方向
4:変速機
5:カウンタギヤ機構
7:出力部材
8:車輪
9:パーキングギヤ(カウンタギヤ機構と一体的に回転する部材)
10:ブリーザ装置
11:第1連通孔
12:第2連通孔
13:ブリーザ室
13a:開口部
13b:底部
14:ブリーザプラグ
15:ブリーザ孔
16:カバー部材
20:回転電機
50:駆動伝達機構
51:駆動伝達部材
51a:対象部分
60:ケース
64:壁部
65:包囲部(ブリーザ室を囲む部分)
66:突出部
69:規制部
70:内部空間(ケースの内部におけるブリーザ室の外側の空間)
A1:第1軸
A2:第2軸
D:駆動力源
G:隙間
L:軸方向
L1:軸方向第1側
L2:軸方向第2側
R:径方向
Claims (8)
- 回転電機を含む駆動力源の駆動力を、車輪に駆動連結される出力部材に伝達する駆動伝達機構と、前記回転電機及び前記駆動伝達機構を収容するケースと、前記ケースの内部と前記ケースの外部とを連通させるブリーザ装置と、を備えた車両用駆動装置であって、
前記駆動伝達機構は、第1軸上に配置される駆動伝達部材を備え、
前記回転電機は、前記第1軸よりも上方の第2軸上に配置され、
前記駆動伝達部材は、前記回転電機に対して前記第2軸を基準とする軸方向の一方側である軸方向第1側に配置される対象部分を有し、
前記ブリーザ装置のブリーザ室が、前記ケースの内部における、前記軸方向に沿った軸方向視で前記回転電機と重複する位置であって、前記第1軸を基準とする径方向に沿った径方向視で前記対象部分と重複する位置に形成されている、車両用駆動装置。 - 前記ブリーザ室の少なくとも一部が、前記第2軸よりも上方に形成されている、請求項1に記載の車両用駆動装置。
- 前記ケースにおける前記ブリーザ室を囲む部分に、ブリーザプラグが挿入されるブリーザ孔が形成され、
前記ブリーザ孔は、前記ブリーザ室における前記第2軸よりも上方に形成された部分と前記ケースの外部とを連通するように形成されている、請求項2に記載の車両用駆動装置。 - 前記ケースは、前記回転電機に対して前記軸方向第1側に配置される壁部を備え、
前記ブリーザ室は、前記軸方向第1側とは前記軸方向の反対側である軸方向第2側に向かって開口する開口部を有するように、前記壁部に形成され、
前記開口部の少なくとも一部を前記軸方向第2側から覆うカバー部材が、前記壁部に取り付けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。 - 前記ブリーザ装置は、前記ケースの内部における前記ブリーザ室の外側の空間と、前記ブリーザ室と、をそれぞれ連通する第1連通孔及び第2連通孔を備え、
前記第1連通孔及び前記第2連通孔のそれぞれは、前記カバー部材に形成された孔部により、又は、前記カバー部材と前記壁部との隙間により形成され、
前記第1連通孔は、前記ブリーザ室の底部に開口するように形成され、
前記第2連通孔は、前記第1連通孔よりも上方に形成されている、請求項4に記載の車両用駆動装置。 - 前記ブリーザ室は、前記回転電機に対して前記軸方向第1側に隣接して配置され、
前記ケースの内部における前記ブリーザ室よりも下方に、前記ブリーザ室と前記回転電機との隙間に対して油が下方から流入することを規制する規制部が設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。 - 前記ケースは、前記回転電機に対して前記軸方向第1側に配置される壁部を備え、
前記ブリーザ室は、前記壁部に形成され、
前記規制部が、前記軸方向第1側とは前記軸方向の反対側である軸方向第2側に向かって前記壁部から突出する突出部を含む、請求項6に記載の車両用駆動装置。 - 前記駆動伝達機構は、変速機と、前記変速機と前記出力部材との間の動力伝達経路に設けられるカウンタギヤ機構と、を備え、
前記駆動伝達部材は、前記カウンタギヤ機構又は当該カウンタギヤ機構と一体的に回転する部材である、請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018064658A JP2019173923A (ja) | 2018-03-29 | 2018-03-29 | 車両用駆動装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018064658A JP2019173923A (ja) | 2018-03-29 | 2018-03-29 | 車両用駆動装置 |
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JP2019173923A true JP2019173923A (ja) | 2019-10-10 |
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JP2018064658A Pending JP2019173923A (ja) | 2018-03-29 | 2018-03-29 | 車両用駆動装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR3116793A1 (fr) * | 2020-11-27 | 2022-06-03 | Valeo Embrayages | Boîtier pour dispositif de changement de vitesse pour engin de mobilité |
KR20230002917A (ko) | 2020-11-02 | 2023-01-05 | 니뽄 다바코 산교 가부시키가이샤 | 생체 조직을 위한 측정 장치, 흡인 장치, 생체 조직을 위한 측정 방법, 및 프로그램 |
-
2018
- 2018-03-29 JP JP2018064658A patent/JP2019173923A/ja active Pending
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