JP2010065781A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010065781A
JP2010065781A JP2008233686A JP2008233686A JP2010065781A JP 2010065781 A JP2010065781 A JP 2010065781A JP 2008233686 A JP2008233686 A JP 2008233686A JP 2008233686 A JP2008233686 A JP 2008233686A JP 2010065781 A JP2010065781 A JP 2010065781A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
lubricating oil
shaft
output shaft
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008233686A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kitahata
剛 北畑
毅 ▲桑▼原
Takeshi Kuwahara
Maki Endo
真紀 遠藤
Hiroyuki Shioiri
広行 塩入
Hirotaka Yada
裕貴 矢田
Sunao Takabayashi
直生 高林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008233686A priority Critical patent/JP2010065781A/ja
Publication of JP2010065781A publication Critical patent/JP2010065781A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】各ギヤにより下方から上方のタンクへと段階的に潤滑油を送る際の効率を向上できる動力伝達装置を提供すること。
【解決手段】出力軸ギヤ39と、出力軸ギヤの上方で、かつ、出力軸ギヤとは軸方向の異なる位置に配置された伝達軸ギヤ35と、潤滑油の貯留部29が形成されたケース4とを備える動力伝達装置100であって、伝達軸34の上方に配置され、出力軸ギヤおよび伝達軸ギヤに向かう開口部52を有する第一タンク30と、第一タンクの上方に配置され、回転する伝達軸ギヤにより第一タンクから送られた潤滑油を貯留する第二タンクとを備える。開口部は、軸方向における出力軸ギヤと対応する領域に形成され、かつ、回転する出力軸ギヤにより貯留部から送り出された潤滑油が流入する流入部50と、軸方向における伝達軸ギヤと対応する領域に形成され、かつ、潤滑油が伝達軸ギヤに向けて流出する流出部51とを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、動力伝達装置に関し、特に、駆動源からの動力を車両の駆動輪に伝達する出力軸に一体回転可能に連結された出力軸ギヤと、出力軸よりも鉛直方向上方に配置され、駆動源からの動力が伝達される伝達軸と、伝達軸に一体回転可能に連結され、かつ、出力軸ギヤとは軸方向の異なる位置に配置された伝達軸ギヤと、出力軸および伝達軸を収容し、かつ、出力軸よりも鉛直方向下方に潤滑油を貯留する貯留部が形成されたケースとを備える動力伝達装置に関する。
動力伝達装置のケース内に貯留された潤滑油をギヤの回転により鉛直方向上方に送る技術が知られている。例えば、特許文献1には、入力軸に設けられた潤滑油掻き上げ用ギアと、作動装置のファイナルギアと中間軸の第2ギアとの噛み合い部から中間軸に設けられたパーキングギア側に掻き上げられる潤滑油を捕集する第1潤滑油溜めと、第1潤滑油溜めからパーキングギアにより掻き上げられた潤滑油を捕集する第2潤滑油溜めとを備え、第2潤滑油溜めから潤滑油掻き上げ用ギアにより掻き上げられた潤滑油を入力軸に導く動力伝達装置の潤滑構造が開示されている。
特開2003−130190号公報
上記特許文献1のように、複数のギヤと、潤滑油のタンクとしての複数の潤滑油溜めとを備え、回転する各ギヤにより鉛直方向下方のタンクから鉛直方向上方のタンクへと段階的に潤滑油を送る場合の効率を向上できることが望まれている。
本発明の目的は、複数のギヤと、複数のタンクとを備え、回転する各ギヤにより鉛直方向下方のタンクから鉛直方向上方のタンクへと段階的に潤滑油が送られる動力伝達装置において、潤滑油を送る効率を向上できる動力伝達装置を提供することである。
本発明の動力伝達装置は、駆動源からの動力を車両の駆動輪に伝達する出力軸に一体回転可能に連結された出力軸ギヤと、前記出力軸よりも鉛直方向上方に配置され、前記駆動源からの前記動力が伝達される伝達軸と、前記伝達軸に一体回転可能に連結され、かつ、前記出力軸ギヤとは軸方向の異なる位置に配置された伝達軸ギヤと、前記出力軸および前記伝達軸を収容し、かつ、前記出力軸よりも鉛直方向下方に潤滑油を貯留する貯留部が形成されたケースとを備える動力伝達装置であって、前記ケース内における前記伝達軸よりも鉛直方向上方に配置され、前記潤滑油を貯留する容器であって、前記出力軸ギヤおよび前記伝達軸ギヤに向けて開口する開口部を有する第一タンクと、前記ケース内における前記第一タンクよりも鉛直方向上方に配置され、回転する前記伝達軸ギヤにより前記第一タンクから送られた前記潤滑油を貯留する第二タンクとを備え、前記第二タンクに貯留された前記潤滑油は、前記第一タンクよりも鉛直方向上方に配置された装置に供給され、前記開口部は、軸方向における前記出力軸ギヤの配置領域と対応する領域に形成され、かつ、回転する前記出力軸ギヤにより前記貯留部から送り出された前記潤滑油が流入する流入部と、軸方向における前記伝達軸ギヤの配置領域と対応する領域に形成され、かつ、前記第一タンクに貯留された前記潤滑油が前記伝達軸ギヤに向けて流出する流出部とを有することを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記流入部の鉛直方向の下端が、前記流出部の鉛直方向の下端と比較して、鉛直方向上方の位置にあることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記出力軸ギヤにより前記貯留部から送り出された前記潤滑油の流れを前記第一タンクへ向かう方向に誘導する誘導手段を備えることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、前記伝達軸における前記出力軸ギヤと径方向に対向する位置において前記伝達軸に一体回転可能に連結され、かつ、前記出力軸ギヤと噛合う伝達軸第二ギヤを備え、前記駆動源からの前記動力は、前記伝達軸ギヤから前記伝達軸および前記伝達軸第二ギヤを介して前記出力軸に伝達され、前記開口部は、前記伝達軸を挟んで前記出力軸側と反対側に配置されていることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置において、更に、前記ケース内における前記伝達軸よりも鉛直方向上方に配置され、かつ、回転電機のロータが一体回転可能に連結された回転電機軸を備え、前記回転電機は、前記回転電機軸を介して前記伝達軸ギヤとの間で前記動力を伝達し、前記第一タンクよりも鉛直方向上方に配置された装置とは、前記回転電機であることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置は、ケース内における伝達軸よりも鉛直方向上方に配置され、潤滑油を貯留する容器であって、出力軸ギヤおよび伝達軸ギヤに向けて開口する開口部を有する第一タンクと、ケース内における第一タンクよりも鉛直方向上方に配置され、回転する伝達軸ギヤにより第一タンクから送られた潤滑油を貯留する第二タンクとを備える。第二タンクに貯留された潤滑油は、第一タンクよりも鉛直方向上方に配置された装置に供給される。第一タンクの開口部は、軸方向における出力軸ギヤの配置領域と対応する領域に形成され、かつ、回転する出力軸ギヤにより貯留部から送り出された潤滑油が流入する流入部と、軸方向における伝達軸ギヤの配置領域と対応する領域に形成され、かつ、第一タンクに貯留された潤滑油が伝達軸ギヤに向けて流出する流出部とを有する。このように、開口部において潤滑油が流入する領域と、流出する領域とが軸方向において重ならないようにされていることで、潤滑油を送る効率を向上させることができる。
以下、本発明の動力伝達装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図3を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、駆動源からの動力を車両の駆動輪に伝達する出力軸に一体回転可能に連結された出力軸ギヤと、出力軸よりも鉛直方向上方に配置され、駆動源からの動力が伝達される伝達軸と、伝達軸に一体回転可能に連結され、かつ、出力軸ギヤとは軸方向の異なる位置に配置された伝達軸ギヤと、出力軸および伝達軸を収容し、かつ、出力軸よりも鉛直方向下方に潤滑油を貯留する貯留部が形成されたケースとを備える動力伝達装置に関する。
図1は、本実施形態に係る動力伝達装置を示すスケルトン図、図2は、本実施形態の動力伝達装置の平面図、図3は、本実施形態の動力伝達装置の側面図であり、図2のB方向から見た側面図を示す。
本実施形態の動力伝達装置(図2の符号100参照)では、モータジェネレータ(図2の6,9参照)が複軸に配置されている。走行時に、ファイナルリングギヤ(図2の符号39参照)の回転によるエネルギーにより潤滑油を掻き揚げ、第一オイルキャッチタンク(図2の符号30参照)に潤滑油を貯蓄する。その潤滑油をカウンタドリブンギヤ(図2の符号35参照)に誘導し、カウンタドリブンギヤ35の回転によるエネルギーにより第二オイルキャッチタンク(図2の符号31参照)に潤滑油を掻き揚げ、第二オイルキャッチタンク31から供給する潤滑油により第2のモータジェネレータ9を冷却する。これにより、モータジェネレータ6,9が複軸に配置された動力伝達装置において、上部に配置された第2のモータジェネレータ9にオイルポンプを用いることなく潤滑油を送ることができ、低コストで冷却することができる。
さらに、第一オイルキャッチタンク30は、第二オイルキャッチタンク31に潤滑油を送る効率を向上させることが可能に構成されている。第一オイルキャッチタンク30の開口部(図3の符号50,51参照)には、段差が設けられている。ファイナルリングギヤ39により送り出された潤滑油が流入する第一開口部50の鉛直方向の下端50aは、潤滑油が流出する第二開口部51の鉛直方向の下端51aと比較して、鉛直方向上方に位置している。このように段差が設けられていることで、第一オイルキャッチタンク30内の潤滑油の流れが整流され、効率よく第二オイルキャッチタンク31に潤滑油を送ることができる。
図1は、この発明の一実施形態が適用されたFF(フロントエンジンフロントドライブ;エンジン前置き前輪駆動)形式のハイブリッド車の動力伝達装置100を示すスケルトン図である。図1において、1はエンジン(駆動源)であり、このエンジン1としては内燃機関、具体的にはガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジンまたはメタノールエンジンまたは水素エンジンなどを用いることができる。
この実施形態においては、便宜上、エンジン1としてガソリンエンジンを用いた場合について説明する。エンジン1は、燃料の燃焼によりクランクシャフト2から動力を出力する装置であって、吸気装置、排気装置、燃料噴射装置、点火装置、冷却装置などを備えた公知のものである。クランクシャフト2は車両の幅方向に、かつ、水平に配置され、クランクシャフト2の後端部にはフライホイール3が形成されている。
エンジン1の外壁には、中空のトランスアクスルケース(ケース)4が取り付けられている。トランスアクスルケース4は、エンジン側ハウジング70と、エクステンションハウジング71と、エンドカバー72とを有している。これらエンジン側ハウジング70およびエクステンションハウジング71およびエンドカバー72は、アルミニウムなどの金属材料を成形加工したもの(ダイカスト部品)である。また、エンジン側ハウジング70の一方の開口端73とエンジン1とが接触した状態で、エンジン1とエンジン側ハウジング70とが相互に固定されている。
また、エンジン側ハウジング70とエンドカバー72との間に、エクステンションハウジング71が配置されている。さらに、エンジン側ハウジング70の他方の開口端74と、エクステンションハウジング71の一方の開口端75とが接触した状態で、エンジン側ハウジング70とエクステンションハウジング71とが相互に固定されている。さらにまた、エクステンションハウジング71の他方の開口端76を塞ぐようにエンドカバー72が取り付けられて、エンドカバー72とエクステンションハウジング71とが相互に固定されている。
トランスアクスルケース4の内部G1には、インプットシャフト(入力軸)5、第1のモータジェネレータ6、動力合成機構7、変速機構8、第2のモータジェネレータ(回転電機)9が設けられている。インプットシャフト5はクランクシャフト2と同心状に配置されている。インプットシャフト5におけるクランクシャフト2側の端部には、クラッチハブ10がスプライン嵌合されている。
トランスアクスルケース4内には、フライホイール3とインプットシャフト5との動力伝達状態を制御するクラッチ11が設けられている。また、フライホイール3とインプットシャフト5との間におけるトルク変動を抑制・吸収するダンパ機構12が設けられている。第1のモータジェネレータ6は、インプットシャフト5の外側に配置され、第2のモータジェネレータ9は、第1のモータジェネレータ6よりもエンジン1から遠い位置に配置されている。
すなわち、エンジン1と第2のモータジェネレータ9との間に第1のモータジェネレータ6が配置されている。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9は、電力の供給により駆動する電動機としての機能(力行機能)と、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9としては、例えば、交流同期型のモータジェネレータを用いることができる。第1のモータジェネレータ6および第2のモータジェネレータ9に電力を供給する電力供給装置としては、バッテリ、キャパシタなどの蓄電装置、あるいは公知の燃料電池などを用いることができる。
第1のモータジェネレータ6の配置位置および第1のモータジェネレータ6の構成を具体的に説明する。エンジン側ハウジング70の内面には、エンジン1側に向けて延ばされ、ついで、インプットシャフト5側に向けて延ばされた隔壁77が形成されている。さらに、隔壁77に対してケースカバー78が固定されている。このケースカバー78は、エンジン1から離れる方向に延ばされ、ついで、インプットシャフト5側に向けて延ばされた形状を有している。そして、隔壁77とケースカバー78とにより取り囲まれた空間G2に、第1のモータジェネレータ6が配置されている。第1のモータジェネレータ6は、トランスアクスルケース4側に固定されたステータ13と、回転自在なロータ14とを有している。ステータ13は、隔壁77に固定された鉄心15と、鉄心15に巻かれたコイル16とを有している。
ステータ13およびロータ14は、所定肉厚の電磁鋼板を、その厚さ方向に複数枚を積層して構成したものである。なお、複数の電磁鋼板は、インプットシャフト5の軸線方向に積層されている。そして、インプットシャフト5の軸線方向における第1のモータジェネレータ6のコイル16の両端間が、インプットシャフト5の軸線方向における第1のモータジェネレータ6の配置領域L1である。一方、インプットシャフト5の外周には、中空シャフト17が取り付けられている。そして、インプットシャフト5と中空シャフト17とが相対回転可能に構成されている。ロータ14は、中空シャフト17の外周側に連結されている。
また、動力合成機構(言い換えれば動力分配機構)7は、第1のモータジェネレータ6と第2のモータジェネレータ9との間に設けられている。動力合成機構7は、いわゆるシングルピニオン形式の遊星歯車機構7Aと、後述するカウンタドライブギヤ23およびカウンタドリブンギヤ35とを有している。すなわち、遊星歯車機構7Aは、サンギヤ18と、サンギヤ18と同心状に配置されたリングギヤ19と、サンギヤ18およびリングギヤ19に係合するピニオンギヤ20を保持したキャリヤ21とを有している。そして、サンギヤ18と中空シャフト17とが連結され、キャリヤ21とインプットシャフト5とが連結されている。なお、リングギヤ19は、インプットシャフト5と同心状に配置された環状部材(言い換えれば円筒部材)22と連結されており、この環状部材22の外周側にはカウンタドライブギヤ23が形成されている。
第2のモータジェネレータ9は、カウンタドライブギヤ23よりもエンジン1から遠い位置に設けられている。第2のモータジェネレータ9のロータ26がMGシャフト(回転電機軸)45の外周に連結されており、MGシャフト45は車両の幅方向にほぼ水平に配置されている。このMGシャフト45とインプットシャフト5および中空シャフト17とが非同心状に配置されている。
すなわち、インプットシャフト5は、MGシャフト45と平行に配置されている。MGシャフト45における軸方向の一方側(エンジン1側)の端部を含む軸方向の一部の領域45tと、インプットシャフト5における軸方向の他方側(エンドカバー72側)の端部を含む軸方向の一部の領域5tとが径方向に互いに対向している。
第2のモータジェネレータ9の配置位置および第2のモータジェネレータ9の構成を具体的に説明する。エクステンションハウジング71の内面には、MGシャフト45側に向けて延ばされた隔壁79が形成されている。隔壁79は、ギヤ46の側面と対向している。そして、エクステンションハウジング71と隔壁79とエンドカバー72とにより取り囲まれた空間G3に、第2のモータジェネレータ9が配置されている。
第2のモータジェネレータ9は、トランスアクスルケース4に固定されたステータ25と、回転自在なロータ26とを有している。ステータ25は、鉄心27と、鉄心27に巻かれたコイル28とを有している。ステータ25およびロータ26は、所定肉厚の電磁鋼板を、その厚さ方向に複数枚を積層して構成したものである。なお、複数の電磁鋼板は、MGシャフト45の軸線方向に積層されている。そして、MGシャフト45の軸線方向における第2のモータジェネレータ9のコイル28の両端間が、MGシャフト45の軸線方向における第2のモータジェネレータ9の配置領域L2に相当する。
上記のように、第1のモータジェネレータ6と第2のモータジェネレータ9とは、MGシャフト45およびインプットシャフト5ならびに中空シャフト17の軸線方向において異なる位置に配置されている。より具体的には、軸線方向において、第1のモータジェネレータ6の配置領域L1と、第2のモータジェネレータ9の配置領域L2とが、重ならないように、各モータジェネレータの配置位置が設定されている。また、第1のモータジェネレータ6の回転中心(中心軸線)と、第2のモータジェネレータ9の回転中心(中心軸線)とが各シャフトの半径方向に位置ずれしている。
前記トランスアクスルケース4の内部には、インプットシャフト5と平行なカウンタシャフト(伝達軸)34が設けられている。カウンタシャフト34には、カウンタドリブンギヤ(伝達軸ギヤ)35と、カウンタドリブンギヤ35よりも小径のファイナルドライブピニオンギヤ(伝達軸第二ギヤ)36が形成されている。ファイナルドライブピニオンギヤ36は、カウンタシャフト34における後述するファイナルリングギヤ39と径方向に対向する位置に設けられている。カウンタドリブンギヤ35、および、ファイナルドライブピニオンギヤ36は、それぞれカウンタシャフト34に一体回転可能に連結されている。そして、カウンタドライブギヤ23とカウンタドリブンギヤ35とが係合されている。
MGシャフト45における動力合成機構7側の端部にはギヤ46が形成(連結)されている。ギヤ46は、はすば歯車であり、カウンタドリブンギヤ35と噛み合って(係合して)いる。カウンタドリブンギヤ35とギヤ46とは、ギヤ46からカウンタドリブンギヤ35に動力が伝達される場合の変速比が“1”より大きくなるように構成されている。これらのギヤ46およびカウンタドリブンギヤ35により、変速機構8が構成されている。第2のモータジェネレータ9の動力がMGシャフト45を介してギヤ46に伝達されると、ギヤ46の回転速度が減速されてカウンタドリブンギヤ35に伝達される。すなわち、第2のモータジェネレータ9のトルクが増幅されてカウンタドリブンギヤ35に伝達される。カウンタドライブギヤ23を介して伝達されるエンジン1の動力と、ギヤ46を介して伝達される第2のモータジェネレータ9の動力とが、カウンタドリブンギヤ35で合成されてカウンタシャフト34に伝達される。
さらに、トランスアクスルケース4の内部にはデファレンシャル37が設けられており、デファレンシャル37は、デフケース38の外周側に形成されたファイナルリングギヤ(出力軸ギヤ)39と、デフケース38に対してピニオンシャフト40を介して取り付けられた連結された複数のピニオンギヤ41と、複数のピニオンギヤ41に係合されたサイドギヤ42と、サイドギヤ42に連結された2本のフロントドライブシャフト(出力軸)43とを有している。ファイナルリングギヤ39は、フロントドライブシャフト43に一体回転可能に連結され、かつ、ファイナルドライブピニオンギヤ36と径方向に互いに対向している。ファイナルリングギヤ39は、ファイナルドライブピニオンギヤ36と噛合っており、ファイナルドライブピニオンギヤ36との間で動力を伝達する。カウンタドリブンギヤ35は、ファイナルドライブピニオンギヤ36、およびファイナルリングギヤ39とは軸方向の異なる位置に配置されている。フロントドライブシャフト43は、インプットシャフト5と平行である。各フロントドライブシャフト43には前輪(駆動輪)44が連結されている。このように、トランスアクスルケース4の内部に、変速機構8およびデファレンシャル37を一括して組み込んだ、いわゆるトランスアクスルを構成している。
上記のように構成されたハイブリッド車においては、車速およびアクセル開度などの条件に基づいて、前輪44に伝達するべき要求トルクが算出され、その算出結果に基づいて、エンジン1、クラッチ11、第1のモータジェネレータ6、第2のモータジェネレータ9が制御される。エンジン1から出力されるトルクを前輪44に伝達する場合は、クラッチ11が係合される。すると、クランクシャフト2の動力(言い換えればトルク)がインプットシャフト5を介してキャリヤ21に伝達される。
キャリヤ21に伝達されたトルクは、リングギヤ19、環状部材22、カウンタドライブギヤ23、カウンタドリブンギヤ35、カウンタシャフト34、ファイナルドライブピニオンギヤ36、デファレンシャル37を介して前輪44に伝達され、駆動力が発生する。また、エンジン1のトルクをキャリヤ21に伝達する際に、第1のモータジェネレータ6を発電機として機能させ、発生した電力を蓄電装置(図示せず)に充電することもできる。
さらに、第2のモータジェネレータ9を電動機として駆動させ、その動力をカウンタドリブンギヤ35に伝達することができる。第2のモータジェネレータ9の動力がMGシャフト45を介してギヤ46に伝達されると、ギヤ46の回転速度が減速されてカウンタドリブンギヤ35に伝達される。すなわち、第2のモータジェネレータ9のトルクが増幅されて動力合成機構7に伝達される。このようにして、エンジン1の動力および第2のモータジェネレータ9の動力が動力合成機構7に入力されて合成され、合成された動力が前輪44に伝達される。つまり、動力合成機構7は、エンジン1の動力、あるいは、第2のモータジェネレータ9の動力のうち少なくともいずれか一方を前輪44に伝達する。
次に、動力伝達装置100における各軸の配置について説明する。図2は、本実施形態の動力伝達装置100の各軸の配置を示す平面図である。図2には、エンジン1側から見た動力伝達装置100の平面図が示されている。
まず、図2を参照して各軸の回転方向について説明する。各軸5,45,43,34の回転方向は、図2に矢印A3からA6でそれぞれ示した方向である。インプットシャフト5の回転方向は、図2において時計方向(矢印A3)である。これに対応して、MGシャフト45およびフロントドライブシャフト43は、それぞれ時計方向(矢印A4,A5)に回転する。一方、カウンタシャフト34は、反時計方向(矢印A6)に回転する。つまり、フロントドライブシャフト43は、中心軸線C5の下方(中心軸線C5よりも後述する貯留部29側の領域)において図2の左方向に回転し、カウンタシャフト34は、中心軸線C6の下方(中心軸線C6よりも貯留部29側の領域)において図2の右方向に回転する。言い換えると、フロントドライブシャフト43の回転方向とカウンタシャフト34の回転方向とが、それぞれの中心軸線よりも下方の領域(貯留部29側の領域)で互いに離間する方向である。なお、図示の回転方向は、車両の前進時のものである。また、本実施形態の説明における上下方向とは、特にことわりのない限り、車両に搭載された状態における上下方向(鉛直方向)を意味している。
本実施形態では、第1のモータジェネレータ6の回転中心であるインプットシャフト5の中心軸線C3と、第2のモータジェネレータ9の回転中心であるMGシャフト45の中心軸線C4とが異なる複軸式のギヤトレーンとされることで、トランスアクスルの全長(軸方向の長さ)が短縮されている。また、各軸の配置における自由度が増し、車両搭載性が向上する。
動力伝達装置100内において、図2に示すように、MGシャフト45を上方に配置することが検討されている。具体的には、MGシャフト45の中心軸線C4は、カウンタシャフト34の中心軸線C6よりも上方に位置している。また、カウンタシャフト34の中心軸線C6は、フロントドライブシャフト43の中心軸線C5よりも上方に位置している。インプットシャフト5の中心軸線C3は、カウンタシャフト34の中心軸線C6の側方に位置している。また、車両の前後方向において、カウンタシャフト34を挟んで、フロントドライブシャフト43およびMGシャフト45と、インプットシャフト5とは、異なる側に配置されている。本実施形態では、フロントドライブシャフト43およびMGシャフト45は、カウンタシャフト34よりも車両後方側(図2の左側)に、インプットシャフト5は、カウンタシャフト34よりも車両前方側(図2の右側)に、それぞれ配置されている。このように、MGシャフト45がトランスアクスルケース4内の上部に配置されることで、各軸をコンパクトに配置することが可能となる。
また、動力伝達装置100内の各部を潤滑・冷却する潤滑油をギヤの回転により動力伝達装置100内の上部に送ることが検討されている。トランスアクスルケース4内には、潤滑油を貯留する貯留部29が形成されている。貯留部29は、トランスアクスルケース4内におけるフロントドライブシャフト43よりも鉛直方向下方に形成されており、トランスアクスルケース4の底部4aと、トランスアクスルケース4においてファイナルリングギヤ39の側面と対向する内壁面(図3の符号4c参照)とにより構成されている。貯留部29に貯留された潤滑油を回転するファイナルリングギヤ39により上方に送り出して(掻き揚げて)、掻き揚げられた潤滑油を動力伝達装置100の各部に供給することにより、従来の伝達装置で用いられていたオイルポンプが不要となる。これにより、低コスト化できるメリットがある。
ここで、本実施形態の動力伝達装置100のように、第2のモータジェネレータ9の回転軸であるMGシャフト45がトランスアクスルケース4内の比較的高い位置に配置されている場合、ファイナルリングギヤ39による掻き揚げ方式では、第2のモータジェネレータ9に十分な量の潤滑油を供給できなくなる虞がある。たとえば、第2のモータジェネレータ9と同様の高さ位置に、第2のモータジェネレータ9へ供給するための潤滑油を受けるオイルキャッチタンクを設けたとしても、ファイナルリングギヤ39により掻き揚げられた潤滑油がオイルキャッチタンクへ到達し難く、潤滑油を溜めることができないことがある。
そこで、本実施形態では、複数のギヤにより段階的に鉛直方向上方のオイルキャッチタンクへと潤滑油が送られる。図2に示すように、トランスアクスルケース4内には、鉛直方向において互いに異なる位置に配置された2つのオイルキャッチタンク30,31が設けられている。第二オイルキャッチタンク31は、第一オイルキャッチタンク30よりも鉛直方向上方に配置されている。具体的には、第一オイルキャッチタンク30は、鉛直方向において、カウンタシャフト34の中心軸線C6よりも上方で、かつ、MGシャフト45の中心軸線C4よりも下方に配置されている。第一オイルキャッチタンク30は、カウンタシャフト34よりも車両前方側、言い換えると、カウンタシャフト34を挟んでフロントドライブシャフト43側と反対側の位置に配置されている。また、インプットシャフト5の鉛直方向上方の位置に設けられている。すなわち、第一オイルキャッチタンク30は、回転するファイナルリングギヤ39により貯留部29から送り出された潤滑油が到達可能で、かつ、貯留された潤滑油を第1のモータジェネレータ6やインプットシャフト5に供給可能な位置に配置されている。
第一オイルキャッチタンク30は、鉛直方向上方に向けて開口した容器であり、底部30aは、車両の前後方向に沿って形成されている。言い換えると、第一オイルキャッチタンク30の底部30aは、鉛直方向と交差しており、例えば、車両に搭載された状態でほぼ水平となるように形成されている。図3に示すように、底部30aの軸方向の両端部は、それぞれトランスアクスルケース4においてファイナルリングギヤ39の側面と対向する内壁面4cに接続されている。つまり、第一オイルキャッチタンク30の軸方向の両側面は、トランスアクスルケース4で構成されている。第一オイルキャッチタンク30の車両後方側(ファイナルリングギヤ39側)の端部には、側壁部32が形成されている。側壁部32は、底部30aから鉛直方向上方に向けて突出している。側壁部32は、カウンタドリブンギヤ35の外周部に近接している。
第二オイルキャッチタンク31は、カウンタシャフト34よりも車両後方側にあり、かつ、MGシャフト45の中心軸線C4の鉛直方向上方に配置されている。すなわち、第二オイルキャッチタンク31は、回転するカウンタドリブンギヤ35により送られる潤滑油が到達可能で、かつ、貯留された潤滑油を第2のモータジェネレータ9やMGシャフト45に供給可能な位置に配置されている。
車両の走行時(前進時)には、回転するファイナルリングギヤ39により、矢印Y1に示すように貯留部29から潤滑油が送り出される。送り出された潤滑油は、破線矢印Y2に示すように、MGシャフト45とファイナルドライブピニオンギヤ36との間の空間部を通り、ファイナルリングギヤ39およびカウンタドリブンギヤ35に向けて開口する開口部52を介して第一オイルキャッチタンク30へ流入する。第一オイルキャッチタンク30に流入し、貯留された潤滑油は、第1のモータジェネレータ6やインプットシャフト5へ供給され、各部を潤滑・冷却する。また、第一オイルキャッチタンク30に貯留された潤滑油は、矢印Y3に示すように、開口部52によりカウンタドリブンギヤ35に誘導される。
カウンタドリブンギヤ35に付着した潤滑油は、カウンタドリブンギヤ35の回転によるエネルギーにより、第一オイルキャッチタンク30よりも鉛直方向上方に掻き揚げられる。言い換えると、カウンタドリブンギヤ35に付着した潤滑油は、カウンタドリブンギヤ35の回転によりエネルギーを与えられ、矢印Y4に示すように、カウンタドリブンギヤ35から離れてカウンタドリブンギヤ35および第一オイルキャッチタンク30よりも鉛直方向上方に進む。
第二オイルキャッチタンク31は、こうしてカウンタドリブンギヤ35に送られて進む潤滑油の進路に設けられている。このため、カウンタドリブンギヤ35により送られた潤滑油は、第二オイルキャッチタンク31に到達し、第二オイルキャッチタンク31に貯留される。第二オイルキャッチタンク31に貯留された潤滑油は、第2のモータジェネレータ9やMGシャフト45へ供給され、各部を潤滑・冷却する。このように、複数のオイルキャッチタンク30,31を設け、ギヤ39,35の回転により段階的に鉛直方向上方のオイルキャッチタンクへ潤滑油を送る方法とすることで、ポンプを用いることなく、低コストで第2のモータジェネレータ9に潤滑油を供給することができる。よって、各部に潤滑油を導くための構造を小さくすることができる。例えば、動力伝達装置100の各部に潤滑油を供給するためのオイルポンプを設ける場合と比較して、トランスアクスルの小型化が可能となる。
ここで、第一オイルキャッチタンク30からカウンタドリブンギヤ35へ向けて流出する潤滑油の流れ方向(矢印Y3)は、第一オイルキャッチタンク30へ流入する潤滑油の流れ方向(矢印Y2)と反対方向である。このため、第一オイルキャッチタンク30へ流入する潤滑油の流れと第一オイルキャッチタンク30から流出しようとする潤滑油の流れとがぶつかり合い、第二オイルキャッチタンク31へ潤滑油を送る効率が低下してしまう虞がある。そこで、第一オイルキャッチタンク30には、第一オイルキャッチタンク30内の潤滑油の流れを整え、第二オイルキャッチタンク31へ潤滑油を送る効率を向上させる整流手段が設けられている。
図3は、図2のB方向から見た側面図、すなわち、車両後方側から見た動力伝達装置100の側面図である。
図3に示すように、側壁部32には、段差が形成されている。具体的には、側壁部32において、ファイナルリングギヤ39の外周部と対向する領域R1では、カウンタドリブンギヤ35の外周部と対向する領域R2と比較して、上端部32aが鉛直方向上方に位置している。これに対応して、第一オイルキャッチタンク30には、流入部としての第一開口部50、および、流出部としての第二開口部51が形成されている。第一開口部50は、開口部52において、ファイナルリングギヤ39の外周部と対向する領域R1に対応する部分である。一方、第二開口部51は、開口部52において、カウンタドリブンギヤ35の外周部と対向する領域R2に対応する部分である。本実施形態では、カウンタドリブンギヤ35の外周部と対向する領域R2には、側壁部32は形成されていない。すなわち、カウンタドリブンギヤ35の外周部と対向する領域R2において、側壁部32の鉛直方向の高さは、0である。
第一開口部50および第二開口部51は、ファイナルリングギヤ39およびカウンタドリブンギヤ35に向けて開口する開口部52のそれぞれ一部を構成している。第一開口部50と第二開口部51とは、互いに異なる領域であり、軸方向における配置領域が互いに異なっている。第一開口部50とは、開口部52のうち、ファイナルリングギヤ39の外周部と対向する部分であり、第二開口部51とは、開口部52のうち、カウンタドリブンギヤ35の外周部と対向する部分である。言い換えると、軸方向において、第一開口部50の配置領域は、ファイナルリングギヤ39の配置領域に対応しており、第二開口部51の配置領域は、カウンタドリブンギヤ35の配置領域に対応している。さらに言い換えると、軸方向において、第一開口部50は、第二開口部51よりもファイナルリングギヤ39側に位置し、第二開口部51は、第一開口部50よりもカウンタドリブンギヤ35側に位置している。
第一開口部50における鉛直方向の上端は、トランスアクスルケース4の上部内壁部4bであり、鉛直方向の下端50aは、側壁部32の上端部32aである。一方、第二開口部51における鉛直方向の上端は、トランスアクスルケース4の上部内壁部4bであり、鉛直方向の下端51aは、第一オイルキャッチタンク30の底部30aである。つまり、第一開口部50の鉛直方向の下端50aは、第二開口部51の鉛直方向の下端51aと比較して、鉛直方向上方の位置にある。これにより、ファイナルリングギヤ39から第一オイルキャッチタンク30およびカウンタドリブンギヤ35を経て第二オイルキャッチタンク31に潤滑油を送る効率を向上させることができる。
例えば、第一オイルキャッチタンク30の開口部52において、第一開口部50の下端50aと、第二開口部51の下端51aとが鉛直方向において同じ位置にある場合、開口部52の軸方向の全領域において潤滑油が流出しようとする。すなわち、軸方向におけるカウンタドリブンギヤ35配置領域に対応する第二開口部51からだけでなく、軸方向におけるファイナルリングギヤ39の配置領域に対応する第一開口部50からも潤滑油が第一オイルキャッチタンク30の外部へ流出しようとする。このため、ファイナルリングギヤ39に送り出されて第一開口部50から第一オイルキャッチタンク30に流入する潤滑油(矢印Y5参照)が、第一開口部50から流出しようとする潤滑油の流れとぶつかり合うこととなる。また、第一開口部50から潤滑油が流出してしまうと、その潤滑油は、カウンタドリブンギヤ35とは軸方向の異なる領域を通るため、カウンタドリブンギヤ35に到達することなく下方に流下してしまう。これにより、潤滑油を第二オイルキャッチタンク31に送る効率が低下していた。
これに対して、本実施形態によれば、第一オイルキャッチタンク30に貯留された潤滑油を、矢印Y6に示すように、第二開口部51から優先的に流出させることができる。例えば、側壁部32の上端部32aに設けられる段差の大きさ、すなわち、ファイナルリングギヤ39の外周部と対向する領域R1における上端部32aの鉛直方向位置と、カウンタドリブンギヤ35の外周部と対向する領域R2における上端部32aの鉛直方向位置との差の大きさを調節することにより、第二開口部51からのみ潤滑油が流出し、第一開口部50からは潤滑油を流出させないようにすることができる。これにより、第一オイルキャッチタンク30内の潤滑油の流れが整流される。
第一開口部50からの潤滑油の流出が抑制されることにより、第一開口部50から第一オイルキャッチタンク30に流入する潤滑油(矢印Y5参照)が、第一オイルキャッチタンク30内の潤滑油の流れとぶつかり合うことが抑制される。第一開口部50から第一オイルキャッチタンク30に流入した潤滑油は、矢印Y7に示すように、第一オイルキャッチタンク30内において、ファイナルドライブピニオンギヤ36からカウンタドリブンギヤ35へ向かう方向に流れ、第二開口部51からカウンタドリブンギヤ35に向けて流出する。このように第一オイルキャッチタンク30内の潤滑油の流れが整流されることで、ファイナルリングギヤ39から第一オイルキャッチタンク30およびカウンタドリブンギヤ35を経て第二オイルキャッチタンク31に潤滑油を送る効率を向上させることができる。
また、第一開口部50から第一オイルキャッチタンク30の外部に潤滑油が流出してしまうことが抑制されることで、第一オイルキャッチタンク30に貯留されたもののカウンタドリブンギヤ35に到達することなく流下してしまう潤滑油の量を低減することができる。すなわち、第一オイルキャッチタンク30内に貯留された潤滑油を無駄に流下させてしまうことなく、効率よくカウンタドリブンギヤ35に導くことができる。その結果、第二オイルキャッチタンク31に潤滑油を送る効率を向上させることができる。
なお、本実施形態では、開口部52においてファイナルリングギヤ39の外周部と対向する部分(第一開口部50)の鉛直方向の下端50aが、カウンタドリブンギヤ35の外周部と対向する部分(第二開口部51)の鉛直方向の下端51aと比較して鉛直方向上方の位置となるように、側壁部32に段差が設けられていたが、側壁部32の形状はこれには限定されない。例えば、第一開口部50の鉛直方向の下端50aが、第二開口部51の鉛直方向の下端51aと比較して鉛直方向上方の位置となるように、側壁部32の上端部32aに軸方向の傾斜を設けるようにしてもよい。言い換えると、側壁部32の上端部32aに、軸方向においてファイナルドライブピニオンギヤ36側からカウンタドリブンギヤ35側へ向かうほど鉛直方向の位置が下方となる傾斜を設けるようにしてもよい。
また、側壁部32の上端部32aに段差が設けられていなくとも、第一開口部50よりも第二開口部51から優先して潤滑油を流出させるような整流手段が第一オイルキャッチタンク30に設けられていればよい。
また、本実施形態では、第一開口部50および第二開口部51は、それぞれ一つの開口部52の一部を構成していたが、第一開口部50と第二開口部51とが互いに独立したものであってもよい。すなわち、第一オイルキャッチタンク30において、潤滑油を貯留する部分を共有し、かつ、互いに独立した2つの開口部が設けられている場合であっても、本実施形態を適用可能である。2つの開口部のうち、軸方向におけるファイナルリングギヤ39の配置領域と対応する領域に形成された開口部が潤滑油の流入部となり、軸方向におけるカウンタドリブンギヤ35の配置領域と対応する領域に形成された開口部が、潤滑油の流出部となっていればよい。この場合に、2つの開口部のうち、軸方向におけるファイナルリングギヤ39の配置領域と対応する領域に形成された開口部の鉛直方向の下端が、軸方向におけるカウンタドリブンギヤ35の配置領域と対応する領域に形成された開口部の鉛直方向の下端と比較して、鉛直方向上方の位置にあることが好ましい。
また、本実施形態では、第一オイルキャッチタンク30から第二オイルキャッチタンク31へ潤滑油を送るギヤが、カウンタドリブンギヤ35であったが、第一オイルキャッチタンク30から第二オイルキャッチタンク31へ潤滑油を送るギヤは、これには限定されない。フロントドライブシャフト43よりも鉛直方向上方に設けられ、かつ、軸方向においてファイナルリングギヤ39と異なる位置に配置されたギヤであれば、第一オイルキャッチタンク30から第二オイルキャッチタンク31へ潤滑油を送るギヤとして用いることができる。
(第2実施形態)
図4を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図4は、本実施形態の動力伝達装置110の平面図である。図4に示す本実施形態の動力伝達装置110が図2に示す上記第1実施形態の動力伝達装置100と異なる点は、ファイナルリングギヤ39により貯留部29から送り出された潤滑油の流れを第一オイルキャッチタンク30へ向かう方向に誘導する誘導手段としてのリブ55が設けられていることである。リブ55により潤滑油の流れが誘導されることにより、第一オイルキャッチタンク30へ向かう方向と異なる方向に潤滑油が飛散することを抑制することができる。これにより、ファイナルリングギヤ39から第一オイルキャッチタンク30およびカウンタドリブンギヤ35を経て第二オイルキャッチタンク31に潤滑油を送る効率を向上させることができる。
図4に示すように、トランスアクスルケース4内におけるファイナルリングギヤ39の鉛直方向上方の位置には、リブ55が設けられている。リブ55は、板状の部材であり、ファイナルリングギヤ39の側面と対向するトランスアクスルケース4の内壁面(図3の符号4c参照)に設けられている。リブ55は、例えば、トランスアクスルケース4と一体に形成され、トランスアクスルケース4の内壁面から軸方向に突出する突出部であることができる。
リブ55における軸方向と直交する方向の両端部55a,55bのうち、一方側の端部55aは、トランスアクスルケース4の内壁面のうち、ファイナルリングギヤ39の外周部と対向する内壁面4dに接続されている。リブ55は、車両前方側の部分が車両後方側の部分と比較して鉛直方向上方に位置するように傾斜している。言い換えると、リブ55は、トランスアクスルケース4の内壁面4dに接続された側の端部55aと比較して、他方の端部55bが鉛直方向上方に位置するように傾斜している。リブ55の傾斜は、リブ55に沿って流れる潤滑油の進む方向が、第一オイルキャッチタンク30へ向かう方向となるように設定されている。言い換えると、リブ55の傾斜は、ファイナルリングギヤ39により貯留部29から送り出された潤滑油の流れを第一オイルキャッチタンク30へ向かう方向に誘導することができるように設定されている。本実施形態では、リブ55は、潤滑油がMGシャフト45のギヤ46とファイナルドライブピニオンギヤ36との間の空間部を通って第一オイルキャッチタンク30へ向けて進むことができるように設けられている。
回転するファイナルリングギヤ39により貯留部29から送り出された潤滑油が、リブ55に到達すると、矢印Y1,Y2に示すように、リブ55に沿ってリブ55の傾斜する方向、すなわち、第一オイルキャッチタンク30へ向かう方向に進む。ファイナルリングギヤ39に送り出されたものの第一オイルキャッチタンク30へ向かう方向とは異なる方向、例えば、リブ55よりも鉛直方向上方の空間に向けて進もうとする潤滑油がある場合、その潤滑油はリブ55により第一オイルキャッチタンク30へ向かう方向に誘導される。よって、第一オイルキャッチタンク30へ向かう方向とは異なる方向へ進む潤滑油の量を低減させることができる。例えば、ファイナルリングギヤ39に送り出された潤滑油がMGシャフト45のギヤ46に衝突することを抑制することができる。よって、第一オイルキャッチタンク30へ潤滑油を送る効率を向上させることができる。
リブ55が設けられていない場合、ファイナルリングギヤ39に送り出される潤滑油が様々な方向に飛散するため、第一オイルキャッチタンク30に到達せずに落下してくる潤滑油により、第一オイルキャッチタンク30へ向けて進む潤滑油の流れが妨げられてしまうことがある。本実施形態のリブ55によれば、リブ55により潤滑油の流れが第一オイルキャッチタンク30へ向かう方向に誘導されるため、潤滑油が様々な方向へ飛散してしまうことが抑制される。よって、第一オイルキャッチタンク30へ向かう潤滑油の流れが、飛散した潤滑油により妨げられてしまうことを抑制できる。また、第一オイルキャッチタンク30へ向けて進む潤滑油の流れに対して、鉛直方向上方から落下してくる潤滑油があったとしても、リブ55により落下してくる潤滑油を受け、第一オイルキャッチタンク30へ向かう潤滑油の流れに影響を与えない位置に排出することができる。
本発明の動力伝達装置の第1実施形態に係る装置を示すスケルトン図である。 本発明の動力伝達装置の第1実施形態の各軸の配置を示す平面図である。 本発明の動力伝達装置の第1実施形態の車両後方側から見た側面図である。 本発明の動力伝達装置の第2実施形態に係る装置の平面図である。
符号の説明
1 エンジン
4 トランスアクスルケース
5 インプットシャフト
6 第1のモータジェネレータ
7 動力合成機構
7A 遊星歯車機構
8 変速機構
9 第2のモータジェネレータ
13 ステータ
14 ロータ
18 サンギヤ
19 リングギヤ
20 ピニオンギヤ
21 キャリヤ
22 環状部材
23 カウンタドライブギヤ
25 ステータ
26 ロータ
29 貯留部
30 第一オイルキャッチタンク
31 第二オイルキャッチタンク
32 側壁部
34 カウンタシャフト
35 カウンタドリブンギヤ
36 ファイナルドライブピニオンギヤ
39 ファイナルリングギヤ
40 ピニオンシャフト
41 ピニオンギヤ
42 サイドギヤ
43 フロントドライブシャフト
44 前輪
45 MGシャフト
46 ギヤ
50 第一開口部
50a 鉛直方向の下端
51 第二開口部
51a 鉛直方向の下端
52 開口部
70 エンジン側ハウジング
71 エクステンションハウジング
72 エンドカバー
79 隔壁
100 動力伝達装置
C3 インプットシャフトの中心軸線
C4 MGシャフトの中心軸線
C5 フロントドライブシャフトの中心軸線
C6 カウンタシャフトの中心軸線
R1 ファイナルリングギヤの外周部と対向する領域
R2 カウンタドリブンギヤの外周部と対向する領域

Claims (5)

  1. 駆動源からの動力を車両の駆動輪に伝達する出力軸に一体回転可能に連結された出力軸ギヤと、
    前記出力軸よりも鉛直方向上方に配置され、前記駆動源からの前記動力が伝達される伝達軸と、
    前記伝達軸に一体回転可能に連結され、かつ、前記出力軸ギヤとは軸方向の異なる位置に配置された伝達軸ギヤと、
    前記出力軸および前記伝達軸を収容し、かつ、前記出力軸よりも鉛直方向下方に潤滑油を貯留する貯留部が形成されたケースとを備える動力伝達装置であって、
    前記ケース内における前記伝達軸よりも鉛直方向上方に配置され、前記潤滑油を貯留する容器であって、前記出力軸ギヤおよび前記伝達軸ギヤに向けて開口する開口部を有する第一タンクと、
    前記ケース内における前記第一タンクよりも鉛直方向上方に配置され、回転する前記伝達軸ギヤにより前記第一タンクから送られた前記潤滑油を貯留する第二タンクとを備え、
    前記第二タンクに貯留された前記潤滑油は、前記第一タンクよりも鉛直方向上方に配置された装置に供給され、
    前記開口部は、軸方向における前記出力軸ギヤの配置領域と対応する領域に形成され、かつ、回転する前記出力軸ギヤにより前記貯留部から送り出された前記潤滑油が流入する流入部と、軸方向における前記伝達軸ギヤの配置領域と対応する領域に形成され、かつ、前記第一タンクに貯留された前記潤滑油が前記伝達軸ギヤに向けて流出する流出部とを有する
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の動力伝達装置において、
    前記流入部の鉛直方向の下端が、前記流出部の鉛直方向の下端と比較して、鉛直方向上方の位置にある
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1または2に記載の動力伝達装置において、
    前記出力軸ギヤにより前記貯留部から送り出された前記潤滑油の流れを前記第一タンクへ向かう方向に誘導する誘導手段を備える
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、
    前記伝達軸における前記出力軸ギヤと径方向に対向する位置において前記伝達軸に一体回転可能に連結され、かつ、前記出力軸ギヤと噛合う伝達軸第二ギヤを備え、
    前記駆動源からの前記動力は、前記伝達軸ギヤから前記伝達軸および前記伝達軸第二ギヤを介して前記出力軸に伝達され、
    前記開口部は、前記伝達軸を挟んで前記出力軸側と反対側に配置されている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、
    更に、前記ケース内における前記伝達軸よりも鉛直方向上方に配置され、かつ、回転電機のロータが一体回転可能に連結された回転電機軸を備え、
    前記回転電機は、前記回転電機軸を介して前記伝達軸ギヤとの間で前記動力を伝達し、
    前記第一タンクよりも鉛直方向上方に配置された装置とは、前記回転電機である
    ことを特徴とする動力伝達装置。
JP2008233686A 2008-09-11 2008-09-11 動力伝達装置 Pending JP2010065781A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008233686A JP2010065781A (ja) 2008-09-11 2008-09-11 動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008233686A JP2010065781A (ja) 2008-09-11 2008-09-11 動力伝達装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010065781A true JP2010065781A (ja) 2010-03-25

Family

ID=42191526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008233686A Pending JP2010065781A (ja) 2008-09-11 2008-09-11 動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010065781A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019054381A1 (ja) * 2017-09-12 2019-03-21 Ntn株式会社 車両駆動装置
JP2019142312A (ja) * 2018-02-19 2019-08-29 Ntn株式会社 車両駆動装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019054381A1 (ja) * 2017-09-12 2019-03-21 Ntn株式会社 車両駆動装置
JP2019142312A (ja) * 2018-02-19 2019-08-29 Ntn株式会社 車両駆動装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5239814B2 (ja) 回転電機の潤滑油供給装置
JP5062040B2 (ja) 動力伝達装置
JP5370587B2 (ja) 動力伝達装置のパーキングロック機構
JP5092926B2 (ja) 動力伝達装置
JP5218007B2 (ja) 動力伝達装置
JP4683140B2 (ja) 車両駆動装置の発熱部冷却構造
JP4039351B2 (ja) 車両用のオイル供給装置
JP5163486B2 (ja) 動力伝達装置
EP3560743B1 (en) Vehicle drive device
CN103328244A (zh) 车辆驱动装置
JP2005083491A (ja) キャッチタンク
JP2012060785A (ja) 車両用駆動装置の冷却構造
JP5200747B2 (ja) 回転電機の潤滑油供給装置
JP5141374B2 (ja) 動力伝達装置
JP4821804B2 (ja) パーキングポール、パーキング装置、及びハイブリッド車両
JP2009136070A (ja) ステータ冷却構造
JP2012017825A (ja) 駆動装置
CN213892154U (zh) 马达单元
EP3296133B1 (en) Power transmitting device and power outputting device with same
JP5083110B2 (ja) 動力伝達装置
JP2012035757A (ja) パーキング装置
CN111936336A (zh) 马达单元
JP5527240B2 (ja) 動力伝達システムの潤滑装置
JP2010065781A (ja) 動力伝達装置
JP5504897B2 (ja) 潤滑装置