JP2009271390A - 液晶表示装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】横電界モードにおいて信号ON/OFFによる液晶分子の配向変化の応答緩和時間が短縮される液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置2は、第1電極34及び第2電極42が設けられた第1基板10と、第1基板10と対向する第2基板12と、第1基板10と第2基板12との間に挟持され、第1電極34と第2電極42との間に生じる電界によって駆動される液晶層16と、第1基板10の液晶層16側の面に設けられた第1配向膜68と、第2基板12の液晶層16側の面に設けられた第2配向膜60と、を有し、第1配向膜68のアンカリングエネルギーは、第2配向膜60のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている。
【選択図】図3

Description

本発明は、液晶表示装置及び電子機器に関するものである。
従来、液晶表示装置において、2つの対向基板上の配向膜は、製造工程を簡略化するため、同じ材料、同じ配向処理を施しているため、それぞれのアンカリングエネルギーは略同じであった。しかしながら例えば横電界モードの液晶表示装置の駆動原理を考えると、駆動ON時に面内に対向電極を有する基板上では液晶分子が最大約90゜回転するのに対し、電極を有しない基板上では液晶分子はほとんど回転していないことから、例えば、対向基板上の配向膜のアンカリングエネルギーが素子基板上の配向膜のアンカリングエネルギーよりも小さい構成とすることにより、横電界モードの液晶表示装置の駆動を最適化している(例えば、特許文献1参照)。或いは、上下配向膜の液晶分子配向能力に差を与えることにより、縦電界モードの液晶表示装置の駆動を最適化している(例えば、特許文献2参照)。
又、横電界モードの液晶表示装置では、信号ON/OFFによる液晶分子の配向変化がアンカリングエネルギーに依存している。アンカリングエネルギーの低下(上昇)に伴い、信号ONの応答緩和時間tON(tOFF)は短縮し、信号OFFの応答緩和時間tOFF(tON)は長くなる。式(1)は横電界モード液晶における信号ONの応答緩和時間tONを、式(2)は信号OFFの応答緩和時間tOFFを示している。
ON=γ1/(ε0×|Δε|×E2−π2×K2/d2) …(1)
OFF=(γ1×d2)/(π2×K2) …(2)
γ1:粘度、Δε:誘電率異方性、d:セル厚、K2:弾性定数、E:電界強度、ε0:真空の誘電率。
セル厚dの拡大に伴い、バルクの液晶分子に対するアンカリングエネルギーの寄与は低下している。従って、信号ONの応答緩和時間tONは短縮され、信号OFFの応答緩和時間tOFFは長くなる。セル厚dの調整によって応答緩和時間(tON+tOFF)は短縮できる。
特開2001−108995号公報 特開2004−86116号公報
しかしながら、セル厚の調整によって応答緩和時間(tON+tOFF)は短縮できるが、セル厚dの変化によって透過率やコントラストが低下してしまうおそれがある。又、特許文献1では信号OFFの応答緩和時間が低下してしまうおそれがある。更に、特許文献2では縦電界モードであり横電界モードの液晶表示装置に適合しない。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]第1電極及び第2電極が設けられた第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に挟持され、前記第1電極と前記第2電極との間に生じる電界によって駆動される液晶層と、前記第1基板の前記液晶層側の面に設けられた第1配向膜と、前記第2基板の前記液晶層側の面に設けられた第2配向膜と、を有し、前記第1配向膜のアンカリングエネルギーは、前記第2配向膜のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしていることを特徴とする液晶表示装置。
これによれば、横電界モードの液晶表示装置において、第1配向膜のアンカリングエネルギーが第2配向膜のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている。これにより、第1電極及び第2電極が設けられた第1基板側に近い液晶分子でも動きやすいように、第1配向膜のアンカリングエネルギーの最適化がはかられ、液晶層の透過率やコントラストを損なうことなく、信号ON/OFFによる液晶分子の配向変化の応答緩和時間が短縮される液晶表示装置を提供する。
[適用例2]上記液晶表示装置であって、前記第1配向膜の構成材料と、前記第2配向膜の構成材料とが異なることを特徴とする液晶表示装置。
これによれば、アンカリングエネルギーの最適化を配向膜を構成する材料を異ならせることで行える。しかもアンカリングエネルギーの制御を再現性よくできる。
[適用例3]上記液晶表示装置であって、前記第1配向膜の配向処理プロセスと、前記第2配向膜の配向処理プロセスとが異なることを特徴とする液晶表示装置。
これによれば、アンカリングエネルギーの最適化を配向膜の配向処理プロセスを異ならせることで行える。しかもアンカリングエネルギーの制御を再現性よくできる。
[適用例4]上記液晶表示装置であって、前記第1配向膜の前記液晶層側の面の表面粗さと、前記第2配向膜の前記液晶層側の面の表面粗さとが異なることを特徴とする液晶表示装置。
これによれば、アンカリングエネルギーの最適化を配向膜の液晶層側の面の表面粗さを異ならせることで行える。しかもアンカリングエネルギーの制御を再現性よくできる。
[適用例5]第1電極及び第2電極が設けられた第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に挟持され、前記第1電極と前記第2電極との間に生じる電界によって駆動される液晶層と、反射表示を行う反射表示領域と透過表示を行う透過表示領域とを備える画素と、前記反射表示領域において前記第2基板の前記液晶層側に設けられ、前記反射表示領域における前記液晶層の厚さが前記透過表示領域における前記液晶層の厚さよりも薄くしている機能性樹脂膜と、前記第1基板の前記液晶層側の面に設けられ、前記反射表示領域及び前記透過表示領域を含む領域に形成された第1配向膜と、前記第2基板の前記液晶層側の面に設けられ、前記反射表示領域及び前記透過表示領域を含む領域に形成された第2配向膜と、を有し、前記第1配向膜の前記反射表示領域のアンカリングエネルギーは、前記第1配向膜の前記透過表示領域のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしていることを特徴とする液晶表示装置。
これによれば、マルチギャップ構造を備えた半透過型横電界モードの液晶表示装置において、第1配向膜の反射表示領域のアンカリングエネルギーが第1配向膜の透過表示領域のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている。これにより、液晶層の薄い反射表示領域において、第1電極及び第2電極が設けられた第1基板側に近い液晶分子でも動きやすいように、第1配向膜のアンカリングエネルギーの最適化がはかられ、液晶層の透過率やコントラストを損なうことなく、セル厚の異なる反射表示領域及び透過表示領域の信号ON/OFFによる液晶分子の配向変化の応答緩和時間が短縮される液晶表示装置を提供する。
[適用例6]上記液晶表示装置であって、前記第1配向膜の前記反射表示領域の前記アンカリングエネルギーは、前記第2配向膜の前記反射表示領域のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たし、前記第1配向膜の前記透過表示領域の前記アンカリングエネルギーは、前記第2配向膜の前記透過表示領域のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしていることを特徴とする液晶表示装置。
これによれば、第1配向膜の反射表示領域のアンカリングエネルギーが第2配向膜の反射表示領域のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たし、及び第1配向膜の透過表示領域のアンカリングエネルギーが第2配向膜の透過表示領域のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている。これにより、第1電極及び第2電極が設けられた第1基板側に近い液晶分子でも動きやすいように、反射表示領域における第1配向膜のアンカリングエネルギーの最適化、及び透過表示領域における第1配向膜のアンカリングエネルギーの最適化がそれぞれ独立してはかられ、液晶層の透過率やコントラストを損なうことなく、セル厚の異なる反射表示領域及び透過表示領域の信号ON/OFFによる液晶分子の配向変化の応答緩和時間が短縮される。
[適用例7]上記液晶表示装置であって、前記アンカリングエネルギーは、方位角アンカリングエネルギーであることを特徴とする液晶表示装置。
これによれば、方位角アンカリングエネルギーの寄与する横電界モードを最適化できる。
[適用例8]上記に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
これによれば、上記液晶表示装置を搭載しているので、横電界モードにおいて信号ON/OFFによる液晶分子の配向変化の応答緩和時間が短縮された高速応答表示が可能な電子機器が提供できる。
以下、実施形態について図面を参照して説明する。尚、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。更に本実施形態では、画像表示の最小単位を「サブ画素」と呼び、各色カラーフィルタを備えた複数のサブ画素の集合を「画素」と呼ぶこととする。又、アンカリングエネルギーとは、液晶分子がどの程度配向膜に束縛されているかを表す尺度であって、配向膜の液晶分子に対するアンカリングエネルギーを意味する。アンカリングエネルギーを説明するためのモデル図を図8に示す。電極付き基板200上に配向膜202(Sはラビング配向処理方向)が形成されており、この配向膜202と液晶分子206との吸着強度を示すものである。アンカリングエネルギーには2種類あり、方位角方向のアンカリングエネルギー208と極角方向のアンカリングエネルギー210とに分けることができる。特に、方位角方向のアンカリングエネルギー208が弱いと基板面内で液晶分子の配向の秩序が低下し、均一な液晶分子配向を得ることができない。
(第1の実施形態)
先ず、本実施形態の液晶表示装置について、図1〜図4を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す図である。同図(A)は概略平面図、同図(B)は同図(A)のI−I'線で切った概略断面図である。
図1(A)及び(B)に示すように、本実施形態の液晶表示装置2は、対向する一対の基板の一方の基板としての素子基板(第1基板)10及び他方の基板としての対向基板(第2基板)12を備えている。対向基板12は、所定の位置で一回り大きいサイズの素子基板10とシール材14を介して接合されている。
シール材14を介した素子基板10と対向基板12との隙間(ギャップ)に、正の誘電異方性を有する液晶が充填され液晶層16を構成している。即ち、素子基板10と対向基板12とにより液晶層16を挟持している。対向基板12と素子基板10との間隔は柱状のスペーサ18(図3参照)によって保持されている。尚、液晶層16は誘電率異法性が正負のいずれの液晶材料を用いてもよい。
シール材14の外側は、周辺回路領域であり、素子基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路20及び外部回路と接続するための複数の実装端子22とが設けられている。又、素子基板10のX軸方向において対向する他の二辺に沿って、それぞれ走査線駆動回路24が設けられている。素子基板10の残る一辺に沿って、2つの走査線駆動回路24を接続する複数の配線26が設けられている。
シール材14の内側には、X軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配列した複数の画素を有している。1つの画素は3色のカラーフィルタ28r(赤)、28g(緑)、28b(青)に対応した3つのサブ画素から構成されている。3色のカラーフィルタ28r,28g,28bは、同色のカラーフィルタがY軸方向に連続するように対向基板12側に形成されている。又、素子基板10側にはサブ画素SG(図2参照)毎に、これを駆動制御するスイッチング素子としての複数のTFT(Thin Film Transistor)素子30が設けられている。即ち、液晶表示装置2はストライプ方式のカラーフィルタ28を備え、カラー表示を可能としたアクティブ型の表示装置である。
本実施形態では、実際に表示に寄与する複数の画素の領域を表示領域Eとし、シール材14と表示領域Eとの間に、見切り領域32が設けられている。見切り領域32には遮光性材料からなる遮光膜が設けられており、液晶表示装置2を電子機器に取付ける際に、表示領域Eの位置を規定する目安となっている。
このような液晶表示装置2はLED等を光源とした照明装置により照明される。より詳細な液晶表示装置2の構造については後述する。
図2は本実施形態に係る液晶表示装置の等価回路を示す図である。液晶表示装置2の表示領域E(図1参照)には、図2に示すように、複数のサブ画素領域が平面視マトリクス状に配列されている。各々のサブ画素SG領域に対応して、画素電極(第1電極)34と、画素電極34をスイッチング制御するTFT素子30とが設けられている。表示領域Eには又、複数のデータ線36と走査線38とが格子状に延びて形成されている。即ち、サブ画素SG領域は、データ線36及び走査線38によって囲まれた領域に対応している。
TFT素子30のソースにデータ線36が電気的に接続されており、ゲートには走査線38が電気的に接続されている。TFT素子30のドレインは画素電極34と電気的に接続されている。データ線36はデータ線駆動回路20に接続されており、データ線駆動回路20から供給される画像信号S1、S2、…、Snを各サブ画素SG領域に供給する。走査線38は走査線駆動回路24に接続されており、走査線駆動回路24から供給される走査信号G1、G2、…、Gmを各サブ画素SG領域に供給する。データ線駆動回路20からデータ線36に供給される画像信号S1〜Snは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣接する複数のデータ線36同士に対してグループ毎に供給してもよい。走査線駆動回路24は、走査線38に対して、走査信号G1〜Gmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
液晶表示装置2は、スイッチング素子であるTFT素子30が走査信号G1〜Gmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線36から供給される画像信号S1〜Snが所定のタイミングで画素電極34に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極34を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1〜Snは、画素電極34と液晶層16を介して対向配置された後述する共通電極(第2電極)42(図3参照)との間で一定期間保持される。液晶層16は、画素電極34と共通電極42との間に生じる横電界によって駆動される。共通配線39は、サブ画素SG毎に配置された各共通電極42(図3参照)を行毎に電気的に接続した配線である。
図3は本実施形態に係る画素の構造の概略平面を示す図である。尚、図3では図面を見易くするために画素電極より上層の図示を省略している。液晶表示装置2は複数の画素(画素領域)を有する。液晶表示装置2の1つの画素は、3色(R,G,B)のカラーフィルタ28r,28g,28bに対応する3つのサブ画素SGにより構成されている。各サブ画素SGには、図3に示すように、複数のスリット(隙間)40が略梯子状に形成された矩形の画素電極34が設けられている。画素電極34の外周を取り囲むようにして、走査線38と複数のデータ線36とが配置されている。走査線38とデータ線36との交差部近傍にTFT素子30が形成されており、TFT素子30はデータ線36及び画素電極34と電気的に接続されている。又、画素電極34と平面視で略重なる位置に矩形状の共通電極42が形成されている。
画素電極34はITO(Indium Tin Oxide)等の光透過性を有する導電材料からなる導電膜である。1つのサブ画素SGの画素電極34に複数本のスリット40が形成されている。各スリット40は、データ線36と交差する方向(図中斜め方向)に延びて、Y軸方向において等間隔に配列するように形成されている。各スリット40は略同一の幅に形成され、互いに平行である。これにより、画素電極34は、複数本の帯状電極部34aを有することになる。スリット40が一定の幅を有して等間隔で配列していることから、帯状電極部34aも一定の幅を有して等間隔で配列している。
共通電極42は、ITO等の光透過性を有する導電材料からなる平面視矩形状である。
TFT素子30は、走査線38上に部分的に形成された島状のアモルファスシリコン膜からなる半導体層44と、データ線36を分岐して半導体層44上に延出されたソース電極46と、半導体層44上から画素電極34の形成領域に延びる矩形状のドレイン電極48とを備えている。走査線38は、半導体層44と対向する位置でTFT素子30のゲート電極として機能する。ドレイン電極48と画素電極34とは、両者が平面的に重なる位置に形成されたコンタクトホール50を介して電気的に接続されている。
スペーサ18は、柱状で対向基板12と素子基板10との間隔を保持している。
図4を参照して、液晶表示装置2の構造を更に詳しく説明する。図4は本実施形態に係る液晶表示装置の構造の概略断面を示す図である。詳しくは、図4は図3のIV−IV'線で切った断面図である。
図4に示すように、液晶表示装置2は、画素電極34を有する素子基板10と、カラーフィルタ28を有する対向基板12とにより、液晶層16を挟持している。液晶表示装置2は、液晶層16を挟持して対向する素子基板10及び対向基板12と、素子基板10の外側(液晶層16と反対側)に配置された偏光板52と、対向基板12の外側(液晶層16と反対側)に配置された導電層54、位相差層56、及び偏光板58と、対向基板12の内側(液晶層16側)に配置されたカラーフィルタ28及び第2配向膜60と、偏光板52の外側に設けられて素子基板10の外面側から照明光を照射する照明装置(図示せず)とを備えて構成されている。
素子基板10及び対向基板12としては光透過性を有し、真空プロセスに使用できるものであれば特に限定されるものではなく、その屈折率は通常1.45〜1.65の範囲である。かかる光透過性を有する基板としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)等のプラスチックからなる合成樹脂基板やガラス板等が挙げられる。
素子基板10上には、走査線38が形成されている。この走査線38を覆って、シリコン酸化物膜等からなる絶縁薄膜62が形成されている。絶縁薄膜62上には、島状の半導体層44と、半導体層44と一部が重なるようにドレイン電極48が形成されている。これらの半導体層44及びドレイン電極48を覆って、シリコン酸化物膜や樹脂膜からなる第1層間絶縁膜64が形成されている。第1層間絶縁膜64上には共通電極42が形成され、この共通電極42を覆って、シリコン酸化物膜や樹脂膜からなる第2層間絶縁膜66が形成されている。第2層間絶縁膜66上には画素電極34が形成され、第2層間絶縁膜66及び第1層間絶縁膜64を貫通してドレイン電極48に達するコンタクトホール50を介して、画素電極34とドレイン電極48とが電気的に接続されている。
画素電極34を覆って、ポリイミド等からなる第1配向膜68が形成されている。第1配向膜68は、ラビング処理等の配向処理を施されて液晶分子を所定方向に配向させるようになっている。第1配向膜68による配向規制方向S(図3参照)は、本実施形態では、データ線36の延在方向と平行であり、画素電極34のスリット40の延在方向とは交差する方向である。
対向基板12上には、液晶層16側に向かってカラーフィルタ28(28b,28g,28r)と、第2配向膜60とが順に形成されている。
カラーフィルタ28は、例えば各色の着色材料を含む感光性樹脂材料を対向基板12に塗布して、これをフォトリソグラフィ法により露光・現像することにより形成することができる。塗布方法としてはスピンコートやスリットコート等の方法を用いることができる。
カラーフィルタ28を覆って、ポリイミド等からなる第2配向膜60が形成されている。第2配向膜60は、ラビング処理等の配向処理を施されて液晶分子を所定方向に配向させるようになっている。第2配向膜60による配向規制方向S(図3参照)は、本実施形態では、データ線36の延在方向と平行であり、画素電極34のスリット40の延在方向とは交差する方向である。
第1配向膜68のアンカリングエネルギーは、第2配向膜60のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている。アンカリングエネルギーは、方位角アンカリングエネルギーである。これによれば、方位角アンカリングエネルギーの寄与する横電界モードを最適化できる。
第1配向膜68の構成材料と第2配向膜60の構成材料とは異なっている。これによれば、アンカリングエネルギーの最適化を配向膜を形成する材料を異ならせることで行える。しかもアンカリングエネルギーの制御を再現性よくできる。配向膜としては、ポリマー配向膜、無機配向膜、及び界面活性剤等が用いられる。無機配向膜は、ポリマー配向膜に比べてアンカリングエネルギーを小さく設けることができる。第1配向膜68のアンカリングエネルギーが第2配向膜60のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たすように、例えば、第1配向膜68は無機配向膜、第2配向膜60はポリマー配向膜を用いる。
尚、配向膜としてポリマー配向膜を用いる場合には、その形成方法として従来公知の種々の方法を採用できる。具体的には、例えば感光性基を有するポリマーの前駆体を含む配向膜材料を、基板表面に塗布した後、それを乾燥・焼成することによりポリマー配向膜を形成することができる。無機配向膜としては、SiO、SiO2、TiO2等の無機化合物、MgF等の無機塩等からなるものが知られており、例えばSiO2の場合には、基板面に対して30°以上の適当な角度でSiO2を斜方蒸着することにより、プレチルトを持った垂直配向膜を得ることができる。このような無機配向膜は、一般に短波長の可視光及び紫外線による光劣化速度が遅く、耐光性に優れる一方で、配向の経時安定性及び熱安定性に欠けることが知られている。
第1配向膜68の配向処理プロセスと第2配向膜60の配向処理プロセスとは異なっている。これによれば、アンカリングエネルギーの最適化を配向膜の配向処理プロセスを異ならせることで行える。しかもアンカリングエネルギーの制御を再現性よくできる。配向処理プロセスとしては、ラビング法、SiO斜方蒸着法、界面活性剤法、光配向法、及びイオンビーム法等が用いられる。尚ラビング法では、ラビング布やラビング強度等の条件によってアンカリングエネルギーは変化する。
例えば一対の配向膜のうち素子基板10の第1配向膜68には弱い配向能力を与える。もう一方の対向基板12の第2配向膜60には強いアンカリング力を与える。この弱い配向能力は光配向法で与えることができる。光配向処理により1×10−5J/m2〜1×10−6J/m2程度にアンカリング力を低く抑えることができる。そして、もう一方の強い配向能力は、ラビング法、イオンビーム法又はSiO斜方蒸着法等無機物の斜方蒸着により実現できる。そのとき1×10−3J/m2〜1×10−4J/m2程度の強いアンカリング力を与えることができる。
第1配向膜68の液晶層16側の面の表面粗さと第2配向膜60の液晶層16側の面の表面粗さとは異なっている。これによれば、アンカリングエネルギーの最適化を第1及び第2配向膜68,60の液晶層16側の面の表面粗さを異ならせることで行える。しかもアンカリングエネルギーの制御を再現性よくできる。表面粗さが大きくなるのに伴い、アンカリングエネルギーは低下する。表面処理プロセスとしては、大気圧プラズマ等のドライプロセス、ラビング法、イオンビーム法、及び干渉露光グレーティング等が用いられる。
素子基板10及び/又は対向基板12と液晶層16との界面、即ち第1及び第2配向膜68,60を荒らす方法を以下に説明する。尚、本実施形態において、第1配向膜68及び/又は第2配向膜60の表面を荒らす方法として、以下の(1)〜(4)の方法を主として利用する。しかし上記基板表面を荒らす方法は下記(1)〜(4)の方法に特に限定されるものではなく、その他あらゆる公知の基板表面を荒らす方法が本実施形態の液晶表示装置2の基板表面を荒らす方法に含まれ得る。
(1)(ICP装置(Inductive Coupled Plasma):誘導結合型プラズマ)
放電質に巻かれたコイルやスパイラル状の電極から高周波を供給して高密度プラズマを発生させ、放電質から離れたところに置かれた基板にイオンやラジカルを輸送してエッチングを行う。
(2)(PE装置(Plasma Ethcer))
平行平板の高周波プラズマ装置にAr等の不活性ガスを導入し、高周波グロー放電を発生させ、陰極降下部で加速されたイオンにより、高周波電極上に置かれた基板をエッチングする。
(3)上記(1)、(2)の表面処理は、プラズマCVD、逆スパッタ法を用いても可能である。
(4)従来の配向プロセスに使用しているラビング法やイオンビーム法等公知の方法を利用して表面を荒らす。
例えば、対向基板12の第2配向膜60の表面、及び/又は素子基板10の第1配向膜68の表面を、直接上記(1)〜(3)の方法で荒らす。この方法は、素子基板10表面及び対向基板12表面の双方の第1及び第2配向膜68,60について共通である。
ところで、第1及び第2配向膜68,60の材料がPIのようなポリマーの場合とDLCのような無機膜の場合では、下地の表面粗さから受ける影響が異なる。特にPIのようなポリマー膜は印刷やスピンコーター等のウエットプロセスで塗布されるため下地の凹凸をカバーし、更に膜厚が厚くなれば、仕上がるポリマー膜及びその上に塗布される第1及び第2配向膜68,60の表面は平坦化されることが予想される。
一方、DLCのような無機膜はあまり厚くすると下地との密着性やバルク破壊の問題があるため、10〜20nm以上の膜厚を積むことはできない。従って厚いPIの第1及び第2配向膜68,60の表面を直接上記(1)〜(4)の方法で荒らすことは可能であるが、薄いDLCの第1及び第2配向膜68,60を直接上記方法で荒らすのは第1及び第2配向膜68,60を破壊する恐れがあり、あまり好ましくない。そこで、対向基板12及び/又は素子基板10の表面の第1及び第2配向膜68,60を直接上記(1)〜(4)の方法で荒らす本実施例においては、第1及び第2配向膜68,60としてPIを採用する。
上記(1)〜(3)の方法は圧力を下げ、投入電力を増すことによりイオン衝撃効果の強い物理的エッチングを生じさせるプロセスである。又、(4)のラビング法は回転ローラに巻きつけたバフ布で膜表面を直接物理的に荒らす方法である。これらの公知の方法を用いて直接PIの第1及び第2配向膜68,60表面をエッチングすることにより、大きな表面粗さをもつPIの第1及び第2配向膜68,60を実現することができる。
その後、荒れたPIの第1及び第2配向膜68,60の表面を、非接触であるIB法を使用することで大きな表面粗さを保持しつつ緻密に配向処理することが可能である。このようにしてPIの第1及び第2配向膜68,60の表面の表面粗さを上記好適な範囲で調節することができ、当該第1及び第2配向膜68,60に接触する液晶層16の低プレチルト角を実現することができる。
尚、第1及び第2配向膜68,60の形成には、上記の材料、配向処理プロセス、及び表面処理プロセスを組み合わせてもよい。
以上、本実施形態の液晶表示装置2は、共通電極42上に絶縁膜を介して櫛歯状の画素電極34を形成してスイッチングを行う、所謂FFS(Fringe Field Switching)方式と呼ばれるもので、第1配向膜68のアンカリングエネルギーが第2配向膜60のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている構造である。
(実施例)
液晶層16には誘電率異方性が正の液晶材料を用いる。第1配向膜68のアンカリングエネルギーは、第2配向膜60のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている。共通電極42と画素電極34との間に交流電圧を印加し、表示駆動する。尚、アンカリングエネルギーは、外場印加法、強電場法、静電容量法、反射偏光解析(分光エリプソメトリ)、及びトルクバランス法等の測定方法で測定可能である。又、上下基板のアンカリングエネルギーの異なる液晶表示装置を測定する場合、アンカリングエネルギーが既知の基板と上下基板を各々組んで測定する必要がある。
本実施形態では、FFS方式において第1配向膜68のアンカリングエネルギーが第2配向膜60のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている。これにより、画素電極34及び共通電極42が設けられた素子基板10側に近い液晶分子でも動きやすいように、第1配向膜68のアンカリングエネルギーの最適化がはかられ、液晶層16の透過率やコントラストを損なうことなく、信号ON/OFFによる液晶分子の配向変化の応答緩和時間が短縮された高速応答表示が可能である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図面を参照して説明する。
図5は本実施形態に係る画素の構造の概略平面を示す図である。尚、図5では図面を見易くするために画素電極より上層の図示(機能性樹脂膜を除く)を省略している。図6は本実施形態に係る液晶表示装置の構造の概略断面を示す図である。詳しくは、図6は図5のVI−VI'線で切った断面図である。尚、本実施形態の液晶表示装置4は、第1の実施形態に係る液晶表示装置2と同様、TFTアクティブマトリクス方式の液晶表示装置であり、その特徴とするところは、半透過型である。従って本実施形態の液晶表示装置4の基本構成は上記実施形態の液晶表示装置2と同様であるから、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略若しくは簡略する。
本実施形態の液晶表示装置4は、図5に示すように、画素毎に反射表示を行う反射表示領域Rと透過表示を行う透過表示領域Tとを有する。
図6に示すように、素子基板10の第1層間絶縁膜64の上面(液晶層16側)には、反射表示領域Rに対応する領域に光散乱付与機能を有する光散乱付与手段70が付加されている。第1層間絶縁膜64の光散乱付与手段70上には、アルミニウムや銀等の光反射性を有する金属材料からなる平面視略矩形状の反射膜72が形成されている。光散乱付与機能を有する光散乱付与手段70上に形成された反射膜72は、光散乱機能を備えている。第1層間絶縁膜64及び反射膜72上には共通電極42が形成され、この共通電極42を覆って、シリコン酸化物膜や樹脂膜からなる第2層間絶縁膜66が形成されている。第1層間絶縁膜64の光散乱付与手段70及び反射膜72の形成領域がサブ画素SG(図5参照)の反射表示領域Rを構成しており、その他の領域が透過表示領域Tを構成している。第2層間絶縁膜66上には画素電極34が形成され、画素電極34を覆って、ポリイミド等からなる第1配向膜68が形成されている。第1配向膜68は、反射表示領域R及び透過表示領域Tを含んでいる。第1配向膜68の反射表示領域Rのアンカリングエネルギーは、第1配向膜68の透過表示領域Tのアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている。
対向基板12上には、液晶層16側に向かってカラーフィルタ28(28b,28g,28r)と、機能性樹脂膜74と、第2配向膜60とが順に形成されている。対向基板12のカラーフィルタ28上(液晶層16側)には、反射表示領域Rに対応する領域に液晶層16の層厚を調整するための機能性樹脂膜74が選択的に形成されている。従って、透過表示領域Tのセル厚に対して反射表示領域Rのセル厚が薄くなっている。このように反射表示を行う液晶表示装置4では、光学設計上、反射黒表示を行う際に反射膜72に到達する外光がすべての可視波長で略円偏光である必要がある。反射膜72に到達した外光が楕円偏光であると黒表示に色づきが生じ、高コントラストな反射表示を得ることが困難になるからである。そこで本実施形態では、カラーフィルタ28上の反射膜72に対応する領域に選択的に機能性樹脂膜74を形成し、反射表示領域Rにおけるセル厚が透過表示領域Tに比して薄くなるように構成している。液晶表示装置4は、マルチギャップ構造を備えたFFS方式の半透過型液晶表示装置である。
機能性樹脂膜74は、反射表示領域Rに対応してカラーフィルタ28上に選択的に形成されている。機能性樹脂膜74は、機能性樹脂膜74を透過する光に対して略1/2波長(λ/2)の位相差(リタデーション)を付与するものであり、一対の基板により液晶層16を狭持したセルの内面側に設けられた所謂内面位相差層である。かかる機能性樹脂膜74は公知の方法を用いて形成すればよい。例えば、高分子液晶の溶液や液晶性モノマーの溶液を、カラーフィルタ28上に塗布し、所定方向に配向させた状態で固化する方法により形成することができる。そして、反射表示領域Rに対応するように選択的に成形する方法としては、必要な部分をマスキングして不要な部分をエッチングして取り除く方法が挙げられる。
或いは、光重合性液晶化合物をカラーフィルタ28上に塗布し、不要な部分をマスキングして必要な部分の配向を維持した状態で硬化させる。そして、有機溶剤等の現像液を用いて未硬化部分(不要な部分)を取り除く方法が挙げられる。このような方法では、エッチング工程又は現像工程において、機能性樹脂膜74の端部が鉛直に形成されず、膜減りして傾斜し易い。
機能性樹脂膜74を透過する光に対して付与する位相差の値は、その構成材料である液晶性高分子の種類や、機能性樹脂膜74の層厚によって調整することができる。
機能性樹脂膜74及びカラーフィルタ28を覆って、ポリイミド等からなる第2配向膜60が形成されている。第2配向膜60は、反射表示領域R及び透過表示領域Tを含んでいる。
第1配向膜68の反射表示領域Rのアンカリングエネルギーは、第2配向膜60の反射表示領域Rのアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている。又、第1配向膜68の透過表示領域Tのアンカリングエネルギーは、第2配向膜60の透過表示領域Tのアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている。
以上、本実施形態の液晶表示装置4は、サブ画素SG毎に透過表示領域Tと反射表示領域Rとを有し、反射表示領域Rに対応してセル内に機能性樹脂膜74が設けられ、第1配向膜68の反射表示領域Rのアンカリングエネルギーは、第1配向膜68の透過表示領域Tのアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たし、又、第1配向膜68の反射表示領域Rのアンカリングエネルギーは、第2配向膜60の反射表示領域Rのアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たし、更に、第1配向膜68の透過表示領域Tのアンカリングエネルギーは、第2配向膜60の透過表示領域Tのアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている構造である。
(実施例)
半透過型FFS方式の液晶表示装置4において、素子基板10の第1配向膜68の反射表示領域Rと透過表示領域Tの配向を制御する。アンカリングエネルギーは偏光紫外光の光量や照射時間に依存することより、光重合性高分子に偏光紫外光を照射し、第1配向膜68の反射表示領域Rのアンカリングエネルギーが第1配向膜68の透過表示領域Tのアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしているように、素子基板10の第1配向膜68の反射表示領域Rと透過表示領域Tの配向を制御する(光配向法)。
又、同様に、第1配向膜68の反射表示領域Rのアンカリングエネルギーが第2配向膜60の反射表示領域Rのアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしているように、素子基板10の第1配向膜68の反射表示領域Rと対向基板12の第2配向膜60の反射表示領域Rの配向を制御する。
更に、同様に、第1配向膜68の透過表示領域Tのアンカリングエネルギーが第2配向膜60の透過表示領域Tのアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしているように、素子基板10の第1配向膜68の透過表示領域Tと対向基板12の第2配向膜60の透過表示領域Tの配向を制御する。
本実施形態では、マルチギャップ構造を備えた半透過型FFS方式の液晶表示装置4において、第1配向膜68の反射表示領域Rのアンカリングエネルギーが第1配向膜68の透過表示領域Tのアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている。これにより、液晶層16の薄い反射表示領域Rにおいて、画素電極34及び共通電極42が設けられた素子基板10側に近い液晶分子でも動きやすいように、第1配向膜68のアンカリングエネルギーの最適化がはかられ、液晶層16の透過率やコントラストを損なうことなく、セル厚の異なる反射表示領域Rと透過表示領域Tとの透過表示及び反射表示で、信号ON/OFFによる液晶分子の配向変化の応答緩和時間が短縮された高速応答表示が可能である。
又、第1配向膜68の反射表示領域Rのアンカリングエネルギーが第2配向膜60の反射表示領域Rのアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たし、更に、第1配向膜68の透過表示領域Tのアンカリングエネルギーが第2配向膜60の透過表示領域Tのアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしている。これにより、画素電極34及び共通電極42が設けられた素子基板10側に近い液晶分子でも動きやすいように、反射表示領域Rにおける第1配向膜68のアンカリングエネルギーの最適化、及び透過表示領域Tにおける第1配向膜68のアンカリングエネルギーの最適化がはかられ、液晶層16の透過率やコントラストを損なうことなく、セル厚の異なる反射表示領域R及び透過表示領域Tとの透過表示及び反射表示で、信号ON/OFFによる液晶分子の配向変化の応答緩和時間が短縮された高速応答表示が可能である。
(電子機器)
図7は、本実施形態に係る電子機器の一例を示す斜視図である。図7に示す携帯型電話機100は、上記実施形態の液晶表示装置を小サイズの表示部102として備え、複数の操作ボタン104、受話口106、及び送話口108を備えて構成されている。従って、照明装置からの透過光を利用した透過表示と、外光等の入射光を利用した反射表示とにより、表示された情報を確認することが可能である。即ち、FFS方式において信号ON/OFFによる液晶分子の配向変化の応答緩和時間が短縮される。又、応答緩和時間が短縮される携帯型電話機100を実現している。
上記実施形態に係る液晶表示装置は、上記携帯型電話機100に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型或いはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器、フィールドシーケンシャル(FS)表示方式を用いた3D液晶表示装置、2画面液晶表示装置、プロジェクションテレビ向けライトバルブ等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、透過表示及び反射表示で応答緩和時間が短縮された高速応答表示が可能である。
第1実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す図。 第1実施形態に係る液晶表示装置の等価回路を示す図。 第1実施形態に係る画素の構造の概略平面を示す図。 第1実施形態に係る液晶表示装置の構造の概略断面を示す図。 第2実施形態に係る画素の構造の概略平面を示す図。 第2実施形態に係る液晶表示装置の構造の概略断面を示す図。 本実施形態に係る電子機器の一例を示す斜視図。 液晶表示装置におけるアンカリングを説明するための図。
符号の説明
2,4…液晶表示装置 10…素子基板(第1基板) 12…対向基板(第2基板) 14…シール材 16…液晶層 18…スペーサ 20…データ線駆動回路 22…実装端子 24…走査線駆動回路 26…配線 28…カラーフィルタ 30…TFT素子 32…見切り領域 34…画素電極(第1電極) 34a…帯状電極部 36…データ線 38…走査線 39…共通配線 40…スリット 42…共通電極(第2電極) 44…半導体層 46…ソース電極 48…ドレイン電極 50…コンタクトホール 52…偏光板 54…導電層 56…位相差層 58…偏光板 60…第2配向膜 62…絶縁薄膜 64…第1層間絶縁膜 66…第2層間絶縁膜 68…第1配向膜 70…光散乱付与手段 72…反射膜 74…機能性樹脂膜 100…携帯型電話機 102…表示部 104…操作ボタン 106…受話口 108…送話口 200…電極付き基板 202…配向膜 206…液晶分子 208…方位角方向のアンカリングエネルギー 210…極角方向のアンカリングエネルギー。

Claims (8)

  1. 第1電極及び第2電極が設けられた第1基板と、
    前記第1基板と対向する第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に挟持され、前記第1電極と前記第2電極との間に生じる電界によって駆動される液晶層と、
    前記第1基板の前記液晶層側の面に設けられた第1配向膜と、
    前記第2基板の前記液晶層側の面に設けられた第2配向膜と、
    を有し、
    前記第1配向膜のアンカリングエネルギーは、前記第2配向膜のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 請求項1に記載の液晶表示装置において、
    前記第1配向膜の構成材料と、前記第2配向膜の構成材料とが異なることを特徴とする液晶表示装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、
    前記第1配向膜の配向処理プロセスと、前記第2配向膜の配向処理プロセスとが異なることを特徴とする液晶表示装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶表示装置において、
    前記第1配向膜の前記液晶層側の面の表面粗さと、前記第2配向膜の前記液晶層側の面の表面粗さとが異なることを特徴とする液晶表示装置。
  5. 第1電極及び第2電極が設けられた第1基板と、
    前記第1基板と対向する第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に挟持され、前記第1電極と前記第2電極との間に生じる電界によって駆動される液晶層と、
    反射表示を行う反射表示領域と透過表示を行う透過表示領域とを備える画素と、
    前記反射表示領域において前記第2基板の前記液晶層側に設けられ、前記反射表示領域における前記液晶層の厚さが前記透過表示領域における前記液晶層の厚さよりも薄くしている機能性樹脂膜と、
    前記第1基板の前記液晶層側の面に設けられ、前記反射表示領域及び前記透過表示領域を含む領域に形成された第1配向膜と、
    前記第2基板の前記液晶層側の面に設けられ、前記反射表示領域及び前記透過表示領域を含む領域に形成された第2配向膜と、
    を有し、
    前記第1配向膜の前記反射表示領域のアンカリングエネルギーは、前記第1配向膜の前記透過表示領域のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしていることを特徴とする液晶表示装置。
  6. 請求項5に記載の液晶表示装置において、
    前記第1配向膜の前記反射表示領域の前記アンカリングエネルギーは、前記第2配向膜の前記反射表示領域のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たし、
    前記第1配向膜の前記透過表示領域の前記アンカリングエネルギーは、前記第2配向膜の前記透過表示領域のアンカリングエネルギーよりも小さい関係を満たしていることを特徴とする液晶表示装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶表示装置において、
    前記アンカリングエネルギーは、方位角アンカリングエネルギーであることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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