JP2006195111A - Ips液晶表示パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明に係る液晶表示パネルは、IPSモードにおいてアンカリングエネルギーを保持しつつ低プレチルト角を実現することにより、水平斜め方向の黒輝度の視角特性を最適化することを目的とする。
【解決手段】本発明の液晶表示パネルは、ポリマー層及び該ポリマー層上に形成した透明電極を覆って配向膜を積層したアレイ基板と、該アレイ基板とカラーフィルタ基板との間に液晶層を封止したIPS(In−Plane Switching)液晶表示パネルであって、前記アレイ基板上に積層したポリマー層や配向膜の表面を荒らして表面粗さRaを5nm以上とした。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の液晶表示パネルは、ポリマー層及び該ポリマー層上に形成した透明電極を覆って配向膜を積層したアレイ基板と、該アレイ基板とカラーフィルタ基板との間に液晶層を封止したIPS(In−Plane Switching)液晶表示パネルであって、前記アレイ基板上に積層したポリマー層や配向膜の表面を荒らして表面粗さRaを5nm以上とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、画面の黒輝度を抑制してコントラストを向上させることができる、主にIPSモードの液晶表示パネルに関するものである。
液晶表示パネルは薄型・軽量・低消費電力という優れた特性をもつため、コンピュータ用ディスプレイ、テレビ用ディスプレイをはじめ、各種情報機器用のディスプレイに用いられている。
この液晶表示パネルの動作モードには種々のモードが存在し、絶縁基板間に縦方向の電界を印加して液晶の分子配列を制御するTN(Twisted Nematic)モードや、アレイ基板上の櫛歯型電極に横方向の電界をかけて液晶分子の配列を制御するIPS(In−Plane Switching)モード等が知られている。何れの動作モードの液晶表示パネルも、アレイ基板により液晶の分子配列を電気的に制御して、バックライトの光がカラーフィルタ基板(以下「CF基板」とも記す。)を透過する量を選択的に変化させて表示を行なう。
図11は、例えばIPS液晶表示パネル110の構造を表す断面図である。図11において液晶表示パネル110は、アレイ基板130とカラーフィルタ基板132がセルギャップを隔てて対向し、絶縁基板間には液晶分子で構成される液晶層134が封入されている。
アレイ基板130は、例えばガラス基板112上にTFT(Thin
Film Transistor)や配線回路を形成し、これらを覆って例えばポリマー層114を積層する。更にITO(Indium Tin Oxide)やAl等の薄金属などで櫛歯型電極を形成し、その上にポリイミド(Poly−imide、以下「PI」とも記す。)や
(Diamond−Like Carbon、以下「DLC」とも記す。)等からなる配向膜101を塗布する。
Film Transistor)や配線回路を形成し、これらを覆って例えばポリマー層114を積層する。更にITO(Indium Tin Oxide)やAl等の薄金属などで櫛歯型電極を形成し、その上にポリイミド(Poly−imide、以下「PI」とも記す。)や
(Diamond−Like Carbon、以下「DLC」とも記す。)等からなる配向膜101を塗布する。
一方、アレイ基板130と液晶層134を挟んで対向するカラーフィルタ基板132は、まずガラス基板112上にブラックマトリクス(以下「BM」とも記す。)122やカラーレジスト120を形成する。続いてこれらを覆ってポリマー等からなるオーバーコート(以下「OC」とも記す。)118を積層した後、やはりPIやDLC等の配向膜101を塗布する。
アレイ基板130とカラーフィルタ基板132間に挟持される液晶分子の配列は、無電圧時には配向膜101によって制御される。液晶分子は一般にポリイミド膜などの有機膜で形成された配向膜101に刻まれた溝に沿って配列することが知られている。アレイ基板130の電極から電圧が印加されると液晶分子が配列を変える。液晶表示パネル110は、この異なる液晶分子の配列をバックライトの発する偏光が通過するか否かで表示を行なう。
従って液晶ディスプレイの設計において、液晶分子の配向特性を制御することは非常に重要である。配向特性に代表されるパラメータには水平及び垂直方向の配向力に起因するアンカリングエネルギーや、垂直方向の配向力に起因するプレチルト角が挙げられる。
特にプレチルト角はTN(Twisted Nematic)モードにおいては、液晶の捩れ方向を制御する重要なパラメータであり通常3〜5度が好ましい。プレチルト角が低い場合にはリバースプレチルトやリバースツイスト領域が生じ、コントラストを落とす原因となる。
他方、IPSモードにおいてはプレチルト角が大きくなると、水平・垂直方向や斜め方向の黒輝度を上昇させ画面のコントラストを劣化させる。従って広視野角を実現するIPSモードにおいてはプレチルト角が0に近づくよう低く設計する必要がある(以下「低プレチルト角」という。)。
プレチルト角の大きさは、(1)無機膜であるDLC(Diamond−Like Carbon)やポリマーであるPI(Poly−imide)等の配向膜材料、(2)ラビング法、光配向法やイオンビーム(以下「IB法」と記す。)等の配向処理の条件設定、(3)液晶材料、等に依存する。
また、プレチルト角は配向膜の表面粗さ(Ra)、もしくは配向膜下地の表面粗さ(Ra)に大きな影響を受けることが知られている。ここで表面粗さとは、膜の表面にできる凹部と凸部の高低差を表す量である。一般に配向膜表面、もしくは配向膜下地の表面粗さが大きい程プレチルト角は小さくなると報告されている。
一般に、液晶表示パネル110のカラーフィルタのカラーレジスト層の表面粗さRaは大きく、その上に形成されている例えばITO電極(以下、単に「ITO」とも記す。)、オーバーコート(ポリマー層)、更にその上に塗布される配向膜層等も、上記カラーレジスト層の表面粗さの影響を受けやすい。
従ってTNモードのようにプレチルト角がある程度必要な場合には、このカラーレジスト層を研磨して表面を平坦化させて、所望のプレチルト角を得る方法がとられている(特許文献1)。
しかし、例えばIPSモードのように、アレイ基板130上の電極間に横方向の電界を印加させて液晶分子を制御する方式の液晶表示パネル110では、液晶分子の低プレチルト角と十分なアンカリングエネルギーを同時に得る方法は知られていなかった。
そこで本発明に係る液晶表示パネルは、IPSモードにおいてアンカリングエネルギーを保持しつつ低プレチルト角を実現することにより、画面に生じる黒輝度を抑制してコントラストを向上させることを目的とする。
また本発明の液晶表示パネルは、低プレチルト角を実現し、アンチパラレル配向のIPS液晶表示パネルを形成することにより正面黒輝度を下げ、左右対称な水平視角特性を得ることを目的とする。
本発明の液晶表示パネルは、ポリマー層及び該ポリマー層上に形成した櫛歯電極を覆って配向膜を積層したアレイ基板と、該アレイ基板とカラーフィルタ基板との間に液晶層を封止したIPS(In−Plane Switching)液晶表示パネルであって、前記アレイ基板上に積層した配向膜表面を荒らして表面粗さRaを5nm以上とした。
本発明の液晶表示パネルは、前記配向膜は、ポリイミド(Poly-imide;PI)から形成され得る。
本発明の液晶表示パネルは、ポリマー層及び該ポリマー層上に形成した櫛歯電極を覆って配向膜を積層したアレイ基板と、該アレイ基板とカラーフィルタ基板との間に液晶層を封止したIPS液晶表示パネルであって、前記アレイ基板上に形成された櫛歯電極表面を荒らして表面粗さRaを5nm以上とした。
本発明の液晶表示パネルは、ポリマー層及び該ポリマー層上に形成した櫛歯電極を覆って配向膜を積層したアレイ基板と、該アレイ基板とカラーフィルタ基板との間に液晶層を封止したIPS液晶表示パネルであって、前記アレイ基板上に積層したポリマー層表面を荒らして表面粗さRaを5nm以上とした。
本発明の液晶表示パネルは、前記配向膜は、ダイヤモンドライクカーボン(Diamond-Like-Carbon;DLC)から形成されてもよい。
本発明の液晶表示パネルは、前記櫛歯電極はITO(Indium Tin Oxide)から形成され得る。
本発明の液晶表示パネルは、前記櫛歯電極はAlまたはMo−Wの薄金属より形成されてもよい。
本発明の液晶表示パネルは、上記いずれかに記載のIPS液晶表示パネルにおいて前記アレイ基板上に積層した配向膜又はポリマー層の表面を、ICP(Inductive Coupled Plasma;誘導結合型プラズマ)、PE(Plasma Ethcer)、プラズマCVD、逆スパッタのうちいずれかのドライプロセスを用いて荒らし得る。
本発明の液晶表示パネルは、上記いずれかに記載のIPS液晶表示パネルにおいて、前記アレイ基板上に積層した配向膜又はポリマー層の表面を、ラビング法を用いて荒らしてもよい。
本発明の液晶表示パネルは、上記いずれかに記載のIPS液晶表示パネルにおいて、前記配向膜をイオンビーム(IB)により配向処理するのが好ましい。
本発明の液晶表示パネルは、オーバーコート及び該オーバーコート上に配向膜を積層したカラーフィルタ基板と、該カラーフィルタ基板とアレイ基板との間に液晶層を封止したIPS液晶表示パネルであって、前記カラーフィルタ基板上に積層した配向膜表面を荒らして表面粗さRaを5nm以上とした。
本発明の液晶表示パネルは、前記配向膜は、ポリイミドから形成され得る。
本発明の液晶表示パネルは、オーバーコート及び該オーバーコート上に配向膜を積層したカラーフィルタ基板と、該カラーフィルタ基板とアレイ基板との間に液晶層を封止したIPS液晶表示パネルであって、前記カラーフィルタ基板上に積層したオーバーコート表面を荒らして表面粗さRaを5nm以上とした。
本発明の液晶表示パネルは、前記配向膜は、ダイヤモンドライクカーボン(Diamond-Like-Carbon;DLC)から形成してもよい。
本発明の液晶表示パネルは、上記いずれかに記載のIPS液晶表示パネルにおいて、前記カラーフィルタ基板上に積層した配向膜又はオーバーコートの表面を、ICP(Inductive Coupled Plasma;誘導結合型プラズマ)、PE(Plasma Ethcer)、プラズマCVD、逆スパッタのうちいずれかのドライプロセスを用いて荒らし得る。
本発明の液晶表示パネルは、上記いずれかに記載のIPS液晶表示パネルにおいて、前記カラーフィルタ基板上に積層した配向膜又はオーバーコートの表面を、ラビング法を用いて荒らしてもよい。
本発明の液晶表示パネルは、上記いずれかに記載のIPS液晶表示パネルにおいて、前記配向膜をイオンビーム(IB)により配向処理するのが好適である。この際対向するアレイ基板とカラーフィルタ基板はAP(Anti-Parallel)配向とするのが好ましい。
本発明の液晶表示パネルは、前記表面粗さRaは15nm以下であるのが好ましい。
本発明の液晶表示パネルは、前記請求項10または請求項17に記載のIPS液晶表示パネルにおいて、
対向するアレイ基板とカラーフィルタ基板はAP(Anti-Parallel)配向としたIPS液晶表示パネル。
対向するアレイ基板とカラーフィルタ基板はAP(Anti-Parallel)配向としたIPS液晶表示パネル。
本発明に係る液晶表示パネルは、IPSモードにおいてアンカリングエネルギーを保持しつつ低プレチルト角を実現することにより、水平・斜め方向の黒輝度ムラを抑制して高コントラストを実現することを目的とする。
また本発明の液晶表示パネルは、低プレチルト角を実現し、アンチパラレル配向のIPS液晶表示パネルを形成することにより、正面黒輝度を下げ、左右対称な水平視角特性を得ることができる。
本実施形態の液晶表示パネルは、図2のように、アレイ基板30とカラーフィルタ基板32がセルギャップを隔てて対向し、両基板間には液晶分子で構成される液晶層34が封入されている。
図8に示すように、本実施形態のアレイ基板30は、例えばガラス基板12上にTFT(Thin Film Transistor)や配線回路を形成し、これらを覆ってポリマー層14を積層する。ポリマー層14上にはITO等で櫛歯電極26を形成し、その上にDLCやPIから形成される配向膜1を塗布する。このようなアレイ基板30の構造はHRP構造(High Resolution Process)とよばれている。
また、図7に示すように、液晶層34を挟んでアレイ基板30と対向するカラーフィルタ基板32は、ガラス基板12上にブラックマトリクス22やカラーレジスト20等を形成する。続いてこれらを覆ってポリマー等からなるオーバーコート(以下、単に「OC」とも記す。)18を積層した後、DLCやPIから形成された配向膜1を塗布する。
本発明の液晶表示パネル10は、水平方向(あるいは「横方向」ともいう。)の電界をかけることによって液晶の分子配列を制御する、例えば上述のIPSモードであるとする。しかし、本発明の液晶表示パネル10は、水平方向の電界をかけることにより液晶分子34を制御する方式の液晶表示パネルであればよく、特にIPS液晶表示パネルに限定されるものではない。
以上のように本発明の液晶表示パネル10は、上記した従来のIPS液晶表示パネル110と積層構造及び構成材料は同一であってよい。しかし、液晶表示パネル10のアレイ基板30及び/またはカラーフィルタ基板32の液晶に面する配向膜1の下地のポリマー層14やOC18、あるいは配向膜1自体は後述する方法により荒らされて、配向膜1の表面粗さRaは略5nm以上、より好ましくは7nm以上となることが必要である。配向膜1の表面粗さRaを大きくすることにより液晶層34の低プレチルト角を実現でき、水平・斜め方向の黒輝度を抑制することができる。
また、配向膜1は後述するように、表面粗さRaが5nm以上を保持する範囲でラビング法、光配向法やイオンビーム法等公知の方法で配向処理され、上記両基板の間に封止される液晶層を配向する。
まず、以下に表面粗さRaが略5nm以上、より好ましくは7nm以上であることがIPSモードに有利である理由を説明する。
図1はカラーフィルタ基板32の粗度(表面粗さ)の大きい表面と液晶配向の様子を表す断面模式図である。カラーレジスト層20の表面粗さは一般に大きく、その上に積層されるオーバーコート18(ポリマー層)及び配向膜1もカラーレジスト層20の表面粗さに影響されて粗度(表面粗さ)が大きくなる傾向が強い。
液晶分子35は、上記のように、ラビング法やイオンビーム照射(以下「IB法」という。)などにより配向処理されたDLCやPIなどの無機膜、有機膜で形成された配向膜1に従い平面配列する。この際、液晶分子35のプレチルト角は配向膜1の表面の凹凸に強く影響を受ける。
表1はガラス上にITO、カラーレジスト、DLC配向膜などを積層した基板A〜Dの表面粗さRaと、各基板上の液晶分子35のプレチルト角の計測結果を表す表である。DLC配向膜の厚さは平均厚さ100Åであり、基板A〜Dにおいて略同一である。尚上記のように、ガラス上に積層する場合、カラーレジストの表面粗さは一般にITOやオーバーコート(OC)の表面粗さより大きくなる。
また、本実験においては図7、図8に模式的に示すように、DLC配向膜1は表面粗さを損なわない程度にIB法により配向処理されている。IB法の条件としては、エネルギー200eVのアルゴンのイオンビーム50を照射角度35度の方向からDLC配向膜1に照射した。
表1より明らかなように、表面粗さが最も大きい基板Cがプレチルト角は最も小さく、表面粗さが小さくなるにつれてB、A、Dの順で液晶分子35のプレチルト角は大きくなっている。
また、上記表1より、カラーレジスト層の大きい表面粗さに影響されて当該カラーレジスト上に積層される層の表面粗さも大きくなっていることがわかる。即ち、基板Aや基板DのようにOCやITO上のDLC配向膜より、基板Bや基板Cのカラーレジスト上に塗布(積層)されるDLC配向膜の方が表面粗さが大きくなる。
次に、図3は平均厚さ100ÅのDLC配向膜1の表面粗さと、当該DLC配向膜1上の液晶分子35のプレチルト角との関係を表すグラフである。DLC配向膜1は上記IB法と同一の条件で配向処理されている。
図3より、プレチルト角は表面粗さRaが大きくなるとともに急激に減少し、表面粗さRaが約3nm以上で2deg以下となる。また、表面粗さRaが略7nm以上で略一定値の1degとなる。また、Raが約3nm及び約7nmのプロットを内挿することにより、表面粗さRaが略5nm以上で、十分に2degより小さなプレチルト角を得ることがわかる。
更に、DLC配向膜1の膜厚とDLC配向膜1の下地の表面粗さを変えて、液晶分子35のプレチルト角に与える影響を調べた。
図4において、プレチルト角の大きい四角のプロットのデータは表面粗さRaが1nmのITO上にDLC配向膜1及び液晶層を積層した場合、プレチルト角の小さいひし形のプロットのデータは表面粗さRaが15nmのITO上にDLC配向膜及び液晶層を積層した場合のプレチルト角を表す。尚、本実験においてもDLC配向膜1の配向処理はIB法で行い、IB法の条件として上記条件と同様に照射角度35度、イオンビーム照射エネルギー200eVを用いた。
図4より、まず下地のITOの表面粗さが15nmと大きい方が液晶層34のプレチルト角が小さくなることが確認できる。また、下地のITOの表面粗さが15nmと大きい場合は、DLC配向膜1の膜厚を厚くしても液晶層のプレチルト角は発現しづらいことがわかる。
尚、一点のみの三角のプロットのデータは、表面粗さRaが0.5nmのOC上にDLC配向膜及び液晶層を積層した場合のデータである。OC上にDLC配向膜1が積層された場合も、ITO上にDLC配向膜1が積層された場合と同様に、DLC配向膜1上の液晶分子35のプレチルト角は大きくなった。即ち、表1からもわかるように、OC及びITO表面は表面粗さが小さいため、その上に積層される液晶層を低プレチルト角にさせにくい。
以上、表1、図3及び図4を用いて基板表面の表面粗さと液晶分子35のプレチルト角との関係を説明した。しかし、表面粗さが大きくなると液晶分子35の配向力の目安であるアンカリングエネルギーが小さくなる傾向がある。例えば同一材料、同一厚さの基板で液晶層の配向力を測定すると、配向膜1の表面粗さが1nmのとき水平方向のアンカリングエネルギーは10−3J/m2であるが、表面粗さを10nmとすると水平方向のアンカリングエネルギーは3×10−4J/m2まで減少した。
従って液晶表示パネルの製品として問題がないアンカリングエネルギーを保てる程度に表面粗さを制御する必要がある。そのような水平方向のアンカリングエネルギーは通常約10−4J/m2以上が望ましい。これより上記構造の本発明のIPS液晶表示パネル10においては、表面粗さRaは5nm以上15nm以下が好ましく、更に好ましくは表面粗さRaは5nm乃至7nm以上10nm以下が好適である。
このように、配向膜の表面粗さが好適な範囲で大きいと液晶分子35の配位方向に規則性があってもプレチルト角はランダムに近い状態となり、図1に模式的に示すように巨視的、光学的には低プレチルト角となる。即ち、液晶分子35に接する配向膜1表面を好適な範囲で荒すことにより液晶分子35の低プレチルト配向を実現でき、液晶表示パネル10の黒視角ムラを抑制することができる。
以上に説明した構成の本発明の液晶表示パネル10は、アレイ基板30及び/またはカラーフィルタ基板32の液晶に面する表面を荒らす以外は従来の液晶表示パネル110と同様に製造することができる。そこでアレイ基板30及び/またはカラーフィルタ基板32と液晶層34との界面、即ち配向膜表面を荒らす方法を、以下に実施例を用いて説明する。
尚、本実施形態において、CF基板32及び/またはアレイ基板30の配向膜1、ポリマー層14等の表面を荒らす方法として、以下の(1)〜(4)の方法を主として利用する。しかし上記基板表面を荒らす方法は下記(1)〜(4)の方法に特に限定されるものではなく、その他あらゆる公知の基板表面を荒らす方法が本発明の液晶表示パネル10の基板表面を荒らす方法に含まれ得る。
(1)ICP装置(Inductive Coupled Plasma):誘導結合型プラズマ
放電質に巻かれたコイルやスパイラル状の電極から高周波を供給して高密度プラズマを発生させ、放電室から離れたところにおかれた基板にイオンやラジカルを輸送してエッチングを行う。図5にその一例を示す。
放電質に巻かれたコイルやスパイラル状の電極から高周波を供給して高密度プラズマを発生させ、放電室から離れたところにおかれた基板にイオンやラジカルを輸送してエッチングを行う。図5にその一例を示す。
(2)PE装置(Plasma Ethcer):
平行平板の高周波プラズマ装置にArなどの不活性ガスを導入し、高周波グロー放電を発生させ、陰極降下部で加速されたイオンにより、高周波電極上に置かれた基板をエッチングする。図6にその−例を示す。
平行平板の高周波プラズマ装置にArなどの不活性ガスを導入し、高周波グロー放電を発生させ、陰極降下部で加速されたイオンにより、高周波電極上に置かれた基板をエッチングする。図6にその−例を示す。
(3)上記(1)、(2)の表面処理は、プラズマCVD、逆スパッタ法を用いても可能である。
(4)従来の配向プロセスに使用しているラビング法を利用して表面を荒らす。
CF基板32の配向膜1の表面、及び/またはアレイ基板30の配向膜1の表面を、直接上記(1)〜(3)の方法で荒らす。この方法は、アレイ基板30表面及びCF基板32表面の双方の配向膜について共通である。
ところで、配向膜1の材料がPIのようなポリマーの場合とDLCのような無機膜の場合では、図9、図10に模式的に示すように下地の表面粗さに受ける影響が異なる。図9は配向膜1がPIからなる500Å程度の厚いポリマー配向膜の、図10は配向膜1がDLCからなる100Å程度の薄い無機配向膜の、それぞれ表面の粗さを模式的に示す断面図である。
特にPIのようなポリマー膜は印刷やスピンコーターなどのウエットプロセスで塗布されるため下地の凹凸をカバーし、更に膜厚が厚くなれば、仕上がるポリマー膜及びその上に塗布される配向膜1の表面は平坦化されることが予想される(図9)。
一方、DLCのような無機膜はあまり厚くすると下地との密着性やバルク破壊の問題があるため、100〜200Å以上の膜厚を積むことはできない。
従って厚いPI配向膜1の表面を直接上記(1)〜(4)の方法で荒らすことは可能であるが、図10のような薄いDLC配向膜1を直接上記方法で荒らすのは配向膜1を破壊する恐れがあり、あまり好ましくない。
そこで、CF基板32及び/またはアレイ基板30の表面の配向膜1を直接上記(1)〜(4)の方法で荒らす本実施例においては、配向膜1としてPIを採用する。
上記(1)〜(3)の方法は圧力を下げ、投入電力を増すことによりイオン衝撃効果の強い物理的エツチングを生じさせるプロセスである。また、(4)のラビング法は回転ローラに巻きつけたバフ布で膜表面を直接物理的に荒らす方法である。これらの公知の方法を用いて直接PI配向膜1表面をエッチングすることにより、大きな表面粗さRaをもつPI配向膜1を実現することができる。
その後、荒れたPI配向膜1の表面を、非接触であるIB法を使用することで大きな表面粗さRaを保持しつつ緻密に配向処理することが可能である。このようにしてPI配向膜1の表面の表面粗さRaを上記好適な範囲で調節することができ、当該配向膜1に接触する液晶層34の低プレチルト角を実現することができる。
次に、本実施例2では、上記実施例のように上記(1)〜(4)の方法で直接荒らすことが好ましくない、主としてDLCのような無機膜を配向膜1として採用する場合について説明する。
IPSモードにおいては上述のようにプレチルト角が低いほどよいとされ、上記のようにアレイ基板30及び/またはカラーフィルタ基板32上の配向膜表面に凹凸ができた表面であれば低プレチルト角が実現できる。
IPSモード用のカラーフィルタ32はTN方式用と違い最表面にITO膜が付いておらず、ポリマー膜のオーバーコート(OC)18になっており、図7のようにガラス/BM22/カラーレジスト20/OC18/配向膜1の順に積層する。よって上記のようにカラーレジスト層20の表面粗さRaが大きくてもこのOC18でかなり平坦化される。従ってOC18上にDLC配向膜1を塗布した場合、DLC配向膜1上の液晶分子35のプレチルト角が発現しやすい。
一方、最近のアレイ基板30は上記のHRP構造が主流で、図8のようにTFT等上にポリマー層14、そしてポリマー層14の上にITO櫛歯電極26が積層される構造になっている。特にIPS液晶表示パネル10の場合は高開口率が求められているため、HRP構造は欠かせない技術となっている。このポリマー層14は10000〜50000Å程度でオーバーコート18と同じアクリル系、エポキシ系の材料であり、この表面も平坦である。
これらのCF基板32,アレイ基板30に配向膜1を塗布してもOC18、ポリマー層14表面が平坦であるため低いプレチルト角が実現できない。実施例1で述べたように、直接配向膜1の表面を荒らす方法が考えられるが、DLC配向膜1のような薄い膜では実現困難である。よって本実施例2では、DLC配向膜1の下地になるポリマー層14及び/またはOC18等の表面をそれぞれ上記(1)〜(4)の方法で荒らし、その後配向膜1を塗布する方法が有利である。
また、アレイ基板30にはポリマー層14上にITO等から形成される櫛歯電極26が付いているが、これも同様に上記方法で荒らすことが可能である。この場合あまリラビング強度を強くしすぎると、アレイ基板30では例えばITOから形成される櫛歯電極26を剥離する可能性があるので、剥離が起こらない範囲でラビングを行う。
あるいは、ITO膜付け前にポリマー層14を上記(1)〜(4)の方法により先に荒らしておき、その上にITO櫛歯電極26を形成すれば、ITO櫛歯電極26は下地のポリマー膜の凹凸の影響を受け、ITO26の表面粗さRaを大きくすることができる。
以上のように、DLC配向膜1の下地のポリマー層14やITO櫛歯電極26を直接荒らした後、DLC配向膜1を塗布(又は積層)することによりDLC配向膜1の表面粗さRaを大きくすることができる。その後、配向膜1の表面粗さRaを大きく保ったまま、DLC配向膜1を配向処理する。この際、配向方法は非接触であるIB法を使用することで配向膜1の表面凹凸に関係なく緻密に配向処理が可能となる。または配向膜1なしで荒らされたポリマー膜に直接IB配向処理してもよい。
一方、ウエットプロセスで塗布されるPI配向膜1のような厚いポリマー膜は、下地の凹凸をカバーしPI配向膜1の表面は平坦化されるため、上記実施例2のように下地のポリマー層を荒らす方法はあまり好適ではない。しかしPI配向膜の厚さを100Å程度にまで薄く抑制すれば、PIのような有機膜を配向膜1としても本実施例の方法は有効である。
上記方法(1)〜(4)により、PI配向膜1やその下地の、CF基板32のOC18などのポリマー膜表面及び/またはアレイ基板30のポリマー層14あるいはITO櫛歯電極26などの表面を荒らす。
もしくは実施例2と同様に、ITO26膜付け前にポリマー層14を先に(1)〜(4)の方法で荒らしておく。その上にITO櫛歯電極26を塗布すれば、ITO櫛歯電極26は下地のポリマー膜の凹凸の影響を受け、ITO櫛歯電極26の表面粗さRaも大きくなる。
その後PI配向膜1を塗布し、その大きな表面粗さRaを保持しつつ、再びIB法やラビング法を用いて、配向処理する。上記実施例と同様に、配向膜1の表面の表面粗さRaを上記好適な範囲で調節することができ、当該配向膜1に接触する液晶層34の低プレチルト角を実現することができる。
最後に以上説明した実施形態及び実施例の応用例について説明する。
図12(a)(b)は同一ライン上でIB法により配向処理を施したアレイ基板とCF基板を示す。図12(a)(e)において、左側の矢印はIB(イオンビーム)の照射の方向を示す。図12(e)に示す方位角の定義より、IB照射の方向は270°の方向である。また、図12(a)(b)において、アレイ基板とCF基板は同一ライン上で同一のIBガンによるIB照射を受けるため、当該両基板において矢印で示す配向のパターンは略同一となる。
IB法において、IBガンは線光源と考えられ、ビーム方位には270°の方向から、0°方向及び180°方向にそれぞれ対応して+方向及び−方向のばらつきが生じる。従って所望の270°の方向に両基板を配向させたい場合であっても、両基板全体の平均的配向方向は所望の270°とはずれた、例えば図12(d)のようにずれ角θの方向に配向する。また液晶分子35は当接する基板のIB照射の方位角方向のばらつきに従って配向する。
上記のように、本発明のIPS液晶表示パネル10は、図12(a)のアレイ基板と図12(b)のCF基板とで液晶層34を封止する。ここで、封止する際に液晶層34を封止する両基板の配向方向が同一方向の場合をPA(Parallel)配向(図12(c)左図)と、両基板の配向方向が反対方向の場合をAP(Anti-Parallel)配向(図12(c)右図)と定義する。なお、アレイ基板とCF基板の配向処理を受けた面(図中矢印のついたIB照射を受けた面)が液晶分子35に接するように液晶層34を封止する。
次に、図13(b)、図13(c)は、それぞれ液晶分子35がプレチルト角を有したAP配向とPA配向の液晶セルの断面図である。断面図13(a)は理想的にプレチルト角が0の場合である。
図13(a)のプレチルト角が0の場合は、ノーマリブラックタイプの液晶表示パネル10を正面のどの方向から見ても黒輝度は小さく略一定で、IPS液晶表示パネル10にとって理想的である。
また、図13(c)のPA配向の場合は液晶セル中心付近では液晶分子35のプレチルト角は0となり、このため光学的にはPA配向のプレチルト角は0となる。一方、図13(b)のAP配向の場合は液晶セルを通して液晶分子35はプレチルト角をもつ。
再び図12を用いて説明する。アレイ基板とCF基板とも同一ライン上で同じIBガンにより配向処理した場合、AP配向での上記両基板間の液晶分子35の捩れ角は必ず上記ずれ角θの2倍となり、図12(d)において90°から±θの方向に捩れる。ここで液晶分子35の捩れ角は,図12(f)に示すようにアレイ基板側とCF基板側の液晶分子の配向方向がなす角である。
一方、PA配向の場合は、図12(b)のように同一ライン上の逆側の基板端面同士を対向させるため、上記AP配向と異なり、アレイ基板とCF基板間で図12(c)左図のように非対称なずれが生じやすい。
以下図14と図15に、アレイ基板とCF基板間に捩れが起きた場合の水平方向の視角特性を示す。図14と図15において、各プロットデータの液晶パネルの配向面表面層の特性を(CF基板の配向ずれ角(deg)、アレイ基板の配向ずれ角(deg)、液晶層のプレチルト角(deg))で示す。尚これらのシュミレーションデータは、両基板間で一度の捩れがある場合のデータである。
図14にそれぞれプレチルト角0、PA配向、AP配向の液晶表示パネルの水平視角と黒輝度との関係を示す。実線はプレチルト角0の、太い破線はPA配向の、細い破線はAP配向の、液晶表示パネルのシミュレーションデータである。
プレチルト角0のパネルは上記パネルの表面特性は、(89.5、90.5、0)、PA配向及びAP配向のパネルは共に(89.5、90.5、4)である。
図14より、AP配向のパネルではアレイ基板側とCF基板側とで液晶分子35は+−方向に同角度θずつずれるため、プレチルト角が存在していても正面黒輝度はプレチルト角0のパネルと変わらず、更に水平方向の黒輝度は対称となる。但しプレチルト角0のパネルに比べて水平方向の黒輝度は高くなり、コントラストは落ちた。
これに対し、PA配向のパネルはAP配向のパネルと上記表面特性値が全く同一であるにも関わらず、水平方向の黒輝度は非対称で、かつ他の2つのパネルより正面黒輝度及び水平方向の黒輝度ともにも高くなった。即ちパネルのコントラスト及び表示の対称性は、他の2パネルに比べ著しく落ちた。
次に、図15は、表面特性が(90、90、0)と(90、91、0)のいずれもプレチルト角0のパネルの黒輝度と水平視角の関係を表す。後者のパネルはプレチルト角が0であり水平方向の黒輝度は対称であるが、上記捩れがあるために正面黒輝度は捩れのない前者のパネルより高くなり、パネルのコントラストを落とすことになる。
以上整理すると、一般にプレチルト角を有する場合は水平・斜め方向の黒輝度が高くなる。PA配向でプレチルト角を有する(89.5、90.5、PA4)の場合であれば、水平方向の視角特性が非対称となり、かつ正面黒輝度を含む黒輝度が画面全体で高くなる。また、プレチルト角が0でも両基板間に非対称なずれがある(90、91、0)の場合には正面黒輝度が高くなりコントラストを落とすことになる。
一方(89.5、90.5、AP4)のようにAP配向とすると、IB配向やラビング配向の配向処理の際に基板内で配向方向のばらつきは生じるものの、水平・斜め方向の黒輝度を対称にすることができる。また、正面輝度をプレチルト角が0と同様に下げることが可能になる。
以上の知見及び上記実施例を総合すると、以下の結論を得る。
まず、上記実施例で説明した方法により、IPS液晶表示パネル10のアレイ基板及び/またはCF基板のポリマー層やITO等の櫛歯電極などを予め荒らして配向膜表面に凹凸を持たせることができる。そして、DLC等の無機配向膜では膜厚や膜条件によらず、更にIB条件に左右されることなく安定した低プレチルト角を得ることができる。またこれはPI配向膜とラビング法を用いても可能である。
このように低プレチルト角にすることで、アレイ基板及びCF基板の配向方向にばらつきがある場合でも、両基板をAP配向にすることが可能で、それにより液晶セルの正面黒輝度を下げることが可能となり、高コントラストのIPS液晶表示パネルを実現することができる。
以上本発明に係るIPS液晶表示パネルについて説明したが、本発明のIPS液晶表示パネルは上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。例えば、本発明の液晶表示パネル10のアレイ基板30、CF基板32の表面は、両基板の表面の表面粗さが大きくてもよいが、いずれか一方の基板の表面の表面粗さを大きくしてもよい。前者の場合は、両基板の表面の表面粗さが影響していずれか一方の基板表面を両基板と同程度に荒らすより、液晶分子35のプレチルト角をより効果的に小さくすることができる。一方後者の場合は、いずれか一方の基板の表面を荒らせばよいので、生産効率を上げることができる。
上記説明において、本発明の液晶表示パネル10のポリマー配向膜1は、印刷やスピンコーターなどの従来のウエットプロセスで塗布されるPI等の有機膜を主として用いた。しかし本発明の液晶表示パネル10のポリマー配向膜1は、上記ウエットプロセスで形成される有機膜に特に限定されない。
また同様に、本発明の液晶表示パネル10の無機配向膜1は、CVDやスパッタ等の従来のドライプロセスで塗布されるDLC等の無機膜を用いて説明した。しかし本発明の液晶表示パネル10の配向膜1は、上記無機膜に特に限定されない。
更に本発明の液晶表示パネル10は、櫛歯電極26はできるだけ透明度が高い方が望ましいが、材料はITOに限定されない。櫛歯電極26は、Al、Mo−W等の薄い金属で形成してもよい。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
液晶テレビやパソコンディスプレイ、その他のIPS液晶表示パネルすべてに利用可能である。
1、101:配向膜
10、110:液晶表示パネル
12、112:ガラス基板
14、114:ポリマー層
16、116:ポスト
18、118:オーバーコート(OC)
20、120:カラーレジスト
22、122:ブラックマトリクス(BM)
24:櫛歯電極
26:(ITO)櫛歯電極
28:DLC
29:フォトレジスト
30、130:アレイ基板
32、132:カラーフィルタ基板
34、134:液晶層
35:液晶分子
50:イオンビーム
10、110:液晶表示パネル
12、112:ガラス基板
14、114:ポリマー層
16、116:ポスト
18、118:オーバーコート(OC)
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24:櫛歯電極
26:(ITO)櫛歯電極
28:DLC
29:フォトレジスト
30、130:アレイ基板
32、132:カラーフィルタ基板
34、134:液晶層
35:液晶分子
50:イオンビーム
Claims (19)
- ポリマー層及び該ポリマー層上に形成した櫛歯電極を覆って配向膜を積層したアレイ基板と、該アレイ基板とカラーフィルタ基板との間に液晶層を封止したIPS(In−Plane Switching)液晶表示パネルであって、
前記アレイ基板上に積層した配向膜表面を荒らして表面粗さRaを5nm以上とした、
IPS液晶表示パネル。 - 前記配向膜は、ポリイミド(Poly-imide;PI)から形成された、請求項1に記載のIPS液晶表示パネル。
- ポリマー層及び該ポリマー層上に形成した櫛歯電極を覆って配向膜を積層したアレイ基板と、該アレイ基板とカラーフィルタ基板との間に液晶層を封止したIPS液晶表示パネルであって、
前記アレイ基板上に形成された櫛歯電極表面を荒らして表面粗さRaを5nm以上とした、
IPS液晶表示パネル。 - ポリマー層及び該ポリマー層上に形成した櫛歯電極を覆って配向膜を積層したアレイ基板と、該アレイ基板とカラーフィルタ基板との間に液晶層を封止したIPS液晶表示パネルであって、
前記アレイ基板上に積層したポリマー層表面を荒らして表面粗さRaを5nm以上とした、
IPS液晶表示パネル。 - 前記配向膜は、ダイヤモンドライクカーボン(Diamond-Like-Carbon;DLC)から形成された、請求項3または請求項4に記載のIPS液晶表示パネル。
- 前記櫛歯電極はITO(Indium Tin Oxide)から形成された、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のIPS液晶表示パネル。
- 前記櫛歯電極はAlまたはMo−Wの薄金属より形成された、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のIPS液晶表示パネル。
- 前記請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のIPS液晶表示パネルにおいて、
前記アレイ基板上に積層した配向膜又はポリマー層の表面を、
ICP(Inductive Coupled Plasma;誘導結合型プラズマ)、PE(Plasma Ethcer)、プラズマCVD、逆スパッタのうちいずれかのドライプロセスを用いて荒らしたIPS液晶表示パネル。 - 前記請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のIPS液晶表示パネルにおいて、
前記アレイ基板上に積層した配向膜又はポリマー層の表面を、
ラビング法を用いて荒らしたIPS液晶表示パネル。 - 前記請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のIPS液晶表示パネルにおいて、
前記配向膜をイオンビーム(IB)により配向処理したIPS液晶表示パネル。 - オーバーコート及び該オーバーコート上に配向膜を積層したカラーフィルタ基板と、該カラーフィルタ基板とアレイ基板との間に液晶層を封止したIPS液晶表示パネルであって、
前記カラーフィルタ基板上に積層した配向膜表面を荒らして表面粗さRaを5nm以上とした、IPS液晶表示パネル。 - 前記配向膜は、ポリイミドから形成された、請求項11に記載のIPS液晶表示パネル。
- オーバーコート及び該オーバーコート上に配向膜を積層したカラーフィルタ基板と、該カラーフィルタ基板とアレイ基板との間に液晶層を封止したIPS液晶表示パネルであって、
前記カラーフィルタ基板上に積層したオーバーコート表面を荒らして表面粗さRaを5nm以上とした、IPS液晶表示パネル。 - 前記配向膜は、ダイヤモンドライクカーボン(Diamond-Like-Carbon;DLC)から形成された、請求項13に記載のIPS液晶表示パネル。
- 前記請求項11乃至請求項14のいずれかに記載のIPS液晶表示パネルにおいて、
前記カラーフィルタ基板上に積層した配向膜又はオーバーコートの表面を、
ICP(Inductive Coupled Plasma;誘導結合型プラズマ)、PE(Plasma Ethcer)、プラズマCVD、逆スパッタのうちいずれかのドライプロセスを用いて荒らしたIPS液晶表示パネル。 - 前記請求項11乃至請求項14のいずれかに記載のIPS液晶表示パネルにおいて、
前記カラーフィルタ基板上に積層した配向膜又はオーバーコートの表面を、
ラビング法を用いて荒らしたIPS液晶表示パネル。 - 前記請求項11乃至請求項16のいずれかに記載のIPS液晶表示パネルにおいて、
前記配向膜をイオンビーム(IB)により配向処理したIPS液晶表示パネル。 - 前記表面粗さRaは15nm以下である、請求項1乃至請求項17に記載のIPS液晶表示パネル。
- 前記請求項10または請求項17に記載のIPS液晶表示パネルにおいて、
対向するアレイ基板とカラーフィルタ基板はAP(Anti-Parallel)配向としたIPS液晶表示パネル。
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