JP2008039955A - 液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶分子の応答速度を高める。
【解決手段】壁部90が、液晶分子の流体力学的な動きが他の画素の液晶分子に伝播することを低減する。壁部90によれば、各画素における横電界のみによって当該画素における液晶分子が駆動され、横電界の印加及び非印加の切り換えに応じて駆動時における液晶分子の立ち上がり及び立ち下がりが高速で行われることになり、液晶分子の高速駆動が可能になる。言い換えれば、各画素9aにおける液晶分子が、当該画素9aに隣接する他の画素における液晶分子の駆動につられることなく、高速で駆動され、液晶分子の応答性が向上する。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば、IPS(In−Plane Switching)方式、或いはFFS(Fringe Field Switching)方式等の横電界駆動方式で駆動される液晶ライトバルブ等の液晶装置、及びそのような液晶装置の製造方法、並びに液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の液晶装置では、液晶に印加する電界の方向を基板にほぼ平行な方向とする、IPS方式、或いはFFS方式等の横電界駆動方式が知られている。横電界駆動方式は、相対向する一対の基板の夫々に形成された画素電極及び対向電極間に介在する液晶に縦電界を印加する、TN(Twisted Nematic)駆動方式等の縦電界駆動方式に比べて視角特性に優れていることから注目されている。特許文献1に開示された技術によれば、基板面に平行な横電界を液晶に均一に印加可能なように、テーパ形状を有する層間絶縁膜上に電極を形成している。
特開平9−258265号公報
この種の液晶装置では、互いに隣接する画素の夫々における横電界が相互に干渉することによって、駆動電圧に対する液晶分子の応答性が低下し、表示性能が低下しまう問題点がある。特に、液晶プロジェクタのライトバルブとして用いられる液晶装置では、直視型の液晶ディスプレイ等の液晶装置と比べて画素ピッチが小さくなり、互いに隣接する画素の一方の画素における液晶分子の動きが他の画素における液晶の駆動に及ぼす影響が相対的に大きくなる。より具体的は、例えば、液晶が所定の配向状態に規制された後、再度元の配向状態に立ち下がるまでの時間が、他の画素における液晶分子の駆動の影響、即ち、互いに隣接する画素において駆動される液晶分子の流体力学的な作用によって遅くなり、液晶分子を高速で駆動することが困難となる問題点がある。
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、横電界方式で駆動される液晶装置であって、表示性能を高めることが可能な液晶ライトバルブ等の液晶装置、及びその製造方法、並びに液晶プロジェクタ等の電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る液晶装置は上記課題を解決するために、複数の画素が設けられた第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、前記複数の画素の夫々に形成された画素電極と、前記第1基板上に形成された共通電極と、前記画素電極及び前記共通電極上に形成された配向膜と、前記配向膜上に形成されており、前記画素電極及び前記共通電極の夫々の電位の差に応じて生じる横電界によって駆動される液晶分子を含む液晶層と、前記複数の画素のうち隣接する画素同士の間の領域において、前記配向膜上に形成された壁部とを備える。
本発明に係る液晶装置によれば、第1基板は、例えば透明基板上に画素スイッチング用TFT及び各種配線が形成されたTFTアレイ基板であり、第1基板は、当該TFTアレイ基板に対向配置された対向基板である。画素電極及び共通電極は、例えばITO等の透明導電膜で構成され、平面的に見て相互に櫛歯型に配列されている。配向膜は、これらが素電極及び共通電極上に形成されており、液晶分子の初期的な配向方向、言い換えれば液晶分子の非駆動時における配向方向を規制する。当該液晶装置の駆動時には、画素電極に画像信号に応じた電位が供給され、共通電極に固定電位が供給される。液晶分子は、画素電極及び共通電極の夫々の電位の差に応じて生じる横電界によって駆動され、各画素における階調、言い換えれば光の透過率が制御される。
壁部は、液晶層から見て第1基板の側に形成されており、例えば、複数の画素の夫々の開口領域を隔てる非開口領域において配向膜上に形成されている。したがって、当該画素における液晶分子が、当該画素に隣接する他の画素における液晶分子の駆動につられることなく、高速で駆動され、液晶分子の応答性が向上する。より具体的には、第1基板に近い側では横電界が強いため、液晶分子の変位、即ち液晶分子の駆動に伴って生じる液晶分子の流体力学的な動きが大きく、隣接する画素における液晶分子に及ぼす流体力学的な動きの影響が大きくなる。
そこで、本発明に係る液晶装置では、液晶層から見て第1基板の側において、複数の画素の夫々の開口領域を互いに隔てる非開口領域に壁部が形成されていることによって、液晶分子の流体力学的な動きが他の画素の液晶分子に伝播することを低減できる。したがって、壁部によれば、各画素における横電界のみによって当該画素における液晶分子が駆動され、横電界の印加及び非印加の切り換えに応じて駆動時における液晶分子の立ち上がり及び立ち下がりが高速で行われることになり、液晶分子の高速駆動が可能になる。
尚、「開口領域」とは、各画素において液晶分子が駆動されることによって実質的に光が透過可能な領域を意味し、「非開口領域」とは、各種素子或いは配線等の非透明な要素が形成されている領域を意味する。
加えて、本発明に係る液晶装置によれば、隣接する画素の夫々における液晶分子の流体力学的な動きの影響を低減できるため、隣接する画素におけるドメインの発生が低減でき、当該液晶装置によって表示される画像のコントラストも高めることが可能である。
加えて、本発明に係る液晶装置によれば、配向膜を形成した後、当該配向膜上に壁部が形成されているため、壁部を形成する工程において配向膜が損傷を受けることなく、配向膜の配向規制力が維持され、製造プロセス上及び表示性能の両方の観点から見て有利である。
よって、本発明に係る液晶装置によれば、液晶分子の高速駆動が可能となり、且つ画像の表示品位を高めることができる。加えて、製造プロセス及び表示性能の両面から見て格段に有利な液晶装置を提供できる。
本発明に係る液晶装置の一の態様では、前記壁部の高さは、前記第1基板及び前記第2基板のギャップの1/3以上であってもよい。
この態様によれば、隣接する画素における液晶分子の流体力学的な動きの影響が他の画素における液晶分子の駆動に及ばないようにするためには、壁部の高さは、前記第1基板及び前記第2基板のギャップの1/3以上であることが好ましい。このような壁部の高さは、後に詳細に説明する本願発明者のシミュレーションによって推測されている。尚、壁部の高さは、第1基板及び第2基板のギャップの1/3の未満であっても相応に得られる。
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記壁部は、絶縁材料で形成されていてもよい。
この態様によれば、例えば壁部を樹脂等の絶縁材量を主たる材料として構成することによって、互いに隣接する画素において一方の画素から他方の画素に及ぶ横電界によって液晶分子の応答性が低下することを低減できる。
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記壁部は、前記液晶分子の非駆動時における前記液晶分子の配向方向に沿って延びていてもよい。
この態様によれば、壁部の配向規制力によって液晶分子の配向を規制できる。
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記壁部は、前記複数の画素を囲むように格子状に延びていてもよい。
この態様によれば、第1基板の面内方向に沿ってマトリクス状に画素が規定されている場合であっても、行方向及び列方向の夫々に沿って互いに隣接する画素の夫々における液晶分子の応答性を高めることが可能である。
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記配向膜は、無機配向膜であってもよい。
この態様によれば、ポリイミド膜等の有機膜で配向膜を形成する場合に比べて、配向膜の配向規制力を維持し易い。より具体的には、壁部を所定の形状にパターニングする際に、溶剤によって配向膜の表面が劣化することを低減できる。このような無機膜としては、例えばアルミナ(Al2O3)等のように無機配向膜として汎用されているものを用いることが可能である。
この態様では、前記配向膜は、多孔質膜であってもよい。
この態様によれば、例えばアルミナ(Al2O3)等の無機膜を配向膜に採用した場合、非多孔質膜にイオンビームを照射することによって配向処理を施す場合に比べて、配向処理し易いからである。尚、配向膜を、斜方蒸着法によって形成し、蒸着されると共に配向膜に配向処理が施されていてもよい。
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記画素電極及び前記共通電極は、前記第1基板上の同層に形成されていてもよい。
この態様によれば、IPS駆動方式で液晶分子を駆動し、画素の階調を制御できる。
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記画素電極及び前記共通電極は、前記第1基板上における互いに異なる層に形成されていてもよい。
この態様によれば、FFS駆動方式で液晶分子を駆動し、画像の階調を制御できる。
本発明に係る液晶装置の製造方法は上記課題を解決するために、第1基板及び前記第1基板に対向するように配置される第2基板間に、画素電極及び共通電極の夫々の電位の差に応じて生じる横電界によって駆動される液晶分子を含む液晶層が挟持され、複数の画素が設けられた液晶装置の製造方法において、前記画素電極及び前記共通電極上に、配向膜を形成する工程と、前記複数の画素のうち隣接する画素同士の間の領域において、前記配向膜上に壁部を形成する工程とを備える。
本発明に係る液晶装置の製造方法によれば、上述した本発明の液晶装置と同様に、液晶分子の高速駆動が可能となり、且つ画像の表示品位を高められた液晶装置を製造できる。
本発明に係る液晶装置の製造方法の一の態様では、前記配向膜を形成する工程は、前記配向膜にイオンビームを照射することによって前記配向膜に配向処理を施す工程を含んでいてもよい。
この態様によれば、斜方蒸着法を用いて配向膜を形成する場合に比べて、液晶分子に対する配向膜の配向規制力を高めることが可能である。
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置を備えている。
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る液晶装置を具備してなるので、高品位の表示が可能な、液晶プロジェクタ等の投射型表示装置を実現できる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、図面を参照しながら本発明に係る液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器の各実施形態を説明する。
<1:第1実施形態>
<1−1:液晶装置の全体構成>
先ず、図1を参照しながら本発明に係る液晶装置の第1実施形態を説明する。図1は、TFTアレイ基板の上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置の平面図である。本実施形態では、液晶装置の一例として、IPS駆動方式の液晶装置を例に挙げる。また、本実施形態に係る液晶装置1は、誘電率異方性が負である(Δε<0)液晶分子からなる液晶層を有している。
図1において、液晶装置1では、「第1基板」の一例であるTFTアレイ基板10と、「第2基板」の一例である対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素部が設けられる画素領域たる画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。尚、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域が存在する。言い換えれば、本実施形態においては特に、TFTアレイ基板10の中心から見て、この額縁遮光膜53より以遠が周辺領域として規定されている。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
<1−2:画像表示領域の構成>
次に、図2乃至図11を参照しながら、画像表示領域10aを構成する画素部の詳細な構成を説明する。図2は、液晶装置1の画像表示領域10aの一部を拡大して示した平面図である。図3は、図2のIII−III´線断面図であり、図4は、図2のIV−IV´線断面図である。図5は、液晶装置1の各設計条件を示した一覧表である。図6は、配向膜に配向処理を施す際に当該配向膜に照射されるイオンビームの照射方向を示した概念図である。図7は、イオンビームの照射条件を示した一覧表である。図8は、壁部の有無と画素における光の透過率との関係をシミュレーションした結果を示したグラフである。図9は、図8に示したシミュレーション結果において壁部の有無による応答速度の違いを比較した表である。図10は、互いに隣接する画素の夫々における透過率を並べて示したグラフである。図11は、壁部の高さと応答速度との関係をシミュレーションした結果を示したグラフである。
図2において、液晶装置1は、壁部90、走査線11a、共通電極21、画素電極9、及びTFT30を有している。走査線11aは、図中X方向に沿って延びており、共通電極21は、Y方向に沿って延びている。画像表示領域10aを構成する画素9aは、共通電極21及び走査線11aの交差に応じてマトリクス状に規定されている。画素電極9及び共通電極21は、図中Y方向に沿って延びている。画素電極9は、画素9a毎に設けられており、ITO等の透明導電膜で構成されている。画素電極9は、コンタクトホール81を介してTFT30のドレインに電気的に接続されている。共通電極21は、後述する遮光膜23で規定された領域、より具体的には、画素9aにおいて実質的に光を透過させることが可能な開口領域を各画素間で互いに隔てる非開口領域に形成されており、コンタクトホール82を介して不図示の共通電位線に電気的に接続されている。
液晶装置1の動作時には、TFT30は、走査線11aを介して供給された走査信号によってスイッチング制御され、後述するデータ線6aを介して外部回路から供給された画像信号を画素電極9に供給する。画像信号に応じた電位を有する画素電極9と、共通電位線を介して共通電位が供給された共通電極21との間には、TFTアレイ基板10の基板面に平行な横電界が生じる。液晶分子が当該横電界に応じて駆動されることによって、各画素9aの階調が制御される。
壁部90は、共通電極21及び走査線11aの夫々が延びる方向に沿って、平面的に見て格子状に形成されている。したがって、後に詳細に説明するように、X方向及びY方向の夫々に沿って互いに隣接する画素の夫々における液晶分子の応答性を高めることが可能である。壁部90は、TFTアレイ基板10の基板面内における液晶配向方向、より具体的には、液晶装置1の非駆動時における液晶分子の配向方向(図中点線矢印で示した方向)に沿って延びる部分(図中X方向に沿って延びる部分)を有しているため、液晶分子の配向規制力を部分的に担うことも可能である。
図3において、液晶装置1は、TFTアレイ基板10上に形成された第1層間絶縁膜41、第2層間絶縁膜42、第3層間絶縁膜43、画素電極9、配向膜16、及び壁部90と、対向基板20側に形成された配向膜22、及び遮光膜23とを備えている。第1層間絶縁膜41、第2層間絶縁膜42及び第3層間絶縁膜を含む積層構造中には、下側遮光膜としても機能する走査線11a、蓄積容量70、TFT30、及びデータ線6aが作り込まれている。蓄積容量70は、半導体層1f、ゲート絶縁膜2及び容量線3bから構成されており、コンタクトホール84を介して走査線11aに電気的に接続されている。蓄積容量70は、各画素電極9に供給された画像信号を一時的に保持し、画素電極9の電位を維持する。TFT30は、チャネル領域1a´、低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1c、高濃度ソース領域1d、及び高濃度ドレイン領域1eを有する半導体層、ゲート絶縁膜2、並びにゲート電極3aを備えている。高濃度ドレイン領域1eは、コンタクトホール81を介して画素電極9に電気的に接続されている。高濃度ソース領域1dは、コンタクトホール83を介してデータ線6aに電気的に接続されている。ゲート線6aに供給された画像信号は、ON状態に切り換えられたTFT30を介して画素電極9に供給され、画素の階調は当該画像信号に応じた制御される。
図4において、共通電極21及び画素電極9は、第3層間絶縁膜上において同層に形成されている。液晶層50に含まれる液晶分子は、液晶装置1の動作時に、共通電極21及び画素電極9に生じた横電界によって駆動される。壁部90は、共通電極21が形成された非開口領域において、TFTアレイ基板10側に形成された配向膜16上に形成されている。
液晶装置1の各設計条件は、図5に示したとおりであり、本実施形態では壁部90の高さ(1μm)は、セルギャップ(2.9μm)の1/3以上に設定されている。図6において、配向膜16は、無機材料の一例であるアルミナ(Al2O3)からなる無機膜を形成した後、図6に示すように当該無機膜にイオンビームが照射されることによって、配向処理が施された無機配向膜である。イオンビームの照射方向は、TFTアレイ基板10の基板面Sの面内方向において、液晶ダイレクタ方向から70°傾いた方向で、且つ基板面Sの法線に対して75°だけ基板面S側に傾いた入射方向から照射されている。イオンビームの照射条件は、図7に示すとおりである。尚、配向膜22も配向膜16と同様の方法で形成されており、これら配向膜は無機材料で形成されている。したがって、ポリイミド等の有機膜で配向膜を形成する場合に比べて、壁部90を形成する際に配向膜が損傷を受けることを低減できる。配向膜16及び22は、Al2O3の他にも、シリカ(SiO2)或いはフッ化マグネシウム(MgF)等の無機材料を用いて構成されていても、アルミナと同様の効果を得られる。尚、配向膜16及び22は、多孔質膜であるほうが好ましい。このような配向膜によれば、イオンビームの照射によって容易に配向処理を施すことが可能である。
液晶装置1のような横電界駆動方式で駆動される液晶装置では、その動作時において、液晶層のうちTFTアレイ基板に近い側、言い換えれば配向膜に近い側では横電界が強いため、液晶分子の変位、即ち液晶分子の駆動に伴って生じる液晶分子の流体力学的な動きが大きく、隣接する画素における液晶分子に及ぼす流体力学的な動きの影響が大きくなる問題点がある。
そこで、液晶装置1では、壁部90が、液晶分子の流体力学的な動きが他の画素の液晶分子に伝播することを低減する。壁部90によれば、各画素における横電界のみによって当該画素における液晶分子が駆動され、横電界の印加及び非印加の切り換えに応じて駆動時における液晶分子の立ち上がり及び立ち下がりが高速で行われることになり、液晶分子の高速駆動が可能になる。言い換えれば、各画素9aにおける液晶分子が、当該画素9aに隣接する他の画素における液晶分子の駆動につられることなく、高速で駆動され、液晶分子の応答性が向上する。
より具体的には、図8に示すように、本願発明者が行ったシミュレーション結果によれば、壁部90を設けることによって、開口部(即ち画素における開口領域)の透過率の立下りが、壁部を設けない場合に比べて急峻に立ち下がることが分かった。より具体的には、図9に示すように、液晶分子の応答速度は、壁部を設けた場合が19msであり、壁部を設けない場合(21ms)に比べて、約10%速くなることが分かった。したがって、液晶装置1によれば、液晶分子の高速駆動が可能となる。尚、図9において、τonとは、液晶分子の立ち上がり時間、τoffは液晶分子の立ち下り時間を意味し、本実施形態では、応答速度を立ち上がり時間及び立ち下り時間の和で定義している。
特に、直視型表示装置に比べて小型のサイズを有するライトバルブに応用される液晶装置では、画素ピッチが相対的にちいさくなるため、互いに隣接する画素の夫々における液晶分子の動きが他の画素における液晶分子の駆動に及ぼす影響が大きくなる。したがって、液晶装置1は、特に、このような小型サイズのライトバルブの表示性能を高めるために有用である。
また、本実施形態では、壁部90は、配向膜16を形成し、且つ当該配向膜16に配向処理を施した後に形成されるため、壁部90を形成するエッチング工程等のプロセスによって配向膜16の表面が損傷を受けることが低減することも可能である。尚、壁部90は、絶縁材料で形成されているほうが好ましい。例えば、壁部90を樹脂等の絶縁材料で形成することにより、導電材料で壁部を形成する場合に比べて、互いに隣接する画素において一方の画素から他方の画素に及ぶ横電界によって液晶分子の応答性が低下することを低減できる。
また、図10に示すように、壁部90を設けることによって、相互に隣接する画素の夫々の応答性に差が生じる。より具体的には、図中X方向の位置に沿って0から8μmまでが一の画素であり、8から16μmまでが一の画素に隣接する他の画素の範囲を示している。一の画素で黒表示を行い、他の画素で白表示を行なった場合、壁部90を設けることによって、白表示を行う画素から黒表示を行う画素への影響が小さくなっている、より具体的には、黒表示部の端において、白表示部の透過率分布の裾の広がりが重なる範囲が低減されている。このような裾の広がりが重なる範囲が減少する理由は、上述した液晶分子の流体力学的な動きの影響が低減されていることによるものと考えられる。したがって、液晶装置1によれば、各画素における液晶分子は、隣接する画素における液晶分子を動きにつられることなく、画素電極及び共通電極間に生じた横電界によってのみ駆動される。このような液晶装置1によれば、画像信号に応じて、高いコントラストで画像を表示可能である。
次に、図11を参照しながら、壁部90の高さと液晶分子の応答速度との関係を説明する。図11に示すように、壁の高さが1μm付近から2.9μmの範囲では、応答速度が殆ど変化しない傾向にある。したがって、壁部90の高さは、TFTアレイ基板10及び対向基板20のギャップ、より具体的には配向膜16及び22間に介在する液晶層50の厚みの1/3以上であるほうが、画像の表示品位を高めるためには好ましいことが分かる。尚、壁部90を設けるだけで、当該壁部を設けない場合より表示性能が相応に高められることが言うまでもない。
以上、説明したように、本実施形態に係る液晶装置1によれば、液晶分子の高速駆動が可能となり、且つ画像の表示品位を高めることができる。加えて、製造プロセス及び表示性能の両面から見て格段に有利な液晶装置を提供できる。
<1−3:液晶装置の製造方法>
次に、図12を参照しながら、上述の液晶装置1を製造するための液晶装置の製造方法を説明する。図12は、液晶装置1の製造プロセスの各工程を説明するためのフローチャートである。
図12において、TFTアレイ基板10上に、例えば蒸着やスパッタリング等による成膜、エッチングやフォトグラフィ等によるパターンニング、熱処理などによって、データ線6aや走査線11a、TFT30等が作り込まれた積層構造の最上層に、例えばスパッタリングによりITO等の透明導電材料からなる画素電極9を形成する(ステップS11A)。ステップS11Aを形成する工程と共通の工程で、或いは相前後する工程によって共通電極21を画素電極9と同様の方法で形成する(ステップS11B)。
続いて、配向膜形成工程によって、TFTアレイ基板10における画素電極9aが形成された基板面上にアルミナからなる配向膜16を約70nmの膜厚で形成する(ステップS12)。次に、配向膜16の表面に、図6及び図7に示した照射方向及び照射条件でイオンビームを照射し、配向処理を施す(ステップS13)。尚、配向膜16は、社王蒸着法を用いて配向処理が膜形成と同時施されていてもよい。次に、配向膜16の表面に壁部90を形成する(ステップS14)。壁部90は、配向膜16の表面にネガ型観光性樹脂からなるレジストを形成し、フォトリソグラフィ等の既存のパターンニング法を用いて形成される。
対向基板20には、ステップS11AからS14と並行して、或いは相前後して遮光膜23を形成し(ステップ21)、配向膜22を形成し(ステップS22)、配向膜22に配向処理を施す(ステップS23)。
次に、シール材でTFTアレイ基板10及び対向基板20を貼り合わせた(ステップS3)後、これら基板間に液晶を注入し、液晶装置1を組み上げる(ステップS32)。以上の工程によって、液晶装置1を形成できる。尚、液晶は、TFTアレイ基板10及び対向基板20を貼り合せる前にTFTアレイ基板10に供給され、その後TFTアレイ基板10に対向基板20を貼り合わせることによって液晶装置1を組み上げてもよい。
本実施形態に係る液晶装置の製造方法によれば、配向膜が配向処理を用意に施すことができ、且つ壁部を形成することによる配向膜の劣化も抑制できる。
<2:第2実施形態>
次に、図13乃至図21を参照しながら、本発明に係る液晶装置の他の実施形態を説明する。尚、以下では、第1実施形態に係る液晶装置1と共通する部分に共通の参照符合を付し、詳細な説明を省略する。図13は、本実施形態に係る液晶装置1Aの画像表示領域の一部を拡大して示した平面図である。図14は、図13のXIV−XIV´線断面図である。図15は、液晶装置1Aの各設計条件を示した一覧表である。図16は、配向膜に配向処理を施す際に当該配向膜に照射されるイオンビームの照射方向を示した概念図である。図17は、壁部の有無と画素における光の透過率との関係をシミュレーションした結果を示したグラフである。図18は、図17に示したシミュレーション結果において壁部の有無による応答速度の違いを比較した表である。図19は、互いに隣接する画素の夫々における透過率を並べて示したグラフである。図20は、画素ピッチと応答速度との関係をシミュレーションした結果を示したグラフである。図21は、図20に示したシミュレーション結果において画素ピッチによる応答速度の違いを比較した表である。
尚、本実施形態に係る液晶装置1Aにおける液晶の駆動方法は、第1実施形態と同様にIPS駆動方式である。
図13において、液晶装置1Aは、壁部91、走査線11a、共通電極21、画素電極9、及びTFT30を有している。壁部91は、共通電極21が延びる方向(図中Y方向)に沿って延びている。壁部91は、TFTアレイ基板10の基板面内における液晶配向方向、より具体的には、液晶装置1の非駆動時における液晶分子の配向方向(図中点線矢印で示した方向)に沿って延びる部分(図中Y方向に沿って延びる部分)を有しているため、液晶分子の配向規制力を部分的に担うことも可能である。
図14において、共通電極21及び画素電極9は、第3層間絶縁膜上において同層に形成されている。液晶層50に含まれる液晶分子は、液晶装置1の動作時に、共通電極21及び画素電極9に生じた横電界によって駆動される。壁部91は、共通電極21が形成された非開口領域において、TFTアレイ基板10側に形成された配向膜16上に形成されている。
液晶装置1Aの各設計条件は、図15に示したとおりであり、本実施形態では壁部91の高さ(2.9μm)は、セルギャップ(2.9μm)と一致している。液晶層50に含まれる液晶分子の誘電率異方性は正(Δε>0)である。このため、液晶分子の配向方向は、図13中点線矢印で示した陽に、画素電極9が延びる方向(Y方向)に対して20°傾いている。
配向膜16は、無機材料の一例であるアルミナ(Al2O3)からなる無機膜を形成した後、図16に示すように当該無機膜にイオンビームが照射されることによって、配向処理が施された無機配向膜である。イオンビームの照射方向は、TFTアレイ基板10の基板面Sの面内方向において、液晶ダイレクタ方向から20°傾いた方向で、且つ基板面Sの法線に対して75°だけ基板面S側に傾いた入射方向から照射されている。イオンビームの照射条件は、図7に示した条件と同様である。
液晶装置1Aでは、液晶装置1と同様に、壁部91が、液晶分子の流体力学的な動きが他の画素の液晶分子に伝播することを低減する。壁部91によれば、各画素における横電界のみによって当該画素における液晶分子が駆動され、横電界の印加及び非印加の切り換えに応じて駆動時における液晶分子の立ち上がり及び立ち下がりが高速で行われることになり、液晶分子の高速駆動が可能になる。
より具体的には、図17及び図18に示すように、本願発明者が行ったシミュレーション結果によれば、壁部91を設けることによって、開口部(即ち画素における開口領域)の透過率の立下りが、壁部を設けない場合に比べて急峻に立ち下がることが分かった。液晶分子の応答速度は、壁部を設けた場合が9msであり、壁部を設けない場合(10ms)に比べて、約10%速くなることが分かった。したがって、液晶装置1によれば、液晶分子の高速駆動が可能となる。
また、図19に示すように、壁部91を設けることによって、相互に隣接する画素の夫々の応答性に差が生じる。より具体的には、図中X方向の位置に沿って0から8μmまでが一の画素であり、8から16μmまでが一の画素に隣接する他の画素の範囲を示している。一の画素で黒表示を行い、他の画素で白表示を行なった場合、壁部91を設けることによって、白表示を行う画素から黒表示を行う画素への影響が小さくなっている、より具体的には、黒表示部の端において、白表示部の透過率分布の裾の広がりが重なる範囲が低減されている。このような裾の広がりが重なる範囲が減少する理由は、上述した液晶分子の流体力学的な動きの影響が低減されていることによるものと考えられる。したがって、液晶装置1Aによれば、各画素における液晶分子は、隣接する画素における液晶分子を動きにつられることなく、画素電極及び共通電極間に生じた横電界によってのみ駆動される。このような液晶装置1Aによれば、液晶装置1と同様に、画像信号に応じて、高いコントラストで画像を表示可能である。
次に、図20及び図21を参照しながら、画素ピッチと応答速度との関係を考察する。
図20(a)に示した画素ピット10μmの場合の液晶分子の応答速度と、図20(b)に示した画素ピット12μmの場合の液晶分子の応答速度とを比較すると、両者とも壁部の存在によって、液晶分子の応答速度が向上するが、画素ピッチ10μmのほうがより応答速度が速くなっている。より具体的には、図21(a)及び(b)に示すように、画素ピッチ10μmの場合、壁部がない場合の応答速度(25.5ms)に比べて、壁部がある場合の応答速度(21ms)は、18%程度向上している。一方、画素ピッチ12μmの場合、壁部がない場合の応答速度(25ms)に比べて、壁部がある場合の応答速度(24ms)は、10%程度向上している。したがって、画素ピッチが小さいほうが、壁部によって向上する応答速度の向上の度合いが大きいことが分かった。このシミュレーション結果により、本実施形態に係る液晶装置1Aが、小型のサイズを有するライトバルブに特に有用であることが分かった。
以上、説明したように、本実施形態に係る液晶装置1Aによれば、液晶分子の高速駆動が可能となり、且つ画像の表示品位を高めることができる。加えて、製造プロセス及び表示性能の両面から見て格段に有利な液晶装置を提供できる。尚、液晶装置1Aは、液晶装置1と同様の製造方法によって製造可能である。
<3:第3実施形態>
次に、図22乃至図27を参照しながら、本発明に係る液晶装置の他の実施形態を説明する。図22は、本実施形態に係る液晶装置1Bの画像表示領域の一部を拡大して示した平面図である。図23は、図22のXXIII−XXIII´線断面図である。図24は、液晶装置1Bの各設計条件を示した一覧表である。図25は、壁部の有無と画素における光の透過率との関係をシミュレーションした結果を示したグラフである。図26は、図25に示したシミュレーション結果において壁部の有無による応答速度の違いを比較した表である。図27は、互いに隣接する画素の夫々における透過率を並べて示したグラフである。
尚、本実施形態に係る液晶装置1Bにおける液晶の駆動方法は、第1及び第2実施形態と異なるFFS駆動方式である。
図22において、液晶装置1Bは、壁部92、凸部95、走査線11a、後述する共通電極121、及び画素電極19を有している。壁部92は、各画素9aの開口領域を隔てる非開口領域に形成された凸部95上において、配向膜16上に形成されており、図中X方向及びY方向に延びている。画素電極19は、中継配線31を介して不図示画素スイッチング用TFT及びデータ線に電気的に接続されている。壁部92は、TFTアレイ基板10の基板面内における液晶配向方向、より具体的には、液晶装置1Bの非駆動時における液晶分子の配向方向(図中点線矢印で示した方向)に沿って延びる部分(図中X方向に沿って延びる部分)を有しているため、液晶分子の配向規制力を部分的に担うことも可能である。
図23において、液晶装置1Bは、TFTアレイ基板10上の互いに異なる層に形成された画素電極19及び共通電極121を有している。より具体的には、固定電位である共通電位が供給される共通電極121は、画素電極19の下層側に形成されており、これら電極間に生じる横電界によって液晶分子が駆動される。
液晶装置1Bの各設計条件は、図24に示したとおりであり、本実施形態では壁部92の高さ(2μm)は、セルギャップ(2.9μm)の約70%である。液晶層50に含まれる液晶分子の誘電率異方性は負(Δε<0)である。このため、液晶分子の配向方向は、図22中点線矢印で示したように、画素電極19が延びる方向(Y方向)に対して70°傾いている。配向膜16は、図6及び図7に示したイオンビーム照射方向及び照射条件によって照射されたイオンビームによって配向処理が施されている。
液晶装置1Bでは、液晶装置1と同様に、壁部92が、液晶分子の流体力学的な動きが他の画素の液晶分子に伝播することを低減する。壁部92によれば、各画素における横電界のみによって当該画素における液晶分子が駆動され、横電界の印加及び非印加の切り換えに応じて駆動時における液晶分子の立ち上がり及び立ち下がりが高速で行われることになり、液晶分子の高速駆動が可能になる。
より具体的には、図25及び図26に示すように、本願発明者が行ったシミュレーション結果によれば、壁部92を設けることによって、開口部(即ち画素における開口領域)の透過率の立下りが、壁部を設けない場合に比べて急峻に立ち下がることが分かった。液晶分子の応答速度は、壁部を設けた場合が14.5msであり、壁部を設けない場合(18ms)に比べて、約16%速くなることが分かった。したがって、液晶装置1によれば、液晶分子の高速駆動が可能となる。
また、図27に示すように、壁部92を設けることによって、相互に隣接する画素の夫々の応答性に差が生じる。より具体的には、図中X方向の位置に沿って0から8μmまでが一の画素であり、8から16μmまでが一の画素に隣接する他の画素の範囲を示している。一の画素で黒表示を行い、他の画素で白表示を行なった場合、壁部92を設けることによって、白表示を行う画素から黒表示を行う画素への影響が小さくなっている、より具体的には、黒表示部の端において、白表示部の透過率分布の裾の広がりが重なる範囲が低減されている。このような裾の広がりが重なる範囲が減少する理由は、上述した液晶分子の流体力学的な動きの影響が低減されていることによるものと考えられる。したがって、液晶装置1Bによれば、各画素における液晶分子は、隣接する画素における液晶分子を動きにつられることなく、画素電極及び共通電極間に生じた横電界によってのみ駆動される。このような液晶装置1Bによれば、液晶装置1と同様に、画像信号に応じて、高いコントラストで画像を表示可能である。特に、本実施形態に係る液晶装置1Bが、液晶装置1及び1Aと同様に、小型のサイズを有するライトバルブに特に有用である。
以上、説明したように、本実施形態に係る液晶装置1Bによれば、液晶分子の高速駆動が可能となり、且つ画像の表示品位を高めることができる。加えて、製造プロセス及び表示性能の両面から見て格段に有利な液晶装置を提供できる。尚、液晶装置1Bは、液晶装置1と同様の製造方法によって製造可能である。
<4:電子機器>
次に、図28を参照しながら、上述した液晶装置を電子機器の一例であるプロジェクタを適用した場合を説明する。上述した液晶装置は、プロジェクタのライトバルブとして用いられている。図28は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。図28に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等の構成を有しており、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。このようなプロジェクタ1100によれば、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gを備えているため、高品位の画像を表示できる。
第1実施形態に係る液晶装置の平面図である。 第1実施形態に係る液晶装置における画像表示領域の一部を拡大して示した平面図である。 図2のIII−III´線断面図である。 図2のIV−IV´線断面図である。 第1実施形態に係る液晶装置の各設計条件を示した一覧表である。 配向膜に配向処理を施す際に当該配向膜に照射されるイオンビームの照射方向を示した概念図である。 イオンビームの照射条件を示した一覧表である。 壁部の有無と画素における光の透過率との関係をシミュレーションした結果を示したグラフである。 図8に示したシミュレーション結果において壁部の有無による応答速度の違いを比較した表である。 互いに隣接する画素の夫々における透過率を並べて示したグラフである。 壁部の高さと応答速度との関係をシミュレーションした結果を示したグラフである。 第1実施形態に係る液晶装置を製造可能な液晶装置の製造方法の主要な工程を示したフローチャートである。 第2実施形態に係る液晶装置における画像表示領域の一部を拡大して示した平面図である。 図13のXIV−XIV´線断面図である。 第2実施形態に係る液晶装置の各設計条件を示した一覧表である。 配向膜に配向処理を施す際に当該配向膜に照射されるイオンビームの照射方向を示した概念図である。 壁部の有無と画素における光の透過率との関係をシミュレーションした結果を示したグラフである。 図17に示したシミュレーション結果において壁部の有無による応答速度の違いを比較した表である。 互いに隣接する画素の夫々における透過率を並べて示したグラフである。 画素ピッチと応答速度との関係をシミュレーションした結果を示したグラフである。 図20に示したシミュレーション結果において画素ピッチによる応答速度の違いを比較した表である。 第2実施形態に係る液晶装置における画像表示領域の一部を拡大して示した平面図である。 図22のXXIII−XXIII´線断面図である。 第3実施形態に係る液晶装置の各設計条件を示した一覧表である。 壁部の有無と画素における光の透過率との関係をシミュレーションした結果を示したグラフである。 図25に示したシミュレーション結果において壁部の有無による応答速度の違いを比較した表である。 互いに隣接する画素の夫々における透過率を並べて示したグラフである。 本発明に係る電子機器の一実施形態に係る液晶プロジェクタの構成を表す断面図である。
符号の説明
1,1A,1B・・・液晶装置、9,19・・・画素電極、90,91,92・・・壁部、21,121・・・共通電極

Claims (12)

  1. 複数の画素が設けられた第1基板と、
    前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、
    前記複数の画素の夫々に形成された画素電極と、
    前記第1基板上に形成された共通電極と、
    前記画素電極及び前記共通電極上に形成された配向膜と、
    前記配向膜上に形成されており、前記画素電極及び前記共通電極の夫々の電位の差に応じて生じる横電界によって駆動される液晶分子を含む液晶層と、
    前記複数の画素のうち隣接する画素同士の間の領域において、前記配向膜上に形成された壁部と
    を備えたことを特徴とする液晶装置。
  2. 前記壁部の高さは、前記第1基板及び前記第2基板のギャップの1/3以上であること
    を特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記壁部は、絶縁材料で形成されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の液晶装置。
  4. 前記壁部は、前記液晶分子の非駆動時における前記液晶分子の配向方向に沿って延びていること
    を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の液晶装置。
  5. 前記壁部は、前記複数の画素を囲むように格子状に延びていること
    を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の液晶装置。
  6. 前記配向膜は、無機配向膜であること
    を特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の液晶装置。
  7. 前記配向膜は、多孔質膜であること
    を特徴とする請求項6に記載の液晶装置。
  8. 前記画素電極及び前記共通電極は、前記第1基板上の同層に形成されていること
    を特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の液晶装置。
  9. 前記画素電極及び前記共通電極は、前記第1基板上における互いに異なる層に形成されていること
    を特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の液晶装置。
  10. 第1基板及び前記第1基板に対向するように配置される第2基板間に、画素電極及び共通電極の夫々の電位の差に応じて生じる横電界によって駆動される液晶分子を含む液晶層が挟持され、複数の画素が設けられた液晶装置の製造方法において、
    前記画素電極及び前記共通電極上に、配向膜を形成する工程と、
    前記複数の画素のうち隣接する画素同士の間の領域において、前記配向膜上に壁部を形成する工程と
    を備えたことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  11. 前記配向膜を形成する工程は、前記配向膜にイオンビームを照射することによって前記配向膜に配向処理を施す工程を含むこと
    を特徴とする請求項10に記載の液晶装置の製造方法。
  12. 請求項1から9の何れか一項に記載の液晶装置を具備してなること
    を特徴とする電子機器。
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