JP2007286171A - 液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶装置において、対向電極に供給される共通電位の変動を抑制する。
【解決手段】液晶装置1は、TFTアレイ基板10と、TFTアレイ基板10に対向するように配置された対向基板20と、負の誘電率異方性を有する液晶分子50aを含んでおり、TFTアレイ基板10及び対向基板20間に挟持された液晶層50と、TFTアレイ基板10上に形成された画素電極9aと、画素電極9aに対向するように対向基板20上に形成されており、共通電位VCOMが供給される対向電極21とを備える。更に、TFTアレイ基板10上の画素電極9aを覆う配向膜16と、対向基板20上の対向電極21を覆う配向膜22とを備える。配向膜22の表面における液晶分子50aのプレチルト角θ2は、配向膜16の表面における液晶分子50aのプレチルト角θ1の1.5〜2.0倍である。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば垂直配向モードで液晶分子が配向制御される液晶装置及びその製造方法、並びにそのような液晶装置を具備してなる、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の液晶装置は、基板上に、画素電極と、該画素電極の選択的な駆動を行うための走査線、データ線、画素スイッチング用素子としての薄膜トランジスタ(以下適宜、TFTと称する)等とを備え、アクティブマトリクス駆動可能に構成される。更に、このように構成されたTFTアレイ基板上の複数の画素電極に対向する形で、対向基板に設けられた一つの対向電極(或いは共通電極)が配置され、これらの相対向する一対の電極間に、液晶が挟持される。そして動作時には、該一対の電極間に電界を印加することで対向電極及び画素電極の夫々を覆うように形成された配向膜を介して液晶等に対するアクティブマトリクス駆動が行なわれる。例えば、上述した対向電極の共通電位を固定し且つ画素電極の電位を変化させる駆動方式を採用する場合には、共通電位源は、高コントラスト化等を目的としてTFTアレイ基板上に設けられる蓄積容量の共通電位側容量電極に接続されると共に、対向基板上の対向電極にも接続され、夫々に対して共通電位が供給されることになる。
他方、この種の液晶装置では、液晶分子の配向を規制するための液晶分子の配向モードとしては、電圧無印加状態で液晶分子が基板面に略平行で基板に垂直な方向にねじれた配向を持つツイステッド・ネマティック(Twisted Nematic)モード(以下適宜、「TNモード」と称する)と、液晶分子が垂直に配向した垂直配向(Virtical Alignment)モード(以下適宜、「VAモード」と称する)とが知られている。信頼性等の面から従来はTNモードが主流であったが、垂直配向モードがいくつかの優れた特性を持っているため、垂直配向モードの液晶装置が注目されている。
この種の液晶装置において垂直配向モードによって液晶分子を配向制御する場合、ポリイミド等の有機材料から形成された有機垂直配向膜だけでなく、SiO又はSiO2等の無機材料を基板に斜方蒸着することによって形成された無機垂直配向膜が用いられる。
また、特許文献1では、垂直配向モードの液晶装置において、上述したTFTアレイ基板に相当する能動素子基板側の配向膜が液晶層に与えるプレチルト角を、上述した対向基板に相当する透明基板側の配向膜が液晶層に与えるプレチルト角よりも大きくすることによって、適正な配向規制力を与えながらコントラスト比の低下を抑制する技術が開示されている。
特開平10−161127号公報
しかしながら、この種の液晶装置では、連続、或いは長期間に亘って対向電極に共通電位を供給した場合、対向電極の電位、即ち共通電位が変動してしまい、表示画像におけるフリッカや焼き付きが発生してしまうという技術的問題点がある。
そこで、本願発明者は、無機垂直配向膜を形成する際の無機材料の蒸着条件に起因する配向膜の膜質の相違、或いは無機垂直配向膜に覆われた画素電極及び対向電極の材質、膜厚、表面状態等の相違、或いはTFTアレイ基板及び対向電極基板の表面の段差構造の相違等によって生じる配向膜の表面における電気的な状態(例えば、電気二重層の存在等)が、共通電位が変動する原因の一つであると推察している。
よって、本発明は、例えば上述した問題点に鑑みてなされたものであり、対向電極における共通電位の変動を抑制し、高品位な画像を表示可能な液晶装置及びその製造方法、並びにそのような液晶装置を備えたプロジェクタ等の電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る第1の液晶装置は上記課題を解決するために、第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、負の誘電率異方性を有する液晶分子を含んでおり、前記第1及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって形成されており、前記画素電極を覆う第1配向膜と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって形成されており、前記対向電極を覆う第2配向膜とを備え、前記第2配向膜の表面における前記液晶分子のプレチルト角は、前記第1配向膜の表面における前記液晶分子のプレチルト角の1.5〜2.0倍である。
本発明に係る第1の液晶装置では、第1及び第2基板が互いに対向するように配置されており、第1及び第2基板が互いに対向する側の基板面の各々に対向電極、及び画素電極が形成されている。尚、「基板面」とは、第1及び第2基板の表面、並びに該表面に形成された他の層の表面をも含む広い概念を意味し、対向電極及び画素電極の各々が形成される下地となる面を意味する。第1及び第2基板間には、負の誘電率異方性を有する液晶層が挟持されている。このため、本発明に係る第1の液晶装置は、垂直配向モード(即ち、VAモード)の液晶装置を構成している。
本発明に係る第1の液晶装置によれば、その動作時には、例えばデータ線駆動回路を含む駆動回路から供給された画像信号に応じた画素電位が画素電極に供給され、対向電極には共通電位が供給される。液晶分子は、これら画素電位及び共通電位の電位差に応じた電圧によって配向制御され、画素電極が例えばマトリクス状に平面配列された画素領域或いは画素アレイ領域(又は「画像表示領域」とも呼ぶ)における画像表示が行われる。
第1及び第2配向膜は、例えばSiO或いはSiO2等の無機垂直配向膜を構成する無機材料として汎用されている材料を第1及び第2基板の各々に形成された画素電極及び対向電極を覆うように斜方蒸着させることによって形成される。第1及び第2配向膜を斜方蒸着法によって蒸着(或いは成膜)する際、蒸着圧力(或いは成膜圧力)や蒸着角度(或いは成膜角度)を調整することで、第1及び第2配向膜の各々の表面における液晶分子のプレチルト角の制御が可能である。ここで、「蒸着角度」とは、配向膜が形成される基板の基板面の法線と、無機材料の蒸着方向とがなす角度を意味し、「蒸着圧力」とは、無機材料が蒸着される際における、配向膜が形成される基板近傍の雰囲気の圧力を意味する。「蒸着角度」及び「蒸着圧力」は、以下の各発明においても同様のことを意味する。
本発明では特に、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角は、第1配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角の1.5〜2.0倍である。即ち、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角は、第1配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角より大きく設定されている。言い換えれば、第2配向膜の表面における液晶分子が第1配向膜の表面における液晶分子よりも基板面に沿うように(即ち、基板面に対して平行に近づくように)、プレチルト角が設定されている。このため、第1及び第2配向膜の表面における電気的な状態が互いに異なることによって生じ得る対向電極における共通電位の変動を抑制できる。より具体的には、例えば、画素電極及び対向電極の材質、膜厚、表面状態等の相違、或いは第1及び第2基板の表面の段差構造の相違等に起因して第1及び第2配向膜の表面における電気的な状態が異なってしまうことを抑制できる。即ち、液晶層内において、第1及び第2配向膜の表面にそれぞれ互いに異なる極性で形成される電気二重層に起因して生じる電荷の偏りを効果的に解消することができる。従って、対向電極における共通電位の変動を抑制できる。この結果、対向電極における共通電位の変動に起因する表示画像におけるフリッカや焼き付きの発生を低減或いは防止でき、高品位な画像表示が可能となる。
更に、本発明では特に、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角は、第1配向膜の表面における前記液晶分子のプレチルト角の1.5〜2.0倍であるので、このような対向電極における共通電位の変動を抑制する効果を確実に得ることができる。仮に、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角が、第1配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角の1.5倍より小さい場合には、液晶層内の電荷の偏りを、フリッカや焼き付きが殆ど発生しない程度にまで十分に解消できないおそれがある。一方、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角が、第1配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角の2.0倍より大きい場合には、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角と第1配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角との相違に起因して液晶層内の電荷の偏りが生じてしまうおそれがある。しかるに、本発明によれば、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角は、第1配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角の1.5倍以上、且つ、2.0倍以下であるので、液晶層内における電荷の偏りを、より確実に、解消することができる。
尚、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角は、第1配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角の1.75倍程度であることが好ましい。例えば、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角は5°であって、第1配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角は3°であることが好ましい。この場合には、液晶層内における電荷の偏りを、より一層、確実に解消することができる。
尚、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角が、第1配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角の1.5〜2.0倍でない場合であっても、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角が、第1配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角よりも大きければ、上述した対向電極における共通電位の変動を抑制する効果を、相応に得ることができる。
以上説明したように、本発明に係る第1の液晶装置によれば、対向電極における共通電位の変動に起因する表示画像におけるフリッカや焼き付きの発生を低減或いは防止でき、高品位な画像表示が可能となる。
本発明に係る第2の液晶装置は上記課題を解決するために、第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、負の誘電率異方性を有する液晶分子を含んでおり、前記第1及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって形成されており、前記画素電極を覆う第1配向膜と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって形成されており、前記対向電極を覆う第2配向膜とを備え、前記第2配向膜の膜密度は、前記第1配向膜の膜密度より小さい。
本発明に係る第2の液晶装置によれば、上述した本発明に係る第1の液晶装置と概ね同様に、画像表示が行われる。
本発明では特に、第2配向膜の膜密度は、第1配向膜の膜密度より小さい。ここで「膜密度」とは、配向膜の単位体積中に含まれる無機材料の質量を意味し、以下の各発明においても同様のことを意味する。よって、第1配向膜及び第2配向膜の表面における電気的な状態が互いに異なることによって生じ得る対向電極における共通電位の変動を抑制できる。即ち、
第2配向膜の膜密度は、第1配向膜の膜密度より小さくすることで、第1配向膜及び第2配向膜の表面における電気的な状態を殆ど同じにすることができる。言い換えれば、液晶層内において、第1配向膜及び第2配向膜の表面にそれぞれ互いに異なる極性で形成される電気二重層に起因して生じる電荷の偏りを効果的に解消することができる。従って、対向電極における共通電位の変動を抑制することができる。
この結果、本発明に係る第2の液晶装置によれば、対向電極における共通電位の変動に起因する表示画像におけるフリッカや焼き付きの発生を低減或いは防止でき、高品位な画像表示が可能となる。
本発明に係る第2の液晶装置の他の態様では、前記第2配向膜の膜密度は、前記第1配向膜の膜密度の0.93〜0.97倍である。
この態様では、仮に、第2配向膜の膜密度が、第1配向膜の膜密度の0.95倍より大きい場合には、液晶層内の電荷の偏りを、フリッカや焼き付きが殆ど発生しない程度にまで十分に解消できないおそれがある。一方、第2配向膜の膜密度が、第1配向膜の膜密度の0.93倍より小さい場合には、第2配向膜の膜密度と第1配向膜の膜密度の相違に起因して液晶層内に電荷の偏りが生じてしまうおそれがある。
しかるに、この態様によれば、第2配向膜の膜密度は、第1配向膜の膜密度の0.93倍以上、且つ、0.97倍以下であるので、液晶層内における電荷の偏りを、より確実に、解消することができる。
尚、第2配向膜の膜密度は、第1配向膜の膜密度の0.95倍程度であることが好ましい。例えば、第2配向膜の膜密度は1.87g/cm3であって、第1配向膜の膜密度は1.97g/cm3であることが好ましい。この場合には、液晶層内における電荷の偏りを、より一層、確実に解消することができる。
尚、第2配向膜の膜密度が、第1配向膜の膜密度の0・93〜0.97倍でない場合であっても、第2配向膜の膜密度が、第1配向膜の膜密度よりも小さければ、上述した対向電極における共通電位の変動を抑制する効果を、相応に得ることができる。
本発明に係る第1の液晶装置の製造方法は上記課題を解決するために、第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、負の誘電率異方性を有する液晶分子を含んでおり、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記画素電極を覆うように形成された第1配向膜と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記対向電極を覆うように形成された第2配向膜とを備えた液晶装置を製造するための液晶装置の製造方法であって、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて、第1蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって前記第1配向膜を形成する第1配向膜形成工程と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて、前記第1蒸着角度より大きい第2蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって前記第2配向膜を形成する第2配向膜形成工程とを備える。
本発明に係る第1の液晶装置の製造方法では、第1配向膜形成工程及び第2配向膜形成工程は並行して或いは相前後して行われる。
本発明に係る第1の液晶装置の製造方法によれば、上述した本発明に係る第1の液晶装置を製造することが可能である。ここで特に、第2配向膜を、斜方蒸着法を用いて第1蒸着角度より大きい第2蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって、形成するので、対向電極における共通電位の変動を抑制することができる。よって、対向電極における共通電位の変動に起因する表示画像におけるフリッカや焼き付きの発生が低減或いは防止された、高品位な画像を表示可能な液晶装置を製造することができる。
本発明に係る第1の液晶装置の一態様では、前記第2蒸着角度は、前記第1蒸着角度の1.2〜1.4倍である。
この態様では、仮に、第2蒸着角度が、第1蒸着角度の1.2倍より小さい場合には、液晶層内の電荷の偏りを、フリッカや焼き付きが殆ど発生しない程度にまで十分に解消できないおそれがある。一方、第2蒸着角度が、第1蒸着角度の1.4倍より大きい場合には、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角と第1配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角との相違が大きくなり過ぎることに起因して液晶層内の電荷の偏りが生じてしまうおそれがある。
しかるに、この態様によれば、第2蒸着角度は、第1蒸着角度の1.2倍以上、且つ、1.4倍以下であるので、液晶層内における電荷の偏りを、より確実に、解消することができる。
尚、第2蒸着角度は、第1蒸着角度の1.3倍程度であることが好ましい。例えば、蒸着圧力を0.008Paとして、第2蒸着角度を45°とし、第1蒸着角度を35°としてもよい。この場合には、液晶層内における電荷の偏りを、より一層、確実に解消することができる。
尚、第2蒸着角度が、第1蒸着角度の1.2〜1.4倍でない場合であっても、第2蒸着角度が、第2蒸着角度よりも大きければ、上述した対向電極における共通電位の変動を抑制する効果を、相応に得ることができる。
本発明に係る第2の液晶装置の製造方法は上記課題を解決するために、第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、負の誘電率異方性を有する液晶分子を含んでおり、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記画素電極を覆うように形成された第1配向膜と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記対向電極を覆うように形成された第2配向膜とを備えた液晶装置を製造するための液晶装置の製造方法であって、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて、第1蒸着圧力とされた雰囲気において、所定蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって、前記第1配向膜を形成する第1配向膜形成工程と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて、前記第1蒸着圧力より大きい第2蒸着圧力とされた雰囲気において、前記所定蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって前記第2配向膜を形成する第2配向膜形成工程とを備える。
本発明に係る第2の液晶装置の製造方法では、第1配向膜形成工程及び第2配向膜形成工程は並行して或いは相前後して行われる。
本発明に係る第2の液晶装置の製造方法によれば、上述した本発明に係る第1の液晶装置を製造することが可能である。ここで特に、第2配向膜を、斜方蒸着法を用いて第1蒸着圧力より大きい第2蒸着圧力とされた雰囲気において無機材料を蒸着させることによって、形成するので、第1配向膜及び第2配向膜の表面における電気的な状態を殆ど同じにすることができる。よって、対向電極における共通電位の変動を抑制することができる。従って、対向電極における共通電位の変動に起因する表示画像におけるフリッカや焼き付きの発生が低減或いは防止された、高品位な画像を表示可能な液晶装置を製造することができる。
本発明に係る第2の液晶装置の製造方法の一態様では、前記第2蒸着圧力は、前記第1蒸着圧力の1.5〜2.0倍である。
この態様では、仮に、第2蒸着圧力が、第1蒸着圧力の1.5倍より小さい場合には、液晶層内の電荷の偏りを、フリッカや焼き付きが殆ど発生しない程度にまで十分に解消できないおそれがある。一方、第2蒸着圧力が、第1蒸着圧力の2.0倍より大きい場合には、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角と第1配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角との相違が大きくなり過ぎることに起因して液晶層内の電荷の偏りが生じてしまうおそれがある。
しかるに、この態様によれば、第2蒸着圧力は、第1蒸着圧力の1.5倍以上、且つ、2.0倍以下であるので、液晶層内における電荷の偏りを、より確実に、解消することができる。
尚、第2蒸着圧力は、第1蒸着圧力の1.75倍程度であることが好ましい。例えば、所定蒸着角度を45°として、第2蒸着圧力を0.007Pa、第1蒸着圧力を0.004Paとしてもよい。この場合には、液晶層内における電荷の偏りを、より一層、確実に解消することができる。
尚、第2蒸着圧力が、第1蒸着圧力の1.5〜2.0倍でない場合であっても、第2蒸着圧力が、第1蒸着圧力よりも大きければ、上述した対向電極における共通電位の変動を抑制する効果を、相応に得ることができる。
本発明に係る第3の液晶装置の製造方法は上記課題を解決するために、第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、負の誘電率異方性を有する液晶分子を含んでおり、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記画素電極を覆うように形成された第1配向膜と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記対向電極を覆うように形成された第2配向膜とを備えた液晶装置を製造するための液晶装置の製造方法であって、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって、前記第1配向膜を、第1膜密度を有するように形成する第1配向膜形成工程と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって、前記第2配向膜を、前記第1膜密度より小さい第2膜密度を有するように形成する第2配向膜形成工程とを備える。
本発明に係る第3の液晶装置の製造方法によれば、上述した本発明に係る第2の液晶装置を製造することが可能である。ここで特に、第2配向膜を、第1配向膜が有する第1膜密度より小さい第2膜密度を有するように形成するので、第1配向膜及び第2配向膜の表面にそれぞれ互いに異なる極性で形成される電気二重層に起因して生じる電荷の偏りを効果的に解消することができる。よって、対向電極における共通電位の変動を抑制することができる。
従って、対向電極における共通電位の変動に起因する表示画像におけるフリッカや焼き付きの発生を低減或いは防止でき、高品位な画像表示が可能となる。
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明に係る第1又は第2の液晶装置(但し、各種態様を含む)を具備してなる。
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る第1又は第2の液晶装置を具備してなるので、対向電極における共通電位の変動が抑制され、高品位の表示が可能な、投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現することが可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明の液晶装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る液晶装置及びその製造方法について、図1から図10を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板の側からみた平面図であり、図2は、図1のH−H´断面図である。尚、以下で参照する各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
図1及び図2において、本実施形態の液晶装置1では、本発明に係る「第1基板」の一例としてのTFTアレイ基板10と本発明に係る「第2基板」の一例としての対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素が設けられた領域に対応する本発明に係る「画素領域」の一例としての画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂、又は紫外線・熱併用型硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材56が散布されている。図2には、ギャップ材56として略球状のガラスビーズを、シール材52に混入した構成を示してある。尚、ギャップ材56を、シール材52に混入されるものに加えて若しくは代えて、画像表示領域10a又は画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域に、配置するようにしてもよい。
図1において、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域よりも内側に、サンプリング回路7が額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域の内側に、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。
TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor)や走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。この積層構造の詳細な構成については図2には図示を省略してあるが、この積層構造の最上層に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9aが、画素毎に所定のパターンで島状に形成されている。画素電極9aは、後述する対向電極21に対向するように、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aに形成されている。TFTアレイ基板10における液晶層50の面する側の表面、即ち画素電極9a上には、本発明の「第1配向膜」の一例としての配向膜16が画素電極9aを覆うように形成されている。配向膜16は、斜方蒸着法を用いて、SiO或いはSiO2等の無機材料をTFTアレイ基板10に蒸着させることによって形成されている。尚、配向膜16及び後述する本発明の「第2配向膜」の一例としての配向膜22は、液晶装置1の動作時に液晶層50を構成する、負の誘電率異方性を有する液晶分子を垂直配向モードで配向制御する。
対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば対向基板20における対向面上に平面的に見て、格子状に形成されている。対向基板20において、遮光膜23によって非開口領域が規定され、遮光膜23によって区切られた領域がバックライトから出射された光を透過させる開口領域となる。尚、遮光膜23をストライプ状に形成し、該遮光膜23と、TFTアレイ基板10側に設けられたデータ線等の各種構成要素とによって、非開口領域を規定するようにしてもよい。
遮光膜23上に、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向して形成されている。遮光膜23上に、画像表示領域10aにおいてカラー表示を行うために、開口領域及び非開口領域の一部を含む領域に、図2には図示しないカラーフィルタが形成されるようにしてもよい。
対向基板20の対向面上における、これら各種の構成要素が作り込まれた積層構造上には、SiO或いはSiO2等の無機材料からなる配向膜22が形成されている。対向電極21は、対向基板20上の積層構造の最上層に配置されると共に、対向電極21上に配向膜22が形成されている。
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
ここで、図3には、図2に対応する断面の構成について、特に、TFTアレイ基板10上に形成された配向膜16による液晶の配向について模式的に示してある。
図3において、TFTアレイ基板10において液晶層50と対向する側の基板面上に、TFT等の各種構成要素が作りまれた積層構造90が形成されており、この積層構造90の最上層に画素電極9aが画素毎に形成されている。そして、画素電極9a上に、SiO或いはSiO2等の無機材料の柱状構造物16aがTFTアレイ基板10の基板面に対して所定の角度をなして配列することにより、液晶分子を垂直配向モードで配向制御するための無機垂直配向膜として配向膜16が形成されている。このように形成された配向膜16は、表面形状効果により、液晶分子50aの配向状態を垂直配向モードによって規制することができる。
尚、配向膜22は、基本的には配向膜16と同様の構成を有しているが、後述するように、配向膜22を構成する無機材料からなる柱上構造物が対向基板20の基板面及び対向電極21となす角度が、無機材料の柱状構造物16aがTFTアレイ基板10の基板面に対してなす所定の角度より大きい点で異なる。
液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、誘電率異方性が負である液晶分子50aからなる。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で、配向膜16及び22の各々の表面で互いに異なるプレチルト角をなし、液晶装置1の動作時に垂直配向モードで配向制御される。
次に、以上の如く構成された液晶装置における回路構成及び動作について、図4を参照して説明する。ここに図4は、液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。
図4において、本実施形態における液晶装置の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートにゲート電極3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線11a及びゲート電極3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。容量電極300は、上下導通端子106に直接、或いは間接的に電気的に接続されている。対向電極21は、容量電極300に電気的に接続されており、固定電位である共通電位VCOMが供給されている。
画素電極9aを介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板20に形成された対向電極21との間で一定期間保持される。液晶層50は、印加される電圧レベルにより液晶分子50aの分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置1からは画像信号S1、S2、…、Snに応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極21との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。この蓄積容量70は、走査線11aに並んで設けられ、固定電位側容量電極を含むとともに定電位に固定された容量電極300を含んでいる。
次に、本実施形態に係る液晶装置の具体的な構成について、図5及び図6を参照して、より詳細に説明する。ここに図5は、本実施形態に係る液晶装置の図2に対応する断面図を拡大して示した拡大断面図である。図6は、図5に示した領域C1及びC2をそれぞれ拡大して示した拡大図である。
図5において、本実施形態では特に、配向膜22の表面及び液晶分子50aがなすプレチルト角は、配向膜16の表面及び液晶分子50aがなすプレチルト角より大きくなっている。より具体的には、図6(a)に示す領域C2において、対向基板20の基板面に沿って平面的に延びる配向膜22の表面に対する法線NL2及び液晶分子50a2の長軸L2がなすプレチルト角θ2と、図6(b)に示す領域C1において、TFTアレイ基板10の基板面に沿って平面的に延びる配向膜16の表面に対する法線NL1及び液晶分子50a1の長軸L1がなすプレチルト角θ1とを比べると、プレチルト角θ2はプレチルト角θ1より大きい。
配向膜16及び22は、斜方蒸着法を用いて形成する際に画素電極9a及び対向電極21上に蒸着される無機材料の蒸着角度を異ならせることによって、配向膜16及び22を構成する柱状構造物が伸びる角度、即ち無機材料の構成する原子が堆積されてなる構造物が成長する方向と各基板の表面とがなす角度を互いに異なるように形成されている。このような配向膜の膜質の相違によって、配向膜16及び22の夫々の表面において、配向膜16及び22の夫々の表面でプレチルト角を互いに異ならせることが可能である。尚、本実施形態では、プレチルト角θ2が5°となるように、配向膜22を形成する際の蒸着角度が設定され、プレチルト角θ1が3°となるように、配向膜16を形成する際の蒸着角度が設定されている。
このような配向膜16及び22を用いて液晶分子50aを配向制御した場合、液晶装置1の動作時において対向電極21の電位、即ち共通電位VCOMが変動してしまい、表示画像におけるフリッカや焼き付き、透過率の減少等が発生することが本願発明者による評価結果により確認されている。このような共通電位VCOMの変動の原因の一つは、液晶層内の電荷の偏りであると本願発明者は推察している。
ここで、液晶装置の動作時における液晶層内の電荷の偏りについて、図7を参照して説明する。ここに図7は、比較例に係る液晶装置の動作時における液晶層内の電荷の偏りを説明するための模式図である。
図7において、仮に何らの対策も施さねば、液晶層50内に、例えば、配向膜16及び22の下地である画素電極9a及び対向電極21の材質、膜厚等の相違、或いは、TFTアレイ基板10及び対向基板20に形成される積層構造の相違(特に、この積層構造の相違に起因して生じる表面の段差構造の相違)等に起因して、配向膜16及び配向膜22の表面にそれぞれ互いに異なる極性の電気二重層が形成される。具体的には、配向膜16の表面には、マイナスイオン51が付着して負の電荷が蓄積された状態となり、配向膜22の表面には、プラスイオン52が付着して正の電荷が蓄積された状態となる。即ち、液晶層50内に電荷の偏りが生じた状態(言い換えれば、直流電圧が印加された状態)となる。尚、プラスイオン及びマイナスイオンのいずれが配向膜16及び22のいずれに付着するかは不確定である。
図7において、液晶装置1の動作時には、対向電極21には、上述した容量電極300を介して共通電位VCOMが供給される。一方、画素電極9aには、画像信号に応じた画素電位が供給される。この際、画素電位は、共通電極VCOMを基準として所定周期で極性が反転するようにして供給される、即ち、反転駆動が行われる。尚、ここでは、説明の簡単のため、画素電極9aに、共通電位VCOMよりも電位差ΔVhだけ高い電位である電位+Vhと、共通電位VCOMよりも電位差ΔVhだけ低い電位である電位−Vhとが交互に、画素電位として供給される場合を例にとる。
図7において、画素電極9aに画素電位+Vhが供給されると、配向膜16の表面のマイナスイオン51によって、画素電位+Vhは、電位+Veまで低下する。一方、対向電極22における共通電位VCOMは、配向膜22の表面のプラスイオン52によって、電位VCOMeまで上昇する。
次に、画素電位の極性が反転され、画素電極9aに画素電位−Vhが供給されると、配向膜16の表面のマイナスイオン51によって、画素電位−Vhは、電位−Veまで低下する。一方、対向電極22における共通電位VCOMは、配向膜22の表面のプラスイオン52によって、電位VCOMeまで上昇したままである。
よって、液晶装置1の動作時において、画素電極9aに供給される画素電位+Vh及び−Vhは、実効的な電位としての実効的画素電位+Ve及び−Veとなるので、共通電位とすべき電位は、これらの中間の電位である最適共通電位VCOMo(但し、最適共通電位VCOMo=(実効的画素電位+Ve+実効的画素電位−Ve)/2である。)となる。しかし、実際の動作は、実効的な共通電位としての実効共通電位VCOMeを基準として行われる、即ち、共通電位が変動してしまっている。よって、動作時における実効的な画素電位+Veと−Veの各々の実効共通電位VCOMeを基準とした電位差が互いに異なることになる。従って、表示される画像にフリッカが生じてしまう。
そこで、本願発明者は、鋭意検討の結果、配向膜22の表面及び液晶分子50aがなすプレチルト角を、配向膜16の表面及び液晶分子50aがなすプレチルト角より大きくすることで、液晶装置1の動作時における共通電位VCOMの変動を低減できることを見出した。
即ち、図5及び図6において、本実施形態では特に、上述したように、配向膜22の表面及び液晶分子50aがなすプレチルト角は、配向膜16の表面及び液晶分子50aがなすプレチルト角より大きい。このため、配向膜16及び配向膜22の表面における電気的な状態が互いに異なることによって生じ得る対向電極21における共通電位VCOMの変動を抑制できる。即ち、液晶層50内において、配向膜16及び配向膜22の表面にそれぞれ互いに異なる極性で形成される電気二重層に起因して生じる電荷の偏りを効果的に解消することができる。従って、対向電極22における共通電位VCOMの変動を抑制することができる。
次に、本願発明者が実施した評価結果について、図8を参照して説明する。ここに図8は、本願発明者が実施した評価結果を示したグラフである。本評価では、配向膜22の表面における液晶分子のプレチルト角が配向膜16の表面における液晶分子のプレチルト角より大きくなるように無機材料の蒸着角度を設定した場合と配向膜22の表面における液晶分子のプレチルト角が配向膜16の表面における液晶分子のプレチルト角より小さくなるように無機材料の蒸着角度を設定した場合との共通電位VCOMの変動を比較した。尚、本評価では、液晶装置を動作開始させる前の初期の共通電位VCOMに対する共通電位VCOMの変動を評価した。
図8において、データE1は、配向膜22の表面における液晶分子のプレチルト角θ2(図6(a)参照)が配向膜16の表面における液晶分子のプレチルト角θ1(図6(b)参照)の2倍となるように無機材料の蒸着角度を設定した場合(即ち、プレチルト角θ2とプレチルト角θ1との比が約2:1の場合、より具体的には、プレチルト角θ2が約6°、プレチルト角θ1が約3°の場合)の表示時間(但し、単位は時間)に対する共通電位VCOMの変動を示している。データE2は、配向膜22の表面における液晶分子のプレチルト角θ2が配向膜16の表面における液晶分子のプレチルト角θ1の1/2倍となるように無機材料の蒸着角度を設定した場合(即ち、プレチルト角θ2とプレチルト角θ1との比が約1:2の場合、より具体的には、プレチルト角θ2が約3°、プレチルト角θ1が約6°の場合)の表示時間(但し、単位は時間)に対する共通電位VCOMの変動を示している。
図8に示すように、本評価によれば、対向電極21側とTFTアレイ基板10側の各々のプレチルト角の比が2:1の場合(図8中、データE1参照)の方が、対向電極21側とTFTアレイ基板10側の各々のプレチルト角の比が1:2の場合(図8中、データE2参照)よりも、共通電位VCOMの変動が顕著に小さいことが分かった。従って、配向膜22の表面における液晶分子のプレチルト角θ2が配向膜16の表面における液晶分子のプレチルト角θ1より大きくなるように無機材料の蒸着角度を設定することにより、画像表示におけるフリッカが発生しない程度に共通電位VCOMの変動を抑制できる。本願発明者の鋭意検討によれば、対向電極21側のプレチルト角θ2が、TFTアレイ基板10側のプレチルト角θ1の1.5〜2.0倍の範囲となるように蒸着角を設定すれば、フリッカが発生しない程度に共通電位VCOMの変動を抑制できると推察される。
以上説明したように、本実施形態に係る液晶装置によれば、対向電極21における共通電位VCOMの変動を抑制し、フリッカが低減された高品位の画像表示を行うことが可能である。即ち、長期間に亘って高品位の画像を表示できるという信頼性に優れた液晶装置を提供できる。
次に、上述した本実施形態に係る液晶装置を製造するための液晶装置の製造方法について、図9を参照して説明する。ここに図9は、本実施形態に係る液晶装置の製造プロセスの各工程を説明するためのフローチャートである。
図9において、TFTアレイ基板10上に、例えば蒸着やスパッタリング等による成膜、エッチングやフォトグラフィ等によるパターンニング、熱処理などによって、データ線6aや走査線11a、TFT30等が作り込まれた積層構造90(図3参照)の最上層に、例えばスパッタリングによりITOから画素電極9aを形成する(ステップS1)。
続いて、配向膜形成工程によって、例えば斜方蒸着法を、TFTアレイ基板10に対して施すことで、TFTアレイ基板10における画素電極9aが形成された基板面上にSiO或いはSiO2等の無機材料からなる配向膜16を形成する(ステップS2)。
ここで、TFTアレイ基板10上に配向膜16を形成する過程について、図10を参照して、詳細に説明する。ここに図10は、配向膜を形成するための蒸着装置の構成を模式的に示した模式図である。
図10において、蒸着装置300は、蒸着源302と、蒸着源302及び無機材料の被蒸着体であるTFTアレイ基板10を収容するチャンバー301を備えている。
TFTアレイ基板10上に形成される配向膜16は、TFTアレイ基板10の基板面に対する法線NL1と蒸着源302から無機材料が堆積される第1蒸着方向とがなす角(θa)を調整することによって、基板面に対して柱状構造物が伸びる角度が設定可能である。より具体的には、例えば図6(b)に示したプレチルト角θ1を3°に設定するためには、第1蒸着角度θa、即ち法線NL1に対する無機材料の入射角度を35°に設定する。また、後述するステップS4で配向膜22を形成する際には、図6(a)に示したプレチルト角θ2を例えば5°に設定する。プレチルト角θ2を5°に設定するためには、第2蒸着角度θb、即ち対向基板20の基板面における法線NL2に対して入射する無機材料の入射角度を45°に設定する。尚、配向膜16及び22を形成する際の蒸着装置300内の圧力、即ち、蒸着圧力は、いずれも同じ値(例えば0.008Pa)に設定する。
再び図10において、本実施形態では特に、第2蒸着角度θbを、第1蒸着角度θaの1.2〜1.4倍の範囲内となるように、より好ましくは第1蒸着角度θaの1.3倍となるように設定する。尚、配向膜16を形成する際の蒸着圧力P1及び配向膜22を形成する際の蒸着圧力P2は、同じ蒸着圧力(例えば0.008Pa)として設定する。このように蒸着角度を設定することによって、図6(a)に示したプレチルト角θ2を、図6(b)に示したプレチルト角θ1の1.5〜2.0倍の範囲内とすることができる。
或いは、変形例として、配向膜22を形成する際の蒸着圧力P2を、配向膜16を形成する際の蒸着圧力P1の1.5倍〜2.0倍の範囲内となるように、より好ましくは蒸着圧力P1の1.75倍となるように設定してもよい。尚、配向膜16を形成する際の第1蒸着角度θa及び配向膜22を形成する際の第2蒸着角度θbは、同じ蒸着角度(例えば45°)として設定する。より具体的には、例えば、第1蒸着角度θa及び第2蒸着角度θbをいずれも45°に設定した場合には、配向膜22を形成する際の蒸着圧力P2を0.007Paに設定し、配向膜16を形成する際の蒸着圧力P1を0.004Paに設定してもよい。このように蒸着圧力を設定することによって、図6(a)に示したプレチルト角θ2を、図6(b)に示したプレチルト角θ1の1.5〜2.0倍の範囲内とすることができる。
尚、蒸着角度θa及びθb並びに蒸着圧力P1及びP2の上述したような設定に限らず、蒸着角度θa及びθb並びに蒸着圧力P1及びP2の設定を適宜調整することによって、図6(a)に示したプレチルト角θ2を、図6(b)に示したプレチルト角θ1の1.5〜2.0倍の範囲内としてもよい。
図10において、上述のようにして得られる無機斜方蒸着膜としての配向膜16は、表面形状効果により液晶層50の液晶分子を配向させることができる。尚、配向膜16は、無機材料からなることで耐光性や耐熱性に優れ、ライトバルブとしての液晶装置の耐久性向上に寄与する。このようにして、TFTアレイ基板10上に図2に示した積層構造が形成される。尚、TFTアレイ基板10に形成された配向膜16は、例えばシラン化合物を含む溶液を用いて表面処理が施された後、洗浄及び乾燥される。
一方、対向基板20には、ステップS1及びS2と相前後して遮光膜及び対向電極が形成される(ステップS3)と共に、配向膜22が形成される(ステップS4)。尚、対向基板20に形成された配向膜22も、配向膜16と同様に表面処理が施された後、洗浄及び乾燥される。
その後、貼合工程によって、TFTアレイ基板10及び対向基板20を、TFTアレイ基板10において配向膜16が形成された側と、対向基板20において配向膜22が形成された側とをシール材52を介して貼り合わせる(ステップS5)。
続いて、互いに貼り合わされた状態のTFTアレイ基板10及び対向基板20を、TFTアレイ基板10及び対向基板20間に液晶を注入し(ステップS6)、液晶装置1が形成される。
以上説明したように、本実施形態の液晶装置の製造方法によれば、上述した液晶装置1を製造することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る液晶装置について、図11を参照して説明する。ここに図11は、第2実施形態に係る液晶装置の配向膜を拡大して示す模式的断面図である。図11(a)は、対向基板側に形成された配向膜の構造を示し、図11(b)は、TFTアレイ基板10側に形成された配向膜16の構造を示している。尚、図11における上下方向は、図2に対応して示している。また、図11において、図1から図10に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図11に示すように、本実施形態では特に、対向基板20側に形成された配向膜22の膜密度は、TFTアレイ側に形成された配向膜16の膜密度より小さくなっている。即ち、配向膜22の単位体積中に含まれる無機材料の柱状構造物22a(図11(a)参照)は、配向膜16の単位体積中に含まれる無機材料の柱状構造物16a(図11(b)参照)よりも少なくなっている。言い換えれば、配向膜22の単位体積中に含まれる無機材料の質量は、配向膜16の単位体積中に含まれる無機材料の質量よりも小さくなっている。よって、配向膜16及び22の表面における電気的な状態が互いに異なることによって生じ得る、図7を参照して上述したような対向電極21における共通電位VCOMの変動を抑制できる。即ち、配向膜22の膜密度を、配向膜16の膜密度より小さくすることで、配向膜22及び配向膜16の表面における電気的な状態を殆ど或いは好ましくは完全に同じにすることができる。言い換えれば、液晶層50内において、配向膜16及び配向膜22の表面にそれぞれ互いに異なる極性で形成される電気二重層に起因して生じる電荷の偏りを効果的に解消することができる。従って、対向電極21における共通電位VCOMの変動を抑制することができる。
この結果、第2実施形態に係る液晶装置によれば、上述した第1実施形態に係る液晶装置と同様に、対向電極21における共通電位VCOMの変動に起因する表示画像におけるフリッカや焼き付きの発生を低減或いは防止でき、高品位な画像表示が可能となる。
次に、上述した第2実施形態に係る液晶装置を製造するための液晶装置の製造方法について、図9及び図10を参照して説明する。尚、本実施形態に係る液晶装置の製造方法は、配向膜形成工程(ステップS2及びステップS4)が、上述した第1実施形態に係る液晶装置の製造方法と異なり、その他の工程は上述した第1実施形態と概ね同様である。ここでは、本実施形態に係る配向膜形成工程(ステップS2及びステップS4)を中心に説明し、その他の工程については説明を省略する。
図9において、TFTアレイ基板10上に画素電極9aまで形成した後(ステップS1)、配向膜形成工程によって、例えば斜方蒸着法を、TFTアレイ基板10に対して施すことで、TFTアレイ基板10における画素電極9aが形成された基板面上にSiO或いはSiO2等の無機材料からなる配向膜16を形成する(ステップS2)。
一方、対向基板20上に対向電極21まで形成した後(ステップS3)、配向膜形成工程によって、例えば斜方蒸着法を、対向基板20に対して施すことで、対向基板20における対向電極21が形成された基板面上にSiO或いはSiO2等の無機材料からなる配向膜22を形成する(ステップS4)。
ここで、本実施形態では特に、配向膜22の膜密度が、配向膜16の膜密度の0.93〜0.97倍の範囲内となるように、より好ましくは、0.95倍となるように蒸着角度或いは蒸着圧力を設定する。より具体的には、配向膜22の膜密度が、例えば1.87g/cm3となるように設定し、配向膜16の膜密度が、例えば1.97g/cm3となるように、蒸着角度或いは蒸着圧力を設定する。
その後、TFTアレイ基板10及び対向基板20を貼り合わせ(ステップS5)、続いて、TFTアレイ基板10及び対向基板20間に液晶を注入し(ステップS6)、本実施形態に係る液晶装置が形成される。
以上説明したように、本実施形態に係る液晶装置の製造方法によれば、上述した第2実施形態に係る液晶装置を製造することができる。
<電子機器>
次に、上述した液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
先ず、上述した液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図12は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。この図12に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110B及び1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110B及び1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。従って、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110B及び1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
尚、液晶パネル1110R、1110B及び1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
尚、図12を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う液晶装置及びその製造方法並びに該液晶装置を備えてなる電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
第1実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す平面図である。 図1のH−H´線断面図である。 図2に対応する断面の構成について、配向膜による液晶の配向について示す模式図である。 第1実施形態に係る液晶装置の画像表示領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。 第1実施形態に係る液晶装置の図2に対応する断面図を拡大して示した拡大断面図である。 図5に示した領域C1及びC2をそれぞれ拡大して示した拡大図である。 比較例に係る液晶装置の動作時における液晶層内の電荷の偏りを説明するための模式図である。 本願発明者が実施した評価結果を示したグラフである。 第1実施形態に係る液晶装置の製造プロセスの各工程を説明するためのフローチャートである。 配向膜を形成するための蒸着装置の構成を示す模式図である。 第2実施形態に係る液晶装置の配向膜を拡大して示す模式的断面図である。 液晶装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す平面図である。
符号の説明
7…サンプリング回路、9a…画素電極、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、16…配向膜、20…対向基板、21…対向電極、22…配向膜、23…遮光膜、50…液晶層、50a、50a1、50a2…液晶分子、52…シール材、101…データ線駆動回路、102…外部回路接続端子、104…走査線駆動回路、106…上下導通端子、VCOM…共通電位、θ1、θ2…プレチルト角、θa、θb…蒸着角度

Claims (9)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、
    負の誘電率異方性を有する液晶分子を含んでおり、前記第1及び第2基板間に挟持された液晶層と、
    前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、
    前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、
    前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって形成されており、前記画素電極を覆う第1配向膜と、
    前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって形成されており、前記対向電極を覆う第2配向膜と
    を備え、
    前記第2配向膜の表面における前記液晶分子のプレチルト角は、前記第1配向膜の表面における前記液晶分子のプレチルト角の1.5〜2.0倍である
    ことを特徴とする液晶装置。
  2. 第1基板と、
    前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、
    負の誘電率異方性を有する液晶分子を含んでおり、前記第1及び第2基板間に挟持された液晶層と、
    前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、
    前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、
    前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって形成されており、前記画素電極を覆う第1配向膜と、
    前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって形成されており、前記対向電極を覆う第2配向膜と
    を備え、
    前記第2配向膜の膜密度は、前記第1配向膜の膜密度より小さい
    ことを特徴とする液晶装置。
  3. 前記第2配向膜の膜密度は、前記第1配向膜の膜密度の0.93〜0.97倍であることを特徴とする請求項2に記載の液晶装置。
  4. 第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、負の誘電率異方性を有する液晶分子を含んでおり、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記画素電極を覆うように形成された第1配向膜と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記対向電極を覆うように形成された第2配向膜とを備えた液晶装置を製造するための液晶装置の製造方法であって、
    前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて、第1蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって前記第1配向膜を形成する第1配向膜形成工程と、
    前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて、前記第1蒸着角度より大きい第2蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって前記第2配向膜を形成する第2配向膜形成工程と
    を備えたことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  5. 前記第2蒸着角度は、前記第1蒸着角度の1.2〜1.4倍であることを特徴とする請求項4に記載の液晶装置の製造方法。
  6. 第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、負の誘電率異方性を有する液晶分子を含んでおり、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記画素電極を覆うように形成された第1配向膜と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記対向電極を覆うように形成された第2配向膜とを備えた液晶装置を製造するための液晶装置の製造方法であって、
    前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて、第1蒸着圧力とされた雰囲気において、所定蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって、前記第1配向膜を形成する第1配向膜形成工程と、
    前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて、前記第1蒸着圧力より大きい第2蒸着圧力とされた雰囲気において、前記所定蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって前記第2配向膜を形成する第2配向膜形成工程と
    を備えたことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  7. 前記第2蒸着圧力は、前記第1蒸着圧力の1.5〜2.0倍であることを特徴とする請求項6に記載の液晶装置の製造方法。
  8. 第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、負の誘電率異方性を有する液晶分子を含んでおり、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記画素電極を覆うように形成された第1配向膜と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記対向電極を覆うように形成された第2配向膜とを備えた液晶装置を製造するための液晶装置の製造方法であって、
    前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって、前記第1配向膜を、第1膜密度を有するように形成する第1配向膜形成工程と、
    前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって、前記第2配向膜を、前記第1膜密度より小さい第2膜密度を有するように形成する第2配向膜形成工程と
    を備えたことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  9. 請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶装置を具備してなる電子機器。
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