JP2007199191A - 液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば、液晶装置における対向電極に供給される共通電位の変動を低減する。
【解決手段】液晶層50から見て対向基板20の側に形成された配向膜22の膜厚t2は、液晶層50から見てTFTアレイ基板10の側に形成された配向膜16の膜厚t1より薄い。配向膜22の表面及び液晶分子50aがなすプレチルト角は、配向膜16の表面及び液晶分子50aがなすプレチルト角より小さい。配向膜16の膜厚を配向膜22の膜厚より薄くすることによって、液晶装置1の動作時における経時的な共通電位の変動を低減できる
【選択図】図6
【解決手段】液晶層50から見て対向基板20の側に形成された配向膜22の膜厚t2は、液晶層50から見てTFTアレイ基板10の側に形成された配向膜16の膜厚t1より薄い。配向膜22の表面及び液晶分子50aがなすプレチルト角は、配向膜16の表面及び液晶分子50aがなすプレチルト角より小さい。配向膜16の膜厚を配向膜22の膜厚より薄くすることによって、液晶装置1の動作時における経時的な共通電位の変動を低減できる
【選択図】図6
Description
本発明は、例えば垂直配向モードで液晶分子が配向制御される液晶装置及びその製造方法、並びにそのような液晶装置を具備してなる、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置は、基板上に、画素電極と、該画素電極の選択的な駆動を行うための走査線、データ線、画素スイッチング用素子としての薄膜トランジスタ(以下適宜、TFTと称する)等とを備え、アクティブマトリクス駆動可能に構成される。更に、このように構成されたTFTアレイ基板上の複数の画素電極に対向する形で、対向基板に設けられた一つの対向電極(或いは共通電極)が配置され、これらの相対向する一対の電極間に、液晶が挟持される。そして動作時には、該一対の電極間に電界を印加することで対向電極及び画素電極の夫々を覆うように形成された配向膜を介して液晶等に対するアクティブマトリクス駆動が行なわれる。より具体的には、例えば、上述した対向電極の共通電位を固定し且つ画素電極の電位を変化させる駆動方式を採用する場合には、共通電位源は、高コントラスト化等を目的としてTFTアレイ基板上に設けられる蓄積容量の共通電位側容量電極に接続されると共に、対向基板上の対向電極にも接続され、夫々に対して共通電位が供給されることになる。
また、特許文献1は、ネマティック液晶を用いた場合に液晶を介して互いに対向する配向膜のうち一方の配向膜の表面に対してのみ液晶分子に所定のチルト角を持たせることによって表示性能を高める技術を開示している。
他方、この種の液晶装置では、液晶分子の配向を規制するための液晶分子の配向モードとしては、電圧無印加状態で液晶分子が基板面に略平行で基板に垂直な方向にねじれた配向を持つツイステッド・ネマティック(Twisted Nematic)モードと、液晶分子が垂直に配向した垂直配向モードとが知られている。信頼性等の面から従来はTNモードが主流であったが、垂直配向モードがいくつかの優れた特性を持っているため、垂直配向モードの液晶装置が注目されている。
この種の液晶装置において垂直配向モードによって液晶分子を配向制御する場合、ポリイミド等の有機材料から形成された有機垂直配向膜だけでなく、SiO又はSiO2等の無機材料を基板に斜方蒸着することによって形成された無機垂直配向膜が用いられる。
しかしながら、この種の液晶装置では、連続、或いは長期間に亘って対向電極に共通電位を供給した場合、対向電極の電位、即ち共通電位が変動してしまい、光の透過率ムラ(所謂、ドメイン)が発生するとともに、ドメイン同士が相互作用することによって、画像の品質を下げるという問題点がある。ちなみに、ドメインに原因する画像の品質の低下とは、例えば、画像のコントラスト比の低下、或いはより具体的には、全面黒表示を行っている画像から淡い階調の表示を行うと、その前の黒表示部分が残存する(悪い場合には、横一条に黒表示が残存する場合もある。)現象などをいう。
そこで、本願発明者は、無機垂直配向膜を形成する際の無機材料の蒸着条件に起因する配向膜の膜質の相違、或いは無機垂直配向膜に覆われた画素電極及び対向電極の表面状態又は電気抵抗の相違が配向膜の表面における電気的な状態(例えば、電気二重層の存在等)が、共通電位が変動する原因の一つであると推察しているが、共通電位が変動する原因を特定できていないのが実情である。
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、その動作時に対向電極における共通電位を一定に維持することによって、高品位で画像を表示できる液晶装置及びその製造方法、並びにそのような液晶装置を備えたプロジェクタ等の電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る液晶装置は上記課題を解決するために、第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、垂直配向モードで配向制御される液晶分子を含んでおり、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって形成されており、前記画素電極を覆う第1配向膜と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって形成されており、前記対向電極を覆う第2配向膜とを備え、前記第1配向膜及び前記第2配向膜のうち一方の配向膜の表面における前記液晶分子のプレチルト角は、前記第1配向膜及び前記第2配向膜の他方の配向膜の表面における前記液晶分子のプレチルト角より小さく、前記一方の配向膜の膜厚は、前記他方の配向膜の膜厚より薄い。
本発明に係る液晶装置では、第1基板及び第2基板が互いに臨む側の基板面の夫々に対向電極、及び画素電極が形成されている。尚、「基板面」とは、第1基板および第2基板の表面、並びに該表面に形成された他の層の表面をも含む広い概念を意味し、対向電極及び画素電極の夫々が形成される下地となる面を意味する。
本発明に係る液晶装置では、その動作時に、例えばデータ線駆動回路を含む駆動回路から供給された画像信号に応じた画素電位が画素電極に供給され、対向電極には共通電位が供給される。液晶分子は、これら画素電位及び共通電位の電位差に応じた電圧によって配向制御され、画像が表示される。
第1配向膜及び第2配向膜は、例えばSiO或いはSiO2等の無機垂直配向膜を構成する無機材料として汎用されている材料を第1基板及び第2基板の夫々に形成された画素電極及び対向電極を覆うように斜方蒸着させることによって形成されている。
本発明に係る液晶装置では、画質向上を目的として、より具体的には垂直配向モードで配向制御される液晶分子の配向安定性を高めるために、第1配向膜及び第2配向膜のうち一方の配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角は、第1配向膜及び第2配向膜の他方の配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角より小さく設定されている。
プレチルト角の設定は、第1配向膜及び第2配向膜を形成する際に無機材料を蒸着させる蒸着角度を調整することによって可能となる。ここで、「蒸着角度」とは、配向膜が形成される基板の基板面の法線と、無機材料の蒸着方向とがなす角度を意味し、以下の各発明においても同様のことを意味する。
第1配向膜及び第2配向膜の一方の配向膜、即ち液晶分子とのプレチルト角が他方の配向膜における液晶分子のプレチルト角より小さい配向膜は、他方の配向膜の膜厚より薄い膜厚を有している。
本発明に係る液晶装置では、プレチルト角の大小に応じて配向膜の膜厚を相互に異ならせることによって、実践的には対向電極に連続的に供給された共通電位に生じる変動を抑制でき、共通電位の変動に起因したドメインの発生等の表示性能の低下を抑制することが可能である。
尚、本発明に係る液晶装置では、第1配向膜が一方の配向膜であってもよいし、第2配向膜が一方の配向膜であってもよい。即ち、液晶分子のプレチルト角の大小を生じさせる配向膜の膜質、より具体的には例えば配向膜を形成する際の蒸着方向の大小に応じて第1配向膜及び第2配向膜の夫々の膜厚を相互に異ならせておけば共通電位の変動を低減できる効果は得られる。
したがって、本発明に係る液晶装置によれば、共通電位の変動に原因の一つとして生じるドメインを低減でき、高コントラスト比を有する高品位の画像表示を行うことが可能である。
本発明に係る液晶装置の一の態様では、前記一方の配向膜は前記第2配向膜であり、前記他方の配向膜は前記第1配向膜であってもよい。
この態様によれば、例えば第1基板に形成されたTFT等の半導体素子及び各種絶縁膜を含む多層構造に応じて画素電極及び対向電極の相対的な電位関係の変動によって生じる共通電位の変動を抑制できる。
本発明の第1の発明に係る液晶装置の製造方法は上記課題を解決するために、第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、垂直配向モードで配向制御される液晶分子を含んでおり、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記画素電極を覆うように形成された第1配向膜と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記対向電極を覆うように形成された第2配向膜とを備えた液晶装置を製造するための液晶装置の製造方法であって、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて無機材料を第1蒸着角度で蒸着させることによって前記第1配向膜を形成する第1配向膜形成工程と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に、前記第1配向膜より膜厚が薄くなり、且つプレチルト角が小さくなるように斜方蒸着法を用いて前記第1蒸着角度より小さい第2蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって前記第2配向膜を形成する第2配向膜形成工程とを備える。
本発明に係る液晶装置の製造方法では、第1配向膜形成工程及び第2配向膜形成工程は並行して或いは相前後して行われる。
本発明に係る液晶装置の製造方法では、第2配向膜は、第1配向膜より膜厚が薄くなるように斜方蒸着法を用いて第1蒸着角度より小さい第2蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって形成されている。より具体的には、例えば第1配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角を5°にするためには、第1蒸着角度は45°に設定され、第2配向膜の表面における液晶分子のプレチルト角を3°にするためには、第2蒸着角度は40°に設定される。このような第1蒸着角度及び第2蒸着角度の相互の関係の下、第2配向膜は第1配向膜より膜厚が薄くなるように形成される。
したがって、本発明に係る液晶装置の製造方法によれば、実践的に共通電位の変動が低減され、その動作時におけるドメインの発生が低減された高品位の画像表示が可能である液晶装置を製造できる。
本発明の2の発明に係る液晶装置は上記課題を解決するために、第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、垂直配向モードで配向制御される液晶分子を含んでおり、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記画素電極を覆うように形成された第1配向膜と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記対向電極を覆うように形成された第2配向膜とを備えた液晶装置を製造するための液晶装置の製造方法であって、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて無機材料を第2蒸着角度で蒸着させることによって前記第2配向膜を形成する第2配向膜形成工程と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に、前記第2配向膜より膜厚が薄くなり、且つプレチルト角が小さくなるように斜方蒸着法を用いて前記第2蒸着角度より小さい第1蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって前記第1配向膜を形成する第1配向膜形成工程とを備える。
本発明に係る液晶装置の製造方法によれば、上述の液晶装置の製造方法と同様に実践的に共通電位の変動が低減され、その動作時におけるドメインの発生が低減された高品位の画像表示が可能である液晶装置を製造できる。
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の液晶装置を具備してなる。
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る液晶装置を具備してなるので、高品位の表示が可能な、投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現することが可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器の各実施形態を説明する。以下の実施形態では、本発明の液晶装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例に挙げる。
(液晶装置の構成)
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板の側からみた平面図であり、図2は、図1のH−H´断面図である。尚、以下で参照する各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板の側からみた平面図であり、図2は、図1のH−H´断面図である。尚、以下で参照する各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
図1及び図2において、本実施形態の液晶装置1では、本発明の「第1基板」の一例であるTFTアレイ基板10、TFTアレイ基板10と対向配置された、本発明の「第2基板」の一例である対向基板20、偏光板201及び202を備えている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素部が配列されてなる画素領域である画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂、又は紫外線・熱併用型硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材56が散布されている。図2には、ギャップ材56として略球状のガラスビーズを、シール材52に混入した構成を示してある。尚、ギャップ材56を、シール材52に混入されるものに加えて若しくは代えて、画像表示領域10a又は画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域に、配置するようにしてもよい。
偏光板201及び202の夫々は、TFTアレイ基板10及び対向基板20の夫々の裏面に配置されている。ここで、裏面とは、TFTアレイ基板10及び対向基板20の両面のうち液晶層50に対向していない側の面である。
図1において、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域よりも内側に、サンプリング回路7が額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域の内側に、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。
TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor)や走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。この積層構造の詳細な構成については図2には図示を省略してあるが、この積層構造の最上層に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9aが、画素毎に所定のパターンで島状に形成されている。画素電極9aは、後述する対向電極21に対向するように、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aに形成されている。TFTアレイ基板10における液晶層50の面する側の表面、即ち画素電極9a上には、本発明の「第1配向膜」の一例である配向膜16が画素電極9aを覆うように形成されている。配向膜16は、斜方蒸着法を用いて、例えばシリカ(SiO2)等の無機材料をTFTアレイ基板10に蒸着させることによって形成されている。尚、配向膜16及び後述する本発明の「第2配向膜」の一例である配向膜22は、液晶装置1の動作時に液晶層50を構成する液晶分子を垂直配向モードで配向制御する。
対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば対向基板20における対向面上に平面的に見て、格子状に形成されている。対向基板20において、遮光膜23によって非開口領域が規定され、遮光膜23によって区切られた領域がバックライトから出射された光を透過させる開口領域となる。尚、遮光膜23をストライプ状に形成し、遮光膜23と、TFTアレイ基板10側に設けられたデータ線等の各種構成要素とによって、非開口領域を規定するようにしてもよい。
遮光膜23上に、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向するように形成されている。遮光膜23上に、画像表示領域10aにおいてカラー表示を行うためのカラーフィルタを形成しておいてもよい。
対向基板20の対向面上における、これら各種の構成要素が作り込まれた積層構造上には、例えばシリカ(SiO2)等の無機材料からなる配向膜22が形成されている。対向電極21は、対向基板20上の積層構造の最上層に配置されると共に、対向電極21上に配向膜22が形成されている。
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
次に、図3を参照しながら、液晶装置1の主要な電気的な接続構成を説明する。図3は、液晶装置1の主要な電気的接続構成を示したブロック図である。
図3において、液晶装置1は、画素部9a、走査線11a、データ線6a、走査線駆動回路104、データ線駆動回路101、及びサンプリング回路7を備えている。
液晶装置1は、例えば石英基板、ガラス基板或いはシリコン基板等からなるTFTアレイ基板10と対向基板20とが液晶層50を介して対向配置され、その動作時には、画像表示領域10aを構成する複数の画素部71の夫々が有する画素電極9aに画像信号に応じた画素電位が供給される。対向電極21には、電源から共通電位LCCOMが供給され、画素電位及び共通電位LCCOMの電位差、即ち画素電極9a及び対向電極21間に生じる電位差によって配向膜16及び22間に介在する液晶分子に加わる電界を画素毎に変調する構成となっている。これにより、両基板間の透過光量が制御され、画像が階調表示される。
液晶装置1はTFTアクティブマトリクス駆動方式を採り、TFTアレイ基板10における画素表示領域10aには、マトリクス状に配置された複数の画素電極9aと、互いに交差して配列された複数の走査線2及びデータ線3とが形成され、画素に対応する画素部71が構築されている。尚、ここでは図示しないが、各画素電極9aとデータ線3との間には、走査線2を介して夫々供給される走査信号に応じて導通、非導通が制御されるTFTや、画素電極9aに印加した電圧を維持するための蓄積容量が形成されている。また、画像表示領域10aの周辺領域には、データ線駆動回路101等の駆動回路が形成されている。
データ線駆動回路101は、シフトレジスタ51、論理回路52、及び位相差補正回路108を備えている。
シフトレジスタ51は、データ線駆動回路101内に入力される所定周期のX側クロック信号CLX(及びその反転信号CLX´)、シフトレジスタスタート信号DXに基づいて、各段から転送信号Pi(i=1、・・・、n)を順次出力するように構成されている。液晶装置1の動作時において、シフトレジスタ51には、電源VDDX及び電源より低電位の電源VSSXが供給され、シフトレジスタ51を構成するトランジスタが駆動される。
論理回路52は、パルス幅制限手段を含み、シフトレジスタ51から順次出力される転送信号Piを、イネーブル信号ENB1乃至ENB4、及びプリチャージ用選択信号NRGに基づいて整形し、それを基にして最終的にサンプリング回路駆動信号Siを出力する機能を有している。論理回路52によれば、信号の立ち上がり及び立ち下がりにおける信号の電位の裾引きが低減されたサンプリングパルスSiを出力できる。位相差補正回路108は、反転クロック信号CLXBの位相及びクロック信号CLXの位相間に位相差が生じたとしても、この位相差が補正する。
サンプリング回路7は、サンプリングパルスSiに応じてオンオフされるTFT等のスイッチング素子を介して各画素部71に画像信号VIDiを供給する。
次に、図4を参照しながら、液晶装置1の画像表示領域10aにおける回路構成及び動作説明する。図4は、液晶装置1の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。
図4において、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、サンプリング回路7を介して画像信号VIDi(i=1、2、・・・、n)が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号VIDiは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートにゲート電極3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線11a及びゲート電極3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されている。スイッチング素子であるTFT30は一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snに応じた画素電位が画素電極9aに所定のタイミングで書き込む。容量電極300は、上下導通端子106に直接、或いは間接的に電気的に接続されている。対向電極21には、容量電極300に電気的に接続されており、固定電位である共通電位LCCOMが供給されている。
画素電極9aを介して液晶層に書き込まれた所定レベルの画像信号VID1、VID2、・・・、VIDnは、対向基板20に形成された対向電極21との間で一定期間保持される。液晶層50は、印加される電圧レベルにより液晶分子の分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。
尚、ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極21との間に形成される液晶層容量と並列に蓄積容量70を付加する。この蓄積容量70は、走査線11aに並んで設けられ、固定電位側容量電極を含むとともに定電位に固定された容量電極300を含んでいる。
以上の各回路部等の動作によって液晶装置1の動作時に画像が表示される。
次に、図5を参照しながら、配向膜16の構成を詳細に説明する。図5は、図2に対応する断面の構成について、特に、TFTアレイ基板10上に形成された配向膜16による液晶の配向について模式的に示した図である。
図5において、TFTアレイ基板10において液晶層50と対向する側の基板面上に、TFT等の各種構成要素を備えた積層構造90が形成されており、積層構造90の最上層に画素電極9aが画素毎に形成されている。画素電極9a上に、SiO或いはSiO2等の無機材料の柱状構造物16aがTFTアレイ基板10の基板面に対して所定の角度をなして配列することにより、液晶分子を垂直配向モードで配向制御するための無機垂直配向膜として配向膜16が形成されている。このように形成された配向膜16は、表面形状効果により、液晶分子50aの配向状態を垂直配向モードによって規制できる。
尚、配向膜22は、基本的には配向膜16と同様の構成を有しているが、配向膜22を構成する無機材料からなる柱上構造物が対向基板20の基板面及び対向電極21となす角度が、無機材料の柱状構造物16aがTFTアレイ基板10の基板面に対してなす所定の角度より小さい点で異なる。
液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる、誘電率異方性が負である液晶分子50aからなる。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で、配向膜16及び22の夫々の表面で互いに異なるプレチルト角をなし、液晶装置1の動作時に垂直配向モードで配向制御される。
次に、図6及び図7を参照しながら、液晶装置1の具体的な構成をより詳細に説明する。図6は、液晶装置1の図1に対応する断面図を拡大して示した拡大図である。図7は、図6に示した領域C1及びC2の夫々を拡大して示した拡大図である。
図6において、液晶層50から見て対向基板20の側に形成された配向膜22の膜厚t2は、液晶層50から見てTFTアレイ基板10の側に形成された配向膜16の膜厚t1より薄い。図7を参照しながら説明するように、配向膜22の表面及び液晶分子50aがなすプレチルト角は、配向膜16の表面及び液晶分子50aがなすプレチルト角より小さい。より具体的には、図7(a)に示す領域C2において、対向基板20の基板面に沿って平面的に延びる配向膜22の表面に対する法線NL2及び液晶分子50a2の長軸L2がなすプレチルト角θ2と、図7(b)に示す領域C1において、TFTアレイ基板の基板面に沿って平面的に延びる配向膜16の表面に対する法線NL1及び液晶分子50a1の長軸L1がなすプレチルト角θ1とを比べると、プレチルト角θ2はプレチルト角θ2より小さい。このように垂直配向モードで配向制御される液晶分子のプレチルト角を、各配向膜の表面で互いに異ならせることにより、本願発明者は表示性能の向上を図っていた。
配向膜16及び22は、斜方蒸着法を用いて形成する際に画素電極9a及び対向電極21上に蒸着される無機材料の蒸着角度を異ならせることによって、配向膜16及び22を構成する柱状構造物が伸びる角度、即ち無機材料の構成する原子が堆積されてなる構造物が成長する方向と各基板の表面とがなす角度を互いに異なるように形成されている。このような配向膜の膜質の相違によって、配向膜16及び22の夫々の表面において、配向膜16及び22の夫々の表面でプレチルト角を互いに異ならせることが可能である。
しかしながら、このような配向膜16及び22を用いて液晶分子50aを配向制御した場合、液晶装置1の動作時において対向電極21の電位、即ち共通電位LCCOMが経時的に変動してしまい、光抜け等のドメインが発生し、経時的に表示性能が顕著に低下していくことが本願発明者による評価結果により確認されている。
そこで、本願発明者は、このようなドメインの発生が無機材料の蒸着角度の相違に起因する配向膜16及び22の膜質の違い及び各配向膜の下地となる画素電極9a及び対向電極21の膜厚、並びにこれら電極の電気抵抗等の特性の相違が、対向電極21の電位、即ち共通電位LCCOMが経時的に変動してしまう原因の一つと推察し、鋭意検討の結果、配向膜16及び22の膜厚を互いに異ならせることによって、液晶装置1の動作時における経時的な共通電位LCCOMの変動を低減できることを見出した。より具体的は、対向基板20の側に形成される配向膜及びTFTアレイ基板10の側に形成される配向膜のうち液晶分子のプレチルト角が相対的に小さくなるように形成された配向膜の膜厚を、他方の配向膜の膜厚より薄く形成することによって経時的な共通電位LCCOMの変動を低減でき、これに伴いドメインの発生が低減されることが分かった。
尚、本実施形態の液晶装置1では、配向膜16の膜厚に比べて配向膜22の膜厚が薄い場合を例に挙げたが、液晶分子がなすプレチルト角の大小関係に応じて配向膜16及び22のうちどちらの配向膜の膜厚を薄くするかを決めればよい。より具体的には、例えば配向膜16の表面における液晶分子のプレチルト角が配向膜22の表面におけるそれと比べて小さくなるように各配向膜を形成する場合には、配向膜22より膜厚が薄くなるように配向膜16を形成することによって、共通電位LCCOMの経時的な変動を低減できる効果は相応に得られる。
(実施例)
次に、図8を参照しながら、本願発明者が実施した評価結果を説明する。図8は、本願発明者が実施した評価結果を示したグラフである。本評価では、配向膜16の表面における液晶分子のプレチルト角が配向膜22の表面における液晶分子のプレチルト角より小さくなるように無機材料の蒸着角度を設定し、配向膜の膜厚比の振った場合の共通電位LCCOMの変動を測定した。尚、本評価では、液晶装置を動作開始させる前の初期の共通電位LCCOMと、300時間経過後の共通電位LCCOMとを測定し、初期の共通電位LCCOMに対する300時間経過後の共通電位LCCOMの変動割合を算出し、該算出した変動割合を膜厚比毎に比較した。尚、図8中において、t1は配向膜16の膜厚を意味し、t2は配向膜22の膜厚を意味する。したがって、膜厚比Rtが1より大きい範囲では、配向膜16の膜厚が配向膜22の膜厚より大きいことを意味する。
次に、図8を参照しながら、本願発明者が実施した評価結果を説明する。図8は、本願発明者が実施した評価結果を示したグラフである。本評価では、配向膜16の表面における液晶分子のプレチルト角が配向膜22の表面における液晶分子のプレチルト角より小さくなるように無機材料の蒸着角度を設定し、配向膜の膜厚比の振った場合の共通電位LCCOMの変動を測定した。尚、本評価では、液晶装置を動作開始させる前の初期の共通電位LCCOMと、300時間経過後の共通電位LCCOMとを測定し、初期の共通電位LCCOMに対する300時間経過後の共通電位LCCOMの変動割合を算出し、該算出した変動割合を膜厚比毎に比較した。尚、図8中において、t1は配向膜16の膜厚を意味し、t2は配向膜22の膜厚を意味する。したがって、膜厚比Rtが1より大きい範囲では、配向膜16の膜厚が配向膜22の膜厚より大きいことを意味する。
図8において、黒丸は本評価において得られたデータに基づいて算出された膜厚比であり、これら黒丸を結んだ直線は膜厚比に対する共通電位LCCOMの変動を算出した膜厚比に基づいて推定した推定値を示している。
図8に示すように、本評価によれば膜厚比Rtが大きくなるほど共通電位LCCOMの変動が小さくなる傾向にあることが分かった。また、ドメインの低減だけに注目して膜厚比を設定した場合には、表示性能の観点、或いは製造プロセス上の観点等の各種条件を考慮した場合に他の不具合が発生する場合も想定される。したがって、ドメインの発生を抑制可能な共通電位LCCOMの変動の上限値及び下限値の夫々を+ΔV1及び−ΔV1とした場合、膜厚比Rtは、下限値はRt1であり、上限値はRt2である。したがって、配向膜の膜厚比が下限値Rt1及び上限値Rt2の範囲内に設定することにより、ドメインが発生しない程度に共通電位LCCOMの変動を抑制できる。本願発明者の鋭意検討によれば、膜厚比が1.2乃至2.4の範囲になるように配向膜の膜厚を設定すれば、ドメインが発生しない範囲に共通電位LCCOMの変動を抑制できることと考えている。
以上、説明したように本実施形態に係る液晶装置によれば、共通電位LCCOMの変動を原因の一つとして生じるドメインを低減でき、高コントラスト比を有する高品位の画像表示を行うことが可能である。即ち、長期間に亘って高品位の画像を表示できるという信頼性に優れた液晶装置を提供できる。
(液晶装置の製造方法)
次に図9を参照しながら、上述の液晶装置1を製造するための液晶装置の製造方法を説明する。図9は、液晶装置1の製造プロセスの各工程を説明するためのフローチャートである。尚、以下では本発明の第1の発明に係る液晶装置の製造方法の実施形態を主に説明するが、第2の発明に係る液晶装置の製造方法の実施形態も、本実施形態の液晶装置の製造方法における配向膜16及び配向膜22の相互関係が入れ替わるだけであるため、詳細な説明を省略する。
次に図9を参照しながら、上述の液晶装置1を製造するための液晶装置の製造方法を説明する。図9は、液晶装置1の製造プロセスの各工程を説明するためのフローチャートである。尚、以下では本発明の第1の発明に係る液晶装置の製造方法の実施形態を主に説明するが、第2の発明に係る液晶装置の製造方法の実施形態も、本実施形態の液晶装置の製造方法における配向膜16及び配向膜22の相互関係が入れ替わるだけであるため、詳細な説明を省略する。
図9において、TFTアレイ基板10上に、例えば蒸着やスパッタリング等による成膜、エッチングやフォトグラフィ等によるパターンニング、熱処理などによって、データ線6aや走査線11a、TFT30等が作り込まれた積層構造90(図3参照)の最上層に、例えばスパッタリングによりITO等の透明導電材料からなる画素電極9aを形成する(ステップS11)。
続いて、配向膜形成工程によって、例えば斜方蒸着法を、TFTアレイ基板10に対して施すことで、TFTアレイ基板10における画素電極9aが形成された基板面上にシリカ(SiO2)からなる配向膜16を例えば約40nmの膜厚で形成する(ステップS12)。尚、配向膜16は、斜方蒸着法によって形成され、配向膜22より膜厚が厚くなるように無機材料の供給量が調整される。この際、蒸着源から発生されたシリカ(SiO2)等の無機材料の蒸気流が、TFTアレイ基板10の基板面上において、積層構造90の最表面と接触することにより、積層構造90上に無機材料が蒸着する。基板面上に蒸着した無機材料の柱状構造物16aが基板面に対して所定の角度をなして配列することで、無機材料が画素電極を覆うように基板面上に堆積する。
ここで、図10を参照しながらTFTアレイ基板10上に配向膜16を形成する過程を詳細に説明する。図10は、配向膜16を形成するための蒸着装置の構成を模式的に示した模式図である。
図10において、蒸着装置300は、蒸着源302と、蒸着源302及び無機材料の被蒸着体であるTFTアレイ基板10を収容するチャンバー301を備えている。
TFTアレイ基板10上の形成される配向膜16は、TFTアレイ基板10の基板面に対する法線NL1と蒸着源302から無機材料が堆積される第1蒸着方向とがなす角(θa)を調整することによって、基板面に対して柱状構造物が伸びる角度が設定可能である。より具体的には、例えば図7(b)に示したプレチルト角θ1を5°に設定する場合には、第1蒸着角度θa、即ち法線NL1に対する無機材料の入射角度を45°に設定する。また、後述するステップS22で配向膜22を形成する際には、図7(a)に示したプレチルト角θ2を例えば4°に設定する。プレチルト角θ2を4°に設定するためには、第2蒸着角度θb、即ち対向基板20の基板面における法線NL2に対して入射する無機材料の入射角度を40°に設定する。
再び図10において、上述のようにして得られる無機斜方蒸着膜としての配向膜16は、表面形状効果により液晶層50の液晶分子を配向させることができる。尚、配向膜16は、無機材料からなることで耐光性や耐熱性に優れ、ライトバルブとしての液晶装置の耐久性向上に寄与する。このようにして、TFTアレイ基板10上に図2に示した積層構造が形成される。
次に、例えばシラン化合物を溶剤に溶解させたシラン化合物溶液を用いてTFTアレイ基板10が備える配向膜16の液晶層50に面する側の表面を処理する(ステップS13)。この表面処理によって、配向膜16の耐光性を高めることができる。
次に、溶剤等の洗浄液を用いて、表面処理された配向膜16を洗浄し(ステップ14)、配向膜16を乾燥させる(ステップ15)。尚、対向基板20には、ステップ11乃至15と相前後して遮光膜及び対向電極が形成される(ステップ21)と共に、配向膜22が形成される(ステップ22)。そして、TFTアレイ基板10の場合と同様に、対向基板20に形成された配向膜22も、配向膜16と同様に表面処理される(ステップ23)。表面処理された配向膜22は、洗浄(ステップ24)及び乾燥(S25)される。
その後、乾燥工程まで夫々終了したTFTアレイ基板10及び対向基板20を、TFTアレイ基板10において配向膜16が形成された側と、対向基板20において配向膜22が形成された側とをシール材52を介して貼り合わせる(ステップS31)。
続いて、互いに貼り合わされた状態のTFTアレイ基板10及び対向基板20間に液晶を注入し(ステップS32)、液晶装置1が形成される。
以上説明したように、本実施形態の液晶装置の製造方法によれば、上述した液晶装置を製造することができる。
(電子機器)
次に、上述した液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。図15は、液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタの構成例を示す平面図である。図15に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
次に、上述した液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。図15は、液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタの構成例を示す平面図である。図15に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
このようなプロジェクタは、上述の液晶装置を具備してなるので、ドメインの発生が抑制された高品位の画像を長期期間に亘って表示できる。
1・・・液晶装置、9a・・・画素電極、10・・・TFTアレイ基板、20・・・対向基板、16、22・・・配向膜、21・・・対向電極、50・・・液晶層、θ1、θ2・・・プレチルト角
Claims (5)
- 第1基板と、
前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、
垂直配向モードで配向制御される液晶分子を含んでおり、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、
前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、
前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、
前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって形成されており、前記画素電極を覆う第1配向膜と、
前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に斜方蒸着法を用いて無機材料を蒸着させることによって形成されており、前記対向電極を覆う第2配向膜とを備え、
前記第1配向膜及び前記第2配向膜のうち一方の配向膜の表面における前記液晶分子のプレチルト角は、前記第1配向膜及び前記第2配向膜の他方の配向膜の表面における前記液晶分子のプレチルト角より小さく、
前記一方の配向膜の膜厚は、前記他方の配向膜の膜厚より薄いこと
を特徴とする液晶装置。 - 前記一方の配向膜は前記第2配向膜であり、前記他方の配向膜は前記第1配向膜であること
を特徴とする請求項1に記載の液晶装置。 - 第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、垂直配向モードで配向制御される液晶分子を含んでおり、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記画素電極を覆うように形成された第1配向膜と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記対向電極を覆うように形成された第2配向膜とを備えた液晶装置を製造するための液晶装置の製造方法であって、
前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて無機材料を第1蒸着角度で蒸着させることによって前記第1配向膜を形成する第1配向膜形成工程と、
前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に、前記第1配向膜より膜厚が薄くなり、且つプレチルト角が小さくなるように斜方蒸着法を用いて前記第1蒸着角度より小さい第2蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって前記第2配向膜を形成する第2配向膜形成工程とを備えたこと
を特徴とする液晶装置の製造方法。 - 第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、垂直配向モードで配向制御される液晶分子を含んでおり、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上の画素領域に形成されており、画像信号に応じた画素電位が供給される画素電極と、前記画素電極に対向するように前記第2基板上の前記画素領域に形成されており、共通電位が供給される対向電極と、前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記画素電極を覆うように形成された第1配向膜と、前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に前記対向電極を覆うように形成された第2配向膜とを備えた液晶装置を製造するための液晶装置の製造方法であって、
前記第2基板における前記液晶層に面する側の基板面に、斜方蒸着法を用いて無機材料を第2蒸着角度で蒸着させることによって前記第2配向膜を形成する第2配向膜形成工程と、
前記第1基板における前記液晶層に面する側の基板面に、前記第2配向膜より膜厚が薄くなり、且つプレチルト角が小さくなるように斜方蒸着法を用いて前記第2蒸着角度より小さい第1蒸着角度で無機材料を蒸着させることによって前記第1配向膜を形成する第1配向膜形成工程とを備えたこと
を特徴とする液晶装置の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の液晶装置を具備してなること
を特徴とする電子機器。
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---|---|---|---|
JP2006015372A JP2007199191A (ja) | 2006-01-24 | 2006-01-24 | 液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器 |
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JP2011209528A (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-20 | Seiko Epson Corp | 液晶装置、液晶装置の駆動方法及び電子機器 |
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-
2006
- 2006-01-24 JP JP2006015372A patent/JP2007199191A/ja not_active Withdrawn
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