JP2011180524A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶装置等の電気光学装置において、高品質な画像を表示する。
【解決手段】電気光学装置は、表示領域(10a)に配列された複数の画素電極(9a)と、画素電極に対応するように設けられたトランジスタ(30)と、トランジスタと電気的に接続されており、画像信号を供給するデータ線(6)と、画素電極と対向して設けられており、該画素電極と共に蓄積容量(70)を構成する共通電極(71)と、表示領域の周囲に位置するダミー領域(10b)において、データ線と電気的に接続された付加容量(200)とを備える。付加容量は、画素電極と同一層からなる第1容量電極(9b)と、共通電極と同一層からなる第2容量電極(76)とを有する。
【選択図】図9
【解決手段】電気光学装置は、表示領域(10a)に配列された複数の画素電極(9a)と、画素電極に対応するように設けられたトランジスタ(30)と、トランジスタと電気的に接続されており、画像信号を供給するデータ線(6)と、画素電極と対向して設けられており、該画素電極と共に蓄積容量(70)を構成する共通電極(71)と、表示領域の周囲に位置するダミー領域(10b)において、データ線と電気的に接続された付加容量(200)とを備える。付加容量は、画素電極と同一層からなる第1容量電極(9b)と、共通電極と同一層からなる第2容量電極(76)とを有する。
【選択図】図9
Description
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた、例えば液晶プロジェクター等の電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置として、例えばサンプリング回路におけるサンプリングスイッチのオンオフを切替えることで、データ線に画像信号を供給するものがある。このような装置においては、例えばサンプリングスイッチのドレイン側のデータ線の画像信号電位が本来より低くなってしまう現象(所謂、プッシュダウン)や、逆に高くなってしまう現象(所謂、プッシュアップ)が生じ得るため、周辺領域に延在するデータ線の一部に付加容量を設けるという技術が提案されている。
例えば特許文献1では、表示領域の周囲に位置するダミー領域(即ち、ダミー画素が設けられた領域)に付加容量を形成するという技術が開示されている。
本願発明者の研究によれば、表示領域の各画素に対して設けられる蓄積容量を、画素電極と対向する電極によって形成することで、開口率を高めつつ、より大きな容量値が得られることが分かっている。しかしながら、画素電極において蓄積容量を形成する場合に上述した付加容量を設けようとすると、装置構成が複雑化してしまうおそれがある。具体的には、蓄積容量を画素電極で形成することで表示領域の積層構造が変化しているため、ダミー画素領域に付加容量を設けようとすると、積層構造が複雑化してしまう。このように、上述した技術には、表示領域における層構造の変化に十分に対応できないという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、ダミー画素領域において好適に付加容量を形成することで、高品質な画像を表示することが可能な電気光学装置及び電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、表示領域に配列された複数の画素電極と、前記画素電極に対応するように設けられたトランジスタと、前記トランジスタと電気的に接続されており、画像信号を供給するデータ線と、前記画素電極と対向して設けられており、該画素電極と共に蓄積容量を構成する共通電極と、前記表示領域の周囲に位置するダミー領域において、前記データ線と電気的に接続された付加容量とを備え、前記付加容量は、前記画素電極と同一層からなる第1容量電極と、前記共通電極と同一層からなる第2容量電極とを有する。
本発明の電気光学装置によれば、基板上の表示領域には、例えば、走査線、データ線等の配線やトランジスタが、絶縁膜を介して相互に絶縁されつつ必要に応じて積層されることで画素電極を駆動するための回路が構成され、その上層側に画像電極が配置されている。これら走査線、データ線及び画素スイッチング用トランジスタの夫々は、半導体層及び金属膜等の不透明な構成要素を備えているため、当該電気光学装置による画像表示に影響を与えないように、基板上の表示領域のうち光を透過させない非開口領域に形成されている。
本発明では、画素電極と対向するように共通電極が設けられており、画素電極と共に蓄積容量を構成している。より具体的には、画素電極より誘電体膜を介して下層側に共通電極が形成されており、対向電極に供給される共通電位等の定電位が供給されている。これにより蓄積容量は、画素電極の電位を一時的に保持することが可能に構成される。
共通電極は、例えば透明な膜で構成され、光の透過する開口領域に蓄積容量を形成可能とされる。よって、非開口領域にのみ蓄積容量を形成する場合に比べてその容量値を増大させることが可能である。更に、開口領域を狭めることもなく、画素のうち開口領域が占める割合である開口率を低下させることもない。
他方で、表示領域の周囲には複数のダミー画素からなるダミー領域が設けられている。ダミー領域は、表示領域の端部における電気光学物質の配向ムラなど、画素領域の周辺寄り或いは端や縁にて相対的に発生し易い動作状態のムラの発生領域を、表示領域から離す機能を有している。
ここで本発明では特に、上述したダミー領域には、データ線と電気的に接続された付加容量が設けられている。このような付加容量によれば、例えばデータ線が保有すべき電位の変動を抑制することが可能となる。従って、データ線の電位変動に起因する表示ムラの発生を防止でき、表示品質を向上させることができる。
またダミー領域は、機能的にはデッドスペースといえる領域である。よってダミー領域に付加容量を設ければ、ダミー領域以外に付加容量を設けるような場合と比較して、基板上におけるレイアウトスペースを有効に利用することができる。
本発明では更に、ダミー領域に設けられる付加容量は、画素電極と同一層からなる第1容量電極と、共通電極と同一層からなる第2容量電極とを有している。尚、ここでの「同一層」とは、同一の成膜工程によって形成される層を意味しており、画素電極及び第1容量電極は、例えば金属膜等の導電材料で構成される薄膜を形成した後、当該薄膜を部分的に除去、即ちパターニングすることによって相互に離間させた状態で形成される。
上述した第1容量電極及び第2容量電極を有する付加容量によれば、ダミー領域においても表示領域と同様の積層構造を実現することができる。具体的には、表示領域において形成される層(即ち、画素電極及び共通電極)を用いて、付加容量を形成することができる。よって、付加容量を形成するために新たな層を別途設ける必要が無い。従って、装置構成や製造工程の複雑化、製造コストの増大を防止することができる。
以上説明したように、本発明の電気光学装置によれば、表示領域において画素電極で蓄積容量を形成すると共に、ダミー領域において比較的簡単な構成で付加容量を形成することができる。従って、高品質な画像を表示させることが可能である。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記第1容量電極には、前記画素電極と電気光学物質を介して対向するように設けられる対向電極に供給される共通電位が供給され、前記第2容量電極には、前記データ線から前記画像信号が供給される。
この態様によれば、付加容量を形成する2つの電極のうち、第1容量電極(即ち、画素電極と同一層に設けられる電極)には、定電位としての共通電位が供給される。一方で、第2容量電極(即ち、共通電極と同一層に設けられる電極)には、画像信号が供給される。従って、ダミー領域において確実に付加容量を形成することができる。
尚、第2容量電極に供給される画像信号は、表示領域の画素電極に供給される画像信号とは異なるものであってもよい。ダミー領域は、画像表示に寄与しない領域であるので、画像表示領域と同様の駆動は求められない。従って、ここでの画像信号は、データ線から供給される信号であればよく、例えばトランジスタを介さずにデータ線から直接第2容量電極に供給されてもよい。
本態様では特に、ダミー領域に設けられる付加容量は、各層に供給される電位が表示領域に設けられる蓄積容量とは異なっている。即ち、表示領域の蓄積容量においては、共通電極に共通電位が供給されるのに対して、ダミー領域の付加容量においては、共通電極と同一層である第2容量電極には共通電位は供給されず、画素電極と同一層である第1容量電極に共通電位が供給される。
上述した構成によれば、ダミー領域において電気光学物質を介して対向配置される対向電極及び第1容量電極が、共に共通電位とされる。よって、電気光学物質には電圧が印加されない。ここで、ノーマリーブラックモードの電気光学物質を用いれば、黒表示された電気光学物質によってダミー領域を遮光することが可能である。従って、光漏れ等に起因する表示上の不具合を防止することが可能である。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1容量電極及び前記第2容量電極は、それぞれ透光性を有する材料を含んで形成されている。
この態様によれば、ダミー領域において付加容量を形成する第1容量電極及び第2容量電極を、表示領域における開口領域に透明電極として設けられる画素電極及び共通電極と同一層として形成することが、極めて容易となる。従って、ダミー領域における付加容量を、より好適に実現することが可能である。
尚、第1容量電極及び第2容量電極は、両方が共に透光性を有する材料を含んで形成されることが好ましいが、少なくとも一方が透光性を有する材料を含んで形成されれば、上述した効果は相応に得られる。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
本発明の電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、高品質な表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサー、ビューファインダー型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパーなどの電気泳動装置等も実現することも可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<電気光学装置>
本実施形態に係る電気光学装置について図1から図9を参照して説明する。尚、以下の実施形態では、本発明の電気光学装置の一例として駆動回路内蔵型のTFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を挙げて説明する。
本実施形態に係る電気光学装置について図1から図9を参照して説明する。尚、以下の実施形態では、本発明の電気光学装置の一例として駆動回路内蔵型のTFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を挙げて説明する。
先ず、本実施形態に係る電気光学装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、本実施形態に係る電気光学装置の全体構成を示す平面図であり、図2は、図1のH−H´線断面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板や、シリコン基板等である。対向基板20は、例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板である。TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が封入されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、一対の配向膜間で所定の配向状態をとる。
TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素電極が設けられた画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により、相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(即ち、基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。尚、ギャップ材を、シール材52に混入されるものに加えて若しくは代えて、画像表示領域10a又は画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域に、配置するようにしてもよい。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。尚、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
TFTアレイ基板10上における対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域には、両基板間を上下導通材で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。この積層構造の詳細な構成については図2では図示を省略してあるが、この積層構造の上に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9aが、画素毎に所定のパターンで島状に形成されている。尚、画素電極9aをアルミニウム等の反射性を有する材料から構成すれば、反射型の電気光学装置を実現することも可能である。
画素電極9aは、対向電極21に対向するように、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aに形成されている。TFTアレイ基板10における液晶層50の面する側の表面、即ち画素電極9a上には、配向膜16が画素電極9aを覆うように形成されている。
対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上には、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば対向基板20における対向面上に平面的に見て、格子状に形成されている。対向基板20において、遮光膜23によって非開口領域が規定され、遮光膜23によって区切られた領域が、例えばプロジェクター用のランプや直視用のバックライトから出射された光を透過させる開口領域となる。尚、遮光膜23をストライプ状に形成し、該遮光膜23と、TFTアレイ基板10側に設けられたデータ線等の各種構成要素とによって、非開口領域を規定するようにしてもよい。
遮光膜23上には、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向するように形成されている。また遮光膜23上には、画像表示領域10aにおいてカラー表示を行うために、開口領域及び非開口領域の一部を含む領域に、図2には図示しないカラーフィルターが形成されるようにしてもよい。対向基板20の対向面上における、対向電極21上には、配向膜22が形成されている。
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、上述したデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
次に、本実施形態に係る電気光学装置の画素部の電気的な構成について、図3を参照して説明する。ここに図3は、本実施形態に係る電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
図3において、画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素の各々には、画素電極9a及びTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、本実施形態に係る電気光学装置の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6は、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6に書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートには、走査線11が電気的に接続されており、本実施形態に係る電気光学装置は、所定のタイミングで、走査線11にパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6から供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
液晶層50(図2参照)を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。例えば、ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。
ここで保持された画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極21(図2参照)との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。蓄積容量70は、画像信号の供給に応じて各画素電極9aの電位を一時的に保持する保持容量として機能する容量素子である。蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性が向上し、コントラスト向上やフリッカーの低減といった表示特性の向上が可能となる。
また、データ線6には、付加容量200が電気的に接続されている。付加容量200は、データ線6の電位を一時的に保持する機能を有しており、データ線6の電位変動を抑制する。この付加容量200の具体的な構成については、後に詳述する。
次に、上述の動作を実現する画素部の具体的な構成について、図4から図6を参照して説明する。ここに図4及び図5は夫々、表示領域における複数の画素部の構成を透過的に示す平面図である。また図6は、表示領域における積層構造を示す断面図である。尚、図4では、中継層91及び92より下層側の各層を示しており、図5では、中継層91及び92より上層側の各層を示している。また図4、図5及び図6では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。図6は、図4及び図5のA−A’線における断面を示すものであるが、上述したように各層・各部材の縮尺を異ならしめてあるため、一部で完全にはA−A’線と対応していない部分が存在している。
図4及び図6において、TFTアレイ基板10上には、走査線11がX方向に沿って配置されており、走査線11より下地絶縁膜12を介して上層には、半導体層30a及びゲート電極30bを有するTFT30が配置されている。
走査線11は、遮光性の導電材料、例えば、W(タングステン)、Ti(チタン)、TiN(窒化チタン)等から形成されており、TFTアレイ基板10上で平面的に見て半導体層30aを含むような形状とされている。走査線11は半導体層30aより下層側に配置されているので、TFTアレイ基板10における裏面反射や、複板式のプロジェクター等で他の装置から発せられ合成光学系を突き抜けてくる光などの戻り光に対して、TFT30のチャネル領域30bを殆ど或いは完全に遮光できる。その結果、電拮抗額装置の動作時に、TFT30における光リーク電流は低減され、コントラスト比を向上させることができ、高品位の画像表示が可能となる。
TFT30は、半導体層30aと、ゲート電極30bとを有して構成されている。半導体層30aは、ソース領域30a1、チャネル領域30a2、ドレイン領域30a3含んで形成されている。ここで、チャネル領域30a2及びソース領域30a1、又は、チャネル領域30a2及びドレイン領域30a3の界面にはLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成されていてもよい。
ゲート電極30bは、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、半導体層30aのチャネル領域30a2と重なる領域に、ゲート絶縁膜13を介して、半導体層30aの上層側に形成されている。ゲート電極30bは、例えば導電性ポリシリコンから形成されており、下層側に配置された走査線11にコンタクトホール34a及び34bを介して電気的に接続されている。
TFT30のソース領域30a1は、第1層間絶縁膜14上に形成された中継層91と、コンタクトホール31を介して電気的に接続されている。一方、ドレイン領域30a3は、中継層91と同層に形成された中継層92に、コンタクトホール32を介して電気的に接続されている。
図5及び図6において、中継層91は、第2層間絶縁膜15上に形成されたデータ線6と、コンタクトホール34を介して電気的に接続されている。一方、中継層92は、データ線6と同層に形成された中継層7に、コンタクトホール34を介して電気的に接続されている。
中継層7は更に、コンタクトホール36を介して、後述する容量電極71と同層に設けられた中継層75と電気的に接続されている。また中継層75は、コンタクトホール37を介して、画素電極9と電気的に接続されている。即ち、TFT30のドレイン領域30a3と画素電極9とは、中継層92、中継層7、及び中継層75を順に介して、電気的に中継接続されている。
データ線6及び中継層7の上層側には、第3層間絶縁膜16を介して蓄積容量70が形成されている。蓄積容量70を液晶容量に並列に電気的に接続されることで、画素電極9aの電圧を、実際に画像信号が印加されている時間よりも、例えば3桁も長い時間だけ保持することが可能となる。
容量電極71は、本発明の「共通電極」の一例であり、液晶容量に電気的に並列に接続された蓄積容量70の片方の電極として機能し、容量配線300に電気的に接続されることによって、固定電位に保持されている。容量電極71は、例えばITO等の透明電極によって構成されている。このため、容量電極71を、開口領域を含む画像表示領域10aに重なるように形成しても、開口領域における光透過率を殆ど或いは実践上全く低下させることはない。図5に示すように、容量電極71は、島状に形成された中継層75を囲うように形成される。言い換えれば、容量電極71の開口部の内側に中継層75が形成される。
容量電極71上には、誘電体膜72が形成されている。誘電体膜72は、容量電極71上を覆うようにベタ状に形成されている。尚、誘電体膜72は透明な誘電性材料である窒化シリコン等で構成されるため、誘電体膜72を、開口領域を含む画像表示領域10aに広く形成しても、開口領域における光透過率を殆ど或いは実践上全く低下させることはない。尚、誘電体膜72の膜厚が薄いほうが、蓄積容量70の容量値を高めるためにはより好ましい。
また容量電極71上には、蓄積容量70を画素間で分離するための容量分離膜80が形成されている。蓄積容量70の容量値は、容量分離膜80の面積を増減させることによって、調整することができる。具体的には、容量分離膜80を設けることによって、容量電極71が誘電体膜72を介して画素電極9と対向配置されなくなってしまう部分においては、蓄積容量70は形成されない。
図5に示すように、容量分離膜80は隣り合う画素に跨る容量電極71の開口部を避けるように略H状の形状に設けられた容量分離膜開口部を有する。そしてこの容量分離膜の開口部の形状に沿って容量電極71と画素電極9とが対向配置されて蓄積容量70を構成する。即ち、隣り合うデータ線6の間に設けられる容量電極71の開口部と隣り合うデータ線6の間にもそれぞれ容量分離膜80の開口部が設けられて蓄積容量70を構成することで、画素電極9の内側における蓄積容量領域の平面的な面積をできるだけ多く確保している。
ここで仮に、蓄積容量70の容量値が小さい場合、画像信号を保持できる時間が短いため、表示画像の画質はあまり改善しない。一方、蓄積容量70の容量値が大きい場合、画像信号を長期間保持できるため表示画像の画質の改善を期待することができるものの、画像信号の供給回路や配線等が大型化してしまう。そのため、実際の液晶装置では、蓄積容量70の容量値が好適な値に調整される。
蓄積容量70は、各々が透明な容量電極71、誘電体膜72及び画素電極9によって構成されているため、開口領域を狭めることもなく、画素のうち開口領域が占める割合である開口率を低下させることもない。加えて、このような蓄積容量70によれば、開口領域に蓄積容量70を形成可能であるため、非開口領域にのみ蓄積容量を形成する場合に比べてその容量値を増大させることが可能である。
容量分離膜80上には、画素電極9が形成されている。図5に示すように、画素電極9は、データ線6及び走査線11によってマトリクス状に区分けされた画素毎に、島状に形成されている。尚、ここでの図示は省略しているが、画素電極9上には、液晶層50(図2参照)に含まれる液晶分子の配向状態を規制するための配向膜16が形成されている。
次に、本実施形態に係る電気光学装置に設けられる付加容量について、図7から図9を参照して詳細に説明する。ここに図7は、実施形態に係る付加容量の形成領域を示す平面図であり、図8は、比較例に係る付加容量の形成領域を示す平面図である。また図9は、ダミー領域における積層構造を示す断面図である。尚、図7及び図8では、説明の便宜上、図1に示した各部材を適宜省略して図示している。また図9は、ダミー領域におけるダミー画素部を、図4及び図5のA−A’線と同様の線で切った断面を示すものである。
図7において、本実施形態に係る電気光学装置では、複数の画素部からなる画像表示領域10aの周囲に、複数のダミー画素部からなるダミー領域10bが設けられている。ダミー領域は、画像表示領域10aの端部における電気光学物質の配向ムラなど、画像表示領域10aの周辺寄り或いは端や縁にて相対的に発生し易い動作状態のムラの発生領域を、表示領域から離す機能を有している。
上述したダミー領域10bの上側の一辺に沿った領域及び下側の一辺に沿った領域(以下、適宜「付加容量形成領域200a」と称する)には、データ線6に電気的に接続される付加容量200(図3参照)が設けられている。このような付加容量200によれば、例えばデータ線6が保有すべき電位の変動を抑制することが可能となる。従って、データ線6の電位変動に起因する表示ムラの発生を防止でき、表示品質を向上させることができる。
図8に示すように、付加容量形成領域200aをダミー領域10bの外側に持ってくることも考えられるが、ダミー領域10bは、本来機能的にはデッドスペースといえる領域である。よって、図7に示すように、ダミー領域10bに付加容量200を設ければ、TFTアレイ基板10上におけるレイアウトスペースを有効に利用することができる。
図9において、上述した付加容量200は、容量電極71(図6参照)と同一層に形成された付加容量電極76と、画素電極9a(図6参照)と同一層に形成されたダミー画素電極9bとが、誘電体膜72を介して対向配置されることで形成されている。すなわち、容量電極71及び付加容量電極76は、それぞれ第3層間絶縁膜16上に同一の導電膜から形成されており、画素電極9a及びダミー画素電極9bは、それぞれ誘電体膜72上に同一の導電膜から形成されている。尚、ここでのダミー画素電極9bは、本発明の「第1容量電極」の一例であり、付加容量電極76は、本発明の「第2容量電極」の一例である。
同一層に形成される画素電極9a及びダミー画素電極9bは、例えばITO等の導電材料で構成される薄膜を形成した後、当該薄膜を部分的に除去、即ちパターニングすることによって相互に離間させた状態で形成される。同様に、容量電極71及び付加容量電極76も、例えばITO等の導電材料で構成される薄膜を形成した後、当該薄膜を部分的に除去、即ちパターニングすることによって相互に離間させた状態で形成される。
ダミー画素電極9bには、例えば図示しない容量線等を介して、対向電極21(図2参照)に供給される共通電位が供給される。ダミー画素電極9bは、図6における画素電極9aのようにコンタクトホール37を介して下層側の層とは電気的に接続されていない。即ち、データ線6からの画像信号は供給されない。
一方で、付加容量電極76には、データ線6を介して、画像信号が供給される。付加容量電極76は、図6に示す容量電極71及び中継層75が電気的に接続されたような形状とされている。ここで特に、ダミー領域10bにおけるデータ線6は、画像表示領域10aにおけるデータ線6(図6参照)とは異なり、同一層に中継層7を有していない。より具体的には、図6におけるデータ線6aと中継層7とが電気的に接続されたような状態とされている。よって、画像信号は、TFT30を介さずに付加容量電極76に供給される。尚、中継層91及び中継層92を互いに電気的に接続することで、同様の構成を実現することも可能である。
上述した付加容量200によれば、ダミー領域10bにおいても画像表示領域10aと同様の積層構造を実現することができる。よって、付加容量200を形成するために新たな層を別途設ける必要が無い。従って、装置構成や製造工程の複雑化、製造コストの増大を防止することができる。
更に、ダミー領域10bにおいて液晶層50を介して対向配置される対向電極21及びダミー画素電極9bは、共に共通電位とされている。よって、液晶層50には電圧が印加されない。ここで、ノーマリーブラックモードの液晶層50を用いれば、黒表示された液晶層50によってダミー領域10bを遮光することが可能である。従って、光漏れ等に起因する表示上の不具合を防止することが可能である。
以上説明したように、本実施形態に係る電気光学装置によれば、画像表示領域10aにおいて画素電極9aで蓄積容量70を形成すると共に、ダミー領域10bにおいて比較的簡単な構成で付加容量200を形成することができる。従って、高品質な画像を表示させることが可能である。
<電子機器>
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。ここに図10は、プロジェクターの構成例を示す平面図である。以下では、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクターについて説明する。
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。ここに図10は、プロジェクターの構成例を示す平面図である。以下では、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクターについて説明する。
図10に示されるように、プロジェクター1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110B及び1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110B及び1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。従って、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110B及び1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
尚、液晶パネル1110R、1110B及び1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルターを設ける必要はない。
尚、図10を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビや、ビューファインダー型、モニタ直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
また、本発明は上述の各実施形態で説明した液晶装置以外にも反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、有機ELディスプレイ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、電気泳動装置等にも適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
6…データ線、9a…画素電極、9b…ダミー電極、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、10b…ダミー領域、11…走査線、20…対向基板、30…TFT、50…液晶層、70…蓄積容量、71…容量電極、72…誘電体膜、76…付加容量電極、101…データ線駆動回路、102…外部回路接続端子、104…走査線駆動回路、200…付加容量、200a…付加容量形成領域
Claims (4)
- 表示領域に配列された複数の画素電極と、
前記画素電極に対応するように設けられたトランジスタと、
前記トランジスタと電気的に接続されており、画像信号を供給するデータ線と、
前記画素電極と対向して設けられており、該画素電極と共に蓄積容量を構成する共通電極と、
前記表示領域の周囲に位置するダミー領域において、前記データ線と電気的に接続された付加容量と
を備え、
前記付加容量は、前記画素電極と同一層からなる第1容量電極と、前記共通電極と同一層からなる第2容量電極とを有する
ことを特徴とする電気光学装置。 - 前記第1容量電極には、前記画素電極と電気光学物質を介して対向するように設けられる対向電極に供給される共通電位が供給され、
前記第2容量電極には、前記データ線から前記画像信号が供給される
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記第1容量電極及び前記第2容量電極は、それぞれ透光性を有する材料を含んで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010046871A JP2011180524A (ja) | 2010-03-03 | 2010-03-03 | 電気光学装置及び電子機器 |
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JP2010046871A JP2011180524A (ja) | 2010-03-03 | 2010-03-03 | 電気光学装置及び電子機器 |
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JP2011180524A true JP2011180524A (ja) | 2011-09-15 |
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JP (1) | JP2011180524A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104793414A (zh) * | 2014-01-17 | 2015-07-22 | 群创光电股份有限公司 | 液晶显示面板 |
US11398509B2 (en) | 2019-06-05 | 2022-07-26 | Seiko Epson Corporation | Electro-optical device and electronic apparatus |
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2010
- 2010-03-03 JP JP2010046871A patent/JP2011180524A/ja not_active Withdrawn
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