JP2011075773A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気光学装置において、保持特性及び信頼性を向上させることによって、表示画像の高品位化を図る。
【解決手段】電気光学装置は、基板(10)上に、画素電極(9)と、画素電極の下層側に容量絶縁膜(72)を介して配置され蓄積容量(70)を形成すると共に、表面に段差を有する容量電極(71)と、画素電極より下層側に形成され、当該段差に重なる領域(a、b)において表面がテーパ状に形成された絶縁膜(17)とを備える。
【選択図】図5
【解決手段】電気光学装置は、基板(10)上に、画素電極(9)と、画素電極の下層側に容量絶縁膜(72)を介して配置され蓄積容量(70)を形成すると共に、表面に段差を有する容量電極(71)と、画素電極より下層側に形成され、当該段差に重なる領域(a、b)において表面がテーパ状に形成された絶縁膜(17)とを備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、例えば素子基板上にスイッチング素子として薄膜トランジスタが画素毎に配置された液晶装置等の電気光学装置及びこのような電気光学装置を備えた、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置では、基板上に、画素電極と、該画素電極の選択的な駆動を行うための走査線、データ線、及び画素スイッチング用素子としてのTFT(Thin Film Transistor)とを備えることにより、アクティブマトリクス駆動可能に構成されている。ここで、アクティブマトリクス駆動では、走査線に走査信号を供給することで前記TFTの動作を制御すると共に、TFTがON(オン)駆動されるタイミングでデータ線に画像信号を供給することによって、画像表示が実現される。このような電気光学装置では、表示画像の高コントラスト化等を目的として、TFTと画素電極との間に蓄積容量が設けられることがある。
例えば特許文献1には、蓄積容量を構成する一方の容量電極の表面に生じた段差を平坦化すべく、当該容量電極上に有機樹脂膜を形成する技術が開示されている。また、特許文献2には、容量電極の端部を、表面がテーパ状に形成された絶縁膜に乗り上げるように形成することによって、端面リークが生じにくい蓄積容量を形成できるとされている。
画素電極の保持特性を向上させるために、容量電極は、基板上の広い面積に渡って形成されることが好ましい。そのため、容量電極は、基板上における積層構造に関してレイアウトの自由度の高い、画素電極の付近(例えば、液晶装置の場合、配向膜や液晶層の付近)に形成されることが考えられる。
しかしながら、このように画素電極の付近に蓄積容量を形成すると、容量電極の表面に存在する段差に起因して、上層側に形成された画素電極や配向膜の表面にも当該段差に対応する凹凸が生じることによって、液晶分子の配向不良を誘発し、表示特性が低下してしまうおそれがある。これに対し、特許文献1のように有機樹脂膜によって容量電極の表面における段差を軽減することも考えられるが、この場合、段差を十分軽減するために有機樹脂膜を厚く積層させる必要がある。その結果、容量絶縁膜が有機樹脂膜の分だけ厚くなるので、蓄積容量の容量値が低下してしまい、十分な保持特性を得ることが難しくなってしまうという問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、蓄積容量を備えることによって良好な保持特性を有すると共に、信頼性の高い電気光学装置及びそのような電気光学装置を備える電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る電気光学装置は上述の課題を解決するために、基板上に、画素電極と、前記画素電極の下層側に容量絶縁膜を介して配置されることにより蓄積容量を形成すると共に、表面に段差を有する容量電極と、前記画素電極より下層側に形成され、前記基板上で平面的に見て、前記段差に重なる領域において表面がテーパ状に形成された絶縁膜とを備える。
本発明の電気光学装置では、基板上に、例えば、走査線、データ線等の配線や画素スイッチング用のトランジスタ等の電子素子が、絶縁膜を介して相互に絶縁されつつ必要に応じて積層されることで画素電極を駆動するための回路が構成され、その上層側に画素電極が配置されている。電気光学装置の動作時には、例えば、走査線を通じて、画素電極に電気的に接続された画素スイッチング用のTFTのスイッチング動作が制御されると共に、データ線を通じて画像信号が供給されることで、該TFTを介して画素電極に対し、画像信号に応じた電圧を印加する。これにより、複数の画素電極が配列された表示領域(又は「画像表示領域」とも呼ぶ)における画像表示が可能となる。尚、表示領域は「画素領域」若しくは「画素アレイ領域」と呼ばれることもある。
容量電極は、画素電極の下層側に容量絶縁膜を介して配置されることにより蓄積容量を形成する。つまり、容量電極は、画素電極との間に容量絶縁膜を挟持することにより蓄積容量を構築するように形成される。蓄積容量は、画素電極を一方の電極として構成されており、画素電極の保持特性の向上に貢献している。例えば、画素スイッチング用のTFTの切り替えタイミングに応じて画像信号が画素電極に印加される場合、蓄積容量を備えることによって、TFTがオフ状態になった際に画素電極に、TFTがオン駆動されていた際に印加されていた画像信号を好適に保持することができる。
本発明に係る電気光学装置では特に、容量電極の表面には段差が存在する。ここで、本発明において「表面に段差を有する」とは、表面上の任意の2点において膜厚が異なることにより、容量電極の表面上に段差がある場合だけでなく、容量電極が分割されることにより、平面的に見て分割された夫々の容量電極の輪郭を規定する端部或いは縁部分において、容量電極が形成されている面と容量電極が形成されていない面との間の段差を有する場合も含む意味である。
本発明に係る絶縁膜は、前記画素電極より下層側に形成され、前記基板上で平面的に見て、前記段差に重なる領域において表面がテーパ状に形成されている。例えば、このような絶縁膜は、前記画素電極より下層側且つ容量電極の上層側に、平面的に見て前記段差付近の領域を含む一部の領域にのみ形成され、該絶縁膜が形成されていない平面領域における容量絶縁膜を介して画素電極及び容量電極が相対向することで、主たる蓄積容量が構築される。或いは、このような絶縁膜は、前記画素電極より下層側且つ容量絶縁膜の上層側に、平面的に見て前記段差付近の領域を含む一部の領域にのみ形成されてもよい。
なお、絶縁膜及び容量絶縁膜が積層されてなる誘電体膜を介して画素電極及び容量電極が相対向することでも、大なり小なり蓄積容量が構築されるが、この大きさは、前述の主たる蓄積容量と比べると、絶縁膜の存在によって顕著に小さくなる。
絶縁膜の表面がこのようにテーパ状に形成されることによって、下層側に形成された容量電極の表面における段差を軽減することができる。容量電極の表面に段差があると、その上層側に形成された積層構造の表面にも、対応する段差が形成されてしまう。容量電極の上層側に形成された画素電極の表面に段差が生じてしまうと、例えば基板間に液晶を挟持する液晶装置の場合、画素電極上に形成される配向膜の表面に段差が生じることによって、液晶分子に配向不良が生じやすくなってしまう。またこの場合、配向膜にラビング処理を施す際に配向膜が破損するリスクが増大してしまう。この点、本発明に係る電気光学装置では、絶縁膜の表面をテーパ状に形成することによって、下層側に形成された容量電極の段差によって、上層側に段差を生じにくくすることができる(即ち、上層側の積層構造の表面に凹凸が生じることを効果的に抑制することができる)。その結果、動作時における液晶分子の配向不良や、製造時において不良の発生確率を効果的に抑制することが可能となり、表示画像の高品位化を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、高品位な画像表示が可能な電気光学装置を実現することが可能となる。
本発明に係る電気光学装置の一の態様では、前記絶縁膜のうちテーパ状に形成された表面の前記基板に対する角度は、前記段差の前記基板に対する角度に比べて小さい。
この態様によれば、容量電極の段差に比べて、テーパ状に形成された絶縁膜の表面の角度が滑らかになるように(即ち、容量電極の段差の角度に比べて、基板の表面方向に近づくように)、絶縁膜の表面は形成されている。このように絶縁膜の表面をテーパ状に形成することによって、絶縁膜より上層側に形成される積層構造の表面における凹凸を、より効果的に軽減することができる。
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記絶縁膜は、前記容量電極及び前記容量絶縁膜間に形成されている。
この態様によれば、容量電極の上層側、且つ、容量絶縁膜の下層側に形成されている。この場合、例えば、エッチング等によって容量電極の表面を加工したり、容量電極を部分的に除去することにより容量電極を分割する際に、エッチングストッパー膜(即ち、エッチングを行う際に下層側がダメージを受けないように保護するために形成される膜)として機能させることができる。つまり、本態様に係る絶縁膜は、例えば、容量電極を加工又は分割する際に、容量電極より下層側に形成されている他の積層構造を保護する膜として機能させることができる。
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記絶縁膜は、前記画素電極及び前記容量絶縁膜間に形成されている。
この態様によれば、容量絶縁膜の上層側、且つ、画素電極の下層側に形成されている。この場合、例えば、エッチング等によって容量絶縁膜の表面を加工したり、容量絶縁膜を部分的に除去することにより容量絶縁膜を分割する際に、エッチングストッパー膜として機能させることができる。つまり、本態様に係る絶縁膜は、容量絶縁膜を加工又は分割する際に、容量絶縁膜より下層側に形成されている他の積層構造(例えば容量電極等)を保護する膜として効果的に機能させることができる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記容量電極及び前記画素電極はITO(Indium Tin Oxide)である。
この態様によれば、ITOは透明な導電性材料であるので、画素電極及び容量電極を表示光の透過又は反射可能な画像表示領域に広く形成することができる。つまり、電気光学装置の透過率を低下させることなく、蓄積容量の容量値を増大させ、画素電極の画像信号に対する保持特性を向上させることが可能となる。その結果、透過率が高く、高品位な画像表示が可能な電気光学装置を実現することができる。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様を含む)を備える。
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置を備えてなるので、高品質な画像表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置、電子放出装置(Field Emission Display及びConduction Electron-Emitter Display)、これら電気泳動装置、電子放出装置を用いた表示装置を実現することも可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明の電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
<液晶装置>
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、TFTアレイ基板10を、その上に形成された各構成要素と共に、対向基板20の側から見た液晶装置の構成を示す概略的な平面図であり、図2は、図1のH−H´断面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置は、対向配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板である。対向基板20も例えばTFTアレイ基板10と同様の材料からなる基板である。TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、電気光学動作の行われる画像表示領域10aの周囲に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、例えばシール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材56が散布されている。
シール材52の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
TFTアレイ基板10上における、画像表示領域10aの周辺には、データ線駆動回路101、サンプリング回路7、走査線駆動回路104及び外部回路接続端子102が夫々形成されている。
TFTアレイ基板10上で平面的に見てシール材52より外周側には、データ線駆動回路101及び複数の外部回路接続端子102が、TFTアレイ基板10の一辺に夫々沿って設けられている。
また、TFTアレイ基板10上で平面的に見てシール領域材52より内側には、TFTアレイ基板10の一辺に沿う画像表示領域10aの一辺に沿って且つ額縁遮光膜53に覆われるようにしてサンプリング回路7が配置されている。
また、走査線駆動回路104は、TFTアレイ基板10の一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間を電気的に接続するため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
また、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、上下導通端子106が配置されると共に、このTFTアレイ基板10及び対向基板20間には上下導通材が上下導通端子106に対応して該端子106に電気的に接続されて設けられている。
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成されている。画像表示領域10aには、画素スイッチング用TFTや走査線、データ線等の配線の上層側に画素電極9がマトリクス状に設けられている。本実施形態では特に、画素電極9は、ITO膜からなる透明電極として形成されている。画素電極9上には、配向膜16が形成されている。
他方、対向基板20において、TFTアレイ基板10の対向面上には、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば遮光性を有する金属膜或いは樹脂等から形成されており、対向基板20上の画像表示領域10a内で、例えば格子状等にパターニングされている。そして、遮光膜23上(図2において遮光膜23より下側)に、ITO膜からなる対向電極21が複数の画素電極9と対向して例えばベタ状に形成され、更に対向電極21上(図2において対向電極21より下側)には配向膜22が形成されている。
液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜(即ち配向膜16及び22)間で、所定の配向状態をとる。そして、液晶装置の駆動時、夫々に電圧が印加されることで、画素電極9と対向電極21との間には液晶保持容量が形成される。
尚、ここでは図示しないが、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104の他に、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等が形成されていてもよい。
次に、本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域の電気的な構成について、図3を参照して説明する。ここに図3は、本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
図3において、画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素の
各々には、画素電極9及び画素スイッチング用のTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9に電気的に接続されており、本実施形態に係る液晶装置の動作時に画素電極9をスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6は、TFT30のソース領域に電気的に接続されている。データ線6に書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、互いに隣り合う複数のデータ線6同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
各々には、画素電極9及び画素スイッチング用のTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9に電気的に接続されており、本実施形態に係る液晶装置の動作時に画素電極9をスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6は、TFT30のソース領域に電気的に接続されている。データ線6に書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、互いに隣り合う複数のデータ線6同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートには走査線11が電気的に接続されており、本実施形態に係る液晶装置は、所定のタイミングで、走査線11にパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9は、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6から供給される画像信号S1、S2、…、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板20(図2参照)に形成された対向電極21(図2参照)との間で一定期間保持される。
液晶層50(図2参照)を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。
ここで保持された画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9と対向電極21(図2参照)との間に形成される液晶容量に対して電気的に並列に蓄積容量70が付加されている。
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域10aにおいて、TFTアレイ基板10上に形成された積層構造について詳しく説明する。
図4は、本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域10aにおける、電気光学動作を行うために配置された電極及び配線等の位置関係を透過的に示した模式図である。図5は、図4のA−A´線における断面図である。尚、図4及び図5では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。尚、図示された内容の理解を容易にするために、図4では図5に表された構造の一部を部分的に省略している。
TFTアレイ基板10上には、走査線11が形成されている。ここで、走査線11は、TFTアレイ基板10上で平面的に見てX方向に延在するように形成されている。走査線11は、遮光性の導電材料、例えば、W(タングステン)、Ti(チタン)、TiN(窒化チタン)等から形成されており、TFTアレイ基板10の裏側(即ち図5において下方側から)から入射しようとする光を遮光することにより、走査線11より上層側に形成された配線、素子等が光に曝されることを防止する。本実施形態では特に、TFTの半導体層(即ち、第1半導体層30a及び第2半導体層31a)が光に曝されることにより、リーク電流が発生し、TFTの保持特性が低下することを抑制するために、走査線11はTFTアレイ基板10上で平面的に見て、第1TFT30及び第2TFT31が形成されている領域よりも幅広に形成されている。このように走査線11を幅広に形成することにより、TFTアレイ基板10における裏面反射や、複板式のプロジェクタ等で他の液晶装置から発せられ合成光学系を突き抜けてくる光などの、戻り光に対してTFTの半導体層を殆ど或いは完全に遮光できる。その結果、液晶装置の動作時に、発生する光リーク電流は低減され、表示画像のコントラスト比を向上させることによって、高品位の画像表示が可能となる。
走査線11の上層側には、第1層間絶縁膜12を介して、TFT30が形成されている。TFT30は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、X方向に延在するように形成された走査線11と、Y方向に延在するように形成されたデータ線6との交差に対応するように、画素毎に配置されている。
TFT30は、半導体層30aと、その上層側にゲート絶縁膜13を介して配置されたゲート電極30bとを含んで構成されている。ここで、半導体層30aは、ソース領域30a1、チャネル領域30a2及びドレイン領域30a3から構成されている(図5参照)。尚、チャネル領域30a2とソース領域30a1、又は、チャネル領域30a2とドレイン領域30a3との界面にはLDD(LightlY Doped Drain)領域が形成されていてもよい。
ゲート電極30bは、ゲート絶縁膜13を介して半導体層30aの上層側に、チャネル領域30a2に対向するように形成されている。そして、ゲート電極30bは、層間絶縁膜12及びゲート絶縁膜13に開孔されたコンタクトホール35を介して、走査線に電気的に接続されている(図4参照)。
ソース領域30a1は、ゲート絶縁膜13及び第2層間絶縁膜14に開孔されたコンタクトホール31を介して、上層側に形成されたデータ線6に電気的に接続されている。データ線6は、遮光性の導電材料、例えば、Al(アルミニウム)等から形成されており、TFTアレイ基板10の表側(即ち図5において上方側から)から入射しようとする光を遮光することにより、データ線6より下層側に形成された配線、素子等が光に曝されることを防止することができる。その結果、TFTアレイ基板10における裏面反射や、複板式のプロジェクタ等で他の液晶装置から発せられ合成光学系を突き抜けてくる光などの、戻り光に対してTFT30を殆ど或いは完全に遮光でき、高品位の画像表示が可能となる。
ドレイン領域30a3は、ゲート絶縁膜13及び第2層間絶縁膜14に開孔されたコンタクトホール32介して、第1中継層7に電気的に接続されている。ここで第1中継層7は、データ線6と同層に形成されている。第1中継層7はデータ線6と同種の材料から形成されており、例えば第2層間絶縁膜14上にベタ状に形成された導電層をパターニングすることにより、データ線6と同機会且つ同層に形成されている。
第1中継層7は、第3層間絶縁膜15に開孔されたコンタクトホール33を介して第2中継層8に電気的に接続されている。ここで、第2中継層8は、後述する容量電極71と同層に形成されている。第2中継層7は容量電極71と同種の材料から形成されており、例えば第3層間絶縁膜15上にベタ状に形成された導電層をパターニングすることにより、容量電極71と同機会且つ同層に形成されている。
第2中継層71は、保護絶縁膜17及び容量絶縁膜72に開孔されたコンタクトホール34を介して画素電極9に電気的に接続されている。このように、画素電極9は、第1中継層7及び第2中継層8を介して、ドレイン領域30a3に電気的に接続されている。その結果、TFT30がオン駆動されるタイミングで、第1電極層9には、ドレイン領域30a3から出力された画像信号が供給される。
第2中継層8と同層には容量電極71が形成されている。容量電極71は、前述の画素電極9との間に容量絶縁膜71を有することにより、蓄積容量70を形成している。ここで、容量電極71は固定電位供給線300(図3参照)に電気的に接続されることによって電位が一定に保たれ、蓄積容量70を構成する一対の容量電極の一方として機能する。
ここで、図6を参照して、画像表示領域10aにおける容量電極の平面構造について説明する。図6は、TFTアレイ基板10上における、容量電極71及び第2中継層8が配置された様子をデータ線6及び走査線11と共に示した模式図である。図6では、説明の便宜上、容量電極71及び第2中継層8の下層側に形成されているデータ線6及び走査線11を透過的に示しており、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
データ線6及び走査線11は夫々、Y方向及びX方向に延在している。各画素は、データ線6及び走査線11によって区分けされている。容量電極71は画素電極9(図6において図示省略)より下層側に形成されており、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、画素毎に開口領域5aを有している。そして、開口領域5aの内側には、画素電極9及び第1中継層7間を電気的に接続する第2中継層8が配置されている。図6では、第2中継層8と共に、コンタクトホール34の位置を図示している。即ち、このように画素毎に設けた開口領域5aに第2中継層8を形成することによって、画素電極9を容量電極71の下層側に形成されたドレイン領域30a3に電気的に接続できるように構成されている。つまり、第2中継層8を開口領域5aに設けることによって、画素電極9の下層側に形成された容量電極71に電気的に短絡することなく、画素電極9にドレイン領域30a3から出力される画像信号電位を供給することができる。その結果、画素電極9の下層側に容量電極71を設けつつ、画素電極9をオン/オフ駆動することができるので、極めて効率的な配線レイアウトを有する液晶装置を実現することができる。
尚、本実施形態では、容量電極71及び第2中継層8は、画素電極9の下層側に形成されるため、液晶装置の透過率の低下の原因とならないように、透明な導電性材料であるITOから形成されている。
再び図5に戻って、容量電極71及び容量絶縁膜72間には、保護絶縁膜17が形成されている。保護絶縁膜17は、例えばベタ状に形成された導電膜をエッチング等の手法によってパターニングすることによって容量電極71を形成する際に、容量電極71より下層側に形成された他の積層構造にダメージを与えないように、下層側の積層構造を保護するために設けられている。即ち、容量電極71がエッチングによってパターニングされて形成される場合には、保護絶縁膜17はエッチングストッパー膜として機能する絶縁膜である。
図5において点線で囲った領域aでは、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、容量電極71の端部に重なる領域における保護絶縁膜17の表面がテーパ状になるように形成されている。このような保護絶縁膜17の表面形状は、保護絶縁膜17をパターニングする際にエッチバックを行うことによって容易に実現することができる。
このように、領域aにおける保護絶縁膜17の表面をテーパ状に加工することによって、保護絶縁膜17上に形成される容量絶縁膜72及び配向膜16の表面もまたテーパ状に形成される。配向膜16上には、基板間に挟持される液晶50が接触するが(図2参照)、このように液晶50に接触する配向膜16の表面に凹凸が少なくなるように保護絶縁膜16の表面をテーパ状に形成することによって、液晶50に含まれる液晶分子の配向不良を抑制することができる。仮に保護絶縁膜16の表面をテーパ状に加工しないと、配向膜16の表面にも容量電極72及び第3層間絶縁膜15の表面間の段差に対応する大きな凹凸が生じるため、液晶装置の動作時に液晶分子に配向不良が生じやすくなってしまう。
また、配向膜16にはラビング処理を施されているが、仮に保護絶縁膜16の表面をテーパ状に加工せずに配向膜16の表面に大きな凹凸が存在してしまうと、ラビング処理を施す際に、当該凹凸付近において配向膜16がはがれてしまうなど、製造時に不良が生じやすくなってしまう。
図5において点線で囲った領域bでは、上述の領域aと同様に、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、容量電極71の端部に重なる領域における保護絶縁膜17の表面がテーパ状になるように形成されることによって、上層側の配向膜16の表面に大きな凹凸が生じることを抑制している。領域bでは領域aと異なり、保護絶縁膜17の上層側に画素電極9が存在しているが、領域aと同様に、保護絶縁膜17の表面をテーパ状に加工することによって、配向膜16の表面における凹凸を軽減している。
図5において点線で囲った領域cでは、TFTアレイ基板10上で平面的に見た場合に、容量電極71の端部は存在していないものの、保護絶縁膜16の端部が存在している。領域cでは、保護絶縁膜16の端部の形状をテーパ状に形成することによって、上層側に形成される配向膜16の表面における凹凸を軽減している。
図5において点線で囲った領域dにおいてもまた、TFTアレイ基板10上で平面的に見た場合に、容量電極71の端部は存在していないものの、保護絶縁膜16の端部が存在している。そのため、領域dにおいても、保護絶縁膜16の端部の形状をテーパ状に形成することによって、上層側に形成される画素電極9及び配向膜16の表面における凹凸を軽減している。
このように、本実施形態に係る液晶装置では、保護絶縁膜16の表面における段差をテーパ状に加工することにより、上層側に形成される積層構造の表面における凹凸を軽減することができる。その結果、動作時における液晶分子の配向不良や、製造時において不良の発生確率を効果的に抑制することが可能となり、より高品位な画像表示を行うことのできる液晶装置を実現することができる。
<電子機器>
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
図7は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。以下では、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。
図7に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110B及び1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110B及び1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。従って、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110B及び1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
尚、液晶パネル1110R、1110B及び1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
尚、図7を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
また、本発明は上述の各実施形態で説明した液晶装置以外にも反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、有機ELディスプレイ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、電気泳動装置等にも適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
6 データ線、 7 第1中継層、 8 第2中継層、 9 画素電極、 10 TFTアレイ基板、 10a 画像表示領域、 11 走査線、 30 TFT、 30a 半導体層、 30b ゲート電極、 50 液晶、 70 蓄積容量、 71 容量電極、 72 容量絶縁膜
Claims (6)
- 基板上に、
画素電極と、
前記画素電極の下層側に容量絶縁膜を介して配置されることにより蓄積容量を形成すると共に、表面に段差を有する容量電極と、
前記画素電極より下層側に形成され、前記基板上で平面的に見て、前記段差に重なる領域において表面がテーパ状に形成された絶縁膜と
を備えることを特徴とする電気光学装置。 - 前記絶縁膜のうちテーパ状に形成された表面の前記基板に対する角度は、前記段差の前記基板に対する角度に比べて小さいことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記絶縁膜は、前記容量電極及び前記容量絶縁膜間に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
- 前記絶縁膜は、前記画素電極及び前記容量絶縁膜間に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
- 前記容量電極及び前記画素電極はITOであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備する電子機器。
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JP2009226387A JP2011075773A (ja) | 2009-09-30 | 2009-09-30 | 電気光学装置及び電子機器 |
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Publication Number | Publication Date |
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-
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- 2009-09-30 JP JP2009226387A patent/JP2011075773A/ja not_active Withdrawn
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