JP2010067879A - 薄膜トランジスタ及び電気光学装置並びに電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄膜トランジスタにおいて、光リーク電流の発生を抑制しつつ、サイズの縮小化を図る。
【課題を解決するための手段】薄膜トランジスタは、基板(10)上に形成されており、チャネル領域(30a2)及びソースドレイン領域(30a1、30a3)を有する半導体層と、チャネル領域にゲート絶縁膜を介して対向配置されたゲート電極(30b)とを備える。基板は、薄膜トランジスタに電気的に接続された配線等のうち少なくとも一つが形成される主表面(12´´)、並びに該主表面に対して斜めに傾いた傾斜面(12´)を有し、半導体層のうち少なくとも前記チャネル領域は、傾斜面に形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置において素子基板上の画素毎に配置されたスイッチング用薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと呼ぶ)及びその薄膜トランジスタを備えた電気光学装置、並びに電子機器に関する。
この種の薄膜トランジスタの一例である画素スイッチング用TFTは、直視型ディスプレイのみならず、例えば投射型表示装置の光変調手段(ライトバルブ)として用いられる電気光学装置にも多用されている。投射型表示装置の場合は特に、光源からの強い光が液晶ライトバルブに入射されるため、この光によって液晶ライトバルブ内のTFTにおけるリーク電流の増大や誤動作等を生じないよう、入射光を遮る遮光手段が薄膜トランジスタを含む積層構造に取り込まれている。
例えば、特許文献1及び2では、半導体層の上下層に配置された遮光膜の端部をテーパ形状にすることで、光源からチャネル領域に入射しようとする光を効果的に遮光している。また、特許文献2では、半導体層の側壁部に遮光層を形成することによって、チャネル領域への入射光を遮光する技術が開示されている。
特開2000−180899号公報 特開2004−45576号公報
しかしながら、上述の背景技術によれば、遮光膜の数を増加したり、遮光膜自体の形状を複雑に形成する必要がある。そのため、配線等の配置スペースが制限され、装置設計におけるレイアウトの自由度を大きく狭めてしまう。特に、例えば液晶装置等の電気光学装置のように高精細化が一般的要請として要求される装置においては、装置の小型化や高精細化を実現しようとする際の妨げとなってしまう。また、高精細化の要請の下では、TFT自体のサイズを小さくすることも要求されるが、単にTFTのサイズを小さくするとオン電流が減少してしまい、TFTの性能が低下してしまうという技術的問題点もある。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、光リーク電流の発生を抑制しつつ、サイズが小さく高精細化に適した薄膜トランジスタ及びそのような薄膜トランジスタを備える電気光学装置並びに電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、基板上に形成された薄膜トランジスタであって、チャネル領域及びソースドレイン領域を有する半導体層と、前記チャネル領域にゲート絶縁膜を介して対向するように配置されたゲート電極とを備え、前記基板は、前記薄膜トランジスタに電気的に接続された配線、電極及び電子素子のうち少なくとも一つが形成されている主表面、並びに該主表面に対して斜めに傾いた傾斜面を有し、前記半導体層のうち少なくとも前記チャネル領域は、前記傾斜面に形成されている。
本発明にかかる薄膜トランジスタは、基板上に形成され、半導体層とゲート電極を有している。ここで、基板は、例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板や、シリコン基板等である。特に、本発明における基板は、基板上に形成される薄膜トランジスタに電気的に接続された配線、電極及び電子素子のうち少なくとも一つが形成されている主表面、並びに該主表面に対して斜めに傾いた傾斜面を有している。
半導体層は、チャネル領域、ソースドレイン領域を有しており、典型的には、チャネル領域はソース領域とドレイン領域によって挟み込まれるように配置されている。尚、チャネル領域と、ソース領域及びドレイン領域との間には、例えばイオンインプランテーション法等の不純物打ち込みによって半導体層に不純物を打ち込んでなる不純物領域であるLDD領域(Lightly doped drain)領域が形成されていてもよい。半導体層のうちチャネル領域に対向する位置には、ゲート電極が配置されている。ゲート電極は、例えばポリシリコン等の導電性材料から形成されている。
ここで、半導体層のうち少なくともチャネル領域は、基板の主表面に対して所定の角度だけ斜めに傾いた傾斜面上に形成されている。つまり、チャネル領域は斜めな面上に形成されている。ここで、所定の角度は、0度(即ち、主表面と平行な方向)より大きく、90度(即ち、主表面に対して垂直な方向)より小さい値を取り得る。言い換えれば本発明における「傾斜面」は、「テーパ面」或いは「順テーパ面」ということもでき、主表面に平行な面、主表面に対して垂直に切り立った面、及び主表面に対して逆テーパを有する面を除く意味である。
本発明によれば、このような傾斜面にチャネル領域を形成することによって、基板に対して入射或いは、基板の裏側から反射してくる光に対して、チャネル領域の遮光性を向上させることができる。例えば、基板に対して垂直な方向から見た場合、チャネル領域が斜めに形成されているので、見かけ上のチャネル領域の面積が減少する。そのため、仮に基板に対して垂直な方向から光を入射させると、チャネル領域に照射される光の量が減少することになる。言い換えれば、チャネル領域の単位面積当たりに照射される光の量は、傾斜面の傾斜角度に応じて三角関数的に減ずることとなる。チャネル領域に光が照射されると光リーク電流が発生し、TFTの誤作動等を招くことから、このようにチャネル領域を傾斜面に形成し、チャネル領域の遮光性を高めることで、チャネル領域における光リーク電流の発生を効果的に抑制することが可能となる。
また、主表面に対する傾斜面の角度は、傾斜面の、入射光の進行方向に対する角度ができるだけ小さくなるように設定するとよい。例えば、基板に対して垂直な方向から光を照射した場合、チャネル領域が形成された傾斜面を、基板に対して垂直(即ち、所定の角度が90度)に近づくように設定するとよい。このように傾斜面を形成することにより、入射光の進行方向から見たチャネル領域の面積をより小さくすることができるので、効果的にチャネル領域の遮光性を向上させ、光リーク電流の発生を抑制することができる。但し、半導体層の成膜、パターニング、不純物ドープ等の各製造工程の容易性も考慮して、光の入射角度に対して光リーク電流を減ずる効果が顕著に得られる程度に傾けるのが実践上好ましい。
尚、チャネル領域に侵入しようとする光に、進行方向の異なる様々な成分が含まれている場合には、最も輝度が大きい光成分の入射方向を基準として、上述のように傾斜面の角度を規定すればよい。このように規定すれば、様々な方向から入射しようとする光に対しても、効率的かつ効果的にチャネル領域の遮光性を高めることができ、光リーク電流の発生を抑制することができる。言い換えれば、小さい面積で効率的に遮光する事が可能となり、高開口率化に有利となる。
また、本発明によれば、実際のチャネル領域の面積を減少させることなく、光リーク電流を減少させることができる。光リーク電流を減少させるために遮光性を向上させる方法として、典型的には、チャネル領域の面積を減少させることによって、チャネル領域に侵入する光の量を減少させることが考えられる。しかしながら、この方法によると、チャネル領域の面積が小さくなるに従い、半導体層の断面積も減少してしまうので、TFTのオン電流も減少してしまう。その結果、TFTの性能低下が引き起こされてしまう。その点、本発明では、チャネル領域の面積を変えることなく、単に傾斜面上に形成するだけであるから、オン電流が減少することもない。従って、TFTの動作性能を低下させることなく、遮光性を向上させることが可能であり、チャネル領域における光リーク電流を効果的に抑制することができるトランジスタを実現することができる。
本発明の薄膜トランジスタの一の態様では、前記ソースドレイン領域のうち、前記ゲート電極に対して電気的に絶縁された導電層と電気的に接続されているコンタクト領域が、前記主表面に形成されている。
この態様によれば、ソースドレイン領域のうちコンタクト領域は、チャネル領域のように傾斜面上に形成されるのではなく、傾いていない主表面上に形成されている。ここで、コンタクト領域とは、ソースドレイン領域のうちTFTと電気的に接続される導電層(例えば、液晶装置におけるデータ線や走査線等)に接続されている領域である。仮にコンタクト領域を傾斜面上に形成してしまうと、異なる層上に導電層をソースドレイン領域に電気的に接続するように形成する際に、導電層のエッチングが技術的に困難になってしまう。つまり、傾斜面上に形成した導電層をエッチングしようとすると、水平な面状に形成した導電層の場合に比べて、エッチングの精度が著しく低下してしまう。そこで、本態様のように、コンタクト部を基板の主表面上に形成することで、導電層のエッチング精度を向上させることができる。
本発明の薄膜トランジスタの他の態様では、前記基板上における前記半導体層より下層側に積層され、前記基板上で平面的に見て少なくとも前記チャネル領域より広く形成された下側遮光膜を更に備える。
この態様によれば、半導体層の下層側には下側遮光膜が積層されている。そして、下側遮光膜は、基板上で平面的に見たときに、光リーク電流が発生しやすいチャネル領域より広い面積を有するように形成されている。このように半導体層の下側に遮光膜を形成することによって、チャネル領域を含んだチャネル領域への光の侵入を効果的に防ぐことができ、チャネル領域における光リーク電流の発生を抑制することができる。特に、半導体層の下層側に遮光膜を設けることによって、基板における裏面反射や、複板式のプロジェクタ等で他の液晶装置から発せられ合成光学系を突き抜けてくる光等に対する遮光性を向上させることができる。
上述の下側遮光膜を有する態様において、前記半導体層は、LDD領域を更に有し、前記下側遮光膜は、前記基板上で平面的に見て前記チャネル領域及び前記LDD領域より広く形成してもよい。
この態様では、半導体層の下層側に形成された下側遮光膜は、基板上で平面的に見たときに、チャネル領域及びLDD領域より広い面積を有するように形成されている。このように下側遮光膜を形成することによって、LDD領域やチャネル領域を含んだ半導体層への光の侵入を防ぐことができ、光リーク電流の発生やTFTの誤作動をより効果的に抑制することができる。
また、下側遮光膜は、前記ゲート電極に走査信号を供給する走査線を兼ねる部分を有し、前記走査線を兼ねる部分は、前記ゲート絶縁膜に開口されたコンタクトホールを埋めるように形成された導電性の側壁遮光層を介して前記ゲート電極に電気的に接続されるように形成してもよい。
この態様によれば、下側遮光膜は、例えば画素毎に設けられた画素電極をオン/オフ駆動するためにスイッチング用TFTのゲート電極に入力される走査信号を供給する走査線を含むように形成されている。従って、下側遮光膜は導電性及び遮光性を有する非透明の金属等、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pd(パラジウム)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等の遮光性材料から形成するとよい。即ち、下側遮光膜については、TFT完成前に形成する必要があるので、TFT製造時における高温処理に耐えられる金属を使うとよい。
本態様では特に、ゲート電極と下側遮光膜とは、ゲート絶縁膜に開口されたコンタクトホールを埋めるように形成された側壁遮光層を介して電気的に接続されている。つまり、ゲート電極と下側遮光膜は、典型的には、ゲート絶縁膜を含む層間絶縁膜を介して上下に積層された異なる層に形成されている。そこで、本態様では、基板に対して垂直な方向に開口されている部分を含むようにコンタクトホールが開口され、コンタクトホールを埋めるように側壁遮光層が形成される。また、側壁遮光膜は、ゲート電極と下側遮光膜とを電気的に接続するため、遮光性を有する導電性材料、例えばポリシリコン等から形成するとよい。
このように、典型的にはチャネル領域の上側に形成されているゲート電極と、チャネル領域の下側に形成されている下側遮光膜とが、基板に対して垂直な方向に形成された側壁遮光層によって接続されているので、基板の横方向(即ち、基板に対して平行な方向)からチャネル領域に侵入しようとする光を、側壁遮光層によって遮光することが可能となる。従って、基板に対して斜めに入射する光に対しても、チャネル領域の遮光性を高めることができる。
更に、前記側壁遮光層は、前記傾斜面に隣接する前記基板との間隔が異なる2つ領域のうち、前記基板との間隔が大きい方に開口された前記コンタクトホールに形成されていることが好ましい。
このように側壁遮光層を形成すれば、傾斜面に隣接する前記基板との間隔が異なる2つ領域のうち、前記基板との間隔が大きい方、即ち、下側遮光膜とチャネル領域との間隔が大きく開口している領域を効果的に遮光することができる。つまり、下側遮光膜とチャネル領域との間隔が大きく開口していると、基板の斜め方向から侵入しようとする光がチャネル領域に侵入しやすくなる。そこで、このように光が侵入しやすい大きく開口した領域に、基板に垂直な方向に側壁遮光層を設けることで、より効果的に光を遮ることができる。
前記下側遮光膜は、前記傾斜面に平行な領域を有するように形成されていてもよい。
この態様では、下側遮光膜はチャネル領域が形成されている傾斜面に平行な領域を有するように形成されている。チャネル領域は上述の通り、基板に対して所定の角度だけ傾いた傾斜面上に形成されている。そのため、仮に下側遮光膜を主表面と平行な面上に形成すると、傾斜面に形成されたチャネル領域の端部のうち、一端は下側遮光膜との間隔が狭くなるため、この一端付近の領域に関しては遮光性を向上させることができるが、もう片方の一端付近の領域では、逆に、チャネル領域と基板との間隔が広がり、下側遮光膜による遮光性が低下してしまう。そこで、本態様では、半導体層の下側に形成する下側遮光膜がチャネル領域に平行な領域を有するように形成することで、チャネル領域と下側遮光膜との間隔が広がることを防ぎ、チャネル領域への光の侵入をより効果的に防止している。このように、下側遮光膜を形成することで、より光リーク電流を抑制することが可能となる。
本発明の薄膜トランジスタの他の態様では、前記基板上における前記半導体層より上層側に積層され、前記基板上で平面的に見て少なくとも前記チャネル領域より広く形成されており、前記傾斜面に平行な領域を有するように形成された上側遮光膜を更に備える。
この態様によれば、半導体層の上層側には、上側遮光膜が積層されている。そして、上側遮光膜は、基板上で平面的に見たときに、少なくともチャネル層より広い面積を有するように形成されている。このように半導体層の上層側に遮光膜を形成することで、チャネル領域の遮光性を更に向上させることができ、チャネル領域における光リーク電流の発生をより効果的に抑制することができる。
特に本態様では、上側遮光膜はチャネル領域が形成されている傾斜面に平行な領域を有するように形成されている。チャネル領域は上述の通り、基板に対して所定の角度だけ傾いた傾斜面に形成されている。そのため、特定の方向から侵入しようとする光に対しては、チャネル領域への照射量を減少させることによって遮光性を高めることができるものの、その他の方向(特に、傾斜面に形成されたチャネル領域に対して垂直な方向)から侵入しようとする光は、依然としてチャネル領域に光リーク電流を発生させる要因となる可能性がある。そこで、本態様のように、傾斜面に平行な領域を有するように上側遮光膜を設けることによって、チャネル領域に対して垂直に入射しようとする光に対しても遮光性を効果的に向上させ、光リーク電流を更に抑制することができる。
上述の上側遮光膜を有する態様では、前記半導体層は、LDD領域を更に有し、前記上側遮光膜は、前記基板上で平面的に見て前記チャネル領域及び前記LDD領域より広く形成されてもよい。
この態様では、半導体層の上層側に形成された上側遮光膜は、基板上で平面的に見たときに、チャネル領域及びLDD領域より広い面積を有するように形成されている。このように上側遮光膜を形成することによって、LDD領域やチャネル領域への光の侵入を防ぐことができ、光リーク電流の発生やTFTの誤作動をより効果的に抑制することができる。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明に係る薄膜トランジスタ(但し、その各種態様も含む)と、前記基板に対向するように配置された他方の基板と、前記基板及び前記他方の基板間に挟持された電気光学物質とを備える。
本発明の電気光学装置によれば、上述した薄膜トランジスタを備えるので、チャネル領域における光リーク電流を効果的に減少させつつ、オン電流の減少等の特性低下を招くこともない。特に、液晶装置のような電気光学装置において画素電極への画像信号のオン/オフのスイッチング用素子として上述の薄膜トランジスタを用いることで、液晶装置の画像処理速度の上昇や誤動作の減少を図ることができ、高品位な画像表示が可能な電気光学装置を実現することができる。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
本発明の電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、高品質な画像を表示することが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現することも可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<1.電気光学装置>
以下の実施形態では、本発明に係る薄膜トランジスタを適用した電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
<1−1.第1実施形態>
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、本実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す平面図であり、図2は、図1のH−H’線断面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板や、シリコン基板等である。対向基板20は、例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板である。TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が封入されている。TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素電極が設けられた画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(即ち、基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域よりも内側に、サンプリング回路7が額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。
TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が作りこまれた積層構造が形成されている。画像表示領域10aには、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線の上層に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9がマトリクス状に設けられている。画素電極9上には、配向膜(図2において省略)が形成されている。他方、対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、ブラックマトリクス23が形成されている。ブラックマトリクス23は、例えば遮光性金属膜等から形成されており、対向基板20上の画像表示領域10a内で、例えば格子状、ストライプ状等にパターニングされている。遮光膜23上には、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9と対向して、対向基板20の全面に亘って(例えばベタ状に)形成されている。対向電極21上には配向膜が形成されている。
このように構成され、画素電極9と対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で所定の配向状態をとる。
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路の他に、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路、検査用パターン等が形成されていてもよい。
次に、第1実施形態に係る液晶装置の画像表示領域の電気的な構成について、図3を参照して説明する。ここに図3は、第1実施形態に係る液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
図3において、画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素の
各々には、画素電極9及び本発明に係る「トランジスタ」の一例としての画素スイッチング用のTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9に電気的に接続されており、本実施形態に係る液晶装置の動作時に画素電極9をスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6は、TFT30のソース領域に電気的に接続されている。データ線6に書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、互いに隣り合う複数のデータ線6同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートには走査線11が電気的に接続されており、本実施形態に係る液晶装置は、所定のタイミングで、走査線11にパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9は、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6から供給される画像信号S1、S2、…、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板20(図2参照)に形成された対向電極21(図2参照)との間で一定期間保持される。
液晶層50(図2参照)を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。
ここで保持された画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9と対向電極21(図2参照)との間に形成される液晶容量に対して電気的に並列に蓄積容量70が付加されている。
次に、上述の動作を実現するTFTアレイ10基板上の積層構造の具体的な構成を、図4から図7を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る電気光学装置のTFT30周辺の構成を示す平面図であり、図5は図4のA−A´線断面図である。尚、図4及び図5では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。また、図4では、説明の便宜上、各層を透過的に図示しており、図5で示す部材のいくつかを省略している。
図4に示すように、走査線11はX方向に沿って延在しており、TFT30付近において半導体層30a(即ち、データ線側ソースドレイン領域30a1、チャネル領域30a2及び画素電極側ソースドレイン領域30a3)より広く形成すべく、部分的にY方向にも沿って形成されている。また、走査線11は、TFT30のチャネル幅方向については、図4及び図5に示すように、チャネル領域30a2のチャネル幅よりも広くなるように形成されている。特にチャネル長の方向については、図4に示すように、チャネル領域30a2のチャネル長及び後述のLDD領域の合計長さよりも広くなるように形成されている。更に、好ましくは、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、半導体層30aの全域を覆うことで、半導体層30aのいずれかの箇所に光が侵入し、半導体層30a内を通ってチャネル領域30a2やLDD領域まで至る事態を効果的に防止している。
尚、ここでは図示を省略しているが、細長く形成された半導体層30aに沿って(即ち、Y方向に沿って)データ線6が延在しており、データ線6や走査線11の各種配線等によって規定されている開口領域(即ち、各画素において、表示に実際に寄与する光が透過又は反射される領域)には、画素電極9が画素毎に複数設けられている。
走査線11は、半導体層30aの下層側に形成されている(図5参照)。走査線11は、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等の遮光性材料からなる。即ち、本実施形態において、走査線11は下側遮光膜として機能し、TFTアレイ基板10における裏面反射や、複板式のプロジェクタ等で他の液晶装置から発せられ合成光学系を突き抜けてくる光などである、TFTアレイ基板10側から装置内に入射する戻り光から、TFT30のチャネル領域30a2及びその周辺を遮光する。
図4に示すように、走査線11の幅は、TFTアレイ基板10上で平面的に見たときに、半導体層30aを全て含むように幅広に形成されている。このように下側遮光膜として機能する走査線11を広く形成することにより、TFTアレイ基板10に対して垂直に半導体層30aに入射しようとする光だけでなく、斜め又は側方から入射しようとする光をも効率的に遮光することが可能となる。
TFT30は、走査線11及びデータ線6の交差に対応して配置されている。TFT30は、半導体層30aと、チャネル領域30a2にゲート絶縁膜13を介して対向配置されたゲート電極30bとを含んで構成されている。ゲート電極30bは、TFTアレイ基板10上に形成された走査線11に、コンタクトホール31を介して電気的に接続されている。
TFT30を構成する半導体層30aは、データ線側ソースドレイン領域30a1、チャネル領域30a2、及び画素電極側ソースドレイン領域30a3を有している。データ線側ソースドレイン領域30a1、チャネル領域30a2、画素電極側ソースドレイン領域30a3は、例えばイオンインプランテーション法等の不純物打ち込みによって、半導体層30aに不純物を打ち込んでなる不純物領域である。ここで、ソースドレイン領域30a1及び30a3と、チャネル領域30a2との間には、ソースドレイン領域30a1及び30a3よりも不純物の少ない低濃度な不純物領域として形成されるLDD(Lightly Doped Drain)領域を設けてもよい。このような不純物領域によれば、TFT30の非動作時において、データ線側ソースドレイン領域30a1及び画素電極側ソースドレイン領域30a3間に流れるオフ電流を低減し、且つTFT30の動作時に流れるオン電流の低下を抑制できる。
データ線側ソースドレイン領域30a1は、コンタクトホール32を介して、画像信号を供給するデータ線6に電気的に接続されている。また、画素電極側ソースドレイン領域30a3は、コンタクトホール33を介して、画素電極(図4において図示省略)に電気的に接続されている。
続いて、図5を参照して、TFT30付近の断面構造について詳細に説明する。TFTアレイ基板10上には、下側遮光膜として機能する走査線11が、半導体層30aよりも幅広に形成されている。
走査線11は下地絶縁膜12によって覆われており、表面には半導体層30a(図5においてはチャネル領域30a2)が形成されている。ここで、下地絶縁膜12は、チャネル領域30a2が形成される面がTFTアレイ基板10の表面に対してθだけ傾くように、その表面に傾斜面12´を有している。尚、主表面12´´は、傾斜面12´以外の領域であって、TFTアレイ基板10の表面に平行な面である。
ここで、再び図4を参照して、TFT30付近の領域における傾斜面12´の位置関係について説明する。図4に示すように、内側の点線12aで囲まれた領域は、外側の点線12bより外側の領域に比べて、下地絶縁膜12の膜厚が厚く形成されている。内側の点線12aと外側の点線12bとによって囲まれた領域は、TFTアレイ基板10の面に対してθの勾配角を有する傾斜面12´である。つまり、下地絶縁膜12は、内側の点線12aで囲まれた領域を頂上とする山なりの形状の表面を有するように形成されている。一方、主表面12´´は、外側の点線12bより外側の領域、及び内側の点線12aより内側の領域である。
図4に示すように、下地絶縁膜12上の傾斜面12´には、半導体層30aのうち少なくともチャネル領域30a2が配置される。尚、本実施形態のように、データ線側ソースドレイン領域30a1及び画素電極側ソースドレイン領域30a3についても、部分的に傾斜面12´上に形成されていてもよい。
再び、図5に戻って、下地絶縁膜12の傾斜面12´上には、半導体層30aのチャネル領域30a2が形成されている。傾斜面12´はTFTアレイ基板10の表面に対してθだけ傾いており、その表面に形成されたチャネル領域30a2もθだけ傾いている。このように、チャネル領域30a2を傾けて形成することによって、例えば図5において太い矢印で示したように、TFTアレイ基板10に対して垂直に入射する光に対して、チャネル領域30a2の遮光性を向上させることができる。
ここで、図6に示す比較例を参照にしながら、本発明によるチャネル領域30a2が形成されている傾斜面12´の役割について説明する。図6は、本実施形態において、チャネル領域30a2をTFTアレイ基板10の表面と平行な面上に形成した場合の比較例を示す模式図である。比較例において、その他の構成については、本実施形態の場合と同様である。
図6では、図中の矢印で示すように、TFTアレイ基板10に垂直な方向から入射する光は、チャネル領域30a2に対しても垂直に入射する。そのため、入射光は、チャネル領域30a2の実際の幅W2に渡って照射する。また、上層遮光膜8が全く光を透過しない完全な遮光体であったとしても、回り込み光を避けるためには、W2に対して十分な幅を設ける必要がある。
一方、図5に示す本実施形態においては、チャネル領域a2がθだけ傾いているので、光が照射すチャネル領域30a2の幅は、W2ではなくW1(=cosW2)となる。つまり、本来のチャネル領域30a2の幅であるW2よりも、狭い幅W1にしか光は照射しない。そのため、同条件下において、図6に示す比較例に比べて、チャネル領域30a2に照射される光量が減少する。従って、その分、光リーク電流の発生量も少なくなる。このようにして、チャネル領域30a2を傾斜面上に形成することによって、チャネル領域30a2の遮光性を向上させることができる。回り込み光に対しても、W2ではなく、W1に対して幅を確保するため遮光幅を狭くする事ができ、即ち高開口率化に有利となる。
ここで、θの値は、チャネル領域30a2が形成されている傾斜面12´と、入射光の進行方向との角度ができるだけ小さくなるように、0度(即ち、基板と平行な方向)から90度(即ち、基板の面に対して垂直な方向)の範囲の値を取るように設定するとよい。例えば、図5において矢印で示したようなTFTアレイ基板10に対して垂直に入射する光に対しては、θを90度に近くなるように設定すると、よりW1の値が小さくなり、効率的かつ効果的にチャネル領域30a2の遮光性を向上させることができる。尚、TFTアレイ基板10への入射光に、進行方向の異なる様々な成分が含まれている場合には、最も輝度が大きい光成分の入射方向を基準として、同様の方法でθを規定すれば、より効率的に遮光性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、実際のチャネル領域30a2の幅(即ち、W2)を小さくすることなく、入射光に対する照射面積を減少させることができる。仮に、照射面積を減少させるために、実際にチャネル領域30a2の幅(即ち、W2)を小さくしてしまうと、TFT30がオン駆動されたときに流れるオン電流の値も小さくなってしまい、TFT30の特性が低下する。それに対し、本実施形態では、チャネル領域30a2をTFTアレイ基板10に対してθだけ傾けた傾斜面に形成するだけで、実際にチャネル領域30a2の幅(即ち、W2)を変更することはないので、オン電流が小さくなってしまうことはない。従って、TFT30の特性低下も生じない。
半導体層30a1は、ゲート絶縁膜13によって覆われており、ゲート絶縁膜13上にはゲート電極30bが形成されている。ゲート電極30bは、下地絶縁膜12及びゲート絶縁膜13に開口されたコンタクトホール31に形成された側壁遮光層18を介して、走査線11に電気的に接続されている。ゲート電極30bは、遮光性を有する導電性材料、例えばポリシリコンから形成されている。
図5に示すように、ゲート絶縁膜13を介して、チャネル領域30a2の上面を覆うようにゲート電極30bを形成することによって、TFTアレイ基板10の上方から入射する光に対して遮光性を、更に向上させることができる。その結果、チャネル領域30a2に光が照射されることによって生じる光リーク電流をより効率的に抑制することが可能となる。
本実施形態では特に、ゲート電極30bは側壁遮光層18を介して走査線11に接続されている。側壁遮光層18はTFTアレイ基板10に対して垂直な方向に開口されたコンタクトホール31に形成されているので、図5の右側からチャネル領域30a2に向かって斜めに入射しようとする光を遮光することができる。このように側壁遮光層18を設けることによって、より多方向から入射する光に対して、チャネル領域30a2を効果的に遮光することができる。
ゲート電極30bは層間絶縁膜14によって覆われており、層間絶縁膜14上には上側遮光膜8が形成されている。上側遮光膜8は、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)等の金属又は合金を含んだ非透明な金属膜から形成するとよい。
本実施形態では特に、上側遮光膜8は、チャネル領域30a2よりも幅広に設けられており、TFTアレイ基板10の上方から半導体層30a入射しようとする光を遮光する役割を果たしている。このように上側遮光膜8を幅広に形成することにより、TFTアレイ基板10に対して垂直に半導体層30aに入射しようとする光だけでなく、斜め又は側方から入射しようとする光をも効率的に遮光することが可能となる。
また、図5に示すように、上側遮光膜8はチャネル領域30が形成されているθだけ傾いている傾斜面12´と平行な部分を有するように形成されている。このように上側遮光膜8を形成すれば、その端部において下層側に形成した遮光膜(即ち、ゲート電極30bや走査線11)と、上側遮光膜8との間隔を狭く形成することができる。仮に、遮光膜間の間隔が広いと、TFTアレイ基板10の上下方向から斜めに入射する光がチャネル領域30a2に多く侵入しようとするので、チャネル領域30a2の遮光性が低下してしまう。従って、このように上側遮光膜8を形成することで、斜め方向からの入射光に対する遮光性を、更に向上させることが可能となる。
上側遮光膜8上には層間絶縁膜15が積層される。尚、層間絶縁膜15より上層側には、図5では図示を省略しているが、画素電極9や配向膜が形成されている。
次に、図7を参照して、図4のB−B´線断面における積層構造について、詳細に説明する。
TFTアレイ基板10上に形成された下地絶縁膜12上に、画素電極側ソースドレイン領域30a3が、TFTアレイ基板10の表面と平行な面、即ち主表面12´´上に形成されている。このように、画素電極側ソースドレイン領域30a3は、図5に示したチャネル領域のように傾斜面12´上に形成されているのではなく、主表面12´´上に形成される。そして、画素電極側ソースドレイン領域30a3上には、ゲート絶縁膜13及び層間絶縁膜14が積層されており、コンタクトホール33を介して上側遮光膜8が画素電極側ソースドレイン領域30a3に電気的に接続されている。
ここで、上側遮光膜8は上述の通り、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)等の金属又は合金を含んだ非透明な金属膜から形成されており、画素電極9(図7において省略)と画素電極側ソースドレイン領域30a3とを電気的に中継する中継配線としても機能している。
本実施形態では、図7に示すようにコンタクトホール33を開口することで、上側遮光膜8と画素電極側ソースドレイン領域30a3とを電気的に接続している。仮に、画素電極側ソースドレイン領域30a3が傾斜面12´上に傾いて形成されていると、コンタクトホール33に上側遮光膜8を形成する際に、接触不良が生じやすいという技術的問題点がある。そこで、半導体層30aのうち、少なくともコンタクトホールが設けられるソースドレイン領域の一部は、TFTアレイ基板10の表面に対して平行な面上に形成されている。尚、ここでは図示を省略するが、データ線側ソースドレイン領域30a1に開口されたコンタクトホール31についても、同様に主表面12´´上に形成されている(図4参照)。
このようにソースドレイン領域30a3のうち、コンタクトホールが形成される領域については主表面12´´上に形成することによって、画素電極9への中継配線(即ち、上側遮光膜)と、ソースドレイン領域との接続状態を良好に確保することができる。その結果、画像信号の乱れが少なく、高品位な画像表示が可能な電気光学装置を実現することができる。
<1−2.変形例>
続いて、図8及び図9を参照して、本実施形態に係る液晶装置の変形例について説明する。
<1−2−1.第1変形例>
図8は、第1変形例におけるTFT30付近の階層構造の断面図を示した図である。本変形例では、ゲート電極30bと走査線11とを電気的に接続している側壁遮光層18が、傾斜面12´に隣接する2つ領域(即ち、下地絶縁膜12の表面において傾斜面12´の両側に平坦に形成された2つの領域)のうち、TFTアレイ基板10との間隔が大きい方に開口されたコンタクトホール31に形成されている点において、上述の実施形態(図5参照)と異なっている。その他の構成については、上述の実施形態と同様である。
図5に示すように第1変形例では、側壁遮光層18が、傾斜面12´に隣接する2つ領域(即ち、下地絶縁膜12の表面において傾斜面12´の両側に平坦に形成された2つの領域)のうち、TFTアレイ基板10との間隔が小さい方に形成されているので、上側遮光膜8及びゲート電極30bと、走査線11(即ち、下側遮光膜)との間隔が大きく開いている。そのため、外部からチャネル領域30a2に光が侵入しやすい構造となっている。一方、本変形例においては、下地絶縁膜12が厚く形成されている側に側壁遮光層18を形成しているので、よりチャネル領域30a2に光が侵入しにくい構造となっている。従って、本変形例によれば、より効果的にチャネル領域30a2の遮光性を向上させることができる。
尚、傾斜面12´に隣接する2つ領域(即ち、下地絶縁膜12の表面において傾斜面12´の両側に平坦に形成された2つの領域)の双方に側壁遮光層18を設けることによって、チャネル領域30a2を囲むようにゲート電極30bを形成してもよい。
<1−2−2.第2変形例>
図9は、第2変形例におけるTFT30付近の階層構造の断面図を示した図である。本変形例は、下側遮光膜として機能する走査線11の一部が、TFTアレイ基板10の表面に対してθの勾配を持つ傾斜面12´と平行な面上に形成されている点で上述の実施形態と異なっている。その他の構成については、上述の実施形態と同様である。
図9に示すように第2変形例では、TFTアレイ基板10上には第2下地絶縁膜16が形成されている。特に、この第2下地絶縁膜16は、TFTアレイ基板10上で平面的に見たときにチャネル領域30a2に重なる領域において、θの勾配角を有する傾斜面を表面に有するように形成されている。
図5に示すように前述の実施形態では、チャネル領域30a2が傾斜面12´に形成されることによって、チャネル領域30a2の裏側(即ち、走査線11に面している側)が大きく開口されているために、外光が侵入しやすい構造になっている。一方、本変形例では、図9に示すように、チャネル領域30a2の下層側において、走査線11もTFTアレイ基板10に対してθの角度の勾配を有しているので、図5の場合に比べて外光が侵入しにくいように走査線11が配置されている。このように走査線11(即ち、下側遮光膜)を形成することによって、より効率よくチャネル領域30a2の遮光性を向上させることが可能となる。
<2:電子機器>
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。ここに図10は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。以下では、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。
図10に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110B及び1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110B及び1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。従って、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110B及び1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
尚、液晶パネル1110R、1110B及び1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
尚、図10を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
また、本発明は上述の各実施形態で説明した液晶装置以外にも反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、有機ELディスプレイ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、電気泳動装置等にも適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置用基板及び電気光学装置、並びに該電気光学装置を備えた電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本実施形態に係る液晶装置の平面図である。 図1のH−H´断面図である。 本実施形態に係る液晶装置の電気的な構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る液晶装置のTFT周辺の構成を示す平面図である。 図4のA−A´線断面図である。 本実施形態の比較例に係る液晶装置のTFT周辺の構成を示す平面図である。 図4のB−B´線断面図である。 第1変形例におけるTFT30付近の階層構造の断面図である。 第2変形例におけるTFT30付近の階層構造の断面図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す平面図である。
符号の説明
6 データ線、 8 上側遮光膜、 9 画素電極、 10 TFTアレイ基板、 10a 画像表示領域、 11 走査線、 12 下地絶縁膜、 12´ 傾斜面、 12´´ 主表面、 18 側壁遮光層、 20 対向基板、 21 対向電極、 30 TFT、 30a 半導体層、 30a1 データ線側ソースドレイン領域、 30a2 チャネル領域、 30a3 画素電極側ソースドレイン領域、 30b ゲート電極、 50 液晶

Claims (11)

  1. 基板上に形成された薄膜トランジスタであって、
    チャネル領域及びソースドレイン領域を有する半導体層と、
    前記チャネル領域にゲート絶縁膜を介して対向するように配置されたゲート電極と
    を備え、
    前記基板は、前記薄膜トランジスタに電気的に接続された配線、電極及び電子素子のうち少なくとも一つが形成されている主表面、並びに該主表面に対して斜めに傾いた傾斜面を有し、
    前記半導体層のうち少なくとも前記チャネル領域は、前記傾斜面に形成されている
    ことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 前記ソースドレイン領域のうち、前記ゲート電極に対して電気的に絶縁された導電層と電気的に接続されているコンタクト領域が、前記主表面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記基板上における前記半導体層より下層側に積層され、前記基板上で平面的に見て少なくとも前記チャネル領域より広く形成された下側遮光膜を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記半導体層は、LDD領域を更に有し、
    前記下側遮光膜は、前記基板上で平面的に見て前記チャネル領域及び前記LDD領域より広く形成されたことを特徴とする請求項3に記載の薄膜トランジスタ。
  5. 前記下側遮光膜は、前記ゲート電極に走査信号を供給する走査線を兼ねる部分を有し、
    前記走査線を兼ねる部分は、前記ゲート絶縁膜に開口されたコンタクトホールを埋めるように形成された導電性の側壁遮光層を介して前記ゲート電極に電気的に接続されている
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の薄膜トランジスタ。
  6. 前記側壁遮光層は、前記傾斜面に隣接する前記基板との間隔が異なる2つ領域のうち、前記基板との間隔が大きい方に開口された前記コンタクトホールに形成されていることを特徴とする請求項5に記載の薄膜トランジスタ。
  7. 前記下側遮光膜は、前記傾斜面に平行な領域を有するように形成されていることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ。
  8. 前記基板上における前記半導体層より上層側に積層され、前記基板上で平面的に見て少なくとも前記チャネル領域より広く形成されており、前記傾斜面に平行な領域を有するように形成された上側遮光膜を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ。
  9. 前記半導体層は、LDD領域を更に有し、
    前記上側遮光膜は、前記基板上で平面的に見て前記チャネル領域及び前記LDD領域より広く形成されたことを特徴とする請求項8に記載の薄膜トランジスタ。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタと、
    前記基板に対向するように配置された他方の基板と、
    前記基板及び前記他方の基板間に挟持された電気光学物質と
    を備えることを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項10に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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