JP2009266939A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】MTJ素子の特性を劣化させることなく、良好な絶縁性を有するシリコン窒化膜をMTJ素子の保護膜として形成することができる半導体装置の製造方法を得る。
【解決手段】MTJ素子部(MTJ素子MD1及び上部電極ET1)を含む全面にシリコン窒化膜33を形成する。シリコン窒化膜33の成膜装置として、平行平板型プラズマCVD装置を用いる。そして、成膜ガスとして、NH3を含むことなく、SiH4/N2/ヘリウムガス(He)を用いる。成膜温度は200〜350℃に設定される。さらに、理想的には、Heの流量がSiH4の流量に対し、100〜125倍を呈するようにHeとSiH4の流量比が設定される。
【選択図】図16

Description

この発明は、この発明は、MTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子等のメモリ素子を有する半導体装置の製造方法に関する。
MRAMは、メモリ素子に磁性体を用い磁性体の磁化の向きによってデータを記憶する、すなわち、電子の持つスピンに情報を蓄えることによりデータを保持するメモリであり、ランダムアクセス可能に回路が構成されている。MRAMとして利用されるメモリ素子としてMTJ素子がある。なお、本明細書では、MTJ素子はTMR(Tunneling Magneto Resistance)素子を含む概念として使用する。
MRAMのメモリ素子を覆う保護膜として、シリコン窒化膜(プラズマSiN膜)を形成する方法が従来用いられている。このシリコン窒化膜は、アンモニアガス(NH3)、シランガス(SiH4)、及び窒素ガス(N2)を成膜ガスとして用いてCVD法により形成するのが一般的であった。このようなシリコン窒化膜の形成方法は例えば特許文献1に開示されている。
特開2007−305645号公報
しかし、成膜ガスとしてNH3を用いるとMTJ素子の特性を劣化させてしまうということが経験的に知られるようになった。
また、NH3を用いず、SiH4及びN2とを成膜ガスとして用いてCVD法によりシリコン窒化膜を形成した場合、絶縁性が良好なシリコン窒化膜を形成することができないという問題点があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、MTJ素子の特性を劣化させることなく、良好な絶縁性を有するシリコン窒化膜をMTJ素子の保護膜として形成することができる半導体装置の製造方法を得ることを目的とする。
この発明の一実施の形態によれば、MTJ素子部の側面及び表面を少なくとも覆ってシリコン窒化膜を形成する。シリコン窒化膜の形成は、水素ガスあるいはヘリウムガスを含み、かつアンモニアガスを含まない成膜ガス(例えば、SiH4/NH3/N2の3種類のガス)の条件下でCVD法を用いてシリコン窒化膜を形成する。そして、成膜温度は200〜350℃の範囲に設定される。
この実施の形態によれば、成膜ガスとしてNH3を用いることなくシリコン窒化膜を形成しているため、シリコン窒化膜の形成によってMTJ素子の特性に悪影響を及ぼすことはない。
さらに、この実施の形態による製造方法は、成膜ガスとしてNH3に替えてHeあるいはH2を用いることにより、良好な絶縁性を有するシリコン窒化膜を形成することができる効果を奏する。
<発明の原理>
一般的な配線工程に用いられるシリコン窒化膜は、平行平板型プラズマCVD装置を用い、400℃前後の成膜温度で成膜される。この際、成膜ガスとして、SiH4/NH3/N2の3種類のガスが用いられる。
しかしながら、上記成膜条件でシリコン窒化膜をMTJ素子の保護膜として形成すると、MTJ素子の磁性劣化を起こすことが経験的に知られている。その原因は、NHxラジカルにより、磁性膜が窒化されることに起因する悪影響であることが推定される。
さらに、NHxラジカルがMTJ素子の磁性膜の磁性材料と反応することにより、当該磁性膜の磁性を劣化されることが推定される。特に、磁性膜が強磁性体であるコバルト鉄ボロン(CoFeB)合金等、ボロン(B)含有物等を構成材料としている場合、NHxラジカルによりBの拡散が生じた結果、磁性膜に悪影響を及ぼすことが推定される。
したがって、MTJ素子の保護膜としてシリコン窒化膜を形成する場合、成膜ガスとしてNH3を用いないことが第1条件となる。
また、MTJ素子の特性劣化を抑制し、シリコン窒化膜を形成する場合において、200〜350℃以下の成膜温度で行うことが第2条件となる。
上記した第1及び第2の条件下で、MTJ素子の保護膜となるシリコン窒化膜を絶縁性良く形成する製造方法が本願発明となる。なお、上記第2条件については後に詳述する。
<実施の形態1>
図1はこの発明の実施の形態1であるMRAMのメモリセル部(メモリセル形成領域)における平面構造を示す平面図である。同図に示すように、半導体基板100の上方に平面形状が横長の矩形状の下部電極EB1が形成され、下部電極EB1の右側寄りに平面形状が縦長の楕円形状のMTJ素子MD1(上部電極ET1)が形成される。さらに、MTJ素子MD1上を覆って平面形状が下部電極EB1と同一形状の横長矩形状のシリコン窒化膜33が形成される。また、MTJ素子MD1の中心部にはビアホール40が設けられる。
図2〜図21は実施の形態1のMRAMにおけるメモリセル部の製造方法を示す断面図である。なお、図2〜図21は図1のA−A断面に相当する。以下、図2〜図21を参照して実施の形態1のMRAMの製造方法を説明する。
まず、図2に示すように、半導体基板100の上層部に選択的に素子分離領域2を形成する。素子分離領域2,2間の半導体基板100の上層部がトランジスタ等が形成される活性領域1となる。
そして、図3に示すように、第1の導電型の不純物を導入することにより、半導体基板100の上層部にウェル領域1wを形成する。
次に、図4に示すように、ウェル領域1w上にゲート絶縁膜11を形成し、ゲート絶縁膜11上に選択的にゲート電極12を形成する。ゲート電極12下のウェル領域1wの表面がチャネル領域1cとして規定される。
続いて、図5に示すように、ゲート電極12に対して自己整合的に第2の導電型(第1の導電型と反対の導電型)の不純物を注入,拡散した後、ゲート電極12の側面に2層構造のサイドウォール13を形成する。その後、ゲート電極12及びサイドウォール13に対して自己整合的に第2の導電型の不純物を注入,拡散することによりチャネル領域1c近傍にエクステンション領域を有する一対のソース・ドレイン領域14,14を形成する。その結果、チャネル領域1c、ゲート絶縁膜11、ゲート電極12、ソース・ドレイン領域14よりなるMOSトランジスタQ1が形成される。
次に、図6に示すように、ソース・ドレイン領域14,14及びゲート電極12の表面上にそれぞれコバルトシリサイド領域15を形成する。
続いて、図7に示すように、全面に層間絶縁膜16を形成し、層間絶縁膜16を貫通してコンタクトプラグ17を選択的に形成する。このコンタクトプラグ17は一対のソース・ドレイン領域14,14のうちの一方のコバルトシリサイド領域15と電気的に接続される。
さらに、図8に示すように、全面に窒化膜41及び(酸化膜である)層間絶縁膜18を積層し、窒化膜41及び層間絶縁膜18を貫通してCu配線19を選択的に形成する。その結果、Cu配線19の一部がコンタクトプラグ17と電気的に接続される。このようにして、第1層メタル配線であるCu配線19が形成される。
続いて、図9に示すように、全面に窒化膜42、(酸化膜である)層間絶縁膜20及び21が積層され、窒化膜42及び層間絶縁膜20を貫通して微細孔72が選択的に形成され、さらに、微細孔72を含む領域上における層間絶縁膜21を貫通して配線孔62が選択的に形成され、その後、微細孔72及び配線孔62を埋め込んでCu配線22が形成される。Cu配線22はCu配線19(コンタクトプラグ17と電気的に接続されるCu配線19)と電気的に接続される。このようにして、ダマシン技術を用いて第2層メタル配線であるCu配線22が形成される。
その後、図10に示すように、全面に、窒化膜43、(酸化膜からなる)層間絶縁膜23及び24が形成され、窒化膜43及び層間絶縁膜23を貫通して微細孔73が選択的に形成され、さらに、微細孔73を含む領域上における層間絶縁膜24を貫通して配線孔63が選択的に形成され、その後、微細孔73及び配線孔63を埋め込んでCu配線25(リード線25r,デジット線25d(ワード線))が形成される。そして、リード線25rがCu配線22と電気的に接続される。このようにして、ダマシン技術を用いて第3層メタル配線であるCu配線25が形成される。
その後、図11に示すように、全面にシリコン窒化膜である層間絶縁膜26を形成し、メモリセル部におけるリード線25rの領域上の一部を貫通してビアホール9を選択的に形成する。
そして、図12に示すように、ビアホール9内を含む全面にバリアメタル層28を形成し、バリアメタル層28上にビア埋込金属層29を形成する。
続いて、図13に示すように、バリアメタル層28及びビア埋込金属層29に対しCMP処理を行い、ビアホール9内のバリアメタル層28及びビア埋込金属層29のみ残存させる。
その後、図14に示すように、全面に、下部電極層30、MTJ用膜31、及び上部電極層32を積層する。なお、下部電極層30及び上部電極層32は例えばTaを構成材料としており、例えば、スパッタ法により形成される。
続いて、図15に示すように、図示しないパターニングされたレジストを用いてMTJ用膜31及び上部電極層32をパターニングしてMTJ素子MD1及び上部電極ET1を得る。これらMTJ素子MD1及び上部電極ET1がMTJ素子部となる。
次に、図16に示すように、MTJ素子部(MTJ素子MD1及び上部電極ET1)を含む全面にシリコン窒化膜33を形成する。この際、上記第2条件を遵守すべく、MTJ素子MD1を構成する磁性体材料の電気磁気特性に影響を及ぼさない温度(たとえば約300℃以下の温度)でシリコン窒化膜33を成膜する。その結果、シリコン窒化膜33はMTJ素子MD1の表面及び側面上に直接形成される。そして、リソグラフィ技術を用いてシリコン窒化膜33上にレジストパターン34を選択的に形成する。
さらに、図17に示すように、レジストパターン34をマスクとしてドライエッチング技術を用いてシリコン窒化膜33及び下部電極層30をパターニングして、パターニングされたシリコン窒化膜33及び下部電極EB1を得る。
このように、シリコン窒化膜33及び下部電極層30を同時にパターニングするため、下部電極層30のパターニング時にMTJ素子MD1の表面及び側面はシリコン窒化膜33によって保護される。このため、下部電極層30の残渣がMTJ素子MD1の側面に付着する等に起因するMTJ素子MD1のリーク電流発生を効果的に抑制することができる。
図18は図13の着目領域v1の拡大構造を示す説明図である。なお、同図において、シリコン窒化膜33の図示を省略している。同図に示すように、下部電極EB1上にMTJ素子MD1及び上部電極ET1からなるMTJ素子部を得ることができる。なお、MTJ素子MD1は詳細構造は下部磁性膜6(ピン層)、トンネル絶縁膜7及び上部磁性膜8(フリー層)の積層構造となる。
次に、図19に示すように、SiO2からなる層間絶縁膜35を全面に形成する。この際、層間絶縁膜35から水素,水分が拡散しても、シリコン窒化膜33の存在により、MTJ素子MD1への磁性ダメージを抑制上することができる。
その後、図20に示すように、層間絶縁膜35に対しCMP処理を施すことにより、層間絶縁膜35を平坦化する。続いて、上部電極ET1の上方において、シリコン窒化膜33及び層間絶縁膜35を貫通するビアホール40(第1の貫通孔)を選択的に形成する。この際、シリコン窒化膜33は層間絶縁膜35の貫通時のストッパー膜として機能する。
次に、ビアホール40にCu配線37を埋め込むと共に層間絶縁膜35上にCu配線37を形成することによりビット線を得る。その結果、Cu配線37はビアホール40を介してMTJ素子MD1の上部電極ET1と電気的に接続される。このように、第4層メタル配線であるCu配線37が形成される。
図21は図20の着目領域v2の拡大構造を示す説明図である。同図に示すように、ビアホール40は、シリコン窒化膜33及び層間絶縁膜35貫通して、MTJ素子部の上部電極ET1と接続される。
最後に、全面に層間絶縁膜(図示せず)を形成することにより、図1で示した、下部電極EB1、MTJ素子MD1及び上部電極ET1からなるメモリセル部を有する実施の形態1のMRAMが完成する。
以下、実施の形態1のMRAMの製造方法の特徴である、図16で示したシリコン窒化膜33の成膜方法について詳述する。
まず、シリコン窒化膜33の成膜装置として、平行平板型プラズマCVD装置を用いる。そして、成膜ガスとして、NH3を含まないという第1条件を満足すべく、SiH4/N2/ヘリウムガス(He)を用いる。例えば、SiH4の流量は1〜500(sccm)、N2の流量は80〜40000(sccm)、Heの流量は100〜50000(sccm)が設定可能である。
また、成膜時の圧力は1〜20(Torr)、平行平板型プラズマCVD装置における平行平板間の電極間隔は5〜15nm、RFパワーは0.1〜10W/cm2に設定される。また、成膜温度は上記第2条件を満足すべく200〜350℃に設定される。
なお、MTJ素子MD1の磁性体材料の電気磁気特性に影響を及ぼさない上限温度は、MTJ素子MD1を構成するトンネル絶縁膜7の構成材料がアルミナ(Al23)等の酸化アルミニウム(AlOx)の場合は300℃であり、トンネル絶縁膜7の構成材料が酸化マグネシウム(MgO)の場合は350℃である。
したがって、上記第2の条件を考慮してシリコン窒化膜33を形成する際、MTJ素子MD1を構成するトンネル絶縁膜7の構成材料がAlOxの場合は成膜温度は200〜300℃が理想的な成膜温度であり、トンネル絶縁膜7の構成材料がMgOの場合は200〜350℃が理想的な成膜温度となる。
トンネル絶縁膜7の構成材料がAlOxとMgOとで上限温度が異なるのは以下の理由による。AlOxはアモルファス状態、MgOは結晶状態でトンネル絶縁膜7(トンネルバリア)として使用される。したがって、MgOは結晶化させるためにアニールが必要であり、アニール温度として350℃程度は必要となる。しかし、アニール温度を高温にしすぎるとMTJ素子MD1のピン層の磁気特性が劣化する点を考慮して上限温度を350℃に設定している。一方、AlOxの場合は上述のようにアモルファス状態で使用するため、結晶化アニールは不要である。このため、300℃程度の低温プロセスが要求されるため、上限温度を300℃に設定している。
また、成膜温度の下限を200℃以上に設定するのは、平行平板型プラズマCVD装置を用いて成膜温度を200℃未満でシリコン窒化膜33を形成するのは実質的に困難であるからである。
図22はHeのSiH4に対す得る流量比と形成されるシリコン窒化膜33のリーク電流との関係を示すグラフである。この際のN2の流量は80(sccm)程度であり、成膜温度は275℃である。
同図に示すように、Heの流量がSiH4の流量に対し、100〜125倍を呈する場合、リーク電流が1.E−10(10-10)を下回る良好な絶縁性のシリコン窒化膜33を成膜することができる。
上述のように、NH3を持ちないという第1条件、及び高くとも350℃以下の成膜温度で行うという第2条件を満足する場合、SiH4/N2/Heを成膜ガスに用い、例えば、1:80:100の流量比条件を満足するようにSiH4:N2:Heのガス流量を設定する(以下、「ガス流量基準設定値」と略記)ことが理想とされる。
上記ガス流量基準設定値によって、良好な絶縁特性を有するシリコン窒化膜33を得ることができる理由として、Heによる大流量希釈によりN2が分解されやすくなる点が考えられる。その結果、N2はキャリアガスとしてだけではなく、反応性ガスとしてシリコン窒化膜33の成膜に寄与することができる。
なお、図22のグラフから、SiH4に対するHeの流量が100〜125の範囲に収まるように、上記ガス流量基準設定値から、SiH4の流量を低減したり、Heの流量を増加させることとは勿論可能である。
一方、NH3を成膜ガスに用いていないため、NH3に起因して磁性膜6,8の磁性を劣化させる等、MTJ素子MD1に対する悪影響を確実に回避することができる。したがって、フリー層となる上部磁性膜8にCoFeB等、B含有物等を構成材料に用いても上部磁性膜8に悪影響を及ぼすことはない。さらに、成膜温度は上記第2条件に沿ってMTJ素子MD1の磁性体材料の電気磁気特性に影響を及ぼさない温度に設定されている。
その結果、シリコン窒化膜33の形成によって、MTJ素子MD1の特性は劣化させることはない。例えば、従来のように、NH3を成膜ガスに用い、成膜温度を400℃前後でシリコン窒化膜33相当物を形成した場合に比べ、書込みスイッチング電流Iswのバラツキを10%前後減少させることが期待できる。
なお、成膜ガスとしてHeの替わりに水素(H2)を用いることも可能である。例えば、SiH4:H2:N2の流量比を1:30:80とした成膜ガスを用いてシリコン窒化膜33を成膜することにより、リーク電流が1.E−10を下回る良好な絶縁性のシリコン窒化膜33を成膜することができる。
このように、実施の形態1のMRAMの製造方法は、成膜ガスとしてNH3を用いることなくシリコン窒化膜33を形成しているため、シリコン窒化膜33の形成によってMTJ素子MD1の特性に悪影響を及ぼすことはない。
さらに、実施の形態1のMRAMの製造方法は、成膜ガスとしてNH3に替えてHeあるいはH2を用いることにより、良好な絶縁性を有するシリコン窒化膜33を形成することができる効果を奏する。
加えて、比較的安価な平行平板型プラズマCVD装置を用いてシリコン窒化膜33を形成することができるため、製造コストの低減を図ることができる。
<実施の形態2>
図23はこの発明の実施の形態2のMRAMにおける周辺回路部(周辺回路形成領域)の製造方法の一部を示す断面図である。
図23で示す周辺回路部において、半導体基板100からその上方のリード線25r,デジット線25d(Cu配線25)に至る構造は、図2〜図10で示したメモリセル部と同様に製造されるため、同一符号を付して説明を省略する。ただし、周辺回路部の第3メタル配線はCu配線25はデジット線、リード線的な機能は有さず、一般的な第3メタル配線として機能する。また、周辺回路部においても。チャネル領域1c、ゲート絶縁膜11、ゲート電極12、ソース・ドレイン領域14よりなり、MOSトランジスタQ1と同様に、MOSトランジスタQ2が形成される。
以下、実施の形態1の図11〜図20と図23とを参照して、実施の形態2のMRAMの製造方法を説明する。
図11及び図23に示すように、全面にシリコン窒化膜である層間絶縁膜26を形成し、メモリセル部におけるリード線25rの領域上の一部を貫通してビアホール9を選択的に形成する。なお、周辺回路部にはビアホール9は形成しない。
そして、図12に示すように、ビアホール9内を含む全面にバリアメタル層28を形成し、バリアメタル層28上にビア埋込金属層29を形成する。
続いて、図13に示すように、バリアメタル層28及びビア埋込金属層29に対しCMP処理を行い、ビアホール9内のバリアメタル層28及びビア埋込金属層29のみ残存させる。この際、周辺回路部におけるバリアメタル層28及びビア埋込金属層29はすべて除去される。
その後、図14に示すように、全面に、下部電極層30、MTJ用膜31、及び上部電極層32を積層する。なお、下部電極層30及び上部電極層32は例えばTaを構成材料としており、例えば、スパッタ法により形成される。
続いて、図15に示すように、図示しないパターニングされたレジストを用いてMTJ用膜31及び上部電極層32をパターニングしてMTJ素子MD1及び上部電極ET1を得る。この際、周辺回路部におけるMTJ用膜31及び上部電極層32は全て除去される。
次に、図16に示すように、MTJ素子MD1及び上部電極ET1を含む全面にシリコン窒化膜33を形成する。この際、シリコン窒化膜33は層間絶縁膜26と同程度の膜厚で形成される。そして、リソグラフィ技術を用いてシリコン窒化膜33上にレジストパターン34を選択的に形成する。
さらに、図17に示すように、レジストパターン34をマスクとしてドライエッチング技術を用いてシリコン窒化膜33及び下部電極層30をパターニングして、パターニングされたシリコン窒化膜33及び下部電極EB1を得る。この際、周辺回路部におけるシリコン窒化膜33及び下部電極層30は全て除去される。
次に、図19に示すように、SiO2からなる層間絶縁膜35を全面に形成する。
その後、図20及び図23に示すように、層間絶縁膜35に対しCMP処理を施すことにより、層間絶縁膜35を平坦化する。続いて、上部電極ET1の上方において、シリコン窒化膜33及び層間絶縁膜35を貫通するビアホール40を形成する。
一方、周辺回路部において、層間絶縁膜26(周辺回路用絶縁膜)及び層間絶縁膜35の下層部を貫通して微細孔74(第2の貫通孔)を選択的に形成し、さらに、微細孔74を含む領域上における層間絶縁膜35の上層部を貫通して配線孔64を選択的に形成する。
この際、メモリセル部におけるビアホール40の形成と周辺回路部における微細孔74の形成とを同一工程で行う。したがって、同程度の膜厚の同一材料(シリコン窒化膜)のシリコン窒化膜33及び層間絶縁膜26に対してビアホール40及び微細孔74を形成するため、精度良くビアホール40及び微細孔74を形成することができる。
すなわち、シリコン窒化膜33及び層間絶縁膜26をエッチングストッパーとして層間絶縁膜35に対するエッチング処理を行った後、同一膜厚、同一材料のシリコン窒化膜33及び層間絶縁膜26に対しエッチング処理によりビアホール40及び微細孔74を形成することにより、精度良くビアホール40及び微細孔74を形成することができる。
次に、図20に示すように、メモリセル部において、ビアホール40にCu配線37を埋め込むと共に層間絶縁膜35上にCu配線37(第1の配線)を形成することによりビット線を得る。その結果、Cu配線37はビアホール40を介してMTJ素子MD1の上部電極ET1と電気的に接続される。
一方、図23に示すように、周辺回路部において、微細孔74及び配線孔64にCu配線37(第2の配線)を埋め込んで形成する。その結果、Cu配線37は配線孔64及び微細孔74を介して第3メタル配線であるCu配線25(下層配線)と電気的に接続される。
最後に、全面に層間絶縁膜(図示せず)を形成することにより、図1で示した、下部電極EB1、MTJ素子MD1及び上部電極ET1からなるメモリセル部を有する実施の形態2のMRAMが完成する。
この発明の実施の形態1であるMRAMのMTJ素子部における平面構造を示す平面図である。 実施の形態1のMRAMにおけるメモリセル構成の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の製造方法を示す断面図である。 ヘリウムガスのシランガスに対す得る流量比と形成されるシリコン窒化膜のリーク電流との関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態2のMRAMにおける周辺回路部の製造方法の一部を示す断面図である。
符号の説明
30 下部電極層、31 MTJ用膜、32 上部電極層、33 シリコン窒化膜、34 レジストパターン、EB1 下部電極、ET1 上部電極、MD1 MTJ素子。

Claims (9)

  1. (a) 半導体基板上において下部電極用の第1の導電層を形成するステップと、
    (b) 前記下部電極上の一部に第1の磁性膜、絶縁膜及び第2の磁性膜の順に積層される積層構造を含むMTJ素子部を選択的に形成するステップと、
    (c) 前記MTJ素子部の側面及び表面を少なくとも覆ってシリコン窒化膜を形成するステップと備え、
    前記ステップ(c) は、水素ガスあるいはヘリウムガスを含み、かつアンモニアガスを含まない成膜ガスの条件下でCVD法を用いて前記シリコン窒化膜を形成するステップを含むことを特徴とする、
    半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記ステップ(c) は、200〜350℃の温度条件を満足して実行されるステップを含む、
    半導体装置の製造方法。
  3. 請求項2記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記積層構造における前記絶縁膜は酸化マグネシウムを含む、
    半導体装置の製造方法。
  4. 請求項2記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記積層構造における前記絶縁膜は酸化アルミニウムを含み、
    前記温度条件は200〜300℃を含む、
    半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のうち、いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記第2の磁性膜はボロンを含む磁性体を構成材料とする、
    半導体装置の製造方法。
  6. 請求項5記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記第2の磁性膜はコバルト鉄ボロンを構成材料とする、
    半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のうち、いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記CVD法は平行平板型CVD装置を用いて行われるCVD法を含む、
    半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のうち、いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記ステップ(c) において、前記成膜ガスはヘリウム及びシランを含み、前記CVD法は第1の流量でヘリウムを供給し、かつ第2の流量でシランを供給して行うCVD法を含み、前記第1の流量は前記第2の流量の100ないし125倍に設定される、
    半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1ないし請求項8のうち、いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記半導体基板上の領域は、メモリセル形成領域と周辺回路形成領域とを含み、
    前記第1の導電層、前記MTJ素子部及び前記シリコン窒化膜は前記メモリセル形成領域に形成され、
    (d) 前記半導体基板上の前記周辺回路形成領域において周辺回路用絶縁膜を形成するステップと、
    (e) 前記メモリセル形成領域における前記シリコン窒化膜を貫通する第1の貫通孔を形成すると共に、前記周辺回路形成領域における前記周辺回路用絶縁膜を貫通する第2の貫通孔とを形成するステップと、
    (f) 前記メモリセル形成領域において、前記第1の貫通孔を介して前記MTJ素子部の前記上部電極に電気的に接続される第1の配線と、前記周辺回路形成領域において、前記第2の貫通孔を介して前記周辺回路絶縁膜下の所定の下層配線と電気的に接続される第2の配線とを形成するステップとをさらに備え、
    前記シリコン窒化膜と前記周辺回路用絶縁膜とは膜厚が同程度に形成される、
    半導体装置の製造方法。
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