JP2009266500A - 透明導電膜、透明導電基板及びそれを用いたデバイス並びに透明導電膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明に係る透明導電膜は、酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層の空隙部分に、前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質が層内移動により充填されて形成される緻密な導電性酸化物層を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、これに使用する膜形成装置は真空容器をベースとするため非常に高価であり、また基板成膜毎に製造装置内の成分ガス圧を精密に制御しなければならないため、製造コストと量産性に問題がある。
これらの特許文献に見られるように、従来の塗布液の多くはインジウムや錫の硝酸塩、ハロゲン化物からなる有機または無機化合物、あるいは金属アルコキシドなどの有機金属化合物等が用いられている。
この塗布液は、低粘度であり、スピンコートのほかスプレーコート、ディップコートにも使用可能である。
従って、ディスプレイ、タッチパネル、太陽電池等の透明電極に利用するには、導電性の経時安定性がより良好な透明導電膜が要望されていた。
そのため、この透明導電膜を耐熱性基板上に形成した透明導電基板は、LED、エレクトロルミネッセンスランプ、フィールドエミッションランプ等の発光デバイス、太陽電池等の発電デバイス、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイス、及びタッチパネル等の入力デバイス等に好適である。
本発明は、有機インジウム化合物を主成分とする透明導電膜形成用塗布液を、耐熱性基板上に塗布、乾燥、焼成して形成される酸化インジウムを主成分とする透明導電膜において、開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層を有することで、透明導電膜の導電性の向上、及び導電性の経時安定性の向上が図られる。
先ず、透明導電膜構造を説明する。
例えば、スパッタリング法等の気相成長法を用いてITOからなる透明導電膜を形成した場合、通常ITO結晶粒が粒界を介して配列した膜構造である多結晶のITO膜構造が形成され、透明導電膜に開空孔(オープンポア)はほとんど生じない。
即ち、開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層の上部、或いは下部に形成されても良く、また導電性酸化物微粒子層に挟まれた中間部に形成されても良い。更には、緻密な酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物層だけで透明導電膜が形成されていても良い。
先ず、有機インジウム化合物を主成分とする透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布し、乾燥した後、例えば大気中で焼成すると、乾燥後の膜中の有機成分が熱分解および/または燃焼により除去されて、開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層が形成される。
このインジウム成分の移動、及び析出を生じさせる駆動力としては、透明導電膜内の垂直方向の温度勾配が一つの要因として考えられる。
In2O3(固)+ 2H2(気)→In2O(揮発性)+2H2O(気)
In2O3(固)+2CH3OH(気)→In2O(揮発性)+2HCHO(気)+2H2O(気)
次に、本発明で用いられる透明導電膜形成用塗布液について説明する。
本発明では、有機インジウム化合物を主成分とする透明導電膜形成用塗布液を用いて、酸化インジウムを主成分とする透明導電膜を形成するが、一般に、透明導電膜の導電性は高い方が望ましく、そのような場合には酸化インジウムにインジウム以外の金属化合物、主として金属酸化物をドーピングすることで導電性を向上させる。即ち、ドーパント金属化合物を含む酸化インジウムを導電性酸化物として用いれば、透明導電膜の導電性が向上する。これは、ドーパント金属化合物が導電性酸化物において、キャリアとしての電子の濃度(キャリア密度)を高める働きがあるからである。
その具体的なドーピングの方法としては、有機インジウム化合物を主成分とする透明導電膜形成用塗布液に、ドーパント用有機金属化合物を所定量配合する方法がある。
尚、透明導電膜を適用するデバイスによっては導電性がある程度低い(抵抗値が高い)ことが必要とされる場合もあるため、透明導電膜形成用塗布液へのドーパント用有機金属化合物の添加は、必要に応じて適宜実施すればよい。
有機亜鉛化合物の場合は、有機インジウム化合物:ドーパント用有機金属化合物のモル比換算で100:5〜100:50が良く、好ましくは100:10〜100:40である。
又、セルロース誘導体として、例えばHPCの代わりにエチルセルロースを用いた場合は、HPCを用いた場合よりも塗布液の粘度が低く設定できるが、高粘度塗布液が好適であるスクリーン印刷法等ではパターン印刷性が若干低下する。
また、アクリル樹脂としては、比較的低温で燃焼するアクリル樹脂が好ましい。
本発明の透明導電膜の製造方法について説明する。
本発明の透明導電膜は、透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布する塗布工程、乾燥する乾燥工程、焼成する焼成工程の各工程を経て形成される。
(a)塗布工程
耐熱性基板上への透明導電膜形成用塗布液の塗布は、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法、スリットコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スピンコート法、スプレーコート法等の各種塗布法を用いて塗布される。
乾燥工程では、透明導電膜形成用塗布液を塗布した基板を80〜180℃で10〜60分間保持して塗布膜の乾燥を行なって、塗布乾燥膜を作製する。
この塗布乾燥膜は、透明導電膜形成用塗布液から有機溶剤が揮発除去されたものであって、有機インジウム化合物、(ドーパント用有機金属化合物)、バインダー等の成分で構成されている。
焼成工程では、先ず酸素含有雰囲気下、次に還元性雰囲気下で焼成を行う。
酸素含有雰囲気下での焼成の焼成条件は、焼成温度が250℃以上、より好ましくは350℃以上の温度で15〜120分間、より好ましくは30〜60分間である。
250℃よりも低い焼成温度では、乾燥塗布膜に含まれる有機成分(有機インジウム化合物、ドーパント用有機金属化合物、バインダー等に含まれる有機成分)の熱分解或いは燃焼が不十分となり、それら有機成分が透明導電膜に残留して膜の透明性や導電性を悪化させるため好ましくない。
250℃よりも低い焼成温度では、酸素含有雰囲気下での焼成と同様に、透明導電膜中への有機成分の残留が生じると同時に、酸化インジウムを主成分とする成分が導電性酸化物微粒子層を移動し難くなって緻密な導電性酸化物層が得られなくなるため好ましくない。
焼成温度が350〜450℃程度であれば、1〜2%水素−99〜98%窒素の混合ガスは、大気に漏洩しても爆発の恐れがなく、酸化インジウムを金属インジウムまで還元し難いため好ましい雰囲気、焼成温度である。
[実施例]
アセチルアセトンインジウム:In(C5H7O2)3(分子量=412.15)40g、p−tert−ブチルフェノール42g、二塩基酸エステル(デュポンジャパン製)14g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)4gを混合し、130℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、次に、得られた溶解液25g、シクロヘキサノン25g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)10g、メチルエチルケトン(MEK)40gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとヒドロキシプロピルセルロースを含有する溶解液(A液)を作製した。
アセチルアセトン錫(正式名称:ジ−n−ブトキシド ビス(2,4−ペンタンジオナト)錫[Sn(C4H9)2(C5H7O2)2](分子量=431.14)40g、p−tert−ブチルフェノール42g、二塩基酸エステル(デュポンジャパン製)14g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)4gを混合し、130℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、得られた溶解液25g、シクロヘキサノン25g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)10g、メチルエチルケトン(MEK)40gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトン錫とヒドロキシプロピルセルロースを含有する溶解液(B液)を作製した。
作製したA液9.9gとB液0.1gを均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとアセチルアセトン錫を合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースを1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
この透明導電膜形成用塗布液を、25℃のソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm厚さ)上の全面にスピンコーティング(250rpm×60sec)した後、180℃で20分間乾燥し、更に大気中400℃で30分間焼成し、そのまま雰囲気を2%水素−98%窒素に切替えて400℃で更に30分間焼成して実施例1に係る透明導電膜を作製した。
透明導電膜の透過率(%)=[(透明導電膜が形成された基板ごと測定した透過率)
/基板の透過率]×100
透明導電膜のヘイズ値(%)=透明導電膜が形成された基板ごと測定したヘイズ値
−基板のヘイズ値
ヘイズ値と可視光透過率は、村上色彩技術研究所製のヘイズメーター(HR−200)を用いて測定した。
膜厚は、KLA−TencorCorporation製触針式膜厚計(Alpha−StepIQ)を用いて測定した。
チタンテトライソプロポキシド[Ti(C3H7O)4](分子量=284.26)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌し、チタンテトライソプロポキシドとアクリル樹脂を含有する溶解液(C液)を作製した。
実施例1のA液9.8gとC液0.2gを均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとチタンテトライソプロポキシドを合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースとアクリル樹脂を合計で1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして成膜を行い、実施例2に係る透明導電膜を得た。
ガラス基板上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層(厚さ約260nm)及び、その導電性酸化物微粒子層上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層(厚さ約30nm)の積層構造が確認された。
ジルコニウム−n−ブトキシド[Zr(C4H9O)4](分子量=383.68)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、ジルコニウム−n−ブトキシドとアクリル樹脂を含有する溶解液(F液)を作製した。
実施例1のA液9.5gとF液0.5gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとジルコニウム−n−ブトキシドを合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースとアクリル樹脂を合計で1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
この透明導電膜形成用塗布液を、25℃のソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm厚さ)上の全面にスピンコーティング(250rpm×60sec)した後、180℃で20分間乾燥し、更に大気中350℃で30分間焼成し、そのまま雰囲気を2%水素−98%窒素に切替えて350℃で更に30分間焼成して実施例3に係る透明導電膜を作製した。
ガラス基板上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層(厚さ約250nm)及び、その導電性酸化物微粒子層上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層(厚さ約50nm)の積層構造が確認された。
タンタル−n−ブトキシド[Ta(C4H9O)5](分子量=546.53)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、タンタル−n−ブトキシドとアクリル樹脂を含有する溶解液(G液)を作製した。
実施例1のA液9.5gとG液0.5gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとタンタル−n−ブトキシドを合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースとアクリル樹脂を合計で1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例3と同様にして成膜を行い、実施例4に係る透明導電膜を作製した。
ガラス基板上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層(厚さ約240nm)及び、その導電性酸化物微粒子層上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層(厚さ約50nm)の積層構造が確認された。
ニオブ−n−ブトキシド[Nb(C4H9O)5](分子量=458.12)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、ニオブ−n−ブトキシドとアクリル樹脂を含有する溶解液(H液)を作製した。
実施例1のA液9.5gとH液0.5gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとニオブ−n−ブトキシドを合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースとアクリル樹脂を合計で1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例3と同様にして成膜を行い、実施例5に係る透明導電膜を作製した。
ガラス基板上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層(厚さ約250nm)及び、その導電性酸化物微粒子層上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層(厚さ約50nm)の積層構造が確認された。
ハフニウム−n−ブトキシド[Hf(C4H9O)4](分子量=470.95)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、ハフニウム−n−ブトキシドとアクリル樹脂を含有する溶解液(I液)を作製した。
実施例1のA液9.5gとI液0.5gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとハフニウム−n−ブトキシドを合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースとアクリル樹脂を合計で1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例3と同様にして成膜を行い、実施例6に係る透明導電膜を作製した。
ガラス基板上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層(厚さ約210nm)及び、その導電性酸化物微粒子層上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層(厚さ約60nm)の積層構造が確認された。
アセチルアセトンバナジウム(正式名称:バナジウム−2,4−ペンタンジオネート)[V(C5H7O2)3](分子量=348.26)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、アセチルアセトンバナジウムとアクリル樹脂を含有する溶解液(J液)を作製した。
実施例1のA液9.95gとJ液0.05gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとアセチルアセトンバナジウムを合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースとアクリル樹脂を合計で1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例3と同様にして成膜を行い、実施例7に係る透明導電膜を作製した。
ガラス基板上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層(厚さ約250nm)及び、その導電性酸化物微粒子層上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層(厚さ約50nm)の積層構造が確認された。
実施例6の透明導電膜形成用塗布液を、25℃のソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm厚さ)上の全面にスピンコーティング(500rpm×60sec)した後、180℃で20分間乾燥し、更に大気中350℃で30分間焼成し、そのまま雰囲気を2%水素−98%窒素に切替えて350℃で更に30分間焼成して実施例8に係る透明導電膜を作製した。
更に、図3は透明導電膜の断面の積層構造を走査電子顕微鏡で観察したもので、ガラス基板3上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層1(厚さ約160nm)及び、その導電性酸化物微粒子層1上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層2(厚さ約60nm)の積層構造となっていた。
[塗布液の作製]
実施例1のA液9.0gと実施例2のB液1.0gを均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとアセチルアセトン錫を合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースを1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして成膜を行い、比較例1に係る透明導電膜を作製した。
図4は透明導電膜の断面構造を走査電子顕微鏡で観察したもので、ガラス基板3上には、開空孔(オープンポア)を有する均一な導電性酸化物微粒子層1(厚さ約250nm)が形成されているが、各実施例で見られた開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層2の形成は確認されなかった。
このようにして得られた実施例1〜8及び比較例1に係る各透明導電膜について、膜厚、表面抵抗値、可視光線透過率、ヘイズ値を、膜強度、比抵抗値及び表面抵抗値の変化率を併せて表2に示す。
図5には、実施例及び比較例に係る各透明導電膜を温度23〜25℃、相対湿度50〜70%の室内に約2ヶ月放置した場合の表面抵抗値の経時変化を示す。
2 緻密な導電性酸化物層
3 ガラス基板
Claims (16)
- 酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層の空隙部分に、前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質が層内移動により充填されて形成される緻密な導電性酸化物層を有することを特徴とする透明導電膜。
- 前記緻密な導電性酸化物層の上層及び下層、或いは下層が、酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層である請求項1記載の酸化インジウムを主成分とすることを特徴とする透明導電膜。
- 前記導電性酸化物層2が、さらにドーパント金属化合物を含有する請求項1又は2記載の酸化インジウムを主成分とすることを特徴とする透明導電膜。
- 前記ドーパント金属化合物が、酸化錫、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化バナジウムのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項3記載の透明導電膜。
- 前記導電性酸化物層に含まれる前記酸化インジウム及び前記ドーパント金属化合物の含有割合が、酸化インジウム:ドーパント金属化合物のモル比で、100:0.1〜100:50の範囲であることを特徴とする請求項3又は4記載の透明導電膜。
- アセチルアセトンインジウムを主成分とする透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布する塗布工程、乾燥する乾燥工程、焼成する焼成工程の各工程を経て形成される透明導電膜において、
前記透明導電膜が、前記焼成工程において形成された導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層の空隙部分が、前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質の層内移動により充填された緻密な導電性酸化物層を有することを特徴とする透明導電膜。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の透明導電膜を耐熱性基板上に形成することを特徴とする透明導電基板。
- 請求項7記載の透明導電基板を用いることを特徴とするデバイス。
- 前記デバイスが、発光デバイス、発電デバイス、表示デバイス、入力デバイスから選ばれた1種であることを特徴とする請求項8記載のデバイス。
- 有機インジウム化合物を主成分として含有する透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布する塗布工程、乾燥する乾燥工程、焼成する焼成工程の各工程を経て形成される、透明導電膜の製造方法であって、
前記焼成工程が、前記乾燥工程で形成された有機インジウム化合物を主成分とする乾燥塗布膜を、
酸素含有雰囲気、250℃以上の焼成温度で焼成し、前記乾燥塗布膜に含まれる有機成分を熱分解又は燃焼、或いは熱分解並びに燃焼により除去することで導電性酸化物微粒子が結合して形成される開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層を形成し、
次いで還元性雰囲気、250℃以上の焼成温度で焼成し、前記導電性酸化物微粒子層の空隙部分を前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質の層内移動により充填して緻密な酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物層を形成することを特徴とする
透明導電膜の製造方法。 - 有機インジウム化合物及びドーパント用有機金属化合物を主成分とする透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布する塗布工程、乾燥する乾燥工程、焼成する焼成工程の各工程を経て形成される、透明導電膜の製造方法であって、
前記焼成工程が、前記乾燥工程で形成された有機インジウム化合物及びドーパント用有機金属化合物を主成分とする乾燥塗布膜を、
酸素含有雰囲気、250℃以上の焼成温度で焼成し、前記乾燥塗布膜に含まれる有機成分を熱分解又は燃焼、或いは熱分解並びに燃焼により除去することで導電性酸化物微粒子が結合して形成される開空孔(オープンポア)を有するドーパント金属化合物を含み酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層を形成し、
次いで還元性雰囲気、250℃以上の焼成温度で焼成し、前記導電性酸化物微粒子層の空隙部分を前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質の層内移動により充填して緻密なドーパント金属化合物を含み酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物層を形成することを特徴とする
透明導電膜の製造方法。 - 前記有機インジウム化合物及びドーパント用有機金属化合物の含有割合が、有機インジウム化合物;ドーパント用有機金属化合物のモル比換算で、100:0.1〜100;50の範囲であることを特徴とする請求項11記載の透明導電膜の製造方法。
- 前記ドーパント用有機金属化合物が、有機錫化合物、有機チタン化合物、有機ゲルマニウム化合物、有機亜鉛化合物、有機タングステン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機タンタル化合物、有機ニオブ化合物、有機ハフニウム化合物、有機バナジウム化合物のいずれか一種以上であり、前記ドーパント金属化合物が、酸化錫、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化バナジウムのいずれか一種以上であることを特徴とする請求項11又は12記載の透明導電膜の製造方法。
- 前記有機インジウム化合物が、アセチルアセトンインジウムであることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の透明導電膜の製造方法。
- 前記還元性雰囲気が、水素又は有機溶剤蒸気の少なくとも1種を含む雰囲気であることを特徴とする請求項10又は11記載の透明導電膜の製造方法。
- 前記塗布工程における透明導電膜形成用塗布液の耐熱性基板上への塗布方法が、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法、スリットコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法のいずれかであることを特徴とする請求項10又は11記載の透明導電膜の製造方法。
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