JP2009266500A - 透明導電膜、透明導電基板及びそれを用いたデバイス並びに透明導電膜の製造方法 - Google Patents

透明導電膜、透明導電基板及びそれを用いたデバイス並びに透明導電膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009266500A
JP2009266500A JP2008113233A JP2008113233A JP2009266500A JP 2009266500 A JP2009266500 A JP 2009266500A JP 2008113233 A JP2008113233 A JP 2008113233A JP 2008113233 A JP2008113233 A JP 2008113233A JP 2009266500 A JP2009266500 A JP 2009266500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
transparent conductive
conductive film
compound
indium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008113233A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5413708B2 (ja
JP2009266500A5 (ja
Inventor
Yoshihiro Otsuka
良広 大塚
Masaya Yukinobu
雅也 行延
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2008113233A priority Critical patent/JP5413708B2/ja
Publication of JP2009266500A publication Critical patent/JP2009266500A/ja
Publication of JP2009266500A5 publication Critical patent/JP2009266500A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5413708B2 publication Critical patent/JP5413708B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Abstract

【課題】 低コストかつ簡便な透明導電膜の製造方法である塗布法によって形成される、優れた透明性と高い導電性を兼ね備え、かつ導電性の経時安定性に優れる透明導電膜、及びこの透明導電膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る透明導電膜は、酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層の空隙部分に、前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質が層内移動により充填されて形成される緻密な導電性酸化物層を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、透明導電膜及びその透明導電膜の製造方法に関する。詳しくは、ガラスやセラミックス等の耐熱性基板上に形成された、透明性と導電性を兼ね備え、かつ導電性の経時安定性に優れた透明導電膜、及びその透明導電膜の製造方法に関する。
液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンス、プラズマディスプレイ等の表示素子用透明電極、タッチパネル、太陽電池等の透明電極、熱線反射、電磁波シールド、帯電防止、防曇等の機能性コーティングに用いられる透明導電膜の形成材料として、錫ドープ酸化インジウム(Indium Tin Oxide、以下、「ITO」と表記する場合がある)が知られている。
ITO透明導電膜の製造方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法等の物理的手法が広く用いられている。これらの方法は、透明性と導電性に優れた均一なITO透明導電膜を基板上に形成することができる。
しかしながら、これに使用する膜形成装置は真空容器をベースとするため非常に高価であり、また基板成膜毎に製造装置内の成分ガス圧を精密に制御しなければならないため、製造コストと量産性に問題がある。
この問題を解決する製造方法として、インジウム化合物と錫化合物を溶剤に溶解させた透明導電膜形成用塗布液を用いて、基板上に塗布する方法(以下、「塗布法」と表記する場合がある)が検討されている。この方法では、透明導電膜形成用塗布液の基板上への塗布、乾燥、焼成という簡単な製造工程でITO透明導電膜を形成するもので、その塗布液の基板上への塗布法には、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法、スリットコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法等が知られている。
このような塗布法に用いられる塗布液として、インジウム化合物及び錫化合物を含む塗布液が、従来種々開発されており、例えば、ハロゲンイオンまたはカルボキシル基を含む硝酸インジウムとアルキル硝酸錫の混合液(例えば、特許文献1参照)、アルコキシル基などを含む有機インジウム化合物と有機錫化合物の混合物(例えば、特許文献2参照)、硝酸インジウムと有機錫化合物の混合物(例えば、特許文献3参照)、硝酸インジウム、硝酸錫等の無機化合物混合物(例えば、特許文献4参照)、ジカルボン酸硝酸インジウムなどの有機硝酸インジウムとアルキル硝酸錫などの有機硝酸錫の混合物(例えば、特許文献5参照)、アセチルアセトンを配位した有機インジウム錯体と錫錯体からなる有機化合物混合溶液(例えば、特許文献6、特許文献7、特許文献8参照)が開示されている。
これらの特許文献に見られるように、従来の塗布液の多くはインジウムや錫の硝酸塩、ハロゲン化物からなる有機または無機化合物、あるいは金属アルコキシドなどの有機金属化合物等が用いられている。
しかし、硝酸塩やハロゲン化物を用いた塗布液は、焼成時に窒素酸化物や塩素などの腐食性ガスが発生するため、設備腐食や環境汚染を生ずるといった問題があり、金属アルコキシドを用いた塗布液では、原料が加水分解し易いため、塗布液の安定性に問題がある。又、特許文献に記載された有機金属化合物を用いた塗布液の多くは、基板に対する濡れ性が悪く、不均一膜が形成され易いといった問題もあった。
そこで、これらの問題点を改良した塗布液として、アセチルアセトンインジウム(正式名称:トリス(アセチルアセトナト)インジウム:In(C)、アセチルアセトン錫(正式名称:ジ−n−ブトキシド ビス(2,4−ペンタンジオナト)錫、[Sn(C(C])、ヒドロキシプロピルセルロース、アルキルフェノール及び/又はアルケニルフェノールと二塩基酸エステル及び/又は酢酸ベンジルを含有する透明導電膜形成用塗布液が開示(例えば、特許文献9参照)されている。
この塗布液は、アセチルアセトンインジウム、アセチルアセトン錫の混合溶液にヒドロキシプロピルセルロースを含有させることによって塗布液の基板に対する濡れ性を改善すると同時に、粘性剤であるヒドロキシプロピルセルロースの含有量によって塗布液の粘度を調整し、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷、ワイヤーバーコート等の各種塗布法の採用を可能にするものである。
又、スピンコート用の改良塗布液として、アセチルアセトンインジウム、オクチル酸インジウム等の有機インジウム化合物と、アセチルアセトン錫、オクチル酸錫等の有機錫と、有機溶剤とを含み、その有機溶剤にアルキルフェノール及び/又はアルケニルフェノールを溶解したアセチルアセトン溶液、アルキルフェノール及び/又はアルケニルフェノールを溶解したアセチルアセトン溶液をアルコールで希釈した液を用いる透明導電膜形成用塗布液(例えば、特許文献10参照)が開示されている。
この塗布液は、低粘度であり、スピンコートのほかスプレーコート、ディップコートにも使用可能である。
特開昭57−138708号公報 特開昭61−26679号公報 特開平4−255768号公報 特開昭57−36714号公報 特開昭57−212268号公報 特公昭63−25448号公報 特公平2−20706号公報 特公昭63−19046号公報 特開平6−203658号公報 特開平6−325637号公報
しかしながら、このような各種ITO透明導電膜形成用塗布液を基板上に塗布、乾燥、焼成して形成される透明導電膜は、その形成直後には低い表面抵抗値を示すものが多いが、その透明導電膜を大気中に放置すると次第に表面抵抗値が増大するという問題が生じていた。特に、焼成温度が300〜350℃程度と低い場合に、この現象が顕著に起こっていた。その原因は必ずしも明らかではないが、これらの透明導電膜の膜構造は微細なITO微粒子からなる多孔質膜であり、そのITO微粒子同士の接点部分の抵抗値が増大していくことが一つの原因と推測される。
従って、ディスプレイ、タッチパネル、太陽電池等の透明電極に利用するには、導電性の経時安定性がより良好な透明導電膜が要望されていた。
本発明は、低コストかつ簡便な透明導電膜の製造方法であるインク塗布法を用いて形成される良好な透明性と高い導電性を兼ね備え、且つ導電性の経時安定性に優れる透明導電膜、及びこの透明導電膜の製造方法の提供を目的とする。
このような課題に鑑み、発明者らは有機インジウム化合物を主成分として含有する透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布、乾燥、焼成して得られる酸化インジウムを主成分とする透明導電膜について鋭意研究を重ねた結果、従来知られている導電性酸化物微粒子が結合して形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層からなる膜構造とは全く異なり、400℃以下の焼成温度で、導電性酸化物微粒子が結合して形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層の空隙部分に、酸化インジウムを主成分とする物質が導電性酸化物微粒子層内を移動して充填することで形成される開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層を有する良好な透明性と高い導電性を兼ね備え、且つ導電性の経時安定性に優れる透明導電膜を発明したものである。
即ち、本発明の第1の発明は、酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層の空隙部分に、前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質が層内移動により充填されて形成される緻密な導電性酸化物層を有することを特徴とする透明導電膜である。
本発明の第2の発明は、前記緻密な導電性酸化物層の上層及び下層、或いは下層が、酸化インジウムを主成分とすることを特徴とする導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層である第1の発明に記載の酸化インジウムを主成分とする透明導電膜である。
本発明の第3の発明は、前記導電性酸化物層2が、さらにドーパント金属化合物を含有する第1又は第2の発明に記載の酸化インジウムを主成分とすることを特徴とする透明導電膜である。
本発明の第4の発明は、前記ドーパント金属化合物が、酸化錫、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化バナジウムのいずれか1種以上であることを特徴とする第3の発明に記載の透明導電膜である。
本発明の第5の発明は、前記導電性酸化物層に含まれる前記酸化インジウム及び前記ドーパント金属化合物の含有割合が、酸化インジウム:ドーパント金属化合物のモル比で、100:0.1〜100:50の範囲であることを特徴とする第3又は第4の発明に記載の透明導電膜である。
本発明の第6の発明は、アセチルアセトンインジウムを主成分とする透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布する塗布工程、乾燥する乾燥工程、焼成する焼成工程の各工程を経て形成される透明導電膜において、前記透明導電膜が、前記焼成工程において形成された導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層の空隙部分が、前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質の層内移動により充填された緻密な導電性酸化物層を有することを特徴とする透明導電膜である。
本発明の第7の発明は、第1乃至第6の発明のいずれかに記載の透明導電膜を耐熱性基板上に形成することを特徴とする透明導電基板である。
本発明の第8の発明は、第7の発明に記載の透明導電基板を用いることを特徴とするデバイスである。
本発明の第9の発明は、前記デバイスが、発光デバイス、発電デバイス、表示デバイス、入力デバイスから選ばれた1種であることを特徴とする第8の発明に記載のデバイスである。
本発明の第10の発明は、有機インジウム化合物を主成分として含有する透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布する塗布工程、乾燥する乾燥工程、焼成する焼成工程の各工程を経て形成される、透明導電膜の製造方法であって、前記焼成工程が、前記乾燥工程で形成された有機インジウム化合物を主成分とする乾燥塗布膜を、酸素含有雰囲気、250℃以上の焼成温度で焼成し、前記乾燥塗布膜に含まれる有機成分を熱分解又は燃焼、或いは熱分解並びに燃焼により除去することで導電性酸化物微粒子が結合して形成される開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層を形成し、次いで還元性雰囲気、250℃以上の焼成温度で焼成し、前記導電性酸化物微粒子層の空隙部分を前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質の層内移動により充填して緻密な酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物層を形成することを特徴とする透明導電膜の製造方法である。
本発明の第11の発明は、有機インジウム化合物及びドーパント用有機金属化合物を主成分とする透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布する塗布工程、乾燥する乾燥工程、焼成する焼成工程の各工程を経て形成される、透明導電膜の製造方法であって、前記焼成工程が、前記乾燥工程で形成された有機インジウム化合物及びドーパント用有機金属化合物を主成分とする乾燥塗布膜を、酸素含有雰囲気、250℃以上の焼成温度で焼成し、前記乾燥塗布膜に含まれる有機成分を熱分解又は燃焼、或いは熱分解並びに燃焼により除去することで導電性酸化物微粒子が結合して形成される開空孔(オープンポア)を有するドーパント金属化合物を含み酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層を形成し、次いで還元性雰囲気、250℃以上の焼成温度で焼成し、前記導電性酸化物微粒子層の空隙部分を前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質の層内移動により充填して緻密なドーパント金属化合物を含み酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物層を形成することを特徴とする透明導電膜の製造方法である。
本発明の第12の発明は、前記有機インジウム化合物及びドーパント用有機金属化合物の含有割合が、有機インジウム化合物;ドーパント用有機金属化合物のモル比換算で、100:0.1〜100;50の範囲であることを特徴とする第11の発明に記載の透明導電膜の製造方法である。
本発明の第13の発明は、前記ドーパント用有機金属化合物が、有機錫化合物、有機チタン化合物、有機ゲルマニウム化合物、有機亜鉛化合物、有機タングステン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機タンタル化合物、有機ニオブ化合物、有機ハフニウム化合物、有機バナジウム化合物のいずれか一種以上であり、前記ドーパント金属化合物が、酸化錫、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化バナジウムのいずれか一種以上であることを特徴とする第11又は第12の発明に記載の透明導電膜の製造方法である。
本発明の第14の発明は、前記有機インジウム化合物が、アセチルアセトンインジウムであることを特徴とする第10乃至第12の発明のいずれかに記載の透明導電膜の製造方法である。
本発明の第15の発明は、前記還元性雰囲気が、水素又は有機溶剤蒸気の少なくとも1種を含む雰囲気であることを特徴とする第10又は第11の発明に記載の透明導電膜の製造方法である。
本発明の第16の発明は、前記塗布工程における透明導電膜形成用塗布液の耐熱性基板上への塗布方法が、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法、スリットコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法のいずれかであることを特徴とする第10又は第11の発明に記載の透明導電膜の製造方法である。
本発明の透明導電膜は、導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層の空隙部分が、この導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質の層内移動により充填され、開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物層を有するため、優れた透明性と高い導電性を兼ね備え、且つ導電性の経時安定性に優れる。
そのため、この透明導電膜を耐熱性基板上に形成した透明導電基板は、LED、エレクトロルミネッセンスランプ、フィールドエミッションランプ等の発光デバイス、太陽電池等の発電デバイス、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイス、及びタッチパネル等の入力デバイス等に好適である。
更に、本発明の透明導電膜の製造方法は、有機インジウム化合物を主成分とする乾燥塗布膜を形成した後、焼成工程において、酸素を含む雰囲気における250℃以上の焼成温度で焼成することで、この乾燥塗布膜の有機成分を熱分解や燃焼により除去し、導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層を形成し、次に、還元性雰囲気、250℃以上の焼成温度で焼成することで、導電性酸化物微粒子層の空隙部分を導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質の層内移動により充填して形成される開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層を有する透明導電膜を製造するもので、低コストかつ簡便なインク塗布法によって良好な透明性と高い導電性を兼ね備え、かつ導電性の経時安定性に優れた透明導電膜を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、有機インジウム化合物を主成分とする透明導電膜形成用塗布液を、耐熱性基板上に塗布、乾燥、焼成して形成される酸化インジウムを主成分とする透明導電膜において、開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層を有することで、透明導電膜の導電性の向上、及び導電性の経時安定性の向上が図られる。
[透明導電膜構造]
先ず、透明導電膜構造を説明する。
例えば、スパッタリング法等の気相成長法を用いてITOからなる透明導電膜を形成した場合、通常ITO結晶粒が粒界を介して配列した膜構造である多結晶のITO膜構造が形成され、透明導電膜に開空孔(オープンポア)はほとんど生じない。
又、例えば有機インジウム化合物と有機錫化合物を主成分とする透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布、乾燥、焼成する塗布法で形成されるITOからなる透明導電膜では、通常ITO微粒子同士が結合した膜構造を有しており、ITO微粒子の粒子径やITO微粒子間に存在する空隙の大きさは、焼成条件などで異なるが、少なからず開空孔(オープンポア)を有する透明導電膜となることが知られている。
そして、この塗布法で形成されたITO微粒子同士が結合した透明導電膜は、その導電機構が、ITO微粒子の接触部分(結合部分)を介在するものであるため、接触部分での導電性低下(ITO微粒子同士が微小面積で接触するため)や、導電性の経時劣化(開空孔を通して大気中の酸素や水蒸気が膜内に進入しITO微粒子同士の接触を劣化させるため)を引き起こすと考えられている。
このような従来のものに対して、本発明は、導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層の空隙部分を、導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質の層内移動により充填することで形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物層を有する膜構造を、400℃以下の焼成温度で形成するというものであり、その導電性の向上を図り、導電性の経時劣化を大きく抑制するものである。
即ち、緻密な酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物層は、その層内に点接触のような微小面積による導電性酸化物微粒子の接触部分が無いために、その導電性を高めることができ、且つ開空孔(オープンポア)が無いため、大気中の酸素や水蒸気が緻密な導電性酸化物層内に進入できず、その結果として導電性の経時劣化が大きく抑制される。
ここで、この緻密な酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物層が、透明導電膜のどの位置に形成されるかは、特に制約されない。
即ち、開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層の上部、或いは下部に形成されても良く、また導電性酸化物微粒子層に挟まれた中間部に形成されても良い。更には、緻密な酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物層だけで透明導電膜が形成されていても良い。
このような緻密な導電性酸化物層の形成機構については、いまだ明らかとはいえないが、図1に示すような機構が考えられる。図1は形成機構の概念図である。
先ず、有機インジウム化合物を主成分とする透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布し、乾燥した後、例えば大気中で焼成すると、乾燥後の膜中の有機成分が熱分解および/または燃焼により除去されて、開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層が形成される。
次に、焼成雰囲気を還元性雰囲気(例えば、水素含有窒素やメタノール含有窒素など)に変えて焼成すると、下記数1及び数2の反応により揮発性を有する低次のインジウム酸化物が生じ、これが揮発して上記導電性酸化物微粒子同士の空隙部分(気相)を介して透明導電膜内をインジウム成分が移動するようになり、この空隙部分の一部に酸化インジウムを主成分とする物質が析出して充填することで、開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層を形成する。
このインジウム成分の移動、及び析出を生じさせる駆動力としては、透明導電膜内の垂直方向の温度勾配が一つの要因として考えられる。
図1に示す形成機構は、本発明の開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層が、酸素を含有する雰囲気中ではいくら長時間焼成を行っても得られないという事実から支持される。
[数1]
In(固)+ 2H(気)→InO(揮発性)+2HO(気)
[数2]
In(固)+2CHOH(気)→InO(揮発性)+2HCHO(気)+2HO(気)
[透明導電膜形成用塗布液]
次に、本発明で用いられる透明導電膜形成用塗布液について説明する。
本発明では、有機インジウム化合物を主成分とする透明導電膜形成用塗布液を用いて、酸化インジウムを主成分とする透明導電膜を形成するが、一般に、透明導電膜の導電性は高い方が望ましく、そのような場合には酸化インジウムにインジウム以外の金属化合物、主として金属酸化物をドーピングすることで導電性を向上させる。即ち、ドーパント金属化合物を含む酸化インジウムを導電性酸化物として用いれば、透明導電膜の導電性が向上する。これは、ドーパント金属化合物が導電性酸化物において、キャリアとしての電子の濃度(キャリア密度)を高める働きがあるからである。
その具体的なドーピングの方法としては、有機インジウム化合物を主成分とする透明導電膜形成用塗布液に、ドーパント用有機金属化合物を所定量配合する方法がある。
本発明で用いる有機インジウム化合物には、アセチルアセトンインジウム(正式名称:トリス(アセチルアセトナト)インジウム)[In(C]、2−エチルヘキサン酸インジウム、蟻酸インジウム、インジウムアルコキシド等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機インジウム化合物であれば良い。これらの中でもアセチルアセトンインジウムは有機溶剤への溶解性が高く、200〜250℃程度の温度で熱分解して酸化物となるため好ましい。
次に、導電性を向上させるドーパント用有機金属化合物としては、有機錫化合物、有機チタン化合物、有機ゲルマニウム化合物、有機亜鉛化合物、有機タングステン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機タンタル化合物、有機ニオブ化合物、有機ハフニウム化合物、有機バナジウム化合物のいずれか一種以上が好ましい。
尚、透明導電膜を適用するデバイスによっては導電性がある程度低い(抵抗値が高い)ことが必要とされる場合もあるため、透明導電膜形成用塗布液へのドーパント用有機金属化合物の添加は、必要に応じて適宜実施すればよい。
ドーパント用有機金属化合物の有機錫化合物(化合物中の錫の価数は2価、4価にこだわらない)としては、例えば、アセチルアセトン錫(正式名称:ジ−n−ブトキシド ビス(2,4−ペンタンジオナト)錫、[Sn(C(C]、オクチル酸錫、2−エチルヘキサン酸錫、酢酸錫(II)[Sn(CHCOO)]、酢酸錫(IV)[Sn(CHCOO)]、ジ−n−ブチル錫ジアセテート[Sn(C(CHCOO)] 、蟻酸錫、錫アルコキシドとしての錫−tert−ブトキシド[Sn(CO)]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機錫化合物であれば良い。これらの中でも、アセチルアセトン錫は、比較的安価で入手し易いので好ましい。
ドーパント用有機金属化合物の有機チタン化合物としては、例えば、チタンアセチルアセトン錯体としてのアセチルアセトンチタン(正式名称:チタンジ−n−ブトキシド ビス(2,4−ペンタンジオネート)[Ti(CO)(C] )、チタニル(IV)アセチルアセトネート[(C)4TiO]、チタンジイソプロポキシド ビス(2,4−ペンタンジオネート)[C1636Ti]等や、チタンアルコキシドとしてのチタンテトラエトキシド[Ti(CO)]、チタン(IV)−tert−ブトキシド[Ti(CO)]、チタンテトラ−n−ブトキシド[Ti(CO)]、チタンテトライソプロポキシド[Ti(CO)]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機チタン化合物であれば良い。これらの中でも、アセチルアセトンチタン、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトライソプロポシドは、安価で入手し易いので好ましい。
ドーパント用有機金属化合物の有機ゲルマニウム化合物としては、例えば、ゲルマニウムアルコキシドとしてのゲルマニウムテトラエトキシド[Ge(CO)]、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド[Ge(CO)]、ゲルマニウムテトライソプロポキシド[Ge(CO)]等や、β−カルボキシエチルゲルマニウムオキシド[(GeCHCHCOOH)]、テトラエチルゲルマニウム[Ge(C]、テトラブチルゲルマニウム[Ge(C]、トリブチルゲルマニウム[Ge(C]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機ゲルマニウム化合物であれば良い。これらの中でも、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド、ゲルマニウムテトライソプロポキシドは、比較的安価で入手し易いので好ましい。
ドーパント用有機金属化合物の有機亜鉛化合物としては、例えば、亜鉛アセチルアセトン錯体としてのアセチルアセトン亜鉛(正式名称:亜鉛−2,4−ペンタンジオネート)[Zn(C]、亜鉛−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート[Zn(C1119]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機亜鉛化合物であれば良い。これらの中でも、アセチルアセトン亜鉛は、安価で入手し易いので好ましい。
ドーパント用有機金属化合物の有機タングステン化合物としては、例えば、タングステンアルコキシドとしてのタングステン(V)エトキシド[W(CO)]、タングステン(VI)エトキシド[W(CO)]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機タングステン化合物であれば良い。
ドーパント用有機金属化合物の有機ジルコニウム化合物としては、例えば、ジルコニウムアルコキシドとしてのジルコニウムエトキシド[Zr(CO)]、ジルコニウム−n−プロポキシド[Zr(CO)]、ジルコニウムイソプロポキシド[Zr(CO)]、ジルコニウム−n−ブトキシド[Zr(CO)]、ジルコニウム−tert−ブトキシド[Zr(CO)]、ジルコニウム−2−メチル−2−ブトキシド[Zr(C11O)]、ジルコニウム−2−メトキシメチル−2−プロポキシド[Zr(C11]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機ジルコニウム化合物であれば良い。これらの中でも、ジルコニウム−n−プロポキシド、ジルコニウム−n−ブトキシドは、比較的安価で入手し易いので好ましい。
ドーパント用有機金属化合物の有機タンタル化合物としては、例えば、タンタルアルコキシドとしてのタンタルメトキシド[Ta(CHO)]、タンタルエトキシド[Ta(CO)]、タンタルイソプロポキシド[Ta(CO)]、タンタル−n−ブトキシド[Ta(CO)]、テトラエトキシアセチルアセトナトタンタル[Ta(CO)(C)]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機タンタル化合物であれば良い。
ドーパント用有機金属化合物の有機ニオブ化合物としては、例えば、ニオブアルコキシドとしてのニオブエトキシド[Nb(CO)]、ニオブ−n−ブトキシド[Nb(CO)]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機ニオブ化合物であれば良い。
ドーパント用有機金属化合物の有機ハフニウム化合物としては、例えば、ハフニウムアルコキシドとしてのハフニウムエトキシド[Hf(CO)]、ハフニウム−n−ブトキシド[Hf(CO)]、ハフニウム−tert−ブトキシド[Hf(CO)]、ハフニウム(VI)イソプロポキドモノイソプロピレート[Hf(CO)(COH)]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機ハフニウム化合物であれば良い。これらの中でも、ハフニウム−n−ブトキシドは、比較的安価で入手し易いので好ましい。
ドーパント用有機金属化合物の有機バナジウム化合物としては、例えば、バナジウムアセチルアセトン錯体としてのバナジウムオキサイドビス−2,4−ペンタンジオネート[VO(C]、アセチルアセトンバナジウム(正式名称:バナジウム−2,4−ペンタンジオネート)[V(C]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機バナジウム化合物であれば良い
透明導電膜形成用塗布液における有機インジウム化合物、又は有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物は、基板上に透明導電膜を形成させるための主たる化合物原料であり、その合計含有量は1〜30重量%の範囲であることが好ましく、更に好ましくは5〜20重量%とするのが良い。合計含有量が1重量%未満であると膜厚の薄い透明導電膜しか得られなくなるため十分な導電性が得られない。又、30重量%より多いと透明導電膜形成用塗布液中の有機インジウム化合物が析出し易くなって塗布液の安定性が低下したり、得られる透明導電膜が厚くなり過ぎて亀裂(クラック)が発生して導電性が損なわれる場合がある。
又、透明導電膜形成用塗布液にドーパント用有機金属化合物を配合する場合(高い導電性を得ようとする場合)には、有機インジウム化合物とド−パント用有機金属化合物の含有割合は、有機インジウム化合物:ドーパント用有機金属化合物のモル比換算で100:0.1〜100;50が好ましい。詳しくは、有機亜鉛化合物を除いて、有機インジウム化合物:ドーパント用有機金属化合物のモル比換算で100:0.1〜100:15が良く、好ましくは100:0.5〜100:5である。
有機亜鉛化合物の場合は、有機インジウム化合物:ドーパント用有機金属化合物のモル比換算で100:5〜100:50が良く、好ましくは100:10〜100:40である。
このモル比範囲を外れてド−パント用有機金属化合物が少ないと、透明導電膜のキャリア密度が減少して透明導電膜の導電性が急激に悪化する場合があり、逆に、上記モル比範囲を外れてド−パント用有機金属化合物が多いと、開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層が形成されにくくなり、大気放置した場合に表面抵抗値の経時変化が大きくなったりするため好ましく。
又、透明導電膜形成用塗布液には、必要に応じてバインダーを添加しても良い。バインダーを加えることで、基板に対する濡れ性が改善されると同時に、塗布液の粘度調整を行うことができる。上記バインダーは焼成時において燃焼や熱分解する材料が好ましく、このような材料として、セルロース誘導体、アクリル樹脂等が有効である。
バインダーに用いられるセルロース誘導体としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース 、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース 、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース 、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロース、ニトロセルロース等が挙げられるが、これらの中でもヒドロキシプロピルセルロース(以下、「HPC」と表記する場合がある)が好ましい。
HPCを用いれば、5重量%以下の含有量で十分な濡れ性が得られると同時に、大幅な粘度調整を行うことができる。またHPCの燃焼開始温度は300℃程度であり、焼成を300℃以上、好ましくは350℃以上の温度で行えば燃焼するので、生成する導電性粒子の粒成長を阻害せず、導電性が良好な透明導電膜を作製することができる。HPCの含有量が5重量%より多くなると、ゲル状になって塗布液中に残留し易くなり、多孔質の透明導電膜を形成して透明性や導電性が損なわれる。
又、セルロース誘導体として、例えばHPCの代わりにエチルセルロースを用いた場合は、HPCを用いた場合よりも塗布液の粘度が低く設定できるが、高粘度塗布液が好適であるスクリーン印刷法等ではパターン印刷性が若干低下する。
ニトロセルロースは、熱分解性は優れているが、焼成時において有害な窒素酸化物ガスの発生があり、焼成炉の劣化や排ガス処理に問題を生じる場合があるため、状況に応じて適宜選択する必要がある。
また、アクリル樹脂としては、比較的低温で燃焼するアクリル樹脂が好ましい。
透明導電膜形成用塗布液に用いる溶剤としては、アセチルアセトンインジウム、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンバナジウム等のアセチルアセトン錯体を高濃度で溶解できるアルキルフェノール及び/又はアルケニルフェノールと二塩基酸エステル、あるいはアルキルフェノール及び/又はアルケニルフェノールと酢酸ベンジル、又はこれらの混合溶液を用いるのが好ましい。アルキルフェノール及びアルケニルフェノールとしては、クレゾール類、キシレノール、エチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、カシューナット殻液[3ペンタデカデシールフェノール]等が挙げられ、二塩基酸エステル(例えば二塩基酸ジメチル、二塩基酸ジエチル等)としては、コハク酸エステル、グルタル酸エステル、アジピン酸エステル、マロン酸エステル、フタル酸エステル等が用いられる。
更に、塗布液の粘度を低下さたり、塗布性を改善させるために透明導電膜形成用塗布液に配合する溶剤としては、有機インジウム化合物、ドーパント用有機金属化合物、及びセルロース誘導体及び/又はアクリル樹脂を溶解させた溶液と相溶性があれば良く、水、メタノール(MA)、エタノール(EA)、1−プロパノール(NPA)、イソプロパノール(IPA)、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール(DAA)等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等のエステル系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル(MCS)、エチレングリコールモノエチルエーテル(ECS)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(IPC)、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールエチルエーテル(PE)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGM−AC)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート(PE−AC)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体、トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼン等のベンゼン誘導体、ホルムアミド(FA)、N−メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、1、3−オクチレングリコール、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ミネラルスピリッツ、ターピネオール等、及びこれらのいくつかの混合液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗布液の安定性や成膜性を考慮すると、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が好ましい。
本発明で用いる透明導電膜形成用塗布液は、前記の有機インジウム化合物、必要に応じてドーパント用有機金属化合物の有機錫化合物、有機チタン化合物、有機ゲルマニウム化合物、有機亜鉛化合物、有機タングステン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機タンタル化合物、有機ニオブ化合物、有機ハフニウム化合物、有機バナジウム化合物のいずれか一種以上、更に、必要に応じてバインダーを加えた混合物を溶剤に加熱溶解させることによって製造する。
加熱溶解は、加熱温度を60〜200℃とし、0.5〜12時間攪拌することにより行われる。加熱温度が60℃よりも低いと十分に溶解せず、アセチルアセトンインジウムの析出分離が起って塗布液の安定性が低下してしまい、200℃よりも高いと溶剤の蒸発が顕著となり塗布液の組成が変化してしまうので好ましくない。
透明導電膜形成用塗布液の粘度は、前記したバインダーの分子量や含有量、溶剤の種類によって調整することができるので、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法、スリットコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スピンコート法、スプレーコート法等の各種塗布法に対応することができる。
高粘度(5000〜50000mPa・s程度)の塗布液は、高分子量のバインダーを5重量%以下、好ましくは2〜4重量%含有させることで作製でき、低粘度(5〜500mPa・s程度)は、低分子量のバインダーを5重量%以下、好ましくは0.1〜2重量%含有させ、かつ低粘度の希釈用溶剤で希釈することで作製できる。また、中粘度(500〜5000mPa・s)の塗布液は、高粘度の塗布液と低粘度の塗布液を混合することで作製できる。
[透明導電膜の製造方法]
本発明の透明導電膜の製造方法について説明する。
本発明の透明導電膜は、透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布する塗布工程、乾燥する乾燥工程、焼成する焼成工程の各工程を経て形成される。
(a)塗布工程
耐熱性基板上への透明導電膜形成用塗布液の塗布は、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法、スリットコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スピンコート法、スプレーコート法等の各種塗布法を用いて塗布される。
(b)乾燥工程
乾燥工程では、透明導電膜形成用塗布液を塗布した基板を80〜180℃で10〜60分間保持して塗布膜の乾燥を行なって、塗布乾燥膜を作製する。
この塗布乾燥膜は、透明導電膜形成用塗布液から有機溶剤が揮発除去されたものであって、有機インジウム化合物、(ドーパント用有機金属化合物)、バインダー等の成分で構成されている。
(c)焼成工程
焼成工程では、先ず酸素含有雰囲気下、次に還元性雰囲気下で焼成を行う。
酸素含有雰囲気下での焼成の焼成条件は、焼成温度が250℃以上、より好ましくは350℃以上の温度で15〜120分間、より好ましくは30〜60分間である。
250℃よりも低い焼成温度では、乾燥塗布膜に含まれる有機成分(有機インジウム化合物、ドーパント用有機金属化合物、バインダー等に含まれる有機成分)の熱分解或いは燃焼が不十分となり、それら有機成分が透明導電膜に残留して膜の透明性や導電性を悪化させるため好ましくない。
又、焼成温度の上限は特に限定されないが、焼成工程で用いる焼成装置の種類や耐熱性基板の耐熱性に影響受け、安価で最も一般的に用いられるソーダライムガラス基板では、歪点が約510℃であるので、この温度よりも低い温度で焼成することが好ましい。ただし、ソーダライムガラス基板をより耐熱性の高い耐熱性基材上で焼成すれば、基板の歪みを比較的少なくできるため、約600℃程度での焼成も可能である。もちろん、石英ガラス基板、無アルカリガラス基板、高歪点ガラス基板等のより耐熱性が高いガラス基板を用いる場合は、更に高い焼成温度が適用できる。
還元性雰囲気下での焼成の焼成条件は、焼成温度が250℃以上、より好ましくは350℃以上の温度で15〜120分間、より好ましくは30〜60分間である。
250℃よりも低い焼成温度では、酸素含有雰囲気下での焼成と同様に、透明導電膜中への有機成分の残留が生じると同時に、酸化インジウムを主成分とする成分が導電性酸化物微粒子層を移動し難くなって緻密な導電性酸化物層が得られなくなるため好ましくない。
又、焼成温度の上限は特に限定されないが、焼成工程で用いる焼成装置の種類や耐熱基板の耐熱性に影響受ける点は、酸素含有雰囲気下での焼成と同様である。更に、還元性雰囲気下の焼成では、焼成温度が高くなり過ぎると、透明導電膜を構成する導電性酸化物が過度に還元される場合があり注意を要する。例えば600℃を超える焼成温度の場合には、水素ガス等のように強い還元性を有する還元性雰囲気を用いると、酸化インジウムが金属インジウムまで短時間で還元されてしまう場合があるため、適切な還元性雰囲気の選定や還元時間の設定が必要となる。
尚、酸素含有雰囲気下、及び還元性雰囲気下の焼成は、連続して行うことができる。即ち、乾燥塗布膜が形成された耐熱性基板の焼成において、基板の温度を250℃以上に保ったまま、雰囲気だけを酸素含有雰囲気から還元性雰囲気に切替えればよい。
開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層は、還元性雰囲気での焼成時に形成されるが、その緻密な導電性酸化物層の厚みは、焼成温度、焼成時間、ドーパント金属化合物配合量などの種々の焼成条件の影響を受け、具体的には、焼成温度が高い程、焼成時間が長い程、ドーパント金属化合物配合量が少ない程、厚くなる傾向がある。従って、焼成温度、焼成時間、ドーパント金属化合物配合量などは、相互の影響をみながら、本発明の範囲内で適宜最適化すれば良く、焼成温度については、耐熱性基板の種類や用いる焼成装置も考慮して適宜選択する。
還元性雰囲気については、水素、水素を含有する不活性ガス(アルゴン、窒素など)、メタノール等の有機ガス、有機ガスを含有する不活性ガスなどが挙げられるが、緻密な導電性酸化物層の形成機構から、揮発性を有する低次のインジウム酸化物を生成できれば良く、これらに限定されない。但し、還元性が強すぎる雰囲気だと酸化インジウムが金属インジウムまで還元される場合があるため、好ましくない。
焼成温度が350〜450℃程度であれば、1〜2%水素−99〜98%窒素の混合ガスは、大気に漏洩しても爆発の恐れがなく、酸化インジウムを金属インジウムまで還元し難いため好ましい雰囲気、焼成温度である。
ここで、還元性雰囲気下での焼成は、前述の開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層を形成する働きに加え、導電性酸化物に酸素空孔を導入してキャリア密度を増加させる働きも有しており、透明導電膜の導電性の一層の向上に寄与している。
[実施例]
以下、実施例を用いて本発明を詳細するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[溶解液A液の作製]
アセチルアセトンインジウム:In(C(分子量=412.15)40g、p−tert−ブチルフェノール42g、二塩基酸エステル(デュポンジャパン製)14g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)4gを混合し、130℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、次に、得られた溶解液25g、シクロヘキサノン25g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)10g、メチルエチルケトン(MEK)40gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとヒドロキシプロピルセルロースを含有する溶解液(A液)を作製した。
[溶解液B液の作製]
アセチルアセトン錫(正式名称:ジ−n−ブトキシド ビス(2,4−ペンタンジオナト)錫[Sn(C(C](分子量=431.14)40g、p−tert−ブチルフェノール42g、二塩基酸エステル(デュポンジャパン製)14g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)4gを混合し、130℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、得られた溶解液25g、シクロヘキサノン25g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)10g、メチルエチルケトン(MEK)40gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトン錫とヒドロキシプロピルセルロースを含有する溶解液(B液)を作製した。
[塗布液の作製]
作製したA液9.9gとB液0.1gを均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとアセチルアセトン錫を合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースを1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を、25℃のソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm厚さ)上の全面にスピンコーティング(250rpm×60sec)した後、180℃で20分間乾燥し、更に大気中400℃で30分間焼成し、そのまま雰囲気を2%水素−98%窒素に切替えて400℃で更に30分間焼成して実施例1に係る透明導電膜を作製した。
実施例1の透明導電膜の膜特性は、可視光透過率:97.7%、ヘイズ値:0.5%、表面抵抗値:130Ω/□(オーム・パー・スクエアと読む)で、膜厚は270nmであった。尚、この透明導電膜の可視光透過率及びヘイズ値は、透明導電膜だけの値であり、それぞれ下記数3及び数4により求めた。
[数3]
透明導電膜の透過率(%)=[(透明導電膜が形成された基板ごと測定した透過率)
/基板の透過率]×100
[数4]
透明導電膜のヘイズ値(%)=透明導電膜が形成された基板ごと測定したヘイズ値
−基板のヘイズ値
透明導電膜の表面抵抗は、三菱化学(株)製の表面抵抗計ロレスタAP(MCP−T400)を用い測定した。
ヘイズ値と可視光透過率は、村上色彩技術研究所製のヘイズメーター(HR−200)を用いて測定した。
膜厚は、KLA−TencorCorporation製触針式膜厚計(Alpha−StepIQ)を用いて測定した。
更に、図2は透明導電膜の断面の積層構造を走査電子顕微鏡で観察したもので、ガラス基板3上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層1(厚さ約175nm)及び、その導電性酸化物微粒子層1上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層2(厚さ約95nm)の積層構造となっているのが観察された。
[溶解液C液の作製]
チタンテトライソプロポキシド[Ti(CO)](分子量=284.26)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌し、チタンテトライソプロポキシドとアクリル樹脂を含有する溶解液(C液)を作製した。
[塗布液の作製]
実施例1のA液9.8gとC液0.2gを均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとチタンテトライソプロポキシドを合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースとアクリル樹脂を合計で1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして成膜を行い、実施例2に係る透明導電膜を得た。
この透明導電膜の膜特性は、可視光透過率:91.3%、ヘイズ値:0.5%、表面抵抗値:490Ω/□で、膜厚は290nmであった。
ガラス基板上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層(厚さ約260nm)及び、その導電性酸化物微粒子層上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層(厚さ約30nm)の積層構造が確認された。
[溶解液F液の作製]
ジルコニウム−n−ブトキシド[Zr(CO)](分子量=383.68)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、ジルコニウム−n−ブトキシドとアクリル樹脂を含有する溶解液(F液)を作製した。
[塗布液の作製]
実施例1のA液9.5gとF液0.5gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとジルコニウム−n−ブトキシドを合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースとアクリル樹脂を合計で1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を、25℃のソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm厚さ)上の全面にスピンコーティング(250rpm×60sec)した後、180℃で20分間乾燥し、更に大気中350℃で30分間焼成し、そのまま雰囲気を2%水素−98%窒素に切替えて350℃で更に30分間焼成して実施例3に係る透明導電膜を作製した。
この透明導電膜の膜特性は、可視光透過率:86.5%、ヘイズ値:0.6%、表面抵抗値:170Ω/□で、膜厚は300nmであった。
ガラス基板上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層(厚さ約250nm)及び、その導電性酸化物微粒子層上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層(厚さ約50nm)の積層構造が確認された。
[溶解液G液の作製]
タンタル−n−ブトキシド[Ta(CO)](分子量=546.53)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、タンタル−n−ブトキシドとアクリル樹脂を含有する溶解液(G液)を作製した。
[塗布液の作製]
実施例1のA液9.5gとG液0.5gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとタンタル−n−ブトキシドを合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースとアクリル樹脂を合計で1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例3と同様にして成膜を行い、実施例4に係る透明導電膜を作製した。
この透明導電膜の膜特性は、可視光透過率:86.0%、ヘイズ値:2.5%、表面抵抗値:130Ω/□で、膜厚は290nmであった。
ガラス基板上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層(厚さ約240nm)及び、その導電性酸化物微粒子層上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層(厚さ約50nm)の積層構造が確認された。
[溶解液H液の作製]
ニオブ−n−ブトキシド[Nb(CO)](分子量=458.12)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、ニオブ−n−ブトキシドとアクリル樹脂を含有する溶解液(H液)を作製した。
[塗布液の作製]
実施例1のA液9.5gとH液0.5gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとニオブ−n−ブトキシドを合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースとアクリル樹脂を合計で1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例3と同様にして成膜を行い、実施例5に係る透明導電膜を作製した。
この透明導電膜の膜特性は、可視光透過率:87.2%、ヘイズ値:0.6%、表面抵抗値:130Ω/□で、膜厚は300nmであった。
ガラス基板上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層(厚さ約250nm)及び、その導電性酸化物微粒子層上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層(厚さ約50nm)の積層構造が確認された。
[溶解液I液の作製]
ハフニウム−n−ブトキシド[Hf(CO)](分子量=470.95)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、ハフニウム−n−ブトキシドとアクリル樹脂を含有する溶解液(I液)を作製した。
[塗布液の作製]
実施例1のA液9.5gとI液0.5gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとハフニウム−n−ブトキシドを合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースとアクリル樹脂を合計で1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例3と同様にして成膜を行い、実施例6に係る透明導電膜を作製した。
この透明導電膜の膜特性は、可視光透過率:84.4%、ヘイズ値:0.4%、表面抵抗値:130Ω/□で、膜厚は270nmであった。
ガラス基板上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層(厚さ約210nm)及び、その導電性酸化物微粒子層上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層(厚さ約60nm)の積層構造が確認された。
[溶解液J液の作製]
アセチルアセトンバナジウム(正式名称:バナジウム−2,4−ペンタンジオネート)[V(C](分子量=348.26)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、アセチルアセトンバナジウムとアクリル樹脂を含有する溶解液(J液)を作製した。
[塗布液の作製]
実施例1のA液9.95gとJ液0.05gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとアセチルアセトンバナジウムを合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースとアクリル樹脂を合計で1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例3と同様にして成膜を行い、実施例7に係る透明導電膜を作製した。
この透明導電膜の膜特性は、可視光透過率:87,3%、ヘイズ値:0.7%、表面抵抗値:360Ω/□で、膜厚は300nmであった。
ガラス基板上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層(厚さ約250nm)及び、その導電性酸化物微粒子層上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層(厚さ約50nm)の積層構造が確認された。
[透明導電膜の作製]
実施例6の透明導電膜形成用塗布液を、25℃のソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm厚さ)上の全面にスピンコーティング(500rpm×60sec)した後、180℃で20分間乾燥し、更に大気中350℃で30分間焼成し、そのまま雰囲気を2%水素−98%窒素に切替えて350℃で更に30分間焼成して実施例8に係る透明導電膜を作製した。
この透明導電膜の膜特性は、可視光透過率:83.4%、ヘイズ値:0.5%、表面抵抗値:160Ω/□で、膜厚は220nmであった。
更に、図3は透明導電膜の断面の積層構造を走査電子顕微鏡で観察したもので、ガラス基板3上に形成された開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層1(厚さ約160nm)及び、その導電性酸化物微粒子層1上に形成された開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層2(厚さ約60nm)の積層構造となっていた。
(比較例1)
[塗布液の作製]
実施例1のA液9.0gと実施例2のB液1.0gを均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとアセチルアセトン錫を合計で10重量%、ヒドロキシプロピルセルロースを1重量%含有する透明導電膜形成用塗布液を作製した。
[透明導電膜の作製]
この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして成膜を行い、比較例1に係る透明導電膜を作製した。
この透明導電膜の膜特性は、可視光透過率:98.0%、ヘイズ値:0.3%、表面抵抗値:290Ω/□で、膜厚は250nmであった。
図4は透明導電膜の断面構造を走査電子顕微鏡で観察したもので、ガラス基板3上には、開空孔(オープンポア)を有する均一な導電性酸化物微粒子層1(厚さ約250nm)が形成されているが、各実施例で見られた開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層2の形成は確認されなかった。
これら実施例1〜8及び比較例1の透明導電膜形成用塗布液構成物の含有量、ドーパント用有機金属化合物等の配合割合を表1に示す。
[特性評価試験]
このようにして得られた実施例1〜8及び比較例1に係る各透明導電膜について、膜厚、表面抵抗値、可視光線透過率、ヘイズ値を、膜強度、比抵抗値及び表面抵抗値の変化率を併せて表2に示す。
膜強度は、得られた透明導電膜をツメで擦って傷の具合を目視により観察し、ほとんど傷のないものを「○」、傷が多いものを「×」と評価した。
透明導電膜の比抵抗値(Ω・cm)は、{透明導電膜の表面抵抗値(Ω/□)}×{膜厚(cm)}で求めた。
表面抵抗値の変化率は、(約14日間室内[温度:23〜25℃、相対湿度:50〜70%]に放置後の表面抵抗値)/(初期の表面抵抗値)の値である。14日間放置したところでの表面抵抗測定値がない場合は、14日放置時の表面抵抗値を以下に述べる表面抵抗値の経時変化を示す図(図5参照)から読み取って採用している。
図5には、実施例及び比較例に係る各透明導電膜を温度23〜25℃、相対湿度50〜70%の室内に約2ヶ月放置した場合の表面抵抗値の経時変化を示す。
以上各実施例と各比較例を比べると明らかなように、各実施例の開空孔(オープンポア)がほとんどない緻密な導電性酸化物層を有する透明導電膜は、350〜400℃という比較的低温の焼成温度で得られているものの、比較的良好な透明性と高い導電性を兼ね備え、かつ導電性の経時安定性に優れた透明導電膜を形成することができるのに対して、比較例の緻密な導電性酸化物層を有しない透明導電膜は、優れた透明性と高い導電性を兼ね備えるものの、導電性の経時安定性が著しく悪いことがわかる。
本発明による透明導電膜は、安価な各種塗布方法を用いて耐熱性基板上へ形成することが可能であり、得られる透明導電膜は、優れた透明性と高い導電性を兼ね備え、かつ導電性の経時安定性に優れているため、この透明導電膜を耐熱性基板上に形成した透明導電基板は、LED、エレクトロルミネッセンスランプ、フィールドエミッションランプ等の発光デバイス、太陽電池等の発電デバイス、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイス、タッチパネル等の入力デバイス等の透明電極等への利用が期待できる。
緻密な導電性酸化物層の形成メカニズムの概念図である。 実施例1に係る透明導電膜の断面の走査電子顕微鏡写真である。 実施例8に係る透明導電膜の断面の走査電子顕微鏡写真である。 比較例1に係る透明導電膜の断面の走査電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例及び比較例における表面抵抗値の経時変化を示す図である。
符号の説明
1 導電性酸化物微粒子層
2 緻密な導電性酸化物層
3 ガラス基板

Claims (16)

  1. 酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層の空隙部分に、前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質が層内移動により充填されて形成される緻密な導電性酸化物層を有することを特徴とする透明導電膜。
  2. 前記緻密な導電性酸化物層の上層及び下層、或いは下層が、酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層である請求項1記載の酸化インジウムを主成分とすることを特徴とする透明導電膜。
  3. 前記導電性酸化物層2が、さらにドーパント金属化合物を含有する請求項1又は2記載の酸化インジウムを主成分とすることを特徴とする透明導電膜。
  4. 前記ドーパント金属化合物が、酸化錫、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化バナジウムのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項3記載の透明導電膜。
  5. 前記導電性酸化物層に含まれる前記酸化インジウム及び前記ドーパント金属化合物の含有割合が、酸化インジウム:ドーパント金属化合物のモル比で、100:0.1〜100:50の範囲であることを特徴とする請求項3又は4記載の透明導電膜。
  6. アセチルアセトンインジウムを主成分とする透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布する塗布工程、乾燥する乾燥工程、焼成する焼成工程の各工程を経て形成される透明導電膜において、
    前記透明導電膜が、前記焼成工程において形成された導電性酸化物微粒子の結合により形成された開空孔(オープンポア)を有する導電性酸化物微粒子層の空隙部分が、前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質の層内移動により充填された緻密な導電性酸化物層を有することを特徴とする透明導電膜。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の透明導電膜を耐熱性基板上に形成することを特徴とする透明導電基板。
  8. 請求項7記載の透明導電基板を用いることを特徴とするデバイス。
  9. 前記デバイスが、発光デバイス、発電デバイス、表示デバイス、入力デバイスから選ばれた1種であることを特徴とする請求項8記載のデバイス。
  10. 有機インジウム化合物を主成分として含有する透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布する塗布工程、乾燥する乾燥工程、焼成する焼成工程の各工程を経て形成される、透明導電膜の製造方法であって、
    前記焼成工程が、前記乾燥工程で形成された有機インジウム化合物を主成分とする乾燥塗布膜を、
    酸素含有雰囲気、250℃以上の焼成温度で焼成し、前記乾燥塗布膜に含まれる有機成分を熱分解又は燃焼、或いは熱分解並びに燃焼により除去することで導電性酸化物微粒子が結合して形成される開空孔(オープンポア)を有する酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層を形成し、
    次いで還元性雰囲気、250℃以上の焼成温度で焼成し、前記導電性酸化物微粒子層の空隙部分を前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質の層内移動により充填して緻密な酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物層を形成することを特徴とする
    透明導電膜の製造方法。
  11. 有機インジウム化合物及びドーパント用有機金属化合物を主成分とする透明導電膜形成用塗布液を耐熱性基板上に塗布する塗布工程、乾燥する乾燥工程、焼成する焼成工程の各工程を経て形成される、透明導電膜の製造方法であって、
    前記焼成工程が、前記乾燥工程で形成された有機インジウム化合物及びドーパント用有機金属化合物を主成分とする乾燥塗布膜を、
    酸素含有雰囲気、250℃以上の焼成温度で焼成し、前記乾燥塗布膜に含まれる有機成分を熱分解又は燃焼、或いは熱分解並びに燃焼により除去することで導電性酸化物微粒子が結合して形成される開空孔(オープンポア)を有するドーパント金属化合物を含み酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子層を形成し、
    次いで還元性雰囲気、250℃以上の焼成温度で焼成し、前記導電性酸化物微粒子層の空隙部分を前記導電性酸化物微粒子層に存在する酸化インジウムを主成分とする物質の層内移動により充填して緻密なドーパント金属化合物を含み酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物層を形成することを特徴とする
    透明導電膜の製造方法。
  12. 前記有機インジウム化合物及びドーパント用有機金属化合物の含有割合が、有機インジウム化合物;ドーパント用有機金属化合物のモル比換算で、100:0.1〜100;50の範囲であることを特徴とする請求項11記載の透明導電膜の製造方法。
  13. 前記ドーパント用有機金属化合物が、有機錫化合物、有機チタン化合物、有機ゲルマニウム化合物、有機亜鉛化合物、有機タングステン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機タンタル化合物、有機ニオブ化合物、有機ハフニウム化合物、有機バナジウム化合物のいずれか一種以上であり、前記ドーパント金属化合物が、酸化錫、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化バナジウムのいずれか一種以上であることを特徴とする請求項11又は12記載の透明導電膜の製造方法。
  14. 前記有機インジウム化合物が、アセチルアセトンインジウムであることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の透明導電膜の製造方法。
  15. 前記還元性雰囲気が、水素又は有機溶剤蒸気の少なくとも1種を含む雰囲気であることを特徴とする請求項10又は11記載の透明導電膜の製造方法。
  16. 前記塗布工程における透明導電膜形成用塗布液の耐熱性基板上への塗布方法が、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法、スリットコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法のいずれかであることを特徴とする請求項10又は11記載の透明導電膜の製造方法。
JP2008113233A 2008-04-23 2008-04-23 透明導電膜、透明導電基板及びそれを用いたデバイス並びに透明導電膜の製造方法 Expired - Fee Related JP5413708B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008113233A JP5413708B2 (ja) 2008-04-23 2008-04-23 透明導電膜、透明導電基板及びそれを用いたデバイス並びに透明導電膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008113233A JP5413708B2 (ja) 2008-04-23 2008-04-23 透明導電膜、透明導電基板及びそれを用いたデバイス並びに透明導電膜の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009266500A true JP2009266500A (ja) 2009-11-12
JP2009266500A5 JP2009266500A5 (ja) 2010-09-09
JP5413708B2 JP5413708B2 (ja) 2014-02-12

Family

ID=41392090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008113233A Expired - Fee Related JP5413708B2 (ja) 2008-04-23 2008-04-23 透明導電膜、透明導電基板及びそれを用いたデバイス並びに透明導電膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5413708B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5700259B2 (ja) * 2010-02-17 2015-04-15 住友金属鉱山株式会社 透明導電膜の製造方法及び透明導電膜、それを用いた素子、透明導電基板並びにそれを用いたデバイス
JP2016091599A (ja) * 2014-10-29 2016-05-23 三菱マテリアル株式会社 透明導電膜及びこの透明導電膜を有する透明導電体の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10283847A (ja) * 1997-04-01 1998-10-23 Sharp Corp 透明導電膜
JP2006225256A (ja) * 2005-01-19 2006-08-31 Mitsubishi Materials Corp インジウム錫酸化物前駆体とそのインジウム錫酸化物膜、およびこれらの製造方法
JP2006257386A (ja) * 2005-02-21 2006-09-28 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 有機系itoインク及びその製造方法並びに該有機系itoインクを用いて得られたito導電膜
JP2007005290A (ja) * 2005-05-23 2007-01-11 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 透明導電膜とその製造方法、及び透明導電膜形成用塗布液
WO2008007469A1 (fr) * 2006-07-13 2008-01-17 Central Japan Railway Company Fluide de revêtement, film mince conducteur formé à partir du fluide de revêtement, et procédé de formation de ce dernier

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10283847A (ja) * 1997-04-01 1998-10-23 Sharp Corp 透明導電膜
JP2006225256A (ja) * 2005-01-19 2006-08-31 Mitsubishi Materials Corp インジウム錫酸化物前駆体とそのインジウム錫酸化物膜、およびこれらの製造方法
JP2006257386A (ja) * 2005-02-21 2006-09-28 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 有機系itoインク及びその製造方法並びに該有機系itoインクを用いて得られたito導電膜
JP2007005290A (ja) * 2005-05-23 2007-01-11 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 透明導電膜とその製造方法、及び透明導電膜形成用塗布液
WO2008007469A1 (fr) * 2006-07-13 2008-01-17 Central Japan Railway Company Fluide de revêtement, film mince conducteur formé à partir du fluide de revêtement, et procédé de formation de ce dernier

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5700259B2 (ja) * 2010-02-17 2015-04-15 住友金属鉱山株式会社 透明導電膜の製造方法及び透明導電膜、それを用いた素子、透明導電基板並びにそれを用いたデバイス
US9701849B2 (en) 2010-02-17 2017-07-11 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Method of manufacturing transparent conductive film, the transparent conductive film, element and transparent conductive substrate using the film, as well as device using the substrate
JP2016091599A (ja) * 2014-10-29 2016-05-23 三菱マテリアル株式会社 透明導電膜及びこの透明導電膜を有する透明導電体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5413708B2 (ja) 2014-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5240532B2 (ja) 金属酸化物膜の製造方法
JP5403293B2 (ja) 透明導電膜の製造方法及び透明導電膜、それを用いた素子、透明導電基板並びにそれを用いたデバイス
JP5700259B2 (ja) 透明導電膜の製造方法及び透明導電膜、それを用いた素子、透明導電基板並びにそれを用いたデバイス
JP2012081663A (ja) 透明導電基材及びタッチパネル
JP5418502B2 (ja) 透明導電膜の製造方法及び透明導電膜、透明導電基板並びにそれを用いたデバイス
JP5729611B2 (ja) 金属モリブデン塗布膜の製造方法
JP2011108637A (ja) 低屈折率透明導電膜の製造方法及び低屈折率透明導電膜、低屈折率透明導電基板並びにそれを用いたデバイス
JP2006128098A (ja) 透明導電膜形成用塗布液及び透明導電膜並びにその製造方法
JP5366071B2 (ja) プライマー組成物
JP5413708B2 (ja) 透明導電膜、透明導電基板及びそれを用いたデバイス並びに透明導電膜の製造方法
JP2009135098A (ja) 透光性導電膜形成用塗布液及び透光性導電膜
JP2011018542A (ja) 透明導電性基材及びその製造方法
JP5418933B1 (ja) 透明導電膜形成用塗布液の製造方法
JP2013020942A (ja) 有機el用透明導電性基材の製造方法、およびそれを用いた有機el用透明導電性基材、並びに有機el素子
JP2011028861A (ja) 透明導電膜の製造方法及び透明導電膜、透明導電基板並びにそれを用いたデバイス
JP2009048986A (ja) 透明導電膜形成用塗布液及び透明導電膜の製造方法並びに透明導電膜
JP2009164116A (ja) 低屈折率透明導電膜形成用塗布液及び低屈折率透明導電膜
JP2009164116A5 (ja)
JP2012209123A (ja) 透明導電膜の製造方法及び透明導電膜、透明導電基板並びにそれを用いたデバイス
JP2007005290A (ja) 透明導電膜とその製造方法、及び透明導電膜形成用塗布液
JP4655529B2 (ja) 透明導電膜とその製造方法、及び透明導電膜形成用塗布液
JP2010010005A (ja) 空孔を有する透明導電膜とその製造方法
JP4365918B2 (ja) 透明導電膜形成用塗布液およびこれを使用した透明導電膜形成方法
JP2006049019A (ja) 透明導電膜とその製造方法、及び透明導電膜形成用ペースト
JP2005125305A (ja) 透明導電膜形成用処理剤および透明導電膜形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100720

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130927

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131018

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131031

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees