JP2016091599A - 透明導電膜及びこの透明導電膜を有する透明導電体の製造方法 - Google Patents

透明導電膜及びこの透明導電膜を有する透明導電体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気抵抗値が低く、高温高湿下で長時間保持したときの電気抵抗値の上昇を抑制することができる耐熱性及び耐湿性のある透明導電膜を提供する。【解決手段】本発明の透明導電膜は、錫ドープ酸化インジウム(ITO) 、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)又はガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等の粒子である透明導電性粒子によって形成された粒子層の前記粒子表面にゲルマニウム化合物が存在する。また透明導電膜の体積抵抗率は5×10−2Ωcm以下の範囲にある。【選択図】図3

Description

本発明は、電気抵抗値が低く、高温高湿下で長時間保持したときの電気抵抗値の上昇を抑制することができる透明導電膜に関する。また本発明は、転写用基材の上面に作製した透明導電膜を支持用透明基材に転写することにより透明導電体を製造する方法に関する。
LCD(Liquid Crystal Display)やPDP(Plasma Display Panel)、有機EL(ElectroLuminescence)、タッチパネル等の画像表示装置の透明電極には透明導電膜が用いられている。この透明導電膜は、ITO等からなる透明導電材料によって構成されることが多い。このような透明導電膜は、通常スパッタリング法により形成される(例えば、特許文献1参照)。従来透明導電膜はガラス基材に成膜されていた。しかしスパッタリング装置は高価であり、かつ、成膜の効率が悪く、また、その膜は屈曲に対して、ひび割れし易い等の問題があった。
このひび割れの問題を解決するため、ひび割れの起こりにくい屈曲性に優れた透明導電膜を形成する方法として、スパッタリング法に代わって、導電膜形成用塗料を可撓性のある基材に塗布する方法が提案されている。近年では、デバイスの軽量化、フレキシブル化が求められているため、基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等の可撓性樹脂フィルムが用いられ、透明導電膜はこのフィルム上に形成され、その用途が増加している(例えば、特許文献2及び3参照)。
しかし、塗料を塗布して得られる透明導電膜には、導電性が低いという問題と、高温下で長時間電子機器に使用した場合、耐熱性が十分でないという問題がある。具体的には、80℃の高温下で長時間保持した時に電気抵抗値が高くなる問題がある。この電気抵抗値の上昇は、大気中の酸化性ガスの吸着に起因していることが分かっている。前者の問題に対しては、特許文献2の導電性フィルムの製造方法では、導電性微粒子の分散液を支持体上に塗布、乾燥して形成された導電性微粒子含有層(粒子層)をシートプレス、ロールプレス等により圧縮し、導電性微粒子の圧縮層からなる透明導電層を形成する。圧縮することで導電性微粒子相互間の接触点を増加させ、これにより透明導電膜の電気抵抗値を低減している。一方、後者の問題に対しては、特許文献2の導電性フィルムの製造方法では、上記透明導電層上に高分子樹脂成分を含む接着剤層(樹脂層)を形成する。この接着剤層組成物は、得られた導電性微粒子の圧縮層中の導電性微粒子相互間の空隙に含浸する。その結果、高温高湿環境下であっても導電性微粒子の表面に水和物が形成されることが抑制され、電気抵抗値を低く維持する。即ち、圧縮層である透明導電層を樹脂で封止することで熱的環境中に暴露される透明導電性粒子の面積を小さくしている。
特開2004−315951号公報(段落[0002]) 特開2007−257964号公報(段落[0032]、[0039]〜[0045]、[0054]) 特開2010−277927号公報(段落[0034])
しかしながら、特許文献2の導電性フィルムのように、圧縮層である透明導電層を樹脂で封止した状態でも、この方法で得られた透明導電膜を高温高湿下で長時間電子機器に用いた場合、この透明導電膜はまだ十分な耐熱性及び耐湿性が得られなかった。
本発明の目的は、電気抵抗値が低く、高温高湿下で長時間保持したときの電気抵抗値の上昇を抑制することができる耐熱性及び耐湿性のある透明導電膜を提供することにある。
本発明の別の目的は、上記耐熱性及び耐湿性のある透明導電膜を有する透明導電体を簡便な方法で製造する方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、透明導電性粒子によって形成された粒子層の前記粒子表面にゲルマニウム化合物が存在し、体積抵抗率が5×10−2Ωcm以下である透明導電膜である。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、前記透明導電性粒子が錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)又はガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)の金属酸化物粒子であることにある。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく透明導電膜が支持用透明基材上に形成された透明導電体である。
本発明の第4の観点は、転写用基材の上面に透明導電性粒子と分散媒からなる塗布液を塗布し乾燥して粒子層を形成する工程と、前記粒子層を上面に形成した前記転写用基材を圧縮処理して前記粒子層を圧縮層にする工程と、前記転写用基材上の前記圧縮層中の前記透明導電性粒子表面に前記ゲルマニウム化合物を析出させる工程と、前記転写用基材上の前記圧縮層に樹脂液を塗布して前記樹脂液を前記圧縮層中の前記透明導電性粒子間の空隙に含浸する工程と、前記樹脂液を乾燥して前記圧縮層上に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層の上面に支持用透明基材を貼り合わせる工程と、前記樹脂層に含まれる前記樹脂を硬化させて前記樹脂層付きの圧縮層を透明導電膜にする工程と、前記転写用基材を前記透明導電膜から剥離して前記支持用透明基材上に前記透明導電膜を残存させた透明導電体を得る工程とを含む透明導電体の製造方法である。
本発明の第5の観点は、第4の観点に基づく発明であって、前記ゲルマニウム化合物を析出させる工程が、前記転写用基材上の前記圧縮層にゲルマニウム化合物を含有する溶液を塗布して乾燥する工程であるか、前記転写用基材上の前記圧縮層をゲルマニウム化合物を含有する溶液に浸漬して前記溶液を乾燥する工程であるか、或いは前記転写用基材上の前記圧縮層をゲルマニウム化合物蒸気に暴露して乾燥する工程である透明導電体の製造方法である。
本発明の第6の観点は、転写用基材の上面に透明導電性粒子と分散媒からなる塗布液を塗布し乾燥して粒子層を形成する工程と、前記粒子層を不活性ガス雰囲気又は還元雰囲気下で200℃〜800℃の温度で加熱処理する工程と、前記加熱処理した転写用基材上の前記粒子層中の前記透明導電性粒子表面に前記ゲルマニウム化合物を析出させる工程と、前記転写用基材上の前記粒子層に樹脂液を塗布して前記樹脂液を前記粒子層中の前記透明導電性粒子間の空隙に含浸する工程と、前記樹脂液を乾燥して前記粒子層上に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層の上面に支持用透明基材を貼り合わせる工程と、前記樹脂層に含まれる前記樹脂を硬化させて前記樹脂層付きの粒子層を透明導電膜にする工程と、前記転写用基材を前記透明導電膜から剥離して前記支持用透明基材上に前記透明導電膜を残存させた透明導電体を得る工程とを含む透明導電体の製造方法である。
本発明の第7の観点は、第6の観点に基づく発明であって、前記ゲルマニウム化合物を析出させる工程が、前記転写用基材上の前記粒子層にゲルマニウム化合物を含有する溶液を塗布して乾燥する工程であるか、前記転写用基材上の前記粒子層をゲルマニウム化合物を含有する溶液に浸漬して前記溶液を乾燥する工程であるか、或いは前記転写用基材上の前記粒子層をゲルマニウム化合物蒸気に暴露して乾燥する工程である透明導電体の製造方法である。
本発明の第8の観点は、転写用基材の上面に透明導電性粒子と分散媒からなる塗布液を塗布し乾燥して粒子層を形成する工程と、前記粒子層を上面に形成した前記転写用基材を圧縮処理して前記粒子層を圧縮層にする工程と、前記転写用基材上の圧縮層を不活性ガス雰囲気又は還元雰囲気下で200℃〜800℃の温度で加熱処理する工程と、前記転写用基材上の前記圧縮層中の前記透明導電性粒子表面に前記ゲルマニウム化合物を析出させる工程と、前記転写用基材上の前記圧縮層に樹脂液を塗布して前記樹脂液を前記圧縮層中の前記透明導電性粒子間の空隙に含浸する工程と、前記樹脂液を乾燥して前記圧縮層上に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層の上面に支持用透明基材を貼り合わせる工程と、前記樹脂層に含まれる前記樹脂を硬化させて前記樹脂層付きの圧縮層を透明導電膜にする工程と、前記転写用基材を前記透明導電膜から剥離して前記支持用透明基材上に前記透明導電膜を残存させた透明導電体を得る工程とを含む透明導電体の製造方法である。
本発明の第9の観点は、第8の観点に基づく発明であって、前記ゲルマニウム化合物を析出させる工程が、前記転写用基材上の前記圧縮層にゲルマニウム化合物を含有する溶液を塗布して乾燥する工程であるか、前記転写用基材上の前記圧縮層をゲルマニウム化合物を含有する溶液に浸漬して前記溶液を乾燥する工程であるか、或いは前記転写用基材上の前記圧縮層をゲルマニウム化合物蒸気に暴露して乾燥する工程である透明導電体の製造方法である。
本発明の第1の観点の透明導電膜は、体積抵抗率が5×10−2Ωcm以下であるため、電気抵抗値が低く、導電性に優れる。体積抵抗率が5×10−2Ωcmを超えると、求められる表面抵抗値を得るために、膜厚を厚くしても透過率が下がってしまい透明導電膜として求められる特性を満たせなくなってしまう。透明導電性粒子によって形成された粒子層の前記粒子表面にゲルマニウム化合物が存在し、このゲルマニウム化合物が透明導電性粒子表面を被覆すると考えられるため、透明導電性粒子表面に水分が吸着して透明導電性粒子を加水分解するのを抑制する。この結果、透明導電膜を熱的環境の高温高湿下で長時間保持しても、電気抵抗値の上昇が抑制される。
本発明の第2の観点では、透明導電性粒子が錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)又はガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)の金属酸化物粒子であるため、この導電膜は透明性と導電性に優れる。
本発明の第3の観点では、上記透明導電膜が支持用透明基材上に形成された透明導電体は、電気抵抗値が低く、高温高湿下で長時間保持したときの電気抵抗値の上昇を抑制することができる。
本発明の第4の観点では、圧縮処理により粒子層を圧縮層にすることにより、粒子間隙が狭まり、この方法で得られる透明導電膜の電気抵抗値を低くすることができる。その後、圧縮層中の透明導電性粒子表面に前記ゲルマニウム化合物を析出させ、更に圧縮層に樹脂液を塗布して圧縮層中の透明導電性粒子間の空隙に樹脂を含浸する。透明導電性粒子表面にゲルマニウム化合物が存在し、このゲルマニウム化合物が透明導電性粒子表面を被覆すると考えられるため、透明導電性粒子表面に水分が吸着して透明導電性粒子を加水分解するのを抑制する。この結果、透明導電膜を熱的環境の高温高湿下で長時間保持しても、電気抵抗値の上昇が抑制される。転写用基材の上面に作製した透明導電膜を支持用透明基材に転写することにより透明導電体を製造するので、透明導電膜の支持用透明基材として、本発明の加熱工程で熱的に耐えられる材質の基材を用いなくて済む特長がある。
本発明の第5、第7及び第9の観点では、ゲルマニウム化合物の析出を、転写用基材上の圧縮層又は粒子層にゲルマニウム化合物を含有する溶液を塗布した後、又は転写用基材上の圧縮層又は粒子層をゲルマニウム化合物を含有する溶液に浸漬した後、乾燥することにより行うことで、十分にゲルマニウム化合物を透明導電性粒子表面に膜状又は粉状に被覆させることができる。更にゲルマニウム化合物の析出を、転写用基材上の圧縮層又は粒子層をゲルマニウム化合物蒸気に暴露して乾燥することにより行うことで、ゲルマニウム化合物が気化する化合物であれば、簡便にゲルマニウム化合物を透明導電性粒子表面に膜状又は粉状に被覆させることができる。
本発明の第6の観点では、粒子層を加熱処理することにより、粒子層中の粒子がネッキングする。これにより粒子間の接触抵抗が減少するため、この方法で得られる透明導電膜の電気抵抗値を低くすることができる。その後、粒子層中の透明導電性粒子表面に前記ゲルマニウム化合物を析出させ、更に粒子層に樹脂液を塗布して粒子層中の透明導電性粒子間の空隙に樹脂を含浸する。透明導電性粒子表面にゲルマニウム化合物が存在し、このゲルマニウム化合物が透明導電性粒子表面を被覆すると考えられるため、透明導電性粒子表面に水分が吸着して透明導電性粒子を加水分解するのを抑制する。この結果、透明導電膜を熱的環境の高温高湿下で長時間保持しても、電気抵抗値の上昇が抑制される。転写用基材の上面に作製した透明導電膜を支持用透明基材に転写することにより透明導電体を製造するので、透明導電膜の支持用透明基材として、本発明の加熱工程で熱的に耐えられる材質の基材を用いなくて済む特長がある。
本発明の第8の観点では、第5の観点の圧縮処理と、第7の観点の加熱処理の両方を行うことにより、より一層粒子間隙が狭まり、この方法で得られる透明導電膜の電気抵抗値をより低くすることができる。その後、圧縮層中の透明導電性粒子表面に前記ゲルマニウム化合物を析出させ、更に圧縮層に樹脂液を塗布して圧縮層中の透明導電性粒子間の空隙に樹脂を含浸する。透明導電性粒子表面にゲルマニウム化合物が存在し、このゲルマニウム化合物が透明導電性粒子表面を被覆すると考えられるため、透明導電性粒子表面に水分が吸着して透明導電性粒子を加水分解するのを抑制する。この結果、透明導電膜を熱的環境の高温高湿下で長時間保持しても、電気抵抗値の上昇が抑制される。転写用基材の上面に作製した透明導電膜を支持用透明基材に転写することにより透明導電体を製造するので、透明導電膜の支持用透明基材として、本発明の加熱工程で熱的に耐えられる材質の基材を用いなくて済む特長がある。
第1実施形態の透明導電体の製造工程を示す模式図である。図1(a)は粒子層の形成を示す図であり、図1(b)は圧縮層の形成を示す図であり、図1(c)はゲルマニウム化合物を含有する溶液を塗布する図であり、図1(d)は樹脂液の塗布・乾燥と樹脂層の形成を示す図であり、図1(e)は支持用透明基材の貼り合わせを示す図であり、図1(f)は樹脂の硬化と転写用基材の剥離を示す図であり、図1(g)は転写用基材を剥離した後の透明導電体を示す図である。 第2実施形態の透明導電体の製造工程を示す模式図である。図2(a)は粒子層の形成を示す図であり、図2(b)は粒子層の加熱処理を示す図であり、図2(c)はゲルマニウム化合物を含有する溶液を塗布する図であり、図2(d)は樹脂液の塗布・乾燥と樹脂層の形成を示す図であり、図2(e)は支持用透明基材の貼り合わせを示す図であり、図2(f)は樹脂の硬化と転写用基材の剥離を示す図であり、図2(g)は転写用基材を剥離した後の透明導電体を示す図である。 第3実施形態の透明導電体の製造工程を示す模式図である。図3(a)は粒子層の形成を示す図であり、図3(b)は圧縮層の形成を示す図であり、図3(c)は圧縮層の加熱処理を示す図であり、図3(d)はゲルマニウム化合物を含有する溶液を塗布する図であり、図3(e)は樹脂液の塗布・乾燥と樹脂層の形成を示す図であり、図3(f)は支持用透明基材の貼り合わせを示す図であり、図3(g)は樹脂の硬化と転写用基材の剥離を示す図であり、図3(h)は転写用基材を剥離した後の透明導電体を示す図である。 実施例1の薄片化したITO透明導電体をSTEM−EDSにより91万倍の倍率で観察した写真図である。 図4の写真図におけるGeの層とITO粒子を模式的に示す図である。
<本発明の第1の実施形態>
次に本発明の第1の実施形態を図1(a)〜(g)に基づいて説明する。第1の実施形態では、後述する圧縮処理を行って圧縮層を形成するが、この圧縮層を加熱処理しないことに特徴がある。
〔粒子層の形成〕
図1(a)に示すように、転写用基材1の上面に透明導電性粒子と分散媒からなる透明導電膜形成用塗料である塗布液を塗布し乾燥して粒子層2を形成する。転写用基材1としては、後述する圧縮工程の圧縮力を大きくしても割れることがない可撓性樹脂フィルムが用いられる。本発明の透明導電体の製造工程中、粒子層を転写基材から別の支持用透明基材に転写するため、転写用基材に無色透明でない樹脂フィルムや金属箔を用いることができる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリイミド(PI)フィルム等が例示される。
透明導電性粒子としては、透明導電性粒子が錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)又はガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等の金属酸化物粒子を用いることができる。特に、ITO粒子がより優れた導電性を示すため好ましい。透明導電性粒子のD50平均粒子径は、1μm以下であり、好ましくは20nm〜200nmである。この粒子径はレーザー回折型粒度分布測定装置により測定される。
分散媒としては、水や、メタノール、エタノール、2−ブタノール、1−プロパノール等のアルコール系溶液、エチレンジアミン、2−アミノエタノール、1−ブチルアミン等のアミン系溶液、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド等のアミド系溶液、これらの混合溶液等が用いられる。
塗布液は、透明導電性粒子と分散媒のみから構成され、それ以外に導電性を妨げる樹脂や分散剤を含まない、180℃〜300℃まで加熱したときの質量減少が5%以下である塗布液であることが好ましい。その理由は、樹脂や分散剤は、乾燥後も膜中に残留し、後述する加熱によってガスが発生し得るからである。これによりこの塗布液を塗布して形成される透明導電膜の抵抗値を更に下げることができる。塗布液は、塗布液100質量%に対して1〜70質量%、好ましくは10〜50質量%の割合で透明導電性粒子を分散媒に混合し、ミキサーで攪拌することにより調製する。透明導電性粒子の含有量が1質量%未満では透明導電膜として必要な厚さにならず、また導電性が得られない。70質量%を越えると塗布液の粘度が高くなり過ぎ、塗布が困難となる。また必要に応じて塗布液をホモジェナイザーやビーズミル粉砕機等に入れて、この塗料中で凝集した透明導電性粒子を解砕処理することができる。
塗布液の塗布は、スプレーコーティング、ディスペンサコーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、スリットコーティング、インクジェットコーティング、スクリーン印刷、オフセット印刷、ダイコーティング等の各種の湿式塗工法を採用することができる。特に、転写用基材1がフィルム状又はシート状の基材の場合のコーティングには、スロットダイコーター、コンマコータ−、リップコーター、グラビアコーター等が好適に使用される。図1(a)では、塗布液をスロットダイコータ3で塗布している。
なお、転写用基材1に塗布液を塗布する前に、後述する支持用透明基材上の透明導電膜から転写用基材1を剥離しやすくするために転写用基材1の上面にテフロン(商標)加工(フッ素処理)、シリコーン加工を施すか、又は非粘着性オイルを塗布してもよい。
一方、塗布液の転写用基材への濡れ性が良好でなく、転写用基材上で塗布が均一に行われない場合には、分散液の濡れ性や粒子層との密着性を向上させるために、転写用基材1表面にプライマー層を設けたり、コロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を行ってもよい。
塗布液の乾燥は、風乾、真空乾燥、加熱乾燥のいずれでも良いが、上述した分散媒を除去するため、分散媒の沸点より5〜70℃低い温度範囲で0.5〜10分間、好ましくは、沸点より30〜60℃低い温度で不活性雰囲気下、1分以上行うことが好ましい。沸点との差が70℃以上になると、乾燥が不十分になり易い。乾燥が不十分であると、後述する圧縮層の加熱工程で、ガスが発生し、圧縮層にクラックを生じ易くなり、圧縮層が転写用基材から剥離し易くなる。沸点との差が5℃未満になると、分散媒が急激に揮発し、膜にムラが生じやすくなる。
〔圧縮処理による圧縮層の形成〕
圧縮処理としては、シートプレス処理、カレンダロールを用いたカレンダ処理が挙げられる。図1(b)では、カレンダ処理の例を示す。図1(b)に示すように、粒子層2を上面に形成した転写用基材1をカレンダ処理して粒子層2を圧縮層4にする。粒子層2を圧縮して圧縮層4にすると、透明導電性粒子相互間の接触点が増え接触面が増加し、電気抵抗値が低下し、導電性に優れる。また圧縮により、透明導電性粒子が高充填化され、光学特性が向上する。光学特性においては、特に粒子間空隙による散乱光が減少することにより、光散乱強度を表す値であるヘイズ値が著しく減少し、透明性が高くなる。
カレンダ処理は、粒子層の上面に離型処理又はハードコート処理の施されたカバーフィルム(図示せず)を重ね合せ、この状態で一対のカレンダロール5の間を通して、ロール圧力100〜2000kg/cm、送り出し速度0.1〜10m/分の条件で圧力を加える。カレンダロールを通過後、カバーフィルムを剥離する。これにより転写用基材1上に圧縮層4が形成される。
〔粒子表面へのゲルマニウム化合物の析出〕
本発明の粒子表面へのゲルマニウム化合物の析出とは、ゲルマニウム化合物が膜状又は粉状で粒子表面の一部又は全部を被覆した状態をいう。ゲルマニウム化合物の析出量は、透明導電性粒子を構成する酸化物100質量%に対して1〜100重量%であることが好ましい。この析出量が1質量%未満では透明導電性粒子表面へのゲルマニウム化合物の析出が少なすぎて、その効果を発揮しない。また100質量%を越えると膜表面まで厚く被覆され、絶縁性となってしまう不具合を生じる。本発明に用いられるゲルマニウム化合物としては、溶媒に溶解可能な有機ゲルマニウム化合物、酸化ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム又はゲルマニウム錯体が好ましい。有機ゲルマニウム化合物としては、テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、イソブチルゲルマン、三塩化アルキルゲルマニウム、三塩化ジメチルアミノゲルマニウム等が挙げられる。またゲルマニウム錯体としては、ニトロトリフェノール錯体(Ge2(ntp)2O)、カテコール錯体(Ge(cat)2)又はアミノピレン錯体(Ge2(ap)2Cl2)等が挙げられる。電子材料においては、ハロゲンが腐食性であることから電子部材を腐食しやすいため、ハロゲンを含まないゲルマニウム化合物が好ましい。
転写用基材1上の圧縮層4中の透明導電性粒子表面に上記ゲルマニウム化合物を析出するために、次の3つの方法がある。
・ 塗布法
塗布法は、図1(c)に示すように、ゲルマニウム化合物を含有する溶液を転写用基材1上の圧縮層4上に塗布する方法である。この塗布用溶液は、上記ゲルマニウム化合物をアルコールやトルエン、テトラヒドロフラン等の溶媒に溶解して、必要により中和して調製される。例えば、テトラエトキシゲルマニウムはエタノール、ニトロトリフェノール錯体はトルエンに溶解することができる。酸化ゲルマニウムは水や極性を持つ有機溶媒にわずかに溶けることが知られている。この溶液も上述した理由でハロゲンを含まないものが好ましい。酸化ゲルマニウムの溶解量はわずかであるため、酸化ゲルマニウムの比表面積を大きくすることや熱や機械的な衝撃を与えることが有効である。例えば、酸化ゲルマニウムをエタノールに酸化ゲルマニウムが10質量%になるように添加し、ジルコニアビーズを用いてビーズミルを行うことで上記の溶液を作製することができ、この分散液を遠心分離して上澄みだけを用いてもよい。この溶液の塗布方法は、上述した透明導電性粒子と分散媒からなる塗布液の塗布方法と同じである。図1(c)では、ゲルマニウム化合物含有溶液をスピンコーター7で塗布している。塗布後の乾燥方法は、上述した透明導電性粒子と分散媒からなる塗布液の乾燥方法と同じである。この乾燥によりゲルマニウム化合物が透明導電性粒子表面に析出する。
・ 浸漬法
浸漬法は、図示しないが、ゲルマニウム化合物を含有する溶液に転写用基材1上の圧縮層4を浸漬する方法である。この浸漬用溶液は、上述した塗布用溶液と同じ溶液を用いてもよいが、濃度を変えた溶液でもよい。例えば、室温の浸漬用溶液に転写用基材1上の圧縮層4を浸漬した後引上げ、乾燥させる。浸漬用溶液に浸漬する時間に制限はないが、上記溶液をITO粒子間隙により確実に浸透させるため、1分間以上浸漬することが好ましい。乾燥方法は、上述した透明導電性粒子と分散媒からなる塗布液の乾燥方法と同じである。この乾燥によりゲルマニウム化合物が透明導電性粒子表面に析出する。
・ 暴露法
暴露法は、図示しないが、ゲルマニウム化合物が気化する化合物、例えばテトラメチルゲルマン、テトラエチルゲルマン、テトライソブチルゲルマン等であれば、密閉可能な容器に例示したゲルマニウム化合物を入れて40℃で容器を加熱することにより、ゲルマニウム化合物を気化させ、その蒸気に転写用基材1上の圧縮層4を暴露する方法である。暴露は例えば20〜100℃の温度で5〜60分間行う。暴露後、圧縮層を乾燥する。この乾燥方法は、上述した透明導電性粒子と分散媒からなる塗布液の乾燥方法と同じである。この乾燥によりゲルマニウム化合物が透明導電性粒子表面に析出する。
〔樹脂液の塗布・乾燥と樹脂層の形成〕
次に、図1(d)に示すように、転写用基材1上の圧縮層4に樹脂液を塗布して樹脂液を圧縮層中の透明導電性粒子間の空隙に含浸する。この樹脂液を乾燥して圧縮層4上に樹脂層8を形成する。塗布方法としては、スプレーコーティング、ディスペンサコーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、スリットコーティング、インクジェットコーティング、スクリーン印刷、オフセット印刷、ダイコーティング等が例示される。図1(c)は、スプレーコーター9を用いた塗布法の例を示す。
樹脂液は、樹脂と溶剤からなる。この樹脂液に樹脂劣化防止剤を含んでもよい。樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂又はアクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、シリコーン樹脂等の紫外線硬化性樹脂が例示される。樹脂とともに硬化開始剤を用いることが好ましい。こうした樹脂としては、樹脂層になったときに後述する支持用透明基材に対して接着性があるものが選択される。樹脂劣化防止剤としては、アミン系、ヒンダードアミン系、フェノール系、ホスファイト系、又はチオエーテル系樹脂劣化防止剤が例示される。溶剤としては、上記樹脂及び樹脂劣化防止剤を溶解する溶剤であれば特に限定されないが、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、エタノール等が例示される。樹脂は、樹脂液100質量%に対して、10〜80質量%、好ましくは20〜50質量%の割合で混合する。紫外線により硬化する場合、硬化開始剤は樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部混合する。また樹脂劣化防止剤は、樹脂100質量部に対して、0.5〜8質量部混合する。残部は溶剤である。この混合は混合物をミキサーで攪拌することにより行われる。樹脂劣化防止剤は樹脂層になったときにその樹脂層に白濁や着色を生じさせないようにその種類とその混合量を決めることが好ましい。
樹脂液を乾燥すると、樹脂液中の溶剤が除去される。樹脂液の乾燥は、風乾、真空乾燥、加熱乾燥のいずれでも良いが、上述した溶剤を除去するため、溶剤の沸点より5〜80℃低い温度範囲で0.5〜10分間、好ましくは、沸点より20〜70℃低い温度で不活性雰囲気下、1分以上行うことが好ましい。
〔支持用透明基材の貼り合わせ〕
次に、図1(e)に示すように、転写用基材1上の樹脂層8の上面に支持用透明基材11を貼り合わせる。支持用透明基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル等の可撓性樹脂フィルムやガラスが用いられる。支持用透明基材11の貼り合わせは、支持用透明基材と樹脂層の間に気泡が入らないように行う。また支持用透明基材11の樹脂層8との接着面には接着を容易にするために、ウレタン樹脂等のプライマー層を設けたり、この接着面にコロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を行ってもよい。
〔樹脂の硬化と転写用基材の剥離と透明導電体の形成〕
次に、図1(f)に示すように、転写用基材1上の樹脂層8に含まれる樹脂を硬化させて樹脂層8付きの圧縮層4を透明導電膜10にする。樹脂がエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂であれば、樹脂が硬化するまで加熱する。硬化条件は、支持用透明基材が熱的損傷を受けない範囲であり、樹脂が硬化すれば限定されないが、不活性雰囲気下で80〜120℃で1〜60分間が好ましい。樹脂が紫外線で硬化するアクリル樹脂やエポキシアクリレート樹脂等の紫外線硬化性樹脂であれば、支持用透明基材側から紫外線を照射する。樹脂が硬化する条件であれば、紫外線の強度や波長には限定はないが、強度は0.5〜10J/cmの出力が好ましい。これにより圧縮層が樹脂により封止され、圧縮層中の粒子間に樹脂を含浸させることで、粒子とその周囲の屈折率の差を小さくすることができ、ヘイズを低減し、光の透過率を上げることができる。
最後に、転写用基材1を透明導電膜10を構成する圧縮層4から剥離する。転写用基材1の剥離は、転写用基材1と圧縮層4の間に分離爪を入れて剥離する方法、転写用基材1の端部を圧縮層4の端部から分離した後、分離した間に圧縮空気を送り込んで剥離する方法、転写用基材1に粘着テープを貼り付け、転写用基材1を剥離する方法、又は上記方法を組み合わせた方法等により転写用基材1を透明導電膜10を構成する圧縮層4から剥離する。これにより、図1(f)に示すように、支持用透明基材11上に透明導電膜10を残存させた透明導電体11を得る。このようにして得られた透明導電膜はその体積抵抗率が5×10−2Ωcm以下の範囲にある。
<本発明の第2の実施形態>
次に本発明の第2の実施形態を図2(a)〜(g)に基づいて説明する。第2の実施形態では、前述した圧縮処理を行わず、即ち圧縮層を形成せずに、粒子層を加熱処理をすることに特徴がある。
〔粒子層の形成〕
図2(a)に示すように、第1の実施形態と同様にして、粒子層2を形成する。
〔粒子層の加熱処理〕
続いて、第1の実施形態で行った圧縮処理(カレンダ処理)をせずに、図2(b)に示すように、粒子層を加熱処理する。具体的には、転写用基材1上の粒子層2を不活性ガス雰囲気又は還元雰囲気下で200℃以上、基材が損傷しない温度以下で加熱処理する。粒子層を加熱処理することにより、粒子層中の粒子がネッキングする。加熱処理の方法としては、電気炉加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱、フラッシュランプアニール、レーザー焼成等が挙げられる。図2(b)は、転写用基材1の上面に形成された粒子層2の加熱方法として、フラッシュランプ6により加熱する例を示す。
フラッシュランプアニール処理において、照射エネルギー密度及び照射時間は、粒子層2の初期抵抗を低下させることができればよく、特に限定されないが、照射エネルギー密度は、0.5〜30J/cmの範囲、照射時間は50μsから5msまでの範囲であることが好ましく、更には、照射エネルギー密度は、1〜20J/cmの範囲、照射時間は100μsから1000μsまでの範囲であることが特に好ましい。本発明において、照射エネルギー密度は、フラッシュランプアニール処理で、粒子層の単位面積に照射されるトータルのエネルギーを単位面積当りにした値をいう。照射エネルギー密度が0.5J/cm未満であるか又は照射時間が50μsより短いと、粒子層2の導電性が向上しない。30J/cmを超えるか又は照射時間が50msを超えると、転写用基材1が熱的損傷を受けるとともに、粒子層2が吹き飛んでしまう。また、照射回数は1回である必要は無く、粒子層2や転写用基材1に熱的損傷を与えない範囲で複数回照射することができる。例えば、ロール トゥ ロール(ロール状に巻いたフィルム基板巻き戻す過程で蒸着、スパッタリング、コーティングなどの方式でフィルム上に連続的に成膜する生産方式。)での処理を行う際に、1パルスに付き、照射面積の1/3ずつオーバーラップさせながら連続照射することによって、単位面積当たり3回照射されることになり、ロール トゥ ロールでのフラッシュランプアニール処理のムラを低減することができる。
〔粒子表面へのゲルマニウム化合物の析出〕
次に、図2(c)に示すように、第1の実施形態の圧縮層の代わりに、転写用基材1上の粒子層2の透明導電性粒子表面にゲルマニウム化合物を析出させる。この析出方法は、第1の実施形態と同じである。
〔樹脂液の塗布・乾燥と樹脂層の形成〕
次に、図2(d)に示すように、転写用基材1上の粒子層2に樹脂液を塗布して樹脂液を粒子層中の透明導電性粒子間の空隙に含浸する。この樹脂液を乾燥して粒子層2上に樹脂層8を形成する。この樹脂液の塗布方法、樹脂液の乾燥方法及び樹脂層の形成方法は、第1の実施形態と同じである。
〔支持用透明基材の貼り合わせ〕
次に、図2(e)に示すように、転写用基材1上の樹脂層8の上面に支持用透明基材11を貼り合わせる。この支持用透明基材の貼り合わせ方法は、第1の実施形態と同じである。
〔樹脂の硬化と転写用基材の剥離と透明導電体の形成〕
次に、図2(f)に示すように、転写用基材1上の樹脂層8に含まれる樹脂を硬化させて樹脂層8付きの粒子層2を透明導電膜10にする。第1の実施形態の樹脂層付きの圧縮層の代わりに樹脂層付きの粒子層を透明導電膜とする以外は、第1の実施形態と同じである。続いて、図2(g)に示すように、第1の実施形態と同様にして、支持用透明基材11上に透明導電膜10を残存させた透明導電体11を得る。このようにして得られた透明導電膜はその体積抵抗率が5×10−2Ωcm以下の範囲にある。
<本発明の第3の実施形態>
次に本発明の第3の実施形態を図3(a)〜(h)に基づいて説明する。第3の実施形態では、第1の実施形態の圧縮処理(カレンダ処理)を行うとともに、第2の実施形態の加熱処理を行うことに特徴がある。
〔粒子層の形成〕
図3(a)に示すように、第1の実施形態と同様に、粒子層2を形成する。
〔圧縮処理による圧縮層の形成〕
次いで、図3(b)に示すように、第1の実施形態と同様にして、粒子層2を上面に形成した転写用基材1を圧縮処理(カレンダ処理)して粒子層2を圧縮層4にする
〔圧縮層の加熱処理〕
続いて、図3(c)に示すように、第2の実施形態の粒子層の代わりに、圧縮層4を加熱処理する。この加熱処理方法は第2の実施形態と同じである。
〔粒子表面へのゲルマニウム化合物の析出〕
次に、図3(d)に示すように、第2の実施形態の粒子層の代わりに、転写用基材1上の圧縮層4の透明導電性粒子表面にゲルマニウム化合物を析出させる。この析出方法は、第1の実施形態と同じである。
〔樹脂液の塗布・乾燥と樹脂層の形成〕
次に、図3(e)に示すように、第2の実施形態の粒子層の代わりに、転写用基材1上の圧縮層4に樹脂液を塗布して樹脂液を圧縮層中の透明導電性粒子間の空隙に含浸する。この樹脂液を乾燥して圧縮層4上に樹脂層8を形成する。この樹脂液の塗布方法、樹脂液の乾燥方法及び樹脂層の形成方法は、第1の実施形態と同じである。
〔支持用透明基材の貼り合わせ〕
次に、図3(f)に示すように、転写用基材1上の樹脂層8の上面に支持用透明基材11を貼り合わせる。この支持用透明基材の貼り合わせは、第1の実施形態と同じである。
〔樹脂の硬化と転写用基材の剥離と透明導電体の形成〕
次に、図3(g)に示すように、第1の実施形態と同様にして、転写用基材1上の樹脂層8に含まれる樹脂を硬化させて樹脂層8付きの圧縮層4を透明導電膜10にする。続いて、図3(h)に示すように、第1の実施形態と同様にして、支持用透明基材11上に透明導電膜10を残存させた透明導電体11を得る。このようにして得られた透明導電膜はその体積抵抗率が5×10−2Ωcm以下の範囲にある。
次いで、透明導電膜の評価方法について説明する。
(a) 透明導電膜の表面抵抗率
透明導電膜の表面抵抗率を以下の手順にて測定した。試料となる透明導電体を50×50mm□にカットし、抵抗測定器(三菱油化(株)社製、製品名:Loresta AP MCP−T400)を使用し、透明導電膜の予め定められた測定点で測定し、その測定値を透明導電膜の表面抵抗率とした。転写用基材を剥離した直後の透明導電膜の表面抵抗率(初期抵抗率)とした。また85℃、相対湿度85%RHに制御された恒温恒湿槽内に透明導電体を500時間保管した後に、初期抵抗率の測定時に定めた測定点において再度表面抵抗率を測定し、その測定値を加湿後抵抗率とした。加湿後抵抗率を初期抵抗率で除することにより、表面抵抗率の変化率を求める。
(b) 透明導電膜の膜厚
透明導電膜の膜厚を蛍光X線膜厚測定装置(セイコーインスツルメント(株)社製、製品名:SFT9400)を用い測定した。膜厚は膜厚既知の透明導電膜から検量線を作成し、試料の特性X線の検出強度から重量換算での膜厚を算出する。
(c) 体積抵抗率
上記(a)で求められた表面抵抗率(初期抵抗率)に上記(b)で算出された膜厚を乗算することにより、体積抵抗率を算出する。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
分散媒のエタノール40.0gに平均粒径120nmのITO粒子10gを添加し、超音波ホモジェナイザーで30分間分散し、ITO導電膜形成用塗料である塗布液を調製した。この塗布液をスロットダイコーターを用いて、転写用基材である100mm×300mmの長方形のポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)社製、製品名:カプトン100H)の上に塗布した。塗布した塗布液を25℃の大気中で5分間乾燥を行って転写用基材上に粒子層を形成した。この粒子層を上面に形成した転写用基材をカレンダ処理した。具体的にはカレンダロール圧力1000kg/cm、送り出し速度1m/分で粒子層に圧力を上記転写用基材に加えることで、粒子層を圧縮層にした。得られた圧縮層の層厚を蛍光X線を用いて測定したところ、重量換算膜厚は0.4μmであった。このように作製した転写用基材を50×50mm□に切り出した。
この転写用基材上の圧縮層に二酸化ゲルマニウム0.5gと溶媒のエタノール4.5g、ジルコニアビーズ20gを20mlスクリュー管瓶に充填し、ペイントシェーカで15時間分散したゲルマニウム分散液(ゲルマニウム化合物含有量:10質量%)をスピンコーターにより塗布して20℃で1分乾燥した。一方、溶剤のメチルイソブチルケトンに紫外線硬化性樹脂であるエポキシアクリレート樹脂(日立化成(株)社製、製品名:ヒタロイド7663)と硬化開始剤(BASF(株)社製、製品名:イルガキュア184)を溶解して樹脂液を調製した。紫外線硬化性樹脂は樹脂液に対して25質量%含ませ、硬化開始剤は1質量%、樹脂に対してそれぞれ含ませた。この樹脂液を加熱処理した圧縮層上にスプレーコーティングし、樹脂液を圧縮層中のITO粒子間の空隙に含浸した。この樹脂液を熱風乾燥機を用いて、大気雰囲気下で90℃の温度で1分間乾燥し、圧縮層上に溶剤を十分に除去した樹脂層を形成した。
予め表面にウレタン樹脂のプライマー層が設けられた支持用透明基材のPETフィルムを上記樹脂層に貼り合わせた。貼り合わせ後、支持用透明基材側から1.4J/cmの出力で紫外線を照射して、エポキシアクリレート樹脂を硬化させた。これにより樹脂層付きの圧縮層を透明導電膜にした。更に、この透明導電膜を構成する圧縮層からポリイミドフィルムの転写用基材を剥離してITO透明導電体を得た。この透明導電膜の表面抵抗率を上述した方法で測定した。その結果、初期抵抗率は272Ω/□であり、加湿後抵抗率は461Ω/□であった。変化率は1.7であった。また、ITO透明導電体の両面にシリコンウェハをそれぞれ配置しこの両面にシリコンウェハを張り合わせた後、機械研磨とイオン研磨を用いて薄片化し、STEM-EDS(Scanning Transmission Electron Microscope Energy-Dispersive-Spectroscopy)による分析を行ったところ、ITO粒子表面の薄い層からGeとO、Cが検出された。Geを含む層の結晶構造や組成を特定することはできなかったが、Geを含む層は非晶質であった。図4にSTEM-EDSにより観察したGeを含む層とITO粒子の写真図を、図5にこの写真図の模式図をそれぞれ示す。図4及び図5から明らかなように、ITO粒子表面にGeが存在することが確認された。
<実施例2>
ガラス容器に、実施例1と同様に作製した転写用基材上の圧縮層とテトラエトキシゲルマニウムを一緒に収容して密封し、ガラス容器内の雰囲気を窒素に置換した後に、ガラス容器を50℃の乾燥機に入れ、上記圧縮層を60分間テトラエトキシゲルマニウムの蒸気に曝した。ガラス容器から圧縮層を取り出し、20℃で10分乾燥した。熱硬化樹脂である2液型のエポキシ樹脂(三菱ガス化学製、製品名:マクシーブ)の主剤及び硬化剤をそれぞれ固形分が25質量%になるようにエタノールで希釈した。主剤の希釈液と硬化剤の希釈液を同量ずつ混合し、混合後60分以内に実施例1と同様に圧縮層上に塗布した。塗布後、予め表面にウレタン樹脂のプライマー層が設けられた支持用透明基材のPETフィルムを上記樹脂層に貼り合わせ、大気中120℃で10分加熱し、エポキシ樹脂を硬化させた。これにより樹脂層付きの圧縮層を透明導電膜にした。更に、この透明導電膜を構成する圧縮層からポリイミドフィルムの転写用基材を剥離してITO透明導電体を得た。この圧縮層の重量換算膜厚は0.4μmであった。この透明導電体の初期抵抗率は260Ω/□であり、加湿後抵抗率は494Ω/□であった。変化率は1.9であった。また、ITO透明導電体を実施例1と同様に薄片化し、STEM-EDSによる分析を行ったところ、ITO粒子表面の薄い層からGeとO、Cが検出された。Geを含む層の結晶構造や組成を特定することはできなかったが、Geを含む層は非晶質であった。
<実施例3>
実施例1のゲルマニウム含有溶液を、ゲルマニウム錯体(Ge2(ntp)2O)0.01gを溶媒のトルエン0.99gに溶解させた溶液(ゲルマニウム化合物含有量:1質量%)とし、この溶液に実施例1と同様に作製した転写用基材上の圧縮層を1分間浸漬した。この転写用基材を上記溶液から引き上げた後、圧縮層を20℃で5分乾燥した。これ以外は、実施例1と同じ方法で、ITO透明導電体を得た。この圧縮層の重量換算膜厚は0.4μmであった。この透明導電体の初期抵抗率は288Ω/□であり、加湿後抵抗率は691Ω/□であった。変化率は2.4であった。また、ITO透明導電体をを実施例1と同様に薄片化し、STEM-EDSによる分析を行ったところ、ITO粒子表面の薄い層からGeとN、O、Cが検出された。Geを含む層の結晶構造や組成を特定することはできなかったが、Geを含む層は非晶質であった。
<実施例4>
実施例1でポリイミドフィルム上に形成したITO粒子層にカレンダ処理を行わず、窒素中で500℃1時間の熱処理を行った以外、実施例1と同じ方法で、ITO透明導電体を得た。この粒子層の重量換算膜厚は0.4μmであった。この透明導電体の初期抵抗率は527Ω/□であり、加湿後抵抗率は1102Ω/□であった。変化率は2.1であった。
<実施例5>
実施例1でポリイミドフィルム上に形成したITO粒子層にカレンダ処理を行った後に、赤外線加熱炉を用い窒素中で300℃1時間の熱処理を行った以外、実施例1と同じ方法で、ITO透明導電体を得た。この粒子層の重量換算膜厚は0.4μmであった。この透明導電体の初期抵抗率は95Ω/□であり、加湿後抵抗率は169Ω/□であった。変化率は1.8であった。
<実施例6>
実施例1で透明導電性粒子をITOからATOに変更した以外、実施例5と同じ方法で、ITO透明導電体を得た。この圧縮層の重量換算膜厚は0.5μmであった。この透明導電体の初期抵抗率は925Ω/□であり、加湿後抵抗率は1577Ω/□であった。変化率は1.7であった。
<実施例7>
実施例1で透明導電性粒子をITOからATOに変更した以外、実施例5と同じ方法で、ITO透明導電体を得た。この圧縮層の重量換算膜厚は0.5μmであった。この透明導電体の初期抵抗率は491Ω/□であり、加湿後抵抗率は1080Ω/□であった。変化率は2.2であった。
<実施例8>
実施例1で透明導電性粒子をITOからATOに変更した以外、実施例5と同じ方法で、ITO透明導電体を得た。この圧縮層の重量換算膜厚は0.5μmであった。この透明導電体の初期抵抗率は501Ω/□であり、加湿後抵抗率は998Ω/□であった。変化率は2.0であった。
<比較例1>
実施例1のゲルマニウム含有溶液(ゲルマニウム化合物含有量:10質量%)を圧縮層に塗布しない以外は、実施例1と同じ方法で、ITO透明導電体を得た。この圧縮層の重量換算膜厚は0.4μmであった。この透明導電体の初期抵抗率は247Ω/□であり、加湿後抵抗率は815Ω/□であった。変化率は3.3であった。
<比較例2>
実施例1のゲルマニウム含有溶液(ゲルマニウム化合物含有量:10質量%)を粒子層に塗布しない以外は、実施例4と同じ方法で、ITO透明導電体を得た。この圧縮層の重量換算膜厚は0.4μmであった。この透明導電体の初期抵抗率は511Ω/□であり、加湿後抵抗率は2140Ω/□であった。変化率は4.2であった。
<比較例3>
実施例1のゲルマニウム含有溶液(ゲルマニウム化合物含有量:10質量%)を圧縮層に塗布しない以外は、実施例5と同じ方法で、ITO透明導電体を得た。この圧縮層の重量換算膜厚は0.4μmであった。この透明導電体の初期抵抗率は97Ω/□であり、加湿後抵抗率は311Ω/□であった。変化率は3.2であった。
実施例1〜9、比較例1〜3の概要を表1に示し、実施例1〜9、比較例1〜3で得られた透明導電体の透明導電膜の初期抵抗率と加湿後抵抗率とその変化率と透明導電膜の膜厚とその体積抵抗率を表2に示す。
<評価>
透明導電性粒子表面にゲルマニウム化合物が存在しない比較例1、2、3の透明導電膜では、体積抵抗率がそれぞれ1.0×10−2Ω・cm、2.0×10−2Ω・cm、0.4×10−2Ω・cmと低かったが、変化率が3.3、4.2、3.2倍と高かった。
これに対して、透明導電性粒子表面にゲルマニウム化合物を有する実施例1〜8の透明導電膜では、体積抵抗率が5.0×10−2Ω・cm以下と低いうえ、かつ変化率は1.7〜2.2倍と比較例の変化率より小さく、実施例1〜8の透明導電膜が高温高湿下で長時間保持したときの電気抵抗値の上昇を抑制することが分かった。
本発明の透明導電膜を備えた透明導電体は、電子ペーパ、LCD、PDP、LED、LD又はEL等の表示装置又はタッチパネル、太陽電池の電極などに利用できる。
1 転写用基材
2 粒子層
3 スロットダイコーター
4 圧縮層
5 カレンダロール
6 フラッシュランプ
7 スピンコーター
8 樹脂層
9 スプレーコーター
10 透明導電膜
11 支持用透明基材
12 透明導電体

Claims (9)

  1. 透明導電性粒子によって形成された粒子層の前記粒子表面にゲルマニウム化合物が存在し、体積抵抗率が5×10−2Ωcm以下である透明導電膜。
  2. 前記透明導電性粒子が錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)又はガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)の金属酸化物粒子である請求項1記載の透明導電膜。
  3. 請求項1又は2記載の透明導電膜が支持用透明基材上に形成された透明導電体。
  4. 転写用基材の上面に透明導電性粒子と分散媒からなる塗布液を塗布し乾燥して粒子層を形成する工程と、
    前記粒子層を上面に形成した前記転写用基材を圧縮処理して前記粒子層を圧縮層にする工程と、
    前記転写用基材上の前記圧縮層中の前記透明導電性粒子表面に前記ゲルマニウム化合物を析出させる工程と、
    前記転写用基材上の前記圧縮層に樹脂液を塗布して前記樹脂液を前記圧縮層中の前記透明導電性粒子間の空隙に含浸する工程と、
    前記樹脂液を乾燥して前記圧縮層上に樹脂層を形成する工程と、
    前記樹脂層の上面に支持用透明基材を貼り合わせる工程と、
    前記樹脂層に含まれる前記樹脂を硬化させて前記樹脂層付きの圧縮層を透明導電膜にする工程と、
    前記転写用基材を前記透明導電膜から剥離して前記支持用透明基材上に前記透明導電膜を残存させた透明導電体を得る工程と
    を含む透明導電体の製造方法。
  5. 前記ゲルマニウム化合物を析出させる工程が、前記転写用基材上の前記圧縮層にゲルマニウム化合物を含有する溶液を塗布して乾燥する工程であるか、前記転写用基材上の前記圧縮層をゲルマニウム化合物を含有する溶液に浸漬して前記溶液を乾燥する工程であるか、或いは前記転写用基材上の前記圧縮層をゲルマニウム化合物蒸気に暴露して乾燥する工程である請求項4記載の透明導電体の製造方法。
  6. 転写用基材の上面に透明導電性粒子と分散媒からなる塗布液を塗布し乾燥して粒子層を形成する工程と、
    前記粒子層を不活性ガス雰囲気又は還元雰囲気下で200℃〜800℃の温度で加熱処理する工程と、
    前記加熱処理した転写用基材上の前記粒子層中の前記透明導電性粒子表面に前記ゲルマニウム化合物を析出させる工程と、
    前記転写用基材上の前記粒子層に樹脂液を塗布して前記樹脂液を前記粒子層中の前記透明導電性粒子間の空隙に含浸する工程と、
    前記樹脂液を乾燥して前記粒子層上に樹脂層を形成する工程と、
    前記樹脂層の上面に支持用透明基材を貼り合わせる工程と、
    前記樹脂層に含まれる前記樹脂を硬化させて前記樹脂層付きの粒子層を透明導電膜にする工程と、
    前記転写用基材を前記透明導電膜から剥離して前記支持用透明基材上に前記透明導電膜を残存させた透明導電体を得る工程と
    を含む透明導電体の製造方法。
  7. 前記ゲルマニウム化合物を析出させる工程が、前記転写用基材上の前記粒子層にゲルマニウム化合物を含有する溶液を塗布して乾燥する工程であるか、前記転写用基材上の前記粒子層をゲルマニウム化合物を含有する溶液に浸漬して前記溶液を乾燥する工程であるか、或いは前記転写用基材上の前記粒子層をゲルマニウム化合物蒸気に暴露して乾燥する工程である請求項6記載の透明導電体の製造方法。
  8. 転写用基材の上面に透明導電性粒子と分散媒からなる塗布液を塗布し乾燥して粒子層を形成する工程と、
    前記粒子層を上面に形成した前記転写用基材を圧縮処理して前記粒子層を圧縮層にする工程と、
    前記転写用基材上の圧縮層を不活性ガス雰囲気又は還元雰囲気下で200℃〜800℃の温度で加熱処理する工程と、
    前記転写用基材上の前記圧縮層中の前記透明導電性粒子表面に前記ゲルマニウム化合物を析出させる工程と、
    前記転写用基材上の前記圧縮層に樹脂液を塗布して前記樹脂液を前記圧縮層中の前記透明導電性粒子間の空隙に含浸する工程と、
    前記樹脂液を乾燥して前記圧縮層上に樹脂層を形成する工程と、
    前記樹脂層の上面に支持用透明基材を貼り合わせる工程と、
    前記樹脂層に含まれる前記樹脂を硬化させて前記樹脂層付きの圧縮層を透明導電膜にする工程と、
    前記転写用基材を前記透明導電膜から剥離して前記支持用透明基材上に前記透明導電膜を残存させた透明導電体を得る工程と
    を含む透明導電体の製造方法。
  9. 前記ゲルマニウム化合物を析出させる工程が、前記転写用基材上の前記圧縮層にゲルマニウム化合物を含有する溶液を塗布して乾燥する工程であるか、前記転写用基材上の前記圧縮層をゲルマニウム化合物を含有する溶液に浸漬して前記溶液を乾燥する工程であるか、或いは前記転写用基材上の前記圧縮層をゲルマニウム化合物蒸気に暴露して乾燥する工程である請求項8記載の透明導電体の製造方法。
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