JP2009256583A - 液状エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

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要介 澤山
Toshimitsu Fukase
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Abstract

【課題】流動性に優れ、硬化後の反りの低減化が図れ、ブリードの発生が抑制できる液状エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた半田接続信頼性に優れた半導体装置を提供する。
【解決手段】 常温で液状であるエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)及びポリエーテル系化合物(C)を含むエポキシ樹脂組成物であって、前記ポリエーテル系化合物(C)が、末端基として式(1)で表される二級アミノ基を少なくとも1個以上有するものである液状エポキシ樹脂組成物。電子部品と電子部品搭載用基板とを含んで構成され、前記電子部品と前記電子部品搭載用基板との間に間隙を有する半導体装置であって、前記電子部品と前記電子部品搭載用基板との隙間が、前記液状エポキシ樹脂組成物の硬化物によって、充填接着してなることを特徴とする半導体装置。
【化1】
Figure 2009256583

(式(1)中、Xは結合基を示し、Arは芳香族基を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、液状エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置に関する。
情報技術化の進展に伴って、電気・電子機器、通信機器及びコンピューターなどの機器における小型化および情報伝達の高速化が急速に進み、これらに用いる集積回路(IC)パッケージも、小型化や高集積化が進展していて、近年はバンプ接合によるフリップチップ実装技術が著しい成長を見せている。その応用分野はモバイル関連に用いられるチップスケールパッケージ(CSP)やCPUのような大型パッケージと種々なアプリケーションに応用されている。しかしながらこれらのパッケージは、一般に、ICチップと基板(インターポーザー)を半田バンプで電気的に接合した接続方式のため外的強度に弱く、アンダーフィル材と呼ばれる液状樹脂組成物によって、ICチップと基板の隙間に充填接着することにより保護とパッケージの強化をしている。
但し、半田バンプはフリップチップ実装工程で、ICチップと基板との熱膨張差による応力の発生が、バンプ接合部に集中した結果、反りが起こり、更にはアンダーフィル材用液状樹脂組成物(以下、U/F材と称する)の充填接合時の硬化収縮による影響でICチップの反りが助長され、その為に半田バンプへのストレスが掛かり、バンプクラック等の不良が起こる可能性があった。これを解決する手法の一つとして、U/F材に低応力化が求められることになった。
一般に反りは、ICチップと実装用基板との線膨張係数の違いから発生する内部応力や充填接合するU/F材自身の弾性率などに由来する。従って反りの改善には、前記ICチップと実装基板の線膨張係数の整合や前記U/F材の低弾性率化などが有効である。この中で、線膨張係数の整合手法として、前記実装用基板に用いる樹脂組成物中に無機フィラーを高充填する方法がある。しかしU/F材用液状樹脂組成物の場合は、作業性の観点から無機フィラーの充填率には限界がある。そこで、樹脂組成物の弾性率を下げると共に強靭性を付与する内部応力低減化が重要になる。従来のエポキシ樹脂組成物の低応力化の要求においては、エポキシ樹脂の強靭化として可撓性を有する組成物でエポキシ樹脂を変性する方法や添加する方法などが数多く報告されている。例えば、エポキシ樹脂硬化物を強靭化する目的で、横浜国大の垣内らは反応基を有するゴム系エラストマーでエポキシ樹脂を変性する手法を報告している(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、ゴム系エラストマー変性エポキシ樹脂は靭性向上には効果が有るものの樹脂粘度が高くなり過ぎて、半田バンプ接続の隙間に注入できない欠点を起こし、注型用には不適となる。
一方、特許文献1においては、分子末端に水酸基を有するポリエーテルポリオールを添加することにより低応力化が図れることが示されている。しかしながら、分子末端に水酸基を有するポリウレタンポリオールでは、分子量が小さく相溶する場合には、硬化物のガラス転移温度(Tg)の低下を招き、所望のTgを得る為にポリエーテル骨格の分子量を大きくするとエポキシ樹脂との相溶性が低下して、硬化した樹脂表面からポリウレタンポリオールが滲み出す、所謂ブリードの発生が顕著になって信頼性を損なうために制約があり、更なる低応力化改善には問題があった。また、分子鎖両末端に1級アミノ基を有するポリプロピレングリコールを添加することにより、高い靭性を付与して低応力化が図れる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、分子鎖末端に1級アミノ基を有する場合、低温において分子鎖末端のアミノ基とエポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂とが反応、重合することによって、エポキシ樹脂組成物の粘度増加が生じ、エポキシ樹脂組成物としての保存性、流動性を悪化させる問題があった。
このため、半田バンプ接続の隙間に注入可能な流動性に優れ、硬化物のTg低下がなく、低弾性率化が図れ、更にブリードの発生がなく、その結果、半田接続の信頼性の要求を満足する液状エポキシ樹脂組成物の開発が望まれていた。
垣内等、熱硬化性樹脂 1987年.Vol.8.No.3P26〜44 特開昭63−33416号公報 特開昭62−210653号公報
本発明は、この様な事情に鑑み、流動性に優れ、硬化後の反りの低減化が図れ、ブリードの発生が抑制できる液状エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた半田接続信頼性に優れた半導体装置を提供することにある。
本発明者は、液状エポキシ樹脂組成物において、末端基として二級アミノ基を有するポリーエテル系化合物を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記第(1)項〜第(11)項により達成される。
(1) 常温で液状であるエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)及びポリエーテル系化合物(C)を含むエポキシ樹脂組成物であって、前記ポリエーテル系化合物(C)が、末端基として式(1)で表される二級アミノ基を少なくとも1個以上有するものである液状エポキシ樹脂組成物。
Figure 2009256583
(式(1)中、Xは結合基を示し、Arは芳香族基を表す。)
(2) 前記末端基は、一般式(1)におけるArとして、フェニル基を有するものである第(1)項記載の液状エポキシ樹脂組成物。
(3) 前記ポリエーテル系化合物(C)は、末端基として式(2)で表される三級アミノ基を有するものである、第(1)項又は第(2)項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
Figure 2009256583
(式(2)中、Xは結合基を示す)
(4) 前記ポリエーテル系化合物(C)を構成する末端基における結合基Xが、アミド結合基、カルボニル結合基、ヒドロキシオキシプロピレン結合基及びエチレン結合基の1種以上から選ばれたものである、第(1)項乃至第(3)項のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
(5) 前記一般式(1)で表される末端基における結合基Xが下記一般式(3)で表されるものである第(1)項乃至第(4)項のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
Figure 2009256583
(6) 前記ポリエーテル系化合物(C)は、数平均分子量が700以上乃至10,000以下のポリエーテル構造を有するものである、第(1)項乃至第(5)項のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
(7) 前記ポリエーテル系化合物(C)を構成するポリエーテル構造が、プロピレングリコールの繰り返し単位を有する第(1)項乃至第(6)項のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
(8) 前記硬化剤(B)が、一分子内に少なくとも2個のアミノ基を有する化合物である、第(1)項乃至第(7)項のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
(9) 前記液状エポキシ樹脂組成物は、充填剤(D)を含むものである第(1)項乃至第(8)項のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
(10) 前記液状エポキシ樹脂組成物は、アンダーフィル材用樹脂組成物である第(1)項乃至第(9)項のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
(11) 電子部品と電子部品搭載用基板とを含んで構成され、前記電子部品と前記電子部品搭載用基板との間に間隙を有する半導体装置であって、前記電子部品と前記電子部品搭載用基板との隙間が、第(10)項に記載の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物によって、充填接着してなることを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、流動性に優れ、硬化物とした場合、反りとブリードの発生が少ない、液状エポキシ樹脂組成物を得ることができ、これにより、本発明の液状エポキシ樹脂組成物を、電子部品と電子部品搭載用基板との隙間を充填接着に用いる場合には、電子部品と電子部品搭載用基板との隙間の充填接着作業が容易になる。しかも、本発明の液状エポキシ樹脂組成物により得られる硬化物は、反りが少なく、耐熱衝撃性に優れることから、これを用いた半導体装置は、低応力化に伴うバンプ接続方式における接続信頼性を有するものである。
本発明に用いる常温で液状のエポキシ樹脂(A)としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂及びそれらの水添物、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂及びそれらの水添物、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、アミノフェノール類のトリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素系フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジアリルビスフェノールAジグリシジル型エポキシ樹脂などが挙げられ、こららの1種又は2種以上を用いても良い。
本発明に用いる硬化剤(B)としては、前記常温で液状のエポキシ樹脂(A)の硬化剤として用いられるものであれば制限はない。その中でも、特にアンダーフィル材用樹脂組成物に用いる場合、電子部品と電子部品搭載用基板との隙間の充填接着と接続信頼性の観点から、液状であることが好ましく、更に好ましくは、ポリアミン系化合物や酸無水物系化合物である。
前記ポリアミン系化合物としては、一分子内に少なくとも2個のアミノ基を有する化合物であれば用いることができるが、1分子内に少なくとも2個のアミノ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、常温で液状のアミン化合物、常温で固体のアミン化合物、等が挙げられる。これらにおいて液状のポリアミン系化合物としては、具体的にはイソフォロンジアミン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン及びビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ポリアミン、m−キシリレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミン化合物、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン及びm−キシリレンジアミンなどの鎖状脂肪族ポリアミン化合物などが例示される。これらの一分子内に少なくとも2個のアミノ基を有する化合物の中でも、常温における保存性の観点から、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン及び3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどの液状芳香族ポリアミン化合物が好ましい。一分子内にアミノ基が一個の場合は、加熱硬化時の三次元架橋が進まず、結果として所望の耐熱性が得られない。
また、常温で固体のポリアミン化合物としては、芳香族ポリアミン化合物として、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホンおよびメタフェニレンジアミンなどが挙げられる。本発明においては、常温で固体のポリアミン化合物を用いることができるが、液状エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなることがあり、注型作業などにおいて、より低粘度であることが要求される場合、このような固体のポリアミン化合物の使用は制限されることがある。
また、前記酸無水物系化合物としては、液状の酸無水物化合物として、メチルテトラヒドロ無水フタル酸およびメチルヘキサヒドロ無水フタル酸などの無水フタル酸化合物、メチルナジック酸無水物およびドデセニル無水コハク酸などが挙げられる。また常温で固体の酸無水物として、テトラヒドロ無水フタル酸およびヘキサヒドロ無水フタルなどが挙げられる。本発明においては、常温で固体の酸無水物化合物を用いることができるが、前述と同様に、より低粘度が要求される場合、このような固体の酸無水物化合物の使用は制限されることがある。前記硬化剤は、単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
前記硬化剤(B)の含有量としては、前記ポリアミン系化合物の場合は、前記液状エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量1.0に対してポリアミン系化合物の活性水素当量の比が0.8〜1.2になるのが好ましく、同様にして酸無水物系化合物の場合は、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量1.0に対して酸無水物当量の比が0.5〜1.0になるのが好適である。
本発明に用いるポリエーテル系化合物(C)としては、ポリエーテル構造を有し、その末端基として、式(1)で表される二級アミノ基を少なくとも1個以上の有するものである。通常は2個又は3個を有するものが挙げられる。
Figure 2009256583
(式(1)中、Xは結合基を示し、Arは芳香族基を表す。)
前記一般式(1)で表される末端基において、Arは芳香族基を表す。前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、4−(2−フェニルプロパン−2−イル)フェニル基、ナフチル基及びビフェニル基等が挙げられる。これらの基は置換基を有していても良く、例えば、直鎖状又は鎖状の炭素数1〜4の飽和炭化水素基が挙げられる。前記直鎖状の炭素数1〜4の飽和炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びn−ブチル基等が挙げられ、前記鎖状の炭素数1〜4の飽和炭化水素基の具体例としては、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基及びi−ブチル基等が挙げられる。
これらの芳香族基Arの中でも、フェニル基が、粘度の増加と硬化物のガラス転移温度の低下を抑制できるため、より好ましい。
また、前記ポリエーテル系化合物(C)は、前記末端基として、式(1)で表される二級アミノ基と、式(2)で表される三級アミノ基を有するものを用いることができる。このようなポリエーテル系化合物は、エポキシ樹脂との反応性を有しながら、フェニル基の導入率を向上させることにより、硬化物のガラス転移温度を向上させることができる。
Figure 2009256583
(式(2)中、Xは結合基を示す)
前記一般式(1)で表される末端基において、Xは結合基を表す。前記結合基としては、例えば、アミド結合基、カルボニル結合基、ヒドロキシオキシプロピレン結合基、エチレン結合基、尿素結合基、ケチミン結合基、エステル結合基、メチレン基及びヒドロキシエチレン基等が挙げられる。これらの結合基Xの中でも、アミド結合基、カルボニル結合基、ヒドロキシオキシプロピレン結合基、エチレン結合基、尿素結合基及びケチミン結合基が好ましく、さらにアミド結合基、カルボニル結合基、ヒドロキシオキシプロピレン結合基及びエチレン結合基が合成が容易であるため、好ましい。
これらの結合基Xの中でも、下記一般式(3)で表されるヒドロキシオキシプロピレン結合基を有する構造が、低粘度で保存性に優れるため好ましい。
Figure 2009256583
本発明に用いるポリエーテル系化合物(C)は、ポリエーテル系アミン化合物(E)と、アミノ基と反応する官能基を有する芳香族化合物(F)との合成により得ることができる。
上記ポリエーテル系アミン化合物(E)としては、例えば、式(4)で表されるポリエーテル系アミン化合物が挙げられる。
Figure 2009256583
(式(4)中、φはポリエーテルユニットを示し、mは1以上の整数である。)
前記一般式(4)におけるmは、1以上の整数を示すものであり、これらの中でも1以上3以下の整数であることが好ましい。前記範囲の場合、合成されるポリエーテル系化合物(C)の粘度の増加を抑制することができる。
本発明に用いるポリエーテル系化合物(C)の合成に用いるポリエーテル系アミン化合物(E)において、ポリエーテルユニット(φ)、即ち、ポリエーテル系化合物(C)におけるポリエーテル構造としては、その構造中にエーテル結合を複数有する種々のものが適用できる。具体的にはエチレングリコールを繰り返し単位として有するもの、プロピレングリコールを繰り返し単位として有するもの、テトラメチレングリコールを繰り返し単位として有するものなどが挙げられる。これらの中でも、液状エポキシ樹脂組成物における、他の成分との相溶性や硬化物の低弾性率化の効果からプロピレングリコールを繰り返し単位として有するものが好ましい。
これらポリエーテルユニット(φ)を有するポリエーテル系アミン化合物は(E)は、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールなどのポリエーテルユニット(φ)を有するアルコール類に、ニッケル系触媒またはクロム系触媒のもと、水素を添加しながら、アンモニアと置換反応させて得ることができる。
前記ポリエーテル系化合物(C)におけるポリエーテル構造、及びポリーエテル系アミン化合物(E)を構成するポリエーテルユニット(φ)としては、数平均分子量が700以上乃至10,000以下であることが好ましく、更に好ましくは1,000以上乃至5,000以下である。ポリエーテルユニット(φ)の数平均分子量が前記範囲外でも使用できるが、前記下限値を下回る場合には、ポリエーテルユニット(φ)がエポキシ樹脂組成物に相溶して硬化物のガラス転移温度を低下させる場合がある。一方、ポリエーテルユニット(φ)の数平均分子量が前記上限値を上回る場合には、エポキシ樹脂組成物との非相溶性が著しくなってブリードが発生したり、流動性が低下することにより、硬化した時に接続信頼性を損ねる場合がある。
ここで、本発明における数平均分子量は、分子量既知の標準ポリエチレングリコールで検量線を作成したゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)で求めることができる。
本発明のポリエーテル系化合物(C)の合成に用いるアミノ基と反応する官能基を有する芳香族化合物(F)は、前記官能基として、イソシアネート基、カルボキシル基、カルボニル基、カルボニルハライド基、エポキシ基及びビニル基などを有する芳香族化合物が挙げられる。このような前記前記アミノ基と反応する官能基を有する芳香族化合物の具体的な例としては、例えばイソシアネート基を有する芳香族化合物としては、フェニルイソシアネート、2−メチルフェニルイソシアネート、3−メチルフェニルイソシアネート、4−メチルフェニルイソシアネート、2−エチルフェニルイソシアネート、3−エチルフェニルイソシアネート、4−エチルフェニルイソシアネート、2,6−ジメチルフェニルイソシアネート、3,5−ジメチルフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネート及びビフェニルイソシアネートなどが挙げられる。
またカルボキシル基を有する芳香族化合物としては、安息香酸、2−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、4−メチル安息香酸、2−エチル安息香酸、3−エチル安息香酸、4−エチル安息香酸、2,3−ジメチル安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、2,5−ジメチル安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、3,5−ジメチル安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、ビフェニルー2−カルボン酸、ビフェニルー4−カルボン酸及び4’−メチルビフェニルー2−カルボン酸が挙げられる。
カルボニル基を有する芳香族化合物としては、ベンゾフェノンが挙げられる。カルボニルハライド基を有する芳香族化合物としては、ベンゾイルクロリド、2−メチルベンゾイルクロリド、3−メチルベンゾイルクロリド、4−メチルベンゾイルクロリド、3,5−ジメチルベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミド、1−ナフトイルクロリド、2−ナフトイルクロリド及び4−ビフェニルカルボニルクロリド等が挙げられる。
エポキシ基を有する芳香族化合物としては、フェニルグリシジルエーテル、2−メチルフェニルグリシジルエーテル、3−メチルフェニルグリシジルエーテル、4−メチルフェニルグリシジルエーテル、3−エチルフェニルグリシジルエーテル、4−エチルフェニルグリシジルエーテル、2,5−ジメチルフェニルグリシジルエーテル、2,4−ジメチルフェニルグリシジルエーテル、2,6−ジメチルフェニルグリシジルエーテル、3,5−ジメチルフェニルグリシジルエーテル、1−ナフトールグリシジルエーテル及び2−ナフトールグリシジルエーテル等の芳香族化合物が挙げられる。
ビニル基を有する芳香族化合物としては、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン及びベンジルメタクリレート等が挙げられる。
上記のアミノ基と反応する官能基を有する芳香族化合物(F)の中でも、フェニルイソシアネート、ベンゾイルクロリド、フェニルグリシジルエーテルは、これらを用いて得られるポリエーテル系化合物(C)の粘度が低いため、好ましい。
本発明に用いるポリエーテル系化合物(C)の添加量は、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との合計100重量部に対して、5重量%〜40重量%が好ましく、前記範囲外でも用いることができるが、5重量%未満の場合では、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物における低弾性率化が不充分となり、熱衝撃試験で所望の結果が得られない場合がある。また40重量%を超える場合は、本発明のエポキシ樹脂組成物の流動性の低下を生じる場合があり、この場合、任意に用いる充填剤(D)等の添加量も制約を受けて材料設計的に好ましくないことがある。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、更に、充填剤(D)を含むことができ、その具体例としては、シリカ粉末、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、クレーおよびマイカなどが挙げられ、特にシリカ粉末は、溶融シリカが好ましい。これらの充填剤(D)は、単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
また、前記充填剤(D)の含有量としては、液状エポキシ樹脂組成物としての特性(耐湿性、作業性等)を保持する範囲であれば、特に制限はないが、アンダーフィル材用樹脂組成物として用いる場合、液状エポキシ樹脂組成物に対し50重量%〜80重量%が好ましい。充填剤の含有量が前記範囲外でも用いることができるが、50重量%未満の場合は、所望の特性が得られなくなることがあり、また80重量%を超える場合は、樹脂粘度が高くなり過ぎて、電子部品と電子部品搭載用基板との隙間に注入が困難になることがあり、この場合、注型用には不適となることがある。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、上記成分以外に必要に応じて、硬化促進剤、低応力化剤、反応性希釈剤、顔料、カップリング剤、難燃剤、レベリング剤、消泡剤など、当業者において液状エポキシ樹脂組成物としてもちいることができる公知の添加剤を配合できる。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物の製造方法としては、前記液状エポキシ樹脂(A)、前記硬化剤(B)、前記ポリエーテル系化合物(C)、及び任意に前記充填剤(D)と、更に必要に応じて他の添加剤成分とを、所定の組成比にて混合し、これを三本ロールにより均一に混練を行い、脱泡後液状エポキシ樹脂組成物を得る方法などが例示される。このようにして得られた液状エポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として用いる為の粘度は、25℃で30Pa・S以下で、更に好ましくは20Pa・S以下が充填用には好適である。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として用いた半導体装置の製造方法は、最初に、表面実装用ICチップなどの半導体部品と半導体部品搭載用基板との半田バンプ接合を遠赤外線を使用したリフロー装置で行こなう。但し、ICチップと基板との半田バンプ接合方式は、ICチップと基板とに出来た間隙のために外的強度に弱いのが欠点である。その間隙を充填接合して接続信頼性を向上させるものがアンダーフィル材で、本発明の液状エポキシ樹脂組成物の場合は、予め、シリンジ容器詰をしたもので、前記間隙に押し出ししながら充填する。充填終了後は、熱風循環乾燥機またはトンネル炉などにより加熱硬化させて接着して、半田接続信頼性を向上させた半導体装置の製造方法を提供するものである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制約されるものではない。
特性評価のため、実施例で得られた液状エポキシ樹脂組成物を用いて、パッケージの反り量と熱衝撃試験等を測定したが、パッケージ評価として、BT(ベンゾトリアジン樹脂)基板に接続されたフリップチップを用いた。フリップチップの仕様と測定方法はそれぞれ下記の通りとし、測定結果は、まとめて、表1(流動性、ブリード、反り量、熱衝撃試験)及び表2(粘度、保存性、流動性、ブリード、反り量、熱衝撃試験)に示した。
(1)フリップチップの仕様
チップサイズ:20mm角。
パッシベーション膜:ポリイミド樹脂。
バンプ高さ:80μm。
バンプピッチ:250μm。
バンプ配置:フルアレイ
バンプ:共晶半田。
ディジーチェーンによる接続試験可能。
(2)ブリード試験
40mmΦのアルミ皿に、液状エポキシ樹脂組成物を約6g注入後、熱風循環乾燥機で、硬化温度150℃、硬化時間90分の条件で硬化する。次に得られた硬化物の外観を目視で樹脂の滲み出しの有無を判定した。樹脂の染み出しが確認されたものを×、確認されなかったものを○とした。
(3)反り量
封止は、パッケージを100℃の熱盤に載置し、液状エポキシ樹脂をチップの一辺に塗布し封止を行った後に、熱風循環乾燥機で、硬化温度150℃、硬化時間90分の条件で硬化した。次に、パッケージの接触式表面粗さ計を用いて対角線方向に変位を調べ、その最大変位を反り量とした。
(4)熱衝撃試験
熱衝撃試験は、前記で得られたパッケージを熱衝撃試験(温度条件;−55℃/30分〜125℃/30分、1000サイクル)に曝した後、ディジーチェーンによる接続性を調べた(試験片数:10個)。判定基準は、チップクラックの数、1パッケージにおいて一箇所でも接続不良がでたものを、[クラック数又は剥離発生パッケージ数]/[総パッケージ数]としてカウントした。
(5)粘度
E型粘度計(東機産業(株)製、R115形粘度計)を用いて、ローターとして、ローター角3°、ローター径R14のコーンを装着し、25℃、5rpm の条件で測定を実施した。
(6)保存性
上記(5)記載の測定方法で、25℃、24時間後の粘度を測定し、下記式より、25℃、24時間後の粘度上昇率を算出した。
25℃、24時間後の粘度上昇率(%)=25℃、24時間後の粘度/粘度×100
(7)流動性
流動時間測定の方法には、18mm×18mmの上ガラスと、上ガラスよりも充分大きなスライドガラスを、隙間が80umとなるように、スペーサー入り接着剤を用いて、貼り合わせて平行平板を製作し、これを、110℃の熱盤上に置いて、予備加熱し、上ガラスの一辺に、エポキシ樹脂組成物を塗布し、エポキシ樹脂組成物が浸透完了するまでの時間を計測した。
(合成例1)
フェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−1)の合成
冷却管及び攪拌装置付きの1Lセパラブルフラスコに、数平均分子量2,000の2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(三井化学ファイン(株)製、商品名ジェファーミンD−2000)200g(0.1mol)を入れて、窒素気流下、80℃で攪拌しながらジブチルスズラウリレート1.12gを滴下した。その後、フェニルイソシアネート23.8g(0.2mol)を加えて、80℃で90分間攪拌して、フェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−1)を合成した。合成したフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミンは液状で、その構造は、フーリエ変換赤外分光分析(FT−IR)と1H−NMR及びゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)で確認し、FT−IRでは、フェニルイソシアネート由来のイソシアネート基(2260cm-1)が消滅して、新規に尿素結合基(一般式(1)におけるXとしてはアミド結合基)(1547cm-1)が確認されて、GPCでは、数平均分子量が2,240が確認されて、所望の物を得た。
(合成例2)
フェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−2)の合成
合成例1において、数平均分子量2,000の2官能型ポリプロピレングリコール系アミン200g(0.1mol)に代えて、数平均分子量4,000の2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(三井化学ファイン(株)製、商品名ジェファーミンD−4000)400g(0.1mol)として、ジブチルスズラウリレート1.12gに代えて、ジブチルスズラウリレート2.12gとした以外は合成例1と同様にして、フェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−2)を合成した。合成したフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミンは液状で、FT−IRでは、合成例1と同様にして、フェニルイソシアネート由来のイソシアネート基(2260cm-1)が消滅し、新規に尿素結合基(一般式(1)におけるXとしてはアミド結合基)(1547cm-1)が確認されて、またGPCでは、数平均分子量が4,240が確認されて、所望の物を得た。
(合成例3)
フェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−3)の合成
合成例1において、数平均分子量2,000の2官能型ポリプロピレングリコール系アミン200g(0.1mol)に代えて、数平均分子量4,000の2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(三井化学ファイン(株)製、商品名ジェファーミンD−4000)280g(0.07mol)として、ジブチルスズラウリレート1.12gに代えて、ジブチルスズラウリレート1.45gとした以外は合成例1と同様にして、フェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−3)を合成した。合成したフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミンは液状で、FT−IRでは、合成例1と同様にして、フェニルイソシアネート由来のイソシアネート基(2260cm-1)が消滅し、新規に尿素結合基(一般式(1)におけるXとしてはアミド結合基)(1547cm-1)と三級アミノ基(1310cm-1)が確認されて、またGPCでは、数平均分子量が4,360が確認されて、所望の物を得た。
(合成例4)
フェニルイソシアネート変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−4)の合成
合成例1において、数平均分子量2,000の2官能型ポリプロピレングリコール系アミン200g(0.1mol)に代えて、数平均分子量3,000の3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(三井化学ファイン(株)製、商品名ジェファーミンT−3000)300g(0.1mol)として、ジブチルスズラウリレート1.12gに代えて、ジブチルスズラウリレート1.68gとした以外は合成例1と同様にして、フェニルイソシアネート変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−4)を合成した。合成したフェニルイソシアネート変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミンは液状で、FT−IRでは、合成例1と同様にして、フェニルイソシアネート由来のイソシアネート基(2260cm-1)が消滅し、新規に尿素結合基(一般式(1)におけるXとしてはアミド結合基)(1547cm-1)が確認されて、またGPCでは、数平均分子量が3,360が確認されて、所望の物を得た。
(合成例5)
3−メチルフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−5)の合成
合成例1において、フェニルイソシアネート23.8g(0.2mol)に代えて、3−メチルフェニルイソシアネート26.6g(0.2mol)を使用した以外は合成例1と同様にして、3−メチルフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−5)を合成した。合成した3−メチルフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミンは液状で、FT−IRでは、合成例1と同様にして、フェニルイソシアネート由来のイソシアネート基(2260cm-1)が消滅し、新規に尿素結合基(一般式(1)におけるXとしてはアミド結合基)(1547cm-1)が確認されて、またGPCでは、数平均分子量が2,270が確認されて、所望の物を得た。
(合成例6)
3,5−ジメチルフェニルイソシアネート変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−6)の合成
合成例4において、フェニルイソシアネート23.8g(0.2mol)に代えて、3,5−ジメチルフェニルイソシアネート29.4g(0.2mol)を使用した以外は合成例4と同様にして、3,5−ジメチルフェニルイソシアネート変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−6)を合成した。合成した3,5-ジメチルフェニルイソシアネート変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミンは液状で、FT−IRでは、合成例1と同様にして、フェニルイソシアネート由来のイソシアネート基(2260cm-1)が消滅し、新規に尿素結合基(一般式(1)におけるXとしてはアミド結合基)(1547cm-1)が確認されて、またGPCでは、数平均分子量が3,290が確認されて、所望の物を得た。
(合成例7)
1−ナフチルフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−7)の合成
合成例2において、フェニルイソシアネート23.8g(0.2mol)に代えて、1−ナフチルフェニルイソシアネート33.8g(0.2mol)を使用した以外は合成例2と同様にして、1−ナフチルフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−7)を合成した。合成した1−ナフチルフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミンは液状で、FT−IRでは、合成例1と同様にして、1−ナフチルフェニルイソシアネート由来のイソシアネート基(2260cm-1)が消滅し、新規に尿素結合基(一般式(1)におけるXとしてはアミド結合基)(1547cm-1)が確認されて、またGPCでは、数平均分子量が4,340が確認されて、所望の物を得た。
(合成例8)
フェニルグリシジルエーテル変性1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−8)の合成
冷却管及び攪拌装置付きの1Lセパラブルフラスコに、数平均分子量600の1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(三井化学ファイン(株)製、商品名ジェファーミンM−600)60g(0.1mol)を入れて、150℃で攪拌しながら、フェニルグリシジルエーテル15.0g(0.1mol)を加えて、150℃で240分間攪拌して、フェニルグリシジルエーテル変性1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−8)を合成した。合成したフェニルグリシジルエーテル変性1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−8)は室温で液状であり、その構造は、FT−IR、1H−NMRで確認した。1H−NMRでは、新規にヒドロキシオキシプロピレン基(一般式(1)におけるX)に由来するピークが確認されて、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)による数平均分子量は750であった。
(合成例9)
フェニルグリシジルエーテル変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−9)の合成
合成例8において、数平均分子量600の1官能型ポリプロピレングリコール系アミン60g(0.1mol)に代えて、数平均分子量4000の2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(三井化学ファイン(株)製、商品名ジェファーミンD−4000)400g(0.1mol)を、フェニルグリシジルエーテル15.0g(0.1mol)に代えて、フェニルグリシジルエーテル30.0g(0.2mol)を用いた他は、合成例8と同様に合成し、フェニルグリシジルエーテル変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−9)を得た。合成したフェニルグリシジルエーテル変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−9)は室温で液状であり、その構造は、FT−IR、1H−NMRで確認した。1H−NMRでは、新規にヒドロキシオキシプロピレン基(一般式(1)におけるX)に由来するピークが確認されて、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)による数平均分子量は4300であった。
(合成例10)
フェニルグリシジルエーテル変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−10)の合成
合成例8において、数平均分子量600の1官能型ポリプロピレングリコール系アミン60g(0.1mol)に代えて、数平均分子量5000の3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(三井化学ファイン(株)製、商品名ジェファーミンT−5000)500g(0.1mol)を用いた他は、合成例8と同様に合成し、フェニルグリシジルエーテル変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−10)を得た。合成したフェニルグリシジルエーテル変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−10)は室温で液状であり、その構造は、FT−IR、1H−NMRで確認した。1H−NMRでは、新規にヒドロキシオキシプロピレン基(一般式(1)におけるX)に由来するピークが確認されて、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)による数平均分子量は5200であった。
(合成例11)
1ーナフトールグリシジルエーテル変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−11)の合成
合成例10において、フェニルグリシジルエーテル15.0g(0.1mol)に代えて、1ーナフトールグリシジルエーテル100.1g(0.5mol)を用いた他は、合成例10と同様に合成し、1ーナフトールグリシジルエーテル変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−11)を得た。合成した1ーナフトールグリシジルエーテル変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−11)は室温で液状であり、その構造は、FT−IR、1H−NMRで確認した。1H−NMRでは、新規にヒドロキシオキシプロピレン基(一般式(1)におけるX)に由来するピークが確認されて、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)による数平均分子量は6100であった。
(合成例12)
4−メチルフェニルグリシジルエーテル変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−12)の合成
合成例9において、フェニルグリシジルエーテル30.0g(0.2mol)に代えて、4−メチルフェニルグリシジルエーテル32.8g(0.2mol)を用いた他は、合成例9と同様に合成し、4−メチルフェニルグリシジルエーテル変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−12)を得た。合成した4−メチルフェニルグリシジルエーテル変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−12)は室温で液状であり、その構造は、FT−IR、1H−NMRで確認した。1H−NMRでは、新規にヒドロキシオキシプロピレン基(一般式(1)におけるX)に由来するピークが確認されて、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)による数平均分子量は4400であった。
(合成例13)
ベンゾイルクロリド変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−13)の合成
冷却管及び攪拌装置付きの1Lセパラブルフラスコに、数平均分子量4,000の2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(三井化学ファイン(株)製、商品名ジェファーミンD−4000)200g(0.1mol)を入れて、氷浴に浸し5〜10℃に冷却した。ベンゾイルクロリド56.2g(0.4mol)を30分かけて滴下した後、60℃に加熱して120分間攪拌した。室温に冷却した後、反応溶液に8mol/L水酸化ナトリウム水溶液320gを滴下して副生成物の塩酸と未反応のベンゾイルクロリドを中和した。ヘキサンを用いて有機層を抽出し、得られた有機層を、水酸化ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で3回洗浄することで副生成物を除去した。最後にヘキサンを蒸留し、目的生成物であるベンゾイルクロリド変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−13)を得た。合成したベンゾイルクロリド変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−13)は室温で液状で、その構造は、フーリエ変換赤外分光分析(FT−IR)と1H−NMR及びゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)で確認した。FT−IRでは、新規にアミド結合基(一般式(1)におけるXとしてはカルボニル結合基)に由来する吸収(1662cm-1)が確認されて、GPCでは、数平均分子量4,280が確認されて所望の物を得た。
(合成例14)
1−ナフトイルクロリド変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−14)の合成
合成例13において、ベンゾイルクロリド56.2g(0.4mol)に代えて、1−ナフトイルクロリド76.3g(0.4mol)を用いた他は、合成例13と同様に合成し、1−ナフトイルクロリド変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−14)を得た。合成した1−ナフトイルクロリド変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−14)は室温で液状で、その構造は、フーリエ変換赤外分光分析(FT−IR)と1H−NMR及びゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)で確認した。FT−IRでは、新規にアミド結合基(一般式(1)におけるXとしてはカルボニル結合基)に由来する吸収(1662cm-1)が確認されて、GPCでは、数平均分子量4,380が確認されて所望の物を得た。
(実施例1)
ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂とビスフェノールFジグリシジル型エポキシ樹脂との混合エポキシ樹脂(エポキシ当量=160、大日本インキ化学工業(株)製、商品名EXA−830LVP)50.0重量部とアミノフェノール型エポキシ樹脂(エポキシ当量=83、住友化学(株)製、商品名ELM−100)50.0重量部と、硬化剤として3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(活性水素当量=63.5、日本化薬(株)製、商品名カヤハードA−A)47.4重量部と、前記合成例1で得たフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−1)13.0重量部と、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3.0重量部、無機充填剤として最大粒径10μm、平均粒径2μmの球状シリカを245重量部とを混合し、これを三本ロールにて混練後、脱泡して液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、前記合成例1で得たフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−1)13.0重量部に代えて、前記合成例2で得たフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−2)13.0重量部と、硬化剤の量を47.9重量部に代えた以外はすべて実施例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、前記合成例1で得たフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−1)13.0重量部に代えて、前記合成例3で得たフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−3)13.0重量部と、硬化剤の量を48.0重量部に代えた以外はすべて実施例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、前記合成例1で得たフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−1)13.0重量部に代えて、前記合成例4で得たフェニルイソシアネート変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−4)13.0重量部と、硬化剤の量を47.9重量部に代えた以外はすべて実施例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、硬化剤を3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(日本化薬(株)製、商品名カヤハードA−A)47.4重量部に代えて、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化(株)製、MH−700)100.0重量部とし、球状シリカの量を324.0重量部に変えた以外はすべて実施例1と同様にして、液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、前記合成例1で得たフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−1)13.0重量部に代えて、前記合成例5で得た3−メチルフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−5)13.0重量部を用いた以外はすべて実施例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1において、前記合成例1で得たフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−1)13.0重量部に代えて、前記合成例6で得た3,5-ジメチルフェニルイソシアネート変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−6)13.0重量部を用いた以外はすべて実施例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1において、前記合成例1で得たフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−1)13.0重量部に代えて、前記合成例7で得た1-ナフチルフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−7)13.0重量部を用いた以外はすべて実施例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表1に示す。
(実施例9)
ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂とビスフェノールFジグリシジル型エポキシ樹脂との混合エポキシ樹脂(エポキシ当量=160、大日本インキ化学工業(株)製、商品名EXA−830LVP)50.0重量部と、アミノフェノール型エポキシ樹脂(エポキシ当量=83、住友化学(株)製、商品名ELM−100)50.0重量部と、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(活性水素当量=63.5、日本化薬(株)製、商品名カヤハードA−A)49.6重量部と、前記合成例8で得たフェニルグリシジルエーテル変性1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−8)13.0重量部と、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン4.0重量部、希釈剤としてブチルセルソルブアセテート1.0重量部、顔料としてカーボンブラック0.3重量部、無機充填剤として最大粒径5μm、平均粒径1μmの球状シリカを328.5重量部とを混合し、これを三本ロールにて混練後、脱泡して液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例9において、フェニルグリシジルエーテル変性1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−8)13.0重量部に代えて、前記合成例9で得たフェニルグリシジルエーテル変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−9)13.0重量部を用いた以外は、前記実施例9と同様にして、液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表2に示す。
(実施例11)
実施例9において、フェニルグリシジルエーテル変性1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−8)13.0重量部に代えて、前記合成例10で得たフェニルグリシジルエーテル変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−10)13.0重量部を用いた以外は、前記実施例9と同様にして、液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例9において、フェニルグリシジルエーテル変性1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−8)13.0重量部に代えて、前記合成例11で得た1ーナフトールグリシジルエーテル変性3官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−11)13.0重量部を用いた以外は、前記実施例9と同様にして、液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表2に示す。
(実施例13)
実施例9において、フェニルグリシジルエーテル変性1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−8)13.0重量部に代えて、前記合成例12で得た4−メチルフェニルグリシジルエーテル変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−12)13.0重量部を用いた以外は、前記実施例9と同様にして、液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表2に示す。
(実施例14)
実施例9において、フェニルグリシジルエーテル変性1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−8)13.0重量部に代えて、前記合成例13で得たベンゾイルクロリド変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−13)13.0重量部を用いた以外は、前記実施例9と同様にして、液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表2に示す。
(実施例15)
実施例9において、フェニルグリシジルエーテル変性1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−8)13.0重量部に代えて、前記合成例14で得た1−ナフトイルクロリド変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−14)13.0重量部を用いた以外は、前記実施例9と同様にして、液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1において、前記合成例1で得たフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−1)13.0重量部を除き、硬化剤の量を48.0重量部と球状シリカの量を227.0重量部に変えた以外は、すべて実施例1と同様にして、液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、前記合成例1で得たフェニルイソシアネート変性2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−1)13.0重量部に代えて、末端基が水酸基の数平均分子量2,000のジオール型ポリプロピレングリコール(和光純薬工業(株)製)13.0重量部と、硬化剤の量を48.0重量部に変えた以外は、すべて実施例1と同様にして、液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例9において、フェニルグリシジルエーテル変性1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−8)13.0重量部を除き、球状シリカ328.5重量部に代えて、球状シリカ304.4重量部を用いた以外は、前記実施例9と同様にして、液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例9において、フェニルグリシジルエーテル変性1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−8)13.0重量部に代えて、低応力化剤として数平均分子量2000のジオール型ポリプロピレングリコール(和光純薬工業(株)製)13.0重量部を用いた以外は、前記実施例9と同様にして、液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例9において、フェニルグリシジルエーテル変性1官能型ポリプロピレングリコール系アミン(変性PPGA−8)13.0重量部に代えて、低応力化剤として数平均分子量4000の2官能型ポリプロピレングリコール系アミン(三井化学ファイン(株)製、商品名ジェファーミンD−4000)13.0重量部を用いた以外は、前記実施例9と同様にして、液状エポキシ樹脂組成物を得た。得られた液状エポキシ樹脂組成物を上記の方法で評価し、その結果を表2に示す。
Figure 2009256583
Figure 2009256583
実施例1〜15はブリードが確認されず、流動性が良好であり、比較例1、3と比べて、反り量の低減と熱衝撃試験の大幅な改善が成された。さらに、実施例9〜15は比較例5に対して粘度、保存性の改善が成された。
成分(C)及び低応力化剤を使用していない比較例1、3は、流動性は良好だが、反り量が大きく、熱衝撃試験での不良個数が多かった。
比較例2は、比較例1に対する反り量の低減が確認されたが、ブリードの発生が確認され、熱衝撃試験で不良が確認された。
比較例4は、比較例3に対する反り量の低減が確認されたが、ブリードの発生が確認され、熱衝撃試験で不良が確認された。
比較例5は、ブリードは確認されず、比較例3に対して反り量が低減し、熱衝撃試験で不良は確認されなかったが、粘度、保存性及び流動性が、実施例9〜15と比較すると劣った。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、流動性に優れ、その硬化物はブリードの発生がなく反りの低減化に伴う熱衝撃性が良好であることから、これを用いた半導体装置を搭載する、電気・電子機器分野、通信機器分野、コンピューター分野等の多くの産業分野での利用の可能性が考えられる。

Claims (11)

  1. 常温で液状であるエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)及びポリエーテル系化合物(C)を含むエポキシ樹脂組成物であって、前記ポリエーテル系化合物(C)が、末端基として式(1)で表される二級アミノ基を少なくとも1個以上有するものである液状エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2009256583
    (式(1)中、Xは結合基を示し、Arは芳香族基を表す。)
  2. 前記末端基は、一般式(1)におけるArとして、フェニル基を有するものである請求項1記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記ポリエーテル系化合物(C)は、末端基として式(2)で表される三級アミノ基を有するものである、請求項1又は2に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2009256583
    (式(2)中、Xは結合基を示す)
  4. 前記ポリエーテル系化合物(C)を構成する末端基における結合基Xが、アミド結合基、カルボニル結合基、ヒドロキシオキシプロピレン結合基及びエチレン結合基の1種以上から選ばれたものである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記一般式(1)で表される末端基における結合基Xが下記一般式(3)で表されるものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2009256583
  6. 前記ポリエーテル系化合物(C)は、数平均分子量が700以上乃至10,000以下のポリエーテル構造を有するものである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  7. 前記ポリエーテル系化合物(C)を構成するポリエーテル構造が、プロピレングリコールの繰り返し単位を有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  8. 前記硬化剤(B)が、一分子内に少なくとも2個のアミノ基を有する化合物である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  9. 前記液状エポキシ樹脂組成物は、充填剤(D)を含むものである請求項1乃至8のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  10. 前記液状エポキシ樹脂組成物は、アンダーフィル材用樹脂組成物である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  11. 電子部品と電子部品搭載用基板とを含んで構成され、前記電子部品と前記電子部品搭載用基板との間に間隙を有する半導体装置であって、前記電子部品と前記電子部品搭載用基板との隙間が、請求項10に記載の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物によって、充填接着してなることを特徴とする半導体装置。
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