<第1実施形態>
図1は本発明に係る遊技機の第1実施形態たるスロットマシンの斜視図、図2は図1のスロットマシンの内部構成を示す右側面図である。この実施形態におけるスロットマシン1は、例えば図1、図2に示すように構成されている。即ち、このスロットマシン1では、筐体3の前面が前面パネル5により開閉自在に閉塞され、この前面パネル5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されると共に、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
そして、この正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。左・中・右リール13L,13M,13Rには、例えば「7」「ベル」「プラム」「チェリー」「Replay」の複数種類(この実施形態では例えば5種類)の図柄が合計21個、所定の配列でそれぞれ表示されている。また、各図柄には、0番から20番までのコマ番号が順に付されている。そして、コマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられてリール13L,13M,13Rが構成される。そして、リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の順に図柄がそれぞれ表示窓11に表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示されるようになっている。
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから一ゲームあたりの最大投入枚数(この実施形態では例えば3枚)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リールの回転を開始させるためのレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rに対応してそれぞれ設けられ、各リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させるための左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、この実施形態では、ゲーム可能なメダル投入数は、後述する「通常遊技」中はメダルが3枚投入された状態で実行され、「特別遊技」中はメダルが1枚投入された状態で実行されるように構成されているが、各遊技におけるメダルの投入枚数については、上記した枚数に限定されるものではない。
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して演出を行うための液晶表示器27が設けられ、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、これら液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダルの払出口39や、この払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9には入賞ラインが描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
図2に示すように、リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体47は、筐体3の後壁3aに固定されている。支持枠体47の下方には、メダルを払出口39に排出するためのホッパーユニット43が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクター48が配設されている。また、ホッパーユニット43の左側(図2の紙面奥側)には、操作ボックス49が筐体3の左側壁3bに固定されている。この操作ボックス49には、電源のオンオフを切り換える電源スイッチ50が設けられるとともに、後述する設定変更処理のためのキーシリンダ51および押しボタン式の設定変更ボタン52が設けられている。
図3はスロットマシン1の電気的構成を示すブロック図、図4はメイン制御基板63の機能を示す機能ブロック図である。図3において、投入センサ53は、メダルセレクター48の下流側に設けられ、投入されたメダルを1枚ずつ検知するものである。払出センサ54は、ホッパーユニット43の出口に設けられ、払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検知するものである。左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するためのもので、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では例えば、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。変更処理開始スイッチ56は、操作ボックス49のキーシリンダ51の内部に設けられており、設定変更キー(図示省略)をキーシリンダ51に挿入して回転することによりオンオフが切り換えられる。ホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルを払出口39に向けて払い出すものである。なお、リール13L,13M,13Rは、この実施形態では、例えばステッピングモータによってそれぞれ回転駆動される。
また、このスロットマシン1では、遊技に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、遊技に関連する演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられている。メイン制御基板63のRAM(ランダムアクセスメモリ)65はデータを一時的に記憶し、ROM67は予め設定されたデータ(内部抽選データテーブル671や停止テーブル672など)を含む遊技機用プログラムを記憶する。メインCPU61は、この遊技機用プログラムにしたがって動作することで、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により左・中・右リール13L,13M,13Rの回転および停止を制御するなど、遊技に関する制御を行う。また、メインCPU61は、遊技に関連するデータを演出制御データとしてサブCPU71に送る。サブ制御基板73のメモリ75は、データを一時的に記憶するRAM部と演出用プログラムを記憶するROM部とからなる。サブCPU71は、メインCPU61からの演出制御データに基づき、演出用プログラムにしたがって動作することで、遊技に関連する演出の制御を行う。例えば、サブCPU71は、遊技の進行や抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンに応じて、液晶表示器27に動画を表示したり、スピーカ31L,31Rから音楽を発生させたり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅させるなどする。以上のように、メイン制御基板63およびサブ制御基板73により本発明の「制御装置」が構成されている。
次に、図4を参照してメイン制御基板63について説明する。図4において、メイン制御基板63は、通常遊技制御手段100、特別遊技制御手段101およびリプレイタイム遊技制御手段103を備えている。遊技には、一般的な遊技である通常遊技、遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技である特別遊技(ボーナスゲーム)、再遊技役への当選確率を通常遊技中よりも高く設定した遊技であるリプレイタイム遊技といった種々の態様があり、これらの種々の遊技の態様が組み合わされて、スロットマシン1において実行される遊技が構成されている。そして、これらの遊技の態様が、それぞれ各遊技制御手段100,101,103により制御され、スロットマシン1における遊技が実行されている。なお、本実施形態では、リプレイタイム遊技制御手段103をメイン制御基板63が備えるように構成しているが、これをサブ制御基板73が備えるように構成してもよい。また、本実施形態では通常遊技と特別遊技が同時に実行されることはなく、通常遊技状態では通常遊技制御手段100により通常遊技が実行され、特別遊技状態では特別遊技制御手段101により特別遊技が実行されるように構成されている。また、後述するように、通常遊技状態において第3小役(リプレイタイム役)に入賞するか、BB当選が内部で持ち越されている状態に移行する(内部BB当選状態に移行する)ことによりリプレイタイム遊技状態に移行し、リプレイタイム遊技制御手段103によりリプレイタイム遊技が実行されるように構成されている。
通常遊技制御手段100は、一般的な遊技である通常遊技を制御するものであり、通常遊技手段100により通常遊技が実行されているときはスロットマシン1の遊技状態が通常遊技状態となる。以下、通常遊技について説明する。投入センサ53、ベットスイッチ15または最大ベットスイッチ17により3枚のメダルの投入を検出すると、投入枚数(3枚)に応じた本数の入賞ラインが有効になり、入賞ラインに対応した有効表示ランプが点灯する。そして、メダルの投入を条件にスタートスイッチ19が操作されたことを検出すると、抽選手段110により予め設定された複数の当選役のいずれかに当選したかハズレかの抽選が行われるとともに、左・中・右リール13L,13M,13Rのすべての回転を開始させ、リール窓11に表示される各リール13L,13M,13Rの図柄を各リール13L,13M,13Rの回転角に合わせて判別することを開始する。なお、抽選手段110の構成については後で詳細に説明する。
その後、左ストップスイッチ21Lが操作されたことを検出すると左リール13Lを停止させ、中ストップスイッチ21Mが操作されたことを検出すると中リール13Mを停止させ、右ストップスイッチ21Rが操作されたことを検出すると右リール13Rを停止させる。このように、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。
そして、3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作し終えると、3個すべての左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が所定の位置に停止すると、入賞となる。そして、入賞態様に応じた枚数のメダルがクレジットされるか、または払出口39から払い出される。また、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。
また、当選役としては、例えば、特別役、第1小役、第2小役、第3小役(リプレイタイム役)、再遊技役といった複数の当選役が予め設定されている。そして、抽選手段110による抽選結果には、特別役当選(ビッグボーナス(BB)当選)と、第1小役当選と、第2小役当選と、第3小役当選と、再遊技役当選(Replay当選)と、ハズレとがある。また、入賞には、特別遊技(ビッグボーナス(BB)ゲーム)への移行に係る特別役入賞(BB入賞)と、所定枚数(例えば12枚)のメダルの払い出しに係る第1小役入賞と、この第1小役入賞よりも少ない枚数(例えば8枚)のメダルの払い出しに係る第2小役入賞と、この第2小役入賞よりも少ない枚数(例えば1枚)のメダルの払い出しに係る第3小役入賞と、再遊技(Replay)の実行に係る再遊技役入賞(Replay入賞)とがある。なお、BBゲームとは、通常遊技よりもメダルの払い出しに係る当選役への当選確率が高い遊技、すなわちハズレとなる確率の低い遊技をいい、メダルが1枚投入されることにより実行される。
そして、例えば、「7」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、BB入賞となり、払い出しがある場合にはメダルが払い出されて、BBゲームが実行される。また、例えば、「ベル」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、第1小役入賞となり、12枚のメダルが払い出される。また、例えば、「チェリー」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、第2小役入賞となり、8枚のメダルが払い出される。また、例えば、「プラム」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、第3小役(リプレイタイム役)入賞となり、1枚のメダルが払い出され、後述するリプレイタイム遊技状態へと移行する。また、例えば、「Replay」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、Replay入賞となり、新たなメダルを投入することなく、前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。
また、抽選結果がBB当選となると、BB当選に基づいた図柄の停止制御が行われるが、このとき、BB入賞図柄配列が引き当てられないと、このBB当選は、BB入賞図柄配列が引き当てられるまで持ち越されることとなっている。本実施形態では、このように、BB当選が内部で持ち越されている状態を内部BB当選状態という。また、第1小役当選は、抽選結果が第1小役当選となった遊技で第1小役入賞図柄配列を引き当てられないと、次回の遊技には持ち越されないこととなっている。第2小役当選、第3小役当選およびReplay当選についても同様である。
特別遊技制御手段101は、遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技である特別遊技(ボーナスゲーム)を制御するものである。本実施形態では、特別遊技制御手段101は、特別遊技(ボーナスゲーム)として、ビッグボーナス(BB)ゲームを行うように構成されている。以下、BBゲームについて説明する。
抽選結果がBB当選となると、BB当選に基づいた図柄の停止制御が行われる。このとき、「7」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、BB入賞となる。そして、BB入賞となると、その後に、BBゲーム(特別遊技状態)へ移行する。BBゲームに移行すると、メダルの投入可能枚数が1枚となり、予め設定された当選役に当選かハズレかの抽選が毎回行われ、所定の図柄(ベルまたはチェリー)が中央の入賞ライン上に3個揃うと入賞となる。
なお、BBゲーム(特別遊技状態)中は、通常遊技中よりも第1小役(ベル)または第2小役(チェリー)への当選確率が高くなるように構成されている。また、本実施形態では、メダルの総払出数が所定の枚数を超えた場合に、BBゲームを終了するように構成されている。
リプレイタイム遊技制御手段103は、再遊技役への当選確率を通常遊技中よりも高く設定した遊技であるリプレイタイム遊技を制御するものである。本実施形態では、第3小役(リプレイタイム役)に入賞するか、内部BB当選状態へ移行すればリプレイタイム遊技状態に移行し、リプレイタイム遊技が実行されるように構成されている。
このリプレイタイム遊技は、上述したように、再遊技役への当選確率を通常遊技中よりも高く設定した遊技である。すなわち、リプレイタイム遊技中は、通常遊技中よりも、再遊技役当選の確率が高くなる。また、このような制御は、後述するように、再遊技役に係る当選役別データテーブル671aが抽選データとして、再遊技役への当選確率を一定の割合で定めた通常遊技状態用の抽選データと、この通常遊技状態用の抽選データよりも再遊技役当選の確率を高く定めたリプレイタイム遊技状態用の抽選データとを備え、通常遊技中には、通常遊技状態用の抽選データを用い、リプレイタイム遊技中には、リプレイタイム遊技状態用の抽選データを用いることによって実施可能である。そして、これらの抽選データの選択は、後述するように再遊技(RT)モードフラグの値に基づき抽選手段110が行う。なお、本実施形態では、第3小役に入賞したことによるリプレイタイム遊技は、リプレイタイム遊技状態における遊技を5回行うことにより終了し、内部BB当選状態へ移行したことによるリプレイタイム遊技は、BB入賞図柄配列が引当てられると終了するように構成されている。
検出手段130は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各ステッピングモータへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するものである。すなわち、この検出手段130は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓11の中段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
停止制御手段140は、後述する抽選手段110の抽選結果に基づき、停止テーブル672を用いて、リール13L,13M,13Rの停止制御を行うものである。停止テーブル672は、抽選手段110の各抽選結果に対応して複数のテーブルが設定されている。この停止テーブル672は、各リール13L,13M,13Rの停止位置を決定するためのものであって、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、リール13L,13M,13Rの滑りコマ数をあらかじめ定めたものである。停止テーブル672は、例えば、すべてのリール13L,13M,13Rの滑りコマ数を一括して定めた全リール用停止テーブルからなる。なお、停止テーブル672は、すべてのリール13L,13M,13Rの滑りコマ数を一括して定めた全リール用停止テーブルに限られず、例えば、左リール13Lのみの滑りコマ数を定めたもの(左リール用停止テーブル)と、中・右リール13M,13Rの滑りコマ数を定めたもの(中・右リール用停止テーブル)とを備えるようにしてもよい。
そして、停止制御手段140は、まず、抽選結果に基づいて、複数の停止テーブル672の中から一の停止テーブル672を選択する。次に、この選択した一の停止テーブル672と、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置とから、リール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定する。ここで、滑りコマ数が0と決定されれば、直ちにリール13L,13M,13Rの回転を停止させる。すなわち、滑りコマ数が0と決定されると、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときに表示窓11の上段に表示されていた図柄は、そのまま表示窓11の上段に停止表示される。また、滑りコマ数が1と決定されれば、1コマ分だけリール13L,13M,13Rを回転させて停止させる。すなわち、滑りコマ数が1と決定されると、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときに表示窓11の上段に表示されていた図柄は、リール13L,13M,13Rの回転方向に1コマずれて、表示窓11の中段に停止表示される。
入賞判定手段150は、検出手段130により所定の図柄が所定の位置に停止したことが検出されると、入賞と判定するものである。具体的には、入賞判定手段150は、「7」の図柄が入賞ライン上に3個揃うとBB入賞と判定する。また、入賞判定手段150は、「ベル」または「チェリー」の図柄が入賞ライン上に3個揃うと、それぞれ小役入賞と判定する。また、入賞判定手段150は、「Replay」の図柄が入賞ライン上に3個揃うと再遊技役入賞と判定する。また、入賞判定手段150は「プラム(第3小役)」の図柄が入賞ライン上に揃うとリプレイタイム役入賞と判定する。
払出制御手段160は、メダル払出のある入賞と判定されたときに、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させて、入賞態様に応じた払出枚数だけメダルを払い出すものである。また、払出制御手段160は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダル払出として、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出枚数だけクレジットメダルを増加させるものである。
設定制御手段170は、電源投入時に変更処理開始スイッチ56のオンオフ状態を判定し、変更処理開始スイッチ56がオンの状態で電源が投入されると所定の設定変更処理を開始するものである。後述するように、通常遊技の抽選における入賞確率は、複数種類(この実施形態では例えば6種類)の設定値が予め定められている。そして、上記設定変更処理が開始されると、スロットマシン1を設置するパチンコホールの管理者が、この設定値を変更することが可能になる。
この手順は例えば以下のようにして行われる。すなわち、管理者は、まず、設定変更キー(図示省略)を操作ボックス49のキーシリンダ51に挿入して回転し、変更処理開始スイッチ56をオンにする。そして、電源スイッチ50をオンにする。これによって設定変更処理が開始され、管理者による設定変更ボタン52の操作ごとに入賞確率の設定値が設定1〜設定6にサイクリックに切り換えられる。この設定値は、例えば7セグメント式のLEDにより1〜6を表示することで報知される。設定変更ボタン52の操作により入賞確率の設定値が所望の値になったときに、スタートスイッチ19を操作すると設定値が確定する。そして、キーシリンダ51に挿入されている設定変更キーを回転して変更処理開始スイッチ56をオフにすると設定変更処理が終了する。その後、メダル投入口25からメダルが投入されるとゲームが開始される。
また、予め設定された記憶領域に遊技数を記憶するRAM65により、遊技数を記憶する遊技カウンタ651が構成されている。この遊技カウンタ651の記憶値は、メイン制御基板63に備えられたカウンタ更新手段180により一遊技ごとに値が更新される。具体的には、カウンタ更新手段180が有するインクリメント手段181が、スタートスイッチ19が操作されたときに遊技カウンタ651の記憶値を1ずつインクリメントして記憶値を更新する。このように、遊技カウンタ651は、例えば第3小役(リプレイタイム役)に入賞してリプレイタイム遊技状態であるときの遊技数を記憶可能に構成されている。
次に、図5ないし図7も参照して抽選手段110についてさらに詳細に説明する。図5は内部抽選データテーブルを示す図、図6は再遊技役についての当選役別データテーブルを示す図、図7は内部抽選データテーブルのメモリ上への配列順序を示す図である。抽選手段110は乱数抽選を行うもので、図4に示すように、乱数発生手段111、乱数抽出手段112、および抽選判定手段113を備えている。また、抽選手段110はROM67上の記憶領域の一部に設けられた内部抽選データテーブル671と、内部抽選データテーブル671が有する抽選データを取得する抽選データ取得手段114とを備えている。
乱数発生手段111は、抽選用の乱数を、所定の範囲内(この実施形態では例えば、10進数で0〜64999)で発生させるものである。この乱数発生手段111は、例えば、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成することができる(いわゆるハード乱数)。なお、この乱数発生手段111は、例えば、平均採中法で乱数を発生させる手段や、あるいは素数の加算によって乱数を発生させる手段によって構成することもできる。これらの手段は、例えば、メインCPU61に所定のプログラムを実行させることによって構成することができる(いわゆるソフト乱数)。また、ハード乱数とソフト乱数の双方を備え、それらの結果に基づき乱数をソフト的に生成するようにしてもよい。乱数抽出手段112は、乱数発生手段111が発生させた乱数を抽出するもので、乱数発生手段111が発生させた乱数を所定の条件(この実施形態では例えばスタートスイッチ19の操作)で抽出する。なお、乱数発生手段111は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段111が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただ、スタートスイッチ19が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、乱数抽出手段112が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。
内部抽選データテーブル671は、乱数発生手段111が発生させる乱数の全範囲中での、上記した複数の当選役のそれぞれに対応する当選領域を決定する抽選データを有するものであって、乱数発生手段111が発生させる全範囲の乱数について、BB当選にするか(通常遊技時のみ)、小役当選にするか、Replay当選にするか、あるいはハズレにするかを、あらかじめ所定の割合で定めている。なお、本実施形態では、上記した複数の当選役のそれぞれについて、乱数発生手段111が発生させる乱数の全範囲中での出現回数を抽選データとして有している。すなわち、一の当選役についての抽選データを、乱数の全範囲(10進数で0〜64999)の数で除した値が当該一の当選役の当選確率となるように構成されている。また、抽選データは、各当選役のそれぞれについて、抽選におけるメダル数増加の期待値、すなわち乱数発生手段111が発生させる乱数の全範囲中での出現回数が予め定められた複数の段階に設定されており(この実施形態では最も低い設定1から最も高い設定6までの6種類)、少なくとも、当選役の種類と、複数の段階のいずれかを決定するための設定値とにより決定されるものである。
そして、図5に示すように、内部抽選データテーブル671は、各当選役のそれぞれに対応した複数の当選役別データテーブル671aを備えており、各当選役別データテーブル671aは、同一の抽選データを有する設定値に対して共通の1個の抽選データを保持するようにして各設定値に割り当てられた抽選データを備えている。本実施形態では、各当選役別データテーブル671aは、当選役の種類を特定する当選役データと、当選役の抽選データが設定値ごとに異なった値となる場合にセットされ、同一の値となる場合にリセットされる設定フラグを有する識別データと、設定フラグが設定されているときには当選役の各設定ごとに異なる6個の抽選データ、または設定フラグがリセットされているときには当選役の各設定値について同一の1個の抽選データとを備えている。
なお、図5に示す内部抽選データテーブル671における行が、各当選役別データテーブル671aを示しており、それぞれ、
NOM_00…第1小役(「ベル」・通常遊技状態)、
NOM_01…第2小役(「チェリー」・通常遊技状態)、
NOM_02…特別役(「7」(BB)・通常遊技状態)、
NOM_03…再遊技役(「Replay」・通常遊技状態、リプレイタイム遊技状態)、
NOM_04…第3小役(リプレイタイム役)(「プラム」・通常遊技状態)、
BB_00…第1および第2小役(「ベル」、「チェリー」・特別遊技状態)、
BB_01…第1小役(「ベル」・特別遊技状態)、
の当選役別データテーブル671aを示している。
また、図6に示すように、再遊技役に係る当選役別データテーブル671aは、
RP_00…通常遊技状態、
RP_01…内部BB当選状態へ移行したことによるリプレイタイム遊技状態、
RP_02…第3小役に入賞したことによるリプレイタイム遊技状態、
の3つの状態についての抽選データを有するように構成されている。
また、この実施形態では、当選役データ、識別データはそれぞれデータサイズが1バイトとして構成されており、さらに、データサイズが1バイトの識別データは、
「BIT7,BIT6,BIT5,BIT4,BIT3,BIT2,BIT1,BIT0」
のように2進数表示されて、当該識別データのBIT0〜BIT7の各ビットに、
BIT 0=0(固定値)、
BIT 1=0(固定値)、
BIT 2=特別遊技フラグ、
BIT 3=通常遊技フラグ、
BIT 4=データ識別フラグ、
BIT 5=終了フラグ、
BIT 6=サイズフラグ、
BIT 7=設定フラグ、
のように各フラグの状態が格納できるように割り当てられており、各ビットの値を”1”とすることで、当該フラグがセットされた状態を表し、”0”とすることで、当該フラグがリセットされた状態を表すことができる。
なお、上記した各フラグは、
特別遊技フラグ…当選役別データテーブル671aが特別遊技状態用のテーブルであるときにセットされる、
通常遊技フラグ…当選役別データテーブル671aが通常遊技状態用のテーブルであるときにセットされる、
データ識別フラグ…当選役別データテーブルの3バイト目(抽選データ部)に、抽選データの代わりに、抽選データの格納先を示すアドレスデータが格納されているときにセットされ、抽選データが格納されているときにリセットされる、
終了フラグ…内部抽選データテーブル671において配列順序が最後の当選役別データテーブル671aであるときにセットされる、
サイズフラグ…一の抽選データのデータサイズが2バイトであるときにセットされる、
設定フラグ…抽選データが設定値により異なる値となる場合にセットされる、
フラグである。なお、本実施形態では、一の抽選データのサイズが1バイトであるときに、サイズフラグがリセットされて”0”に設定されるように構成されている。
以上のように構成された内部抽選データテーブル671は、図7に示すように、各当選役別データテーブル671aが、図5の内部抽選データテーブル671と同様の順序でROM67に順番に配列されている。なお、図7の一のアドレスが示すROM67上のデータ格納領域の大きさは1バイトに設定されており、2バイトのデータサイズの抽選データが格納された場合、次のデータ格納領域を示すアドレスは2進むこととなる。また、図7のアドレス&0032、&0045〜&0068に示すように再遊技役(リプレイ)についての抽選データは、ROM67上で分散して配列されている。再遊技役に係る抽選データの取得方法については後で詳細に述べる。また、図7のアドレスは説明を簡易にする為に設けたものであってこれに限定されるものではなく、また、これらのアドレスはCPUの種類等によって適宜決定されることはもちろんである。
抽選データ取得手段114は、図5に示す当選役データに基づいて当選役の種類を特定する当選役データ特定手段114aと、識別データの各フラグの状態を判定する識別データ判定手段114bとを備え、識別データ判定手段114bの判定結果に基づいて各当選役別データテーブル671aごとに抽選データまたはアドレスデータを取得するように構成されている。
また、RAM65上には、予め設定された記憶領域に、抽選データ取得手段114により取得された抽選データ等の各種データが格納されるデータ格納手段654、後述するテーブル選択手段120等により選択されたアドレスデータが格納されるアドレス格納手段652、遊技状態を表すフラグ等が設定されるフラグ格納手段653、再遊技(RT)の状態を表すフラグ等が設定される再遊技(RT)モードフラグ格納手段655が構成されている。
なお、フラグ格納手段653はRAM65に1バイトの記憶領域を有するように構成することができ、1バイトの記憶領域を2進数表示した際の各ビット(BIT0〜BIT7)を、各遊技状態を表すフラグとして割り当てて、所定のフラグをセット状態とする場合には当該フラグとして割り当てられたビットの値を”1”とし、リセット状態とする場合には当該フラグとして割り当てられたビットの値を”0”とするように構成してもよい。
例えば、フラグ格納手段653の1バイトの格納領域を、
「BIT7,BIT6,BIT5,BIT4,BIT3,BIT2,BIT1,BIT0」
のように2進数表示した際に、当該格納領域のBIT2〜BIT4を、
BIT2=特別遊技状態のときにセット状態とされるフラグ、
BIT3=通常遊技状態のときにセット状態とされるフラグ、
と割り当てた場合には、以下のように各遊技状態を表すフラグの状態を格納することができる。すなわち、
a)「00000100」を格納することで、特別遊技状態であることを、
b)「00001000」を格納することで、通常遊技状態であることを、
格納することができる。
また、フラグ格納手段653はRAM65に1バイトの記憶領域を有するように構成されているが、例えば、
0:特別遊技状態、
1:通常遊技状態、
と、各遊技状態のそれぞれについて10進数の値を割り当てることにより、スロットマシン1の遊技状態を表すフラグの状態を格納することも可能である。
また、再遊技(RT)モードフラグ格納手段655はRAM65に1バイトの記憶領域を有するように構成することができ、
0:通常遊技状態…内部BB当選状態であって、「7」の図柄が有効な入賞ラインに揃ったときに、また、第3小役に入賞したことによるリプレイタイム遊技状態であって、遊技カウンタ651の値が所定の値となったときに「0」に、
1:内部BB当選状態…通常遊技状態であって、抽選結果がBB当選であった場合は「1」に、
2:第3小役に入賞したことによるリプレイタイム遊技状態…通常遊技状態であるときに第3小役に入賞した場合は「2」に、
各再遊技状態のそれぞれについて10進数の値を割り当てることにより、スロットマシン1の再遊技(リプレイタイム遊技)状態を表す再遊技(RT)モードフラグの状態を格納することができる。
また、再遊技(RT)モードフラグ格納手段655はRAM65に1バイトの記憶領域を有するように構成されているが、1バイトの記憶領域を2進数表示した際の各ビット(BIT0〜BIT7)を、それぞれリプレイタイム遊技状態を表す再遊技(RT)モードフラグとして割り当てて、所定のフラグをセット状態とする場合には当該フラグとして割り当てられたビットの値を”1”とし、リセット状態とする場合には当該フラグとして割り当てられたビットの値を”0”とするように構成してもよい。
例えば、再遊技(RT)モードフラグ格納手段655の1バイトの格納領域を、
「BIT7,BIT6,BIT5,BIT4,BIT3,BIT2,BIT1,BIT0」
のように2進数表示した際に、当該格納領域のBIT0〜BIT1を、
BIT0=内部BB当選状態のときにセット状態とされるフラグ、
BIT1=第3小役に入賞した状態のときにセット状態とされるフラグ、
と割り当てた場合には、以下のように各遊技状態を表すフラグの状態を格納することができる。すなわち、
a)「00000000」を格納することで、通常遊技状態であることを、
b)「00000001」を格納することで、内部BB当選状態であることを、
c)「00000010」を格納することで、第3小役に入賞した状態で通常遊技状態であることを、
格納することができる。
以上のように、フラグ格納手段653および再遊技(RT)モードフラグ格納手段655における各遊技状態を表すフラグの格納方法については2種類の方法があるが、いずれを採用してもよい。スロットマシン1のメモリの容量等の構成に応じて任意に選択することができる。また、本実施形態におけるフラグ格納手段653は、抽選判定手段113による抽選結果が当選である場合にセット状態(ON)に設定される当選フラグをさらに備えている。
テーブル選択手段120は、抽選データ取得手段114がデータを取得する当選役別データテーブル671aを選択する手段である。具体的には、テーブル選択手段120は一の当選役別データテーブル671aのアドレスを選択し、抽選データ取得手段114はテーブル選択手段120により選択されたアドレスに基づいて、当該アドレスに対応する一の当選役別データテーブル671aが有する抽選データを取得するように構成されている。
遊技状態判定手段190は、スロットマシン1の遊技状態を判定するものである。すなわち、スロットマシン1の遊技状態が、通常遊技状態あるいは特別遊技状態のいずれかであることを判定する。また、遊技状態フラグ設定手段191は、遊技状態判定手段190により判定された遊技状態を表すフラグの状態をセット状態としてフラグ格納手段653に設定し、再遊技(RT)モードフラグの状態を再遊技(RT)モードフラグ格納手段655に設定する手段である。また、アドレス設定手段192は、抽選データ取得手段114が、内部抽選データテーブル671から各種データを取得するときの参照先のアドレスを設定するものである。
抽選判定手段113は、乱数抽出手段112が抽出した乱数の値が、乱数発生手段111が発生させる乱数(10進数で0〜64999)の全範囲中の各当選役の当選領域に属するかどうかを、抽選データ取得手段114が取得した抽選データに基づいて判定するものである。この抽選判定手段113は、まず、図5、7に示す内部抽選データテーブル671において、最初の当選役別データテーブル671a(NOM_00)について、すなわち、「ベル(小役1)」について当選か、あるいかハズレかを判定し、ハズレと判定されれば、次の当選役別データテーブル671a(NOM_01)について、すなわち、「チェリー(小役2)」について当選か、あるいはハズレかを判定する。そして、各当選役のいずれかに当選したと判定されれば抽選処理を終了する。また、全ての当選役別データテーブル671aについてハズレと判定された場合には、当該抽選はハズレとして抽選処理を終了するように構成されている。
したがって、乱数抽出手段112が抽出した乱数の値が、「ベル(小役1)」についての当選役別データテーブル671a(NOM_00)の抽選データに基づいて決定される当選領域に属すると判定された場合には、小役1に当選したと判定される。また、「BB(特別役)」についての当選役別データテーブル671a(NOM_02)の抽選データに基づいて決定される当選領域に属すると判定された場合には、特別役に当選したと判定される。そして、すべての当選役の当選領域に属していないと判定されたときは、ハズレと判定されることとなる。
次に、抽選データ取得手段114による抽選データ取得処理について、図5ないし図7を参照して具体的に説明する。まず、テーブル選択手段120により選択されている当選役別データテーブル671aのアドレスデータに基づいて、アドレス設定手段192により抽選データ取得手段114の参照先のアドレスが設定される。本実施形態では、図7に示す内部抽選データテーブル671における最初の当選役別データテーブル671aである「ベル(第1小役)」についてのデータテーブル(NOM_00)がテーブル選択手段120により選択されており、当該データテーブルの先頭アドレス&0000が先頭アドレスデータとしてアドレス格納手段652に格納されており、この先頭アドレスデータに基づいて、当該データテーブルの当選役データが格納されているアドレスが抽選データ取得手段114の参照先のアドレスとして、すなわち参照先のアドレスが&0000としてアドレス設定手段192により設定される。
そして、ROM67の記憶領域中でアドレス&0000として区分されているデータ格納領域に格納された当選役データを取得し、取得した当選役データに基づいて当選役データ特定手段114aが当該当選役別データテーブル671aが、第1小役「ベル」についてのテーブルNOM_00であることを特定する。このように、当選役別データテーブル671aごとに当選役データを備えているため、この当選役データに基づいて、当選役別データテーブル671aごとに当該当選役別データテーブル671aが対応する当選役を特定でき、予め各当選役別データテーブル671aを特定の順番、例えば当選役データの値が小さい順に配列する必要がない。すなわち、当選役別データテーブル671aの配列順序を容易に設定できるとともに、配列順序を容易に変更できる。
次に、当該当選役別データテーブル671aの識別データが格納されているROM67のアドレス&0001がアドレス設定手段192により抽選データ取得手段114の参照先アドレスとして設定されて、当該アドレスの記憶領域に格納されている識別データを取得して、取得した識別データに基づいて識別データ判定手段114bにより、
設定フラグ…セット状態、
サイズフラグ…セット状態、
終了フラグ…リセット状態、
データ識別フラグ…リセット状態、
通常遊技フラグ…セット状態、
特別遊技フラグ…リセット状態、
であることが判定される(図5参照)。
したがって、設定フラグが”セット状態”であると判定され、かつ、サイズフラグが”セット状態”であると判定されるので、データサイズが2バイトの抽選データが各設定値ごとに個別に格納されており、例えば、上記した設定値があらかじめ”3”と設定されていれば、アドレス設定手段192により参照先のアドレスが
「&0006(=(&0000+2)+(設定値「3」−1)×2バイト)」
と設定されて、当該アドレスに格納されている抽選データを取得することで、第1小役「ベル」についての当選役別データテーブル671aから、設定値が”3”に設定されているときの抽選データを取得することができる。
最後に、後述するように、取得した抽選データに基づいて抽選判定手段113によりハズレと判定されたときは、テーブル選択手段120により次の当選役別データテーブル671a(NOM_01)が選択され、当該データテーブルの先頭アドレスである
「&0014(=(&0000+2)+(設定値の最大数「6」)×2バイト)」
がアドレスデータとしてアドレス格納手段に格納される。なお、上記したアドレス導出式の詳細は後述する。
そして、次の当選役別データテーブル671a(NOM_01)について同様の抽選データ取得処理が実行される。そして、各当選役のいずれかに当選するか、またはすべての当選役別データテーブル671aについて抽選判定手段113による抽選判定処理が行われてハズレと判定されるまで、繰返して同様の抽選データ取得処理が実行される。
なお、抽選データ取得手段114の参照先のアドレスは、アドレス設定手段192により、
・設定フラグが0の場合(設定値ごとの抽選データが同一の場合)、
参照先アドレス=(アドレス格納手段652に格納されているアドレス+2)、
・設定フラグが1の場合(設定ごとに抽選データが異なる値の場合)、
参照先アドレス=(アドレス格納手段652に格納されているアドレス+2)+(設定値−1)×(抽選データのデータサイズ)、
として設定される。
このように、基準となるアドレス(本実施形態では、アドレス格納手段652に格納されている当選役別データテーブル671aの先頭アドレス)と、設定フラグと、サイズフラグとにより、当選役別データテーブル671aの抽選データを取得するので、当選役別データテーブル671aごとに、抽選データのデータサイズや抽選データの個数が異なっていても、抽選データ取得のための処理を切換えることなく、抽選データを取得することができる。なお、基準となるアドレスは、本実施形態の例に限られず、本実施形態における当選役データや識別データの格納場所を示すアドレスのように、当選役別データテーブル671aの先頭アドレスからのメモリ上の位置関係が、当選役によらず、常に一定であるデータの格納場所を示すアドレスであれば、どのデータの格納場所のアドレスを基準としてもよい。
また、テーブル選択手段120により選択される当選役別データテーブル671aの先頭アドレスデータは、
・設定フラグが0の場合(設定値ごとの抽選データが同一の場合)、
先頭アドレス=(アドレス格納手段に格納されているアドレス+2)+(抽選データのデータサイズ)、
・設定フラグが1の場合(設定ごとに抽選データが異なる値の場合)、
先頭アドレス=(アドレス格納手段に格納されているアドレス+2)+(設定値の最大数)×(抽選データのデータサイズ)、
としてアドレス格納手段652に格納される。
このように、基準となるアドレス(本実施形態では、アドレス格納手段652に格納されている当選役別データテーブル671aの先頭アドレス)と、設定フラグと、サイズフラグとにより、次に読込む当選役別データテーブル671aのアドレスを取得するので、当選役別データテーブル671aごとに、抽選データのデータサイズや抽選データの個数が異なっていても、当選役別データテーブル671aを選択するための処理を切換えることなく、当選役別データテーブル671aのアドレスを更新することができる。なお、基準となるアドレスは、本実施形態の例に限られず、本実施形態における当選役データや識別データの格納場所を示すアドレスのように、当選役別データテーブル671aの先頭アドレスからのメモリ上の位置関係が、当選役によらず、常に一定であるデータの格納場所を示すアドレスであれば、どのデータの格納場所のアドレスを基準としてもよい。
また、上記したように、再遊技役に係る当選役別データテーブル671a(NOM_03)は、3つの状態についての抽選データを有するように構成されており(図6参照)、当該当選役別データテーブル671aの識別データが有するデータ識別フラグはセット状態となっている(図5参照)。このとき、図5および図7に示すように、再遊技役に係る当選役別データテーブル671aは、上記3つの状態それぞれについての抽選データが格納されている場所を示すアドレスデータを4個有しており(図7のアドレス&0032、&0045、&0047、&0049参照)、アドレス設定手段192は、再遊技(RT)モードフラグの値に基づき参照先のアドレスを設定するように構成されている。このような構成とすれば、リプレイタイム遊技の種類を増やした場合(例えば、小役3のようなリプレイタイム突入役を増やし、それぞれの突入役に応じてリプレイ役への当選確率を異ならせるような場合)でも、識別フラグの役割を変更せずともよい。つまり、リプレイタイム遊技の種類を増やした場合に、容易に抽選データの変更ができる。
なお、上記したアドレスのデータサイズは2バイトとして構成されている。また、複数の段階を設定する設定値の数としては上記した6種類に限られるものではなく、任意の数に構成してもよいことは言うまでもない。
また、識別データが、抽選データのデータサイズが1バイトであるか、2バイトであるかを表すサイズフラグを有することで、例えば、1バイトの格納領域に格納可能な抽選データを2バイトの格納領域に格納することなく、より効率よく抽選データを格納することができ、ROM67の記憶領域の節約を図ることができる。
次に、図8ないし図13を参照して内部抽選処理の一例について説明する。図8は内部抽選処理の一例を示す図である。図9は内部抽選処理の一例を示す図である。図10は抽選データ取得処理を示す図である。図11は再遊技データテーブルアドレス設定処理を示す図である。図12は当選判定処理を示す図である。図13は当選役別データテーブルのアドレス更新処理を示す図である。なお、図9は図8に続くフローチャートである。以下、図4ないし図7も参照して、内部抽選処理について説明する。
1.内部抽選処理
図8および図9を参照して「内部抽選処理」について説明する。まず、ステップS101において、遊技状態判定手段190によりスロットマシン1の現在の遊技状態が判定され、特別遊技状態であるか、通常遊技状態であるかが判定される。そして、当該判定結果が遊技フラグ設定手段191によりフラグ格納手段653に設定される。
続いて、ステップS102において、テーブル選択手段120により内部抽選データテーブル671の最初の当選役別データテーブル671a(本実施形態では「ベル(小役1)」についてのデータテーブルNOM_00)の先頭アドレスデータ(&0000)がアドレス格納手段652に格納される。そして、アドレス設定手段192によりアドレス格納手段652にアドレスデータが格納された当選役別データテーブル671aについて、当選役データが格納されたデータ格納領域のアドレス(&0000)が抽選データ取得手段114の参照先アドレスとしてアドレス設定手段192により設定され、抽選データ取得手段114により当該アドレスに基づいて当選役データ($02)が取得されてデータ格納手段654に格納された後、当選役データ特定手段114aにより当選データが表す当選役が特定される(ステップS103)。
次に、ステップS104において、アドレス設定手段192により参照先アドレスが1進められ(&0001)、抽選データ取得手段114により当該アドレスに基づいて識別データが取得され、当該識別データがデータ格納手段654に格納される。続いて、ステップS101において判定したスロットマシン1の遊技状態と、当該識別データが示す遊技状態とが同一であるかが識別データ判定手段114bにより判定され(ステップS105)、NOと判定されれば、後述するステップS206に進む。一方、YESと判定されれば、すなわち、テーブル選択手段120により選択されている当選役別データテーブル671aが、現在のスロットマシン1の遊技状態用のデータテーブルであると判定されれば、ステップS106において後述する「抽選データ取得処理」が実行される。
ステップS106において「抽選データ取得処理」が実行された後、データ格納手段654に格納されている識別データの第4ビット(データ識別フラグ)がセットされているかどうか、すなわち”1”であるかどうかが識別データ判定手段114bにより判定される(ステップS201)。YESと判定されれば、すなわち、テーブル選択手段120により選択されている当選役別データテーブル671aが再遊技役に係るデータテーブルであると判定されれば、ステップS204において後述する「再遊技データテーブルアドレス設定処理」が実行され、再度、ステップS106における「抽選データ取得処理」が実行される。なお、後述するように、ステップS201においてYESと判定された場合には、ステップS106の「抽選データ取得処理」において、抽選データの代わりに、再遊技役に係る抽選データが格納されているデータテーブルのアドレスが取得されている。
ステップS201においてNOと判定されれば、ステップS202において抽選判定手段113により、後述する「当選判定処理」が実行される。そして、ステップ203において、ステップ202における抽選判定手段113による判定結果が当選であったかどうかが判定される。ステップS203においてYESと判定されれば、ステップS208においてテーブル選択手段120により選択されアドレス格納手段652に先頭アドレスデータが格納されている当選役別データテーブル671aの当選役データがデータ格納手段654に抽選結果として設定されて「内部抽選処理」を終了する。なお、最初の当選役別データテーブルアドレス671a(本実施形態ではNOM_00、図5参照)の抽選データに基づいて当選と判定されれば「ベル(小役1)」に当選したと判定されたこととなる。
一方、ステップS203において、NOと判定されればアドレス設定手段192により抽選データ取得手段114の参照先のアドレスがアドレス格納手段652に格納されているアドレスに再設定される。ステップ205の処理は、後述するステップS209において、テーブル選択手段120により選択されてアドレス格納手段652に格納される当選役別データテーブル671aの先頭アドレスデータを更新するための処理である。
そして、ステップ206において、データ格納手段654に格納されている識別データにより、現在、テーブル選択手段120により選択されている、すなわち、アドレス格納手段652に先頭アドレスデータが格納されている当選役別データテーブル671aが最後のデータテーブル(本実施形態ではBB_01、図5参照)であるかどうかが識別データ判定手段114bにより判定される。ステップS206においてYESと判定されれば、抽選手段110による抽選結果がハズレと判定されて、ハズレデータ($FF、図示省略)が抽選結果としてデータ格納手段654に設定され(ステップS207)、「内部抽選処理」を終了する。
ステップS206において、NOと判定されれば、ステップ209において後述する「当選役別データテーブルアドレス更新処理」が実行され、テーブル選択手段120により、次の当選役別データテーブル671aの先頭アドレスデータがアドレス格納手段652に格納されて、ステップS103からの処理が再度、実行される。
2.抽選データ取得処理
図10を参照して「抽選データ取得処理」について説明する。まず、ステップS301において、現在、テーブル選択手段120により選択されている、すなわち、アドレス格納手段652に先頭アドレスデータが格納されている当選役別データテーブル671aの識別データが抽選データ取得手段114により取得され、データ格納手段114に格納されている識別データが新たに取得された識別データに更新される。この処理は、後述する「再遊技データテーブルアドレス設定処理」において、アドレス設定手段により抽選データ取得手段114の参照先のアドレスが再設定されたときに、当該参照先に格納されている抽選データを取得するために新たな識別データを獲得する処理である。
次に、新たに更新された識別データのBIT6(サイズフラグ)およびBIT7(設定フラグ)の状態が識別データ判定手段114bにより判定されて、当該判定結果に応じて上述したように抽選データが取得されて、抽選データ取得手段114により当該抽選データがデータ格納手段654に格納される(ステップS302〜ステップS312)。
3.再遊技データテーブルアドレス設定処理
図11を参照して「再遊技データテーブルアドレス設定処理」について説明する。まず、ステップS701において、再遊技別データテーブル指定用テーブルのアドレス(本実施形態では&0045)を参照先アドレスとしてアドレス設定手段により設定する。本実施形態では、図5および図7に示すように、再遊技役に係る当選役別データテーブル671a(NOM_03)の識別データの次のアドレス(&0032)にデータサイズが2バイトのアドレスデータとして再遊技別データテーブル指定用テーブルのアドレスが格納されている。したがって、まず、アドレス&0031に格納されている識別データのBIT6およびBIT7を識別データ判定手段114bにより判定して、当該識別データの次のアドレス(&0032)に格納されているデータのサイズが2バイトであり、その数は1つであることを判定することができる。この判定結果に基づいて、抽選データ取得手段114によりアドレスデータを取得できる。このように、抽選データに換えてアドレスデータを格納しても、抽選データ取得手段114により抽選データと同様にアドレスデータを取得することができる。なお、このアドレスデータ取得処理は、図10の「抽選データ取得処理」において、ステップS302,S303,S306,S307の処理を実行するのに相当する。
次に、ステップS702において、再遊技(RT)モードフラグ格納手段655に格納された再遊技(RT)モードフラグが取得され、取得された再遊技(RT)モードフラグの値に基づき、アドレス設定手段192により抽選データ取得手段114の参照先のアドレスが、
・通常遊技状態(再遊技(RT)モードフラグ=0)であれば、
&0045、
・内部BB当選状態(再遊技(RT)モードフラグ=1)であれば、
&0047、
・第3小役に入賞したことによるリプレイタイム遊技状態(再遊技(RT)モードフラグ=2)であれば、
&0049、
に設定される(ステップS703,704)。なお、図8のステップS105において、当選役別データテーブル671aが特別遊技状態用であるか、通常遊技状態用であるかが判定されているため、図11のステップS703において、スロットマシン1が特別遊技状態であると判定されることはない。
4.当選判定処理
図12を参照して「当選判定処理」について説明する。まず、データ格納手段654に格納されている乱数の値を取得する。この乱数の値は、スタートスイッチ19の操作時に乱数抽出手段112により抽出された乱数が初期値として設定されており、当選判定処理が実行されるたびに新しい値に更新されるものである。そして、抽選判定113により、図10を参照して説明した「抽選データ取得処理」において取得した抽選データの値と、乱数の値の値とが比較され(ステップS602)、乱数の値が抽選データの値よりも小さいと判定されればステップS604に進み、当選と判定されてフラグ格納手段653の当選フラグがONに設定される。
一方、ステップS602においてNOと判定されれば、データ格納手段654に格納されている乱数の値が、
「乱数の値」=「現在の乱数値」−「抽選データ値」
として更新される(ステップS603)。
5.当選役別データテーブルのアドレス更新処理
図13を参照して「当選役別データテーブルのアドレス更新処理」について説明する。まず、ステップ401において、現在、テーブル選択手段120により選択されている、すなわち、アドレス格納手段652に先頭アドレスデータが格納されている当選役別データテーブル671aの識別データが抽選データ取得手段114により取得され、データ格納手段114に格納されている識別データが新たに取得された識別データに更新される。
次に、新たに更新された識別データのBIT6(サイズフラグ)およびBIT7(設定フラグ)の状態が識別データ判定手段114bにより判定されて、当該判定結果に応じて上述したように、テーブル選択手段120により選択される新たな当選役別データテーブル671aの先頭アドレスデータがアドレス格納手段652に格納される(ステップS402〜ステップS408)。
以上説明したように、この実施形態によれば、複数の当選役それぞれに対応した複数の当選役別データテーブル671aを有する内部抽選データテーブル671を備え、各当選役別テーブル671は、当該当選役の抽選データが、設定値ごとに同一となる場合には当該当選役の各設定値のすべてに共通の1個の抽選データを有するように構成されているため、同一の抽選データを各設定値ごとに個別にすべて有する構成に比べ、内部抽選データテーブル671が有する抽選データの総数を減らすことができ、複数の抽選データの全データ量の圧縮を図ることができる。
また、各当選役別データテーブル671aは、当選役の種類を特定する当選役データと、抽選データが設定値ごとに異なる場合にセットされ、同一となる場合にリセットされる設定フラグを有する識別データとを備え、抽選データ取得手段114は当選役別データテーブル671aごとに、当選役データ特定手段114aにより当選役データに基づいて当選役の種類を特定するとともに、識別データ判定手段114bにより識別データの設定フラグの状態を判定して、当該判定結果に基づいて抽選データを取得するように構成されている。したがって、抽選判定手段113は、乱数抽出手段112が抽出した乱数の値が乱数発生手段111が発生させる乱数の全範囲中の各当選役の当選領域に属するかどうかを、抽選データ取得手段114により取得された抽選データに基づいて、各当選役別データテーブル671aごとに判定することができるため、各当選役についての抽選データが設定値ごとに異なる場合および同一の場合のいずれであっても、一の当選役の抽選処理を行うために2個以上の当選役別データテーブル671aから抽選データを取得する必要がなく、同一の処理で各当選役別データテーブル671aごとに抽選データに基づく判定処理を行うことができ、抽選手段110による抽選処理を簡略化できる。
また、内部抽選データテーブル671が有する複数の当選役別データテーブル671aごとに、一の当選役について当選したかあるいはハズレかの抽選を行うことができるため、内部抽選データテーブル671における各当選役別テーブル671aの配列順序を変更するだけで容易に当該内部抽選データテーブル672の内部データ構造の変更ができる。しかも、内部データ構造を変更しても、各当選役別データテーブル671aが備える当選役データおよび識別データを当選役データ特定手段114aおよび識別データ判定手段114bにより判定して抽選データを取得することで、内部データ構造の変更前と同様の処理で抽選手段による抽選処理を行うことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明のスロットマシンの第2実施形態について図14を参照して説明する。本実施形態が上記第1実施形態と異なる点は、「ベル(小役1)」についての当選役別データテーブルを2個備えている点である。その他の構成および動作は上記した第1実施形態の構成および動作と同様であるため、その構成および動作についての説明は省略する。以下、上記第1実施形態と異なる点について図5も参照して参照して説明する。なお、図14は内部抽選データテーブル671を示す図である。
図14に示すように、本実施形態の内部抽選データテーブル671は、「ベル(小役1)」についての当選役別データテーブル671aを2個備えている(NOM_00、NOM_03)。そして、一方の当選役別データテーブル671a(NOM_00)は、設定フラグがリセットされて「ベル(小役1)」の6個の各設定値のすべてに共通の1個の抽選データを2バイトのデータサイズで備え、他方の当選役別データテーブル671a(NOM_03)は、設定フラグがセットされて「ベル(小役1)」の6個の各設定値ごとに異なる抽選データをそれぞれ1バイトのデータサイズで備えている。その一方で、設定値を同一とする抽選データを和したものは、図5に示す「ベル(小役1)」についての当選役別データテーブル671aの各設定値ごとの値と一致するように構成され、2バイトのデータサイズで表される予め設定された値となるように構成されている(設定1=1310、設定2=1315、設定3=1320、設定4=1325、設定5=1330、設定6=1335)。
すなわち、乱数発生手段111が発生させる乱数の全範囲中(10進数で0〜6499)での各当選役の出現回数は、各当選役のそれぞれについて各設定値ごとに予め定められた値となるように構成されている。したがって、「ベル(小役1)」についての2個の当選役別データテーブル671aのそれぞれの抽選データは、設定値を同一とする抽選データごとに和したものが予め設定された値となるように構成されている。
このような構成とすれば、「ベル(小役1)」について、乱数発生手段111が発生させる乱数の全範囲中での出現回数を変更することなく当該全範囲中での「ベル(小役1)」の当選領域を分割することができ、内部抽選データテーブル671の内部データ構造をより効率よく、任意に変更することができる。
また、図14に示す内部抽選データテーブル671において、「ベル(小役1)」についての抽選データの全データ量は、
・テーブルNOM_00(当選役別データテーブル671a)
4バイト=当選役データ(1バイト)+識別データ(1バイト)+抽選データ(2バイト)、
・テーブルNOM_03(当選役別データテーブル671a)
8バイト=当選役データ(1バイト)+識別データ(1バイト)+抽選データ(1バイト×6)、
となり、合計12バイトとなる。
一方、図5に示す内部抽選データテーブル671において、「ベル(小役1)」についての抽選データの全データ量は、
・テーブルNOM_00(当選役別データテーブル671a)
14バイト=当選役データ(1バイト)+識別データ(1バイト)+抽選データ(2バイト×6)、
ととなり、設定値を同一とする抽選データを和した値が同一である、すなわち、抽選確率は変わらないのにも関わらず、全体のデータ量の圧縮を図ることができる。
なお、2個の当選役別データテーブル671aの構成としては、2個の当選役別データテーブル671aのうち一方は、設定フラグがリセットされて一の当選役のX(X:2以上の自然数)個の各設定値のすべてに共通の1個の抽選データをN(N:3以上の自然数)バイトのデータサイズで備え、他方は、設定フラグがセットされて一の当選役のX個の各設定値ごとに異なる抽選データをそれぞれn(n:n<N(X−1)/Xの自然数)バイトのデータサイズで備える構成とするのがよい。または、2個の一の当選役についての当選役別データテーブル671aのうち一方は、設定フラグがリセットされて一の当選役のX(X:3以上の自然数)個の各設定値のすべてに共通の1個の抽選データをN(N:2以上の自然数)バイトのデータサイズで備え、他方は、設定フラグがセットされて一の当選役のX個の各設定値ごとに異なる抽選データをそれぞれn(n:n<N(X−1)/Xの自然数)バイトのデータサイズで備える構成とするのがよい。そして、一の当選役についての一方および他方の当選役別データテーブル671aの、設定値を同一とする抽選データの和は、それぞれNバイトのデータサイズで表される予め設定された値となるように構成するのが望ましい。
このような構成とすれば、一の当選役について、乱数発生手段111が発生させる乱数の全範囲中での出現回数を変更することなく当該全範囲中での一の当選役の当選領域を分割することができ、内部抽選データテーブル671の内部データ構造をより効率よく、任意に変更することができるとともに、一の当選役についての抽選データのデータ量の圧縮を図ることができる。
また、他の当選役について、「ベル(小役1)」と同様に当選役別データテーブル671aを分割して設けてもよいことは言うまでもない。また、一の当選役についての当選役別データテーブル671aを分割する個数については2個に限られるものではなく、3個以上に分割してもよい。
<その他>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態では、通常遊技状態においては3枚のメダルを投入して遊技を行い、特別遊技状態では1枚のメダルを投入して遊技を行うように構成しているが、それぞれ1〜3枚の任意のメダルを投入して遊技を行うように構成してもよい。このとき、メダルの投入枚数に応じて抽選データの値を異ならせた内部抽選データテーブル671を複数個備えるようにしてもよい。
また、識別データの「BIT0」、「BIT1」を、例えば、
「BIT0,BIT1」=「00」:メダル投入枚数が1枚のときの当選役別データテーブル671a、
「BIT0,BIT1」=「01」:メダル投入枚数が2枚のときの当選役別データテーブル671a、
「BIT0,BIT1」=「10」:メダル投入枚数が3枚のときの当選役別データテーブル671a、
のように利用して、メダル投入枚数に応じた各当選役について当選役別データテーブル671aを備える構成としてもよい。
また、上記した実施形態では、各当選役についての乱数の全範囲中での出現回数を抽選データとして各当選役別データテーブル671aに格納したが、抽選データとしては出現回数に限られるものではない。例えば、各当選役についての乱数の全範囲中での当選領域の範囲を示す2つの値でもよいし、当該範囲を表す2つの値のうち、上限値を表す値を格納してもよい。すなわち、各当選役についての乱数の全範囲中での当選領域を決定することのできる情報であれば、どのような情報を抽選データとして各当選役別データテーブル671aに格納してもよい。
また、本実施形態におけるリプレイタイム遊技の代わりに、抽選手段110の抽選結果を遊技者に告知する遊技であるアシストタイム遊技や、特別役当選に対応した図柄が所定の位置に停止しなかったときに当該特別役当選を累積して持ち越す遊技であるストックタイム遊技や、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作から対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転停止までの時間が所定時間以内でありかつ可能な限り短い遊技であるチャンスタイム遊技や、入賞となる特定の順序を遊技者に知らせる遊技である押し順ナビ遊技など、通常遊技および特別遊技とは異なる遊技である特殊遊技を実行するように構成してもよい。また、これらの特殊遊技を、前述した通常遊技やリプレイタイム遊技と複合的に実行可能に構成してもよい。
例えば「アシストタイム遊技」は、上述したように、抽選手段110の抽選結果を遊技者に告知する遊技である。すなわち、アシストタイム遊技中は、抽選手段110の抽選結果が、左・中・右リール13L,13M,13Rの停止操作前に、遊技者に告知される。また、抽選結果の告知は、例えば、スロットマシン1の前面に設けた液晶表示器27に、抽選結果に対応した図柄を表示することによって行うことができる。また、抽選結果が告知されると、遊技者は、各リール13L,13M,13Rの停止操作前に、いずれの図柄を入賞ライン上に揃えればよいかがわかるので、告知の内容に従って各リール13L,13M,13Rの停止操作を行うことができる。したがって、抽選手段110による抽選結果が、予め設定された当選役に当選した場合には、当該当選役への入賞が容易となり、メダルの獲得枚数を増加させることができる。
また、上述した通常遊技およびリプレイタイム遊技において、このアシストタイム遊技が複合的に実行された場合であれば、抽選手段110による抽選結果が遊技者に告知される。したがって、当該抽選結果が、通常遊技おいて予め設定された当選役に当選した場合には、遊技者は告知の内容に従って各リール13L,13M,13Rの停止操作を行うことで、当該当選役への入賞が容易となる。なお、このような制御は、例えば、サブ制御手段73に、抽選結果に対応した図柄を液晶表示器27に表示するための手段を備え、この手段の制御を図示省略した特殊遊技制御手段が行うことによって実施可能である。
また、上記したリプレイタイム遊技と同様に、各当選役に係る当選役別データテーブル671aが抽選データとして、アシストタイム遊技用の抽選データを備え、アシストタイム遊技を当該アシストタイム遊技用の抽選データを用いて実行することも可能である。例えば、アシストタイム遊技用の抽選データとして、通常遊技状態用の抽選データよりもメダル払い出しに係る当選役への当選確率を高くした、すなわち、ハズレとなる確率を低くしたものを採用することで、アシストタイム遊技において、遊技者へのメダルの獲得枚数を増加させることができる。なお、他の特殊遊技についても、それぞれの特殊遊技に応じた抽選データを採用することが可能であり、また、当該特殊遊技と通常遊技またはリプレイタイム遊技とを複合的に実行可能であり、その詳細な説明は省略する。
また、当選役データと識別データとを、以下で説明するように合わせて1バイトのデータサイズとなるように構成してもよい。すなわち、当選役データおよび識別データは、
「BIT7,BIT6,BIT5,BIT4,BIT3,BIT2,BIT1,BIT0」
のように2進数表示されて、当該データのBIT0〜BIT7の各ビットに、
BIT 0,1=当選役データ(「00」「01」「10」「11」の4種類)、
BIT 2=特別遊技フラグ、
BIT 3=通常遊技フラグ、
BIT 4=データ識別フラグ、
BIT 5=終了フラグ、
BIT 6=サイズフラグ、
BIT 7=設定フラグ、
のように各フラグの状態が格納できるように割り当てられており、各ビットの値を”1”とすることで、当該フラグがセットされた状態を表し、”0”とすることで、当該フラグがリセットされた状態を表すことができる。このような構成とすれば、同一役に対応した当選役別データテーブル671aを複数設けても、当選役データおよび識別データのデータ量の増加が少ないので、当選役別データテーブル671aを複数設けることにより抽選データのデータサイズが小さくなったことによる抽選データのデータ圧縮の効果を顕著なものとすることができる。
また、図15に示すように、当選役別データテーブル671aの識別データを以下で説明するように構成してもよい。すなわち、上記した実施形態における特別遊技フラグとしてのBIT2と通常遊技フラグとしてBIT3を、
「BIT2,BIT3」=「11」:通常遊技状態および特別遊技状態、
「BIT2,BIT3」=「10」:特別遊技状態、
のように構成することで、通常遊技時にはテーブルTBL_01(当選役別データテーブル671a)のみを利用するが、特別遊技時にはテーブルTBL_01とテーブルTBL_02(当選役別データテーブル671a)の両方を利用するように構成している。このような構成とすれば、異なる遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態)であっても、共通の当選役別データテーブル671aを使用しているので、抽選データのデータ量を圧縮でき、かつ、遊技状態ごとに当選役への当選確率を異ならせることができる。なお、図15は、内部抽選データテーブルの変形例の一例を示す図である。
また、図16に示すように、一部の設定値についてのみ同一の抽選データを備え、その他の設定値に関しては個別に抽選データを備えるように当選役別データテーブル671aを構成してもよい。図16に示す例では、「ベル(小役1)」についての当選役別データテーブル671aを、設定値1〜設定値4については共通する「1300」という1個の出現回数としての抽選データを備え、設定値5および設定値6については、それぞれ「1330」、「1335」という出現回数としての抽選データを備える構成としている。そして、当選役別データテーブル671aの識別データのデータサイズが2バイトとなるように構成し、増大させた1バイト分の識別データ(図16の「識別データ」の下側)を利用して、どの設定値において抽選データが共通であるか、または個別であるかを区別するための情報を格納するように構成している。
すなわち、識別データの1バイト分(図16の「識別データ」の上側)は上記した実施形態と同様のフラグの状態を格納可能に構成し、識別データの増加させた1バイト分(図16の「識別データ」の下側)を、
BIT0〜2:共通化開始位置…抽選データの共通化が開始される設定値、
BIT3〜6:共通化期間…抽選データが共通化されている設定値の数、
を格納するように構成している。図16に示す例では、抽選データの共通化は「設定1」から開始されて「設定4」まで共通化されているので、
共通化開始位置=1「001」、
共通化期間=4「0100」、
が格納されている。これにより、スロットマシン1(遊技機)の設定値に応じて、抽選データ取得手段114が当選役別データテーブル671aから抽選データを取得する際の参照アドレスを設定することができる。
具体的には、上記した識別データに基づいて、当選役別データテーブル671aが、設定値1〜(スロットマシン1において現在設定されている設定値)の区間に、何個の抽選データを備えているのかを導出することができるので、参照先のアドレスを導出することができる。すなわち、図16に示す例では、スロットマシン1に現在、設定されている設定値が「3」であれば、設定値1〜3の区間には抽選データが1個しかないことが求められるので、識別データのアドレスに、抽選データのデータサイズ(データサイズはサイズフラグにより特定)に1を掛けた値を加算することにより、抽選データ取得手段114が抽選データを取得する際の参照アドレスを求めることができる。
また、スロットマシン1に現在、設定されている設定値が「5」であれば、設定値1〜5の区間には抽選データが2個あることが求められるので、識別データのアドレスに、抽選データのデータサイズ(データサイズはサイズフラグにより特定)に2を掛けた値を加算することにより、抽選データ取得手段114が抽選データを取得する際の参照アドレスを求めることができる。なお、図16は、内部抽選データテーブルの変形例の一例を示す図である。
また、本発明に係る遊技機としてスロットマシンを例に挙げて説明したが、遊技機としてはこれに限られず、パチンコ等を採用することもできる。
13…回転リール、19…スタートスイッチ、21…ストップスイッチ、63…メイン制御基板(制御装置)、73…サブ制御基板(制御装置)、671…内部抽選データテーブル、671a…当選役別データテーブル、111…乱数発生手段、112…乱数抽出手段、113…抽選判定手段、114…抽選データ取得手段、114a…当選役データ特定手段、114b…識別データ判定手段