<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
(構成)
本実施形態に係る遊技機の一例であるスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態において、メダルなどの遊技媒体が規定数(例えば、3枚)投入され、後述するスタートスイッチ19が操作されることを条件に一回の遊技が実行開始されるものであり、図1に示すように構成されている。
筐体3の前面は、前面パネル5により開閉自在に閉塞され、この前面パネル5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設される。操作板7の上方に正面板9が配設されている。正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール13L,13M,13R(本発明の「表示手段」に相当)が配置されている。図2に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rには、複数種類の図柄(例えば、「7」「BAR」「Bell」「チェリー」「スイカ」「R1」「R2」)が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄には、0番から20番までのコマ番号が順に付されている。この場合、例えば、コマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープが各リールの周面に貼り付けられている。そして、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。
また、各リール13L,13M,13Rは、独立して回転駆動できるように構成されており、各リール13L,13M,13Rそれぞれに、ステッピングモータにより構成されるリールモータ14L,14M,14R(本発明の「表示手段」に相当)が連結されている。
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(ここでは3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、この実施形態では、1ゲームに必要なメダル投入数(規定数)は、3枚の1種類が設定されている。また、各リール13L,13M,13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L,21M,21Rは、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応して設けられている。
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示器27が設けられている。液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダルの払出口39や、この払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9には入賞ラインが描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
また、正面板9の表示窓11の下方には、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rを操作する順番や、役抽選の結果などを報知(表示)するための報知用表示器60(本発明の「システム表示装置」に相当)が配設されている。報知用表示器60は、例えば3個の7セグメントLEDで構成され、3桁の数字が表示可能になっている。したがって、各桁それぞれを、左から順番に、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rに対応させ、各桁それぞれに、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序に応じて、数字の”1”、”2”、”3”を表示させることにより、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rを操作する順番を報知することができる。また、例えば、後述する各役抽選結果のそれぞれに識別用の所定の数字を個別に割り当てて説明パネル29等に記載しておき、役抽選の結果に応じて報知用表示器60に所定の数字を表示させることにより、役抽選の結果を報知することができる。
また、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体が、筐体3内の後壁に固定されている。筐体3内の支持枠体の下方には、メダルを払出口39に排出するためのホッパーユニット43が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48が配設されている。
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について図3および図4の各ブロック図を参照して説明する。
図3に示すように、投入センサ53が、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出する。払出センサ54が、ホッパーユニット43の出口に設けられ、払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出する。
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するもので、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
ホッパーモータ57は、ホッパーユニット43に配設されて、その駆動によりメダルを払出口39に向けて払い出す。
また、スロットマシン1には、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられ、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向に各種のデータが送信される。また、報知用表示器60の表示を制御するための表示制御基板83がさらに設けられ、メイン制御基板63から表示制御基板83に対して一方向に各種のデータが送信される。この表示制御基板83には、報知用表示器60を制御するためのマイクロプロセッサー形式の表示制御用デバイス(図示省略)が搭載されており、当該表示制御基板83が報知用表示器60に接続されている。なお、メイン制御基板63および表示制御基板83は、外部から不正にアクセスすることができないように、1つの基板ケース内に一緒に封印されている。また、基板ケースには、不正に解放されたことを確実に視認することができるように、種々の対策が講じられている。
メイン制御基板63のRAM65は、スロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであり、これにより、後述するフラグ格納手段651などの各種の記憶領域が形成される。
また、メイン制御基板63のROM67は、予め設定されたデータ(抽選テーブル、停止テーブルなど)を含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶する。
メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。この、メインCPU61は、後述する役抽選手段101による抽選処理における役抽選結果に関するデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータなどの種々のデータを、所定のコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。また、メインCPU61は、報知用表示器60に所定の表示(システム表示)を行わせるためのデータを、コマンド形式で表示制御基板83に送信する。
サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(役抽選手段101による抽選処理における役抽選結果、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の操作器具が操作されたか、などに関するデータ)に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行し、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27やスピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
また、表示制御基板83に搭載された表示制御用デバイスは、メイン制御基板63から出力されたコマンドに基づいて、I/Oポートを介して接続された報知用表示器60の制御を行う。
なお、この実施形態では、メイン制御基板63により本発明の「メイン制御部630」が構成され、サブ制御基板73により本発明の「サブ制御部730」が構成され、表示制御基板83により本発明の「システム表示制御部830」が構成されている。
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63について、図4を参照して詳細に説明する。図4に示すように、メイン制御基板63は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)遊技制御手段100
遊技制御手段100は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態においてスロットマシン1の遊技を制御して、一般的な遊技である通常遊技および遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技である特別遊技を実行するものであり、操作態様判定手段100aおよび遊技状態設定手段100bを備えている。
a)操作態様判定手段100a
操作態様判定手段100aは、スロットマシン1に対する遊技者の操作態様を判定するものである。具体的には、各ベットスイッチ15,17、スタートスイッチ19、各ストップスイッチ21L,21M,21Rなどのスロットマシン1が備える各種スイッチに対する遊技者による操作の態様や、メダル投入口25への遊技者によるメダルの投入操作の態様など、遊技者によるスロットマシン1に対する種々の操作の態様を判定する。
b)遊技状態設定手段100b
遊技状態設定手段100bは、後述する役抽選手段101による抽選処理の結果や、表示窓11に表示された各リール13L,13M,13Rの図柄の表示態様の図柄判定手段105による判定結果などに基づいて、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれか1つにスロットマシン1の遊技状態を設定するものである。
具体的には、通常遊技が実行される通常遊技状態において、各リール13L,13M,13Rの図柄が所定の特別役への入賞に係る表示態様で表示窓11に表示されると、スロットマシン1の遊技状態が、遊技状態設定手段100bにより特別遊技が実行される特別遊技状態に設定される。そして、特別遊技状態において、所定枚数のメダルが払い出され、所定数の遊技(ゲーム)が実行される、などの特別遊技終了条件が成立すれば、特別遊技を終了して、スロットマシン1の遊技状態が、遊技状態設定手段100bにより通常遊技状態に設定される。
また、通常遊技状態において、特別役に当選したにも関わらず当該特別役に入賞しなかった場合、すなわち、当該特別役への入賞に係る表示態様で各図柄が表示窓11に表示されるように各リール13L,13M,13Rが停止しなかった場合には、スロットマシン1の遊技状態が、遊技状態設定手段100bにより内部当選中遊技が実行される内部当選中遊技状態に設定される。また、内部当選中遊技状態において、入賞せずに内部で持ち越されている特別役に入賞すると、スロットマシン1の遊技状態が、遊技状態設定手段100bにより特別遊技状態に設定される。
次に、スロットマシン1において実行される遊技の概略について説明する。
スロットマシン1は、3枚のメダルの投入により1回のゲーム(遊技)が行われるように構成され、投入センサ53、ベットスイッチ15または最大ベットスイッチ17により3枚のメダルのスロットマシン1への投入が検出されると、表示窓11の中央(中段)の水平な入賞ライン(センターライン)が有効となる。ここでスタートスイッチ19が操作されたことが検出されると、乱数を使用した抽選処理により、予め設定された役抽選結果のいずれかが役抽選手段101による抽選処理により選択される。また、左・中・右リール13L,13M,13Rの全ての回転が開始すると、表示窓11に表示される各リール13L,13M,13Rの図柄の判別が各リール13L,13M,13Rの回転角に基づいて開始される。
その後、左・中・右リール13L,13M,13Rが加速されて、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となり、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となった後、左ストップスイッチ21Lの操作が検出されると左リール13Lが停止され、中ストップスイッチ21Mの操作が検出されると中リール13Mが停止され、右ストップスイッチ21Rの操作が検出されると右リール13Rが停止される。このように、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止される。
3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rのすべてが操作されると、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止される。このとき、所定の図柄が有効となった表示窓11の中段の入賞ライン上の所定の位置に停止すると、すなわち、各リール13L,13M,13Rの図柄が役への入賞に係る表示態様で表示窓11に表示されると入賞となり、入賞態様に応じた枚数のメダルが、クレジットされるか、払出口39から払い出される。なお、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。
図5に示すように、この実施形態では、役として、特別役(ボーナス:BB,RB)、小役(中段ベル、一枚役1〜12、チェリー1、チェリー2、スイカ1、スイカ2)、再遊技役(リプレイ1〜8)が予め設定されている。本実施形態では、役抽選結果として、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様(押し順)に応じて異なる役(「中段ベル」、「一枚役1」〜「一枚役12」、「リプレイ1」〜「リプレイ8」)に揃う可能性のある重複当選(当選役グループ:左ベル・中ベル・右ベル・リプレイ)に当選する可能性がある。そして、役抽選手段101の役抽選結果には、特別役当選(ボーナス当選)と、小役当選と、再遊技役当選(リプレイ当選)と、ハズレとがある。
また、入賞には、特別遊技(ボーナスゲーム)への移行に係る特別役入賞(ボーナス入賞)と、メダルの払い出しに係る小役入賞と、再遊技(リプレイ)の実行に係る再遊技役入賞(リプレイ入賞)とがある。
そして、例えば、図5の役「BB」「RB」に係る各表示態様(図柄の組み合わせ)で各リール13L,13M,13Rの図柄が入賞ライン上に3個揃うと、特別役入賞となって、ボーナスゲーム(特別遊技)が実行される。この実施形態では、入賞ラインとして、表示窓11の表示される3行3列の各リール13L,13M,13Rの図柄のうち、横方向の真ん中の1ライン(いわゆる、中段ライン)が設定されている。
なお、この実施形態では、特別役入賞によるメダル払い出しはなく(特別役の規定払出枚数は0)、特別役に係る入賞態様が成立した遊技の後にボーナスゲームへ移行するように構成されているが、特別役に所定枚数(例えば10枚)の規定払出枚数を設定し、メダルを払い出した後にボーナスゲームへ移行するようにしてもよい。
また、例えば、図5の役「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役12」「チェリー1」「チェリー2」「スイカ1」「スイカ2」に係る各表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が表示窓11の中段の入賞ライン上に3個揃うと小役入賞となって、図5の「払出枚数」の欄に示す枚数のメダルが払い出される。
また、図5の役「リプレイ1」〜「リプレイ8」に係る表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が入賞ライン上に3個揃うと再遊技役入賞となって、新たなメダルを投入することなく、再度遊技を行うことができる。
また、この実施形態では、上述のように、役抽選手段101により複数の役に同時に当選することができるように構成されている。例えば、図5に示すように、複数の役により構成される当選役グループ(役抽選結果)が形成されており、各当選役グループに当選したか否かが役抽選手段101により抽選される。各当選役グループのうち、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」(以下、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」をまとめて「ベルグループ」と称する場合もある)には、それぞれ、複数の当選役が含まれている。具体的には、当選役グループ「左ベル」は、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役4」により構成され、当選役グループ「中ベル」は、「中段ベル」「一枚役5」〜「一枚役8」により構成され、当選役グループ「右ベル」は、「中段ベル」「一枚役9」〜「一枚役12」により構成されている。
したがって、役抽選手段101により、当選役グループ「左ベル」に当選したと決定されると、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役4」に同時に当選したことになり、当選役グループ「中ベル」に当選したと決定されると、「中段ベル」「一枚役5」〜「一枚役8」に同時に当選したことになり、当選役グループ「右ベル」に当選したと決定されると、「中段ベル」「一枚役9」〜「一枚役12」に同時に当選したことになる。
また、この実施形態では、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」それぞれには、各リール13L,13M,13Rの停止時の図柄の組み合わせが遊技者にとって有利な結果となる(より大きな利益が得られる)ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様が予め設定されている。すなわち、図5の「備考」の欄に示すように、役抽選手段101による役抽選結果(当選役グループ)が同一の場合であっても、遊技者が各ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのような順番で操作したかによって入賞態様(表示態様)が異なるように、停止制御手段102が各リール13L,13M,13Rを停止制御する。
換言すれば、図5に示す各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選している場合に、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序に対応して、入賞に係る図柄を優先的に入賞ライン上に揃える役が異なるように、停止制御手段102が構成されている。
具体的には、図5に示すように、例えば役抽選手段101による役抽選結果が当選役グループ「左ベル」に当選であった場合に、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lに対して操作が行われたと判定されると、最も遊技者に有利である当選役「中段ベル」に対応した表示態様である図柄「Bell」が入賞ライン上に揃った状態で図柄が表示されるように各リール13L,13M,13Rが停止制御手段102により停止制御される。その一方で、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lに対して操作が行われなかったと判定されると、当選役「中段ベル」に対応した表示態様である図柄「Bell」が入賞ライン上に揃った状態で図柄が表示されることはない。すなわち、当選した当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」)に対応して予め設定された操作順序でストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたと操作態様判定手段100aにより判定されない限り、当選役グループに含まれる遊技者に最も有利な当選役に対応した表示態様で図柄が表示されることはない。なお、上述の遊技者に有利な結果となるストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様(押し順)が本発明の「特定手順」に相当する。また、以下、遊技者に有利な結果となるストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を、「有利な押し順」という場合もある。
次に、特別遊技の態様について説明する。この実施形態では、特別遊技として、レギュラーボーナスとビッグボーナスが設定されている。通常遊技において、入賞ライン上に「BAR−BAR−BAR」が揃えば、特別役RBに入賞となり、次遊技からレギュラーボーナスが実行される。レギュラーボーナスでは、役抽選手段101による抽選処理の当選確率を規定する抽選テーブルが、通常遊技において選択される通常遊技用抽選テーブルから、小役の当選確率が通常遊技の場合よりも高確率に規定されたRB遊技用抽選テーブルに切り換わることで、通常遊技中よりも、小役の当選確率が高くなるように設定されている。そして、レギュラーボーナスゲームに移行した後、例えば、予め設定された回数(例えば、7回)の遊技が行われるとレギュラーボーナスを終了して通常遊技へ移行する。
また、通常遊技において、入賞ライン上に「7−7−7」が揃えば、特別役BBに入賞となり、次遊技からビッグボーナスが実行される。ビッグボーナスも、レギュラーボーナスと同様に、小役の当選確率が通常遊技中よりも高確率に規定されたBB遊技用抽選テーブルに切り換わることで、通常遊技中よりも、小役の当選確率が高くなるように設定されている。そして、例えば、ビッグボーナスに移行した後、メダル払出枚数が、所定の上限枚数に達したときに、ビッグボーナスを終了して通常遊技へ移行する。したがって、特別遊技(レギュラーボーナス、ビッグボーナス)は、通常遊技に比べて、遊技者に有利な遊技となる。
また、役抽選手段101の役抽選結果が特別役当選(BB,RB)となると、特別役当選に基づいた図柄の停止制御が行われるが、このとき、特別役の入賞態様の図柄配列が引き当てられないと、内部当選中遊技状態に移行すると共に、この特別役当選は、特別役の入賞態様の図柄配列が引き当てられるまで持ち越される。
なお、小役当選は、役抽選結果が小役当選となった遊技で小役の入賞態様の図柄配列を引き当てられないと、次回の遊技には持ち越されない。また、リプレイ当選の場合には、どのようなタイミングで各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されても、「リプレイ1」〜「リプレイ8」のいずれかに係る図柄が必ず入賞ライン上に揃うように左・中・右リール13L,13M,13Rに図柄が配置されているため、必ず再遊技役に入賞する。また、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選の場合には、リプレイに係る図柄と同様に、どのようなタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されても、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」に係る図柄(「Bell」「R1」「R2」)が必ず入賞ライン上に揃うように左・中・右リール13L,13M,13Rの図柄が配置されているため、必ず「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役12」のいずれかに入賞する。すなわち、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選した場合に、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されれば、各ストップスイッチ21L,21M,21Rがどのようなタイミングで操作されても、各操作態様に対応付けされた入賞に係る図柄(図5参照)が入賞ライン上に揃うように各リール13L,13M,13Rが停止制御手段102により停止制御される。
(2)役抽選手段101
役抽選手段101は、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで、複数の役抽選結果(特別役当選、小役当選(小役重複当選)、再遊技役当選、ハズレ)のうちのいずれか1つを現在の遊技における役抽選結果として、乱数と抽選テーブルとを使用した抽選処理により選択して決定するものであり、乱数発生手段、乱数抽出手段、抽選テーブル、および抽選判定手段を備えている。ここで、乱数発生手段は、抽選用の乱数を、所定の範囲内(例えば、10進数で0〜16383)で発生させるものであり、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成されている。また、乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出する。なお、乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただし、スタートスイッチ19が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、乱数抽出手段が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。なお、乱数発生器により乱数を生成してもよい。
さらに、抽選テーブルは、乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、予め設定されている役抽選結果のいずれかに該当するか否かが予め定められたものであり、乱数抽出手段により抽出された乱数と、抽選テーブルとを照合して、抽出された乱数が、複数の抽選結果のいずれに該当するかを判定する。
(3)停止制御手段102
停止制御手段102は、遊技者による各ストップスイッチ21L,21M,21Rに対する操作態様と役抽選手段101の役抽選結果とに基づき、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行うものである。役抽選手段101による役抽選結果が複数の役のいずれかへの当選であった場合、停止制御手段102は、遊技者がストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したタイミングが適切であれば、後述の図柄判定手段105により当選した役に入賞したと判定されるように、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。なお、上述のように、当選した役の種類によっては、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが遊技者によりどのようなタイミングで操作されても、当該当選した役に対応した入賞態様で停止図柄が表示窓11に表示されるように、各リール13L,13M,13R上での各図柄の配置位置が設定されている。
また、上述のように、役抽選手段101の役抽選結果が「ベルグループ」のいずれかへの当選である場合には、同時に当選している複数の小役のうち、どの小役を優先的に入賞させるかという入賞の優先順位が、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序にかかる操作態様(押し順)に応じて異なる順位となるように設定されている。
具体的には、当選役グループ「左ベル」への当選の場合に、左ストップスイッチ21Lが最初に操作されると、停止制御手段102は、当選役グループ「左ベル」を構成する複数の小役のうち、最もメダルの払出枚数が多い小役(「中段ベル」)に入賞させるように各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。一方、役抽選結果が当選役グループ「中ベル」への当選であった場合、中ストップスイッチ21Mが最初に操作されると、停止制御手段102は、当選役グループ「中ベル」を構成する複数の小役のうち、最もメダルの払出枚数が多い小役(「中段ベル」)に入賞させるように各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。さらに、役抽選結果が当選役グループ「右ベル」への当選であった場合、右ストップスイッチ21Rが最初に操作されると、停止制御手段102は、当選役グループ「右ベル」を構成する複数の小役のうち、最もメダルの払出枚数が多い小役(「中段ベル」)に入賞させるように各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
(4)報知決定手段103
報知決定手段103は、遊技者に有利なストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様(有利な押し順)を報知する演出(報知演出)を行うか否かの決定を行うものである。例えば、役抽選結果が「ベルグループ」への当選であった場合でも、「有利な押し順」を知ることができなければ、遊技者は、その押し順で各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作するとは限らず、払出枚数の最も多い小役に入賞させることができない場合がある。一方、AT遊技では、役抽選結果が「ベルグループ」への当選となったときに「有利な押し順」を報知する演出(報知演出)が行われ、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを当該「有利な押し順」で操作するように遊技者に促すことで、遊技者がメダルの払い出しを受ける機会を増やすことが可能になる。
この実施形態では、報知決定手段103は、通常遊技で役抽選手段101による役抽選結果が「チェリー1」「チェリー2」「スイカ1」「スイカ2」のいずれかであった場合に前記報知演出を行うか否かを抽選(AT抽選)で決定するように構成されている。そして、報知決定手段103による抽選で報知演出を行うと決定された場合は、フラグ格納手段651に格納されるAT期間中フラグの状態がONに設定される。なお、フラグ格納手段651に格納されるAT期間中フラグの状態は、予め設定された回数のAT遊技が実行されるとOFFに設定される。また、フラグ格納手段651を形成する各ビットのうちのいずれかをAT期間中フラグに割り当てて、当該ビットのON、OFFを設定することにより、AT期間中フラグの状態をフラグ格納手段651に格納することができる。AT遊技では、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選したときに、各当選役グループに予め設定されている「有利な押し順」が遊技者に対して報知される。そして、AT期間に移行した後、予め設定された回数、例えば50回のAT遊技が行われるとAT期間が終了する。
また、後述するように、コマンド作成手段104は、報知決定手段103の決定結果に従い、コマンドを作成する。すなわち、報知決定手段103は、コマンド作成手段104で作成するコマンドを、当選役グループの種類を識別できるコマンドとするか、当選役グループの種類を識別できないコマンドとするか、を決定するためのものとしても機能している。
(5)コマンド作成手段104
コマンド作成手段104は、役抽選手段101による抽選処理における役抽選結果に関するデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータ、などの種々のデータをサブ制御基板73(サブCPU71)および表示制御基板83に送信するためのコマンドを生成するものである。そして、コマンド作成手段104により生成されたコマンドは、後述するように第1コマンド送信手段107により表示制御基板83に送信されるとともに、第2コマンド送信手段108によりサブ制御基板73に送信される。なお、表示制御基板83では、メイン制御基板63から送信された役抽選結果に関するコマンドに基づいて、報知用表示器60のシステム表示を制御する。また、サブ制御基板73では、メイン制御基板63から送信された役抽選結果に関するコマンドに基づき、実行する演出を選択する。
また、コマンド作成手段104は、報知決定手段103により、「有利な押し順」を報知する演出を行わないと決定されているとき、すなわちAT期間中フラグがOFFに設定されているときに、役抽選結果が各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかへの当選であった場合は、各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選していることは確認できるが、当選した「ベルグループ」の種類を示すデータが含まれず、当選した「ベルグループ」の種類に設定された「有利な押し順」を確認できないコマンドを作成する。また、コマンド作成手段104は、報知決定手段103により、「有利な押し順」を報知する演出を行うと決定されているときには、役抽選手段101による抽選により選択された「ベルグループ」の種類を示すデータが含まれ、「有利な押し順」を確認できるコマンドを作成する。
具体的には、図5に示すように、コマンド作成手段104は、AT期間中フラグがOFFであるときには、役抽選結果が各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選した場合でも、当選した当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」の種類を確認できないように、例えば同じ「1」というコマンドを作成する。一方、コマンド作成手段104は、AT期間中フラグがONであるときには当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」の種類を確認することができるように、例えば、当選役グループ「左ベル」への当選の場合には「2」というコマンドを作成し、当選役グループ「中ベル」への当選の場合には「3」というコマンドを作成し、当選役グループ「右ベル」への当選の場合には「4」というコマンドを作成する。
ここで、AT期間中フラグがON中に、当選役グループ「左ベル」に当選した場合は、フラグ作成手段104により、その当選役グループの種類が確認できる「2」のコマンドが作成されることから、この場合の当選役グループ「左ベル」が、本発明の「第1の役抽選結果」に相当する。また、AT期間中フラグがOFF中に、当選役グループ「左ベル」に当選した場合は、フラグ作成手段104により、各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のうちのいずれの当選役グループに当選したかが確認できない「1」のコマンドが作成されることから、この場合の当選役グループ「中ベル」「右ベル」それぞれが、本発明の「第2の役抽選結果」に相当する。当選役グループ「中ベル」と、当選役グループ「左ベル」「右ベル」との関係や、当選役グループ「右ベル」と、当選役グループ「左ベル」「中ベル」との関係も同様である。すなわち、各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のうち、一の当選役グループと残りの2つの当選役グループとが、本発明の「第1の役抽選結果」と「第2の役抽選結果」との関係にある。また、各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のうち、「第1の役抽選結果」に該当する当選役グループの「有利な押し順」が上述の「特定手順」に相当する。
なお、コマンド作成手段104は、役抽選結果が「ベルグループ」以外の場合は、AT期間中フラグがONであってもOFFであっても、同じコマンドを作成する。ここで、コマンド作成手段104により作成される、役抽選結果に対応するコマンド(「有利な押し順」が確認できるコマンドのみならず、「有利な押し順」を確認できないコマンドを含む)それぞれが、本発明の「送信用コマンド」に相当する。
(6)図柄判定手段105
図柄判定手段105は、各リール13L,13M,13Rそれぞれの回転位置に基づき、停止制御手段102により停止制御されて停止した各リール13L,13M,13Rによる各図柄の表示態様が、予め定められた表示態様であるかどうかの判定を行うものであり、リール13L,13M,13Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかを判定する。
(7)払出制御手段106
払出制御手段106は、図柄判定手段105による判定結果に基づき、遊技者に所定の利益を付与するものであり(本発明の「利益付与手段」に相当)、図柄判定手段105により、複数の役のいずれかに入賞したと判定されたときに、メダル払い出しのある入賞であれば、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させ、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出して遊技者に利益を付与する。また、払出制御手段106は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダル払い出しとして、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出数だけクレジットメダルを増加させる。
さらに、払出制御手段106は、図柄判定手段105により再遊技役に入賞したと判定されたときに、規定数(3枚)のメダルが投入されたものとして次遊技の入賞ラインを有効とする。
(8)第1コマンド送信手段107
第1コマンド送信手段107は、コマンド作成手段104により作成された役抽選結果に対応するコマンド(送信用コマンド)を表示制御基板83に送信するものである。なお、第1コマンド送信手段107は、役抽選結果に対応するコマンドのみならず、コマンド作成手段104により作成された種々のデータを含むコマンドを表示制御基板83に送信するようにしてもよい。
(9)第2コマンド送信手段108
第2コマンド送信手段108は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、コマンド作成手段104により作成された種々のデータを含むコマンドを所定の情報として一方通行で送信するものであり、通常遊技状態および特別遊技状態などの遊技状態、役抽選手段101の役抽選結果、図柄判定手段105による図柄判定結果、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段106によるメダルの払出状態などのスロットマシン1の状態を表すデータを含み、コマンド作成手段104により作成されたコマンドをサブ制御基板73へ送信する。なお、第2コマンド送信手段108によって送信されるコマンドのうち、役抽選結果に対応するコマンド(送信用コマンド)は、第1コマンド送信手段107により送信されるものと同一のものである。
また、第2コマンド送信手段107は、投入センサ53による投入メダルの検出状態、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17の操作状態などを表すデータを含み、コマンド作成手段104により作成されたコマンドをサブ制御基板73に送信する。また、第2コマンド送信手段107は、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータを含み、コマンド作成手段104により作成されたコマンドをサブ制御基板73に送信する。
(システム表示制御部)
次に、表示制御基板83について、図4を参照して詳細に説明する。図4に示すように、表示制御基板83は、以下に示す種々の機能を備えている。
(1)第1コマンド受信手段109
第1コマンド受信手段109は、第1コマンド送信手段107により送信されたコマンドを受信するものである。
(2)システム表示制御手段110
システム表示制御手段110(本発明の「システム表示制御手段」に相当)は、第1コマンド受信手段109で受信した役抽選結果に対応するコマンド(送信用コマンド)に基づいて、報知用表示器60の制御を行うものである。例えば、報知決定手段103により「有利な押し順」を報知する報知演出を実行すると決定されているときであって、役抽選手段101の役抽選結果が当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のうちのいずれかへの当選であった場合、システム表示制御手段110は、各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」ごとに設定された「有利な押し順」が報知用表示器60に表示されるように制御する。
具体的には、例えば、役抽選手段101による役抽選結果が、当選役グループ「左ベル」への当選である場合、コマンド作成手段104は「2」番のコマンド(送信用コマンド)を作成し、これに伴って第1コマンド受信手段109は、当該コマンドを受信する。「2」番のコマンドは、役抽選結果が「左ベル」への当選であることが識別できるものであるため、システム表示制御手段110は、遊技者に「有利な押し順(左ストップスイッチ21Lを最初に操作する)」を報知すべく、報知用表示器60に「123」や「1−−」が表示されるように制御する。なお、この場合、システム表示制御手段110は、当選した「ベルグループ」の種類が分かる表示を報知用表示器60により行うようにしてもよい。
また、報知決定手段103により「有利な押し順」を報知する報知演出を実行しないと決定されているときであって、役抽選手段101の役抽選結果が当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のうちのいずれかへの当選であった場合には、システム表示制御手段110は、「有利な押し順」を識別不可能な表示が行われるように、報知用表示器60の制御を行う。具体的には、報知決定手段103により「有利な押し順」を報知する報知演出を実行しないと決定されているときであって、役抽選手段101の役抽選結果が当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のうちのいずれかへの当選であった場合、コマンド作成手段104は「1」番のコマンドを作成し、これに伴って第1コマンド受信手段109は、当該コマンドを受信する。「1」番のコマンドは、役抽選結果が「ベルグループ」のいずれかへの当選であることは識別できるがその種類までは識別できないものであるため、システム表示制御手段110は、「有利な押し順」を識別不可能な表示が行われるように、報知用表示器60に「bEL」と表示されるように制御する。つまり、「有利な押し順」の報知を行わない。なお、報知用表示器60による表示は、システム表示制御部830のシステム表示制御手段110で制御されるものであり、サブ制御部730とは独立して制御されるものである。ここで、報知用表示器60による表示が、本発明の「システム表示」に相当する。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について詳細に説明する。図4のサブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。サブ制御基板73は、メモリ75(図3参照)に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)第2コマンド受信手段200
第2コマンド受信手段200は、メイン制御基板63の第2コマンド送信手段108により送信された種々のデータを含むコマンドを受信するものである。第2コマンド受信手段200は、コマンドを受信すれば、そのコマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
(2)演出内容決定手段201
演出内容決定手段201(本発明の「サブ側演出手段」に相当)は、第2コマンド受信手段200が受信したコマンドの種類に応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、役抽選手段101の役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器27に表示される動画を決定したり、スピーカ31L,31Rから流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。
この場合、演出内容決定手段201は、受信したコマンドが、当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」)に設定された各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様が識別可能なものであれば、当該当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」に設定された「有利な押し順」がわかる報知演出を実行し、受信したコマンドがAT期間中に対応したものでなければ「有利な押し順」がわからない演出を実行するよう、演出内容を決定する。例えば「1」のコマンドを受信した場合、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選はしているもののAT期間中ではないため、役抽選手段101の役抽選結果が「ベルグループ」のいずれかへの当選であることは分かるが、その種類は分からない演出群の中から一の演出を選択する。また、「2」のコマンドを受信した場合は、「左ベル」が選択されたことが分かる演出や、最初に左ストップスイッチ21Lを操作するよう促す演出の中から、一の演出を選択する。「3」「4」のコマンドを受信した場合も、それぞれ同様に演出内容を決定する。
具体的には、演出内容決定手段201は、液晶表示器27に各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を表示したり、スピーカ31L,31Rにより各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を音声により報知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rそれぞれに設けられたランプを所定順序で点滅させることにより各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を報知したり、各リール13L,13M,13Rそれぞれに設けられたバックライトを所定順序で点滅させることにより各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を報知したりする演出を演出内容として決定する。なお、報知演出に用いられる液晶表示器27、スピーカ31L,31R、各ストップスイッチ21L,21M,21Rそれぞれに設けられたランプ、各リール13L,13M,13Rそれぞれに設けられたバックライトが、本発明の「演出表示装置」に相当する。
また、その他の役抽選結果を示すデータを含むコマンドを受信した場合も、同様に、それぞれの役抽選結果である可能性を示唆する演出群から一の演出を選択する。
そして、演出内容決定手段201は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を表示制御手段202および音声制御手段203に送信する。
(3)表示制御手段202
図4の表示制御手段202(本発明の「サブ側演出手段」に相当)は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器27に動画(画像)を表示したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rなどの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を実行するものである。
(4)音声制御手段203
図4の音声制御手段203(本発明の「サブ側演出手段」に相当)は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ31L,31Rから音楽を流したり、音声を出力したりするなどの演出を実行するものである。
以上のように、この実施形態によれば、演出表示装置である液晶表示器27、スピーカ31L,31Rなどは、サブ制御部730側のサブ側演出手段(演出内容決定手段201、表示制御手段202、音声制御手段203)により制御されるのに対して、報知用表示器60は、サブ制御基板73とは独立したシステム表示制御部830のシステム表示制御手段110により制御される。ここで、サブ側演出手段およびシステム表示制御手段110は、いずれも役抽選手段101により選択された役抽選結果に対応する送信用コマンドに基づいて演出表示装置または報知用表示器60を制御する。
そのため、サブ制御基板73(サブ制御部730)が故障したり、サブ制御基板73が改造されていたりする場合には、システム表示制御部830により直接制御される報知用表示器60を用いた演出による表示内容と、サブ制御部730において制御される各種の演出用周辺機器を用いて実行される演出の内容とが互いに関連のない内容となるので、サブ制御基板73の故障や不正改造を容易に発見することができる。また、サブ制御基板73に何らかの異常が生じることにより、サブ制御基板73において適正な演出を行えない状態であっても、遊技者は、システム表示制御部830により直接制御される報知用表示器60のシステム表示の内容により正しい演出内容を認識することができるため、遊技者は、報知用表示器60を利用して遊技を継続して行うことができる。この場合、遊技を中断してサブ制御基板73を修理しなくても、予めスロットマシン1に設定されているメダルの払出率を担保することができるため、遊技者に不当な不利益が生じるのを未然に防止することができる。
また、報知用表示器60の表示内容を、システム表示制御部830により制御しているため、メイン制御基板63のROM67の遊技機用プログラムを削減したり、メインCPU61における処理負荷を軽減したりできる。
また、従来では、遊技者がより大きな利益を得られる「有利な押し順」を報知するか否かの決定をサブ制御部730で行っていたため、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選した場合は、常に、その当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」に設定された「有利な押し順」を識別可能な情報をサブ制御部730に送信する必要があった。これ対して、この実施形態では、「有利な押し順」を報知するか否かの決定を、メイン制御部630の報知決定手段103で行うように構成したため、「有利な押し順」を報知すると決定されている場合にのみ、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」に設定された「有利な押し順」がわかるコマンド(「2」〜「4」番のコマンド)をサブ制御部730に送信すればAT遊技の実行が可能になる。このようにすると、AT遊技でない遊技で、メイン制御部630からサブ制御部730に送信される信号を不正に抽出しても「有利な押し順」を判別できないため、不正行為を未然に防ぐことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、図6を参照して説明する。
この実施形態が、上記した第1実施形態と異なるところは、報知決定手段103により「有利な押し順」を報知すると決定されていない場合に、コマンド作成手段104が作成するコマンドが一部異なることである。その他の構成は、第1実施形態と同じであるため同一符号を付すことにより説明を省略する。
この場合、コマンド作成手段104は、役抽選手段101により選択された役抽選結果が、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「チェリー2」「スイカ2」「リプレイ」のいずれかの場合であって、報知決定手段103により遊技者に「有利な押し順」を報知しないと決定されているとき(AT期間中フラグがOFF設定)には、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「チェリー2」「スイカ2」「リプレイ」のいずれかに当選したことは識別できるが、当選した当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」「チェリー2」「スイカ2」「リプレイ」)の種類を識別できない同一のコマンド(送信用コマンド)を作成する。また、報知決定手段103により、遊技者に「有利な押し順」を報知すると決定されているとき(AT期間中フラグがON設定)には、当選した当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」「チェリー2」「スイカ2」「リプレイ」)の種類を識別可能な、当選した当選役グループの種類に応じて異なるコマンド(送信用コマンド)を作成する。
具体的には、図6に示すように、コマンド作成手段104は、AT期間中フラグがOFFであるときには、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「チェリー2」「スイカ2」「リプレイ」のいずれに当選した場合であっても、これらの当選役グループの種類を識別できないように同じ「1番」というコマンドを作成する。一方、コマンド作成手段104は、AT期間中フラグがONであるときに「左ベル」に当選した場合は「2番」のコマンドを、「中ベル」に当選した場合は「3番」のコマンドを、「右ベル」に当選した場合は「4番」を、「チェリー2」に当選した場合は「6番」を、「スイカ2」に当選した場合は「8番を」、「リプレイ」に当選した場合は「11番」のコマンドを作成する。
また、コマンド作成手段104は、それ以外の役抽選結果については、AT期間中フラグがONであってもOFFであっても、同じコマンドを作成する。具体的には、「チェリー1」に当選した場合は「5番」のコマンドを、「スイカ1」に当選した場合は「7番」のコマンドを、「BB」に当選した場合は「9番」のコマンドを、「RB」に当選した場合は「10番」のコマンドを作成する。なお、ハズレの場合は「0番」のコマンドを作成する。ここで、報知決定手段103の決定に用いられる各当選役グループのうち、「有利な押し順」の報知にかかる当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」それぞれが、本発明の「第1の役抽選結果」に相当する。また、AT期間中でない場合には、当選時に当選役グループを識別できないコマンドが作成される各当選役グループのうちの「ベルグループ」以外の当選役グループである当選役グループ「チェリー2」「スイカ2」「リプレイ」それぞれが、本発明の「第2の役抽選結果」に相当する。
また、サブ制御基板73の演出内容決定手段201は、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選した場合に、その当選役グループの種類を識別可能なコマンド(「2」〜「4」番)を第2コマンド受信手段200が受信した場合は、第1実施形態と同様、当選した当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」に設定された「有利な押し順」を報知する報知演出を演出内容として決定する。また、演出内容決定手段201は、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「チェリー2」「スイカ2」「リプレイ」のいずれかへの当選時に、その種類を識別できないコマンド(「1」番)を第2コマンド受信手段200が受信した場合、各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「チェリー2」「スイカ2」「リプレイ」に共通する演出群の中から一の演出を演出内容に決定する。さらに、その他の役抽選結果を示すコマンドを受信した場合は、それぞれの役抽選結果である可能性を示唆する演出群から一の演出を演出内容に決定する。
この構成によると、第1実施形態の効果に加えて、以下のような効果が得られる。すなわち、演出内容決定手段201は、役抽選手段101で選択された役抽選結果が当選役グループ「ベルグループ」「チェリー2」「スイカ2」「リプレイ」のいずれかの場合であって、報知決定手段103により報知演出を行わないと決定されている場合(AT遊技期間でない場合)は、当選役グループ「ベルグループ」「チェリー2」「スイカ2」「リプレイ」に共通する演出を演出内容に決定するため、遊技者は、役抽選手段101で選択された役抽選結果が当選役グループ「ベルグループ」「チェリー2」「スイカ2」「リプレイ」のうちのいずれであるかがわからない。そのため、役抽選手段101で選択された役抽選結果が当選役グループ「ベルグループ」「チェリー2」「スイカ2」「リプレイ」のいずれの場合でも、遊技者は、役抽選結果が報知決定手段103による決定(AT抽選)に用いられる当選役グループ(「チェリー2」「スイカ2」)であるかもしれないということを期待しながら遊技を楽しむことができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
また、役抽選手段101で選択された役抽選結果が当選役グループ「チェリー1」または「スイカ1」である場合、演出内容決定手段201は、報知決定手段103による決定の如何に関わらず、役抽選手段101で選択された役抽選結果が当選役グループ「チェリー1」または「スイカ1」であることがわかる演出を演出内容に決定する。当選役グループ「チェリー1」または「スイカ1」は、報知決定手段103での決定(AT抽選)に用いられるため、演出内容決定手段201で当選した当選役グループが「チェリー1」または「スイカ1」がわかる演出を演出内容に決定することで、遊技者にAT遊技が行われるかもしれないという期待感を与えて興趣を高めることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について、図7および図8を参照して説明する。
この実施形態が、上記した第1実施形態と異なるところは、第1実施形態では、各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」それぞれに予め「有利な押し順」が設定されていたのに対して、この実施形態では役抽選の後に、当該「有利な押し順」を決定するところである。その他の構成は第1実施形態と同じであるため、同一符号を付すことにより説明を省略する。
この場合、図7に示すように、停止制御手段102は、操作順序決定手段102aを備えている。操作順序決定手段102aは、役抽選手段101による役抽選結果が当選役グループ「ベル」への当選であった場合に、当選役グループ「ベル」に属する小役の中でより大きな利益が得られる小役(中段ベル)が入賞するためのストップスイッチ21L,21M,21Rの押し順を決定する。
具体的には、図8に示すように、この実施形態では、役抽選手段101の役抽選の対象になる当選役グループとして、「ベル」「チェリー1」「チェリー2」「スイカ1」「スイカ2」「BB」「RB」「リプレイ」が設定されている。つまり、第1実施形態では、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のように、それぞれに予め設定された「有利な押し順」ごとに、「ベルグループ」を分けて役抽選していたところ、この実施形態では、1つの当選役グループ「ベル」として一括で役抽選が行われる。そして、役抽選手段101による役抽選結果が当選役グループ「ベル」への当選であった場合、操作順序決定手段102aは、より大きい利益が得られる各リール13L,13M,13Rの特定停止態様(中段ベルへの入賞態様)にて停止させるための各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(有利な押し順)を抽選により決定する。ここで、「有利な押し順」の種類として、押し順(1)「左ストップスイッチ21Lを最初に操作する」、押し順(2)「中ストップスイッチ21Mを最初に操作する」、押し順(3)「右ストップスイッチ21Rを最初に操作する」という3種類が予め設定されており、操作順序決定手段102aは、この中から「有利な押し順」を抽選により決定する。なお、上述の「有利な押し順」が本発明の「特定手順」に相当し、当選役グループ「ベル」が本発明の「第3の役抽選結果」に相当する。
停止制御手段102は、操作態様判定手段100aによる各ストップスイッチ21L,21M,21Rの押し順に関する判定結果が、操作順序決定手段102aで決定した操作手順と一致する場合、中段ベルの入賞に該当する停止態様にて各リール13L,13M,13Rを停止制御する。また、「有利な押し順」で各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されない場合、停止制御手段102は、図8に示すように「一枚役1」〜「一枚役12」のいずれかが入賞するように各リール13L,13M,13Rを停止制御する。
役抽選結果が当選役グループ「ベル」への当選であった場合であって、報知決定手段103により「有利な押し順」の報知演出を行うと決定されている場合(AT期間中フラグがONに設定)、コマンド作成手段104は、操作順序決定手段102aで決定した「有利な押し順」を識別可能なコマンド(送信用コマンド)を作成する。例えば、図8に示すように、コマンド作成手段104は、押し順(1)「左ストップスイッチ21Lを最初に操作する」の場合は「2」番のコマンド、押し順(2)「中ストップスイッチ21Mを最初に操作する」の場合は「3」番のコマンド、押し順(3)「右ストップスイッチ21Rを最初に操作する」の場合は「4」番のコマンドをそれぞれ作成する。一方、役抽選結果が当選役グループ「ベル」への当選であった場合であって、報知決定手段103により「有利な押し順」の報知演出を行うと決定されていない場合(AT期間中フラグがOFFに設定)、コマンド作成手段104は、操作順序決定手段102aで決定した「有利な押し順」を識別不可能なコマンド(サブ制御用コマンド)として、「1」番のコマンドを作成する。
また、コマンド作成手段104は、役抽選結果がその他の当選役グループへの当選であった場合、第1実施形態と同様、当該当選役グループを識別可能なコマンドを作成する。
また、報知決定手段103により「有利な押し順」を報知する報知演出を実行すると決定されている場合、システム表示制御部830のシステム表示制御手段110は、操作順序決定手段102aで決定した「有利な押し順」を識別可能なシステム表示が行われるように報知用表示器60を制御する。また、システム表示制御手段110は、報知決定手段103により「有利な押し順」を報知する報知演出を実行すると決定されていないときは、「有利な押し順」を識別不可能なシステム表示が行われるように報知用表示器60を制御する。
また、サブ制御部730において、演出内容決定手段201は、受信したコマンドがAT期間中に対応したものであり「有利な押し順」が識別可能なものであれば、遊技者に「有利な押し順」がわかる演出を実行演出に決定し、受信したコマンドがAT期間中に対応したものでなければ遊技者に「有利な押し順」がわからない演出を実行演出に決定する。
このように構成することにより、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について、図9を参照して説明する。
この実施形態が、上記した第1実施形態と異なるところは、第1実施形態では、コマンド作成手段104で作成したコマンド(送信用コマンド)を、サブ制御基板73と表示制御基板83とに送信していたところ、本実施形態では、サブ制御基板への送信用のコマンドと、表示制御基板83への送信用のコマンドとを個別で作成することである。つまり、第1実施形態では、サブ制御基板73に送信するコマンドと表示制御基板83に送信するコマンドとは同一コマンドであったところ、本実施形態では個別にコマンドを作成する。なお、その他の構成は、第1実施形態の構成と同じであるため、同一符号を付すことにより説明を省略する。
この場合、メイン制御基板63は、表示制御基板83への送信用の第1コマンド作成手段104aと、サブ制御基板73への送信用の第2コマンド作成手段104bとを備える。ここで、第1コマンド作成手段104aは、役抽選手段101の役抽選結果に対応するシステム表示用コマンドを作成し、第1コマンド送信手段107は、当該作成されたシステム表示用コマンドを表示制御基板83に送信する。一方、第2コマンド作成手段104bは、役抽選手段101の役抽選結果に対応する演出表示用コマンドを作成し、第2コマンド送信手段108は、当該作成された演出表示用コマンドをサブ制御基板73に送信する。
第1コマンド作成手段104aは、報知決定手段103により、「有利な押し順」を報知する演出を行わないと決定されているときに、役抽選結果が各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかへの当選であった場合は、各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選していることは確認できるが、当選した「ベルグループ」の種類を示すデータが含まれず、当選した「ベルグループ」の種類に設定された「有利な押し順」を確認できないコマンドをシステム表示用コマンドとして作成する。また、第1コマンド作成手段104aは、報知決定手段103により、「有利な押し順」を報知する演出を行うと決定されているときに、役抽選結果が各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかへの当選であった場合は、役抽選手段101により選択された「ベルグループ」の種類を示すデータが含まれ、「有利な押し順」を識別できるコマンドをシステム表示用コマンドとして作成する。
第2コマンド作成手段104bは、報知決定手段103により、「有利な押し順」を報知する演出を行わないと決定されているときに、役抽選結果が各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかへの当選であった場合は、各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選していることは確認できるが、当選した「ベルグループ」の種類を示すデータが含まれず、当選した「ベルグループ」の種類に設定された「有利な押し順」を確認できないコマンドを演出表示用コマンドとして作成する。また、第2コマンド作成手段104bは、報知決定手段103により、「有利な押し順」を報知する演出を行うと決定されているときに、役抽選結果が各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかへの当選であった場合は、役抽選手段101により選択された「ベルグループ」の種類を示すデータが含まれ、「有利な押し順」を識別できるコマンドを演出表示用コマンドとして作成する。
すなわち、第1、第2コマンド作成手段104a,104bは、報知決定手段103による決定結果および役抽選手段101の役抽選結果に基づいて、同じ内容を示すコマンドを作成する。したがって、演出表示装置の表示と、報知用表示器60のシステム表示とは第1実施形態と同様の関係になる。この実施形態の構成によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。具体的には、例えばAT期間中フラグがOFF中に、当選役グループ「左ベル」に当選した場合、第1実施形態のように、第1コマンド作成手段104aが「1」のコマンドを作成するとともに、第2コマンド作成手段104bが同一の「1」のコマンドを別個に作成するようにしてもよい。また、別の構成としては、例えばAT期間中フラグがOFF中に、当選役グループ「左ベル」に当選した場合、第1コマンド作成手段104aが「101」のコマンドを作成するとともに、第2コマンド作成手段104bが同種の内容を示す「201」のコマンドを別個に作成するようにしてもよい(第1実施形態において作成されるコマンドを「XX」とした場合、本実施形態における、第1コマンド作成手段104aが作成するコマンド「1XX」と第2コマンド作成手段104bが作成するコマンド「2XX」との関係は、同種の内容を示す別データのコマンドとなる)。
なお、この実施形態の構成を上記した第2、第3実施形態に適用してもかまわない。すなわち、第2、第3実施形態のコマンド作成手段104に代えて、第4実施形態のように、システム表示用コマンド(表示制御基板83用のコマンド)を作成する第1コマンド作成手段104aと、演出表示用コマンド(サブ制御基板73用のコマンド)を作成する第2コマンド作成手段104bとを設ける構成であってもかまわない。このようにしても、それぞれの実施形態で得られた効果と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、第3実施形態に第2の実施形態の構成を加えてもかまわない。すなわち、AT期間中でない場合に、当選役グループ「ベル」「チェリー2」「スイカ2」「リプレイ」のいずれかに当選した場合、コマンド作成手段104は、例えば、これらの各当選役グループのいずれに当選しているのか識別不可能なコマンド(例えば、「1」番のコマンド)を作成し、AT期間中の場合は、それぞれ識別可能なコマンドを作成するようにしてもよい。
また、上記した実施形態では、遊技者に有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知する演出を報知演出とした場合について説明したが、報知演出は上記した例に限定されるものではなく、液晶表示器27に所定の動画を表示するなど、その他の演出を報知演出としてもよい。
また、AT抽選に当選した場合に報知決定手段103がAT期間中フラグをONに設定するように構成されている場合について説明したが、AT期間中フラグをONに設定する条件は、上記した例に限らず、例えば特別遊技状態から通常遊技状態に移行することによりAT期間中フラグがONに設定されるようにしてもよい。また、規定の遊技数に到達すること(例えば1000ゲームの間に特別役に非当選)、予め設定された順序の役抽選結果となること、設定回数連続して所定の役抽選結果となること(例えば所定の小役→所定の小役→所定の小役→所定の小役→所定の小役、例えば15ゲーム連続してハズレ)、設定回数連続してストップスイッチの押し順に正解することなどを、AT期間中フラグがONに設定される条件としてもよい。また、これらの条件を満足することにより、所定の抽選確率で、AT期間中フラグをONにするか否かを決定するための抽選処理を行い、当該抽選処理に当選すればAT期間中フラグがONに設定されるように構成してもよい。また、時間的な要素(例えば所定の時刻に遊技(ゲーム)が開始される)をAT期間中フラグがONに設定される条件としてもよく、報知決定手段103がAT期間中フラグをONに設定する条件は、スロットマシン1において実行される遊技の態様に応じて、適宜、最適に設定すればよい。
また、上記した実施形態では、操作手順決定手段102aによって決定された「有利な押し順」や、当選した「ベルグループ」の種類が異なっても、遊技者が得られる利益は同一のものとしたが、特定の「有利な押し順」のみ期待値が高くなったり低くなったりするように、遊技者が得られる利益に差を設けてもよい。また、利益付与手段により遊技者に付与される利益は、メダルの枚数に限られるものではなく、各種の役への当選確率が通常よりも高く設定された抽選テーブルが選択されるようにして遊技者に利益が付与されるようにしたり、AT期間を延長することにより遊技者に利益が付与されるようにするなど、どのようなものであってもよい。また、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様に応じて選択される抽選テーブルを変更することにより各種の役への当選確率を変動させたり、操作態様に応じてAT期間の長さを変動させるなどして、操作態様ごとに遊技者に対する有利度を異ならせることができる。
また、上記した第1、第2、第4実施形態では、各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」それぞれに遊技者に有利な操作態様として各ストップスイッチ21L,21M,21Rの押し順が予め設定されているが、各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」に設定される操作態様は各ストップスイッチ21L,21M,21Rの押し順に限られるものではなく、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングなど、停止制御手段102により各リール13L,13M,13Rの停止制御に影響を与える各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作の態様を、各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」に予め設定することができる。
また、上記した各実施形態では、サブ制御部730とは独立したシステム表示制御部830で制御される報知用表示器60を利用して遊技者に有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様が報知されているが、メイン制御部630により直接制御されるその他の機器を利用して遊技者に有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様が報知されるようにしてもよい。例えば、操作すべきストップスイッチに対応したリールから回転を始めたり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序と一致するように対応するリール13L,13M,13Rから順番に回転を始めたりするなどして、メイン制御基板63により直接制御される各リール13L,13M,13R(各リールモータ14L,14M,14R)により遊技者に有利な操作順序が報知されるようにしてもよい。また、例えば、各ストップスイッチ21L,21M,21R内や、各ストップスイッチ21L,21M,21Rそれぞれの周辺位置にメイン制御部630により直接制御されるLEDやランプ等の発光素子を配設し、各発光素子の発光順序により遊技者に有利な操作態様が報知されるようにしてもよい。このようにしても、メイン制御部630とサブ制御部730とがともにAT期間中であることを確認でき、不正や故障を早期に発見することができる。
また、上記した各実施形態では、報知用表示器60で行う表示は3個の7セグメントLEDを用いて有利な操作態様が分かりやすい表示を行うものとしたが、知識のある遊技者のみが認識できるような態様で表示を行ってもよい。また、上記した各実施形態では、AT期間中フラグがOFFに設定されているときには、遊技者に有利な操作態様が分からないような表示を報知用表示器60で行うものとしたが、何も表示しないようにしてもよい。
また、上記した各実施形態では、システム表示制御手段110は「第1の役抽選結果」または「第3の役抽選結果」に関する表示を報知用表示器60で行うとしたが、それ以外の役抽選結果についても表示を行うようにしてもよい。具体的には、例えば、役抽選手段101の役抽選結果が「チェリー1」または「チェリー2」の当選であった場合、報知用表示器60で「CHE」との表示を行うようにしてもよい。
また、上記した実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン1を例に挙げて説明したが、スロットマシンとパチンコ機とを組み合わせた遊技機(所謂、パロット)に本発明を適用してもよく、このような遊技機に本発明を適用すれば、遊技媒体としてのパチンコ球を採用すればよい。また、本発明の遊技機として、コンピュータプログラムが実行されることによるビデオゲームを採用してもよい。また、本発明の表示手段を、液晶ディスプレイやCRTなどの画像表示装置を用いて、この画像表示装置に複数の図柄を順次表示させることにより構成してもよい。また、可変表示列の数は2列以上であればよく、遊技の態様に応じて適宜最適な数の可変表示列を構成すればよい。
そして、それぞれ複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列を有する表示手段と、前記表示手段の可変表示を開始させるスタートスイッチと、前記各可変表示列それぞれに対応してその可変表示を停止させる複数のストップスイッチとを有する遊技機に本発明を広く適用することができる。