本発明を遊技機である回胴式遊技機(以下、スロットマシンという)に適用した一実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
(構成)
図1および図2を参照して、スロットマシン1の構成の概略について説明する。
本実施形態におけるスロットマシン1は、メダル(遊技用価値)を用いて遊技を行い、所定の入賞図柄(図柄組合せ)が入賞ラインに揃った場合に、予め定められた枚数のメダルを遊技者への特典として払い出すものであり、以下のように構成される。図1に示すように、筐体3の前面開口が前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設される。操作板7の上方には正面板9が配設されるとともに、正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられる。表示窓11の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する可変表示列を成す回転リール(左・中・右リール13L,13M,13R)が配置されている。
図2に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rには、例えば「7」「BAR」「Bell」「チェリー」「スイカ」「R1」「R2」を含む複数種類の図柄が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。
また、各リール13L,13M,13Rの各図柄それぞれには、0番から20番までのコマ番号が順に付され、例えばコマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L,13M,13Rがそれぞれ形成されている。ここで、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に可変表示される。
各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、各リール13L,13M,13Rそれぞれについて3個ずつで合計9個の図柄が表示窓11から覗くように設定されている。具体的には1つのリールにつき上段、中段および下段に各1個の3個ずつ、3つのリール13L,13M,13Rで合計9個が表示窓11を通して表示される。すなわち、すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示される。なお、中段の横1列(中段ライン)が後述する入賞ラインとなり、この入賞ラインに当選役の図柄が揃うと入賞となる。
また、図3に示すように、各リール13L,13M,13Rには、それぞれステッピングモータにより構成されるリールモータ14L,14M,14Rが連結され、各リール13L,13M,13Rがそれぞれ独立して回転駆動される。なお、各リール13L,13M,13Rと各々のリールモータ14L,14M,14Rとで構成されたリールユニット(図示省略)が本発明の「表示手段」に相当する。
図1に戻って、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)当たりの最大投入枚数(この実施形態では、3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転を停止させるべく、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応した左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R(停止操作手段)、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、入賞させるのに必要な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(操作態様)を報知したりするための液晶表示器27(本発明の「演出実行手段」に相当)が設けられる。液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられる。液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。なお、後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。
さらに、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9には入賞ラインが描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
また、正面板9の表示窓11の下方には、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rを操作する順番や、役抽選の結果などを報知(表示)するための報知用表示器60が配設されている。報知用表示器60は、例えば3個の7セグメントLEDで構成され、3桁の数字が表示可能になっている。ここで、各桁それぞれを、左から順番に、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rに対応させ、各桁それぞれに、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序に応じて、数字の”1”、”2”、”3”を表示させると、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rを操作する順番を報知することができる。また、例えば、後述する各役抽選結果(当選役グループ)に識別用の所定の数字を個別に割り当てて説明パネル29等に記載しておき、役抽選の結果に応じて報知用表示器60に所定の数字を表示させると、役抽選の結果を報知することができる。
ところで、図1には図示省略されているが、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体が筐体3内の後壁に固定されており、筐体3内の支持枠体の下方には、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43(図3参照)が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43(図3参照)に導くメダルセレクタ48(図3参照)が配設されている。また、スロットマシン1の正面から見てホッパーユニット43の左側には、操作ボックス49(図3参照)が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のON、OFFを切り換える電源スイッチ50(図3参照)が設けられるとともに、後述する設定変更処理のためのキーシリンダおよび押しボタン式の設定変更ボタン52(図3参照)、変更処理開始スイッチ56(図3参照)が設けられている。
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について図3〜図10を参照して説明する。
図3に示すように、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48内に投入センサ53が設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出する。ホッパーユニット43の出口には払出センサ54が設けられており、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出できるようになっている。
また、図3に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが設けられている。各センサ55L,55M,55Rは、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、各リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。本実施形態では、例えば各位置センサ55L,55M,55Rが突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
図3に示す変更処理開始スイッチ56は、操作ボックス49のキーシリンダの内部に設けられており、設定変更キー(図示省略)をキーシリンダに挿入して回転することによりON、OFFが切り換えられる。また、図3に示すホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものである。
また、図3に示すように、スロットマシン1には、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63(メインCPU61)から送信される情報に基づき遊技の進行に合わせた演出制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられている。そして、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種のデータが一方向で送信されることにより、メインCPU61で制御している遊技の進行に関する各種の情報がサブCPU71に送信される。
なお、メイン制御基板63は、外部から針金等を差し込んだりするなどして、不正にアクセスすることができないように、基板ケース(図示省略)内に収容された上で、該基板ケースが厳重に封印されている。また、基板ケースには、不正に開放されたことを確実に視認することができるように、周知の様々な対策が講じられている。
また、図3に示すように、メイン制御基板63のRAM65は、メインCPU61内部の記憶容量であり、スロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであって、図4に示すフラグ格納領域651、決定結果記憶領域652を構成する記憶領域がRAM65により形成される。また、図3に示すように、メイン制御基板63のROM67は、メインCPU61内部の記憶容量であり、図4に示す予め設定されたデータである役抽選テーブル671、停止テーブル672などを含むスロットマシン1用のプログラム(遊技機用プログラム)を格納する。
メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。このメインCPU61は、後述する役抽選手段103による役抽選処理における役抽選結果に関するデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータなどの種々のデータを、所定のコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(役抽選手段103による役抽選処理における役抽選結果、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の操作器具が操作されたか、などに関するデータ)に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行し、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27やスピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63の構成について詳細に説明する。図4に示すように、メイン制御基板63には、ROM67に格納された遊技制御用のプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能が搭載されている。
(1)遊技制御手段100
図4の遊技制御手段100は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態においてスロットマシン1の遊技を制御するものである。具体的には、図5に示すように、遊技制御手段100は、通常RT(RT0:本発明の「通常状態」に相当)において一般的な遊技である一般遊技を実行し、一般遊技状態よりも遊技者に有利な特別役(本発明の「ボーナス役」に相当:BB役、ATBB役)に基づくボーナス遊技状態(ATボーナス遊技状態(RT1)、通常ボーナス遊技状態(BB))においてボーナス遊技を実行する。
この実施形態では、特別役として、「BB役(通常ボーナス)」と、「ATBB役(ATボーナス)」との2種類が設けられている。ここで、ATBB役に入賞するとATボーナス遊技状態(RT1:本発明の「第1ボーナス状態」に相当)に移行し、BB役に入賞すると通常ボーナス遊技状態(BB:本発明の「第2ボーナス状態」に相当)に移行し、それぞれのボーナス遊技状態でボーナス遊技が行われる。
ATボーナス遊技状態(RT1)は、通常RT(RT0)では役抽選の対象になっていない当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」(これらを「押し順ベル」という場合もある)が役抽選の対象になっている(図9参照)。これらは、複数の役に同時に当選する当選役グループであり、構成役のうちのどの役に入賞するかがストップスイッチ21L,21M,21Rの押し順などで定められている。また、図7に示すように、押し順ベルは、構成役の中に入賞時の配当が異なるものがあるため、当選したときの押し順によって得られる配当が異なる。ATボーナス遊技状態(RT1)では、押し順ベルに内部当選しているときに、当該押し順ベルの構成役の中で最も配当が高い役(中段ベル)に入賞するための押し順が報知される。また、ATボーナス遊技状態(RT1)は通常RT(RT0)よりも再遊技役(本発明の「リプレイ役」に相当)の当選確率が高くて、ハズレの確率が低く設定されており、ハズレの確率が低い状態で押し順ベルの当選時に有利な押し順の報知されることで、払出率(払出枚数/投入枚数×100[%])が100%を超えるように構成されている。なお、図9に示すように、ATボーナス遊技状態(RT1)においてBB役とATBB役とが役抽選の対象となっており、ATボーナス遊技状態中にBB役やATBB役に当選する場合がある。
通常ボーナス遊技状態(BB)では、ハズレの確率がATボーナス遊技状態のハズレの確率と同じ確率に設定されており、役抽選結果が全小役の当選か、ハズレかのいずれかで構成されている。すなわち、通常ボーナス遊技状態(BB)は、通常RT(RT0)よりも小役の当選確率が高く設定されることにより、払出率が100%を超えるように構成されている。なお、図9に示すように、通常ボーナス遊技状態では、ATボーナス遊技状態(RT1)とは異なり、いずれのボーナス役(BB役、ATBB役)も役抽選の対象になっておらず、通常ボーナス遊技状態中にいずれのボーナス役にも当選しない。
そして、遊技制御手段100は、図4に示すように、操作態様判定手段100a、遊技状態設定手段100b、ATボーナス中フラグ設定手段100cを備えている。
(1−1)操作態様判定手段100a
操作態様判定手段100aは、スロットマシン1に対する遊技者の操作態様を判定するものである。具体的には、各ベットスイッチ15,17、スタートスイッチ19、各ストップスイッチ21L,21M,21Rなどのスロットマシン1が備える各種スイッチに対する遊技者による操作の態様や、メダル投入口25への遊技者によるメダルの投入操作の態様など、遊技者によるスロットマシン1に対する種々の操作の態様を判定する。
(1−2)遊技状態設定手段100b
遊技状態設定手段100bは、役抽選手段103による役抽選処理の結果などに基づいて、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれか1つにスロットマシン1の遊技状態を設定するものである。なお、遊技状態設定手段100bにより遊技状態の設定変更があった場合は、変更された遊技状態に移行する。
具体的には、図5に示すように、遊技状態設定手段100bは、通常RT(RT0)においてBB役に入賞すると、遊技状態を通常ボーナス遊技状態(BB)に設定する(図10(a)参照)。また、遊技状態設定手段100bは、通常ボーナス遊技状態(BB)において、所定枚数(この実施形態では300枚)のメダルが払い出された場合は、他の遊技状態に設定変更するが、このときの変更先は、通常ボーナス遊技状態に移行する前の遊技状態の種類によって異なる。例えば、遊技状態設定手段100bは、通常RT(RT0)から移行した通常ボーナス遊技状態(BB)の場合は、所定枚数のメダルが払い出されると遊技状態を通常RT(RT0)に設定を変更する(図10(a)参照)。また、遊技状態設定手段100bは、ATボーナス遊技状態(RT1)から移行した通常ボーナス遊技状態(BB)の場合は、所定枚数のメダルが払い出されると遊技状態をATボーナス遊技状態(RT1)に設定する(図10(c)参照)。ここで、通常ボーナス遊技状態(BB)で所定枚数(この実施形態では300枚)のメダルが払い出されることが、本発明の「所定の第2終了条件」に相当する。
また、遊技状態設定手段100bは、通常RT(RT0)においてATBB役に入賞すると、遊技状態をATボーナス遊技状態(RT1)に設定する(図10(b))。また、遊技状態設定手段100bは、ATボーナス遊技状態(RT1)において、所定枚数(この実施形態では200枚)のメダルが払い出されると、遊技状態を通常RT(RT0)に設定する(図10(b))。ただし、遊技状態設定手段100bは、ATボーナス遊技状態(RT1)中にBB役に当選した場合は、所定の枚数のメダルが払い出される前であっても当該ATボーナス遊技状態を中断すべく、他の遊技状態に設定する。具体的には、遊技状態設定手段100bは、ATボーナス遊技状態(RT1)中にBB役かATBB役にいずれかに当選し、当該ゲームで当選した特別役(BB役またはATBB役)に入賞しなかった場合は、遊技状態を通常RT(RT0)に設定する(図10(c)参照)。遊技状態設定手段100bは、ATボーナス遊技状態(RT1)中にBB役かATBB役にいずれかに当選し、当該ゲームで当選した特別役(BB役またはATBB役)に入賞した場合は、遊技状態をボーナス遊技状態(BB役入賞:通常ボーナス遊技状態、ATBB役入賞:ATボーナス遊技状態)に設定する。ここで、ATボーナス遊技状態(RT1)で所定枚数(この実施形態では200枚)のメダルが払い出されることが、本発明の「所定の第1終了条件」に相当する。
また、BB役の当選で移行した通常RT(RT0)において、持ち越しているBB役に入賞した場合、遊技状態設定手段100bは、遊技状態を通常ボーナス遊技状態(BB)に設定する(図10(c)参照)。また、ATBB役の当選で移行した通常RT(RT0)において、持ち越しているATBB役に入賞した場合、遊技状態設定手段100bは、遊技状態をATボーナス遊技状態(ATBB)に設定する。
なお、ATボーナス遊技状態(RT1)中に当選したBB役の入賞で移行した通常ボーナス遊技状態(BB)で、所定枚数(300枚)のメダルが払い出された場合、遊技状態設定手段100bは遊技状態をATボーナス遊技状態(RT1)に再設定する(図10(c)参照)。この場合、遊技状態設定手段100bは、再設定されたATボーナス遊技状態で払い出されたメダルが、通常ボーナス遊技状態に移行する前のATボーナス遊技状態で払い出されたメダルとの合算で所定枚数(200枚)のメダルを超えたときに、遊技状態を通常RT(RT0)に設定する(図10(c)参照)。
また、ATボーナス遊技状態中に当選したATBB役の入賞で移行した新たなATボーナス遊技状態で、所定枚数(200枚)のメダルが払い出された場合、遊技状態設定手段100bは遊技状態をATボーナス遊技状態のまま維持する。ただし、遊技状態設定手段100bは、維持した後のATボーナス遊技状態で払い出されたメダルが、ATBB役に当選する前のATボーナス遊技状態で払い出されたメダルとの合算で所定枚数(200枚)のメダルを超えたときに、遊技状態を通常RT(RT0)に設定する。
(1−3)ATボーナス中フラグ設定手段100c
ATボーナス中フラグ設定手段100cは、ATボーナス中フラグのON/OFFを設定する手段である。メイン制御基板63のRAM65のフラグ格納領域651の一部領域には、ATボーナス中フラグの格納領域が設けられており、ATボーナス中フラグ設定手段100cがこの領域のフラグのON/OFFを設定する。
例えば、ATボーナス中フラグ設定手段100cは、通常RT(RT0)でATBB役に入賞した場合にATボーナス中フラグをONに設定する。また、ATボーナス中フラグ設定手段100cは、ATボーナス中フラグがONに設定された状態で所定枚数(200枚)のメダルが払い出されると、ATボーナス中フラグをOFFに設定する。ATボーナス遊技状態中(ATボーナス中フラグがON設定)にBB役に当選し、その後のBB役の入賞により通常ボーナス遊技状態(BB)に移行した場合であっても、ATボーナス中フラグ設定手段100cは、BB役に当選してから入賞するまでの期間、および、当該通常ボーナス遊技状態(BB)中もATボーナス中フラグのON設定を維持する。そして、通常ボーナス遊技状態(BB)に移行する前のATボーナス遊技状態(RT1)で払い出されたメダルと、通常ボーナス遊技状態(BB)終了後に移行したATボーナス遊技状態(RT1)で払い出されたメダルの合計が所定枚数(200枚)になったときに、ATボーナス中フラグをOFFに設定する。換言すると、ATボーナス遊技状態中(RT1)にBB役に当選した場合は、その時点で当該ATボーナス遊技状態(RT1)を中断し、BB役の入賞に伴う新たな通常ボーナス遊技状態(BB)が終了した後に、中断していたATボーナス遊技状態(RT1)を再開する。
また、ATボーナス中フラグ設定手段100cは、ATボーナス遊技状態(第1ATボーナス遊技状態)中にATBB役に当選し、その後のATBB役の入賞により新たにATボーナス遊技状態(第2ATボーナス遊技状態)に移行した場合、ATBB役に当選してから入賞するまでの期間、および、当該第2ATボーナス遊技状態中もATボーナス中フラグのON設定を維持する。そして、第2ATボーナス遊技状態に移行する前の第1ATボーナス遊技状態で払い出されたメダルと、第2ATボーナス遊技状態終了後に移行した第3ATボーナス遊技状態で払い出されたメダルの合計が所定枚数(200枚)になったときに、ATボーナス中フラグをOFFに設定する。換言すると、一のATボーナス遊技状態中にATBB役に当選した場合は、その時点で当該一のATボーナス遊技状態を中断し、ATBB役の入賞に伴う新たなATボーナス遊技状態が終了した後に、中断していた当該一のATボーナス遊技状態を再開する。このようなATボーナス中フラグ設定手段100cによるATボーナス中フラグのON/OFF設定は、メイン制御基板63のRAM65に設けられた複数の払出カウンタ(図示省略)を用いて行うことができる。この場合、例えば、上述の第1ATボーナス遊技状態中のメダルの払出枚数を一の払出カウンタを用いてカウントし、第2ATボーナス遊技状態中のメダルの払出枚数を別の払出カウンタを用いてカウントするようにすればよい。
ここで、スロットマシン1の遊技の概略について説明する。
スロットマシン1は、3枚のメダル投入によりゲームが実行されるようになっており、投入センサ53、ベットスイッチ15または最大ベットスイッチ17により3枚のメダルのスロットマシン1への投入を検出すると、表示窓11の中央(中段)の水平な入賞ライン(センターライン)が有効となる。そして、規定枚数である3枚のメダルの投入を条件にスタートスイッチ19の操作が検出されると、乱数を使用した抽選処理により、予め設定された役抽選結果のいずれかが役抽選手段103(図4参照)により決定される。また、左・中・右リール13L,13M,13Rの全ての回転を開始させ、表示窓11に表示される各リール13L,13M,13Rの図柄を各リール13L,13M,13Rの回転角度に合わせて判別することを開始する。
その後、左・中・右リール13L,13M,13Rが加速して、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作を有効に受け付けられる状態となる。すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効状態になった後、例えば左ストップスイッチ21Lが操作されたことを検出すると左リール13Lを停止させ、中ストップスイッチ21Mが操作されたことを検出すると中リール13Mを停止させ、右ストップスイッチ21Rが操作されたことを検出すると右リール13Rを停止させる。このように、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。
そして、3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作し終えると、3個すべての左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。このとき、役抽選手段103により決定された所定の当選役に対応する図柄が、有効となった表示窓11の中段の入賞ライン上の所定の位置に停止すると入賞となり、入賞態様に応じた枚数のメダルが、クレジットされるか、またはメダル払出口39から払い出されて1回のゲームが終了する。また、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。
本実施形態では、図6に示すように、役として、特別役(ボーナス:BB,ATBB)、小役(中段ベル、一枚役1〜14、中段チェリー、スイカ)、再遊技役(リプレイ1〜8)が予め設定されている。また、本実施形態では、図7および図8に示すように、役抽選結果として、操作手順(押し順)に応じて異なる役(「中段ベル」、「一枚役1」〜「一枚役14」、「BB」、「ATBB」)に揃う可能性のある重複当選(当選役グループ:左ベル・中ベル・右ベル・一枚役13+BB・一枚役13+ATBB・一枚役14+ATBB)に当選する可能性がある。そして、役抽選手段103の役抽選結果には、特別役当選(ボーナス当選)と、小役当選と、再遊技役当選(リプレイ当選)と、ハズレとがある。
また、入賞には、特別遊技(ボーナス遊技)への移行に係る特別役入賞(ボーナス入賞)と、メダルの払い出しに係る小役入賞と、再遊技(リプレイ)の実行に係る再遊技役入賞(リプレイ入賞)とがある。
そして、例えば、図6の「BB」「ATBB」に係る各表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が入賞ライン上に3個揃うと、特別役入賞となって、ボーナス遊技(特別遊技)が実行される。
なお、本実施形態では、特別役入賞によるメダル払い出しはなく(特別役の規定払出枚数は0)、特別役に係る入賞態様が成立した遊技の後にボーナス遊技へ移行するように構成されているが、特別役に所定枚数(例えば10枚)の規定払出枚数を設定し、メダルを払い出した後にボーナス遊技へ移行するようにしてもよい。
また、例えば、図6の「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役14」「中段チェリー」「スイカ」に係る各表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が表示窓11の中段の入賞ライン上に3個揃うと小役入賞となって、「払出枚数」の欄に示す枚数のメダルが払い出される。
また、図6において役「中段チェリー」の入賞に係る表示態様として使用されている「any」は、中リール13Mおよび右リール13Rに設けられているどの図柄が入賞ライン上に配置されてもよいことを意味している。
また、図6の役「リプレイ1」〜「リプレイ8」に係る表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が入賞ライン上に3個揃うと再遊技役入賞となって、新たなメダルを投入することなく、前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。
ところで、本実施形態では、役抽選手段103により複数の役に同時に当選することができるように構成されている。すなわち、図7および図8に示すように、複数の役により構成される当選役グループ(役抽選結果)が形成されており、各当選役グループに当選したか否かが役抽選手段103により抽選される。図7に示すように、各当選役グループのうち、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」(特定役:以下、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」をまとめて「押し順ベル」と称する場合もある。)には、それぞれ、複数の当選役が含まれている。具体的には、当選役グループ「左ベル」は、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役4」により構成され、当選役グループ「中ベル」は、「中段ベル」「一枚役5」〜「一枚役8」により構成され、当選役グループ「右ベル」は、「中段ベル」「一枚役9」〜「一枚役12」により構成されている。
したがって、役抽選手段103により、当選役グループ「左ベル」に当選したと決定されると、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役4」に同時に当選したことになり、当選役グループ「中ベル」に当選したと決定されると、「中段ベル」「一枚役5」〜「一枚役8」に同時に当選したことになり、当選役グループ「右ベル」に当選したと決定されると、「中段ベル」「一枚役9」〜「一枚役12」に同時に当選したことになる。
また、本実施形態では、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」それぞれには、遊技者に有利になるストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(押し順)が予め設定されており、図7の「備考」の欄に示すように、役抽選手段103による役抽選結果(当選役グループ)が同一の場合であっても、遊技者が各ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのような順番で操作したかによって入賞態様(表示態様)が異なるように、停止制御手段105(図4参照)が各リール13L,13M,13Rを停止制御するように構成されている。
すなわち、図7に示す各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選した場合は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序に対応して、優先的に入賞ライン上に揃える役が異なるように、停止制御手段105が構成されている。
具体的には、図7に示すように、例えば役抽選手段103による役抽選結果が当選役グループ「左ベル」に当選であった場合に、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lの操作が行われたと判定されると、最も遊技者に有利である「中段ベル」に対応した表示態様である図柄「Bell」が入賞ライン上に揃った状態(第1の図柄組合せ)で図柄が表示されるように、停止制御手段105のリール制御が行われる。
また、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lの操作が行われなかったと判定されると、「中段ベル」に対応した表示態様である図柄「Bell」が入賞ライン上に揃った状態で図柄が表示されることはなく、「中段ベル」よりも遊技者に不利な「一枚役1」〜「一枚役4」のいずれかが入賞するように、停止制御手段105による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。すなわち、当選した当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」)に対応して予め設定された操作順序(特定操作順序)で操作しない限り、遊技者に最も有利な当選役に入賞することはない。
なお、図9に示すように、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」は、いずれも通常RT(RT0)や通常ボーナス遊技状態中には当選しないように役抽選テーブル671が構成されている。
また、図8に示すように、当選役グループ「一枚役13+BB」は、「一枚役13」「BB」により構成されており、当該当選役グループ「一枚役13+BB」に当選したときは、「一枚役13」「BB」に同時に当選したことになる。また、当選役グループ「一枚役13+BB」に当選したときは、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置(操作タイミング)に応じて、「一枚役13」「BB」のうちのいずれかに入賞可能であれば、入賞可能な当選役に入賞するように、停止制御手段105による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。したがって、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置によっては、「一枚役13」「BB」のいずれにも入賞しないことがある。
なお、図8に示すように、当選役グループの中には、当選役グループ「一枚役13+BB」のみならず、当選役グループ「一枚役13」も設定されているため、「一枚役13」に入賞した場合に、遊技者が、当選役グループ「一枚役13+BB」「一枚役13」のうちのいずれに当選したのかを認識できないようになっている。
また、図8に示すように、当選役グループ「一枚役13+ATBB」は、「一枚役13」「ATBB」により構成されており、当該当選役グループ「一枚役13+ATBB」に当選したときは、「一枚役13」「ATBB」に同時に当選したことになる。また、当選役グループ「一枚役13+ATBB」に当選したときは、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置(操作タイミング)に応じて、「一枚役13」「ATBB」のうちのいずれかに入賞可能であれば、入賞可能な当選役に入賞するように、停止制御手段105による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。したがって、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置によっては、「一枚役13」「ATBB」のいずれにも入賞しないことがある。
また、図8に示すように、当選役グループ「一枚役14+ATBB」は、「一枚役14」「ATBB」により構成されており、当該当選役グループ「一枚役14+ATBB」に当選したときは、「一枚役14」「ATBB」に同時に当選したことになる。また、当選役グループ「一枚役14+ATBB」に当選したときは、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、「一枚役14」「ATBB」のうちのいずれかに入賞可能であれば、入賞可能な役に入賞するように、停止制御手段105による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。したがって、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置によっては、「一枚役14」「ATBB」のいずれにも入賞しないことがある。
なお、図7および図8に示すように、役抽選の対象となる各当選役グループの中には、当選役グループ「一枚役14+ATBB」の他に「一枚役14」に入賞可能な当選役グループが設定されていない。そのため、「一枚役14」に入賞した場合には、当選役グループ「一枚役14+ATBB」に当選したことが分かる。なお、本実施形態では、当選役グループ「一枚役14+ATBB」に当選した場合は、当該ゲームにおいて、「ATBB」に当選したことが遊技者に報知される。
また、図9に示すように、特別役「BB」「ATBB」は、先に当選した特別役「BB」または「ATBB」が入賞するまでの持ち越し期間中(通常RT(RT0))には当選しないように役抽選テーブル671が構成されている。したがって、これらの遊技中で、当選役グループ「一枚役13+BB」および「一枚役13+ATBB」に当選した場合は、いずれも「一枚役13」のみに当選したものとされ、当選役グループ「一枚役14+ATBB」に当選した場合は、「一枚役14」のみに当選したものとされる。
なお、図7を参照して説明したように、役抽選手段103の役抽選結果が特別役当選(BB(一枚役13との同時当選も含む),ATBB(一枚役13,14との同時当選も含む))となると、特別役当選に基づいた図柄の停止制御が行われる。このとき、特別役の入賞態様の図柄配列が入賞ラインに揃わないと、内部当選として特別役の入賞態様の図柄配列が揃うまで持ち越される。すなわち、適切なタイミングで各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が行われなければ、特別役(BB、ATBB)の入賞に係る図柄を入賞ライン上に揃えることができないように、左・中・右リール13L,13M,13Rに図柄が配置されているため、特別役の入賞を取りこぼす場合がある。
一方、小役当選は、役抽選結果が小役当選となった遊技(ゲーム)で小役の入賞態様の図柄配列を引き当てられないと、次回の遊技には持ち越されない。また、リプレイ当選の場合には、どのようなタイミングで各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されても、「リプレイ1」〜「リプレイ8」のいずれかに係る図柄(「R1」「R2」)が必ず入賞ライン上に揃うように左・中・右リール13L,13M,13Rに図柄が配置されているため、必ず再遊技役に入賞する。
また、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選の場合には、リプレイに係る図柄と同様に、どのようなタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されても、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」に係る図柄(「Bell」「R1」「R2」)が必ず入賞ライン上に揃うように左・中・右リール13L,13M,13Rに図柄が配置されているため、必ず「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役12」のいずれかに入賞する。すなわち、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選した場合に、各ストップスイッチ21L,21M,21Rがどのようなタイミングで操作されても、各操作手順に対応付けされた入賞に係る図柄(図7参照)が入賞ライン上に揃うように、停止制御手段105による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。
(2)設定制御手段101
図4の設定制御手段101は、メダルの出玉率が異なる6種類の設定値(設定1〜設定6)から一の設定値を設定可能な設定変更状態に制御するものである。この設定値は、後述するテーブル選択手段102による役抽選テーブル671の選択に用いられるものであり、ROM67に格納された複数の役抽選テーブル671のそれぞれに各設定値のいずれかが対応付けられている。そして、設定制御手段101は、電源投入時に変更処理開始スイッチ56(図3参照)のON、OFF状態を判定し、変更処理開始スイッチ56がONの状態で電源が投入されると、所定の設定変更処理を開始する。
ここで、通常遊技(通常RT)の抽選における当選確率は複数種類の設定値(ここでは6種類)ごとに設定されており、各設定値のそれぞれに、図4に示す役抽選テーブル671(通常RT用抽選テーブル)が対応付けられている。そして、上記設定変更処理が開始されると、スロットマシン1を設置するパチンコホールの管理者が、この設定値を変更することが可能になる。
この手順は例えば以下のようにして行われる。すなわち、管理者は、前面扉5を開放して、電源スイッチ50がOFFの状態で設定変更キー(図示省略)を操作ボックス49のキーシリンダに挿入して回転し、変更処理開始スイッチ56をONにする。この状態で、電源スイッチ50をONにすることで、設定変更処理が開始される。
そして、管理者による設定変更ボタン52の操作ごとに当選確率の設定値が設定1〜設定6にサイクリックに切り換えられる。この設定値は、例えば7セグメント式の設定値表示用LEDにより1〜6を表示することで報知される。設定変更ボタン52の操作により当選確率の設定値が所望の値になった(設定値表示用LEDの表示値が所望の値になった)ときに、スタートスイッチ19を操作すると設定値が確定する。そして、キーシリンダに挿入されている設定変更キーを回転して変更処理開始スイッチ56をOFFにすると設定変更処理が終了する。その後、メダル投入口25からメダルが投入されるとゲームが開始される。なお、設定変更は、設定変更処理が終了したあと、スタートスイッチ19が操作されることで確定する。なお、設定変更状態に移行すると、設定変更前の遊技状態にかかわらず、遊技状態設定手段100bにより遊技状態が通常RT(RT0)に設定される。
(3)テーブル選択手段102
図4のテーブル選択手段102は、遊技制御手段100により制御される遊技状態の種類(通常RT(RT0)、ATボーナス遊技状態(RT1)、通常ボーナス遊技状態(BB))、設定制御手段101により設定される設定値(設定1から設定6)に基づき、図4に示す複数の役抽選テーブル671から1つの抽選テーブルを選択するものである。すなわち、例えば通常RT(RT0)では、テーブル選択手段102は、抽選テーブルとして、入賞確率の設定値(設定1〜設定6)に応じて役抽選テーブル671(通常RT用抽選テーブル)を選択する。
(4)役抽選手段103
図4の役抽選手段103は、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで、図9に示すように、複数の役抽選結果(特別役当選、小役当選、再遊技役当選、ハズレ)のうちのいずれか1つを現在の遊技における役抽選結果として、乱数と抽選テーブルとを使用した抽選処理により決定するものであり、乱数発生手段、乱数抽出手段、役抽選テーブル671、および抽選判定手段を備えている。ここで、乱数発生手段は、抽選用の乱数を、所定の範囲内(例えば、10進数で0〜16383)で発生させるものであり、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成されている。また、乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出する。なお、乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただし、スタートスイッチ19が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、乱数抽出手段が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。なお、乱数発生器により乱数を生成してもよい。
さらに、図4の役抽選テーブル671は、乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、予め設定されている役抽選結果のいずれかに該当するか否かが予め定められたものであり、乱数抽出手段により抽出された乱数と、役抽選テーブル671とを照合して、抽出された乱数が、複数の役抽選結果のいずれに該当するかを抽選判定手段により判定する。
(5)決定結果記憶手段104
図4の決定結果記憶手段104は、抽選判定手段による判定結果(役抽選結果)を決定結果記憶領域652に記憶させる手段である。決定結果記憶領域652は、特別役用の第1記憶領域と、小役、再遊技役用の第2記憶領域とを備える。また、各役は、その種類に応じて固有の役番号が対応付けされている。この場合、決定結果記憶手段104は、役抽選結果(当選役グループ)に、特別役(ボーナス役)が含まれている場合は、決定結果記憶領域652の第1記憶領域に当該特別役の種類に応じた役番号を記憶させ、小役や再遊技役が含まれている場合は、第2記憶領域に当該役の種類に応じた役番号を記憶させる。また、決定結果記憶手段104は、当選した当選役グループに特別役および小役、再遊技役が含まれている場合(同時当選)には、特別役に対応する役番号を第1記憶領域に記憶させると共に、小役、再遊技役に対応する役番号を第2記憶領域に設定する。また、役抽選手段103による役抽選結果がハズレである場合には、決定結果記憶手段104は、決定結果記憶領域652の第1記憶領域および第2記憶領域それぞれにハズレに対応する役番号を記憶させる。
なお、決定結果記憶手段104は、小役、再遊技役用の第2記憶領域のデータは、当選役の入賞の有無に関わらず役抽選毎に書き換えるのに対して、特別役用の第1記憶領域のデータは、特別役に入賞するまで書き換えずに維持する。このように、特別役(BB、ATBB)に当選した場合に、特別役に入賞するまで第1記憶領域の特別役についてのデータが維持されることにより、特別役の当選が内部当選として持ち越される。
(6)停止制御手段105
図4の停止制御手段105は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作および役抽選手段103の役抽選結果に基づき、停止テーブル672を用いて各リール13L,13M,13R(各リール14L,14M,14R)の停止制御を行うものである。
図7および図8の「備考」の欄に記載されているように、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選した場合には、最初に操作するストップスイッチに応じて、揃う役が異なるように設定されている。また、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」の種類に応じて、有利となる操作手順が異なるように構成されている。
具体的には、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選した場合には、当選した当選役グループに設定された有利な押し順(操作手順)で各ストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作が行われると、停止制御手段105は、遊技者に最も有利な当選役に入賞するように、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。一方、当選した当選役グループに設定された有利な操作手順(押し順)で停止操作が行われない場合は、停止制御手段105は、遊技者に最も有利な当選役と異なる当選役に入賞する図柄組合せが入賞ライン上に停止不可能となるように、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
また、各リール13L,13M,13Rの停止位置を決定するための停止テーブル672(図4参照)は、役抽選手段103の役抽選結果それぞれに対応して複数のテーブルが設定されている。そして、この停止テーブル672は、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数をあらかじめ定めたものであり、各リール13L,13M,13Rそれぞれについて、対応するストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作順序に対応して滑りコマ数が異なるように形成されている。
また、停止制御手段105は、役抽選手段103の役抽選結果がいずれかの役への当選であれば、この役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときの各リール13L,13M,13Rの回転位置とから、当選した役に入賞するように各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。他方、役抽選手段103による役抽選結果がハズレであれば、停止制御手段105は、ハズレの役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときの各リール13L,13M,13Rの回転位置とから、複数の役のいずれにも入賞しないように各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
ところで、滑りコマ数には上限が設けられているため、仮に役抽選手段103による役抽選結果がいずれかの役への当選であっても、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが所定のタイミングで操作されなければ、停止制御手段105による停止制御で当選した役に入賞させることができない。すなわち、停止制御手段105は、各リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されることを条件に、当選役の入賞にかかる図柄組合せが入賞ラインに揃うように、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
(7)報知表示制御手段106
図4の報知表示制御手段106は、報知用表示器60の報知が報知態様決定手段107で決定された報知態様となるように制御するものである。
(8)報知態様決定手段107
図4の報知態様決定手段107は、役抽選手段103の役抽選結果やスロットマシン1の遊技状態(通常RT、ATボーナス遊技状態、通常ボーナス遊技状態)などに基づいて、報知用表示器60での報知態様を決定するものである。報知態様決定手段107が決定した報知態様については、コマンド作成手段108によりその種類を特定可能なコマンドが作成され、サブ制御基板73に送信される。例えば、ATボーナス遊技状態(RT1)に押し順ベル(左ベル、中ベル、右ベル)に内部当選した場合は、有利な押し順を報知するという報知態様に決定する。
(9)コマンド作成手段108
図4のコマンド作成手段108は、役抽選手段103による役抽選結果に関するデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータ、などの種々のデータをサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを作成する。このコマンド作成手段108により作成されたコマンドは、サブ制御基板73へのシリアルデータ送信用の出力ポートにセットされ、メインCPU61により実行されるタイマ割込処理において、出力ポートにセットされたコマンドが後述するサブ制御コマンド送信手段109によりサブ制御基板73に送信される。
例えば図19に示すように、コマンド作成手段108は、a)役抽選結果、b)遊技状態設定手段100bにより設定されている遊技状態、c)ATボーナス中フラグ設定手段10cにより設定されているATボーナス中フラグのON/OFF状態などに関する情報などをサブ制御基板73に送信するためのコマンドを作成する。
また、図19の役抽選結果に関する情報を送信するためのコマンドについて、コマンド作成手段108は、遊技状態設定手段100bにより設定されている遊技状態に従ってコマンドを作成する。すなわち、遊技状態設定手段100bは、コマンド作成手段108で作成するコマンドを、押し順ベルの種類を識別できるコマンド(有利な操作手順のわかるコマンド)とするか、押し順ベルの種類を識別できないコマンド(有利な操作手順がわからないコマンド)とするかの決定を行う機能も有する。
このとき、図7および図8に示すように、コマンド作成手段108は、役抽選手段103による抽選が実行されたときに、役抽選結果(押し順ベルの種類)を識別できるコマンドとして、「1」〜「4」を含むコマンドを作成する。後述するように、サブ制御基板73では、送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。すなわち、サブ制御基板73において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段108により作成される。
そして、コマンド作成手段108は、遊技状態設定手段100bにより遊技状態がATボーナス遊技状態(RT1)に設定されているときに、押し順ベルに内部当選した場合は、その種類(「左ベル」、「中ベル」、「右ベル」)を特定可能なコマンド(この実施形態では「2」〜「4」)を作成する。一方、コマンド作成手段108は、遊技状態設定手段100bにより遊技状態がATボーナス遊技状態(RT1)とは異なる遊技状態(通常RT、通常ボーナス遊技状態)に設定されているときに、押し順ベルに内部当選した場合は、押し順ベルに内部当選したことは分かるがその種類は特定できないコマンド(この実施形態では「1」)を作成する。
(10)リール検出手段109
図4のリール検出手段109は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する。このリール検出手段109は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓11の中段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
(11)図柄判定手段110
図4の図柄判定手段110は、リール検出手段109により検出された各リール13L,13M,13Rの回転位置に基づき、停止制御手段105により停止制御されて停止した各リール13L,13M,13Rによる各図柄の表示態様が、予め定められた表示態様であるか否かの判定を行うものである。
この図柄判定手段110は、図6の「BB」「ATBB」に示す表示態様で図柄が入賞ライン上に揃うと、特別役入賞と判定する。また、図柄判定手段110は、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役14」「中段チェリー」「スイカ」に示す表示態様で図柄が入賞ライン上に揃うと、小役入賞と判定し、図柄判定手段110は、「リプレイ1」〜「リプレイ8」に示す表示態様で図柄が入賞ライン上に揃うと、再遊技役入賞と判定する。
(12)払出制御手段111
図4の払出制御手段111は、図柄判定手段110の判定結果に基づき、遊技者に所定の利益(特典)を付与するものである。この払出制御手段111は、図柄判定手段110により、複数の役のいずれかに入賞したと判定されたときに、メダル払い出しのある入賞であれば、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に対応した払出枚数だけメダルを払い出す。また、払出制御手段111は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダル払い出しとして、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出枚数だけクレジットメダルを増加させる。
また、払出制御手段111は、図柄判定手段110により再遊技役に入賞したと判定されたときに、規定枚数(3枚)のメダルが投入されたものとして、次のゲームの入賞ラインを有効とする。
(13)メダル制御手段112
図4のメダル制御手段112は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切換えるものである。
(14)コマンド送信手段113
図4のコマンド送信手段113は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、コマンド作成手段108により作成された種々の情報を含むコマンドを一方通行で送信するものである。この場合、一般遊技状態(通常RT(RT0))およびボーナス遊技状態(RT1、BB)などの遊技状態、役抽選手段103の役抽選結果、図柄判定手段110による図柄判定結果、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段111によるメダルの払出状態などのスロットマシン1の状態を表す情報を含むコマンドをサブ制御基板73へ送信する。
また、コマンド送信手段113は、投入センサ53による投入メダルの検出状態、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17の操作状態などを表すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。また、コマンド送信手段113は、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73の構成について説明する。サブ制御基板73のサブCPU71は、メイン制御基板63から送信されたコマンドに基づいて、メイン制御基板63(メインCPU61)の動作や状態に応じた演出を行うためのものである。図4に示すように、サブ制御基板73には、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能が搭載されている。
(1)コマンド受信手段200
図4のコマンド受信手段200は、メイン制御基板63のコマンド送信手段113により送信された種々の情報を含むコマンドを受信するものである。コマンド受信手段200は、メイン制御基板63から送信されるコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
(2)演出内容決定手段201
図4の演出内容決定手段201は、コマンド受信手段200により受信されたコマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、役抽選手段103の役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器27に表示される動画を決定したり、スピーカ31L,31Rから流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。この場合、演出内容決定手段201は、報知用表示器60の報知態様に対応する報知演出を実行する演出内容に決定する。
例えば、演出内容決定手段201は、ATボーナス遊技状態で押し順ベルに内部当選した場合は、より高い配当が得られる有利な押し順を液晶表示器27に表示するという演出内容に決定する。また、演出内容決定手段201は、各遊技状態(RT0、RT1、BB)において、チェリーやスイカ(スイカA、B)を含む当選役グループに内部当選した場合は、液晶表示器27にチェリーやスイカの画像を表示するという演出内容に決定する。
そして、演出内容決定手段201は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を表示制御手段202および音声制御手段203に送信する。
(3)表示制御手段202
図4の表示制御手段202は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器27に動画(画像)を表示したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rなどの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの制御を行うものである。
(4)音声制御手段203
図4の音声制御手段203は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ31L,31Rから音楽を流したり、音声を出力したりするなど制御を行うものである。
したがって、上記した実施形態によれば、押し順によって有利度が異なる押し順ベルは、ATボーナス遊技状態(RT1)でのみ役抽選の対象になっており、通常RT(RT0)では役抽選の対象になっていない。すなわち、従来のAT機能を備えたスロットマシンのように、通常状態(本実施形態の通常RTに相当)で押し順ベルに当選したときに、偶然正解の押し順で操作してより高い配当を得られるということがない。この場合、ATボーナス遊技状態において、押し順ベルの当選時に有利な押し順(正解の押し順)が報知されるという恩恵を遊技者が十分に感じることができる遊技機を提供することができる。また、通常RT(RT0)は、押し順ベルが抽選の対象となっていないため、押し順ベルに当選したときに入賞図柄を引き込むためのリール制御を行う必要がない。したがって、通常RT(RT0)でのリール制御の自由度が向上し、通常RT(RT0)において多様な停止出目(停止図柄)を実現することができる。さらに、ATボーナス遊技状態(RT1)では、従来のAT機能を有する遊技機と同様に有利な押し順が報知されるため、AT機能を有する遊技機の面白みを損なうこともない。
また、ATボーナス遊技状態(RT1)では、特別役(BB役、ATBB役)に当選する場合があるが、通常ボーナス遊技状態(BB)では、特別役に当選しないように構成されている。このようにすると、ATボーナス遊技状態中は、特別役に当選する可能性があるため、遊技者の興趣の向上を図ることができる。また、通常ボーナス遊技状態(BB)は、通常、終了後に通常RT(RT0)に移行するが、ATボーナス遊技状態(RT1)の途中で発生した通常ボーナス遊技状態(BB)は、終了後にATボーナス遊技状態(RT1)に移行して中断していたATボーナス遊技状態が直ちに再開される。このようにすると、従来のスロットマシンのように、AT期間中にボーナス状態が発生しても、終了後に通常状態(本発明の通常RT(RT0)に相当)に移行してAT期間に復帰するまでにメダルを減らしたり、AT期間に復帰(リプレイ高確状態への移行)させるためにベル小役(本実施形態の押し順ベルに相当)を取りこぼさなければならないという不満を解消することができる。また、通常ボーナス遊技状態(BB)と、その後すぐにATボーナス遊技状態(RT1)が再開されるため、異なるボーナス遊技状態の切り替わりを楽しむことができる。
また、役抽選の対象となる当選役グループの中に、BB役とATBB役とが同時当選する当選役グループが設定されていないため、遊技者に過度に有利な状態が付与されるのを防止することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行なうことが可能である。
例えば、上記した実施形態では、ATBB役の入賞にかかる図柄組合せを取りこぼしが発生し得る「BAR−BAR−BAR」に設定し、取りこぼしが発生した場合は、ATBB役の入賞を持ち越すように構成したが、ATBB役の入賞にかかる図柄組合せを取りこぼしの発生しない図柄組合せに設定してもよい。このようにすると、ATBB役に当選すると、次のゲームから有利なATボーナス遊技状態(RT1)に移行するため、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
また、通常RT(RT0)では、押し順ベル(「左ベル」、「中ベル」、「右ベル」)を役抽選の対象にしないように構成したが、通常RT(RT0)でも役抽選の対象とした上で、ATボーナス遊技状態(RT1)よりも当選確率を低く設定してもよい。このようにすると、通常RT(RT0)において本実施形態よりもリール制御の自由度は低下するが、遊技者は通常RT(RT0)でも押し順ベルの当選時に押し順が正解すると高い配当が得られるため、遊技者は通常RT(RT0)でも緊張感を持って遊技を行うことができる。また、通常RT(RT0)とATボーナス遊技状態(RT1)とで押し順ベルの当選確率を同じにして、ATボーナス遊技状態(RT1)のみで有利な押し順を報知するようにしてもよい。この場合、小役の当選確率を遊技状態毎に変更する構成よりもデータ容量を減らしつつ、多様な遊技性を確保することができる。
また、上記した実施形態ではATボーナス遊技状態(RT1)では、BB役とATBB役のいずれも当選の可能性がある場合について説明したが、ATボーナス遊技状態(RT1)では、ATBB役には当選しないようにしてもよい。このように、ATボーナス遊技状態(RT1)では、異なる遊技状態に移行するBB役のみに当選の可能性を持たせることで、遊技者に過度に有利な状態を付与するのを防止することができるとともに、遊技者はゲーム性の異なるボーナス遊技状態(RT1、BB)の切り替えを楽しむことができる。
また、ATボーナス遊技状態(RT1)の途中で特別役(BB役、ATBB役)に当選すると、当該ATボーナス遊技状態(RT1)を中断し、新たに当選した特別役の入賞により移行するボーナス遊技状態(RT1、BB)の終了後に当該ATボーナス遊技状態(RT1)を再開するように構成したが、新たに特別役に当選した場合は、途中のATボーナス遊技状態は終了して、新たな特別役の入賞により移行するボーナス遊技状態(RT1、BB)に書き換えるようにしてもよい。このようにすると、有利な状態が過度に長期化するのを防止することができる。
また、ATボーナス遊技状態(RT1)は、通常ボーナス遊技状態(BB)と同様に、BB役とATBB役のいずれにも当選しないようにしてもよい。この場合、有利な状態を遊技者に過度に付与されるのを防止することができる。
また、ATボーナス遊技状態(RT1)の途中で特別役(BB役、ATBB役)に当選した場合において、当該特別役の入賞により発生するボーナス遊技状態の終了後に再開されるATボーナス遊技状態(RT1)は、200枚のメダルが払い出されることを条件に終了するようにしてもよい。すなわち、ATボーナス遊技状態(RT1)の途中で新たな特別役に当選した場合は、再開されるATボーナス遊技状態の終了条件を決めるメダルの払い出し枚数をクリアするという特典を付与するようにしてもよい。
また、上記した実施形態では、ATボーナス遊技状態(RT1)と通常ボーナス遊技状態(BB)とは、役抽選でハズレになる確率を同じに設定したが、異なるように設定してもよい。また、両ボーナス遊技状態(RT1、BB)の一方または両方において、役抽選でハズレが発生しないようにしてもよい。
また、通常RT(RT0)の役抽選の対象となる当選役グループの構成と当選確率を、ATボーナス遊技状態(RT1)の構成と同じにして、ATボーナス遊技状態(RT1)で押し順ベルに当選した場合は、押し順に関わらず「中段ベル」に必ず入賞し、通常RT(RT0)で押し順ベルに当選した場合は、その種類に応じて設定された有利な押し順で操作しなければ「中段ベル」に入賞しないようにしてもよい。このようにすると、通常RT(RT0)とATボーナス遊技状態(RT1)とで役抽選テーブル671の共通化を図ることができる。さらに、ATボーナス遊技状態において、これまでにない意外性のある遊技性を提供することができる。
また、ATボーナス遊技状態(RT1)や通常ボーナス遊技状態の終了条件は、適宜変更することができる。例えば、終了にかかる払出枚数を変更してもよいし、ATボーナス遊技状態(RT1)において押し順ベルの当選回数で終了条件を設定してもよい。
また、ATボーナス遊技状態(RT1)では、押し順ベルに当選したときに、有利な押し順が報知されるようにしたが、押し順ベルの代わりにストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングで入賞図柄が変わる小役を設け、ATボーナス遊技状態(RT1)で当該小役に当選したときに、有利な操作タイミングを報知するようにしてもよい。すなわち、ATボーナス遊技状態(RT1)で報知されるのは押し順に限らず、例えば操作タイミングなど、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様であればよい。
また、上記した実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン1を例に挙げて説明したが、スロットマシンとパチンコ機とを組み合わせたパロットと称される遊技機に本発明を適用してもよく、このような遊技機に本発明を適用する場合、遊技用価値としての遊技球(パチンコ玉)を採用すればよい。さらに、本発明の遊技機を、コンピュータプログラムが実行されることによるビデオゲームに適用してもよい。
そして、スロットマシンなどの遊技機に対して、本発明を広く適用することが可能である。