<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14に対する所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2に示すように、筐体11は仕切り板によりその内部が上下2分割されており、仕切り板の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれが図示しないステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図3には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「青7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)の10種類がある。そして、図3に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、計4本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図4に示すように、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第1ラインL1と、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第2ラインL2と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第3ラインL3と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第4ラインL4と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
図5には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、チェリー入賞,第1スイカ入賞,第2スイカ入賞,第3スイカ入賞,第4スイカ入賞,ベル入賞,第1特殊ベル入賞〜第12特殊ベル入賞がある。
中リール32Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、左リール32Lと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、中リール32Mの「チェリー」図柄と、左リール32L及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞が成立するとも言える。ここで、中リール32Mの中段は4本の有効ラインが重なる位置であるため、中リール32Mの中段に「チェリー」図柄が停止した場合には、4本全ての有効ライン上にてチェリー入賞が成立することとなり、結果として4(=1×4)枚のメダル払出が行われる。
各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1スイカ入賞として5枚のメダル払出が行われる。中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。中リール32Mの「赤7」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第3スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。中リール32Mの「スイカ」図柄と右リール32Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第4スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、第2〜第4スイカ入賞の場合には、左リール32Lについて有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。
各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止した場合には、ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。また、各リール32L,32M,32Rのうち2つのリールの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、残り1つのリールの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。例えば、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞,第3BB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「青7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、左リール32L及び中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「白7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となり、左リール32L及び中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第3BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞がある。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2再遊技入賞となる。左リール32L及び右リール32Rの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第3再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第4再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第5再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は、左リール32Lの「赤7」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第6再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第7再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第8再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第9再遊技入賞となる。左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第10再遊技入賞となる。左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第11再遊技入賞となる。左リール32Lの「白ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第12再遊技入賞となる。
また、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行し、第4再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第4RT状態に移行し、第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。
有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「赤ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「赤ベル」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄が停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、これら遊技状態が第1RT状態に移行する図柄の組合せを移行出目と言う。
第6再遊技入賞〜第9再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態は移行しない。但し、第7再遊技入賞〜第9再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、特定役入賞として後述する報知抽選処理を行う。
なお以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せとも言う。例えば、第3特殊ベル図柄の組合せとは、第3特殊ベル入賞となる図柄の組合せ、すなわち「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「赤ベル」図柄の組合せである。また、各入賞と対応する各リール32L,32M,32Rの図柄を入賞図柄とも言う。例えば、第3特殊ベル図柄とは、左リール32Lにおいては「リプレイ」図柄であり、中リール32Mにおいては「白ベル」図柄であり、右リール32Rにおいては「赤ベル」図柄である。
図1の説明に戻り、遊技パネル20の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー51が設けられている。メダルが投入されているときにこのスタートレバー51が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー51の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン52,53,54が設けられている。各ストップボタン52,53,54は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン52,53,54は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口55が設けられている。メダル投入口55から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ61によって、投入可能時であればホッパ装置64へ導かれ、投入不可時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれる。なお、ホッパ装置64は、上記有効ライン上にメダルの付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口17を通じてメダル受け皿18に払い出す機能を有している。
メダル投入口55の下方には、図1に示すように、メダル投入口55に投入されたメダルがセレクタ61内に詰まった際に押される返却ボタン56が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入ボタン57と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン58と、仮想メダルを一度に3枚投入するための第3クレジット投入ボタン59とが設けられている。
スタートレバー51の左側には、ボタン状の精算ボタン60が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン60を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口17から払い出されるようになっている。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ22と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ23と、遊技者に各種情報を与える液晶表示器などの補助表示部24とが設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置64の左方には、図2に示すように、電源装置65が設けられている。電源装置65には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源ボタン66と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン67と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔68と、を備えている。
リールユニット31の上方には、主制御装置70が設けられている。当該主制御装置70は、筐体11の背板に取り付けられている。主制御装置70は、主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
<スロットマシン10の電気的構成>
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図6のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置70には、演算処理手段であるCPU71を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU71には、電源装置65の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路74や、入出力ポート75などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置70は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置70の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー51の操作を検出するスタート検出センサ51a、各ストップボタン52,53,54の操作を個別に検出するストップ検出センサ52a,53a,54a、メダル投入口55から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ55a、各クレジット投入ボタン57,58,59の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ57a,58a,59a、精算ボタン60の操作を検出する精算検出センサ60a、ホッパ装置64から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ64a、リセットボタン67の操作を検出するリセット検出センサ67a、設定キー挿入孔68に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ68a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート75を介してCPU71へ入力されるようになっている。
また、主制御装置70の入力側には、入出力ポート75を介して電源装置65に設けられた停電監視回路65bが接続されている。電源装置65には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部65aや、停電監視回路65bなどが搭載されている。
停電監視回路65bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源ボタン66による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路65bは、電源部65aから出力されるこの例では直流24ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU71に供給され、CPU71ではこの停電信号を認識することにより停電時処理が実行される。
主制御装置70の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、ホッパ装置64、表示制御装置80等が入出力ポート75を介して接続されている。
表示制御装置80は、上部ランプ22やスピーカ23、補助表示部24を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置70からの信号を受け取った上で、表示制御装置80が独自に上部ランプ22、スピーカ23及び補助表示部24を駆動制御する。
上述したCPU71には、このCPU71によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM72と、このROM72内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM73のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。
RAM73は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置65からバックアップ電圧が供給されてデータを保持できる構成となっており、RAM73には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、CPU71のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路65bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
<主制御装置70のCPU71により実行される処理>
次に、主制御装置70内のCPU71により実行される各制御処理を説明する。
かかるCPU71の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されたメイン処理の実行後に繰り返し実行される通常処理と、当該通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後、通常処理を説明する。
<タイマ割込み処理>
図7は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、例えば1.49msecごとに起動される。
ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU71内の全レジスタの値をRAM73のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
停電フラグは、電源装置65の停電監視回路65bからの停電信号がNMI端子を介してCPU71に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU71のスタックポインタの値をRAM73のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート75における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM73のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU71自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれのステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート75に接続された各種センサ(図6参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、各種コマンドを表示制御装置80へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、入出力ポート75からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS112では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU71内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS113にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について図8のフローチャートに基づき説明する。
ステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置80等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置80等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS213に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM73に格納された各種遊技情報等のデータをクリアする。この場合、一のゲームにおいて使用するRAM73の各エリアを初期化するための処理を実行する。例えば後述する展開用エリア73aを初期化(全てのエリアを「0」クリア)するための処理を実行する。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技で第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、精算ボタン60が操作されたか否かを判定し、精算ボタン60が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン60が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン57〜59の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン57〜59の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数(本実施の形態では3)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻る。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてスタートレバー51が操作されたか否かを判定する。スタートレバー51が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻る。
一方、スタートレバー51が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー51が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS207にて上述した第1ラインL1〜第4ラインL4の全ての組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行うとともに、ステップS208にてセレクタ61を制御することによりベット受付を禁止する。その後、ステップS209の抽選処理、ステップS210のリール制御処理、ステップS211のメダル払出処理、ステップS212のRT状態処理、ステップS213のBB状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
<抽選処理>
次に、通常処理(図8)におけるステップS209の抽選処理について図9のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー51が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU71は、スタートレバー51の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM73に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー51が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー51が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態,BB状態の7種類の遊技状態を有している。そこでステップS302では、RAM73に設けられた遊技状態フラグの内容に基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図10は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータをRAM73にセットするための当選ビットデータの取得処理を実行する。当該取得処理の詳細な内容については後述するが、当該処理内容を簡単に説明すると、例えば、IV=9のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306では、チェリーと第1BBに当選したことを示すデータをRAM73にセットする。
ちなみに、セットされた当選のデータが第1BBに当選したことを示す当選データ(以下、「第1BB当選データ」と言う。)、第2BBに当選したことを示す当選データ(以下、「第2BB当選データ」と言う。)、又は第3BBに当選したことを示す当選データ(以下、「第3BB当選データ」と言う。)でない場合、RAM73にセットされた当選であることを示すデータは該当選データがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のステップS203参照)。
一方、当選データが第1BB当選データ、第2BB当選データ又は第3BB当選データである場合、これら当選データは対応するBB入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選データ、第2BB当選データ及び第3BB当選データは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選データ、第2BB当選データ又は第3BB当選データを持ち越した状態におけるステップS306では、現在のインデックス値IVが1〜3であれば対応する当選データをセットしない構成であり、現在のインデックス値IVが9〜13であればBB当選データ以外の当選データをセットする構成であり、現在のインデックス値が1〜3及び9〜13以外であればインデックス値IVと対応する当選データをセットする。つまり、第1BB当選データ、第2BB当選データ又は第3BB当選データが持ち越されているゲームでは、第1BB、第2BB及び第3BB以外の役に当選した場合には対応する当選データをセットする一方、第1BB、第2BB又は第3BBに当選した場合には対応する当選データをセットしない。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図10に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、IV=1の際に当選となる確率は約21867分の1、IV=2の際に当選となる確率は約4100分の1、IV=3の際に当選となる確率は約4100分の1、IV=4の際に当選となる確率は約96.4分の1、IV=5の際に当選となる確率は約524分の1、IV=6の際に当選となる確率は約512分の1、IV=7の際に当選となる確率は約524分の1、IV=8の際に当選となる確率は約512分の1、IV=9〜14の際に当選となる確率はそれぞれ約65600分の1である。IV=15〜18の際に当選となる確率はそれぞれ約91.9分の1であり、IV=19〜26の際に当選となる確率はそれぞれ約31.2分の1である。IV=27の際に当選となる確率は約7.30分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.80分の1である。
ステップS306にて当選データをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置80に送信されるコマンドである。ステップS310では、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を行い、抽選処理を終了する。
<リール制御処理>
次に、通常処理(図8)におけるステップS210のリール制御処理について、図11のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、まずステップS401において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM73に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S106にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー51を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU71は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップボタン52〜54の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS402では、ストップボタン52〜54のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップボタン52〜54も操作されていない場合には、ストップボタン52〜54のいずれかが操作されるまで待機する。ストップボタン52〜54のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS403に進み、回転中のリールと対応するストップボタンが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS402に戻り、ストップボタン52〜54のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS404にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップボタンが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置80に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS405〜ステップS411に示す停止制御処理を行う。
ステップS405では、ストップボタンの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS406では、RAM73に格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン52〜54が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS406では、RAM73に格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS407では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS408では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS409にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS410では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS411にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS402に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にてRAM73に格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=15〜26の際に当選となった場合すなわちベルと2種類の特殊ベルに当選となった場合(図10参照)に、停止指令を発生させたストップボタン52〜54の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図12は、IV=15〜26の際にセットされる当選データと、ストップボタン52〜54の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えばIV=19と対応する当選ビットデータがセットされている場合には、左ストップボタン52が最初に操作された場合に第1特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップボタン53が最初に操作された場合にベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップボタン54が最初に操作された場合に第9特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップボタン52〜54の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップボタン52〜54の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、左リール32Lと右リール32Rにおいては上段と下段に有効ラインが設定され、中リール32Mにおいては中段に有効ラインが設定される。このため、左リール32Lと右リール32Rに関しては、同種図柄同士の間隔が6図柄以下で配置されていればストップボタン52,54の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができ、中リール32Mに関しては、同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されていればストップボタン53の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。左リール32Lには、「リプレイ」図柄,「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、上記各図柄が当選図柄となった場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず有効ライン上に当選図柄を停止させることができる。一方、「赤ベル」図柄や「白ベル」図柄等の他の図柄に関しては、上記間隔以上に離れた区間が形成されるようにして配置されているため、有効ライン上に停止させるためには遊技者が図柄を狙ってストップボタン52〜54を操作する必要がある。
IV=19の際に当選となり、左ストップボタン52→中ストップボタン53→右ストップボタン54の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1特殊ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、第1特殊ベル図柄たる「リプレイ」図柄が、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップボタン52が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「リプレイ」図柄が停止する。例えば左リール32Lの12番の「リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップボタン52が操作された場合には、図13(a)に示すように、当該12番の「リプレイ」図柄が下段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が、2番,5番,10番,20番の位置に配置されている。20番〜10番の区間では、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている一方、10番〜20番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が9図柄となっている。このため、中ストップボタン53の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、16番の「赤7」図柄〜10番の「赤ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップボタン53が操作された場合、図13(b)に示すように、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が中段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。一方、11番の「スイカ」図柄〜15番の「白ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップボタン53が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップボタン53が操作された場合には、図13(c)に示すように、15番の「白ベル」図柄が中段に停止する。「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない場合に「白ベル」図柄を中段に停止させることにより、当選役が報知されていない状況において、第3特殊ベル入賞又は第4特殊ベル入賞が成立することを遊技者に期待させることが可能となる。
右リール32Rには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されている。9番〜16番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が6図柄となっている一方、16番〜9番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が13図柄となっている。このため、右ストップボタン54の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、3番の「青7」図柄〜16番の「赤ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップボタン54が操作された場合、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が上段又は下段に停止する。この結果、第3ラインL3又は第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。例えば、16番の「赤ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、図13(d)に示すように、第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。一方、17番の「赤7」図柄〜2番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、右リール32Rを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を上段又は下段に停止させることができない。かかるタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、「スイカ」図柄が上段又は下段に停止する。例えば、2番の「白ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、図13(e)に示すように、第4ラインL4上に左から「リプレイ」図柄,「赤ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止する。つまり、第1特殊ベル入賞を成立させることができないタイミングでストップボタン52〜54が操作された場合には、有効ライン上に移行出目(図5参照)が停止する。
IV=19の際に当選となった場合に限られず、IV=19〜26の際に当選となった場合であって左ストップボタン52が最初に操作された場合、すなわち第1特殊ベル〜第4特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合に、それぞれの特殊ベルを成立させることができないタイミングでストップボタン52〜54が操作された場合には、有効ライン上に移行出目が停止する。
次に、IV=15の際に当選となり、左ストップボタン52→中ストップボタン53→右ストップボタン54の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が13番と20番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が6番の位置に配置されている。かかる場合、6番の「白ベル」図柄と13番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、13番の「赤ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、20番の「赤ベル」図柄と6番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、左リール32Lには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、左ストップボタン52が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
中リール32Mには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が20番,2番,5番,10番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が15番の位置に配置されている。かかる場合、20番〜10番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となっており、10番の「赤ベル」図柄と15番の「白ベル」図柄の間隔が4図柄となっており、15番の「白ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔が4図柄となっている。つまり、中リール32Mには、ベル図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、中ストップボタン53が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
右リール32Rには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が2番の位置に配置されている。かかる場合、2番の「白ベル」図柄と9番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、9番の「赤ベル」図柄と16番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、16番の「赤ベル」図柄と2番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、右リール32Rには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、右ストップボタン54が最後に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。この結果、各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、ベル入賞が成立する。
ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合には、IV=15〜26のいずれで当選となった場合であっても、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
IV=15〜26の際に当選となった場合には、6通りのストップボタン52〜54の操作順序のうち2通りの操作順序についてベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、4通りの操作順序について特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。上述したとおり、ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。一方、特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合、ストップボタン52〜54の操作タイミングによって特殊ベル入賞が成立したり成立しなかったりする。
IV=15〜26の際に当選となった場合であって第5特殊ベル〜第12特殊ベル入賞が成立するよう停止情報が設定された場合、すなわち中ストップボタン53又は右ストップボタン54が最初に操作された場合には、対応する特殊ベル入賞を成立させることが可能なタイミングでストップボタン52〜54が操作されれば当該特殊ベル入賞が成立し、対応する特殊ベル入賞を成立させることが不可能なタイミングでストップボタン52〜54が操作されれば特殊ベル入賞が成立しないのみならず移行出目も有効ライン上に停止しない。この場合、メダルの払い出しを行わず、且つ遊技状態も移行させない。
移行出目は、IV=19〜26の際に当選となった場合であって、左ストップボタン52が最初に操作されるとともに設定された停止情報と対応する第1特殊ベル〜第4特殊ベル入賞を成立させることができない場合に、有効ライン上に停止する。この場合、メダルの払い出しを行わない一方で、遊技状態が第1RT状態に移行する。
また、これらストップボタン52〜54の操作順序は、図12に示す通り、最初に操作されるストップボタンによって成立する役が異なるように設定されている。つまり、ストップボタン52〜54のうち、左ストップボタン52が最初に操作されるか、中ストップボタン53が最初に操作されるか、右ストップボタン54が最初に操作されるか、により、成立する役が異なるように設定されており、2番目、3番目に操作されるストップボタンがそれぞれ逆の順序になったとしても、入賞する役は変化しない。
また、遊技者は、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止した場合、中リール32Mと右リール32Rを停止させる場合に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄を狙って中ストップボタン53と右ストップボタン54を操作するものと想定される。かかる場合、当選役が報知されていない状況においては、4分の1の確率で特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止することとなる。ちなみに、IV=14の際に当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS410にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS412にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役がRAM73にセットされている当選データと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選データと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM73にセットする。一方、入賞成立役が当選データと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットボタン67が操作されるまで維持される。払出判定処理が終了した場合には、ステップS413にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置80に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
<メダル払出処理>
次に、通常処理(図8)におけるステップS211のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算する。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置64からメダル受け皿18へ払い出す。なお、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数データの値から払出数を減算する処理を行う。
<RT状態処理>
次に、通常処理(図8)におけるステップS212のRT状態処理について、図14のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS502に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS503にてRAM73に第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。また、ステップS502にて現在の遊技状態が通常遊技状態でないと判定した場合には、RAM73に第1RT設定フラグ〜第5RT設定フラグのいずれかがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS504にてそのセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にてRAM73に第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS503にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。この場合、抽選処理(図9)のステップS302では、第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図15は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルには、33個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜26には、通常遊技状態用抽選テーブル(図10参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=27〜33には、当選役として第1再遊技又は第1再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜26の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=27の際に当選となる確率は約36.9分の1、IV=28〜33の際に当選となる確率はそれぞれ約54.6分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.80分の1である。
ここで、図10に示すように、通常遊技状態では、IV=27の際に当選となった場合、第6再遊技に当選となる。IV=27の当選確率は約7.30分の1である。第1RT状態では、IV=27の際に当選となった場合、第1再遊技に当選となり、IV=28の際に当選となった場合、第1再遊技と第2再遊技に当選となり、IV=29の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第10再遊技に当選となり、IV=30の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=31の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第12再遊技に当選となり、IV=32の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=33の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第12再遊技に当選となる。IV=27〜33のいずれかで当選となる確率は約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,BBの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第2RT状態に移行する第2再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
また、第1RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS411)では、上述したIV=15〜26の際に当選となった場合に加えてIV=28〜33の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン52〜54の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図16は、第1RT状態下でIV=27〜33の際に当選となった場合にセットされる当選データと、ストップボタン52〜54の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄と「チェリー」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、少なくとも第1再遊技入賞のみを成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せ又は「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。同様に、第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず、第2再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。
第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、同一の操作順序であっても第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞又は第1再遊技入賞が成立するように設定されている。左リール32Lには、「BAR」図柄、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されており、第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、所定のタイミングでストップボタン52〜54が操作された場合に限って成立する。当該所定のタイミング以外のタイミングでストップボタン52〜54が操作された場合には、第1再遊技入賞が成立する。より詳細には、第1再遊技入賞又は第10再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン52の操作タイミングによって、「BAR」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「BAR」図柄を停止させ、「BAR」図柄を停止させることができない場合には「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン53及び右ストップボタン54の操作タイミングに関わらず中リール32M及び右リール32Rに「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、第1再遊技入賞又は第11再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン52の操作タイミングによって、「赤ベル」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤ベル」図柄を停止させ、「赤ベル」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン53及び右ストップボタン54の操作タイミングに関わらず中リール32Mには「青年」図柄を、右リール32Rには「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、第1再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン52の操作タイミングによって、「白ベル」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「白ベル」図柄を停止させ、「白ベル」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン53及び右ストップボタン54の操作タイミングに関わらず中リール32Mには「青年」図柄を、右リール32Rには「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させる。
IV=28〜33には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第2再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第2再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていないゲームでは、IV=28〜33のいずれかの当選ビットデータがセットされている場合、6分の1の確率で第2再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第2再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理(図14)の説明に戻り、ステップS501にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS505に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立した場合には、ステップS506にてRAM73にセットされているRT設定フラグをクリアし、本処理を終了する。この結果、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行することとなる。
第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれも成立していない場合には、ステップS507に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS508にてRAM73に第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS508にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理(図9)のステップS302では、第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図17は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルには、32個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜26には、通常遊技状態用抽選テーブル(図10参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=27〜32には、当選役として第1再遊技と第3再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜26の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=27〜32の際に当選となる確率はそれぞれ約24.0分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約2.30分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第2RT状態では、第3RT状態に移行する第3再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第2RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS411)では、上述したIV=15〜26の際に当選となった場合に加えてIV=27〜32の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン52〜54の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図18は、第2RT状態下でIV=27〜32の際に当選となった場合にセットされる当選データと、ストップボタン52〜54の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lと右リール32Rには、「リプレイ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず、第3再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。IV=27〜32には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第3再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていないゲームでは、IV=27〜32のいずれかの当選ビットデータがセットされている場合、6分の1の確率で第3再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第3再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理(図14)の説明に戻り、第2再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS509に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS510にてRAM73に第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS510にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理(図9)のステップS302では、第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図19は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルには、32個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜26には、通常遊技状態用抽選テーブル(図10参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=27〜32には、当選役として第1再遊技と第4再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜26の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=27〜32の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第3RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第3RT状態では、第4RT状態に移行する第4再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第3RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS411)では、上述したIV=15〜26の際に当選となった場合に加えてIV=27〜32の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン52〜54の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図20は、第3RT状態下でIV=27〜32の際に当選となった場合にセットされる当選データと、ストップボタン52〜54の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず、第4再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。IV=27〜32には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第4再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第4再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていないゲームでは、IV=27〜32のいずれかの当選ビットデータがセットされている場合、6分の1の確率で第4再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第4再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理(図14)の説明に戻り、第3再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS511に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞が成立した場合には、ステップS512にてRAM73に第4RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS512にて第4RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第4RT状態に移行する。そして、抽選処理(図9)のステップS302では、第4RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第4RT状態であると判別し、第4RT状態用抽選テーブルを選択する。
図21は、「設定3」の第4RT状態で選択される第4RT状態用抽選テーブルである。第4RT状態用抽選テーブルには、32個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜26には、通常遊技状態用抽選テーブル(図10参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=27〜32には、当選役として第1再遊技と第5再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜26の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=27〜32の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第4RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第4RT状態では、第5RT状態に移行する第5再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第4RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS411)では、上述したIV=15〜26の際に当選となった場合に加えてIV=27〜32の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン52〜54の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図22は、第4RT状態下でIV=27〜32の際に当選となった場合にセットされる当選データと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「青年」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず、第5再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。IV=27〜32には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第5再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第5再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていないゲームでは、IV=27〜32のいずれかの当選ビットデータがセットされている場合、6分の1の確率で第5再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第5再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理(図14)の説明に戻り、第4再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS513に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第5再遊技入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS514にてRAM73に第5RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS514にて第5RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。そして、抽選処理(図9)のステップS302では、第5RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第5RT状態であると判別し、第5RT状態用抽選テーブルを選択する。
図23は、「設定3」の第5RT状態で選択される第5RT状態用抽選テーブルである。第5RT状態用抽選テーブルには、36個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜26には、通常遊技状態用抽選テーブル(図9参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=27〜36には、当選役として第6再遊技又は第6再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜26の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=27の際に当選となる確率は約3.40分の1、IV=28の際に当選となる確率は約51.8分の1、IV=29の際に当選となる確率は約655分の1、IV=30の際に当選となる確率は約6550分の1、IV=31〜36の際に当選となる確率はそれぞれ約16.4分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約417分の1である。つまり、第5RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第5RT状態では、遊技状態が移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第5RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS411)では、上述したIV=15〜26の際に当選となった場合に加えてIV=28〜36の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン52〜54の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図24は、第5RT状態下でIV=27〜36の際に当選となった場合にセットされる当選データと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32L及び右リール32Rには、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されており、中リール32Mには、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されている。このため、少なくとも第6再遊技入賞のみを成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず、第6再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。
第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、同一の操作順序であっても第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞又は第6再遊技入賞が成立するように設定されている。各リール32L,32M,32Rには、「赤7」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されている。このため、第6再遊技入賞成立となる「赤7」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せや第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、各ストップボタン52〜54が所定のタイミングで操作された場合に限って成立する。但し、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立可能なタイミングで各ストップボタン52〜54が操作された場合には、第6再遊技入賞ではなく、それぞれ第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立し、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞を成立させることができないタイミングで各ストップボタン52〜54が操作された場合には、第6再遊技入賞が成立する。
より詳細には、第6再遊技入賞又は第7再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは左ストップボタン52の操作タイミングによって、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。中リール32Mは左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップボタン53が操作された場合には、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させ、そうでない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。右リール32Rは左リール32L及び中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合は右ストップボタン54の操作タイミングに関わらず、「青年」図柄を有効ライン上に停止させ、そうでない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第6再遊技入賞、第7再遊技入賞又は第9再遊技入賞が成立するように設定された場合には、まず、左リール32L及び中リール32Mについては第6再遊技入賞又は第7再遊技入賞が成立するように設定された場合と同様である。右リール32Rは、中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させ、中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合であっても「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることができないタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、「青年」図柄を有効ライン上に停止させ、中リール32Mに「赤7」図柄が停止していない場合は、右ストップボタン54の操作タイミングによらず「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第6再遊技入賞又は第8再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは左ストップボタン52の操作タイミングによって、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。右リール32Rは左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させることが可能なタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させる。この場合、右リール32Rの下段には「リプレイ」図柄が停止しており(図3参照)、第6再遊技入賞又は第8再遊技入賞のいずれもが成立可能な余地を残す。一方、左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であっても、右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させることができないタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、右リール32Rの上段に「リプレイ」図柄を停止させる。この場合、有効ライン上に「BAR」図柄は停止しない(図3参照)。また、左リール32Lに「赤7」図柄が停止していない場合には右ストップボタン54の操作タイミングに関わらず、「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。中リール32Mは、左リール32Lに「赤7」図柄が停止し右リール32Rの上段に「BAR」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止している場合、又は右リール32Rの上段に「リプレイ」図柄が停止している場合には中ストップボタン53の操作タイミングに関わらず、「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。IV=31〜36には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第6再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第6再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていないゲームでは、IV=31〜36のいずれかの当選ビットデータがセットされている場合、6分の1の確率で第6再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第6再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
ここで、通常遊技状態及び各RT状態に関する遊技状態の移行について、図25を用いて説明する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行する。移行出目は、第1特殊ベル入賞〜第4特殊ベル入賞のいずれかを成立させるべく停止情報が設定されるとともに、対応する特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止する。つまり、移行出目は、IV=19〜26の際に当選となり、左ストップボタン52を最初に操作するとともに特殊ベル入賞が成立しなかった場合に有効ライン上に停止する。IV=19〜26のいずれかで当選となる確率は約3.90分の1である。また、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない状況において遊技者が「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄の一方を狙って中ストップボタン53及び右ストップボタン54を操作した場合には、4分の1の確率で第1特殊ベル入賞〜第4特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止する。したがって、遊技状態が通常遊技状態であってストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行する。なお、通常遊技状態では第2再遊技、第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、通常遊技状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、通常遊技状態において、再遊技当選となる確率は約7.3分の1である。
遊技状態が第1RT状態である場合、第2再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行し、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞(以下、これら4つの再遊技入賞を総称して「転落再遊技入賞」と言う。)が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=21〜26の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=28〜33のいずれかで当選となる確率は約9.10分の1である。また、IV=27の際に当選となった場合には、ストップボタン52〜54の操作順序に関わらず転落再遊技入賞が成立する。IV=27の際に当選となる確率は約36.9分の1である。したがって、遊技状態が第1RT状態であってストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない場合には、約54.6分の1の確率で第2RT状態に移行し、約8.48分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第1RT状態では、第2RT状態に移行する確率よりも通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第1RT状態では第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第1RT状態から第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第1RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第2再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は約7.3分の1であり、通常遊技状態と同じ確率である。
遊技状態が第2RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=27〜32の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=27〜32のいずれかで当選となる確率は約4.00分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第2RT状態であってストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない場合には、約24.0分の1の確率で第3RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約4.80分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第2RT状態では、第3RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第2RT状態では第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第2RT状態から第4RT状態や第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第2RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第3再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約4.00分の1であり、通常遊技状態及び第1RT状態よりも高い確率となっている。
遊技状態が第3RT状態である場合、第4再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第4RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=27〜32の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=27〜32のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第3RT状態であってストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第4RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第3RT状態では、第4RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第3RT状態では第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第3RT状態から第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第3RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第4再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約1.47分の1であり、第2RT状態よりも高い確率となっている。
遊技状態が第4RT状態である場合、第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第5RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=27〜32の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=27〜32のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第4RT状態であってストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第5RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第4RT状態では、第5RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。また、第4RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第5再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約1.47分の1であり第3RT状態と同じ確率である。
遊技状態が第5RT状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=31〜36の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第6再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=31〜36のいずれかで当選となる確率は約2.73分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第5RT状態であってストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約3.28分の1の確率で通常遊技状態に移行する。また、第5RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技、第9再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は約1.47分の1であり、第3RT状態及び第4RT状態と同じ確率である。
このように、遊技状態を通常遊技状態から第5RT状態に移行させるためには、第1RT状態〜第4RT状態の4つのRT状態を経由する必要がある。また、第2RT状態〜第4RT状態において転落再遊技入賞が成立した場合には、先のRT状態(すなわち1つ前に滞在していたRT状態)に移行するのではなく通常遊技状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止した場合には、先のRT状態(すなわち1つ前に滞在していたRT状態)に移行するのではなく第1RT状態に移行する。このため、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない場合には、第5RT状態に移行させることが困難なものとなっている。ちなみに、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない状況で通常遊技状態から第5RT状態に移行する確率は、約50000分の1である。
一方で、第5RT状態に移行させる場合(本実施形態においては、ストップボタン52〜54の操作順序が報知される状況)においては、速やかに移行させることが望ましい。例えば、通常遊技状態から第5RT状態に直接移行する構成とすると、第5RT状態への移行契機となる役(本実施形態では第5再遊技)の当選確率は必然的に低く設定することになり当該移行役に当選するまでのゲームが単調となってしまう。また、その単調さを解消すべく当該移行役の当選確率を高めたうえでストップボタン52〜54の操作順序によって当該移行役が成立する構成とすると、操作順序を報知するか否かによって第5RT状態へ移行する確率が変化することになり上記の単調さは解消する一方で、操作順序を報知する状況となっても移行役に当選するまでの間のゲームが間延びしてしまう。そこで、本スロットマシン10のように、通常遊技状態から第5RT状態に移行する際に第5RT状態と異なる複数のRT状態を経由させ、それぞれの移行役(本実施形態においては、第2再遊技〜第4再遊技)の当選確率を上げることで、操作順序を報知する状況となった場合のゲームの間延びを解消している。
<BB状態処理>
次に、通常処理(図8)におけるステップS213のBB状態処理について、概略を説明する。
BB状態処理では、第1BB当選データ、第2BB当選データ又は第3BB当選データがセットされている状況で、その当選データに対応した入賞が成立しているか否かを判定する。いずれかのBB入賞が成立した場合には、RAM73にBB設定フラグをセットすることで遊技状態をBB状態に移行させる。また、この際、RAM73に、BB状態中に払出可能な残りのメダル数を示す残払出数データとして「442」をセットする。
遊技状態がBB状態となることで、抽選処理(図9)のステップS302ではBB状態用抽選テーブルを選択する。また、BB状態においては、リール32L,32M,32Rの回転が停止され入賞が発生する毎に、その入賞分の数がRAM73の残払出数データから減算される。そして、残払出数データが「0」となった場合に、BB設定フラグがクリアされて、BB状態が終了する。
また、BB状態処理の終了に際しては、状態コマンドをセットする。状態コマンドとは、ゲーム終了時点での遊技状態(すなわち次回のゲームの遊技状態)を把握させるべく表示制御装置80に送信されるコマンドである。状態コマンドには、通常遊技状態、第1〜第5RT状態、BB状態のいずれであるかを示すデータが含まれる。
本スロットマシン10では、表示制御装置80がストップボタン52〜54の操作順序を報知したりしなかったりすることにより、遊技状態が通常遊技状態から第5RT状態に移行しやすい状況となったり、遊技状態が通常遊技状態から第5RT状態に移行しにくい状況となったりする。つまり、本スロットマシン10では、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されるか否かにより、通常遊技状態から第5RT状態に移行する移行確率が変化する。そこで以下では、表示制御装置80が行う各種処理について説明する。
<状態コマンド処理>
状態コマンド処理を図26のフローチャートを参照しながら説明する。状態コマンド処理は、主制御装置70から状態コマンドを受信した場合に、表示制御装置80にて実行される。
ステップS601では、前回受信した状態コマンドの内容及び今回受信した状態コマンドの内容からBB状態の終了したゲームであるか否かを判定する。今回のゲームがBB状態の終了したゲームである場合には、ステップS602に進み、待機ゲーム数抽選処理を行う。待機ゲーム数抽選処理では、表示制御装置80が取得する乱数に基づいて、1〜1280のいずれかの値を取得する。ステップS603では、待機ゲーム数抽選処理にて取得した値を、表示制御装置80のRAMに設けられた待機ゲーム数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。
ステップS601にて今回のゲームがBB状態の終了したゲームでないと判定した場合には、ステップS604に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされている場合には、ステップS605〜ステップS607に示す罰則ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。また、罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS608〜ステップS611に示す待機ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。罰則ゲーム数減算処理については後述することとし、待機ゲーム数減算処理について説明する。
待機ゲーム数減算処理では、ステップS608にて待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了し、待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、ステップS609にて待機ゲーム数カウンタの値を1減算する。続くステップS610では、減算後の待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、ステップS611にてストップボタン52〜54の操作順序を報知するための報知フラグをセットし、本処理を終了する。
このように、表示制御装置80は、BB状態が終了した場合、1〜1280のいずれかの値を待機ゲーム数としてセットする。そして、罰則フラグがセットされていない場合には、1回のゲームが終了する毎に待機ゲーム数を1減算し、待機ゲーム数が0となった場合に報知フラグをセットする。
<抽選結果コマンド処理>
次に、抽選結果コマンド処理を図27のフローチャートを参照しながら説明する。抽選結果コマンド処理は、主制御装置70から抽選結果コマンドを受信した場合に、表示制御装置80にて実行される。
ステップS701では、何らかの役に当選しているか否かを判定する。いずれの役にも当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、いずれかの役に当選している場合には、ステップS702にて罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS703に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。
報知フラグがセットされている場合には、ステップS704及びステップS705にてベル(特殊ベルとの同時当選のみ)又は転落再遊技に当選しているか否かを判定する。ベル又は転落再遊技に当選している場合には、ステップS706に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合すなわち第1RT状態〜第5RT状態のいずれかである場合には、ステップS707に進み、ストップボタン52〜54の操作順序を報知すべく補助表示部24の駆動制御を開始し、本処理を終了する。このとき、ステップS704にてベルに当選していると判定した場合には、ベル入賞を成立させることができるストップボタン52〜54の操作順序を報知し、ステップS705にて転落再遊技に当選していると判定した場合には、転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかを成立させることができるストップボタン52〜54の操作順序を報知する。
一方、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ストップボタン52〜54の操作順序を報知することなくそのまま本処理を終了する。これは以下の理由による。すなわち、通常遊技状態から第1RT状態に移行させるためには、有効ライン上に移行出目が停止するようストップボタン52〜54が操作される必要がある。移行出目は特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止するものであるため、ベル入賞を成立させることができるストップボタン52〜54の操作順序を報知した場合には、通常遊技状態から第1RT状態に移行させることができないからである。また、ストップボタン52〜54の操作順序によらずベルが成立する場合(IV=14の際に当選した場合)は、ストップボタン52〜54の操作順序の報知を行わない。
ここで、表示制御装置80によるストップボタン52〜54の操作順序の報知では、ステップS704にてベルに当選していると判定した場合には、最初に操作すべきストップボタンのみの操作順序の報知が行われる一方で、ステップS705にて転落再遊技に当選していると判定した場合には、全てのストップボタン52〜54の操作順序の報知が行われる。これは、既に説明したとおり、ベルに当選している場合には、最初に操作すべきストップボタンがストップボタン52〜54のうちいずれであるかによって、ベルが停止するか特殊ベルが停止するかが設定されており、転落再遊技に当選している場合には、6通りの操作順序のうち1通りのみが転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかを成立させることができる操作順序として設定されていることによるものである。
ステップS703にて報知フラグがセットされていないと判定した場合、又はステップS705にて転落再遊技に当選していないと判定した場合には、ステップS708に進み、当選データを確認して特定役に当選しているか否かを判定する。具体的には、チェリー,第1スイカ,第2スイカ,第3スイカ,第4スイカ,第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技のいずれかに当選しているか否かを判定する。なお、既に説明したとおり、第5RT状態においてIV=28〜30のいずれかに当選している場合には、各ストップボタン52〜54の操作タイミングによっては第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技のいずれかの入賞が成立する場合もあれば、これらの入賞が成立せずに第6再遊技の入賞が成立することもある。この様な場合であっても、ステップS708では、特定役に当選していると判定する。特定役に当選していない場合にはそのまま本処理を終了し、特定役に当選している場合にはステップS709にて報知抽選処理を行った後に本処理を終了する。
報知抽選処理では、現在の遊技状態が第5RT状態でない場合には、表示制御装置80のRAMから取得する乱数に基づいて報知抽選を行い、報知抽選に当選した場合には待機ゲーム数カウンタの値を0とするとともに報知フラグをセットする。なお、当該報知抽選では、特定役の種類に応じて報知抽選に当選となる確率が異なるように設定されている。具体的には、第4スイカの場合に報知抽選に当選となる確率が100パーセントであり、第3スイカの場合に報知抽選に当選となる確率が70パーセントであり、チェリーの場合には報知抽選に当選となる確率が50パーセントであり、第2スイカの場合に報知抽選に当選となる確率が30パーセントであり、第1スイカの場合に報知抽選に当選となる確率が10パーセントである。
現在の遊技状態が第5RT状態である場合には、表示制御装置80のRAMに設けられた蓄積カウンタの値に所定の数値を加算する。当該所定の数値は、特定役の種類に応じて異なるように設定されている。具体的には、第9再遊技である場合には最も大きい「8」であり、第1スイカの場合には最も小さい「1」であり、第9再遊技、第8再遊技、第7再遊技、第3スイカ、第2スイカ、チェリー、第2スイカ、第1スイカの順で蓄積カウンタの値に加算する数値が小さくなるように設定されている。
<入賞結果コマンド処理>
次に、入賞結果コマンド処理を図28のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果コマンド処理は、主制御装置70から入賞結果コマンドを受信した場合に、表示制御装置80にて実行される。
ステップS801では、今回受信した入賞結果コマンドに基づいて第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS802にて報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、ステップS803にて報知フラグをセットした後にステップS804に進み、報知フラグがセットされている場合には、そのままステップS804に進む。ステップS804では、表示制御装置80のRAMから取得する乱数に基づいて、ストップボタン52〜54の操作順序を報知する報知回数を決定するための報知回数抽選処理を行う。ステップS805では、報知回数抽選処理にて決定した報知回数を、表示制御装置80のRAMに設けられた報知回数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。ちなみに、本スロットマシン10では、上記報知回数抽選処理を行うことにより、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値がセットされる。
ステップS801にて第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS806に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了し、報知フラグがセットされている場合には、ステップS807にて、今回受信した入賞結果コマンドに基づいて転落再遊技入賞が成立したか否かを判定するとともに、ステップS808にて、今回受信した入賞結果コマンドに基づいて移行出目が有効ライン上に停止したか否かを判定する。
転落再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態に移行したことを意味する。かかる場合には、ステップS809にて報知フラグをクリアするとともに、ステップS810にて上述した待機ゲーム数抽選処理を行う。ステップS811では、待機ゲーム数抽選処理にて取得した値を待機ゲーム数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。
一方、報知フラグがセットされている状況で転落再遊技入賞が成立せず、且つ有効ライン上に移行出目が停止しなかった場合には、ステップS812にて報知中処理を行った後に本処理を終了する。
報知中処理では、図29のフローチャートに示すように、ステップS901にて報知回数カウンタの値が0でないか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了し、0でない場合には、ステップS902にて小役入賞が成立したか否かを判定する。小役入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、小役入賞が成立した場合には、ステップS903にて9枚のメダル払出が行われる9枚小役入賞、すなわちベル入賞又は第1特殊ベル入賞〜第12特殊ベル入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。9枚小役入賞が成立していない場合にはそのまま本処理を終了し、9枚小役入賞が成立した場合には、ステップS904にて報知回数カウンタの値を1減算する。
その後、ステップS905では、報知回数カウンタの値が0であるか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0でない場合にはそのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS906にて報知フラグをクリアする。続くステップS907では、蓄積カウンタの値が0でないか否かを判定し、0である場合にはそのまま本処理を終了する。一方、蓄積カウンタの値が0でない場合には、ステップS908にて蓄積カウンタの値を1減算するとともに、ステップS909にて上述した報知回数抽選処理を行う。その後、ステップS910にて報知回数抽選処理にて決定した値を報知回数カウンタにセットし、続くステップS911にて再び報知フラグをセットして、本処理を終了する。
したがって、蓄積カウンタの値が0でない場合には、報知回数カウンタの値が0となった場合であっても、再び所定のゲームではストップボタン52〜54の操作順序の報知が行われる構成としている。蓄積カウンタは、既に説明したとおり、報知抽選処理にて、報知抽選に当選となる確率や当選となった場合の蓄積カウンタに加算する数値が特定役の種類によって異なるように設定されている。したがって、遊技者は、特定役の種類によって報知抽選処理が行われるか否か、そして、当選となった場合の蓄積カウンタに加算される数値を予測しながら、すなわち、報知フラグがセットされている状態がいつまで継続するかを予測しながら遊技を行うことができる。
<停止指令コマンド処理>
次に、停止指令コマンド処理を図30のフローチャートを参照しながら説明する。停止指令コマンド処理は、主制御装置70から停止指令コマンドを受信した場合に、表示制御装置80にて実行される。
ステップS1001では、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされている場合には、そのまま本処理を終了し、報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1002〜ステップS1006に示す罰則判定処理を行う。
罰則判定処理では、ステップS1002にて今回の停止指令が第1停止指令であるか否か、すなわち全リール32L,32M,32Rが回転している最中に発生した停止指令であるか否かを判定する。第1停止指令でない場合には、そのまま本処理を終了し、第1停止指令である場合には、ステップS1003にて第1停止指令として左ストップボタン52が操作されたか否かを判定する。左ストップボタン52が操作されて第1停止指令が発生した場合には、そのまま本処理を終了する。一方、中ストップボタン53又は右ストップボタン54が操作されて第1停止指令が発生した場合には、ステップS1004に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS1005にて罰則フラグをセットする。その後、又は既に罰則フラグがセットされている場合には、ステップS1006にて表示制御装置80のRAMに設けられた罰則ゲーム数カウンタの値に2を加算し、本処理を終了する。
このように、本スロットマシン10では、報知フラグがセットされていない状況で左ストップボタン52が最初に操作されなかった場合、罰則フラグがセットされるとともに罰則ゲーム数カウンタの値に2が加算されるようになっている。
罰則フラグがセットされている場合、状態コマンド処理(図26参照)では、ステップS604にて肯定判定をし、待機ゲーム数減算処理ではなくステップS605〜ステップS607に示す罰則ゲーム数減算処理を行う。罰則ゲーム数減算処理では、ステップS605にて罰則ゲーム数カウンタの値を1減算するとともに、ステップS606にて罰則ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。罰則ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS607にて罰則フラグをクリアした後に本処理を終了する。そして、抽選結果コマンド処理(図27参照)では、罰則フラグがセットされている場合、ステップS702にて肯定判定をしてそのまま抽選結果コマンド処理を終了する。つまり、罰則フラグがセットされている場合には、仮に特定役に当選したとしても報知抽選処理が行われない。
つまり、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン53又は右ストップボタン54を最初に操作した場合には、当該ゲームの終了後に待機ゲーム数カウンタの値が減算されない。また、次回のゲームにおいては、仮に特定役に当選したとしても報知抽選処理が行われないことに加えて、待機ゲーム数カウンタの値が減算されない。したがって、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン53又は右ストップボタン54を最初に操作した場合には、遊技者にとって不利な状況が発生する。
次に、本スロットマシン10のゲームの流れを説明する。本スロットマシン10では、第1BB〜第3BBの当選確率が非常に低いため、BB非当選下での遊技が中心となる。そこで、理解を容易なものとするため、BB状態終了後からのゲームの流れを説明することとする。
BB状態が終了した場合、主制御装置70は、遊技状態をBB状態から通常遊技状態に移行させる。このとき主制御装置70は、待機ゲーム数抽選処理を行い、待機ゲーム数カウンタに1〜1280のいずれかの値をセットする。ストップボタン52〜54の操作順序が報知されることとなる報知フラグは、待機ゲーム数が0となった場合にセットされる。つまり、待機ゲーム数が0でない場合には、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されない。
ストップボタン52〜54の操作順序が報知されない場合、1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率は低く設定されており、通常遊技状態から第5RT状態まで移行させることが非常に困難となっている。このため、遊技者は、待機ゲーム数が0となるように毎回のゲームを行う必要がある。待機ゲーム数は、罰則フラグがセットされていない状況で左ストップボタン52を最初に操作して遊技を行った場合に1減算される。また、罰則フラグがセットされていない状況で特定役に当選するとともに報知抽選に当選した場合には、待機ゲーム数が0とされる。罰則フラグは、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン53又は右ストップボタン54を最初に操作した場合にセットされる。つまり、待機ゲーム数を0とするためには、毎回のゲームにおいて左ストップボタン52を最初に操作する必要がある。
待機ゲーム数が0となった場合、報知フラグをセットする。そして、第1RT状態〜第4RT状態においてベル又は転落再遊技に当選となった場合には、表示制御装置80は、ストップボタン52〜54の操作順序を報知する。遊技者は、報知された操作順序でストップボタン52〜54を操作することにより、図柄を狙ってストップボタン52〜54を操作せずともベル入賞や第2再遊技入賞〜第5再遊技入賞(以下、「昇格再遊技入賞」とも言う。)を成立させることができる。また、ベル入賞や昇格再遊技入賞を成立させることにより、転落再遊技入賞が成立することや有効ライン上に移行出目が停止することを回避でき、比較的速やかに遊技状態を第5RT状態に移行させることが可能となる。ストップボタン52〜54の操作順序が報知される場合、1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率は高く設定されており、通常遊技状態から第5RT状態まで移行させることが、操作順序が報知されない場合と比較して容易となる。
遊技状態が第5RT状態に移行した場合、報知回数抽選処理を行い、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値をセットする。そして、ベル入賞又は特殊ベル入賞が成立した場合に報知回数カウンタの値が1減算され、報知回数カウンタの値が0となった場合に報知フラグがクリアされる。つまり、第5RT状態では、ベル入賞を成立させるためのストップボタン52〜54の操作順序が報知回数分だけ報知された場合に、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されなくなる。
第5RT状態における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、報知された操作順序でストップボタン52〜54を操作した場合、約4.80枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第5RT状態では1ゲームあたりにメダルが約1.80枚増加することを期待できる。ちなみに、報知回数として16回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約100枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として33回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約200枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として50回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約300枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として75回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約450枚のメダルの増加が期待できる。
第5RT状態下で報知回数カウンタの値が0となった場合、蓄積カウンタの値が0であるか否かを判定する。蓄積カウンタの値が0でない場合には、報知フラグを再度セットするとともに、報知回数抽選処理を行い、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値を再度セットする。蓄積カウンタの値は、第5RT状態下で特定役に当選した場合の報知抽選に当選すると、特定役の種類によって所定の数値が加算される。かかる観点からも第5RT状態は通常遊技状態と比して遊技者に有利であると言える。
蓄積カウンタの値が0である場合、待機ゲーム数抽選処理を行い、待機ゲーム数カウンタに1〜1280のいずれかの値をセットする。この結果、待機ゲーム数が0となるまでの間、再びストップボタン52〜54の操作順序が報知されなくなる。第5RT状態における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されない場合、約3.07枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第5RT状態では1ゲームあたりにメダルが約0.07枚増加することを期待できる。したがって、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されない状況であっても、第5RT状態は通常遊技状態よりも遊技者に有利である。但し、かかる状況では、約5.20分の1の確率で移行出目が有効ライン上に停止して第1RT状態に移行し、約3.28分の1の確率で転落再遊技入賞が成立して通常遊技状態に移行する。このため、待機ゲーム数が0となる前に移行出目が有効ライン上に停止したり転落再遊技入賞が成立したりした場合には、遊技者に有利な状況が終了することとなる。
<当選ビットデータ>
次に、当選ビットデータについて説明する。
図31は、当選ビットデータに関する主制御装置70のROM72及びRAM73の構成を説明するための説明図である。当選ビットデータWDは、既に説明したとおり、抽選処理において所定のインデックス値IVにて当選となった場合に、いずれの抽選役が当選役となったのかを主制御装置70のCPU71にて特定するためのデータである。
当選ビットデータWDは、主制御装置70のROM72における当選ビットデータ記憶エリア72aに予め記憶されている。当選ビットデータWDは、設定されている当選役の種類が異なるインデックス値IVの数分用意されている。具体的には、既に説明したとおり、IV=1〜26は、通常遊技状態、第1RT状態、第2RT状態、第3RT状態、第4RT状態及び第5RT状態のそれぞれにおいて共通のインデックス値であり、それらインデックス値にそれぞれ設定されている当選役は各遊技状態に依存することなく共通となっている。したがって、これらIV=1〜26に対応している当選ビットデータWDは、遊技状態の区別なく1種類ずつROM72に記憶されており、各遊技状態間において共通して使用される。なお、BB状態の場合には、IV=4〜8,14の中から抽選が行われるため、各遊技状態において使用される当選ビットデータをそのまま使用可能である。
IV=27以降は、各遊技状態間で対応する当選役の種類が異なっている。具体的には、図10,図15,図17,図19,図21,図23に示すように、通常遊技状態ではIV=27以降のインデックス値としてIV=27が設定されているが、当該インデックス値IV=27に設定されている当選役は第6再遊技であり、第5RT状態とは共通しているものの、第1RT状態〜第4RT状態とは相違している。また、第1RT状態におけるIV=27〜33に設定されている当選役は他の遊技状態とは共通しておらず、第2RT状態におけるIV=27〜32に設定されている当選役は他の遊技状態とは共通しておらず、第3RT状態におけるIV=27〜32に設定されている当選役は他の遊技状態とは共通しておらず、第4RT状態におけるIV=27〜32に設定されている当選役は他の遊技状態とは共通しておらず、第5RT状態におけるIV=27〜36に設定されている当選役は他の遊技状態とは共通していない。したがって、これら各インデックス値IVに対応した当選ビットデータWDは、それぞれ個別にROM72に記憶されており、対応する遊技状態においてのみ使用される。
上記のように当選ビットデータWDは、2以上の複数の遊技状態間で共通して使用される複数の当選ビットデータWDと、各遊技状態において専用として使用される複数の当選ビットデータWDとからなり、具体的には、61個の当選ビットデータWDがROM72の当選ビットデータ記憶エリア72aに記憶されている。この当選ビットデータ記憶エリア72aに記憶されている当選ビットデータWDは、抽選処理(図9)の結果に基づいて読み出され、主制御装置70のRAM73に設けられた展開用エリア73aに展開されてCPU71により使用される。
図32は展開用エリア73aの構成を説明するための説明図である。図32に示すように、展開用エリア73aには、各当選役に1対1で対応するように展開側単位エリアTUDが割り当てられている。
具体的には、既に説明したとおり当選役として、ベル,第1特殊ベル,第2特殊ベル,第3特殊ベル,第4特殊ベル,第5特殊ベル,第6特殊ベル,第7特殊ベル,第8特殊ベル,第9特殊ベル,第10特殊ベル,第11特殊ベル,第12特殊ベル,移行出目,第1再遊技,第2再遊技,第3再遊技,第4再遊技,第5再遊技,第6再遊技,第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技,第10再遊技,第11再遊技,第12再遊技,第1BB,第2BB,第3BB,第1スイカ,第2スイカ,第3スイカ,第4スイカ,チェリーの34種類が設定されている。展開用エリア73aには、これら当選役に1対1で対応させて展開側単位エリアTUDが割り当てられている。
展開側単位エリアTUDを構成するビット数は任意であるが、本スロットマシン10では1ビットとして設定されている。したがって、CPU71において当選役を把握するための当選データを設定するためのエリアとして、RAM73には少なくとも34ビットが確保されている。但し、CPU71では、データの内容を特定する際に、データ群セットごとに、詳細には1バイト単位でのアドレス指定を行うため、上記複数の展開側単位エリアTUDも当該データ群セットとして設定されている。
データ群セットとして、RAM73において所定のアドレスとなるように設定された第1データ群セットDG1と、当該第1データ群セットDG1に対してアドレスが連続するように設定された第2データ群セットDG2と、当該第2データ群セットDG2に対してアドレスが連続するように設定された第3データ群セットDG3と、当該第3データ群セットDG3に対してアドレスが連続するように設定された第4データ群セットDG4と、当該第4データ群セットDG4に対してアドレスが連続するように設定された第5データ群セットDG5とが設定されている。これら各データ群セットDG1〜DG5はそれぞれ1バイトとなっているため、展開用エリア73aは5バイトのデータ量を有することとなる。また、第1データ群セットDG1が上位側のアドレスに設定されており、第2データ群セットDG2、第3データ群セットDG3、第4データ群セットDG4、第5データ群セットDG5の順で下位側のアドレスに設定されている。
各データ群セットDG1〜DG5に対する各単位エリアの割り当ては、同一のインデックス値IVに設定され得る当選役、換言すれば、1回の抽選処理(図9)にて同時に当選役となり得る役同士が同一のデータ群セット又はアドレスが連続するデータ群セットに集約されるように行われている。当選ビットデータWDとの関係で説明すると、2個以上の当選ビットデータWDから構成される特別データ群は、当該特別データ群に含まれる一の当選ビットデータWDにおいて当選データが設定される展開側単位エリアTUDの少なくとも1個が当該特別データ群に含まれる他の当選ビットデータWDと共通する関係であり、当該関係を生じさせる特別データ群に含まれる各当選ビットデータWDにおいて当選データが設定される全ての展開側単位エリアTUDは、同一のデータ群セット又はアドレスが連続するデータ群セットに集約されている。
詳細には、ベル,第1特殊ベル,第2特殊ベル,第3特殊ベル,第4特殊ベル,第5特殊ベル,第6特殊ベル,第7特殊ベル,第8特殊ベル,第9特殊ベル,第10特殊ベル,第11特殊ベル,第12特殊ベル,移行出目は、所定の組合せで1回の抽選処理(図9)にて同時に当選役となり得るのに対して、これらベル群は、当該ベル群以外の役とは1回の抽選処理(図9)にて同時に当選役とならない。その一方、当該ベル群は、一のデータ群セットのデータ量、すなわち8ビットよりも多くの数の展開側単位エリアTUDを割り当てる必要がある。したがって、ベル群を構成する各当選役は、第1データ群セットDG1と第2データ群セットDG2とに割り当てられている。この場合に、ベル群は14種類存在しているため、第1データ群セットDG1の全ビットを使用した場合には、第2データ群セットDG2の2ビット分はベル群の展開側単位エリアTUDとして割り当てられない余り分となる。当該余り分のビットは、いずれの当選役も設定されないブランクとなっている。
第1再遊技,第2再遊技,第3再遊技,第4再遊技,第5再遊技,第6再遊技,第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技,第10再遊技,第11再遊技,第12再遊技は、所定の組合せで1回の抽選処理(図9)にて同時に当選役となり得るのに対して、これら再遊技群は、当該再遊技群以外の役とは1回の抽選処理(図9)にて同時に当選役とならない。その一方、当該再遊技群は、一のデータ群セットのデータ量、すなわち8ビットよりも多くの数の展開側単位エリアTUDを割り当てる必要がある。したがって、再遊技群を構成する各当選役は、第3データ群セットDG3と第4データ群セットDG4とに割り当てられている。この場合に、再遊技群は12種類存在しているため、第3データ群セットDG3の全ビットを使用した場合には、第4データ群セットDG4の4ビット分は再遊技群の展開側単位エリアTUDとして割り当てられない余り分となる。当該余り分のビットは、いずれの当選役も設定されないブランクとなっている。
第1BB,第2BB,第3BB,第1スイカ,第2スイカ,第3スイカ,第4スイカ,チェリーは、所定の組合せで1回の抽選処理(図9)にて同時に当選役となり得るのに対して、これら他の抽選役群は、当該他の抽選役群以外の役とは1回の抽選処理(図9)にて同時に当選役とならない。また、当該他の抽選役群は、一のデータ群セットのデータ量、すなわち8ビットと同一の数の展開側単位エリアTUDを割り当てる必要がある。したがって、他の抽選役群を構成する各当選役は、第5データ群セットDG5のみに割り当てられており、当該第5データ群セットDG5の全ビットが展開側単位エリアTUDとして割り当てられている。
各当選ビットデータWDには、対応する当選役に対してのみ当選データが設定されており、対応しない当選役には非当選データが設定されている。展開側単位エリアTUDが1ビットの場合について詳細には、当選データとして2値のうち一方である「1」が設定されており、非当選データとして2値のうち他方である「0」が設定されている。したがって、一の当選ビットデータWDを展開用エリア73aに展開した場合には、当該当選ビットデータWDにおいて当選データが設定されているエリアに対応した展開側単位エリアTUDに当選データが設定され、対応しない展開側単位エリアTUDには非当選データが設定される。
ちなみに、展開用エリア73aの各展開側単位エリアTUDは初期値として非当選データ(具体的には「0」)が設定されているため、展開用エリア73aの展開に際しては、当選役に対応する展開側単位エリアTUDに対して非当選データから当選データの書き換えが行われる。
上記のように設定された展開用エリア73aに抽選処理(図9)の結果に対応した当選ビットデータWDが展開され、その展開されたデータを利用してCPU71において各種処理が実行される。この場合に、各当選ビットデータWDは、展開用エリア73aとして割り当てられたデータ量よりも少ないデータ量となるように設定されている。かかるデータ構成について、図23及び図32に加えて図33を参照しながら説明する。
図33(a)は第5RT状態におけるIV=9の場合の当選ビットデータWDを説明するための説明図であり、図33(b)は第5RT状態におけるIV=15の場合の当選ビットデータWDを説明するための説明図であり、図33(c)は第5RT状態におけるIV=30の場合の当選ビットデータWDを説明するための説明図である。また、図33(a1),図33(b1),図33(c1)は対応する当選ビットデータWDを展開用エリア73aに展開した状態を示し、図33(a2),図33(b2),図33(c2)は対応する当選ビットデータWDのデータ構成を示す。
第5RT状態におけるIV=9には、図23に示すように、チェリー及び第1BBが当選役として設定されている。かかる当選ビットデータWDが展開用エリア73aに展開された場合、図33(a1)に示すように、第5データ群セットDG5における最上位である1番目の展開側単位エリアTUD及び最下位である8番目の展開側単位エリアTUDにのみ当選データ(具体的には「1」)が設定され、第1データ群セットDG1〜第4データ群セットDG4の各展開側単位エリアTUD、及び第5データ群セットDG5の他の展開側単位エリアTUDには非当選データ(具体的には「0」)が設定されることとなる。
このようなデータ構成においては、第1データ群セットDG1〜第4データ群セットDG4については全ての展開側単位エリアTUDに非当選データが設定されているため、当該データ構成であることを明示するデータを設定すれば、これらデータ群セット分のデータ量を当選ビットデータWDにおいて保持する必要がなくなる。その一方、第5データ群セットDG5については、2個の展開側単位エリアTUDにのみ当選データが設定されており、残りの6個の展開側単位エリアTUDには非当選データが設定されているが、CPU71ではアドレス指定などのデータの扱いがデータ群セットの単位、すなわち1バイト単位で行われ、さらにビット単位でアドレス指定を行おうとすると、そのアドレス指定のためのデータが当該1バイトのデータ量を超えてしまう可能性が高い。したがって、当選データと非当選データとが混在しているデータ群セットについては、そのままのデータ構成を当選ビットデータWDにおいて保持することが好ましい。
第5RT状態におけるIV=15の場合も同様であり、図23に示すように、当該インデックス値の場合、ベル、第5特殊ベル、及び第9特殊ベルが当選役として設定されている。かかる当選ビットデータWDが展開用エリア73aに展開された場合、図33(b1)に示すように、第1データ群セットDG1及び第2データ群セットDG2の一部の展開側単位エリアTUDに当選データが設定され、第3データ群セットDG3〜第5データ群セットDG5の各展開側単位エリアTUDには非当選データが設定されることとなる。
このようなデータ構成においては、第3データ群セットDG3〜第5データ群セットDG5については当選ビットデータWDにおいて保持する必要がなくなる。その一方、第1データ群セットDG1及び第2データ群セットDG2については当選データと非当選データとが混在しているため、CPU71におけるデータの扱いの観点から、当該データ群セットについてはそのままのデータ構成を当選ビットデータWDにおいて保持することが好ましい。
第5RT状態におけるIV=30の場合も同様であり、図23に示すように、当該インデックス値の場合、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技、及び第9再遊技が当選役として設定されている。かかる当選ビットデータWDが展開用エリア73aに展開された場合、図33(c1)に示すように、第3データ群セットDG3及び第4データ群セットDG4の一部の展開側単位エリアTUDに当選データが設定され、第1データ群セットDG1、第2データ群セットDG2及び第5データ群セットDG5の各展開側単位エリアTUDには非当選データが設定されることとなる。
このようなデータ構成においては、第1データ群セットDG1、第2データ群セットDG2及び第5データ群セットDG5については当選ビットデータWDにおいて保持する必要がなくなる。その一方、第3データ群セットDG3及び第4データ群セットDG4については当選データと非当選データとが混在しているため、CPU71におけるデータの扱いの観点から、当該データ群セットについてはそのままのデータ構成を当選ビットデータWDにおいて保持することが好ましい。
かかる事情により、当選ビットデータWDには、第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5の全てのデータが保持されているのではなく、図33(a2),図33(b2),図33(c2)に示すように、当選データと非当選データとが混在しているデータ群セットが実データRDとして保持され、さらに当該データ群セットが第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5のいずれに対応しているのかを示す対応データCDが付属して設定されている。
図33(a2)の場合、第5データ群セットDG5に対応した実データRDと、当該実データRDが第5データ群セットDG5に対応していることを示すデータが書き込まれた対応データCDとを有している。図33(b2)の場合、第1データ群セットDG1及び第2データ群セットDG2のそれぞれに対応した複数の実データRDと、これら実データRDが第1データ群セットDG1及び第2データ群セットDG2に対応していることを示すデータが書き込まれた対応データCDとを有している。図33(c2)の場合、第3データ群セットDG3及び第4データ群セットDG4のそれぞれに対応した複数の実データRDと、これら実データRDが第3データ群セットDG3及び第4データ群セットDG4に対応していることを示すデータが書き込まれた対応データCDとを有している。
対応データCDは、いずれの当選ビットデータWDであっても、一のデータ群セットと同一のデータ量、すなわち1バイトのデータ量として設定されている。対応データCDと実データRDとが設定されていることにより、非当選データのみが設定されることとなるデータ群セットを当選ビットデータWDにおいて保持しなくても、対応データCDと実データRDとを利用して当該当選ビットデータWDを展開用エリア73aに展開することで、図33(a1),図33(b1),図33(c1)に示すように、各インデックス値に対応する当選データをCPU71において特定することが可能となる。
対応データCDの具体的なデータの内容は任意であるが、少なくとも自身が対応データCDであることを示すデータと、自身が含まれる当選ビットデータWDに設定された実データRDとデータ群セットDG1〜DG5との対応関係を特定可能なデータとが存在していればよい。但し、実データRDを複数有する当選ビットデータWDも存在するため、設定され得る最大数分の実データRDとデータ群セットDG1〜DG5との対応関係をそれぞれ特定可能とする必要がある。
例えば、対応データCDの1バイトに含まれる8ビットのうち上位2ビットを自身が対応データCDであることを示すデータを設定するビットとし、中間3ビットを一の実データRDとデータ群セットDG1〜DG5との対応関係を示すデータを設定するビットとし、下位3ビットを他の実データRDとデータ群セットDG1〜DG5との対応関係を示すデータを設定するビットとする構成が考えられる。この場合、第5データ群セットDG5のみに対応した実データRDを有する当選ビットデータWDの場合には「10000101」というデータが設定され、第1データ群セットDG1及び第2データ群セットDG2に対応した実データRDを有する当選ビットデータWDの場合には「10001010」というデータが設定され、第3データ群セットDG3及び第4データ群セットDG4に対応した実データRDを有する当選ビットデータWDの場合には「10011100」というデータが設定されることとなる。これにより、いずれの当選ビットデータWDであっても対応データCDを1バイトとすることが可能となる。
上記のように対応データCDを利用して当選ビットデータWDを圧縮させた場合、図33(a2),図33(b2),図33(c2)に示すように、各当選ビットデータWDのデータ容量は一定とならず、可変長となる。したがって、当選ビットデータWDをROM72から読み出すための構成を、可変長であることを考慮に入れて設計する必要がある。
具体的には、当選ビットデータWDには、上記対応データCD及び実データRDの他にも、ROM72のアドレス上において、自身の当選ビットデータWDの次の当選ビットデータWDに読み出し対象を移動させるためのデータとして容量データVDが設定されている。ROM72の当選ビットデータ記憶エリア72aには各当選ビットデータWDが、一の当選ビットデータWDの最後のアドレスに対して次の当選ビットデータWDの開始アドレスが連続するように設定されている。この場合に、容量データVDには、自身の当選ビットデータWDのデータ容量が何バイトであるかが設定されている。これにより、ROM72からデータの読み出しを行う場合、容量データVDを確認することで、当該容量データVDが含まれる当選ビットデータWDの次の当選ビットデータWDの開始アドレスを特定することが可能となる。
詳細には、容量データVDは、いずれの当選ビットデータWDであっても、一のデータ群セットと同一のデータ量、すなわち1バイトのデータ量として設定されている。また、既に説明したとおり、対応データCD及び実データRDも1バイトのデータ量として設定されている。したがって、各当選ビットデータWDは、容量データVDの1バイト分と、対応データCDの1バイト分と、実データRDの数のバイト分との和のデータ容量となっている。例えば、図33(a2)の場合、実データRDが1個であるため、当選ビットデータWDのデータ容量は3バイトとなっており、図33(b2)の場合及び図33(c2)の場合、それぞれ実データRDが2個であるため、当選ビットデータWDのデータ容量は4バイトとなっている。
容量データVDの具体的なデータの内容は任意であるが、少なくとも自身が容量データVDであることを示すデータと、自身が含まれる当選ビットデータWDのデータ容量を示すデータとが存在していればよい。例えば、容量データVDの1バイトに含まれる8ビットのうち上位2ビットを自身が容量データVDであることを示すデータを設定するビットとし、下位6ビットを当選ビットデータWDのデータ容量を示すデータを設定するビットとする構成が考えられる。この場合、データ容量が3バイトとなる当選ビットデータWDの容量データVDには「11000010」というデータが設定され、データ容量が4バイトとなる当選ビットデータWDの容量データVDには「11000011」というデータが設定されることとなる。これにより、いずれの当選ビットデータWDであっても容量データVDを1バイトとすることが可能となる。
図34は、ROM72の当選ビットデータ記憶エリア72aにおけるデータ構成を説明するための説明図である。図34に示すように、当選ビットデータ記憶エリア72aには、IV=1に対応した当選ビットデータWDが初期アドレスとして設定されており、当該当選ビットデータWDに続けて残りの当選ビットデータWDが順次配列されている。CPU71では、抽選処理(図9)の結果、対応する当選ビットデータWDの配列順序を特定する。そして、CPU71は、初期アドレスに設定されている当選ビットデータWDから検索を開始して、各当選ビットデータWDの容量データVDを確認して次の順番の当選ビットデータWDに検索対象を移動させることを上記配列順序に対応した回数分行うことで、対象となる当選ビットデータWDを特定する。
ちなみに、各当選ビットデータWDにおいて各データの配列順序は定められており、具体的には容量データVDが最初のアドレスに設定され、対応データCDが次のアドレスに設定され、実データRDが次のアドレスに設定されている。また、実データRDが複数設定されている場合には、第1データ群セットDG1を最上位とし、第2データ群セットDG2、第3データ群セットDG3、第4データ群セットDG4及び第5データ群セットDG5の順序で下位側とした場合に、上位側のデータ群セットに対応した実データRDが先のアドレスとして設定され、下位側のデータ群セットに対応した実データRDがそれよりも後側のアドレスとして設定されている。
当選ビットデータWDを特定し、さらにその当選ビットデータWDをRAM73の展開用エリア73aに展開する処理は、抽選処理(図9)におけるステップS306の当選ビットデータの取得処理にて実行される。当該当選ビットデータ取得処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101では、現状の遊技状態及びインデックス値IVに対応した当選ビットデータWDの順番NをROM72から読み出す。続くステップS1102では、RAM73の検索用カウンタMに「1」をセットする。検索用カウンタMは、当選ビットデータ記憶エリア72aにおいて読み出し対象となっている当選ビットデータWDの配列順序をCPU71にて特定するためのカウンタである。
続くステップS1103では、順番Nと検索用カウンタMの値とが一致しているか否かを判定する。ステップS1103にて否定判定をした場合には、現状の検索用カウンタMの値に対応した当選ビットデータWDから容量データVDを読み出し、当該当選ビットデータWDが何バイトであるかを把握する。続くステップS1105では、ステップS1104にて把握した結果に基づいて、現状の読み出し対象となっている当選ビットデータWDの次に配列されている当選ビットデータWDの開始アドレスを把握して、当該開始アドレスの当選ビットデータWDを次の読み出し対象に設定する。その後、ステップS1106にて、検索用カウンタMの値を1加算した後に、ステップS1103に戻る。
ステップS1103〜ステップS1106の処理は、順番Nと検索用カウンタMの値とが一致するまで繰り返す。その結果、順番Nと検索用カウンタMの値とが一致した場合には、ステップS1103にて肯定判定をしてステップS1107に進む。
ステップS1107では、読み出し対象となっている当選ビットデータWDの対応データCDを読み出す。続くステップS1108では、ステップS1107にて読み出した対応データCDと、読み出し対象となっている当選ビットデータWDの実データRDとを利用して、RAM73の展開用エリア73aに今回の当選ビットデータWDを展開することで展開データを作成する。
具体的には、対応データCDに示されている内容から、当該当選ビットデータWDの実データRDが展開用エリア73aの第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5のうちいずれに対応しているのかを把握する。いずれの実データRDにも対応していないデータ群セットについては、通常処理(図8)のステップS203にて「0」クリアされた状態をそのまま維持させる。この際、RAM73におけるアドレス指定はバイト単位で行われるため、実データRDに対応していないデータ群セットについては、データを設定するための処理がバイト単位でスキップされる。これにより、展開用エリア73aにデータを設定する処理の簡素化が図られる。
一方、実データRDに対応したデータ群セットに対しては、データ群セットの各展開側単位エリアTUDに対して、それに対応する実データRDの各単位データを書き込む。データ群セットの各展開側単位エリアTUDと実データRDの各単位データとは1対1で対応しているため、対応関係はプログラム上、一義的に定められ、それに従って書き込みが実行される。この際、実データRDの各単位エリアに当選データ及び非当選データのいずれが設定されている場合であっても、その単位エリアに設定されているデータが対応する展開側単位エリアTUDに書き込まれる。したがって、実データRDにおいて「1」が設定されている単位エリアに対応した展開側単位エリアTUDに対しては「0」から「1」へのデータの書き換えが行われ、実データRDにおいて「0」が設定されている単位エリアに対応した展開側単位エリアTUDに対しては「0」のデータの書き込みが再度行われる。これにより、CPU71はデータの書き込みに際して、実データRDの単位エリアに「1」が設定されているか否かの判定を行う必要がないため、展開用エリア73aにデータを設定する処理の簡素化が図られる。
上記のように展開データが作成されることで、今回の抽選処理(図9)に対応した当選データ及び非当選データが全抽選役について示されたデータをCPU71において利用することが可能となる。
その後、ステップS1109にて、持ち越し役の書き込み処理を実行した後に、本処理を終了する。既に説明したとおり、第1BB、第2BB及び第3BBは、当選となったゲームで入賞が成立しなかったとしても、入賞が成立するまで次のゲームに持ち越される役である。したがって、第1BB、第2BB及び第3BB以外の役は当選となったゲームが終了した場合に入賞の有無に関係なく当選データが展開用エリア73aから単にクリアされるのに対して、第1BB、第2BB及び第3BBについては入賞が成立しなかった場合にはRAM73の展開用エリア73aとは別のエリアに、それに対応したデータが記憶保持される。ステップS1109では、当該別のエリアに、持ち越しが発生していることに対応したデータが記憶保持されているか否かを判定し、当該データが記憶保持されている場合には、第1BB、第2BB及び第3BBのうち、当該記憶保持されているデータに対応した役の展開側単位エリアTUDに当選データを書き込む。
展開用エリア73aに作成された展開データは、一のゲームにおいて複数回に亘ってCPU71により利用される。具体的には、当該展開データは、抽選処理(図9)の停止情報第1設定処理(ステップS310)にて利用される。図36(a)は停止情報第1設定処理を示すフローチャートである。当該処理では、まずステップS1201にて展開用エリア73aを参照して現状の当選役を把握する。続くステップS1202では、ステップS1201にて把握した当選役に対応したリール停止制御用の停止情報を設定する。これにより、現状の当選役に対応した態様で最初に停止操作されるリールの停止制御が実行され、当選役が1個であれば当該当選役の入賞が成立し易くなるようにリールの引き込みが行われ、当選役が複数個であれば所定の優先度に従っていずれかの当選役の入賞が成立し易くなるようにリールの引き込みが行われる。
上記展開データは上記以外にも、リール制御処理(図11)の停止情報第2設定処理(ステップS411)にて利用される。図36(b)は停止情報第2設定処理を示すフローチャートである。当該処理では、まずステップS1301にて展開用エリア73aを参照して現状の当選役を把握する。続くステップS1302では、既に停止しているリールの停止出目を把握する。その後、ステップS1303では、ステップS1301にて把握した当選役及びステップS1302にて把握した停止出目に対応したリール停止制御用の停止情報を設定する。これにより、当選役の入賞が可能となるように、当選役及び停止出目に基づいて停止情報が変更される。
上記展開データは上記以外にも、通常処理(図8)のメダル払出処理(ステップS211)にて利用される。図36(c)はメダル払出処理の一部として実行される不当入賞判定処理を示すフローチャートである。当該処理は、メダル払出処理にて、有効ラインL1〜L4上に入賞に対応した図柄の組合せが成立している場合に実行される。当該処理では、まずステップS1401にて展開用エリア73aを参照して現状の当選役を把握する。続くステップS1402では今回の入賞役を把握する。続くステップS1403では、その把握した入賞役が、ステップS1401にて把握したいずれかの当選役と一致しているか否かを把握する。ステップS1403にて肯定判定をした場合にはそのまま本処理を終了して、入賞役に応じた処理を実行し、ステップS1403にて否定判定をした場合にはステップS1404にて異常用処理を実行した後に本処理を終了する。異常用処理では、スロットマシン10自身にて異常報知を実行するための処理、遊技ホールの管理コンピュータに異常信号を出力するための処理及びその後の遊技の進行を禁止するための処理が実行される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
展開用エリア73aに展開した場合に当選データと非当選データとが混在することなく非当選データのみが設定されることとなるデータ群セットに対応したデータについては、対応データCDを設定する代わりに当選ビットデータWDにおいて保持しない構成となっている。これにより、展開用エリア73aに展開された場合のデータよりも当選ビットデータWDを圧縮することが可能となる。よって、ROM72に予め記憶される当選ビットデータWDのデータ容量を抑えることが可能となり、抽選役の多様化を図ることで遊技の興趣向上を図った構成において、データ容量の増大化を抑制することが可能となる。
1回の抽選処理(図9)にて同時に当選役となり得る役の組合せが、展開用エリア73aにおいて同一のデータ群セットに集約されている。また、当該同時に当選役となり得る役の組合せの数が、1個のデータ群セット分(すなわち1バイト分)の展開側単位エリアTUDの数(すなわちビット数)よりも多く且つ2個のデータ群セット分(すなわち2バイト分)の展開側単位エリアTUDの数(すなわちビット数)よりも少ない場合、それら役の組合せが、2個のデータ群セット(すなわち2バイト)の範囲内で集約されている。これにより、展開用エリア73aに展開した場合に当選データと非当選データとが混在することなく非当選データのみが設定されることとなるデータ群セットを生じさせることが可能となり、上記のような当選ビットデータWDの圧縮を行うことが可能となる。
また、上記のように同時に当選役となり得る役の組合せが所定のデータ群セットの範囲内で集約されていることにより、当選ビットデータWDを展開用エリア73aに展開する場合に非当選データのみが設定されるデータ群セットについては、データを設定するための処理をバイト単位でスキップすることが可能となる。よって、かかるデータを設定するための処理の簡素化が図られる。
1回の抽選処理(図9)にて同時に当選役となり得る役の組合せの数が、一のデータ群セットの展開側単位エリアTUDの数よりも多い場合、これら役の組合せは、連続するアドレスのデータ群セットに対して集約して設定されている。これにより、一の当選ビットデータWDに複数の実データRDが設定されている場合、それら複数の実データRDはアドレスが連続することとなる。したがって、展開用エリア73aへの展開に際しては、一の実データRDを対応するデータ群セットに書き込んだ場合、次の実データRDを書き込む対象のデータ群セットは先のデータ群セットの次のアドレスに対応したものとなるため、当該データ群セットの特定の容易化が図られる。
各当選ビットデータWDにはヘッダデータとして、ROM72の当選ビットデータ記憶エリア72aにおいて一の当選ビットデータWDの次に配列されている当選ビットデータWDの開始アドレスを特定可能とする容量データVDが設定されている。これにより、当選ビットデータWDを圧縮したことで各当選ビットデータWDが可変長となった構成であっても、展開用エリア73aに展開すべき当選ビットデータWDの特定を、プログラム上での複雑な指定を行わなくても当選ビットデータWDを利用して比較的容易に行うことが可能となる。
抽選処理(図9)を実行し、所定のインデックス値IVにて当選となった場合には、当該インデックス値IVに対応した当選ビットデータWDを展開用エリア73aに展開して展開データを作成し、当該抽選処理に対応したゲームでは、当該展開データを参照することで各種処理が実行される。これにより、各種処理を実行する度に当選ビットデータWDを展開する処理を実行する必要がなくなり、処理負荷の軽減が図られる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、各当選ビットデータWDのヘッダデータの構成が異なっている。以下、かかる相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
図37は、本実施形態におけるROM72の当選ビットデータ記憶エリア72aにおけるデータ構成を説明するための説明図である。
図37に示すように、当選ビットデータWDには、上記第1の実施形態における当選ビットデータWDの容量データVD及び対応データCDの代わりに、一のデータ群セットと同一のデータ容量である、すなわち1バイトのデータ容量であるヘッダデータHDが設定されている。ヘッダデータHDには、当該当選ビットデータWDに設定されている実データRDの連続数と、開始セットのデータとが設定されている。開始セットのデータには、実データRDが1個のみ設定されている場合には当該実データRDが第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5のうちいずれに対応しているのかを示すデータが設定されており、実データRDが複数個設定されている場合にはこれら実データRDのうち当選ビットデータWDにおいて先側のアドレスに設定されている実データRDが第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5のうちいずれに対応しているのかを示すデータが設定されている。
展開用エリア73aには、上記第1の実施形態と同様に、第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5が設定されており、1回の抽選処理(図9)にて同時に当選役となり得る役同士は同一のデータ群セットに集約されている。また、同時に当選役となり得る役の数が一のデータ群セットの展開側単位エリアTUDの数を超える場合には、アドレスが連続するデータ群セットに集約されている。詳細には、ベル群は第1データ群セットDG1及び第2データ群セットDG2に集約されており、再遊技群は第3データ群セットDG3及び第4データ群セットDG4に集約されており、残りの役群は第5データ群セットDG5に集約されている。
また、当選ビットデータWDには、上記第1の実施形態と同様に、展開用エリア73aに展開した場合に当選データと非当選データとが混在することなく非当選データのみが設定されるデータ群セットについては実データRDとして保持されずに、当選データと非当選データとが混在することとなるデータ群セットのみが実データRDとして保持される。また、実データRDが複数存在している場合には、当選ビットデータWDにおいて、上位側のデータ群セットに対応した実データRDが先のアドレスとして設定され、下位側のデータ群セットに対応した実データRDが後側のアドレスとして設定されている。
上記構成において、ヘッダデータHDとして、実データRDの連続数と開始セットのデータとが設定されていることにより、当選ビットデータWDに設定されている実データRDが第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5のうちいずれに対応しているのかをCPU71にて特定可能となる。また、各当選ビットデータWDが可変長である構成において、各当選ビットデータWDのデータ容量をCPU71にて特定可能となる。よって、上記第1の実施形態と同様に、当選ビットデータWDに記憶されているデータを利用して、ROM72の当選ビットデータ記憶エリア72aにおいて一の当選ビットデータWDが読み出し対象となっている場合に次の当選ビットデータWDの開始アドレスを把握することが可能となる。
ヘッダデータHDの具体的なデータの内容としては、例えばヘッダデータHDの1バイトに含まれる8ビットのうち上位2ビットを自身がヘッダデータHDであることを示すデータを設定するビットとし、中間3ビットを実データRDの連続数を示すデータを設定するビットとし、下位3ビットを開始セットの内容を示すデータを設定するビットとする構成が考えられる。この場合、ベル群に対応した当選ビットデータWDの場合には「01010001」というデータが設定され、再遊技群に対応した当選ビットデータWDの場合には「01010011」というデータが設定され、その他の役に対応した当選ビットデータWDの場合には「01001101」というデータが設定されることとなる。これにより、いずれの当選ビットデータWDであってもヘッダデータHDを1バイトとすることが可能となる。
図38は、本実施形態における当選ビットデータの取得処理を示すフローチャートである。
ステップS1501では、現状の遊技状態及びインデックス値IVに対応した当選ビットデータWDの順番NをROM72から読み出す。続くステップS1502では、RAM73の検索用カウンタMに「1」をセットする。
続くステップS1503では、順番Nと検索用カウンタMの値とが一致しているか否かを判定する。ステップS1503にて否定判定をした場合には、現状の検索用カウンタMの値に対応した当選ビットデータWDからヘッダデータHDを読み出し、連続数を把握することで、当該当選ビットデータWDが何バイトであるかを把握する。続くステップS1505では、ステップS1504にて把握した結果に基づいて、現状の読み出し対象となっている当選ビットデータWDの次に配列されている当選ビットデータWDの開始アドレスを把握して、当該開始アドレスの当選ビットデータWDを次の読み出し対象に設定する。その後、ステップS1506にて、検索用カウンタMの値を1加算した後に、ステップS1503に戻る。
ステップS1503〜ステップS1506の処理は、順番Nと検索用カウンタMの値とが一致するまで繰り返す。その結果、順番Nと検索用カウンタMの値とが一致した場合には、ステップS1503にて肯定判定をしてステップS1507に進む。
ステップS1507では、読み出し対象となっている当選ビットデータWDのヘッダデータHDを読み出す。続くステップS1508では、ステップS1507にて読み出したヘッダデータHDと、読み出し対象となっている当選ビットデータWDの実データRDとを利用して、RAM73の展開用エリア73aに今回の当選ビットデータWDを展開することで展開データを作成する。その後、ステップS1509にて、持ち越し役の書き込み処理を実行した後に、本処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、各当選ビットデータWDには、各1バイトの容量データVD及び対応データCDの代わりに、1バイトのヘッダデータHDが設定されている構成であるため、各当選ビットデータWDのデータ容量を削減することが可能となる。よって、さらなるデータ容量の削減が可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。
(1)同時に当選役となり得る役の組合せにより構成される特定役群として、当該特定役群に含まれる抽選役の数が、2個のデータ群セット分の展開側単位エリアTUDの数以下である特定役群のみが存在している構成に限定されることはなく、2個のデータ群セット分の展開側単位エリアTUDの数よりも多い数の抽選役を含む特定役群が存在している構成としてもよい。当該構成の場合であっても、上記各実施形態の場合と同様に、一の特定役群に含まれる抽選役の数が、k個のデータ群セット分(すなわちkバイト分)の展開側単位エリアTUDの数(すなわちビット数)よりも多く且つk+1個のデータ群セット分(すなわちk+1バイト分)の展開側単位エリアTUDの数(すなわちビット数)よりも少ない場合、それら抽選役が、k+1個のデータ群セット(すなわち2バイト)の範囲内で集約されている構成(kは自然数)とすることが好ましい。これにより、展開用エリア73aに展開した場合に、当選データと非当選データとが混在しない非当選データのみが設定されたデータ群セットを生じさせることが可能となり、当選ビットデータWDを圧縮することが可能となる。
(2)ベル群や再遊技群といったように同時に当選役となり得る役の組合せにより構成される特定役群に一のデータ群セット分の展開側単位エリアTUDの数よりも多い抽選役の数が設定されている場合に、当該特定役群の抽選役が、アドレスが連続するデータ群セットに集約されている構成に代えて、アドレスが非連続となるデータ群セットに集約されている構成としてもよい。例えば、ベル群を、第1データ群セットDG1と第2データ群セットDG2とに集約する構成に代えて、第1データ群セットDG1と第3データ群セットDG3とに集約する構成としてもよい。この場合であっても、上記第1の実施形態のように、当選ビットデータWDに対応データCDを設定することで、当選ビットデータWDの圧縮を行うことが可能となる。例えば、ベル群を、第1データ群セットDG1と第3データ群セットDG3とに集約した場合、当該ベル群に対応する当選ビットデータWDでは、これらデータ群セットに対応した複数の実データRDを設定するとともに、対応データCDとして第1データ群セットDG1と第3データ群セットDG3とに対応していることを示すデータを設定することで、当選ビットデータWDの圧縮を行うことが可能となる。
(3)上記第1の実施形態のように当選ビットデータWDに対応データCDが設定されている場合、当該対応データCDに含まれるデータ群セットの種類を示すデータから実データRDの数をプログラム上、特定可能とすることで、容量データVDを不要とすることが可能となる。つまり、実データRDがいずれのデータ群セットに対応しているのかを示すデータから実データRDの数を特定可能な構成とすることで、上記第2の実施形態と同様に、当選ビットデータWDにおけるヘッダデータのデータ容量を削減することが可能となり、それに伴って当選ビットデータWDのデータ容量を削減することが可能となる。
(4)ベル群に対応したデータ群セットとして第1データ群セットDG1と第2データ群セットDG2とが設定された構成において、第2データ群セットDG2においてベル群を構成する各当選役を超える数分のビットは、当該ベル群以外の当選役を割り当てることなくブランクとする構成としたが、当該ビットに対してベル群以外の当選役を割り当てるようにしてもよい。この場合、展開用エリア73aに展開した場合において当選データと非当選データとが混在しない非当選データのみが設定されたデータ群セットの数を極力多く設定する上では、ベル群以外の当選役として、1回の抽選処理(図9)にて他の役と同時に当選役とならない役を設定することが好ましい。また、他の役と同時に当選役となり得る役を設定する場合には、当該同時に当選役となり得る役の組合せにより構成される特定役群に含まれる抽選役が、当該抽選役の数を一のデータ群セットの展開側単位エリアTUDの数(すなわち1バイト分のビット数である8)で割った場合の商に対して1を加算した数のデータ群セットの範囲内で集約されている構成とすることが好ましい。なお、当該構成は、再遊技群に対応したデータ群セットに対して適用してもよく、他の役群に対応したデータ群セットに対して適用してもよい。
(5)展開用エリア73aに展開した場合に当選データのみが存在するデータ群セットが生じる構成においては、当該データ群セットは当選役のみが設定されることを示すデータを設定することで、当該データ群セットに対応した実データRDを当選ビットデータWDにおいて保持しない構成としてもよい。また、展開用エリア73aに展開した場合に当選データのみが存在するデータ群セットが生じるとともに、非当選データのみが存在するデータ群セットが生じる構成においては、これらデータ群セットが当選データのみのデータ群セット及び非当選データのみのデータ群セットのいずれであるかを特定可能な状態で、上記第1の実施形態であれば対応データCDを設定し、上記第2の実施形態であればヘッダデータHDを設定することで、当選ビットデータWDを圧縮することが可能となる。
(6)上記各実施形態において、展開用エリア73aの各展開側単位エリアTUDのうち第1BB、第2BB及び第3BBに対応した展開側単位エリアTUDについては、対応するBB入賞が成立するまでは一のゲームが終了したとしてもクリアしない構成とし、且つ新たなゲームで取得された当選ビットデータWDを展開用エリア73aに書き込む場合に上記BBに対応した展開側単位エリアTUDについては書き込み対象から除外する構成としてもよい。この場合、上記第1の実施形態であればステップS1109の処理を実行しなくてもよく、上記第2の実施形態であればステップS1509の処理を実行しなくてもよい。
(7)当選役の種類が34種類である構成に限定されることはなく、34種類よりも少ない構成や、64種類といったように34種類よりも多い構成に対して、上記各実施形態における当選ビットデータWDの構成及びそれに関連する構成を適用してもよい。「展開用エリア73aに含まれるデータ群セットの数」×「当選ビットデータWDの数」よりも、「全当選ビットデータWDの実データRDの数」+「一の当選ビットデータWDに含まれるヘッダデータ(第1の実施形態であれば容量データVD及び対応データCDである「2」、第2の実施形態であればヘッダデータHDである「1」)の数」×「当選ビットデータWDの数」の方が小さいのであれば、データ容量削減の効果を得ることが可能となる。また、当選役の種類が多くなるほど、上記各実施形態における当選ビットデータWDの構成及びそれに関連する構成を適用した場合に、データ容量の削減効果が高められる。
(8)ビット単位でのアドレス指定が可能な構成においては、展開用エリア73aに展開した場合に当選データ及び非当選データのうち一方のデータが連続するビット群については、それを展開に際して特定可能なデータを持つ代わりに省略するようにしてもよい。
(9)全ての当選ビットデータWDが圧縮されている構成に代えて、一部の当選ビットデータWDのみが圧縮されている構成としてもよい。例えば、容量データVD及び対応データCDとの関係や、ヘッダデータHDとの関係で、圧縮するとかえってデータ容量が増加してしまう当選ビットデータWDが存在する場合には、当該当選ビットデータWDについては圧縮することなく記憶保持するようにし、他の当選ビットデータWDについては圧縮する構成としてもよい。
(10)展開用エリア73aを初期化するタイミングは、上記各実施形態のタイミングに限定されることはなく、1ゲームにおいて展開用エリア73aを確認し得る処理のうち最後の処理順序となるように設定されている処理が実行されるタイミングよりも後であって、次のゲームにおいて抽選処理の結果に応じた当選ビットデータWDが展開用エリア73aに展開されるタイミングよりも前であればよい。
(11)当選データが同時に設定され得る単位エリアを特定のアドレス範囲に集約することで、展開用エリア73aに当選ビットデータWDを展開する場合の処理の簡素化が図られるという効果に着目した場合、当選ビットデータWDの圧縮が行われていない構成としてもよい。
(12)当選ビットデータWDのように所定データを圧縮する構成や、第1データが同時に設定され得る単位エリアを特定のアドレス範囲に集約する構成を、当選ビットデータ以外のデータに対して適用してもよい。例えば、リールの停止制御を実行する場合に参照される停止情報に対して、当該構成を適用してもよい。
(13)上記実施形態では、スロットマシン10について本発明を具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。すなわち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能を持たせた遊技機に、所定データを圧縮する構成や第1データが同時に設定され得る単位エリアを特定のアドレス範囲に集約する構成を適用してもよい。
また、パチンコ機に対して、所定データを圧縮する構成や第1データが同時に設定され得る単位エリアを特定のアドレス範囲に集約する構成を適用してもよい。パチンコ機においても抽選役の種類を多く設定することが考えられ、この場合に本発明を適用することで、データ容量の増大化や処理負荷の増加を抑制しながら、抽選役の種類の多様化を図ることが可能となる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.第1データ及び第2データのうちいずれかが設定される単位エリア(展開側単位エリアTUD)を複数有する第1記憶手段(RAM73)と、
これら複数の単位エリアに対するデータの設定を可能とする所定データ(当選ビットデータWD)を予め複数記憶する第2記憶手段(ROM72)と、
当該第2記憶手段に記憶されている所定データを読み出して前記単位エリアに書き込む書き込み手段(CPU71における当選ビットデータの取得処理を実行する機能)と、
前記複数の単位エリアに設定されているデータの内容に応じた処理内容で、所定の処理を実行する処理実行手段(CPU71における停止情報第1設定処理、停止情報第2設定処理又は不当入賞判定処理を実行する機能)と、
を備え、
複数の前記所定データのうち少なくとも一部は、前記複数の単位エリアへのデータ設定を行った場合に前記第1データ及び前記第2データのうち一方のみが連続して設定される単位エリアに対応したデータについては、当該単位エリアと1対1で対応するデータを保持することに代えて、当該データ設定が行われることを前記書き込み手段において特定可能とするデータ(第1の実施形態においては対応データCD、第2の実施形態においてはヘッダデータHD)を有する構成であることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、複数の所定データのうち少なくとも一部については、全単位エリアと1対1で対応するデータを保持する必要がない。また、当該データの保持を省略する対象は、単位エリアへのデータ設定を行った場合に第1データ及び第2データのうち一方のみが連続して設定される単位エリアに対応したデータであるため、上記省略したことを書き込み手段において特定可能とするデータのデータ容量を抑えることが可能となる。よって、複数の所定データを予め記憶しておくのに必要な容量を抑えることが可能となる。
特徴A2.第1データ及び第2データのうちいずれかが設定される単位エリア(展開側単位エリアTUD)を複数有する第1記憶手段(RAM73)と、
これら複数の単位エリアに対するデータの設定を可能とする所定データ(当選ビットデータWD)を予め複数記憶する第2記憶手段(ROM72)と、
抽選処理を実行する抽選手段(CPU71におけるステップS301〜ステップS305、ステップS307〜ステップS308の処理を実行する機能)と、
当該抽選処理の抽選結果に対応した前記所定データを読み出して前記単位エリアに書き込む書き込み手段(CPU71における当選ビットデータの取得処理を実行する機能)と、
前記複数の単位エリアに設定されているデータの内容に応じた範囲での特典の付与を可能とするように、所定の処理を実行する処理実行手段(CPU71における停止情報第1設定処理、停止情報第2設定処理又は不当入賞判定処理を実行する機能)と、
を備え、
複数の前記所定データのうち少なくとも一部は、前記複数の単位エリアへのデータ設定を行った場合に前記第1データ及び前記第2データのうち一方のみが連続して設定される単位エリアに対応したデータについては、当該単位エリアと1対1で対応するデータを保持することに代えて、当該データ設定が行われることを前記書き込み手段において特定可能とするデータ(第1の実施形態においては対応データCD、第2の実施形態においてはヘッダデータHD)を有する構成であることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、複数の所定データのうち少なくとも一部については、全単位エリアと1対1で対応するデータを保持する必要がない。また、当該データの保持を省略する対象は、単位エリアへのデータ設定を行った場合に第1データ及び第2データのうち一方のみが連続して設定される単位エリアに対応したデータであるため、上記省略したことを書き込み手段において特定可能とするデータのデータ容量を抑えることが可能となる。よって、抽選結果の態様を多様化することで遊技の興趣向上を図る場合において、複数の所定データを予め記憶しておくのに必要な容量を抑えることが可能となる。
特徴A3.前記処理実行手段は、前記第1データが設定されている前記単位エリアの種類を把握することで当選役を把握し、当該当選役に応じた特典の付与を可能とするように、前記所定の処理を実行する構成であり、
1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生し得る構成であることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3のように複数の当選役が同時に発生し得る構成においては、遊技の興趣向上を図ることができる反面、所定データを予め記憶しておくのに必要なデータ容量の極端な増加が懸念される。これに対して、上記特徴A2の構成を備えていることにより、当該データ容量の増加を抑えながら、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A4.特定の所定データ(ベル群に対応した当選ビットデータWD、再遊技群に対応した当選ビットデータWD、その他の役群に対応した当選ビットデータWD)は、前記書き込み手段によりデータの書き込みが行われた場合に前記複数の単位エリアの一部であって所定の複数の単位エリアに前記第1データ及び前記第2データのうち一方が設定される構成であり、
前記所定の複数の単位エリアは、前記第1記憶手段において前記単位エリアが設定されたアドレス範囲のうち所定のアドレス範囲には存在しないように集約されていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、第1データ及び第2データのうち一方が複数の単位エリアに亘って連続して設定される状況を積極的に生じさせることが可能となり、上記特徴A1や上記特徴A2のように所定データを圧縮する場合にその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となる。
特徴A5.前記所定データは、抽選処理の抽選結果に応じて前記単位エリアに設定されるデータであり、
前記処理実行手段は、前記第1データが設定されている前記単位エリアの種類を把握することで当選役を把握し、当該当選役に応じた特典の付与を可能とするように、前記所定の処理を実行する構成であり、
1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生し得る構成であり、
1回の前記抽選処理により同時に当選となり得る役に対応した前記単位エリアは、前記第1記憶手段において前記単位エリアが設定されたアドレス範囲のうち所定のアドレス範囲には存在しないように集約されていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、複数の役が同時に当選となり得るため、遊技の興趣向上が図られる。この場合に、これら同時に当選となり得る複数の役は、対応する単位エリアに対して同時に第1データが設定され得るのに対して、これら複数の役と他の役とは同時に第1データが設定される機会はない。かかる構成において、同時に当選となり得る役に対応した単位エリアを第1記憶手段において所定のアドレス範囲には存在しないように集約することで、上記特徴A1や上記特徴A2のように所定データを圧縮する場合にその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となる。
特徴A6.前記複数の単位エリアは、前記第1記憶手段において、複数である特定数の単位エリアを一単位として設定された複数のデータ群セット(データ群セットDG1〜DG5)のいずれかに設定されており、
前記書き込み手段は、データの書き込みを行う場合、前記データ群セットの単位でアドレスの特定を行う構成であり、
複数の前記所定データのうち少なくとも一部は、前記複数のデータ群セットのうち、前記第1データ及び前記第2データのうち一方のみが連続して設定されるデータ群セットについては、当該データ群セットに含まれる単位エリアと1対1で対応するデータを保持することに代えて、当該データ設定が行われることを前記書き込み手段において特定可能とするデータ(第1の実施形態においては対応データCD、第2の実施形態においてはヘッダデータHD)を有する構成であることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、データ群セットの単位でデータを扱うことで、アドレス指定を利用した処理の簡素化が図られる。この場合に、所定データにおけるデータの圧縮をデータ群セットの単位で行うことで、アドレス指定を利用した処理の簡素化を行いながら、所定データのデータ容量を抑えることが可能となる。
特徴A7.複数の前記所定データのうち少なくとも一部は、
前記データ群セットに含まれる単位エリアと1対1で対応するデータを有する実データ(実データRD)を有するとともに、
前記特定可能とするデータとして、当該実データが複数の前記データ群セットのうちいずれのデータ群セットに対応していのかを示す対応用データ(第1の実施形態においては対応データCD、第2の実施形態においてはヘッダデータHD)を有していることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、実データと対応用データとがセットで設定されていることにより、圧縮された所定データを複数の単位データに展開する場合の処理の複雑化を抑えられる。
なお、実データには、前記書き込み手段によりデータの書き込みが行われた場合に前記第1データが設定される単位エリアと前記第2データが設定される単位エリアとが混在するデータ群セットについて、当該データ群セットに含まれる単位エリアと1対1で対応するデータが設定されることとなる。
特徴A8.2個以上の前記所定データから構成される特別データ群(ベル群に対応した当選ビットデータWD、再遊技群に対応した当選ビットデータWD、その他の役群に対応した当選ビットデータWD)は、当該特別データ群に含まれる一の所定データにおいて前記第1データが設定される前記単位エリアの少なくとも1個が当該特別データ群に含まれる他の所定データと共通する関係であり、
当該関係を生じさせる前記特別データ群に含まれる各所定データにおいて前記第1データが設定される全ての前記単位エリアを特定の単位エリア群とした場合に、
当該特定の単位エリア群を構成する複数の単位エリアは、
・対象となる単位エリアの数が1個のデータ群セットの単位エリアの数以下である場合には、一のデータ群セットに集約されており、
・対象となる単位エリアの数がk個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも多く且つk+1個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも少ない場合、k+1個のデータ群セットに集約されている(kは自然数)
ことを特徴とする特徴A6又はA7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、データ群セットの単位でデータを扱う構成において、第1データ及び第2データのうち一方のみが設定されるデータ群セットを積極的に生じさせることが可能となり、上記特徴A1や上記特徴A2のように所定データを圧縮する場合にその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となる。
特徴A9.前記所定データは、抽選処理の抽選結果に応じて前記単位エリアに設定されるデータであり、
前記各単位エリアは、抽選役と1対1で対応しており、
前記処理実行手段は、前記第1データが設定されている前記単位エリアの種類を把握することで当選役を把握し、当該当選役に応じた特典の付与を可能とするように、前記所定の処理を実行する構成であり、
1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生し得る構成であり、
特定の所定データは、当該複数の当選役が同時に発生する所定データであり、
前記特定の所定データを含む2個以上の前記所定データから構成される特別データ群(ベル群に対応した当選ビットデータWD、再遊技群に対応した当選ビットデータWD、その他の役群に対応した当選ビットデータWD)は、当該特別データ群に含まれる一の所定データにおいて前記第1データが設定される前記単位エリアの少なくとも1個が当該特別データ群に含まれる他の所定データと共通する関係であり、
当該関係を生じさせる前記特別データ群に含まれる各所定データにおいて前記第1データが設定される全ての前記単位エリアを特定の単位エリア群とした場合に、
当該特定の単位エリア群を構成する複数の単位エリアは、
・対象となる単位エリアの数が1個のデータ群セットの単位エリアの数以下である場合、一のデータ群セットに集約されており、
・対象となる単位エリアの数がk個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも多く且つk+1個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも少ない場合、k+1個のデータ群セットに集約されている(kは自然数)
ことを特徴とする特徴A6又はA7に記載の遊技機。
特徴A9によれば、複数の役が同時に当選となり得るため、遊技の興趣向上が図られる。この場合に、これら同時に当選となり得る複数の役により構成される特定役群は、対応する単位エリアに対して同時に第1データが設定され得るのに対して、これら複数の役と他の役とは同時に第1データが設定される機会はない。かかる構成において、特定の単位エリア群を構成する複数の単位エリアを上記のように一のデータ群セット又はk+1個のデータ群セットに集約することで、上記特徴A1や上記特徴A2のように所定データを圧縮する場合にその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となる。
特徴A10.前記特定の単位エリア群を構成する単位エリアの数は、1個のデータ群セットの単位エリアの数よりも多い数であり、
当該特定の単位エリア群を構成する単位エリアが集約されるk+1個のデータ群セットは、前記第1記憶手段のアドレスにおいて連続するように設定されていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、k+1個のデータ群セットは第1記憶手段のアドレスにおいて連続させて設定されているため、所定データを複数の単位データに展開する場合の処理の複雑化を抑えられる。
特徴A11.前記特別データ群に含まれる前記所定データは、
前記データ群セットに含まれる単位エリアと1対1で対応するデータを有する実データ(実データRD)を複数有するとともに、
前記特定可能とするデータとして、これら実データに対応するデータ群セットのうち前記第1記憶手段において先側のアドレスに設定されているデータ群セットの順番に対応したデータと、自身が有する実データの数に対応したデータ(ヘッダデータHD)とを有していることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、圧縮された所定データを複数の単位エリアに展開する場合に参照されるデータとして、先側のアドレスに設定されているデータ群セットの順番に対応したデータ、及び自身が有する実データの数に対応したデータのみを設定すればよいため、各データ群セットの順番に対応したデータを個別に設定する構成に比べて、当該参照用のデータのデータ容量を抑えることが可能となる。
特徴A12.前記第2記憶手段には、複数の前記所定データが所定の順序で設定されており、
これら複数の前記所定データは、前記特定可能とするデータとして又は当該特定可能とするデータとは別に、自身の所定データの次の順番に設定されている所定データのアドレスを特定可能とする特定用データ(第1の実施形態では容量データVD、第2の実施形態ではヘッダデータHD)を有していることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、第2記憶手段において一の所定データの次に配列されている所定データの開始アドレスを特定するためのデータが当該一の所定データ自身に設定されている。これにより、所定データが圧縮されることで可変長となった構成において、プログラムによるアドレス指定の処理の複雑化を抑制しながら、各所定データの読み出しを行うことが可能となる。
特徴A13.前記所定データは、抽選処理の抽選結果に応じて前記単位エリアに設定されるデータであり、
前記書き込み手段は、前記抽選処理の抽選結果に対応した前記所定データを読み出して前記単位エリアに書き込むものであり、
当該書き込み手段によりデータの書き込みが行われた場合の前記各単位エリアの状態は、当該書き込みの契機となった抽選処理に対応するゲーム回において保持されることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、所定データの利用に際して展開させる処理が必要な構成において、一のゲーム回において当該展開させる処理の実行回数が抑えられる。これにより、処理負荷の軽減が図られる。
上記特徴A群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、プログラムやデータを記憶した記憶手段を有しているとともに、当該記憶手段に記憶されたプログラムやデータを利用して各種処理を実行する制御手段を有しており、当該制御手段において各種処理が実行されることにより遊技の進行が制御される。
スロットマシンのように絵柄の変動表示の開始操作及び停止操作が遊技者により行われる遊技機では、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されることにより制御手段にて抽選処理が実行される。この場合、例えばプログラムに従って抽選処理が実行されるとともに、その抽選処理に際して当選役を示すデータが参照される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。この場合、例えばプログラムに従って回転開始制御や回転停止制御が実行されるとともに、回転停止制御に際して当該停止制御用のデータが参照される。
パチンコ機では、所定の入球部に遊技球が入球することにより制御手段にて抽選処理が実行されるが、当該抽選処理に際してプログラム及びデータが用いられる。また、抽選処理が実行された場合には表示装置にて絵柄の変動表示が実行されるが、当該絵柄の変動表示を制御する際にプログラム及びデータが用いられる。
ここで、上記のような遊技機においては、処理を実行するために扱うデータの容量は小さいことが好ましい。しかしながら、遊技の興趣向上を図る上では、例えば抽選結果の多様化や、絵柄の変動表示態様又は絵柄の停止結果の多様化を図ることが好ましく、この場合、処理の実行に際して扱うデータの容量が増大化することが懸念される。
<特徴B群>
特徴B1.第1データ及び第2データのうちいずれかが設定される単位エリア(展開側単位エリアTUD)を複数有する第1記憶手段(RAM73)と、
これら複数の単位エリアに対するデータの設定を可能とする所定データ(当選ビットデータWD)を予め複数記憶する第2記憶手段(ROM72)と、
当該第2記憶手段に記憶されている所定データを読み出して前記単位エリアに書き込む書き込み手段(CPU71における当選ビットデータの取得処理を実行する機能)と、
前記複数の単位エリアに設定されているデータの内容に応じた処理内容で、所定の処理を実行する処理実行手段(CPU71における停止情報第1設定処理、停止情報第2設定処理又は不当入賞判定処理を実行する機能)と、
を備え、
特定の所定データ(ベル群に対応した当選ビットデータWD、再遊技群に対応した当選ビットデータWD、その他の役群に対応した当選ビットデータWD)は、前記書き込み手段によりデータの書き込みが行われた場合に前記複数の単位エリアの一部であって所定の複数の単位エリアに前記第1データ及び前記第2データのうち一方が設定される構成であり、
前記所定の複数の単位エリアは、前記第1記憶手段において前記単位エリアが設定されたアドレス範囲のうち所定のアドレス範囲には存在しないように集約されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第1データ及び第2データのうち一方が複数の単位エリアに亘って連続して設定される状況を積極的に生じさせることが可能となる。これにより、各単位エリアと1対1で対応したデータを保有しないように所定データを圧縮したとしても、その圧縮した所定データを展開するのに使用するデータに必要なデータ容量を抑えることが可能となる。よって、所定データを圧縮することが可能となる。
また、所定データの圧縮を行わない場合であっても、所定データを複数の単位エリアに書き込む場合には、それら複数の単位エリアのうち一部であって複数の単位エリアに対するデータの設定をまとめて行うことが可能となる。この場合、所定データの設定に要する処理負荷の軽減が図られる。
以上より、所定データの設定に関する構成の好適化が図られる。
特徴B2.第1データ及び第2データのうちいずれかが設定される単位エリア(展開側単位エリアTUD)を複数有する第1記憶手段(RAM73)と、
これら複数の単位エリアに対するデータの設定を可能とする所定データ(当選ビットデータWD)を予め複数記憶する第2記憶手段(ROM72)と、
抽選処理を実行する抽選手段(CPU71におけるステップS301〜ステップS305、ステップS307〜ステップS308の処理を実行する機能)と、
当該抽選処理の抽選結果に対応した前記所定データを読み出して前記単位エリアに書き込む書き込み手段(CPU71における当選ビットデータの取得処理を実行する機能)と、
前記複数の単位エリアに設定されているデータの内容に応じた範囲での特典の付与を可能とするように、所定の処理を実行する処理実行手段(CPU71における停止情報第1設定処理、停止情報第2設定処理又は不当入賞判定処理を実行する機能)と、
を備え、
特定の所定データ(ベル群に対応した当選ビットデータWD、再遊技群に対応した当選ビットデータWD、その他の役群に対応した当選ビットデータWD)は、前記書き込み手段によりデータの書き込みが行われた場合に前記複数の単位エリアの一部であって所定の複数の単位エリアに前記第1データ及び前記第2データのうち一方が設定される構成であり、
前記所定の複数の単位エリアは、前記第1記憶手段において前記単位エリアが設定されたアドレス範囲のうち所定のアドレス範囲には存在しないように集約されていることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、第1データ及び第2データのうち一方が複数の単位エリアに亘って連続して設定される状況を積極的に生じさせることが可能となる。これにより、各単位エリアと1対1で対応したデータを保有しないように所定データを圧縮したとしても、その圧縮した所定データを展開するのに使用するデータに必要なデータ容量を抑えることが可能となる。よって、所定データを圧縮することが可能となる。
また、所定データの圧縮を行わない場合であっても、所定データを複数の単位エリアに書き込む場合には、それら複数の単位エリアのうち一部であって複数の単位エリアに対するデータの設定をまとめて行うことが可能となる。この場合、所定データの設定に要する処理負荷の軽減が図られる。
以上より、抽選結果の態様を多様化することで遊技の興趣向上を図る場合において、所定データの設定に関する構成の好適化が図られる。
特徴B3.前記処理実行手段は、前記第1データが設定されている前記単位エリアの種類を把握することで当選役を把握し、当該当選役に応じた特典の付与を可能とするように、前記所定の処理を実行する構成であり、
1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生し得る構成であることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3のように複数の当選役が同時に発生し得る構成においては、遊技の興趣向上を図ることができる反面、所定データを予め記憶しておくのに必要なデータ容量の極端な増加又はデータ設定に際しての処理負荷の極端な増加が懸念される。これに対して、上記特徴B2の構成を備えていることにより、当該データ容量の増加又は当該処理負荷の極端な増加を抑えながら、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴B4.前記所定データは、抽選処理の抽選結果に応じて前記単位エリアに設定されるデータであり、
前記処理実行手段は、前記第1データが設定されている前記単位エリアの種類を把握することで当選役を把握し、当該当選役に応じた特典の付与を可能とするように、前記所定の処理を実行する構成であり、
1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生し得る構成であり、
前記特定の所定データは、1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生する場合に読み出されるデータであり、
1回の前記抽選処理により同時に当選となり得る役に対応した前記単位エリアは、前記第1記憶手段において前記単位エリアが設定されたアドレス範囲のうち所定のアドレス範囲には存在しないように集約されていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、複数の役が同時に当選となり得るため、遊技の興趣向上が図られる。この場合に、これら同時に当選となり得る複数の役は、対応する単位エリアに対して同時に第1データが設定され得るのに対して、これら複数の役と他の役とは同時に第1データが設定される機会はない。かかる構成において、同時に当選となり得る役に対応した単位エリアを第1記憶手段において所定のアドレス範囲には存在しないように集約することで、所定データを圧縮する場合においてはその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となり、所定データを圧縮しない場合であっても、データの設定をまとめて行う場合のデータ単位を大きくすることが可能となる。
特徴B5.前記複数の単位エリアは、前記第1記憶手段において、複数である特定数の単位エリアを一単位として設定された複数のデータ群セット(データ群セットDG1〜DG5)のいずれかに設定されており、
前記書き込み手段は、データの書き込みを行う場合、前記データ群セットの単位でアドレスの特定を行う構成であり、
前記特定の所定データを含む2個以上の前記所定データから構成される特別データ群は、当該特別データ群に含まれる一の所定データにおいて前記第1データが設定される前記単位エリアの少なくとも1個が当該特別データ群に含まれる他の所定データと共通する関係であり、
当該関係を生じさせる前記特別データ群に含まれる各所定データにおいて前記第1データが設定される全ての前記単位エリアを特定の単位エリア群とした場合に、
当該特定の単位エリア群を構成する複数の単位エリアは、
・対象となる単位エリアの数が1個のデータ群セットの単位エリアの数以下である場合には、一のデータ群セットに集約されており、
・対象となる単位エリアの数がk個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも多く且つk+1個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも少ない場合、k+1個のデータ群セットに集約されている(kは自然数)
ことを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、データ群セットの単位でデータを扱うことで、アドレス指定を利用した処理の簡素化が図られる。この場合に、データ群セットの単位でデータを扱う構成において、第1データ及び第2データのうち一方のみが設定されるデータ群セットを積極的に生じさせることが可能となる。よって、所定データを圧縮する場合においてはその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となり、所定データを圧縮しない場合であっても、データの設定をまとめて行う場合のデータ単位をデータ群セットの単位とすることが可能となる。
特徴B6.前記所定データは、抽選処理の抽選結果に応じて前記単位エリアに設定されるデータであり、
前記各単位エリアは、抽選役と1対1で対応しており、
前記処理実行手段は、前記第1データが設定されている前記単位エリアの種類を把握することで当選役を把握し、当該当選役に応じた特典の付与を可能とするように、前記所定の処理を実行する構成であり、
1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生し得る構成であり、
前記特定の所定データは、1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生する場合に読み出されるデータであり、
前記特定の所定データを含む2個以上の前記所定データから構成される特別データ群(ベル群に対応した当選ビットデータWD、再遊技群に対応した当選ビットデータWD、その他の役群に対応した当選ビットデータWD)は、当該特別データ群に含まれる一の所定データにおいて前記第1データが設定される前記単位エリアの少なくとも1個が当該特別データ群に含まれる他の所定データと共通する関係であり、
当該関係を生じさせる前記特別データ群に含まれる各所定データにおいて前記第1データが設定される全ての前記単位エリアを特定の単位エリア群とした場合に、
当該特定の単位エリア群を構成する複数の単位エリアは、
・対象となる単位エリアの数が1個のデータ群セットの単位エリアの数以下である場合、一のデータ群セットに集約されており、
・対象となる単位エリアの数がk個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも多く且つk+1個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも少ない場合、k+1個のデータ群セットに集約されている(kは自然数)
ことを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、複数の役が同時に当選となり得るため、遊技の興趣向上が図られる。この場合に、これら同時に当選となり得る複数の役により構成される特定役群は、対応する単位エリアに対して同時に第1データが設定され得るのに対して、これら複数の役と他の役とは同時に第1データが設定される機会はない。かかる構成において、特定の単位エリア群を構成する複数の単位エリアを上記のように一のデータ群セット又はk+1個のデータ群セットに集約することで、所定データを圧縮する場合においてはその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となり、所定データを圧縮しない場合であっても、データの設定をまとめて行う場合のデータ単位をデータ群セットの単位とすることが可能となる。
特徴B7.前記特定の単位エリア群を構成する単位エリアの数は、1個のデータ群セットの単位エリアの数よりも多い数であり、
当該特定の単位エリア群を構成する単位エリアが集約されるk+1個のデータ群セットは、前記第1記憶手段のアドレスにおいて連続するように設定されていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、k+1個のデータ群セットは第1記憶手段のアドレスにおいて連続させて設定されているため、所定データを複数の単位データに設定する場合の処理の複雑化を抑えられる。
上記特徴B群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、プログラムやデータを記憶した記憶手段を有しているとともに、当該記憶手段に記憶されたプログラムやデータを利用して各種処理を実行する制御手段を有しており、当該制御手段において各種処理が実行されることにより遊技の進行が制御される。
スロットマシンのように絵柄の変動表示の開始操作及び停止操作が遊技者により行われる遊技機では、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されることにより制御手段にて抽選処理が実行される。この場合、例えばプログラムに従って抽選処理が実行されるとともに、その抽選処理に際して当選役を示すデータが参照される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。この場合、例えばプログラムに従って回転開始制御や回転停止制御が実行されるとともに、回転停止制御に際して当該停止制御用のデータが参照される。
パチンコ機では、所定の入球部に遊技球が入球することにより制御手段にて抽選処理が実行されるが、当該抽選処理に際してプログラム及びデータが用いられる。また、抽選処理が実行された場合には表示装置にて絵柄の変動表示が実行されるが、当該絵柄の変動表示を制御する際にプログラム及びデータが用いられる。
ここで、上記のような遊技機においては、処理を実行するために扱うデータの容量の縮小化及び処理負荷の軽減のうち少なくとも一方を実現することが好ましい。しかしながら、遊技の興趣向上を図る上では、例えば抽選結果の多様化や、絵柄の変動表示態様又は絵柄の停止結果の多様化を図ることが好ましく、この場合、処理の実行に際して扱うデータの容量の極端な増大化及び処理負荷の極端な増加のうち少なくとも一方が発生してしまうことが懸念される。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。