JP2009248112A - ビレットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鍛錬比4以下の炭素鋼または低合金鋼のビレットを製造するに際し、内部品質を確保でき、生産性に優れたビレットの製造方法を提供する。
【解決手段】連続鋳造法による鋳片を用い、下記(1)式の関係を満たす条件で、連続鋳造の凝固末期の鋳片にロール圧下を行うこと、および分塊圧延前の鋳片にプレス鍛造を行うことのうちの少なくとも1つを行い、その後の鋳片に分塊圧延を行う。
10×b+4×c+α×d+e≧88.5 ・・・(1)
b:鋳型の長辺長さ/短辺長さ
c:(ロール圧下前の鋳片断面積−ロール圧下後の鋳片断面積)/鋳型断面積[%]
d:(プレス鍛造前の鋳片断面積−プレス鍛造後の鋳片断面積)/鋳型断面積[%]
e:(分塊圧延前の鋳片断面積−分塊圧延後の鋳片断面積)/鋳型断面積[%]
α:プレス鍛造の条件により1を超え2以下の範囲で設定される係数。
【選択図】図3

Description

本発明は、連続鋳造法により得られる鋳片または造塊法により得られる鋼塊(インゴット)を用いてビレットを製造する方法に関し、特に、機械構造用炭素鋼、低合金鋼、Crを8.0質量%以上含有するCr鋼、ステンレス鋼、または、CrおよびNiをそれぞれ18.0質量%以上含有する高合金鋼のビレットの製造方法に関する。
例えば、JIS規格のG4051で規定される機械構造用炭素鋼(以下、単に「炭素鋼」という)のビレット、または同規格のG4105で規定されるクロムモリブデン鋼などの低合金鋼のビレットは、市場で取り引きされ、様々な製品に加工される。これらのビレットは、同規格により、注文業者と製造業者で協定がない限り、4以上の鍛錬比に該当する鍛造または圧延を行うことが規定されている。これは、連続鋳造法で得られる鋳片または造塊法で得られる鋼塊を分塊圧延などで鍛錬することにより、鋳片または鋼塊の内部に発生した空孔欠陥(以下、「ポロシティ」という)が圧着されるため、ポロシティの圧着が十分可能とされる最小の鍛錬比を規定することにより、ビレットの内部品質の確保を図ったものである。
ビレットの製造には、生産性を向上させる観点から、造塊法による鋼塊を用いるよりも、連続鋳造法による鋳片を用いるのが望ましい。しかし、鋳片を用いたビレットの製造においては、連続鋳造に用いる鋳型のサイズに制限があるため、分塊圧延により鍛錬比4以上を満足できるビレットの最大サイズも制限される。このため、制限サイズを超える大断面の炭素鋼ビレットまたは低合金鋼ビレットを製造する場合は、造塊法による鋼塊を用いて製造せざるを得ず、生産性が低下し、製造コストが増加していた。
また、Crを8.0質量%以上含有するCr鋼のビレット、またはCrを13質量%以上含有するステンレス鋼のビレットは、例えば、マンネスマン製管法による継目無鋼管の素材として用いられる。これらのビレットは、例えば厚みが350mm以上の大断面の鋳片を用いて製造する場合、連続鋳造される鋳片の中心部では冷却速度が遅いため、CrやCが濃化し、固相線温度が低下するとともに液相線温度も低下することから、凝固が開始してから完了するまでの温度範囲が拡大する。このため、連続鋳造時の鋳片の中心部では、凝固相の架橋現象(ブリッジング)が発生し、これにより溶鋼の供給が阻害され、溶鋼の凝固収縮に起因してポロシティが発生しやすい。
このようなCr鋼またはステンレス鋼で発生するポロシティは、分塊圧延で圧着されずにビレットに残存しやすく、その後のマンネスマン製管時に、鋼管の内面にかぶれ疵などの内面疵を発生させる。このため、マンネスマン製管で用いられる大断面のCr鋼ビレットまたはステンレス鋼ビレットを製造する場合は、造塊法による鋼塊を用いて製造せざるを得ず、生産性が低下し、製造コストが増加していた。
また、CrおよびNiをそれぞれ18.0質量%以上含有する高合金鋼のビレットは、例えば、ユジーン製管法による継目無鋼管の素材として用いられる。この高Cr−Ni合金鋼ビレットは、鋳片を用いて製造する場合、連続鋳造される鋳片の固相線温度と液相線温度の差が大きいため、最終凝固位置近傍における樹枝状晶間に溶鋼が供給されにくく、成分偏析やポロシティが発生しやすい。また、高Cr−Ni合金鋼の場合、造塊法による鋼塊でも、固相線温度と液相線温度の著しい差に起因して、ポロシティが発生するおそれがある。
経験的には、このような高Cr−Ni鋼で発生するポロシティは、分塊圧延で十分な鍛錬比を確保できず鍛錬比が6よりも小さい場合、圧着されずにビレットに残存する。このため、分塊圧延で鍛錬比6以上を確保できない場合は、鋳片または鋼塊をオフラインで全長に亘って繰り返し鍛造する全鍛造を行うことにより、鍛錬比6以上を確保し、ポロシティの圧着を図っていた。すなわち、分塊圧延で鍛錬比6以上を確保できない高Cr−Ni合金鋼のビレットを製造する場合は、分塊圧延の半分程度の生産性しか見込めない全鍛造を行わざるを得ず、生産性が低下し、製造コストが増加していた。
このように、各鋼種のビレットの製造にはポロシティに起因する問題があることから、従来から、ポロシティの圧着に関する種々の改善技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、連続鋳造時の凝固末期にロールによる圧下を行って大断面のステンレス鋼鋳片を連続鋳造し、この鋳片にプレスによる鍛造を行い、その後に分塊圧延を行って直径が150mm以上の丸ビレットを製造する技術が提案されている。同文献に提案された技術は、連続鋳造の凝固末期の鋳片にロール圧下を行うこと、分塊圧延前の鋳片にプレス鍛造を行うこと、およびその後の鋳片に分塊圧延を行うことにより、ポロシティの圧着を図っている。
また、特許文献2には、縦横比が1.7〜3の鋳型を用いて、Crを5質量%以上含有する鋳片を連続鋳造し、この鋳片にプレスによる鍛造を行った後、分塊圧延を行って大断面のCr鋼ビレットを製造する技術が提案されている。同文献に提案された技術は、連続鋳造法で得られるCr鋼鋳片のサイズを規定するとともに、分塊圧延前に行うプレス鍛造の圧下条件を規定することにより、ポロシティの圧着を図っている。
特許文献3には、凝固収縮率が4%以上である鋼、例えばCr鋼やステンレス鋼の溶鋼から、縦横比が1.8〜4の鋳片を連続鋳造し、この鋳片に所定の条件を満たす圧下量でプレスによる鍛造を行った後、分塊圧延を行ってビレットを製造する技術が提案されている。同文献に提案された技術は、特定の凝固収縮率を有する溶鋼を用い、連続鋳造法で得られる鋳片のサイズを規定するとともに、分塊圧延前に行うプレス鍛造の圧下条件を規定することにより、ポロシティの圧着を図っている。
しかし、前記特許文献1〜3に提案の技術では、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の互いの関連性は考慮されていない。このため、鍛錬比4以下の炭素鋼または低合金鋼のビレット、厚みが350mm以上の鋳片を用いたCr鋼またはステンレス鋼のビレット、および、鍛錬比が6以下の高Cr−Ni合金鋼のビレットにおいては、後述する実施例からも明らかなように、ポロシティの圧着が不十分であり、内部品質を確保できない場合がある。
特開平11−254002号公報 特開2006−43743号公報 特開2006−167736号公報
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、鍛錬比4以下の炭素鋼または低合金鋼のビレット、厚みが350mm以上の鋳片を用いたCr鋼またはステンレス鋼のビレット、および、鍛錬比が6以下の高Cr−Ni合金鋼のビレットの製造に関し、ポロシティを十分に圧着させてビレットの内部品質を確保でき、しかも生産性に優れたビレットの製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記目的を達成するため、連続鋳造法による鋳片を用いたビレットの製造において、ポロシティの圧着作用を生じる工程、すなわち、連続鋳造の凝固末期の鋳片をロールにより圧下する工程(以下、「ロール圧下」という)、分塊圧延前の鋳片をインラインで全長に亘って幅方向に逐次プレスにより鍛造する工程(以下、「プレス鍛造」という)、および所望のビレットサイズに鋳片を圧延する工程(以下、「分塊圧延」という)の全ての工程に着目し、鋭意検討を重ねた結果、下記の知見を得た。
連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延は、ポロシティの圧着に影響を及ぼす度合い(以下、「ポロシティ圧着影響度」という)が互いに異なる。これらのうちで、連続鋳造時のロール圧下は、凝固末期の鋳片に行うものであり、中心部と表面部との温度差が著しく、且つ中心部が未凝固状態の鋳片を圧下させるため、有効にポロシティを圧着させることができ、最もポロシティ圧着影響度が大きい。
分塊圧延前のプレス鍛造は、プレスを用いて鋳片を圧下方向に圧縮させる。一方、分塊圧延は、ロールを用いて行うため、鋳片を圧下方向に圧縮させるよりも長手方向に延伸させるのが主体である。このため、プレス鍛造と分塊圧延を比較すると、プレス鍛造の方が分塊圧延よりもポロシティ圧着影響度が大きい。これらのことから、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、分塊圧延の順に、ポロシティ圧着影響度が小さくなる。
また、ポロシティの発生率は、連続鋳造に用いる鋳型の長辺長さ(Ll)を短辺長さ(Ls)で除した縦横比(Ll/Ls)によって変動する。すなわち、鋳型の縦横比が小さいほど、鋳片中心部の比率が減少することから、鋳片中心部にポロシティが集積しやすく、ポロシティの発生率が増加する。一方、鋳型の縦横比が大きいほど、鋳片中心部の比率が増加することから、ポロシティが分散し、ポロシティの発生が抑制される。このようなポロシティの発生率の変動傾向は、造塊法による鋼塊にも同様に現れ、この場合は鋼塊の初期の長辺長さを短辺長さで除した縦横比に依存する。
また、分塊圧延前のプレス鍛造では、プレス鍛造の条件によって、上記のポロシティ圧着影響度が変動する。これに関し、剛塑性有限要素法による数値解析を実施した。
図1は、数値解析で用いたプレス鍛造の条件を説明する模式図である。ここでは、被鍛造材として、13質量%Cr鋼で、幅Bが700mm、厚みが390mmの長尺の鋳片を採用し、1000℃に加熱した鋳片を幅Bの方向にプレス鍛造で圧下する状況を解析した。その際、同図(a)に示すように、1回目のプレスで、鍛造される部位の長さLを600mmとして圧下を行い、これ続いて2回目、3回目のプレスで、同図(b)に示すように、その長さLを1回目プレス時の半分の300mmとして圧下を行い、いずれの圧下量も150mmとした。
図2は、プレス鍛造の数値解析結果を示す図である。同図中、横軸は鋳片の長手方向の位置を示し、縦軸は鋳片の長手方向に沿って1回目、2回目および3回目のプレス鍛造を行ったときの鋳片中心部に発生する相当歪を示す。鋳片中心部の相当歪が大きいほど、ポロシティの圧着効果が向上することを示す。鋳片におけるプレス鍛造される部位の長さL、およびそのプレス方向の幅Bとした場合、同図に示すように、比L/Bが0.86である1回目のプレスでは、比L/Bが0.43である2、3回目のプレスよりも鋳片中心部の相当歪が大きい。すなわち、比L/Bが大きいプレス鍛造は、同じプレス鍛造でも、ポロシティの圧着効果が向上し、ポロシティ圧着影響度が大きくなる。
このように、本発明者らは、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延が、ポロシティ圧着影響度において互いに関連性があることを知見し、この知見から、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の全ての工程を総合的に勘案するとともに、ポロシティの発生率に影響を及ぼす鋳型の縦横比も考慮して、下記に示す指標Aを導き出した。
指標A=10×b+4×c+α×d+e
指標Aにおいて、bは、鋳型の縦横比を示し、「鋳型の長辺長さ/短辺長さ」で表される。cは、連続鋳造時のロール圧下に伴う鋳片断面積の減少比(以下、「ロール圧下比」という)を示し、「(ロール圧下前の鋳片の断面積−ロール圧下後の鋳片の断面積)/鋳型の断面積[%]」で表される。dは、プレス鍛造に伴う鋳片断面積の減少比(以下、「プレス鍛造比」という)を示し、「(プレス鍛造前の鋳片の断面積−プレス鍛造後の鋳片の断面積)/鋳型の断面積[%]」で表される。eは、分塊圧延に伴う鋳片断面積の減少比(以下、「分塊圧延比」という)を示し、「(分塊圧延前の鋳片の断面積−分塊圧延後の鋳片の断面積)/鋳型の断面積[%]」で表される。
指標Aにおいては、ポロシティ圧着影響度が、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、分塊圧延の順に、小さくなることから、これに対応して各工程の重み付けを行い、ロール圧下比b、プレス鍛造比c、および分塊圧延比dに与える係数を、順に小さくなるように、それぞれ、4、α(1を超え2以下)、および1としている。
指標Aのαは、前記図2に示す数値解析結果に基づいて導き出した係数であり、分塊圧延前の鋳片のプレス鍛造におけるポロシティ圧着影響度に対応して、鋳片におけるプレス鍛造される部位の長さL、およびそのプレス方向の幅Bとした場合、比L/Bが1以上のときは、2.0とし、比L/Bが1未満のときは、1+(L/B)とする。
また、本発明者らは、造塊法による鋼塊を用いたビレットの製造でも同様に、プレス鍛造、および分塊圧延が、ポロシティ圧着影響度において互いに関連性があることを知見し、この知見から、プレス鍛造、および分塊圧延の全ての工程を総合的に勘案するとともに、ポロシティの発生率に影響を及ぼす鋼塊の初期の縦横比も考慮して、下記に示す指標A’を導き出した。
指標A’=10×b+α×d+e
指標A’において、bは、鋼塊の初期の縦横比を示し、「鋼塊の初期の長辺長さ/短辺長さ」で表される。dは、プレス鍛造に伴う鋼塊断面積の減少比(以下、「プレス鍛造比」という)を示し、「(プレス鍛造前の鋼塊の断面積−プレス鍛造後の鋼塊の断面積)/鋼塊の初期断面積[%]」で表される。eは、分塊圧延に伴う鋼塊断面積の減少比(以下、「分塊圧延比」という)を示し、「(分塊圧延前の鋼塊の断面積−分塊圧延後の鋼塊の断面積)/鋼塊の初期断面積[%]」で表される。
指標A’においても、ポロシティ圧着影響度がプレス鍛造よりも分塊圧延の方が小さくなることから、これに対応して各工程の重み付けを行い、プレス鍛造比d、およびロール圧延比eに与える係数を、順に小さくなるように、それぞれ、α(1を超え2以下)、および1としている。
指標A’のαも、前記図2に示す数値解析結果に基づいて導き出した係数であり、鋼塊のプレス鍛造におけるポロシティ圧着影響度に対応して、鋼塊におけるプレス鍛造される部位の長さL、およびそのプレス方向の幅Bとした場合、比L/Bが1以上のときは、2.0とし、比L/Bが1未満のときは、1+(L/B)とする。
そして、本発明者らは、鋳片を用いて行う、鍛錬比4以下の炭素鋼または低合金鋼のビレット、厚みが350mm以上の鋳片を用いたCr鋼またはステンレス鋼のビレット、および、鍛錬比が6以下の高Cr−Ni合金鋼のビレットの製造において、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の条件を種々変更させた試験を行った結果、指標Aが所定の条件を満足することにより、ポロシティを十分に圧着させてビレットの内部品質を確保できることを見い出し、下記(1)〜(3)に示すビレットの製造方法の発明を完成させた。
また、本発明者らは、鋼塊を用いて行う鍛錬比が6以下の高Cr−Ni合金鋼のビレットの製造においても、プレス鍛造、および分塊圧延の条件を種々変更させた試験を行った結果、指標A’が所定の条件を満足することにより、ポロシティを十分に圧着させてビレットの内部品質を確保できることを見い出し、下記(4)に示すビレットの製造方法の発明を完成させた。
(1)機械構造用炭素鋼または低合金鋼のビレットの製造方法であって、連続鋳造法により得られる鋳片を用いて鍛錬比が4以下のビレットを製造する際、下記(1)式の関係を満たす条件で、連続鋳造の凝固末期の鋳片にロールにより圧下を行うこと、および分塊圧延前の鋳片にプレスにより鍛造を行うことのうちの少なくとも1つを行い、その後の鋳片に分塊圧延を行うことを特徴とするビレットの製造方法。
指標A(=10×b+4×c+α×d+e)≧88.5 ・・・(1)
(2)Crを8.0質量%以上含有するCr鋼またはステンレス鋼のビレットの製造方法であって、連続鋳造法により得られる厚みが350mm以上の鋳片を用いてビレットを製造する際、下記(2)式の関係を満たす条件で、連続鋳造の凝固末期の鋳片にロールにより圧下を行うこと、および分塊圧延前の鋳片にプレスにより鍛造を行うことのうちの少なくとも1つを行い、その後の鋳片に分塊圧延を行うことを特徴とするビレットの製造方法。
指標A(=10×b+4×c+α×d+e)≧94.0 ・・・(2)
(3)CrおよびNiをそれぞれ18.0質量%以上含有する高合金鋼のビレットの製造方法であって、連続鋳造法により得られる鋳片を用いて鍛錬比が6以下のビレットを製造する際、下記(3)式の関係を満たす条件で、連続鋳造の凝固末期の鋳片にロールにより圧下を行うこと、および分塊圧延前の鋳片にプレスにより鍛造を行うことのうちの少なくとも1つを行い、その後の鋳片に分塊圧延を行うことを特徴とするビレットの製造方法。
指標A(=10×b+4×c+α×d+e)≧97.2 ・・・(3)
(4)CrおよびNiをそれぞれ18.0質量%以上含有する高合金鋼のビレットの製造方法であって、造塊法により得られる鋼塊を用いて鍛錬比が6以下のビレットを製造する際、下記(4)式の関係を満たす条件で、鋼塊にプレスにより鍛造を行い、または鋼塊に一次的な分塊圧延を行った後にプレスにより鍛造を行い、その後の鋼塊に分塊圧延を行うことを特徴とするビレットの製造方法。
指標A’(=10×b+α×d+e)≧97.2 ・・・(4)
上記(4)のビレットの製造方法において、鋼塊にプレス鍛造を行う前に一次的な分塊圧延を行った場合、e(鋼塊の分塊圧延比)は、プレス鍛造前の一次的な分塊圧延に伴う鋼塊の分塊圧延比と、プレス鍛造後の最終的な分塊圧延に伴う鋼塊の分塊圧延比とを合計したものである。
また、上記(1)、(3)および(4)のビレットの製造方法において、鍛錬比は、「鋳型の断面積/ビレットの断面積」を意味する。
本発明のビレットの製造方法によれば、炭素鋼または低合金鋼のビレットを製造する際、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の互いのポロシティ圧着影響度、並びに鋳型の縦横比を考慮した上記(1)式を規定し、この(1)式を満足する条件で連続鋳造時のロール圧下、プレス鍛造、および分塊圧延を行うことにより、鍛錬比が4以下であっても、ポロシティを十分に圧着させてビレットの内部品質を確保することができる。しかも、鋼塊を用いる必要はないことから、鋳片を用いて高い生産性を確保でき、低コストでビレットを製造することができる。
また、Cr鋼またはステンレス鋼のビレットを製造する際は、上記(2)式を満足する条件で連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延を行うことにより、厚みが350mm以上の鋳片を用いても、ポロシティを十分に圧着させてビレットの内部品質を確保することができ、しかも、鋳片を用いて高い生産性を確保できることから、低コストでビレットを製造することができる。
また、高Cr−Ni合金鋼のビレットを製造する際は、鋳片を用いて上記(3)式を満足する条件で連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延を行い、または鋼塊を用いて上記(4)式を満足する条件でプレス鍛造、および分塊圧延を行うことにより、鍛錬比が6以下であっても、ポロシティを十分に圧着させてビレットの内部品質を確保することができる。しかも、全鍛造を行う必要がないことから、高い生産性を確保でき、低コストでビレットを製造することができる。
上記(1)〜(4)に示す通りに本発明のビレットの製造方法を規定した理由を、以下に説明する。
A.上記(1)に示す機械構造用炭素鋼または低合金鋼のビレットの製造方法
A−1.鋳片を用いて4以下の鍛錬比
炭素鋼または低合金鋼のビレットの製造においては、JIS規格で鍛錬比は4以上と規定されており、鍛錬比が4を下回ると、鋳片に発生したポロシティが分塊圧延で圧着されず、ビレットの内部品質が悪化するおそれがある。このため、従来は、鋳片からのビレットの製造では鍛錬比4以上を確保できない場合、鋼塊からビレットを製造せざるを得ず、生産性が低下し、製造コストが増加していた。
そこで、上記(1)に示す製造方法では、生産性に優れた連続鋳造法による鋳片を用い、鍛錬比が4以下であっても、ポロシティを十分に圧着させて内部品質を確保できるビレットの製造方法を対象とした。
A−2.指標A(=10×b+4×c+α×d+e)≧88.5
下記の表1に示す化学組成の炭素鋼および低合金鋼について、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の条件を種々変更させた試験を行い、指標Aによるビレットの内部品質への影響を調査した。
Figure 2009248112
具体的には、湾曲式連続鋳造機を用い、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度(タンディッシュ内の溶鋼温度と液相線温度との差)ΔTを約80〜20℃として連続鋳造を行った。その際、引き抜き速度は、短辺が390mmおよび410mmの鋳型を用いた場合、0.3〜0.45m/分とし、短辺が600mmの鋳型を用いた場合、0.2〜0.3m/分とした。また、一部の試験では、鋳片の凝固末期の位置、例えば鋳片の中心部固相率fsが0.8近傍となる位置で、ロール圧下を行った。さらに、ロール圧下を行った一部の試験では、鋳型から引き抜かれた鋳片の厚みを鋳型の短辺よりも一旦厚くなるように一対のガイドロールの間隔を広げてバルジングさせた。
その後、分塊圧延に移行し、鋳片を加熱して、インラインのプレス機によってプレス鍛造を行い、続いて分塊圧延を実施した。連続鋳造時にロール圧下を行った鋳片については、その一部の試験でプレス鍛造を行わなかった。こうして、鍛錬比が4以下となる丸ビレットを製作した。
製作したビレットを超音波探傷(以下、「UST」という)により検査し、ビレットの内部品質を評価した。USTは、JIS規格のZ2344およびZ2345に準拠し、STB−G V15−2.8の標準試験片を用いて基準のエコー高さを80%に設定し、垂直探傷にてビレットの検査を行った。
図3は、炭素鋼および低合金鋼のビレットについて、指標AとUSTによる検出エコー高さとの関係を示す図である。同図において、USTによる検出エコー高さが基準エコー高さ(80%)よりも高いと、直径2.8mmよりも大きいサイズに相当するポロシティがビレットに存在するため、この場合はポロシティの圧着が不十分で内部品質を確保することができない。また、指標Aは、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の各条件に従って、鋳型の縦横比b、ロール圧下比c、プレス鍛造比d、分塊圧延比e、および係数αに基づき算出した。
同図に示す試験結果から、指標Aが88.5以上であれば、鋳片から製造されたビレットは、鍛錬比が4以下であっても、USTによる検出エコー高さを基準エコー高さ以下に抑えることができる。すなわち、指標Aが88.5以上となる条件で、連続鋳造時のロール圧下、および分塊圧延前のプレス鍛造のうちの少なくとも1つを行い、その後に分塊圧延を行うことにより、鍛錬比が4以下であっても、ポロシティを十分に圧着させてビレットの内部品質を確保することができる。そこで、上記(1)に示す製造方法では、指標A(=10×b+4×c+α×d+e)≧88.5を規定した。
B.上記(2)に示すCrを8.0質量%以上含有するCr鋼またはステンレス鋼のビレットの製造方法
B−1.厚みが350mm以上の鋳片
例えば、マンネスマン製管に用いられる大断面のCr鋼ビレットまたはステンレス鋼ビレットを製造する場合、厚みが350mm以上の鋳片を用いると、連続鋳造時に鋳片の中心部で冷却速度が遅いため、CrやCの濃化に起因してポロシティが発生しやすい。このようなCr鋼またはステンレス鋼で発生するポロシティは、分塊圧延で圧着されず、ビレットの内部品質を悪化させ、その後のマンネスマン製管時に鋼管の内面にかぶれ疵などの内面疵を発生させる。このため、従来は、マンネスマン製管で用いられる大断面のCr鋼ビレットまたはステンレス鋼ビレットを製造する場合、造塊法による鋼塊を用いて製造せざるを得ず、生産性が低下し、製造コストが増加していた。
そこで、上記(2)に示す製造方法では、生産性に優れた連続鋳造法による厚みが350mm以上の鋳片を用いても、ポロシティを十分に圧着させて内部品質を確保できるビレットの製造方法を対象とした。
B−2.指標A(=10×b+4×c+α×d+e)≧94.0
下記の表2に示す化学組成のCr鋼およびステンレス鋼について、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の条件を種々変更させた試験を行い、指標Aによるビレットの内部品質への影響を調査した。
Figure 2009248112
具体的には、湾曲式連続鋳造機を用い、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度ΔTを約80〜20℃とし、引き抜き速度を0.3〜0.55m/分として連続鋳造を行った。その際、一部の試験では、鋳型から引き抜かれた鋳片をバルジングさせ、鋳片の中心部固相率fsが0.8近傍となる凝固末期の位置で、ロール圧下を行い、厚みが350mm以上の鋳片を連続鋳造した。
その後、分塊圧延に移行し、鋳片を加熱して、インラインのプレス機によってプレス鍛造を行い、続いて分塊圧延を実施した。連続鋳造時にロール圧下を行った鋳片については、その一部の試験でプレス鍛造を行わなかった。こうして、直径が310mmおよび360mmの丸ビレットを製作した。
製作したビレットをピアサミルおよびマンドレルミルを用いて、外径が198〜426mm、肉厚が9〜50mmの鋼管に製管し、その鋼管の内面を目視またはUSTにより検査し、その結果からビレットの内部品質を評価した。
図4は、Cr鋼およびステンレス鋼のビレットを用いたマンネスマン製管での鋼管について、指標Aと内面疵発生率との関係を示す図である。同図において、内面疵発生率は、検査本数に対してかぶれ疵などの内面疵が発生した本数の比率(%)で表される。内面疵発生率が4%を超えると、製管下工程の精整工程における手入れの負荷が大きくなるため、この場合のビレットは、ポロシティの圧着が不十分で内部品質を確保することができない水準のビレットといえる。また、指標Aは、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の各条件に従って、鋳型の縦横比b、ロール圧下比c、プレス鍛造比d、分塊圧延比e、および係数αに基づき算出した。
同図に示す試験結果から、指標Aが94.0以上であれば、内面疵発生率を製管下工程の精整工程における手入れの負荷を低減できる水準に抑えることが可能になる。すなわち、指標Aが94.0以上となる条件で、連続鋳造時のロール圧下、および分塊圧延前のプレス鍛造のうちの少なくとも1つを行い、その後に分塊圧延を行うことにより、厚みが350mm以上の鋳片を用いたビレットであっても、ポロシティを十分に圧着させてビレットの内部品質を確保することができる。そこで、上記(2)に示す製造方法では、指標A(=10×b+4×c+α×d+e)≧94.0を規定した。
C.上記(3)および(4)に示すCrおよびNiをそれぞれ18.0質量%以上含有する高合金鋼のビレットの製造方法
C−1.鋳片または鋼塊を用いて6以下の鍛錬比
例えば、ユジーン製管に用いられる高Cr−Ni合金鋼のビレットを製造する場合、鋳片または鋼塊の中心部に、固相線温度と液相線温度の差が著しいことに起因してポロシティが発生しやすい。この高Cr−Ni合金鋼で発生するポロシティは、分塊圧延で鍛錬比6以上を確保できない場合、圧着されずにビレットの内部品質を悪化させ、その後のユジーン製管用ビレットの中繰り加工時にビレットの内面に開口した疵を発生させる。このため、従来は、鍛錬比を6以上確保するため、オフラインで鋳片または鋼塊を全鍛造してビレットを製造せざるを得ず、生産性が低下し、製造コストが増加していた。
そこで、上記(3)および(4)に示す製造方法では、鋳片または鋼塊を用い、全鍛造することなく鍛錬比が6以下であっても、ポロシティを十分に圧着させて内部品質を確保できるビレットの製造方法を対象とした。
C−2.鋳片を用いる場合:指標A(=10×b+4×c+α×d+e)≧97.2、
鋼塊を用いる場合:指標A’(=10×b+α×d+e)≧97.2
下記の表3に示す化学組成の高Cr−Ni合金鋼について、鋳片を用いて、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の条件を種々変更させた試験を行い、指標Aによるビレットの内部品質への影響を調査した。これと合わせて、同様の高Cr−Ni合金鋼について、鋼塊を用いて、プレス鍛造、および分塊圧延の条件を種々変更させた試験を行い、指標A’によるビレットの内部品質への影響を調査した。
Figure 2009248112
具体的には、湾曲式連続鋳造機を用い、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度ΔTを約80〜20℃とし、引き抜き速度を0.3〜0.55m/分として連続鋳造を行った。その際、一部の試験では、鋳型から引き抜かれた鋳片をバルジングさせ、鋳片の中心部固相率fsが0.8近傍となる凝固末期の位置で、ロール圧下を行った。これに加え、造塊法により鋼塊を鋳造した。
その後、鋳片については、分塊圧延に移行し、鋳片を加熱して、インラインのプレス機によってプレス鍛造を行い、続いて分塊圧延を実施した。連続鋳造時にロール圧下を行った鋳片については、その一部の試験でプレス鍛造を行わなかった。
鋼塊については、プレス機の能力的な制約から、一旦分塊圧延ミルで一次的に分塊圧延を行って、鋼塊をプレス鍛造が可能なサイズにした後、インラインのプレス機によってプレス鍛造を行い、続いて分塊圧延を実施した。ただし、プレス機に十分な能力があれば、鋼塊を直接プレス鍛造することもできる。
こうして、鋳片および鋼塊から鍛錬比が6以下となる丸ビレットを製作した。製作したビレットにおけるビレット径の13%に相当する中心部領域を中繰り加工し、そのビレットの内面を目視により検査し、その結果からビレットの内部品質を評価した。
図5は、高Cr−Ni合金鋼の中繰り加工したビレットについて、指標AおよびA’と内面疵発生状況との関係を示す図である。同図において、内面疵発生状況が「良」とは、中繰り加工後のビレットの内面観察で開口した疵が認められなかった状況をいい、「不良」とは、同内面観察で開口した疵が認められた状況をいう。内面疵発生状況が「不良」である場合のビレットは、ポロシティの圧着が不十分で内部品質を確保することができない水準のビレットといえる。
また、指標Aは、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の各条件に従って、鋳型の縦横比b、ロール圧下比c、プレス鍛造比d、分塊圧延比e、および係数αに基づき算出した。同様に、指標A’は、プレス鍛造、および分塊圧延の各条件に従って、鋼塊の初期の縦横比b、プレス鍛造比d、分塊圧延比e、および係数αに基づき算出した。このとき、指標A’の分塊圧延比eは、プレス鍛造前の一次的な分塊圧延に伴う鋼塊の分塊圧延比と、プレス鍛造後の分塊圧延に伴う鋼塊の分塊圧延比とを合計したものを採用した。
同図に示す試験結果から、指標AおよびA’が97.2以上であれば、鋳片および鋼塊から製造されたビレットは、鍛錬比が6以下であっても、ユジーン製管用に中繰り加工された後、そのビレットの内面に開口した疵が発生しない。すなわち、鋳片を用いる場合、指標Aが97.2以上となる条件で、連続鋳造時のロール圧下、および分塊圧延前のプレス鍛造のうちの少なくとも1つを行い、その後に分塊圧延を行うことにより、鍛錬比が6以下であっても、ポロシティを十分に圧着させてビレットの内部品質を確保することができる。鋼塊を用いる場合は、指標A’が97.2以上となる条件で、プレス鍛造を行い、または一次的な分塊圧延を行った後にプレス鍛造を行い、その後に分塊圧延を行うことにより、鍛錬比が6以下であっても、ポロシティを十分に圧着させてビレットの内部品質を確保することが可能になる。
そこで、上記(3)に示す製造方法では、鋳片を用いて指標A(=10×b+4×c+α×d+e)≧97.2を規定し、上記(4)に示す製造方法では、鋼塊を用いて指標A’(=10×b+α×d+e)≧97.2を規定した。
このような本発明のビレットの製造方法による効果を確認するため、鋼種ごとに試験を行い、その結果を評価した。
上記(1)に示す機械構造用炭素鋼または低合金鋼のビレットの製造方法に関し、上述した指標A≧88.5を規定する際に行った試験と同様に、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の条件を種々変更させた試験を行った。表4および表5に、試験条件および試験結果を示す。
Figure 2009248112
Figure 2009248112
同表に示すように、試験番号2、3、5、7、9、10、12、14、16、18、20、22、24、28、31および32は、本発明で規定する範囲を満足する本発明例の試験である。これらの本発明例のうち、試験番号9、10、22、24および32では、分塊圧延に先立ち、連続鋳造時のロール圧下、およびプレス鍛造のいずれも行った。一方、試験番号5、7、12、18、20および31では、連続鋳造時のロール圧下を行わず、試験番号2、3、14、16および28では、分塊圧延前のプレス鍛造を行わなかった。また、試験番号28および32では、連続鋳造の際、ロール圧下の前にバルジングを行った。
いずれの本発明例でも、本発明で規定する前記(1)式の関係、すなわち指標A(=10×b+4×c+α×d+e)≧88.5を満たしており、得られたビレットにおいて、鍛錬比が4以下であっても、USTによる検出エコー高さを基準エコー高さ(80%)以下に抑えることができた。
一方、比較例の試験である試験番号1、4、6、8、11、13、15、17、19、21、23、25〜27、29、30および33では、本発明で規定する範囲を外れており、USTによる検出エコー高さを基準エコー高さ以下に抑えることができなかった。
したがって、本発明例では、造塊法による鋼塊を用いることなく、生産性に優れた連続鋳造で得られる鋳片を用い、鍛錬比が4以下であっても、ポロシティを十分に圧着させて内部品質を確保できるビレットが得られた。
上記(2)に示すCrを8.0質量%以上含有するCr鋼またはステンレス鋼のビレットの製造方法に関し、上述した指標A≧94.0を規定する際に行った試験と同様に、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の条件を種々変更させた試験を行った。表6および表7に、試験条件および試験結果を示す。
Figure 2009248112
Figure 2009248112
同表に示すように、試験番号1、3、4、7、11、12、14および18は、本発明で規定する範囲を満足する本発明例の試験である。これらの本発明例のうち、試験番号11および18では、分塊圧延に先立ち、連続鋳造時のロール圧下、およびプレス鍛造のいずれも行った。一方、試験番号4、7、14では、連続鋳造時のロール圧下を行わず、試験番号1、3、12では、分塊圧延前のプレス鍛造を行わなかった。また、試験番号1、3、11、12および18では、連続鋳造の際、ロール圧下の前にバルジングを行った。
いずれの本発明例でも、本発明で規定する前記(2)式の関係、すなわち指標A(=10×b+4×c+α×d+e)≧94.0を満たしており、得られたビレットから製作したマンネスマン製管での鋼管において、内面疵発生率を4%以下に抑えることができた。
一方、比較例の試験である試験番号2、5、6、8〜10、13および15〜17では、本発明で規定する範囲を外れており、得られたビレットから製作したマンネスマン製管での鋼管において、内面疵発生率を4%以下に抑えることができなかった。
したがって、本発明例では、造塊法による鋼塊を用いることなく、生産性に優れた連続鋳造で得られる厚みが350mm以上の鋳片を用いても、ポロシティを十分に圧着させて内部品質を確保できるビレットが得られた。
上記(3)および(4)に示すCrおよびNiをそれぞれ18.0質量%以上含有する高合金鋼のビレットの製造方法に関し、鋳片を用い、上述した指標A≧97.2を規定する際に行った試験と同様に、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の条件を種々変更させた試験を行った。これと合わせて、鋼塊を用い、上述した指標A’≧97.2を規定する際に行った試験と同様に、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の条件を種々変更させた試験を行った。表8および表9に、試験条件および試験結果を示す。
Figure 2009248112
Figure 2009248112
同表に示すように、試験番号1、3、4、10〜13、19〜21、23および26は、本発明で規定する範囲を満足する本発明例の試験であり、これらのうちの試験番号1、3および4は鋼塊を用い、残りは鋳片を用いた本発明例の試験である。鋼塊を用いた本発明例では、プレス鍛造、および分塊圧延を行う前に、鋼塊をプレス鍛造することが可能なサイズにロール圧延する一次的な分塊圧延を行った。
鋳片を用いた本発明例のうち、試験番号19、20、23および26では、分塊圧延に先立ち、連続鋳造時のロール圧下、およびプレス鍛造のいずれも行った。一方、試験番号10、11、12、13では、連続鋳造時のロール圧下を行わず、試験番号21では、分塊圧延前のプレス鍛造を行わなかった。また、試験番号19、20、21、23および26では、連続鋳造の際、ロール圧下の前にバルジングを行った。
いずれの本発明例でも、本発明で規定する、鋳片を用いる場合の前記(3)式の関係、すなわち指標A(=10×b+4×c+α×d+e)≧97.2、および、鋼塊を用いる場合の前記(4)式の関係、すなわち指標A’(=10×b+α×d+e)≧97.2を満たしており、得られたビレットを中繰り加工したユジーン製管用のビレットにおいて、内面に開口した疵が発生しなかった。
一方、比較例の試験である試験番号2、5〜9、14〜18、22、24および25では、本発明で規定する範囲を外れており、得られたビレットを中繰り加工したユジーン製管用のビレットにおいて、内面に開口した疵が発生した。
従って、本発明例では、鋳片または鋼塊を用い、全鍛造を行うことなく鍛錬比が6以下であっても、ポロシティを十分に圧着させて内部品質を確保できるビレットが得られた。
本発明のビレットの製造方法によれば、炭素鋼または低合金鋼のビレットを製造する際、連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延の互いのポロシティ圧着影響度、並びに鋳型の縦横比を考慮した所定の関係式を規定し、この関係式を満足する条件で連続鋳造時のロール圧下、プレス鍛造、および分塊圧延を行うことにより、鍛錬比が4以下であっても、ポロシティを十分に圧着させてビレットの内部品質を確保することができる。しかも、造塊法による鋼塊を用いる必要はなく、連続鋳造法による鋳片を用いて高い生産性を確保でき、低コストでビレットを製造することができる。
また、Cr鋼またはステンレス鋼のビレットを製造する際は、所定の関係式を満足する条件で連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延を行うことにより、厚みが350mm以上の鋳片を用いても、ポロシティを十分に圧着させてビレットの内部品質を確保することができる。しかも、鋼塊を用いる必要はなく、鋳片を用いて高い生産性を確保でき、低コストでビレットを製造することができる。
また、高Cr−Ni合金鋼のビレットを製造する際は、所定の関係式を満足する条件で、鋳片を用いて連続鋳造時のロール圧下、分塊圧延前のプレス鍛造、および分塊圧延を行い、または鋼塊を用いてプレス鍛造、および分塊圧延を行うことにより、鍛錬比が6以下であっても、ポロシティを十分に圧着させてビレットの内部品質を確保することができる。しかも、全鍛造を行う必要がないことから、高い生産性を確保でき、低コストでビレットを製造することができる。
数値解析で用いたプレス鍛造の条件を説明する模式図である。 プレス鍛造の数値解析結果を示す図である。 炭素鋼および低合金鋼のビレットについて、指標AとUSTによる検出エコー高さとの関係を示す図である。 Cr鋼およびステンレス鋼のビレットを用いたマンネスマン製管での鋼管について、指標Aと内面疵発生率との関係を示す図である。 高Cr−Ni合金鋼の中繰り加工したビレットについて、指標AおよびA’と内面疵発生状況との関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 機械構造用炭素鋼または低合金鋼のビレットの製造方法であって、
    連続鋳造法により得られる鋳片を用いて鍛錬比が4以下のビレットを製造する際、
    鋳型の縦横比b、連続鋳造時のロール圧下比c[%]、分塊圧延前のプレス鍛造比d[%]、および分塊圧延比e[%]、並びに係数αとした場合に、
    下記(1)式の関係を満たす条件で、連続鋳造の凝固末期の鋳片にロールにより圧下を行うこと、および分塊圧延前の鋳片にプレスにより鍛造を行うことのうちの少なくとも1つを行い、その後の鋳片に分塊圧延を行うことを特徴とするビレットの製造方法。
    10×b+4×c+α×d+e≧88.5 ・・・(1)
    ただし、b:鋳型の長辺長さ/短辺長さ、
    c:(ロール圧下前の鋳片の断面積−ロール圧下後の鋳片の断面積)/鋳型の断面積、
    d:(プレス鍛造前の鋳片の断面積−プレス鍛造後の鋳片の断面積)/鋳型の断面積、
    e:(分塊圧延前の鋳片の断面積−分塊圧延後の鋳片の断面積)/鋳型の断面積、
    α:プレス鍛造の条件により1を超え2以下の範囲で設定される係数。
  2. Crを8.0質量%以上含有するCr鋼またはステンレス鋼のビレットの製造方法であって、
    連続鋳造法により得られる厚みが350mm以上の鋳片を用いてビレットを製造する際、
    鋳型の縦横比b、連続鋳造時のロール圧下比c[%]、分塊圧延前のプレス鍛造比d[%]、および分塊圧延比e[%]、並びに係数αとした場合に、
    下記(2)式の関係を満たす条件で、連続鋳造の凝固末期の鋳片にロールにより圧下を行うこと、および分塊圧延前の鋳片にプレスにより鍛造を行うことのうちの少なくとも1つを行い、その後の鋳片に分塊圧延を行うことを特徴とするビレットの製造方法。
    10×b+4×c+α×d+e≧94.0 ・・・(2)
    ただし、b:鋳型の長辺長さ/短辺長さ、
    c:(ロール圧下前の鋳片の断面積−ロール圧下後の鋳片の断面積)/鋳型の断面積、
    d:(プレス鍛造前の鋳片の断面積−プレス鍛造後の鋳片の断面積)/鋳型の断面積、
    e:(分塊圧延前の鋳片の断面積−分塊圧延後の鋳片の断面積)/鋳型の断面積、
    α:プレス鍛造の条件により1を超え2以下の範囲で設定される係数。
  3. CrおよびNiをそれぞれ18.0質量%以上含有する高合金鋼のビレットの製造方法であって、
    連続鋳造法により得られる鋳片を用いて鍛錬比が6以下のビレットを製造する際、
    鋳型の縦横比b、連続鋳造時のロール圧下比c[%]、分塊圧延前のプレス鍛造比d[%]、および分塊圧延比e[%]、並びに係数αとした場合に、
    下記(3)式の関係を満たす条件で、連続鋳造の凝固末期の鋳片にロールにより圧下を行うこと、および分塊圧延前の鋳片にプレスにより鍛造を行うことのうちの少なくとも1つを行い、その後の鋳片に分塊圧延を行うことを特徴とするビレットの製造方法。
    10×b+4×c+α×d+e≧97.2 ・・・(3)
    ただし、b:鋳型の長辺長さ/短辺長さ、
    c:(ロール圧下前の鋳片の断面積−ロール圧下後の鋳片の断面積)/鋳型の断面積、
    d:(プレス鍛造前の鋳片の断面積−プレス鍛造後の鋳片の断面積)/鋳型の断面積、
    e:(分塊圧延前の鋳片の断面積−分塊圧延後の鋳片の断面積)/鋳型の断面積、
    α:プレス鍛造の条件により1を超え2以下の範囲で設定される係数。
  4. CrおよびNiをそれぞれ18.0質量%以上含有する高合金鋼のビレットの製造方法であって、
    造塊法により得られる鋼塊を用いて鍛錬比が6以下のビレットを製造する際、
    鋼塊の初期縦横比b、プレス鍛造比d[%]、および分塊圧延比e[%]、並びに係数αとした場合に、
    下記(4)式の関係を満たす条件で、鋼塊にプレスにより鍛造を行い、または鋼塊に一次的な分塊圧延を行った後にプレスにより鍛造を行い、その後の鋼塊に分塊圧延を行うことを特徴とするビレットの製造方法。
    10×b+α×d+e≧97.2 ・・・(4)
    ただし、b:鋼塊の初期の長辺長さ/短辺長さ、
    d:(プレス鍛造前の鋼塊の断面積−プレス鍛造後の鋼塊の断面積)/鋼塊の初期断面積、
    e:(分塊圧延前の鋼塊の断面積−分塊圧延後の鋼塊の断面積)/鋼塊の初期断面積、
    α:プレス鍛造の条件により1を超え2以下の範囲で設定される係数。
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