JP2019107695A - 継目無鋼管の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外面疵の発生を防止して、外面品質に優れた継目無鋼管を得ることが出来る、継目無鋼管の製造方法を提供する。【解決手段】マンネスマン−プラグミル法による継目無鋼管の製造方法であって、鋼鋳片をピアサーミルで穿孔して中空素管5とし、前記中空素管をエロンゲータで拡管し、上下一対の主ロール7a及び上下一対の戻しロールを有するプラグミルで延伸圧延を行うに際し、前記延伸圧延を、下記(1)式で定義されるEが0以下となる条件で行う、継目無鋼管の製造方法。E=(0.390×π(φE−φP)−45.1)÷(0.113×(φP×tE÷tP))+(D÷1000)…(1)、ここで、D:主ロールの直径(mm)、φE:延伸圧延前の中空素管の外径(mm)、φP:延伸圧延後の中空素管の外径(mm)、tE:延伸圧延前の中空素管の肉厚(mm)、tP:延伸圧延後の中空素管の肉厚(mm)【選択図】図1

Description

本発明は、マンネスマン−プラグミル法による継目無鋼管の製造方法に関する。特に、本発明は、外面疵の発生を防止して、外面品質に優れた継目無鋼管を得ることが出来る、継目無鋼管の製造方法に関する。
一般に、継目無鋼管の製造方法の一つとして、マンネスマン−プラグミル法がある。この方法では、図3に示すように、鋼鋳片(例えば、丸ビレット)である素材1を、加熱炉2で加熱し、加熱後の素材1にピアサーミル3でプラグ4を押し当て穿孔し、中空素管5を形成する。引き続き、中空素管(被圧延材とも称する)5は、エロンゲータ6、プラグミル7(延伸用)、リーラー8(磨管用)を有する圧延機で管体9の形状にまで成形圧延される。具体的には、この中空素管5の孔(中空孔)に、穿孔時と同様にプラグ4を挿入して、エロンゲータ6で拡管し、プラグミル7で延伸圧延(以下、プラグミル圧延と称する場合もある)し、リーラー8で磨管を行う。
得られた成形圧延後の管体9は、さらに再加熱炉10を経て、サイジングミル11という多段の絞り圧延機によりを所定の寸法まで絞り込まれる。その後、図示しない切断機により一定の長さ(例えば、約14m程度)に切断され、製品とされる。
上記した製造工程において、プラグミル7では、1対の孔型ロール(主ロール)と内面工具(プラグ)を用い、通常2パスあるいはそれ以上のパス数で圧延が行われる。各パスとその次のパスでは、主ロールのカリバー底に接触させる被圧延材の円周方向位置を90度ずらして圧延が行われる。この圧延を行う際、主ロールの上ロールおよび下ロールの間の領域に自由変形部(フランジ部)を有しており、圧延条件によって自由変形部での被圧延材の幅広がり量が変化する。特に自由変形部の幅広がり量が過大となった場合、後工程のリーラーミルでこの幅広がり部分が倒れることにより外面疵となることがあった。
プラグミル圧延方式として、例えば、特許文献1には、適切な径のプラグを用いることで局部的な大圧下領域をなくし、偏肉および疵を抑制する技術が記載されている。
特開2014−166649号公報
近年、油田やガス田の開発、熱交換機、化学プラント用配管、および構造用部材として要求される継目無鋼管には、薄肉化あるいは長尺化の要求が強まっている。薄肉化あるいは長尺化が要求された場合、プラグミル圧延での圧下率および縮径率が大きくなり、圧延中の幅広がりが増加しやすい。その結果、幅広がり量が過大になることにより外面疵の問題が発生している。
この外面疵の発生という問題に対しては、従来、圧下率および縮径率を一定以下に抑えるために、プラグミル圧延前のビレット径や圧延に供するミルの工具サイズを複数種類保有することで、所望の製品サイズに作り分けることを行っている。しかし、工具替え時間の短縮や、鋳片を製造し初期サイズを決定した後における最終製品サイズの変更対応範囲拡大(最終製品サイズ変更の対応のしやすさ)の観点から、単一の工具サイズあるいは単一の初期鋳片サイズで作り分けられる製品サイズの範囲を拡大することが望まれる。そのため、プラグミルの圧延に対し、縮径および大圧下圧延のニーズ、すなわち圧下率および縮径率が大きな圧延条件であっても、幅広がり量を小さくできるプラグミル圧延のニーズがある。
また、上述した従来のプラグミル圧延では、圧延条件により自由変形部の幅広がり量が過大となり、後工程のリーラーミルで倒れて外面疵となるため、歩留りの低下を招く問題もある。
特許文献1に記載の方法は、内面疵の大幅な低減に有効な技術であるが、外面疵については考慮されていなかった。
本発明は係る問題に鑑み、外面疵の発生を防止して、外面品質に優れた継目無鋼管を得ることが出来る、継目無鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するため、プラグミル圧延のセットアップの改善とそれによる幅広がり量の抑制について鋭意検討をした結果、次の知見を得た。
幅広がりは、管の周方向の長さが過大となったために素材がロールカリバーの外へ出る現象だと解釈できる。そのため、幅広がり量の抑制には、プラグミル圧延中に長手方向への伸展を促進させ、周方向への伸展を抑制することが有効であると着想した。
そこで、本発明者らは、圧延実験および計算(FEA:有限要素解析)による幅広がり量の調査の結果、対向する主ロールとプラグとの間で素材の長手方向への伸びを抑制する因子として、管外面の主ロールとの接触による拘束、および管内面のプラグとの接触による拘束があることを見出した。
そして、さらに検討を重ねた結果、主ロールの直径と、延伸圧延前後における管の外径と肉厚とが、所定の条件を満たすように圧延条件を制御することにより、長手方向への伸展が促進されて幅広がり量を抑制できることを見出した。
本発明は上述の知見に基づいてなされたものであり、以下を要旨とするものである。
1.マンネスマン−プラグミル法による継目無鋼管の製造方法であって、
鋼鋳片をピアサーミルで穿孔して中空素管とし、
前記中空素管をエロンゲータで拡管し、
上下一対の主ロール及び上下一対の戻しロールを有するプラグミルで延伸圧延を行うに際し、
前記延伸圧延を、下記(1)式で定義されるEが0以下となる条件で行う、継目無鋼管の製造方法。
E=(0.390×π(φ−φ)−45.1)÷(0.113×(φ×t÷t))+(D÷1000)…(1)
ここで、
D:主ロールの直径(mm)
φ:延伸圧延前の中空素管の外径(mm)
φ:延伸圧延後の中空素管の外径(mm)
:延伸圧延前の中空素管の肉厚(mm)
:延伸圧延後の中空素管の肉厚(mm)
2.前記主ロールの直径Dが500mm以上1300mm以下である、上記1に記載の継目無鋼管の製造方法。
本発明によれば、マンネスマン−プラグミル法による継目無鋼管の製造において、外面疵の発生を防止して、外面品質に優れた継目無鋼管を得ることが出来る。
本発明のプラグミル圧延を説明する模式図であり、図1(A)はプラグミル圧延中の側面断面図であり、図1(B)は図1(A)におけるA−A線断面図である。 本発明の一実施形態における、幅広がり量と回帰式で求められた幅広がり量との関係を説明するグラフである。 一般的な継目無鋼管の製造過程を説明する概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
まず、本発明の技術思想について説明する。図1は、プラグミルを用いた継目無鋼管の延伸圧延(以下、プラグミル圧延と称することもある。)を説明する模式図である。なお、プラグミル7は、図3に示すように、上下一対の主ロール7a及び上下一対の戻しロール7bを有するが、本発明では主ロール7aでの圧延が外面疵に影響していることに着目した。そのため、図1(A)、(B)には主ロール7aにおけるプラグミル圧延の状態を断面図で示す。
図1(A)に示すように、プラグミル圧延では、中空素管5(以下、被圧延材と称する場合もある)の管外側に上下に配置される一対の主ロール(孔型ロールと称することもある)7aと、管内側に挿入されるプラグ4を用いる。ここでは、上側に配置される主ロールを上ロール、下側に配置される主ロールを下ロールと称する。通常、プラグミル圧延は、これに先立つエロンゲータによる拡管(エロンゲータ圧延)により減肉された略円形断面の中空素管を出発素材とし、1パス目の圧延後、再度入側へ戻して2パス目の圧延を行う。2パス目の圧延は、圧下位置を、1パス目の圧下位置より周方向に90度変更して行われる。
ここでは、図1(B)に示すように、カリバーの断面形状が略円弧形の主ロール7aと、断面形状が円形のプラグ4を用いる。上側の主ロール7aと下側の主ロール7aは、所定の間隔で配置され、フランジ部12を形成する。なお、プラグミル圧延で用いられる主ロール7aのカリバー形状には、大別して直線の逃げをもつものと円弧の逃げをもつものがあるが、本発明では特に限定しない。
本発明において、プラグミル圧延で生じる幅広がりは、圧延後の鋼管の周長が狙い長さよりも過大となるために発生するものと考えた。
そこで、汎用ソフトであるAbaqus standardを用いたFEA(有限要素解析)によって検討を行い、周長に関連すると考えられる因子と幅広がり量との関係を調査した結果、次の3つの因子が幅広がり量に大きく影響していることを見出した。
(1)延伸圧延前後の鋼管の円周差:π(φ−φ)
(2)延伸圧延前後の鋼管の減肉率と延伸圧延後の外径との積:φ×t÷t
(3)主ロールの直径:D
ここで、
φ:延伸圧延前の中空素管の外径(mm)
φ:延伸圧延後の中空素管の外径(mm)
:延伸圧延前の中空素管の肉厚(mm)
:延伸圧延後の中空素管の肉厚(mm)
本発明において主ロールの直径とは、主ロールのボトム部における直径を指すものとする。ボトム部とは、主ロールの外周面に設けられたカリバー(溝)の底部であり、言い換えると、主ロールの直径が最も小さくなる部分である。通常、ボトム部は、図1(B)に示すように、主ロールの幅方向中央にあたる。
本発明において延伸圧延前の中空素管の外径とは、プラグミルによる延伸圧延に供される中空素管、すなわち、エロンゲータによる拡管後の中空素管の外径を指す。また、延伸圧延後の中空素管の外径とは、プラグミルによる延伸圧延が完了した時点における中空素管の外径を指す。なお、ここで前記「外径」は、管の、主ロールのボトム部に対向する位置における直径、すなわち、図1(B)の上下方向における直径を指すものとする。前記直径は、レーザー外径測定器等を用いて測定することができる。
本発明において延伸圧延前の中空素管の肉厚とは、プラグミルによる延伸圧延に供される中空素管、すなわち、エロンゲータによる拡管後の中空素管の肉厚を指す。また、延伸圧延後の中空素管の肉厚とは、プラグミルによる延伸圧延が完了した時点における中空素管の肉厚を指す。ここで、「肉厚」としては、使用したビレットの体積、前記の方法で測定した中空素管の外径、およびレーザー変位計等で測定した中空素管の長手方向における長さから算出される平均肉厚を用いる。
上記(1)〜(3)の因子のうち、(1)および(2)は、どちらもプラグミル圧延による円周方向の長さ変化に寄与するパラメータである。FEAによる検討の結果、鋼管の幅広がり量は、これら2つの変数の一次式で近似できることを見出した。
また、プラグミル圧延後の周長を増加させないためには、減肉された分の体積を鋼管周方向ではなく、鋼管長手方向への伸びに変える必要がある。検討の結果、圧延に用いられる主ロール7aの直径Dを制御して主ロールのカリバー底部と被圧延材との接触長を減少させ、被圧延材の長手方向の拘束を減らすことにより、長手方向への伸びを増加させ周長増加を抑制できることを見出した。
さらに、幅広がり量におよぼす主ロール径の影響について、実際の圧延した結果とFEAによる計算結果を比較することにより、幅広がり量の回帰式の(φ×t÷t)の回帰係数が上記(3)の主ロールの直径:Dに比例すると仮定すると、計算幅広がり量の精度を向上できることを見出した。
具体的には、幅広がり量Qは、下記の一次式(a)によって近似することができる。
Q=P+A×π(φ−φ)+C×(φ×t÷t)×(D÷1000)…(a)
ここで、上記式における各記号の意味は次の通りである。
P:切片
A:π(φ−φ)の回帰係数
C:(φ×t÷t)×(D÷1000)の回帰係数
D:主ロールの直径(mm)
φ:延伸圧延前の中空素管の外径(mm)
φ:延伸圧延後の中空素管の外径(mm)
:延伸圧延前の中空素管の肉厚(mm)
:延伸圧延後の中空素管の肉厚(mm)
上記(a)式における回帰係数A、Cと、切片Pは、様々な条件でFEAを行って幅広がり量Qを求め、その結果を用いて重回帰分析を行うことによって決定することができる。
実際の製造プロセスでは、幅広がり量Qがある一定値を超えると外面疵が発生する。そこで、外面疵が発生しない幅広がり量Qの上限値をQとすると、外面疵が発生しない条件は下記(b)式で表すことができる。
P+A×π(φ−φ)+C×(φ×t÷t)×(D÷1000)≦Q…(b)
上記(b)式におけるQは、実際に、各種条件でマンネスマン−プラグミル法による継目無鋼管の製造を行って、外面疵の発生の有無を確認することにより決定することができる。
そこで、上記(b)式におけるQを左辺に移項し、両辺をC×(φ×t÷t)で割り、さらにQ−PをBと置くことによって、以下の(c)式が得られる。
(A×π(φ−φ)−B)÷(C×(φ×t÷t))+(D÷1000)≦0…(c)
したがって、下記(d)式で定義されるEが0以下となる条件でプラグミル圧延を行えば、外面疵の発生を防止できることが分かる。
E=(A×π(φ−φ)−B)÷(C×(φ×t÷t))+(D÷1000)…(d)
すなわち、Eが0を超える場合、プラグミル圧延における幅広がり量が過大となり、その結果、幅が広がった部分が後工程のリーラーミルで倒れて欠陥となり、所望の外面品質が得られない。
なお、上記(d)式におけるA、B(=Q−P)、およびCは、延伸圧延によって得られる管のサイズおよび成分組成の影響を受けるパラメータである。したがって、実際の操業条件を考慮してこれらのパラメータを決定することにより、外面疵の発生しないプラグミル圧延の条件を精度良く決定することができる。
次に、本発明の継目無鋼管の製造方法について詳細に説明する。
本発明は、マンネスマン−プラグミル法による継目無鋼管の製造方法であって、鋼鋳片をピアサーミルで穿孔して中空素管とし、前記中空素管をエロンゲータで拡管し、次いで、 上下一対の主ロール及び上下一対の戻しロールを有するプラグミルで延伸圧延を行う。
前記鋼鋳片としては、とくに限定されることなく、任意のものを用いることができる。例えば、所定の組成を有する溶鋼を溶製し、鋳造することによって鋼鋳片を得ることができる。前記溶製は、とくに限定されないが、例えば、転炉、電気炉、真空溶解炉等を用いて行うことができる。前記鋳造は、例えば、連続鋳造法、造塊−分塊圧延法等により行うことができる。また、前記鋳造によって得られた鋳片に対して、さらに熱間圧延を施したものを前記鋼鋳片として使用することもできる。
マンネスマン−プラグミル法においては、上記鋼鋳片を熱間で成形することにより継目無鋼管を製造する。なお、熱間で成形を行うためには、後述するピアサーミルによる穿孔に先立って鋼鋳片を加熱すればよい。前記加熱は任意の方法で行うことができ、例えば、加熱炉を用いて行うことが好ましい。
前記加熱における加熱温度はとくに限定されない。しかし、鋼鋳片の加熱温度が1100℃未満であると、変形抵抗が過大となり、その結果、圧延不良が発生しやすくなるとともに工具の寿命も短くなる。そのため、加熱温度は1100℃以上とすることが好ましく、1150℃以上とすることがより好ましい。一方、加熱温度が1350℃より高いと、圧延は可能であるものの、加熱処理におけるエネルギーロスが大きく、経済面で望ましくない。そのため、加熱温度は1350℃以下とすることが好ましく、1300℃以下とすることがより好ましい。
次いで、上記鋼鋳片をピアサーミルで穿孔して中空素管とする。前記ピアサーミルによる穿孔は、とくに限定されることなく任意の条件で行うことができ、例えば、常法に従って行えばよい。
次に、前記中空素管をエロンゲータで拡管する。前記エロンゲータによる拡管は、とくに限定されることなく任意の条件で行うことができ、例えば、常法に従って行えばよい。
前記エロンゲータによる拡管の後、プラグミルで延伸圧延を行う。前記プラグミルとしては、上下一対の主ロールと上下一対の戻しロールとを備えるプラグミルを使用する。
本発明では、前記延伸圧延を、下記(1)式で定義されるEが0以下となる条件で行う。
E=(0.390×π(φ−φ)−45.1)÷(0.113×(φ×t÷t))+(D÷1000)…(1)
ここで、
D:主ロールの直径(mm)
φ:延伸圧延前の中空素管の外径(mm)
φ:延伸圧延後の中空素管の外径(mm)
:延伸圧延前の中空素管の肉厚(mm)
:延伸圧延後の中空素管の肉厚(mm)
上記条件で延伸圧延を行うことにより、延伸圧延で生じる幅広がり量を抑制し、外面疵の発生を大幅に低減することができる。また、本発明によれば、適正な圧延条件の範囲を設定できるため、単一のビレットサイズ・工具サイズから作り分けられる製品サイズの範囲を拡大できる。その結果、工具替え時間の短縮や圧延前の製品サイズ変更の対応範囲の拡大できる効果を奏する。なお、Eは−0.050以下とすることが好ましく、−0.100以下とすることがより好ましい。一方、Eの下限はとくに限定されないが、例えば、−0.800以上であってよい。
なお、上記延伸圧延を行った後の工程はとくに限定されない。例えば、延伸圧延後、リーラーで磨管およびサイジングミルによる定径圧延を行うことができる。前記定径圧延の前には、再加熱を行うこともできる。また、前記定径圧延の後は、例えば、放冷すればよい。さらに、必要に応じて、目的の強度等を得るために熱処理を行うこともできる。
次に、上記(1)式におけるパラメータA、B、およびCについて説明する。
次に、上記(a)式におけるパラメータP、A、およびCの値は、特に幅広がりが生じやすい条件である、小径サイズの継目無鋼管の製造を想定して決定した。具体的には、プラグミル圧延後のサイズが肉厚:7mm〜40mm、外径:190mm〜270mmである鋼管において、重回帰分析を行い、各係数を算出した。その結果、P=1.079、A=0.00390、C=0.00113を得た。
図2に、FEAで計算された幅広がり量(横軸)と、式(a)で求めた幅広がり量(縦軸)の関係を示す。図2中、○は外面疵が発生しない条件であることを、×は外面疵が発生した条件であることを、それぞれ示す。この結果から分かるように、幅広がり量:Qが1.530を超えたとき、外面疵が発生した。以上の結果より、Q=1.530、B=0.451を得た。以上で求めたA、B、Cを(d)式に代入し、さらに分母と分子をそれぞれ100倍することにより、(1)式を得た。(1)式で定義されるEが0以下となる条件で延伸圧延を行うことにより、延伸圧延で生じる幅広がり量は小さくなる。その結果、外面疵の発生を大幅に低減できることが分かった。
上述したように、上記(1)式の条件は、プラグミル圧延後のサイズが肉厚:7mm〜40mm、外径:190mm〜270mmである場合に好適に用いることができる。この範囲を外れる場合、幅広がりの生じやすさが変化するため、(3)式では精度よく外面疵の発生有無を予測することが困難なためである。
次に、本発明を好適に適用することのできる鋼の成分組成について説明する。一般に、鋼の合金成分が少ないほど、フランジ部での幅広がりが生じやすい。本発明における(1)式の条件は、幅広がりの生じやすい炭素鋼または低合金鋼に対して特に有効である。したがって、本発明では、上記鋼素材として、炭素鋼または低合金鋼を用いることが好ましい。
さらに本発明では、上記鋼素材として、質量%で、
C :0.05〜0.43%、
Si:0.05〜0.50%、
Mn:0.03〜1.80%、
P :0〜0.03%、
S :0〜0.015%、
Al:0〜0.06%、
N :0〜0.015%、
Cu:0〜1.0%、
Ni:0〜2.0%、
Cr:0〜9.5%、
Mo:0〜1.0%、
V :0〜0.3%、
Nb:0〜0.06%、および
Ti:0〜0.03%を含み、
残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼素材を用いることが好ましい。
また、本発明では、上記鋼素材として、質量%で、
C :0.05〜0.43%、
Si:0.05〜0.50%、
Mn:0.03〜1.80%、
P :0〜0.03%、
S :0〜0.015%、
Al:0〜0.06%、
N :0〜0.015%、
Cu:0〜1.0%、
Ni:0〜2.0%、
Cr:0〜2.5%、
Mo:0〜1.0%、
V :0〜0.3%、
Nb:0〜0.06%、および
Ti:0〜0.03%を含み、
残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼素材を用いることがより好ましい。
なお、上記成分組成において、含有量の下限が0となっている元素は任意に添加できる元素であり、必ずしも含有する必要はない。また、継目無鋼管の製造過程で鋼の成分組成は変化しないため、最終的に得られる継目無鋼管の成分組成は、使用する鋼素材の成分組成と等しく、したがって、上記成分組成とすることが好ましい。
また、主ロールの直径Dは、上記(1)式の条件を満たせばよい。しかし、Dが1300mm以下であれば、主ロールのカリバー底部と被圧延材との接触長をさらに減少させ、延伸圧延における幅広がり量を一層低減できる。そのため、Dを1300mm以下とすることが好ましく、1100mm以下とすることがより好ましく、1035mm以下とすることがさらに好ましい。一方、Dの下限についてもとくに限定されないが、Dが500mm以上であれば、主ロールの剛性が向上し、圧延時のたわみが防止できるため、延伸圧延の精度が向上する。そのため、Dを500mm以上とすることが好ましい。
以下、本発明の作用・効果について、実施例を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
表1に示す組成を有する溶鋼を溶製し、さらに脱ガス処理施し、引き続き造塊法でφ:210mm×長さ:6000mmの鋼鋳片(ビレット)を製造して、室温まで空冷した。
次に、ビレットを加熱炉で表2に示す加熱温度まで加熱した後、ピアサーで穿孔圧延して中空素管とし、次いで、前記中空素管をエロンゲータにより拡管した(減肉・拡管圧延)。
その後、種々の条件でプラグミルによる延伸圧延(プラグミル圧延)を行った。前記プラグミル圧延は、表2に示した入側の鋼管サイズ、出側の鋼管サイズ、および主ロール径で実施した。各条件から(1)式を用いて算出したE値を表2に併記する。
その後、リーラーによる磨管、サイジングミルによる定型圧延を行った。前記定型圧延後、放冷して、種々のサイズの継目無鋼管を得た。
得られた継目無鋼管に対して、以下の方法で外面疵を測定し、外面品質を評価した。評価結果を表2に併記する。
(外面品質の評価)
得られた継目無鋼管の全長全周における外面の疵を磁粉探傷(蛍光磁粉を塗布後、紫外線照射して目視)によって検出し、外面疵の割れの深さを測定した。割れの深さは、割れ部を含むように鋼管長手方向に直行する面で切断し、光学顕微鏡での観察により測定した。そして、以下に示す基準で外面品質を評価した。ここでは、記号○、◎の場合を外観品質に優れるとし、記号×の場合を外面品質に劣ると評価した。
・記号×:最大深さ1.0mm以上の割れあり
・記号○:最大深さ0.5mm以上1.0mm未満の割れあり
・記号◎:最大深さ0.5mm未満の割れあり、または割れなし
Figure 2019107695
Figure 2019107695
表2に示した結果より分かるように、本願発明の条件を満たす発明例では優れた外面品質の継目無鋼管を得ることができた。中でも、主ロールの直径Dが小さい発明例では、一層優れた外面品質が得られた。一方、本発明の条件を満たさない比較例では、プラグミル圧延での幅広がりが過大となり、継目無鋼管の外面に最大深さ1.0mm以上の疵が発生した。
1 素材
2 加熱炉
3 ピアサーミル
4 プラグ
5 中空素管
6 エロンゲータ
7 プラグミル
7a 主ロール
7b 戻しロール
8 リーラー
9 管体
10 再加熱炉
11 サイジングミル
12 フランジ部

Claims (2)

  1. マンネスマン−プラグミル法による継目無鋼管の製造方法であって、
    鋼鋳片をピアサーミルで穿孔して中空素管とし、
    前記中空素管をエロンゲータで拡管し、
    上下一対の主ロール及び上下一対の戻しロールを有するプラグミルで延伸圧延を行うに際し、
    前記延伸圧延を、下記(1)式で定義されるEが0以下となる条件で行う、継目無鋼管の製造方法。
    E=(0.390×π(φ−φ)−45.1)÷(0.113×(φ×t÷t))+(D÷1000)…(1)
    ここで、
    D:主ロールの直径(mm)
    φ:延伸圧延前の中空素管の外径(mm)
    φ:延伸圧延後の中空素管の外径(mm)
    :延伸圧延前の中空素管の肉厚(mm)
    :延伸圧延後の中空素管の肉厚(mm)
  2. 前記主ロールの直径Dが500mm以上1300mm以下である、請求項1に記載の継目無鋼管の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111571123A (zh) * 2020-04-25 2020-08-25 南通洪源地质工程材料有限公司 一种无缝钻管的加工工艺

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