JP2009247954A - 濾過式集塵機およびそれを用いた排ガス除害装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体製造装置から排出された後、加熱処理された排ガス中に含まれる粉塵およびフッ化水素等の除去効率が高く、かつ、フッ化水素等との反応に用いられる消石灰を無駄なく反応させることのできる濾過式集塵機を提供する。
【解決手段】排ガス加熱装置12からの排ガスFを受け入れ、この排ガスFを乾式処理した後、排気ファン16に導出する本体部20と、フィルタ28で濾過された後の排ガスFの一部をケーシング24の上部空間24cから下部空間24dに循環排ガスCFとして循環させる循環部22とを有する濾過式集塵機14において、ケーシング24の下部空間24dに循環排ガスCFを導入する循環用排ガス導入ダクト46をケーシング24の底部24bに接続することにより、上記課題を解決することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造装置から排出され、加熱処理された後の排ガス中の粉塵およびフッ化水素等の除去に適した濾過式集塵機およびそれを用いた排ガス除害装置に関する。
半導体や液晶等の製造プロセス(以下、「半導体製造プロセス」という。)では、様々な態様のフッ素化合物が使用されているが、これらフッ素化合物の多くは人の健康や地球環境に多大な影響を与えることが知られている。このため、使用済みとなったフッ素化合物は、排ガス除害装置において様々な方法で適正に除害処理されている。
このような排ガス除害装置として、例えば、図7に示すように、半導体製造装置Aから排出された排ガスFに含まれる粉塵などを入口スクラバBで除去した後、電熱ヒータ等を備えた排ガス加熱装置Cで当該排ガスFを加熱処理し、加熱処理した排ガスFを湿式の出口スクラバDで気液接触によって除害する排ガス除害装置が知られている。
この排ガス除害装置を用いれば、排ガスF中のフッ素化合物は、加熱分解によってフッ化水素(HF)となる。そして、このフッ化水素は出口スクラバDで水と気液接触することによってフッ酸となり、フッ酸が排水中へと溶解することによって排ガス中からフッ素化合物が除去される。また、排ガス除害装置の出口スクラバDで排水中へと溶解する物質はフッ化水素のみではなく、加熱分解した排ガスF中に混在する塩化水素(HCl)および臭化水素(HBr)など他の酸性ガスもそれぞれ酸となって溶解する。以下、これらをまとめて「フッ化水素等」あるいは「フッ酸等」と記載する。
ところが、上述したように、水を用いて排ガスF中に含まれている粉塵[例えば、シラン(SiH4)の酸化分解によって生成された二酸化ケイ素(SiO2)]およびフッ化水素等を処理する「湿式処理」では、粉塵やフッ酸等を含んだ排水を別途処理する排水処理装置Eを設ける必要があり、排ガス除害装置の設備費用および排ガス処理費用を増大させるという問題があった。
そこで、このような問題に対応するため、図8に示すように、半導体製造装置Aからの排ガスFをまず排ガス加熱装置Cで加熱処理し、その後、都市ごみ焼却炉の排ガス処理などにおいて広く用いられている濾過式集塵機1(例えば、特許文献1)で排ガスF中の粉塵やフッ化水素等を除去する「乾式処理」が考えられる。
特許文献1の濾過式集塵機1は、図9に示すように、内部にフィルタ2を有する集塵機本体3と、排ガス入口管路4と、排ガス出口管路5と、排ガス出口管路5および排ガス入口管路4を互いに連通させる排ガス循環管路6と、排ガス循環管路6に設けられ、排ガス出口管路5から排ガス入口管路4に排ガスFを循環させる循環ファン7と、排ガス入口管路4に接続され、該排ガス入口管路4に消石灰Sを連続的に導入する消石灰導入管路8とで構成されている。
半導体製造装置Aから排出され、排ガス加熱装置Cで加熱処理された後、排ガス入口管路4に導入された排ガスFに含まれている粉塵は、当該排ガスFが集塵機本体3内のフィルタ2を通過する際に排ガスFから濾過される。また、排ガスFに含まれているフッ化水素は、消石灰導入管路8を介して排ガス入口管路4に導入された消石灰Sと、主に集塵機本体3内およびフィルタ2の内面で反応して固体のフッ化カルシウム(CaF2)となり[排ガスF中の塩化水素は、塩化カルシウム(CaCl2)となり、また、臭化水素は、臭化カルシウム(CaBr2)となる。以下、これらをまとめて「フッ化カルシウム等」という。]、粉塵と同様に、フィルタ2によって排ガスFから濾過される。
このように、入口スクラバBおよび出口スクラバDに代えて濾過式集塵機1で半導体製造装置Aからの排ガスFを乾式処理することにより、排水処理装置Eを設ける必要がなくなることから、排ガス除害装置の設備費用および排ガス処理費用を低減させることができる。
加えて、特許文献1の濾過式集塵機1では、集塵機本体3で濾過処理された排ガスFの一部を循環ファン7および排ガス循環管路6を介して排ガス入口管路4に導入することにより、一度処理された排ガスFを再び集塵機本体3で処理することになり、1回目の処理で除去されなかった粉塵やフッ化水素等が2回目以降の処理で除去される。これにより、排ガスFに含まれている粉塵およびフッ化水素等の除去効率をさらに高めることができる。
特開平10−202031号公報
しかしながら、特許文献1の濾過式集塵機1では、以下のような問題があった。すなわち、フィルタ2の表面に排ガスFから濾過された粉塵やフッ化カルシウム等が堆積し、排ガスFが該フィルタを通過するときの圧力損失が上昇すると、堆積した粉塵やフッ化カルシウムがフィルタの表面から払い落とし装置(図示せず)によって払い落とされ、集塵機本体3の下部に取り付けられたコンベヤ9によって外部に排出されるが、このようにして外部に排出されるものの中には、フッ化水素等と反応が行われないままの消石灰Sも相当量含まれており、消石灰Sの利用効率が悪いという問題があった。
とりわけ、上述したように、集塵機本体3で処理された排ガスFの一部を集塵機本体3の入口に循環させている場合、集塵機本体3で処理される排ガスF中のフッ化水素等の濃度が低くなることから、フッ化水素等が消石灰Sに接触する確率も低くなり、フッ化水素等と接触できないままで集塵機本体から排出される消石灰Sの割合がさらに高くなって消石灰Sの利用効率がさらに悪くなるという問題があった。
加えて、半導体製造プロセスでは、浮遊粉塵などの濃度が厳格に規制されており、半導体製造装置や排ガス除害装置は、所定の空気清浄度が確保されたクリーンルーム内に配設されるのが一般的である。このため、特許文献1の濾過式集塵機1(都市ごみ焼却炉の排ガス処理用)のように、新品の消石灰Sを消石灰導入管路8から連続的に導入し、フィルタ2で濾過された粉塵やフッ化カルシウム等を連続的に排出する方式は、クリーンルーム内の粉塵濃度を上昇させる原因となることから、半導体製造装置用の排ガス除害装置において特許文献1の濾過式集塵機1をそのまま採用することはできず、かかる濾過式集塵機を半導体製造プロセスで使用するためには、新品の消石灰Sを予め濾過式集塵機内に収容しておき、新たな消石灰Sを導入することなく予め収容された消石灰Sを使い切るまで濾過式集塵機を稼働し、消石灰Sを使い切った後、濾過式集塵機を停止して濾過された粉塵やフッ化カルシウム等を取り出して再び新品の消石灰Sを収容するといった「バッチ式」処理とせざるを得ない。
この「バッチ式」処理では、濾過式集塵機の連続稼働時間をできるだけ長くすることによって、濾過式集塵機の停止時間を相対的に短くすることができ、全体としての稼働効率向上につながる。したがって、半導体製造装置用の排ガス除害装置に用いられる濾過式集塵機における消石灰Sの利用効率を向上させることの重要性は、他の用途に用いられる濾過式集塵機における重要性とは比較にならないくらいに大きい。
本発明は、このような従来技術の問題に鑑みて開発されたものである。それゆえに本発明の主たる課題は、半導体製造装置から排出された後、加熱処理された排ガス中に含まれる粉塵およびフッ化水素等の除去効率が高く、かつ、フッ化水素等との反応に用いられる消石灰を無駄なく反応させることのできる濾過式集塵機およびそれを用いた排ガス除害装置を提供することにある。
請求項1に記載した発明は、
「(A)内部空間24aを有するケーシング24、
前記ケーシング24の前記内部空間24aを、上部空間24cと、半導体製造装置Aから排出され、加熱処理された排ガスFおよび粉状の消石灰Sが導入される下部空間24dとに仕切り、前記下部空間24dと前記上部空間24cとを互いに連通する連通孔40を有する仕切り部材26、
前記連通孔40に取り付けられ、前記下部空間24dから前記連通孔40を介して前記上部空間24cに導かれる前記排ガスFを濾過するフィルタ28、
一端が前記ケーシング24の前記下部空間24dを臨む部分に接続され、前記排ガスFを前記下部空間24dに導入する排ガス導入ダクト30、および
一端が前記ケーシング24の前記上部空間24cを臨む部分に接続され、前記フィルタ28で濾過された後の前記排ガスFを前記上部空間24cから導出する排ガス導出ダクト32を備える本体部20と、
(B)前記フィルタ28で濾過された後の前記排ガスFの一部を前記上部空間24cから前記下部空間24dに循環させる循環ファン42、
一端が前記ケーシング24の前記上部空間24cを臨む部分に接続され、他端が前記循環ファン42に接続された循環用排ガス導出ダクト44、および
一端が前記循環ファン42に接続され、他端が前記下部空間24dを臨む前記ケーシング24の底部24bに接続された循環用排ガス導入ダクト46を備える循環部22とで構成された」ことを特徴とする濾過式集塵機14である。
本発明に係る濾過式集塵機14では、循環用排ガス導入ダクト46が下部空間24dを臨むケーシング24の底部24bに接続されており、フィルタ28で濾過された後の排ガスFの一部は、循環ファン42によって循環用排ガス導出ダクト44および循環用排ガス導入ダクト46を介し、循環排ガスCFとしてケーシング24の底部24bから下部空間24dに導入される。
このため、導入された循環排ガスCFによって当該下部空間24d内の消石灰Sは常に攪拌される(もちろん、同時に粉塵やフッ化カルシウムも攪拌されることになる。)ので、下部空間24dに導入された排ガスFに含まれるフッ化水素と消石灰Sとが接触する機会を飛躍的に高めることができる。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の濾過式集塵機14に関し、「前記循環用排ガス導入ダクト46の他端側は、複数に分岐されて前記ケーシング24の底部24bに接続されており、
複数に分岐された前記循環用排ガス導入ダクト46のそれぞれには、循環させる前記排ガス(循環排ガスCF)の通流量を調節する流量調節手段50が設けられている」ことを特徴とする。
本発明によれば、複数に分岐された循環用排ガス導入ダクト46に設けられた流量調節手段50を制御することにより、ケーシング24の下部空間24d内の消石灰Sをより効果的に攪拌し、以下に述べるように、下部空間24dに循環された排ガスF(以下、これを「循環排ガスCF」という。)に含まれるフッ化水素と消石灰Sとが接触する機会をさらに高めることができる。
すなわち、図1に示すように、一方の流量調節手段50aを全開にするとともに他方の流量調節手段50bを全閉とし、所定の時間が経過した後、逆に、一方の流量調節手段50aを全閉にするとともに他方の流量調節手段50bを全開にする。これを繰り返すことにより、一方の流量調節手段50aが全開となっている期間(図1は、この期間の状態を表している。)は、一方の循環用排ガス導入ダクトの端部46a付近の消石灰Sや粉塵やフッ化カルシウム等を循環排ガスCFで吹き上げて攪拌させることができるが、他方の流量調節手段50bは全閉となっているので、他方の循環用排ガス導入ダクトの端部46b付近には消石灰Sや粉塵やフッ化カルシウムが堆積する。そして、所定の時間が経過した後には、一方の流量調節手段50aが全閉となり、他方の流量調節手段50bが全開となるので、先程とは逆に、他方の循環用排ガス導入ダクトの端部46b付近の消石灰Sや粉塵やフッ化カルシウムが攪拌され、一方の循環用排ガス導入ダクトの端部46a付近に消石灰S等が堆積する。
このように下部空間24dに導入する循環排ガスCFの位置を切り替えることによって該下部空間24d内の排ガスFの流れを乱すことにより、消石灰Sの攪拌をより大きくしてフッ化水素と消石灰Sとの接触機会をさらに高めることができる。
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載の濾過式集塵機14に関し、「前記ケーシング24の底部24bは、下向きに狭まる複数のすり鉢状部34で構成されており、複数に分岐された前記循環用排ガス導入ダクト46のそれぞれが前記各すり鉢状部34の底部34a、34bに接続されている」ことを特徴とする。
本発明によれば、1つの流量調節手段50が全閉となっている期間において、消石灰S等は、その流量調節手段50に対応するすり鉢状部34にまとまって堆積する。循環用排ガス導入ダクト46は、すり鉢状部34の底部34a、34bに接続されているので、その後、当該流量調節手段50が全開となったとき、当該すり鉢状部34にまとまって堆積した消石灰S等は、循環排ガスCFによってすり鉢状部34の底部34a、34bから上方に向けて一気に吹き飛ばされる。これにより、ケーシング24の下部空間24dにおけるフッ化水素と消石灰Sとの接触機会をより高めることができる。
請求項4に記載した発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の濾過式集塵機14に関し、「前記フィルタ28に付着した消石灰Sや粉塵を払い落とすための応力を前記フィルタ28に付与する払い落とし装置が設けられている」ことを特徴とするもので、これにより、フィルタ28に多量の粉塵が付着して排ガスFがフィルタ28を通過するときの圧力損失が過大となり、最悪の場合、フィルタ28が排ガスFを濾過できなくなるのを回避することができる。また、定期的に粉塵を払い落とすことにより、排ガスFがフィルタ28を通過するときの圧力損失値を管理することができる。
請求項5に記載した発明は、「半導体製造装置Aから排出された排ガスFを受け入れ、前記排ガスFを高温で加熱処理する排ガス加熱装置12と、
前記排ガス加熱装置12から排出された前記排ガスFを受け入れる請求項1ないし4のいずれかに記載の濾過式集塵機14と、
前記濾過式集塵機14から排出された前記排ガスFを外部へ排出する排気ファン16とを備える排ガス除害装置10」である。
本発明によれば、半導体製造装置Aから排出された粉塵およびフッ素化合物を含んだ排ガスFを排ガス加熱装置12で加熱処理し、排ガスFに含まれたフッ素化合物をフッ化水素等にした後、排ガスF中の粉塵およびフッ化水素を濾過式集塵機14で乾式処理により除去することができる。これにより、排水処理装置を設ける必要がなくなることから、排ガス除害装置の設備費用および排ガス処理費用を低減させることができる。
請求項6に記載した発明は、「半導体製造装置Aから排出された排ガスFを受け入れ、前記排ガスFを高温で加熱処理する排ガス加熱装置12と、
互いに並設され、前記排ガス加熱装置12から排出された前記排ガスFを受け入れる一組の請求項1ないし4のいずれかに記載の濾過式集塵機14a、14bと、
前記濾過式集塵機14から排出された前記排ガスFを外部へ排出する排気ファン16と、
前記各濾過式集塵機14の前記排ガス導入ダクト30および前記排ガス導出ダクト32にそれぞれ設けられ、前記各排ガス導入ダクト30および前記各排ガス導出ダクト32の流路を開閉する流路開閉手段52と、
一方の前記濾過式集塵機14aとこれの上流側に設けられた前記流路開閉手段52との間における前記排ガス導入ダクト30と、他方の前記濾過式集塵機14bとこれの下流側に設けられた前記流路開閉手段52との間における前記排ガス導出ダクト32とを互いに連通する第1の連通ダクト54aと、
一方の前記濾過式集塵機14aとこれの下流側に設けられた前記流路開閉手段52との間における前記排ガス導出ダクト32と、他方の前記濾過式集塵機14bとこれの上流側に設けられた前記流路開閉手段52との間における前記排ガス導入ダクト30とを互いに連通する第2の連通ダクト54bと、
前記第1および第2の連通ダクト54a、54bにそれぞれ設けられ、前記第1および第2の連通ダクト54a、54bの流路を開閉する連通ダクト流路開閉手段56とを備える排ガス除害装置10」である。
本発明によれば、上記請求項5に記載の排ガス除害装置10と同様に、排水処理装置を設ける必要がなくなることから、排ガス除害装置10の設備費用および排ガス処理費用を低減させることができる。
加えて、流路開閉手段52および連通ダクト流路開閉手段56の全閉あるいは全開状態を適宜切り替えることにより、一組の濾過式集塵機14a、14bを互いに並列に接続させ、あるいは直列に接続させることができる。これにより、乾式処理すべき排ガス量が多い場合は、一組の濾過式集塵機14a、14bを互いに並列に接続させて大量の排ガスFに対応させることができ、排ガスF中の粉塵やフッ化水素等の濃度が高い場合や、排気ファン16から排ガス除害装置10の外部に排出される排ガスF中の粉塵やフッ化水素等の濃度を極めて低くする必要がある場合は、一組の濾過式集塵機14a、14bを直列に接続させ、排ガスFを2台の濾過式集塵機14a、14bで連続的に乾式処理して対応することができる。
また、一組の濾過式集塵機14a、14bを直列に接続させる場合には、図4に示すように、排ガスFをまず「第1の濾過式集塵機14a」に通した後「第2の濾過式集塵機14b」に通すという経路(経路A)と、図5に示すように、「第2の濾過式集塵機14b」に通した後「第1の濾過式集塵機14a」に通すという経路(経路B)とを切り替えることができ、消石灰Sをより無駄なく使用することのできる排ガス除害装置10の運転が可能となる。
このようにすれば、導入される排ガスF中のフッ化水素等の濃度が低い方の濾過式集塵機14で使用されて大量に残っている消石灰Sを、経路を切り替えた後は、導入される排ガスF中のフッ化水素等の濃度が高い方の濾過式集塵機14で使用することになるので、消石灰Sを無駄なく使用することができるだけでなく、導入される排ガスF中のフッ化水素等の濃度が低い方の濾過式集塵機14には常に新品の消石灰Sが使用されているので、フッ化水素等の濃度が低くてもフッ化水素等が消石灰Sと接触する機会を極大化させることができ、消石灰Sを無駄なく使用することができるとともに、最終的に排ガス除害装置10から排出されるフッ化水素等の濃度を極小化することができる。
本発明によれば、下部空間に導入された排ガスに含まれるフッ化水素等と消石灰との接触機会を飛躍的に高くして、半導体製造装置からの排ガス中に含まれる粉塵およびフッ化水素等の除去効率が高く、かつ、フッ化水素等との反応に用いられる消石灰を無駄なく反応させることのできる濾過式集塵機およびそれを用いた排ガス除害装置を提供することができる。
以下、本発明を図示実施例にしたがって説明する。本発明を適用した排ガス除害装置10は、半導体や液晶等を製造する半導体製造装置Aから排出され、粉塵やフッ素化合物等を含む排ガスFを除害するための装置であり、一例を示すと、図1および図2に示すように、大略、排ガス加熱装置12と、互いに並列に接続された一組の濾過式集塵機14a、14bと、排気ファン16とで構成されている。
排ガス加熱装置12は、半導体製造装置Aから排出された排ガスFを受け入れ、この排ガスFを空気や水分の存在下において高温で加熱処理するものである。排ガスFを高温で加熱処理することにより、例えば、下記式(1)および(2)のような反応が行われる。
SiH4+2O2→SiO2(粉塵)+2H2O …式(1)
2NF3+3H2O→6HF(フッ化水素)+N23 …式(2)
なお、排ガスFを加熱する熱源としては、電気ヒータ、大気圧プラズマあるいは燃料バーナなどを用いることができる。
互いに並設された一組の濾過式集塵機14a、14b(もちろん、濾過式集塵機14の台数は1台でもよいし、3台以上を一組として使用してもよい。)は、排ガス加熱装置12で加熱処理された排ガスFを受け入れ、当該排ガスFに含まれる粉塵やフッ化水素等を乾式処理するための装置であり、それぞれ、図1に示すように、大略、本体部20と、循環部22とで構成されている。
本体部20は、ケーシング24と、仕切り部材26と、フィルタ28と、排ガス導入ダクト30と、排ガス導出ダクト32と、必要に応じて設けられる払い落とし装置33とを備えている。
ケーシング24は、ステンレスなどの鋼板(もちろん、耐熱性および耐食性を有する材料であれば、他の材料であってもよい。)で形成され、内部空間24aを有する箱状体であり、その底部24bには、下向きに狭まる2つのすり鉢状部34(もちろん、すり鉢状部34の数は2つに限定されるものではなく、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。)が形成されている。また、ケーシング24の下部側面には、排ガス導入ダクト30の一端が接続される排ガス導入ダクト接続孔36が設けられており、天井面縁部近傍には、排ガス導出ダクト32の一端が接続される排ガス導出ダクト接続孔38が設けられており、さらに、ケーシング24の上部側面には、後述する循環用排ガス導出ダクト44が接続される循環用排ガス導出ダクト接続孔48が設けられている。
なお、ケーシング24の内面や、後述する仕切り部材26、排ガス導入ダクト30あるいは他のダクト内面には、排ガスFに含まれる、或いは、当該排ガスFの分解によって生じるフッ酸などの腐食性成分による腐蝕から各部を守るため、塩化ビニル,ポリエチレン,不飽和ポリエステル樹脂およびフッ素樹脂などによる耐蝕性のライニングやコーティングが施されている。
仕切り部材26は、ケーシング24の内部空間24aの略中間部において水平方向に架設され、ケーシング24の内部空間24aを上部空間24cと下部空間24dとに仕切るステンレス鋼板製(もちろん、耐熱性および耐食性を有する材料であれば、他の材料であってもよい。)の部材であり、その表面には上部空間24cと下部空間24dとを互いに連通する複数の連通孔40が設けられている。
フィルタ28は、耐熱性を有する(例えば、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)製であれば、耐熱温度は260℃以下となる。)繊維を用いた不織布(フェルト)で底部28aが開口する細長い袋状に形成されており、当該底部28aが仕切り部材26の連通孔40に対し、排ガスFのリークがないように密着して取り付けられている。なお、本実施例では、3本のフィルタ28が用いられているが、フィルタ28の本数は当然3本に限られることはなく、処理すべき排ガスFの流量や排ガスF中の粉塵やフッ化水素等の濃度に応じてフィルタ28の本数を設定することができる。また、フィルタ28の長さも、排ガスF中の粉塵やフッ化水素等の濃度、あるいはケーシング24の上部空間24cの高さに応じて設定することができる。また、フィルタ28は、排ガスFの通流方向(つまり、図1中、下から上)と同じ方向に配設してもよいし(図1は、この態様を示している。)、排ガスFの通流方向とは逆の方向(つまり、図1であれば、上から下向き)に配設してもよい。ただし、逆の方向に配設する場合は、排ガスFの風圧に抗してフィルタ28の形状を維持するための骨組み(図示せず。一般には、「リテーナ」とよばれる。)をフィルタ28内に挿入しておく必要がある。
排ガス導入ダクト30は、排ガス加熱装置12で処理した排ガスFをケーシング24の下部空間24dに導くステンレス製のパイプであり、上述したように、その一端がケーシング24の排ガス導入ダクト接続孔36に接続されており、他端が排ガス加熱装置12の排ガス排出口(図示せず)に接続されている。なお、排ガスFの流量が多い場合は、パイプではなく、ステンレス鋼板製の角筒状ダクトを用いてもよい。
排ガス導出ダクト32は、フィルタ28によって濾過された後、上部空間24cに導入された排ガスFをケーシング24の上部空間24cから排気ファン16に導くステンレス製パイプであり、上述したように、その一端がケーシング24の排ガス導出ダクト接続孔38に接続されており、他端が排気ファン16に接続されている。なお、排ガス導出ダクト32も排ガス導入ダクト30と同様、排ガスFの流量が多い場合は、パイプではなく、ステンレス鋼板製の角筒を用いてもよい。
払い落とし装置33は、フィルタ28に付着した粉塵やフッ化カルシウム等を払い落とすためにフィルタ28に応力を付与する装置であり、図1にはその一例として、モータ33aと、モータ33aから垂設された回転軸33bと、回転軸33bの先端側に取り付けられた矩形板状のパドル33cとで構成されたものを示している。また、パドル33cの水平方向幅は、フィルタ28同士の間隔よりもやや大きく設定されている。このため、モータ33aを作動させると、回転軸33bが回転すると同時にパドル33cも回転し、該パドル33cの両端部が周期的にフィルタ28に接触してフィルタ28の外表面を押圧し、フィルタ28を変形させる。つまり、パドル33cによってフィルタ28に応力が付与され、フィルタ28の内部に堆積した粉塵やフッ化カルシウム等を払い落とすことができる。
なお、本実施例では、パドル33cを直接フィルタ28に接触させることによりフィルタ28を変形させて粉塵やフッ化カルシウム等を払い落としているが、高圧の圧縮空気を定期的にフィルタ28に吹き付けることにより、圧縮空気の勢いでフィルタ28を変形させて粉塵やフッ化カルシウム等を払い落としてもよいし、偏心モータ等を用いた振動発生装置を用いてフィルタ28に振動を与えることにより、フィルタ28から粉塵やフッ化カルシウム等を払い落としてもよい。
循環部22は、フィルタ28で濾過された後の排ガスFの一部をケーシング24の上部空間24cから下部空間24dに循環排ガスCFとして循環させる部分であり、循環ファン42と、循環用排ガス導出ダクト44と、循環用排ガス導入ダクト46とを備えている。
循環ファン42は、フィルタ28で濾過された後の排ガスFの一部をケーシング24の上部空間24cから下部空間24dに循環させるターボ型ファン(もちろん、ファン形式はこれに限られず、他の遠心ファンあるいは軸流ファンを使用することもできる。)であり、排ガス導入ダクト30からケーシング24の下部空間24dに導入される排ガス量の約10倍(標準状態換算)の排ガスFを循環させることのできる定格能力を有している。
循環用排ガス導出ダクト44は、濾過式集塵機14で乾式処理された排ガスFをケーシング24の上部空間24cから循環ファン42に導くステンレス製パイプであり、その一端がケーシング24の側面上端部に設けられた循環用排ガス導出ダクト接続孔48に接続されており、他端が循環ファン42の吸気口42aに接続されている。なお、排ガスFの流量が多い場合は、パイプではなく、ステンレス鋼板製の角筒状ダクトを用いてもよい。
循環用排ガス導入ダクト46は、循環ファン42から送り出された排ガスFをケーシング24の下部空間24dに導くステンレス製パイプであり、その一端は、循環ファン42の排気口42bに接続されている。また、循環用排ガス導入ダクト46の他端側は、2つに分岐されており、分岐された循環用排ガス導入ダクトの端部46a、46bのそれぞれは、ケーシング24における2つのすり鉢状部34の底部34a、34bに接続されている。
また、分岐された循環用排ガス導入ダクトの端部46a、46bには、それぞれ循環させる排ガスFの通流量を調節する流量調節手段50として電動ボール弁(もちろん、他形式のバルブ、あるいはダンパであってもよい。)が設けられており、一方の流量調節手段50aが全開で、かつ、他方の流量調節弁50bが全閉の状態(図1はこの状態を示している。)と、一方の流量調節手段50aが全閉で、かつ、他方の流量調節弁50bが全開の状態とを、図示しないタイマーからの指示により、所定の時間毎に交互に繰り返すようになっている。なお、流量調節手段50の動作パターンはこれに限られるものではなく、両方の流量調節手段50が閉まっている状態、あるいは両方の流量調節手段50が開いている状態が一連の動作パターン中に存在してもよい。
各濾過式集塵機14a、14bの排ガス導入ダクト30および排ガス導出ダクト32には、図2に示すように、排ガス導入ダクト30あるいは排ガス導出ダクト32における排ガスFの通流あるいは遮断を行う流路開閉手段52としてのボール弁(もちろん、他形式のバルブ、あるいはダンパであってもよく、手動、電動あるいは空動など、どのような動作手段であってもよい。)が設けられている。
一組の濾過式集塵機14a、14bのうち、第1の濾過式集塵機14aとこれの上流側に設けられた流路開閉手段52(つまり、第1の濾過式集塵機14aの排ガス導入ダクト30に取り付けられた流路開閉手段52)との間における排ガス導入ダクト30と、第2の濾過式集塵機14bとこれの下流側に設けられた流路開閉手段52(つまり、第2の濾過式集塵機14bの排ガス導出ダクト32に取り付けられた流路開閉手段52)との間における排ガス導出ダクト32とは、第1の連通ダクト54aによって互いに連通されている。
また、第1の濾過式集塵機14aとこれの下流側に設けられた流路開閉手段52(つまり、第1の濾過式集塵機14の排ガス導出ダクト32に取り付けられた流路開閉手段52)との間における排ガス導出ダクト32と、第2の濾過式集塵機14bとこれの上流側に設けられた流路開閉手段52(つまり、第2の濾過式集塵機14の排ガス導入ダクト30に取り付けられた流路開閉手段52)との間における排ガス導入ダクト30とは、第2の連通ダクト54bによって互いに連通されている。
第1の連通ダクト54aおよび第2の連通ダクト54bには、第1の連通ダクト54aあるいは第2の連通ダクト54bにおける排ガスFの通流あるいは遮断を行う連通ダクト流路開閉手段56が設けられている。
排気ファン16は、濾過式集塵機14の排ガス導出ダクト32に接続されており、この排気ファン16が稼働することにより、排ガス除害装置10の内部における排気ファン16よりも上流側が常に大気圧よりも低い圧力(=負圧)に保たれている。このため、排ガスFや排ガスF中の粉塵あるいはフッ素化合物等が誤って排ガス除害装置10から外部へ漏れ出すことがない。
次に、排ガス除害装置10の作用について説明する。半導体製造装置Aから排出された排ガスFは、排ガス加熱装置12内に導入されて加熱されることにより、上述したように、シランなどの有害物質が酸化分解されて二酸化ケイ素となり、あるいはフッ化窒素が分解されてフッ化水素となり、それぞれ無害化される。
排ガス加熱装置12で加熱処理された排ガスFは、濾過式集塵機14に導入されるが、その導入経路は、濾過式集塵機14の排ガス導入ダクト30あるいは排ガス導出ダクト32に設けられた流路開閉手段52、および連通ダクト54a、54bに設けられた連通ダクト流路開閉手段56を操作して、それぞれの通流あるいは遮断状態を設定することにより切り替えられる。図2では、第1の濾過式集塵機14aの排ガス導入ダクト30および排ガス導出ダクト32に設けられた流路開閉手段52のみが通流状態となっており、他の流路開閉手段52および連通ダクト流路開閉手段56は遮断状態になっており、また、排ガス加熱装置12からの排ガスFは、全て第1の濾過式集塵機14に導入されるようになっている(他の導入経路の場合については後述する)。
また、第1の濾過式集塵機14におけるケーシング24の下部空間24dには、予め新品の消石灰Sが収容されており(図1参照)、濾過式集塵機14のメインスイッチ(図示せず)をオンにすると、循環ファン42が起動してケーシング24の上部空間24cから下部空間24dに排ガスF(この段階では、濾過式集塵機14にまだ排ガスFが導入されていないので、厳密にいえば、前回の停止時において上部空間24cに残存していた排ガスF)を循環させる。このとき、2つに分岐された循環用排ガス導入ダクト46に設けられた2つの流量調節手段50は、上述したように、一方の流量調節手段50aが全開で、かつ、他方の流量調節弁50bが全閉の状態と、一方の流量調節手段50aが全閉で、かつ、他方の流量調節弁50bが全開の状態とを、所定の時間毎に交互に繰り返すようになっていることから、循環ファン42からの排ガスFは、ケーシング24における2つのすり鉢状部34のうち、一方の底部34aから噴き出す状態と、他方の底部34bから噴き出す状態とを交互に繰り返すことになる。
排ガス加熱装置12で加熱処理された後、排ガス導入ダクト30を通って第1の濾過式集塵機14aにおけるケーシング24の下部空間24dに導入された排ガスFは、循環ファン42からの排ガスFによって攪拌された消石灰Sを巻き込みつつ、仕切り部材26の連通孔40を通ってフィルタ28内に入り込み、フィルタ28を通過する際に排ガスFから粉塵や、排ガスF中のフッ化水素等が消石灰Sと反応して生成されたフッ化カルシウム等や、未反応の消石灰Sが濾過されてフィルタ28の内面に付着し、堆積する。
フィルタ28で濾過された排ガスFは、ケーシング24の上部空間24cに入り、一部の排ガスFは、循環排ガスCFとして循環ファン42によって再びケーシング24の下部空間24dに導入され、残部の排ガスFは、排ガス導出ダクト32を通って排気ファン16に入り、排気ファン16から排ガス除害装置10の外部へ排出される。
排ガス加熱装置12で加熱処理された排ガスFを濾過式集塵機14へ導入する際の他の導入経路について、以下に説明する。
図3では、第1の濾過式集塵機14aの排ガス導入ダクト30および排ガス導出ダクト32に設けられた流路開閉手段52と、第2の濾過式集塵機14bの排ガス導入ダクト30および排ガス導出ダクト32に設けられた流路開閉手段52とが通流状態になっており、2つの連通ダクト流路開閉手段56が共に遮断状態になっている。このように2つの濾過式集塵機14a、14bを互いに並列に接続する導入経路によれば、排ガス加熱装置12で加熱された排ガスFは、第1の濾過式集塵機14aと第2の濾過式集塵機14bとに分かれて乾式処理されるので、処理すべき排ガスFの量が多い場合に対応することができる。
図4では、第1の濾過式集塵機14aの排ガス導入ダクト30に設けられた流路開閉手段52と、第2の濾過式集塵機14bの排ガス導出ダクト32に設けられた流路開閉手段52と、第2の連通ダクト54bに設けられた連通ダクト流路開閉手段56とが通流状態になっており、残りの流路開閉手段52および連通ダクト流路開閉手段56は遮断状態になっている。このように2つの濾過式集塵機14a、14bを直列に接続する導入経路(経路A)によれば、排ガス加熱装置12で加熱された排ガスFは、第1の濾過式集塵機14aで処理された後、さらに第2の濾過式集塵機14bで処理されるので、排ガスF中の粉塵やフッ化水素等の濃度が高い場合や排気ファン16から排ガス除害装置10の外部へ排出される排ガスF中の粉塵やフッ化水素等の濃度を極めて低くする必要がある場合など、粉塵やフッ化水素等の除去効率を極大化させる必要がある場合に対応することができる。
図5も、2つの濾過式集塵機14を直列に接続する導入経路を示すものであるが、図4の場合とは逆に、排ガス加熱装置12で加熱された排ガスFは、第2の濾過式集塵機14で処理された後、さらに第1の濾過式集塵機14で処理されるようになっている(経路B)。
排ガス除害装置10を経路Aで所定の期間運転させた後、経路Aから経路Bに切り替えるとき、粉塵およびフッ化水素等の濃度が高い排ガスFが導入されていた第1の濾過式集塵機14a内に蓄積された粉塵およびフッ化カルシウム等を取り出すとともに新品の消石灰Sに入れ替え、第2の濾過式集塵機14bはそのままで継続稼働させる。そして、経路Bで所定の期間稼働させた後、再び経路Aに切り替えるときには、第2の濾過式集塵機14b内に蓄積された粉塵およびフッ化カルシウム等を取り出して新品の消石灰Sに入れ替え、第1の濾過式集塵機14aはそのままで継続稼働させる。
これにより、上述したように、導入される排ガスF中のフッ化水素等の濃度が低い方の濾過式集塵機14で使用されて大量に残っている消石灰Sを、経路を切り替えた後は、導入される排ガスF中のフッ化水素等の濃度が高い方の濾過式集塵機14で使用することになるので、消石灰Sを無駄なく使用することができるだけでなく、導入される排ガスF中のフッ化水素等の濃度が低い方の濾過式集塵機14には常に新品の消石灰Sが使用されているので、フッ化水素等の濃度が低くてもフッ化水素等が消石灰Sと接触する機会を極大化させることができ、消石灰Sを無駄なく使用することができるとともに、最終的に排ガス除害装置10から排出されるフッ化水素等の濃度を極小化することができる。
なお、濾過式集塵機14に接続する全てのダクトについて、図6に示すように、各ダクトの濾過式集塵機14に接続された側の端部に対して、その反対側の端部を高い位置に配設し、該反対側の端部に、各ダクトを回転させることなく、自身を回転させるだけで各ダクトの接合または取り外しが可能なユニオン継手60を取り付けるようにしてもよい。
このようにすれば、濾過された粉塵やフッ化カルシウム等を取り出して新しい消石灰Sと交換する際に、濾過式集塵機14の下部空間24d内の粉塵等がこぼれてクリーンルーム内に飛散するおそれを極小化することができる。
本発明の濾過式集塵機を示す概念図である。 本発明の排ガス除害装置を示すブロック図である。 一組の濾過式集塵機への他の導入経路を示す図である。 一組の濾過式集塵機への他の導入経路を示す図である。 一組の濾過式集塵機への他の導入経路を示す図である。 本発明の濾過式集塵機の他の実施例を示す概念図である。 従来の排ガスの湿式処理フローを示すブロック図である。 従来の排ガスの乾式処理フローを示すブロック図である。 従来の濾過式集塵機を示す概念図である。
符号の説明
10…排ガス除害装置
12…排ガス加熱装置
14…濾過式集塵機
16…排気ファン
20…本体部
22…循環部
24…ケーシング
24a…内部空間
24b…底部
24c…上部空間
24d…下部空間
26…仕切り部材
28…フィルタ
30…排ガス導入ダクト
32…排ガス導出ダクト
33…払い落とし装置
34…すり鉢状部
36…排ガス導入ダクト接続孔
38…排ガス導出ダクト接続孔
40…連通孔
42…循環ファン
44…循環用排ガス導出ダクト
46…循環用排ガス導入ダクト
48…循環用排ガス導出ダクト接続孔
50…流量調節手段
52…流路開閉手段
54…連通ダクト
56…連通ダクト流路開閉手段
60…ユニオン継手

Claims (6)

  1. 内部空間を有するケーシング、
    前記ケーシングの前記内部空間を、上部空間と、半導体製造装置から排出され、加熱処理された排ガスおよび粉状の消石灰が導入される下部空間とに仕切り、前記下部空間と前記上部空間とを互いに連通する連通孔を有する仕切り部材、
    前記連通孔に取り付けられ、前記下部空間から前記連通孔を介して前記上部空間に導かれる前記排ガスを濾過するフィルタ、
    一端が前記ケーシングの前記下部空間を臨む部分に接続され、前記排ガスを前記下部空間に導入する排ガス導入ダクト、および
    一端が前記ケーシングの前記上部空間を臨む部分に接続され、前記フィルタで濾過された後の前記排ガスを前記上部空間から導出する排ガス導出ダクトを備える本体部と、
    前記フィルタで濾過された後の前記排ガスの一部を前記上部空間から前記下部空間に循環させる循環ファン、
    一端が前記ケーシングの前記上部空間を臨む部分に接続され、他端が前記循環ファンに接続された循環用排ガス導出ダクト、および
    一端が前記循環ファンに接続され、他端が前記下部空間を臨む前記ケーシングの底部に接続された循環用排ガス導入ダクトを備える循環部とで構成されたことを特徴とする濾過式集塵機。
  2. 前記循環用排ガス導入ダクトの他端側は、複数に分岐されて前記ケーシングの底部に接続されており、
    複数に分岐された前記循環用排ガス導入ダクトのそれぞれには、循環させる前記排ガスの通流量を調節する流量調節手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の濾過式集塵機。
  3. 前記ケーシングの底部は、下向きに狭まる複数のすり鉢状部で構成されており、複数に分岐された前記循環用排ガス導入ダクトのそれぞれが前記各すり鉢状部の底部に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の濾過式集塵機。
  4. 前記フィルタに付着した消石灰や粉塵を払い落とすための応力を前記フィルタに付与する払い落とし装置が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の濾過式集塵機。
  5. 半導体製造装置から排出された排ガスを受け入れ、前記排ガスを高温で加熱処理する排ガス加熱装置と、
    前記排ガス加熱装置から排出された前記排ガスを受け入れる請求項1ないし4のいずれかに記載の濾過式集塵機と、
    前記濾過式集塵機から排出された前記排ガスを外部へ排出する排気ファンとを備える排ガス除害装置。
  6. 半導体製造装置から排出された排ガスを受け入れ、前記排ガスを高温で加熱処理する排ガス加熱装置と、
    互いに並設され、前記排ガス加熱装置から排出された前記排ガスを受け入れる一組の請求項1ないし4のいずれかに記載の濾過式集塵機と、
    前記濾過式集塵機から排出された前記排ガスを外部へ排出する排気ファンと、
    前記各濾過式集塵機の前記排ガス導入ダクトおよび前記排ガス導出ダクトにそれぞれ設けられ、前記各排ガス導入ダクトおよび前記各排ガス導出ダクトの流路を開閉する流路開閉手段と、
    一方の前記濾過式集塵機とこれの上流側に設けられた前記流路開閉手段との間における前記排ガス導入ダクトと、他方の前記濾過式集塵機とこれの下流側に設けられた前記流路開閉手段との間における前記排ガス導出ダクトとを互いに連通する第1の連通ダクトと、
    一方の前記濾過式集塵機とこれの下流側に設けられた前記流路開閉手段との間における前記排ガス導出ダクトと、他方の前記濾過式集塵機とこれの上流側に設けられた前記流路開閉手段との間における前記排ガス導入ダクトとを互いに連通する第2の連通ダクトと、
    前記第1および第2の連通ダクトにそれぞれ設けられ、前記第1および第2の連通ダクトの流路を開閉する連通ダクト流路開閉手段とを備える排ガス除害装置。

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