JP2009246098A - ウエーハの研削方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】研削効率を低下することなく、抗折強度が低いチップの発生を防止するとともに欠けの発生を防止することができるウエーハの研削方法を提供する。
【解決手段】ウエーハ10を保持したチャックテーブル52を回転するとともに研削砥石327を回転しつつウエーハの中心を通過する位置に位置付け研削送りすることによりウエーハの上面を研削する第1の研削工程と、チャックテーブルおよび研削砥石を回転した状態でウエーハの外周部上面を研削砥石の回転軌跡の直下に位置付けるウエーハ位置付け工程と、チャックテーブルに保持されているウエーハの結晶方位を示すマークNを所定方向に向けて位置付けてチャックテーブルの回転を停止し、研削砥石を回転しつつチャックテーブルの保持面に垂直な方向に所定量研削送りした後、チャックテーブルと研削砥石を相対的に平行移動して加工送りする第2の研削工程とを含む。
【選択図】図8
【解決手段】ウエーハ10を保持したチャックテーブル52を回転するとともに研削砥石327を回転しつつウエーハの中心を通過する位置に位置付け研削送りすることによりウエーハの上面を研削する第1の研削工程と、チャックテーブルおよび研削砥石を回転した状態でウエーハの外周部上面を研削砥石の回転軌跡の直下に位置付けるウエーハ位置付け工程と、チャックテーブルに保持されているウエーハの結晶方位を示すマークNを所定方向に向けて位置付けてチャックテーブルの回転を停止し、研削砥石を回転しつつチャックテーブルの保持面に垂直な方向に所定量研削送りした後、チャックテーブルと研削砥石を相対的に平行移動して加工送りする第2の研削工程とを含む。
【選択図】図8
Description
本発明は、結晶方位を有するウエーハを研削するウエーハの研削方法に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって多数の矩形領域を区画し、該矩形領域の各々にIC、LSI等のデバイスを形成する。このように多数のデバイスが形成された半導体ウエーハをストリートに沿って分離することにより、個々の半導体チップを形成する。また、リチウムタンタレート等の基板に複数の圧電素子が配設されたウエーハも所定のストリートに沿って切断することにより個々のチップに分割され、電気機器に広く利用されている。
上述したように個々に分割されたチップの小型化および軽量化を図るために、通常、ウエーハをストリートに沿って切断して個々の矩形領域を分離するのに先立って、ウエーハの裏面を研削して所定の厚さに形成している。また、切削装置によって個々のチップに完全に分割しないでストリートに沿ってチップの仕上がり厚さに相当する所定の深さの切削溝を形成し、その後ウエーハの裏面を切削溝が表出するまで研削することにより個々のチップに分割する、所謂先ダイシングと称する分割方法も一般に行われている。
上述したウエーハの裏面を研削する研削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウエーハの上面(裏面)を研削する環状の研削砥石を備えた研削手段を具備し、チャックテーブルを回転するとともに研削砥石を回転させつつチャックテーブルに保持されたウエーハの中心を研削砥石の研削面である下端面が通過するようにしてウエーハの裏面を研削する。(例えば、特許文献1参照)
特開2000−354962号公報
上記特許文献1に記載された研削方法によれば、ウエーハを所定の厚さに効率よく研削することができるが、研削され個々に分割されたチップの抗折強度を測定すると、著しく抗折強度が低いチップが定量的に存在するという問題がある。即ち、上記特許文献1に記載された研削方法によってウエーハを研削すると、ウエーハの被研削面には回転中心から外周に向かって放射状にソーマークが形成され、ウエーハの結晶方位との関係で割れやすい方向にソーマークが形成されたチップが定量的に存在するため、抗折強度が低いチップが定量的に発生する。なお、抗折強度が低いチップが定量的に発生する領域は、ウエーハの結晶方位を示すマークとソーマークが所定の関係(例えば、シリコンの場合には45度)となる領域であることが判っている。
上記問題を解消するために、ウエーハを保持したチャックテーブルを回転するとともに研削砥石を回転しつつウエーハの中心を通過するように押圧せしめてウエーハの上面を研削する第1の研削工程を実施し、次に、ウエーハを保持したチャックテーブルを研削砥石の側方に移動して結晶方位を示すマークを所定方向に向けて位置付けるとともに研削砥石を所定量研削送りして研削作用位置に位置付け、ウエーハを保持したチャックテーブルが研削作用位置に位置付けられ回転している研削砥石に向けて相対的に平行移動して研削砥石をウエーハの外周から所定方向に作用せしめてウエーハの上面を研削する第2の研削工程を実施するウエーハの研削方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照)
特開2005−28550号公報
而して、上記特許文献2に開示されたウエーハの研削方法においては、上記第2の研削工程を実施する際に、ウエーハの外周面が研削砥石に接触する衝撃でウエーハが欠ける虞がある。
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、研削効率を低下することなく、抗折強度が低いチップの発生を防止するとともに欠けの発生を防止することができるウエーハの研削方法を提供することにある。
上記技術課題を解決するために、本発明によれば、結晶方位を有するウエーハをチャックテーブルの保持面に保持し、該チャックテーブルの保持面に保持された該ウエーハの上面に回転する研削砥石の研削面を作用せしめて該ウエーハの上面を研削するウエーハの研削方法であって、
該ウエーハを保持した該チャックテーブルを回転するとともに該研削砥石を回転しつつ該ウエーハの中心を通過する位置に位置付け該チャックテーブルの保持面に垂直な方向に研削送りすることにより該ウエーハの上面を研削する第1の研削工程と、
該第1の研削工程を実施した後、該チャックテーブルおよび該研削砥石を回転した状態で、該チャックテーブルと該研削砥石を一方向に相対的に平行移動して該ウエーハの外周部上面を該研削砥石の回転軌跡の直下に位置付けるウエーハ位置付け工程と、
該ウエーハ位置付け工程が実施された該チャックテーブルに保持されている該ウエーハの結晶方位を示すマークを所定方向に向けて位置付けて該チャックテーブルの回転を停止し、該研削砥石を回転しつつ該チャックテーブルの保持面に垂直な方向に所定量研削送りした後、該チャックテーブルと該研削砥石を他方向に相対的に平行移動して加工送りすることにより、該第1の研削工程によって研削されたウエーハの上面を研削する第2の研削工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの研削方法が提供される。
該ウエーハを保持した該チャックテーブルを回転するとともに該研削砥石を回転しつつ該ウエーハの中心を通過する位置に位置付け該チャックテーブルの保持面に垂直な方向に研削送りすることにより該ウエーハの上面を研削する第1の研削工程と、
該第1の研削工程を実施した後、該チャックテーブルおよび該研削砥石を回転した状態で、該チャックテーブルと該研削砥石を一方向に相対的に平行移動して該ウエーハの外周部上面を該研削砥石の回転軌跡の直下に位置付けるウエーハ位置付け工程と、
該ウエーハ位置付け工程が実施された該チャックテーブルに保持されている該ウエーハの結晶方位を示すマークを所定方向に向けて位置付けて該チャックテーブルの回転を停止し、該研削砥石を回転しつつ該チャックテーブルの保持面に垂直な方向に所定量研削送りした後、該チャックテーブルと該研削砥石を他方向に相対的に平行移動して加工送りすることにより、該第1の研削工程によって研削されたウエーハの上面を研削する第2の研削工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの研削方法が提供される。
本発明によるウエーハの研削方法においては、第1の研削工程によってウエーハを保持したチャックテーブルを回転するとともに研削砥石を回転しつつウエーハの中心を通過するように作用せしめて所定の厚さになるまで研削するので、研削効率を低下することなく研削することができる。そして、所定の厚さに研削されたウエーハを第2の研削工程において被研削面を研削することにより結晶方位を示すマークに対して抗折強度が低下し易い方向にソーマークが形成されないため、分割後のチップの抗折強度の低下が防止できる。また、第2の研削工程は、ウエーハの外周部上面を研削砥石の回転軌跡の直下に位置付け研削砥石を研削送りした後にチャックテーブルと研削砥石を加工送りするので、研削砥石がウエーハから離れないため円滑に遂行され、ウエーハに衝撃を与えることはない。
以下、本発明によるウエーハの研削方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には本発明による研削方法を実施するための研削装置の斜視図が示されている。
図示の研削装置は、全体を番号2で示す装置ハウジングを具備している。この装置ハウジング2は、細長く延在する直方体形状の主部21と、該主部21の後端部(図1において右上端)に設けられ実質上鉛直に上方に延びる直立壁22とを有している。直立壁22の前面には、上下方向に延びる一対の案内レール221、221が設けられている。この一対の案内レール221、221に研削手段としての研削ユニット3が上下方向に移動可能に装着されている。
図示の研削装置は、全体を番号2で示す装置ハウジングを具備している。この装置ハウジング2は、細長く延在する直方体形状の主部21と、該主部21の後端部(図1において右上端)に設けられ実質上鉛直に上方に延びる直立壁22とを有している。直立壁22の前面には、上下方向に延びる一対の案内レール221、221が設けられている。この一対の案内レール221、221に研削手段としての研削ユニット3が上下方向に移動可能に装着されている。
研削ユニット3は、移動基台31と該移動基台31に装着されたスピンドルユニット32を具備している。移動基台31は、後面両側に上下方向に延びる一対の脚部311、311が設けられており、この一対の脚部311、311に上記一対の案内レール221、221と摺動可能に係合する被案内溝312、312が形成されている。このように直立壁22に設けられた一対の案内レール221、221に摺動可能に装着された移動基台31の前面には前方に突出した支持部313が設けられている。この支持部313にスピンドルユニット32が取り付けられる。
スピンドルユニット32は、支持部313に装着されたスピンドルハウジング321と、該スピンドルハウジング321に回転自在に配設された回転スピンドル322と、該回転スピンドル322を回転駆動するための駆動手段としてのサーボモータ323とを具備している。回転スピンドル322の下端部はスピンドルハウジング321の下端を越えて下方に突出せしめられており、その下端には円板形状の工具装着部材324が設けられている。なお、工具装着部材324には、周方向に間隔をおいて複数のボルト挿通孔(図示していない)が形成されている。この工具装着部材324の下面に研削工具325が装着される。研削工具325は図2に図示する如く、周方向に間隔をおいてその上面から下方に延びる複数の盲ねじ穴326aが形成された環状の支持部材326と、該支持部材326の下面に装着された環状の研削砥石327とから構成されている。なお、環状の研削砥石327は、複数の砥石片327aを支持部材326の下面に同一円周上に配設することによって構成される。この環状の研削砥石327の外径は、後述する被加工物としてのウエーハの外径の2倍以上であることが望ましい。このように構成された研削工具325は、上記工具装着部材324の下面に位置付け、工具装着部材324に形成されている貫通孔を通して支持部材326に形成されている盲ねじ孔326aに締結ボルト328を螺着することによって、工具装着部材324に装着される。
図1に戻って説明を続けると、図示の実施形態における研削装置は、上記研削ユニット3を上記一対の案内レール221、221に沿って上下方向(後述するチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向)に移動せしめる研削ユニット送り機構4を備えている。この研削ユニット送り機構4は、直立壁22の前側に配設され実質上鉛直に延びる雄ねじロッド41を具備している。この雄ねじロッド41は、その上端部および下端部が直立壁22に取り付けられた軸受部材42および43によって回転自在に支持されている。上側の軸受部材42には雄ねじロッド41を回転駆動するための駆動源としてのパルスモータ44が配設されており、このパルスモータ44の出力軸が雄ねじロッド41に伝動連結されている。移動基台31の後面にはその幅方向中央部から後方に突出する連結部(図示していない)も形成されており、この連結部には鉛直方向に延びる貫通雌ねじ穴が形成されており、この雌ねじ穴に上記雄ねじロッド41が螺合せしめられている。従って、パルスモータ44が正転すると移動基台31即ち研削ユニット3が下降即ち前進(研削送り)せしめられ、パルスモータ44が逆転すると移動基台31即ち研削ユニット3が上昇即ち後退せしめられる。
図1および図3を参照して説明を続けると、ハウジング2の主部21にはチャックテーブル機構5が配設されている。チャックテーブル機構5は、支持基台51と該支持基台51に配設されたチャックテーブル52とを含んでいる。支持基台51は、上記ハウジング2の主部21上に前後方向(直立壁22の前面に垂直な方向)である矢印23aおよび23bで示す方向に延在する一対の案内レール23、23上に摺動自在に載置されており、後述するチャックテーブル移動機構56によって図1に示す被加工物載置域24(図3において実線で示す位置)と上記スピンドルユニット32を構成する研削工具325の研削砥石327の研削面(下端面)と対向する研削域25(図3において2点鎖線で示す位置)との間で移動せしめられる。上記チャックテーブル52は、多孔質セラミッックスの如き適宜の多孔性材料から構成されており、図示しない吸引手段に接続されている。従って、チャックテーブル52を図示しない吸引手段に選択的に連通することにより、上面即ち保持面上に載置された被加工物である後述するウエーハを吸引保持する。また、チャックテーブル52は、上記支持基台51に回転可能に支持されている。このチャックテーブル52は、その下端に装着された回転軸(図示せず)に連結された回転駆動手段としてのサーボモータ53によって回転せしめられる。なお、図示のチャックテーブル機構5はチャックテーブル52を挿通する穴を有し上記支持基台51等を覆うカバー部材54を備えており、このカバー部材54は支持基台51とともに移動可能に構成されている。
図3を参照して説明を続けると、図示の実施形態における研削装置は、上記チャックテーブル機構5を一対の案内レール23に沿って矢印23aおよび23bで示す方向に移動せしめるチャックテーブル移動機構56を具備している。チャックテーブル移動機構56は、一対の案内レール23間に配設され案内レール23と平行に延びる雄ねじロッド561と、該雄ねじロッド561を回転駆動するサーボモータ562を具備している。雄ねじロッド561は、上記支持基台51に設けられたネジ穴511と螺合して、その先端部が一対の案内レール23、23に連結して取り付けられた軸受部材563によって回転自在に支持されている。サーボモータ562は、その駆動軸が雄ねじロッド561の基端と伝動連結されている。従って、サーボモータ562が正転すると支持基台51即ちチャックテーブル機構5が矢印23aで示す方向に移動し、サーボモータ562が逆転すると支持基台51即ちチャックテーブル機構5が矢印23bで示す方向に移動せしめられる。
図1に戻って説明を続けると、上記チャックテーブル機構5を構成する支持基台51の移動方向両側には、横断面形状が逆チャンネル形状であって、上記一対の案内レール23、23や雄ねじロッド561およびサーボモータ562等を覆っている蛇腹手段61および62が付設されている。蛇腹手段61および62はキャンパス布の如き適宜の材料から形成することができる。蛇腹手段61の前端は主部21の前面壁に固定され、後端はチャックテーブル機構5のカバー部材54の前端面に固定されている。蛇腹手段62の前端はチャックテーブル機構5のカバー部材54の後端面に固定され、後端は装置ハウジング2の直立壁22の前面に固定されている。チャックテーブル機構5が矢印23aで示す方向に移動せしめられる際には蛇腹手段61が伸張されて蛇腹手段62が収縮され、チャックテーブル機構5が矢印23bで示す方向に移動せしめられる際には蛇腹手段61が収縮されて蛇腹手段62が伸張せしめられる。
以上のように構成された研削装置を用いて、結晶方位を有するウエーハを研削する研削方法について説明する。
図4には、本発明によるウエーハの研削方法によって研削される結晶方位を有するウエーハ10が示されている。図4に示す結晶方位を有するウエーハ10は、シリコン基板からなっており、その表面10aには格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)101によって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイス102が形成されている。このウエーハ10は、外周の所定部位に結晶方位を示すマークとしてノッチ(N)が形成されている。このように構成されたウエーハ10の裏面10bを研削するには、図5に示すように表面10aにデバイス102を保護するための保護テープ11を貼着する(保護テープ貼着工程)。
図4には、本発明によるウエーハの研削方法によって研削される結晶方位を有するウエーハ10が示されている。図4に示す結晶方位を有するウエーハ10は、シリコン基板からなっており、その表面10aには格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)101によって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイス102が形成されている。このウエーハ10は、外周の所定部位に結晶方位を示すマークとしてノッチ(N)が形成されている。このように構成されたウエーハ10の裏面10bを研削するには、図5に示すように表面10aにデバイス102を保護するための保護テープ11を貼着する(保護テープ貼着工程)。
次に、表面10aに保護テープ11が貼着されたウエーハ10を図1に示す研削装置における被加工物載置域24に位置付けられているチャックテーブル52の保持面上に、裏面10bを上側にして載置する。このようにしてチャックテーブル52の保持面上に載置されたウエーハ10は、図示しない吸引手段によってチャックテーブル52上に吸引保持される。
チャックテーブル52上にウエーハ10を吸引保持したならば、チャックテーブル移動機構56(図3参照)を作動してチャックテーブル機構5を矢印23aで示す方向に移動し、チャックテーブル52上に保持されたウエーハ10を研削砥石327の下方の研削域25に位置付ける。なお、この状態においてチャックテーブル52上に保持されたウエーハ10は、図6の(a)および(b)に示すようにその中心(P)を研削砥石327が通過する位置に位置付けられている。このようにして、ウエーハ10が研削域25に位置付けられたならば、上記サーボモータ53を駆動してチャックテーブル52を300rpmで回転し、上記サーボモータ323を駆動して研削工具325を6000rpmで回転するとともに、上記研削ユニット送り機構4のパルスモータ44を正転駆動して研削ユニット3を図6の(a)において2点鎖線で示す待機位置から下降せしめて(研削送り)、研削砥石327の研削面である下端面をチャックテーブル52上に保持されたウエーハ10の上面(裏面10b)に押圧せしめる。そして、研削工具325を所定量下降せしめて(研削送り)、ウエーハ10を所定の厚さに研削する(第1の研削工程)。この所定の厚さは、仕上げ寸法より2μm程度厚い寸法に設定されている。このようにして、第1の研削工程が実施されたウエーハ10の上面(裏面10b)には、図6の(c)に示すようにウエーハ10の回転中心Pから外周に向かって放射状にソーマーク(S1)が形成される。
上述した第1の研削工程を実施したならば、チャックテーブル52および研削砥石327を回転した状態で、チャックテーブル52と研削砥石327を一方向に相対的に平行移動してウエーハ10の外周部上面を研削砥石327の回転軌跡の直下に位置付けるウエーハ位置付け工程を実施する。即ち、図7の(a)に示す上記第1の研削工程を実施した状態から、上記チャックテーブル移動機構56のサーボモータ562を逆転駆動してチャックテーブル52を矢印23bで示す方向に移動する。そして、図7の(b)に示すようにチャックテーブル52に保持されたウエーハ10の外周部上面が研削砥石327の回転軌跡の直下に移動したならば、上記チャックテーブル移動機構56のサーボモータ562の作動を停止してチャックテーブル52の移動を停止する。
上述したウエーハ位置付け工程を実施したならば、チャックテーブル52に保持されたウエーハ10の結晶方位を示すマークを所定方向に向けて位置付けてチャックテーブル52の回転を停止し、研削砥石327を回転しつつチャックテーブルの保持面に垂直な方向に所定量研削送りした後、チャックテーブル52と研削砥石327を他方向に相対的に平行移動して加工送りすることにより、第1の研削工程によって研削されたウエーハの上面(裏面10b)を研削する第2の研削工程を実施する。この第2の研削工程について図8を参照して説明する。
第2の研削工程は、先ず、図8の(a)に示すようにチャックテーブル52に保持されたウエーハ10の結晶方位を示すノッチ(N)とウエーハ10の中心を結ぶ線がチャックテーブル52の移動方向矢印23aおよび矢印23bに対して垂直となるように位置付け、チャックテーブル52の回転を停止する。次に、図8の(b)に示すように研削工具325を回転しつつ所定量下降せしめて研削送りし、研削砥石327を研削作用位置に位置付けする。この結果、図8の(c)において実線で示すようにウエーハ10の外周部(図8の(c)において右端部)は、所定量(t)研削される。なお、所定量(t)即ちウエーハの上面(裏面10b)からの研削送り量は、図示の実施形態においては2μmに設定されている。このように研削砥石327が研削作用位置に位置付けられた状態で、上記チャックテーブル移動機構56のサーボモータ562を正転駆動してチャックテーブル52を矢印23a示す方向に6〜10cm/分の加工送り速度で研削砥石327に対して平行に加工送りし、図8の(c)においてに2点鎖線で示す研削終了位置まで移動せしめる。なお、研削終了位置は、ウエーハ10の矢印23aで示す加工送り方向にみて後端が研削砥石327の下端面を通過した所定位置に設定されている。この結果、ウエーハ10の上面(即ち裏面)は、回転する研削砥石327によって研削される。このようにしてチャックテーブル機構5を研削終了位置まで移動したら、研削工具325を図8の(c)において2点鎖線で示す待機位置に位置付ける。この結果、ウエーハ10の上面(裏面10b)である被研削面には、図9に示すように上記第1の研削工程において形成されたソーマーク(S1)が除去され、ノッチ(N)に対して略垂直なソーマーク(S2)が形成される。即ち、第2の研削工程においては、抗折強度が低下するチップが発生し易い領域(例えば、シリコンの場合にはノッチ(N)と45度の方向の領域)に相当する部位にはノッチ(N)と45度の方向にはソーマークは形成されない。なお、ソーマーク(S2)は直線に近くなる程望ましく、従って、研削砥石327の外径がウエーハ10の外径に対して2倍以上であることが望ましい。
以上のように本発明によれば、第1の研削工程によってウエーハ10を保持したチャックテーブル52を回転するとともに研削砥石327を回転しつつウエーハ10の中心を通過するように作用せしめて所定の厚さになるまで研削するので、研削効率を低下することなく研削することができる。そして、所定の厚さに研削されたウエーハ10を第2の研削工程において被研削面を研削することにより結晶方位に対して抗折強度が低下し易い方向にソーマークが形成されないため、分割後のチップの抗折強度の低下が防止できる。また、第2の研削工程は、ウエーハ10の外周部上面を研削砥石の回転軌跡の直下に位置付け研削砥石327を研削送りした後にチャックテーブル52と研削砥石327を加工送りするので、研削砥石327がウエーハ10から離れないため円滑に遂行され、ウエーハ10に衝撃を与えることはない。
なお、ウエーハの表面に形成されたデバイスが長方形の場合には、上記第2の研削工程において形成されるソーマーク(S2)が長方形のデバイスの長辺に対して略平行となるように上記ウエーハ位置付け工程においてウエーハを位置付けることが望ましい。
なお、ウエーハの表面に形成されたデバイスが長方形の場合には、上記第2の研削工程において形成されるソーマーク(S2)が長方形のデバイスの長辺に対して略平行となるように上記ウエーハ位置付け工程においてウエーハを位置付けることが望ましい。
2:装置ハウジング
3:研削ユニット
31:移動基台
32:スピンドルユニット
321:スピンドルハウジング
322:回転スピンドル
323:サーボモータ
324:工具装着部材
325:研削工具
326:支持部材
327:研削砥石
4:研削ユニット送り機構
44:パルスモータ
5:チャックテーブル機構
51:支持基台
52:チャックテーブル
53:サーボモータ
54:カバー部材
56:チャックテーブル移動機構
61、62:蛇腹手段
10:ウエーハ(被加工部材)
3:研削ユニット
31:移動基台
32:スピンドルユニット
321:スピンドルハウジング
322:回転スピンドル
323:サーボモータ
324:工具装着部材
325:研削工具
326:支持部材
327:研削砥石
4:研削ユニット送り機構
44:パルスモータ
5:チャックテーブル機構
51:支持基台
52:チャックテーブル
53:サーボモータ
54:カバー部材
56:チャックテーブル移動機構
61、62:蛇腹手段
10:ウエーハ(被加工部材)
Claims (1)
- 結晶方位を有するウエーハをチャックテーブルの保持面に保持し、該チャックテーブルの保持面に保持された該ウエーハの上面に回転する研削砥石の研削面を作用せしめて該ウエーハの上面を研削するウエーハの研削方法であって、
該ウエーハを保持した該チャックテーブルを回転するとともに該研削砥石を回転しつつ該ウエーハの中心を通過する位置に位置付け該チャックテーブルの保持面に垂直な方向に研削送りすることにより該ウエーハの上面を研削する第1の研削工程と、
該第1の研削工程を実施した後、該チャックテーブルおよび該研削砥石を回転した状態で、該チャックテーブルと該研削砥石を一方向に相対的に平行移動して該ウエーハの外周部上面を該研削砥石の回転軌跡の直下に位置付けるウエーハ位置付け工程と、
該ウエーハ位置付け工程が実施された該チャックテーブルに保持されている該ウエーハの結晶方位を示すマークを所定方向に向けて位置付けて該チャックテーブルの回転を停止し、該研削砥石を回転しつつ該チャックテーブルの保持面に垂直な方向に所定量研削送りした後、該チャックテーブルと該研削砥石を他方向に相対的に平行移動して加工送りすることにより、該第1の研削工程によって研削されたウエーハの上面を研削する第2の研削工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの研削方法。
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