JP2009242912A - 含Ti極低炭素鋼の溶製方法および含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法 - Google Patents

含Ti極低炭素鋼の溶製方法および含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】連続鋳造時のノズル詰まりを防止でき、且つ表面性状および内質に優れた冷延鋼板を得ることができる含Ti極低炭素鋼を溶製する。
【解決手段】真空脱ガス設備において、溶鋼を脱炭処理した後、Ti含有合金を添加して脱酸処理することで[%Al]≦[%Ti]/10を満足する組成の脱酸溶鋼とし、次いで、溶鋼にCaを含有する介在物組成調整用合金を添加して溶鋼中の介在物組成をTi酸化物:90%以下、CaO:5〜50%、Al:70%以下に調整し、前記脱酸処理した後の取鍋スラグ中のT.Fe濃度+MnO濃度を10mass%以下、(%CaO)/(%SiO)を1以上、TiO濃度を1mass%以上、Al濃度を10〜50mass%とする。溶鋼中の介在物組成が最適化され且つ介在物量が低減されることで、介在物によるノズル詰まりを防止でき、且つ表面性状及び内質に優れた冷延鋼板を得ることができる含Ti極低炭素鋼を溶製できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、Tiで脱酸処理された含Ti極低炭素鋼の溶製方法および含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法に関するもので、特に、表面性状および内質に優れた冷延鋼板に好適な含Ti極低炭素鋼およびその鋳片を得るための方法に関するものである。
近年、自動車用鋼板などの冷延鋼板用の極低炭素鋼を溶製する場合、溶鋼中に0.005mass%以上のAlが残留するように、溶鋼をAlで強脱酸することにより、低コストで鋼を清浄化することが主流となっている。このようなAlによる脱酸では、ガス撹拌装置やRH真空脱ガス装置などを用いて溶鋼を処理し、生成する酸化物(脱酸生成物)を凝集・合体させて浮上分離を図る方法が取られているが、鋳片には不可避的にAlの酸化物(Al)が残留してしまう。特に、この残留Alはクラスター状の形状になるため、溶鋼に対する見掛け比重が小さく、浮上分離しにくい。このため、鋼中には数百μm以上のサイズのクラスター状介在物が残留しやすくなる。このようなクラスター状介在物が連続鋳造時に鋳片表層部に捕捉されると、ヘゲ、スリーバのような表面欠陥になり、冷延鋼板の表面性状を損なうことになる。
また、Al脱酸で生成した固相のAlは、連続鋳造において、溶鋼をタンディッシュから鋳型に注入する浸漬ノズルの内面に付着・堆積し、ノズルの閉塞(ノズル詰まり)を起こすという問題もある。そのため、タンディッシュの上ノズルや浸漬ノズルからArガスなどを吹き込むことにより、ノズルの閉塞を抑える方法が採られているが、吹き込んだガスが凝固シェルにAlとともに捕捉され、スケール、ヘゲ、スリーバのような表面欠陥になり、冷延鋼板の表面性状を損なうことになる。
このようにAl脱酸鋼には多くの課題があるため、最近では、Alを添加せず、Tiで脱酸するケースも多くなってきている。この理由は、Ti脱酸鋼の場合には、Al脱酸鋼に比べると到達酸素濃度が高く、介在物量は多いが、Al脱酸鋼に比べるとクラスター状の酸化物は生成しにくく、5〜20μm程度のサイズの酸化物が鋼中に分散した状態で存在するようになるからである。したがって、このTi脱酸鋼では、クラスター状の酸化物系介在物に起因する表面欠陥は減少する。しかしながら、Ti含有量が0.010mass%以上で且つTi含有量/Al含有量≧5の極低炭素鋼では、Ti酸化物は溶鋼中では固相状態になるため、連続鋳造時においてTi酸化物が地金を取り込んだ形で浸漬ノズルの内面に付着・成長し、ノズル閉塞の原因となる。
このような問題点を解決する方法として、特許文献1では、AlレスTi脱酸鋼の鋳造において、浸漬ノズルを通過する溶鋼の酸素量を制限することにより、浸漬ノズル内面でのTiの付着・成長を抑制する方法が提案されている。しかし、Ti脱酸鋼の場合、到達酸素濃度は30massppm程度であるため、800ton程度までしか鋳造できず、また、ノズル閉塞の進行とともに鋳型内の湯面のレベル制御が不安定になるため、Ti脱酸鋼の問題点の根本的な解決法にはならない。
また、極低炭素Ti脱酸鋼を連続鋳造時に浸漬ノズルの閉塞を招くことなく鋳造し、且つ発錆の著しい増加がなく表面性状に優れた含Ti極低炭素冷延鋼板を得る方法として、特許文献2〜4では、Ti脱酸後の溶鋼にCaやCa含有合金を添加することで、介在物をTi酸化物−Al−CaOおよび/またはREM酸化物という低融点組成とし、連続鋳造にて浸漬ノズル内にArガスを吹き込むことなく鋳造を行う方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では、Ca添加時に溶鋼がスラグや大気などにより再酸化され、溶鋼中の酸素濃度および酸化物系介在物量が増加し、鋳造後に鋼中に大型の酸化物系介在物が残存することにより、冷延鋼板のプレス成型時に酸化物系介在物を起点とした割れが発生するという問題がある。
また、Ca添加の含Ti極低炭素鋼において、大型の酸化物系介在物を減少させるために、特許文献5では、Al添加前の溶鋼中の酸素含有量と、Alを添加してからTiを添加するまでの時間との間に、a/t≦100(但し、a:Al添加前の酸素含有量(massppm)、t:Alを添加してからTiを添加するまでの時間(min))の関係が成り立つようにTiを添加することにより、冷延鋼板中の介在物組成をAl:10〜30mass%、Caおよび/または金属REMの酸化物:5〜30mass%、Ti酸化物:50〜90mass%にする方法が提案されている。しかしながら、Ti添加前の処理時間を延ばしても、Ca添加時に溶鋼がスラグや大気などにより再酸化され、溶鋼中の酸素濃度および酸化物系介在物量が増加し、鋳造後に鋼中に大型の酸化物系介在物が残存することにより、冷延鋼板のプレス成型時に酸化物系介在物を起点とした割れが発生するという問題がある。
特開平8−281391号公報 特開平10−291053号公報 特開平11−343516号公報 特開2006−152444号公報 特開2001−26842号公報
したがって本発明の目的は、Tiで脱酸処理された含Ti極低炭素鋼の溶製方法であって、連続鋳造する際に酸化物系介在物による浸漬ノズルの閉塞(ノズル詰まり)を防止できるとともに、表面性状および内質に優れた冷延鋼板、特に酸化物系介在物や気泡などによる表面欠陥が少なく、且つ酸化物系介在物起因のプレス割れに対する高い抵抗性を有する冷延鋼板を得ることができる、含Ti極低炭素鋼の溶製方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、そのような溶製方法で溶製された含Ti極低炭素鋼から鋳片を製造する方法であって、冷延鋼板の表面性状および内質をより高めることができる鋳片の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するために実験および研究を重ねた結果、以下のような要旨の含Ti極低炭素鋼の溶製方法および含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法を開発するに至った。
[1]C:0.020mass%以下、Ti:0.010mass%以上、Ca:0.0005mass%以上を含有する極低炭素Ti脱酸鋼を溶製するに当たり、
転炉または電気炉から出鋼した溶鋼を、真空脱ガス設備において、脱炭処理し、次いで、該脱炭処理後の溶鋼にTi含有合金を添加して脱酸処理することにより、Al含有量(mass%)とTi含有量(mass%)が[%Al]≦[%Ti]/10を満足する組成の脱酸溶鋼とし、その後、該脱酸溶鋼にCaを含有する介在物組成調整用合金を添加することにより、溶鋼中の介在物組成をTi酸化物:90mass%以下、CaO:5〜50mass%、Al:70mass%以下に調整し、
前記Ti含有合金を添加して溶鋼を脱酸処理した後の取鍋スラグ中の、トータルFe濃度とMnO濃度の合計を10mass%以下、CaO濃度とSiO濃度の質量比(%CaO)/(%SiO)を1以上、TiO濃度を1mass%以上、Al濃度を10〜50mass%とすることを特徴とする含Ti極低炭素鋼の溶製方法。
[2]上記[1]の溶製方法において、C:0.020mass%以下、Ti:0.010mass%以上、Ca:0.0005mass%以上、Si:0.2mass%以下、Mn:2.0mass%以下、S:0.050mass%以下、P:0.005〜0.12mass%、N:0.0005〜0.0040mass%、残部Feおよび不可避的不純物からなる極低炭素Ti脱酸鋼を溶製することを特徴とする含Ti極低炭素鋼の溶製方法。
[3]上記[1]または[2]の溶製方法において、さらに、Nb:0.100mass%以下、B:0.050mass%以下、Mo:1.0mass%以下の1種以上を含有する極低炭素Ti脱酸鋼を溶製することを特徴とする含Ti極低炭素鋼の溶製方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの溶製方法において、溶鋼を脱炭処理した後、Ti含有合金を添加して脱酸処理するのに先立ち、Al、SiおよびMnの中から選ばれる1種または2種以上を添加して予備脱酸することにより、溶鋼の溶存酸素濃度を予め200massppm以下とすることを特徴とする含Ti極低炭素鋼の溶製方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの溶製方法において、Ti含有合金を添加して行う溶鋼の脱酸処理時間を5分以上とすることを特徴とする含Ti極低炭素鋼の溶製方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの溶製方法で溶製された溶鋼を連続鋳造して鋳片を製造する方法であって、タンディッシュ底部に設置された浸漬ノズルを通じてタンディッシュから鋳型内に溶鋼を注入する際に、前記浸漬ノズルを流下する溶鋼にガスを吹き込むことなく、溶鋼を鋳造することを特徴とする含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法。
[7]上記[1]〜[5]のいずれかの溶製方法で溶製された溶鋼を連続鋳造して鋳片を製造する方法であって、鋳型内の溶鋼を移動磁場による電磁力により撹拌することを特徴とする含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法。
[8]上記[1]〜[5]のいずれかの溶製方法で溶製された溶鋼を連続鋳造して鋳片を製造する方法であって、鋳型内の溶鋼に静磁場を印加し、溶鋼流動を制動することを特徴とする含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法。
[9]上記[1]〜[5]のいずれかの溶製方法で溶製された溶鋼を連続鋳造して鋳片を製造する方法であって、鋳型内の溶鋼を移動磁場による電磁力により撹拌するとともに、溶鋼に静磁場を印加し、溶鋼流動を制動することを特徴とする含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法。
[10]上記[7]〜[9]のいずれかの製造方法において、タンディッシュ底部に設置された浸漬ノズルを通じてタンディッシュから鋳型内に溶鋼を注入する際に、前記浸漬ノズルを流下する溶鋼にガスを吹き込むことなく、溶鋼を鋳造することを特徴とする含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法。
[11]上記[6]〜[10]のいずれかの製造方法において、溶鋼をスループット4ton/min以下で連続鋳造することを特徴とする含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法。
本発明の含Ti極低炭素鋼の溶製方法によれば、溶鋼中の酸化物系介在物の組成が最適化されるとともに、介在物量が低減されることにより、連続鋳造する際の酸化物系介在物による浸漬ノズルの閉塞(ノズル詰まり)を防止できるとともに、表面性状及び内質に優れた冷延鋼板、特に酸化物系介在物や気泡などによる表面欠陥が少なく、且つ酸化物系介在物起因のプレス割れに対する高い抵抗性を有する冷延鋼板を得ることができる、含Ti極低炭素鋼を溶製することができる。
また、本発明の含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法によれば、連続鋳造条件を最適化することにより、上記溶製方法で溶製された含Ti極低炭素鋼から、冷延鋼板の表面性状及び内質をより高めることができる鋳片を製造することができる。
本発明は、C:0.020mass%以下、Ti:0.010mass%以上、Ca:0.0005mass%以上を含有する極低炭素Ti脱酸鋼の溶製方法であり、転炉または電気炉から出鋼した溶鋼に対して、真空脱ガス設備において、脱炭処理とTiによる脱酸処理を順次行い、さらに、脱酸溶鋼にCa系の介在物組成調整用合金を添加することで、溶鋼中の介在物(=酸化物系介在物。以下同様)を所定の組成に調整するものである。このような一連の処理を行う真空脱ガス設備としては、特に、RH真空脱ガス設備が望ましい。
本発明で溶製する極低炭素鋼は、Cが0.020mass%を超えると、製品の深絞り性が確保できなくなるため、Cは0.020mass%以下とする。
また、Tiが0.010mass%未満ではTiによる脱酸素能力が弱く、全酸素濃度が高くなるので、Tiは0.010mass%以上とする。一方、Tiが多すぎると、TiNが大量に生成して浸漬ノズルを閉塞させるおそれがあるので、Tiは0.15mass%以下が好ましい。
また、Caが0.0005mass%未満では、介在物中のCaO濃度が5〜50mass%にならず、介在物の融点が高くなり、ノズル詰まりが発生しやすくなるので、Caは0.0005mass%以上とする。一方、Caが0.0050mass%を超えると介在物のCaO濃度が50mass%を超え、介在物が液相状態で硫黄を含有し易くなり、その結果、液相介在物が固まる際に介在物の周囲にCaSを生成し、これが鋼板において発錆の起点となり、鋼板の発錆量が著しく増加する。このためCaは0.0050mass%以下が好ましい。
本発明では、RH真空脱ガス設備などの真空脱ガス設備において、まず溶鋼の脱炭処理が行われ、次いで、この脱炭処理後の溶鋼にFe−Ti合金などのようなTi含有合金を添加して脱酸処理(Ti脱酸処理)が行われ、Al含有量(mass%)とTi含有量(mass%)が[%Al]≦[%Ti]/10を満足する組成の脱酸溶鋼とする。脱酸溶鋼がこの組成範囲を外れると、Ti脱酸ではなくAl脱酸となり、Alクラスターが大量に生成し、仮に、その後にTi含有合金を添加してTi濃度を増加させても十分な還元ができず、鋼中にクラスター状介在物として残存してしまう。その後、Caを含有する介在物組成調整用合金を添加して介在物の組成制御を行うが、生成する介在物はCaO・Alとなって発錆の起点になりやすくなるとともに、Alクラスターが反応した介在物は巨大なCaO・Al介在物となる。
次いで、上記Ti脱酸溶鋼に、Caを含有する介在物組成調整用合金(以下、「Ca含有フラックス」という)を添加し、溶鋼中の介在物組成をTi酸化物:90mass%以下、CaO:5〜50mass%、Al:70mass%以下の低融点の組成とする。これにより、連続鋳造時における浸漬ノズル内面への酸化物系介在物の付着を効果的に抑え、浸漬ノズルの閉塞(ノズル詰まり)を防止することができる。
ここで、以上のようなTi脱酸処理とそれに続くCa含有フラックス添加の目的と作用効果について説明する。まず、溶鋼をFe−Ti合金などのようなTi含有合金により脱酸することにより、Ti酸化物を主体とした介在物を生成させる。こうして得られた介在物は、Alで脱酸したときのようなクラスター状にはならず、5〜20μm程度の大きさの粒状となって鋼中に分散した状態で存在する。もし、鋼中のAl濃度がある程度のレベルにあることでAl脱酸する結果と同じになると、巨大なAlクラスターが生成する。この場合、その後になってTi含有合金を添加してTi濃度を増加させたとしても、既に生成したAlクラスターは消えることなく、そのままクラスター状介在物として残存することになる。このような理由で、本発明においては、溶鋼をまずTiで脱酸し、Ti酸化物を生成させることが必要となる。
上記のようなTi脱酸によりTi≧80mass%のTi酸化物系介在物が生成するが、この介在物は5〜20μm程度の大きさで鋼中に分散し、粒状を呈することから、冷延鋼板にした場合でも表面欠陥を減少させる。しかしながら、極低炭素鋼の場合、鋼の凝固温度が高いためにTi酸化物は溶鋼中では固相状態であり、この酸化物が地金を取り込んだ形で連続鋳造されることから、浸漬ノズル内面に付着成長し、これがノズル詰まりの原因になる。そこで、本発明では、Ti含有合金により脱酸した後、その脱酸溶鋼に対してさらに、Ca含有フラックスを添加する。このCa含有フラックスを添加すると、溶鋼中の酸化物系介在物の組成を、Ti酸化物:90mass%以下、CaO:10〜50mass%、Al3:70mass%以下の低融点Ti酸化物を含む低融点介在物に変えることができる。すなわち、このような低融点の介在物に変えることにより、浸漬ノズル内面での地金を取り込んだTi酸化物の付着成長を、効果的に防止することができる。
Ti脱酸溶鋼へのCa含有フラックスの添加は、Ti脱酸処理後の取鍋で行ってもよいし、真空脱ガス処理中(脱酸処理後)の真空槽に上部添加してもよいが、一般には前者の方法で添加がなされる。
Ca含有フラックスとしては、例えば、CaSi、CaNi、CaAl、CaFeなどの1種以上を用いることができ、これらの添加量を適宜調整することにより、上述したような組成の介在物が得られる。
Ca含有フラックスを添加して調整される介在物組成の限定理由は、以下のとおりである。
介在物のTi酸化物濃度が90mass%超では、介在物の融点が十分に低下せず、クラスター状にこそならないものの、介在物が浸漬ノズルの内面に付着・堆積してノズル詰まりの原因になる。このためTi酸化物濃度は90mass%以下、好ましくは80mass%以下とする。一方、Ti酸化物濃度が低いとAl濃度が増加することになるので、介在物のTi酸化物濃度は30mass%以上であることが好ましい。
介在物のCaO濃度が50mass%を超えると、介在物が液相状態で硫黄を含有しやすくなる。その結果、液相介在物が固まる際に介在物の周囲にCaSを生成し、これが鋼板において発錆の起点となり、鋼板の発錆量が著しく増加する。一方、CaO濃度が5mass%未満では、介在物の融点が十分に低下せず、介在物が浸漬ノズルの内面に付着・堆積してノズル詰まりの原因になる。このためCaO濃度は5〜50mass%、好ましくは7〜50mass%、さらに好ましくは15〜50mass%とする。
介在物のAl濃度が70mass%を超えると、介在物が高融点組成となるため、浸漬ノズルのノズル詰まりが起きやくなるとともに、介在物がクラスター状になるため、鋼板での非金属介在物性の欠陥が増加する。
介在物は、上述したTi酸化物、CaO、Al以外に、不可避的に混入する酸化物を含んでいてもよく、例えば、MgOを5mass%以下程度、SiOを20mass%以下程度、それぞれ含んでいてもよい。
Ca含有フラックスは、通常、鉄被覆ワイヤーやインジェクッションランスを用いて取鍋内の溶鋼に添加する。鉄被覆ワイヤーは合金粉を薄鋼板で被覆したワイヤーであり、このワイヤーを溶鋼中に供給する。また、インジェクッションランスを用いる方法では、合金粉をインジェクッションランスを通じて溶鋼内に吹き込む。Ca含有フラックスを溶鋼に添加した際に、溶鋼は激しく撹拌され、溶鋼上にあるスラグの巻き込みや、スラグ中のFeO、MnO、SiOなどの酸化物との反応により溶鋼は再酸化され、溶鋼中の酸化物系介在物量が著しく増加する。このため本発明では、溶鋼をTi脱酸処理した後の取鍋スラグ中のトータルFe(T.Fe)濃度とMnO濃度の合計を10mass%以下とする。これにより、Ca含有フラックスの添加から連続鋳造にかけての溶鋼の再酸化が抑えられ、鋳片の酸化物系介在物量が減少するため、最終的に冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率を十分に高めることが可能となる。
図1は、溶鋼を本発明が規定する組成になるようにTi脱酸処理した後の取鍋スラグ中のトータルFe濃度(mass%)とMnO濃度(mass%)の合計(%T.Fe)+(%MnO)と、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率との関係を示すものである。
この試験では、以下のようにして含Ti極低炭素鋼を溶製し、これを連続鋳造して得られた鋳片から熱間圧延および冷間圧延を経て冷延鋼板を得た。転炉から出鋼して取鍋に入られた溶鋼(300ton)に対して、スラグ中のFeO、MnOを還元するため、必要に応じてAl滓を添加した。また、RH真空脱ガス処理後のスラグ組成を制御するために、必要に応じてCaO、Al、TiOを添加した。次いで、RH真空脱ガス設備において、次のような一連の処理を行った。まず、溶鋼を脱炭処理して溶鋼の成分組成をC:0.0007〜0.0150mass%、酸素濃度:120〜700massppmとした。次いで、溶鋼にAlを0.1〜1.2kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の溶存酸素濃度を30〜400massppmまで低下させた。この時の溶鋼のAl濃度は0.001〜0.005mass%であった。さらに、溶鋼にFe−70mass%Ti合金を0.8〜2.0kg/溶鋼ton添加し、Ti脱酸処理を行った。このTi脱酸処理では、Fe−Ti合金添加後2〜15分でRH真空脱ガス処理を終了し、終了後の溶鋼の組成は、Ti濃度0.020〜0.080mass%、Al濃度0.001〜0.006mass%、全酸素濃度20〜100massppmであり、[%Al]≦[%Ti]/10を満足していた。RH真空脱ガス処理(脱酸処理)後の取鍋中のスラグ組成は、CaO濃度:20〜60mass%、SiO濃度:5〜20mass%、Al濃度:10〜50mass%、TiO濃度:1〜10mass%、MgO濃度:2〜15mass%、トータルFe濃度:1〜10mass%、MnO濃度:0.5〜5mass%であったが、いずれも質量比(%CaO)/(%SiO)≧1であった。
RH真空脱ガス処理後、取鍋内の溶鋼に20〜35mass%Ca−60〜75mass%Si合金を鉄被覆ワイヤーにより供給して0.1〜0.4kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の介在物の組成をTi酸化物:30〜70mass%、CaO:6〜50mass%、Al:10〜70mass%に調整した。溶製された溶鋼のCa濃度は0.0005mass%以上であった。
以上のようにして溶製した溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて連続鋳造し、鋳片を製造した。この連続鋳造は、浸漬ノズルを流下する溶鋼にArやNなどのガスを吹き込むことなく行い、鋳造時の溶鋼スループットは2〜6ton/minとした。鋳造されたスラブを板厚2〜4mmまで熱間圧延し、さらに板厚0.6〜1.0mmまで冷間圧延し、冷延鋼板を得た。
図1に示されるように、取鍋スラグ中の(%T.Fe)+(%MnO)を10mass%以下とすることにより、バルジ試験における割れ部の板厚歪み率を50%以上とすることが可能になる。また、より好ましい(%T.Fe)+(%MnO)は5mass%以下である。
なお、本発明において、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率とは、次のようにして求められるものである。すなわち、冷延鋼板から200mm四方のサンプルを10枚抽出し、これらのサンプルを油圧で膨らませ、破断(割れ)部分の板厚測定から板厚方向の歪み率を算出し、10点のうちの最小の歪み率をもって「板厚歪み率」とする。
取鍋スラグ中の(%T.Fe)+(%MnO)を10mass%以下にするのには、例えば、転炉流出スラグ量に応じて処理前にAl滓を添加すればよい。
また、上記と同様の観点から、溶鋼をTi脱酸した後の取鍋スラグ中のCaO濃度とSiO濃度の質量比(%CaO)/(%SiO)を1以上とする。
図2は、溶鋼を本発明が規定する組成になるようにTi脱酸処理した後の取鍋スラグ中の質量比(%CaO)/(%SiO)と、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率との関係を示すものである。この試験では、以下のようにして含Ti極低炭素鋼を溶製し、これを連続鋳造して得られた鋳片から熱間圧延および冷間圧延を経て冷延鋼板を得た。転炉から出鋼して取鍋に入れられた溶鋼(300ton)に対して、石灰を添加して質量比(%CaO)/(%SiO)を調整した。また、スラグ中のFeO、MnOを還元するため、必要に応じてAl滓を添加した。また、RH真空脱ガス処理後のスラグ組成を制御するために、必要に応じてCaO、Al、TiOを添加した。次いで、RH真空脱ガス設備において、次のような一連の処理を行った。まず、溶鋼を脱炭処理して溶鋼の成分組成をC:0.0007〜0.0150mass%、酸素濃度:120〜700massppmとした。次いで、溶鋼にAlを0.1〜1.2kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の溶存酸素濃度を30〜400massppmまで低下させた。この時の溶鋼のAl濃度は0.001〜0.005mass%であった。さらに、溶鋼にFe−70mass%Ti合金を0.8〜2.0kg/溶鋼ton添加し、Ti脱酸処理を行った。このTi脱酸処理では、Fe−Ti合金添加後2〜15分でRH真空脱ガス処理を終了し、終了後の溶鋼の組成は、Ti濃度0.020〜0.080mass%、Al濃度0.001〜0.006mass%、全酸素濃度20〜100massppmであり、[%Al]≦[%Ti]/10を満足していた。RH真空脱ガス処理(脱酸処理)後の取鍋中のスラグ組成は、CaO濃度:20〜60mass%、SiO濃度:5〜20mass%、Al濃度:10〜50mass%、TiO濃度:1〜10mass%、MgO濃度:2〜15mass%、トータルFe濃度:1〜8mass%、MnO濃度:0.5〜4mass%であったが、いずれも(%T.Fe)+(%MnO)≦10mass%であった。RH真空脱ガス処理後、取鍋内の溶鋼に20〜35mass%Ca−60〜75mass%Si合金を鉄被覆ワイヤーにより供給して0.1〜0.4kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の介在物の組成をTi酸化物:30〜70mass%、CaO:6〜50mass%、Al:10〜70mass%に調整した。溶製された溶鋼のCa濃度は0.0005mass%以上であった。
以上のようにして溶製した溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて連続鋳造し、鋳片を製造した。この連続鋳造は、浸漬ノズルを流下する溶鋼にArやNなどのガスを吹き込むことなく行い、鋳造時の溶鋼スループットは2〜6ton/minとした。鋳造されたスラブを板厚2〜4mmまで熱間圧延し、さらに板厚0.6〜1.0mmまで冷間圧延し、冷延鋼板を得た。
図2に示されるように、取鍋スラグ中の(%CaO)/(%SiO)を1以上とすることにより、バルジ試験における割れ部の板厚歪み率を50%以上とすることが可能になる。また、より好ましい(%CaO)/(%SiO)は2以上である。
取鍋スラグ中の(%CaO)/(%SiO)を1以上とするには、例えば、転炉出鋼流中に石灰を添加すればよい。
さらに、本発明では、溶鋼をTi脱酸した後の取鍋スラグ中のTiO濃度を1mass%以上にする。これにより、Tiの再酸化速度が低減して、酸化物系介在物量の増加を抑えることができ、冷延鋼板のバルジ試験における板厚歪み率を50%以上にすることが可能となる。
図3は、溶鋼を本発明が規定する組成になるようにTi脱酸処理した後の取鍋スラグ中のTiO濃度と、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率との関係を示すものである。
この試験では、以下のようにして含Ti極低炭素鋼を溶製し、これを連続鋳造して得られた鋳片から熱間圧延および冷間圧延を経て冷延鋼板を得た。転炉から出鋼して取鍋に入れられた溶鋼(300ton)に対して、酸素濃度に応じてTi−Fe合金を添加してTiO濃度を調整した。また、スラグ中のFeO、MnOを還元するため、必要に応じてAl滓を添加した。また、RH真空脱ガス処理後のスラグ組成を制御するために、必要に応じてCaO、Al、TiOを添加した。次いで、RH真空脱ガス設備において、次のような一連の処理を行った。まず、溶鋼を脱炭処理して溶鋼の成分組成をC:0.0007〜0.0150mass%、酸素濃度:120〜700massppmとした。次いで、溶鋼にAlを0.1〜1.2kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の溶存酸素濃度を30〜400massppmまで低下させた。この時の溶鋼のAl濃度は0.001〜0.005mass%であった。さらに、溶鋼にFe−70mass%Ti合金を0.8〜2.0kg/溶鋼ton添加し、Ti脱酸処理を行った。このTi脱酸処理では、Fe−Ti合金添加後2〜15分でRH真空脱ガス処理を終了し、終了後の溶鋼の組成は、Ti濃度0.020〜0.080mass%、Al濃度0.001〜0.006mass%、全酸素濃度20〜100massppmであり、[%Al]≦[%Ti]/10を満足していた。RH真空脱ガス処理(脱酸処理)後の取鍋中のスラグ組成は、CaO濃度:20〜60mass%、SiO濃度:5〜20mass%、Al濃度:10〜50mass%、TiO濃度:1〜10mass%、MgO濃度:2〜15mass%、トータルFe濃度:1〜8mass%、MnO濃度:0.5〜4mass%であったが、いずれも質量比(%CaO)/(%SiO)≧1、(%T.Fe)+(%MnO)≦10mass%であった。RH真空脱ガス処理後、取鍋内の溶鋼に20〜35mass%Ca−60〜75mass%Si合金を鉄被覆ワイヤーにより供給して0.1〜0.4kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の介在物の組成をTi酸化物:30〜70mass%、CaO:6〜50mass%、Al:10〜70mass%に調整した。溶製された溶鋼のCa濃度は0.0005mass%以上であった。
以上のようにして溶製した溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて連続鋳造し、鋳片を製造した。この連続鋳造は、浸漬ノズルを流下する溶鋼にArやNなどのガスを吹き込むことなく行い、鋳造時の溶鋼スループットは2〜6ton/minとした。鋳造されたスラブを板厚2〜4mmまで熱間圧延し、さらに板厚0.6〜1.0mmまで冷間圧延し、冷延鋼板を得た。
図3に示されるように、取鍋スラグ中のTiO濃度を1mass%以上とすることにより、バルジ試験における割れ部の板厚歪み率を50%以上にすることが可能となる。また、より好ましいTiO濃度は2mass%以上である。
取鍋スラグ中のTiO濃度を1mass%以上とするには、例えば、酸素濃度に応じてTiを添加すればよい。
さらに、本発明では、溶鋼をTi脱酸処理した後の取鍋スラグ中のAl濃度を10〜50mass%にする。
図4は、溶鋼を本発明が規定する組成になるようにTi脱酸処理した後の取鍋スラグ中のAl濃度と、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率との関係を示すものである。
この試験では、以下のようにして含Ti極低炭素鋼を溶製し、これを連続鋳造して得られた鋳片から熱間圧延および冷間圧延を経て冷延鋼板を得た。転炉から出鋼して取鍋に入れられた溶鋼(300ton)に対して、Al滓を添加してAl濃度を調整した。また、スラグ中のFeO、MnOを還元するため、必要に応じてAl滓を添加した。また、RH真空脱ガス処理後のスラグ組成を制御するために、必要に応じてCaO、Al、TiOを添加した。次いで、RH真空脱ガス設備において、次のような一連の処理を行った。まず、溶鋼を脱炭処理して溶鋼の成分組成をC:0.0007〜0.0150mass%、酸素濃度:120〜700massppmとした。次いで、溶鋼にAlを0.1〜1.2kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の溶存酸素濃度を30〜400massppmまで低下させた。この時の溶鋼のAl濃度は0.001〜0.005mass%であった。さらに、溶鋼にFe−70mass%Ti合金を0.8〜2.0kg/溶鋼ton添加し、Ti脱酸処理を行った。このTi脱酸処理では、Fe−Ti合金添加後2〜15分でRH真空脱ガス処理を終了し、終了後の溶鋼の組成は、Ti濃度0.020〜0.080mass%、Al濃度0.001〜0.006mass%、全酸素濃度20〜100massppmであり、[%Al]≦[%Ti]/10を満足していた。RH真空脱ガス処理(脱酸処理)後の取鍋中のスラグ組成は、CaO濃度:20〜60mass%、SiO濃度:5〜20mass%、TiO濃度:1〜10mass%、MgO濃度:2〜15mass%、トータルFe濃度:1〜8mass%、MnO濃度:0.5〜4mass%であったが、いずれも質量比(%CaO)/(%SiO)≧1、(%T.Fe)+(%MnO)≦10mass%であった。RH真空脱ガス処理後、取鍋内の溶鋼に20〜35mass%Ca−60〜75mass%Si合金を鉄被覆ワイヤーにより供給して0.1〜0.4kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の介在物の組成をTi酸化物:30〜70mass%、CaO:6〜50mass%、Al:10〜70mass%に調整した。溶製された溶鋼のCa濃度は0.0005mass%以上であった。
以上のようにして溶製した溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて連続鋳造し、鋳片を製造した。この連続鋳造は、浸漬ノズルを流下する溶鋼にArやNなどのガスを吹き込むことなく行い、鋳造時の溶鋼スループットは2〜6ton/minとした。鋳造されたスラブを板厚2〜4mmまで熱間圧延し、さらに板厚0.6〜1.0mmまで冷間圧延し、冷延鋼板を得た。
図4に示されるように、取鍋スラグ中のAl濃度を10mass%以上とすることにより、スラグが低融点化するため、酸化物系介在物のスラグへの吸収能が増大し、酸化物系介在物量を減少させることができる。また、Al濃度を50mass%以下にすることにより、酸化物系介在物中のAl濃度が70mass%超になることを抑制することができ、酸化物系介在物の粗大化を防止することができる。これらの結果、バルジ試験における割れ部の板厚歪み率を50%以上にすることが可能となる。
取鍋スラグ中のAl濃度を10〜50mass%以上とするには、例えば、Al滓の添加量を調整すればよい。
さらに、本発明では、脱炭処理後の溶鋼をTi脱酸処理するのに先立ち、Al、Si、Mnの中から選ばれる1種または2種以上を添加して予備脱酸を行い、溶鋼の溶存酸素濃度を予め200massppm以下にすることが好ましく、これにより酸化物系介在物の生成量を減らすことができ、このため冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率がさらに向上する。この予備脱酸も真空脱ガス処理で行う。
図5は、Ti脱酸処理前の溶鋼の溶存酸素濃度およびTi脱酸処理時間と、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率との関係を示すものであり、Ti脱酸処理前の溶鋼の溶存酸素濃度:50〜200massppmは予備脱酸を行った試験例、Ti脱酸処理前の溶鋼の溶存酸素濃度:200超〜500massppmは予備脱酸を行わなかった試験例である。
この試験では、以下のようにして含Ti極低炭素鋼を溶製し、これを連続鋳造して得られた鋳片から熱間圧延および冷間圧延を経て冷延鋼板を得た。転炉から出鋼して取鍋に入れられた溶鋼(300ton)に対して、Al滓を添加してAl濃度を調整した。また、スラグ中のFeO、MnOを還元するため、必要に応じてAl滓を添加した。また、RH真空脱ガス処理後のスラグ組成を制御するために、必要に応じてCaO、Al、TiOを添加した。次いで、RH真空脱ガス設備において、次のような一連の処理を行った。まず、溶鋼を脱炭処理して溶鋼の成分組成をC:0.0007〜0.0150mass%、酸素濃度:120〜700massppmとした。次いで、予備脱酸を行う場合には、溶鋼にAlを0.1〜1.2kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の溶存酸素濃度を50〜200massppmまで低下させた。この時の溶鋼のAl濃度は0.001〜0.005mass%であった。そして、溶鋼にFe−70mass%Ti合金を0.8〜2.0kg/溶鋼ton添加し、Ti脱酸処理を行った。このTi脱酸処理では、Fe−Ti合金添加後2〜15分でRH真空脱ガス処理を終了し、終了後の溶鋼の組成は、Ti濃度0.020〜0.080mass%、Al濃度0.001〜0.006mass%、全酸素濃度20〜100massppmであり、[%Al]≦[%Ti]/10を満足していた。RH真空脱ガス処理(脱酸処理)後の取鍋中のスラグ組成は、CaO濃度:20〜60mass%、SiO濃度:5〜20mass%、Al濃度:10〜50mass%、TiO濃度:1〜10mass%、MgO濃度:2〜15mass%、トータルFe濃度:1〜8mass%、MnO濃度:0.5〜4mass%であったが、いずれも質量比(%CaO)/(%SiO)≧1、(%T.Fe)+(%MnO)≦10mass%であった。RH真空脱ガス処理後、取鍋内の溶鋼に20〜35mass%Ca−60〜75mass%Si合金を鉄被覆ワイヤーにより供給して0.1〜0.4kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の介在物の組成をTi酸化物:30〜70mass%、CaO:6〜50mass%、Al:10〜70mass%に調整した。溶製された溶鋼のCa濃度は0.0005mass%以上であった。
以上のようにして溶製した溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて連続鋳造し、鋳片を製造した。この連続鋳造は、浸漬ノズルを流下する溶鋼にArやNなどのガスを吹き込むことなく行い、鋳造時の溶鋼スループットは2〜6ton/minとした。鋳造されたスラブを板厚2〜4mmまで熱間圧延し、さらに板厚0.6〜1.0mmまで冷間圧延し、冷延鋼板を得た。
図5に示されるように、Ti脱酸処理前の予備脱酸によって溶鋼の溶存酸素濃度を予め200massppm以下にすることにより、酸化物系介在物の生成を抑制し、バルジ試験における割れ部の板厚歪み率をさらに向上させることが可能となる。
また、図5に示すように、Ti脱酸処理時間(Ti含有合金添加後のRH処理時間)は5分以上とすることが好ましく、これにより本発明の作用効果が適切に得られ、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率を所望のレベルまで高めることができる。
次に、上述した本発明法で溶製された溶鋼を連続鋳造し、含Ti極低炭素鋼鋳片を製造する方法について説明する。
連続鋳造において溶鋼が鋳型に注入されると、溶鋼中に含まれる酸化物系介在物は、下降流により鋳片未凝固層深くまで侵入して凝固シェルに捕捉される。また、酸化物系介在物などの付着防止のために浸漬ノズル内に吹き込まれるArガスなどの不活性ガスの気泡が、鋳型内溶鋼湯面近傍の溶鋼流の乱れなどに起因して、溶鋼中を浮上する過程で凝固シェルに捕捉される。鋳片に捕捉されたこれら酸化物系介在物や気泡は、薄鋼板において表面疵欠陥を発生させる。なお、不活性ガスの気泡には、酸化物系介在物が付着している場合が多く、この酸化物系介在物が不活性ガスの気泡とともに凝固シェルに捕捉される。
このような課題に対しては、以下に示すような幾つかの形態の鋳片製造方法が有効である。
すなわち、第一の含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法では、連続鋳造装置において、タンディッシュ底部に設置された浸漬ノズルを通じてタンディッシュから鋳型内に溶鋼を注入する際に、前記浸漬ノズルを流下する溶鋼にガス(Arなどの不活性ガスやNなどの非酸化性ガス)を吹き込むことなく、溶鋼を鋳造することが好ましい。上述した本発明法によって溶鋼を溶製することにより、浸漬ノズルを流下する溶鋼にガスを吹き込むことなくノズル詰りを防止することが可能であり、また、ガスを吹き込まないことにより、ガス巻き込みによる鋳片の気泡性欠陥の発生を抑え、最終製品である冷延鋼板や鍍金鋼板におけるヘゲ、スリーバ、スケールなどの表面欠陥を大きく低減することができる。
さらに、この含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法では、スループットを4ton/min以下で鋳造することが好ましい。
図6は、連続鋳造のスループットと冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率との関係を示すものである。この試験では、以下のようにして含Ti極低炭素鋼を溶製し、これを連続鋳造して得られた鋳片から熱間圧延および冷間圧延を経て冷延鋼板を得た。転炉から出鋼して取鍋に入れられた溶鋼(300ton)に対して、Al滓を添加してAl濃度を調整した。また、スラグ中のFeO、MnOを還元するため、必要に応じてAl滓を添加した。また、RH真空脱ガス処理後のスラグ組成を制御するために、必要に応じてCaO、Al、TiOを添加した。次いで、RH真空脱ガス設備において、次のような一連の処理を行った。まず、溶鋼を脱炭処理して溶鋼の成分組成をC:0.0007〜0.0150mass%、酸素濃度:120〜700massppmとした。次いで、溶鋼にAlを0.1〜1.2kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の溶存酸素濃度を30〜400massppmまで低下させた。この時の溶鋼のAl濃度は0.001〜0.005mass%であった。さらに、溶鋼にFe−70mass%Ti合金を0.8〜2.0kg/溶鋼ton添加し、Ti脱酸処理を行った。このTi脱酸処理では、Fe−Ti合金添加後2〜15分でRH真空脱ガス処理を終了し、終了後の溶鋼の組成は、Ti濃度0.020〜0.080mass%、Al濃度0.001〜0.006mass%、全酸素濃度20〜100massppmであり、[%Al]≦[%Ti]/10を満足していた。RH真空脱ガス処理(脱酸処理)後の取鍋中のスラグ組成は、CaO濃度:20〜60mass%、SiO濃度:5〜20mass%、Al濃度:10〜50mass%、TiO濃度:1〜10mass%、MgO濃度:2〜15mass%、トータルFe濃度:1〜8mass%、MnO濃度:0.5〜4mass%であったが、いずれも質量比(%CaO)/(%SiO)≧1、(%T.Fe)+(%MnO)≦10mass%であった。RH真空脱ガス処理後、取鍋内の溶鋼に20〜35mass%Ca−60〜75mass%Si合金を鉄被覆ワイヤーにより供給して0.1〜0.4kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の介在物の組成をTi酸化物:30〜70mass%、CaO:6〜50mass%、Al:10〜70mass%に調整した。溶製された溶鋼のCa濃度は0.0005mass%以上であった。
以上のようにして溶製した溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて連続鋳造し、鋳片を製造した。この連続鋳造は、浸漬ノズルを流下する溶鋼にArやNなどのガスを吹き込むことなく行い、鋳造時の溶鋼スループットは、2〜6ton/minとした。鋳造されたスラブを板厚2〜4mmまで熱間圧延し、さらに板厚0.6〜1.0mmまで冷間圧延し、冷延鋼板を得た。
図6に示されるように、スループットを4ton/min以下で鋳造することにより酸化物系介在物の巻き込み量が低減し、その結果、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率が向上することになる。
また、第二の含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法としては、(i)鋳型内の溶鋼を移動磁場による電磁力により攪拌すること、(ii)鋳型内の溶鋼に静磁場を印加し、溶鋼流動を制動すること、のいずれか若しくは両方を行うことが好ましく、このような製造方法によれば、鋳型内で浮上分離することなく凝固シェルに捕捉される酸化物系介在物量が低減し、その結果、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率がさらに向上する。また、上記(i)、(ii)の両方を行うことにより、特に優れた効果が得られる。
上記(i)の移動磁場(交流磁場)を印加する方法では、交流移動磁場印加装置を設置し、この磁場印加装置の電磁力によって鋳型内の溶鋼を水平方向に旋回・攪拌させながら鋳片を鋳造する。これにより酸化物系介在物の凝固シェルへの捕捉が抑えられ、酸化物系介在物の少ない清浄な鋳片が得られる。
上記(ii)の静磁場を印加する方法では、浸漬ノズルの吐出孔からの溶鋼の吐出流を包囲する位置に静磁場印加装置を設置し、この静磁場印加装置により静磁場を印加して吐出流の流速を減速させる。これにより酸化物系介在物の浮上が促進されて凝固シェルへの捕捉が抑えられ、酸化物系介在物の少ない清浄な鋳片が得られる。
図6において、「移動磁場印加」が上記(i)の試験例、「静磁場印加」が上記(ii)の試験例である。図6に示すように、鋳型内の溶鋼に対して上記(i)または(ii)の磁場印加による撹拌または溶鋼流の制動を行った場合には、磁場印加を行わない場合に較べて、バルジ試験における割れ部の板厚歪み率がさらに向上している。
次に、本発明により溶製される含Ti極低炭素鋼の成分組成のなかで、さきに述べたC、Ti、Ca以外の主要成分の含有量について、好ましい条件を説明する。
Siは0.2mass%以下が好ましい。Siが0.2mass%を超えると材質が劣化し、めっき性の劣化により表面性状が悪化しやすい。また、SiとTiの質量比(%Si)/(%Ti)≧50になると、介在物中にSiOが生成し、シリコンキルド鋼となり、チタンキルド鋼とは言えなくなるので、(%Si)/(%Ti)<50が好ましい。
Mnは2.0mass%以下、より望ましくは1.0mass%以下が好ましい。Mnが2.0wt%を超えると材質が硬化しやすい。また、MnとTiの質量比(%Mn)/(%Ti)≧100になると、介在物中にMnOが生成し、マンガンキルド鋼となり、チタンキルド鋼と言えなくなるので、(%Mn)/(%Ti)<100が好ましい。
Sは0.050mass%以下が好ましい。Sが0.050mass%を超えると、溶鋼中でCaSやREM硫化物が多くなり、製品である薄鋼板において非常に錆が発生しやすくなる。
Pは0.005〜0.12mass%が好ましい。Pは、多量に含まれると粒界偏析量が増加して粒界脆化を起こし、特に耐二次加工脆性の劣化をもたらすため極力低減することが望ましいが、0.005mass%より低くしても、それ以上の材質向上は望めず、逆に溶製コストが上昇する。一方、0.12mass%以下であれば許容できる。
Nは0.0005〜0.0040mass%が好ましい。Nは、Cと同様に深絞り性の改善のため極力低減することが望ましいが、その含有量が0.0005mass%より低くしても、それ以上の材質の向上は望めず、逆に溶製コストが上昇する。一方、0.0040mass%を超えると材質が大幅に劣化しはじめる。
また、必要に応じて、Nb、B、Moの中から選ばれる1種以上を、Nb:0.100mass%以下、B:0.050mass%以下、Mo:1.0mass%以下の範囲で添加してもよい。これらの元素を添加すると、薄鋼板の深絞り性の向上や、2次加工脆性の改善、引張強度の増加を図ることができる。
さらに、必要に応じて、Ni,Cu,Crの中から選ばれる1種以上を、それぞれ0.01mass%以下の範囲で添加してもよい。これらの元素を添加すると、鋼板の耐食性を向上させることができる。
[発明例1]
転炉から出鋼して取鍋に入れられた溶鋼(300ton)に対して、スラグ中のFeO、MnOを還元するために、Al滓を400kg添加するとともに、真空脱ガス処理後のスラグ組成を制御するためにCaOを添加した。
次いで、RH真空脱ガス設備において、次のような一連の処理を行った。まず、溶鋼を脱炭処理し、溶鋼の成分組成をC:0.0010mass%、Si:0.01mass%、Mn:0.15mass%、P:0.015mass%、S:0.005mass%、酸素濃度:500massppmとし、溶鋼温度を1600℃に調整した。次いで、溶鋼にAlを0.5kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の溶存酸素濃度を120massppmまで低下させた。この時の溶鋼のAl濃度は0.002mass%であった。さらに、溶鋼にFe−70mass%Ti合金を1.0kg/溶鋼ton添加し、Ti脱酸処理を行った。このTi脱酸処理では、Fe−Ti合金添加後7分で真空脱ガス処理を終了し、終了時の溶鋼のTi濃度は0.040mass%、Al濃度は0.002mass%、全酸素濃度は30massppmであった。また、真空脱ガス処理(脱酸処理)後の取鍋中のスラグ組成は、CaO濃度:35mass%、SiO濃度:15mass%、Al濃度:35mass%、TiO濃度:3mass%、MgO濃度:7mass%、トータルFe濃度:2mass%、MnO濃度:2mass%であった。真空脱ガス処理終了後、取鍋内の溶鋼に30mass%Ca−70mass%Si合金を鉄被覆ワイヤーにより0.3kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の介在物の組成制御を行った。溶製された溶鋼のCa濃度は0.0010mass%であった。
以上のようにして溶製した溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて連続鋳造し、鋳片を製造した。この鋳造時のタンディッシュ内の介在物の形態および組成を調査した結果、70mass%Ti−15mass%CaO−15mass%Alの球状介在物であった。連続鋳造は、浸漬ノズルを流下する溶鋼にArやNなどのガスを吹き込むことなく行い、鋳造時の溶鋼スループットは3.8ton/minとした。なお、鋳造後の浸漬ノズル内面には付着物はほとんどなかった。
鋳造されたスラブを板厚3.5mmまで熱間圧延し、さらに板厚0.8mmまで冷間圧延し、次いで、780℃×45秒の焼鈍条件で連続焼鈍を行った。このようにして得られた焼鈍板には、非金属介在物性および気泡性の欠陥が0.2個/1000mしか認められなかった。さらに、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率は50%であり、良好であった。
[発明例2]
転炉から出鋼して取鍋に入れられた溶鋼(300ton)に対して、スラグ中のFeO、MnOを還元するために、Al滓を500kg添加するとともに、真空脱ガス処理後のスラグ組成を制御するためにCaO、TiOを添加した。
次いで、RH真空脱ガス設備において、次のような一連の処理を行った。まず、溶鋼を脱炭処理し、溶鋼の成分組成をC:0.0015mass%、Si:0.01mass%、Mn:0.10mass%、P:0.012mass%、S:0.006mass%、酸素濃度:450massppmとし、溶鋼温度を1600℃に調整した。次いで、溶鋼にAlを0.4kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の溶存酸素濃度を150massppmまで低下させた。この時の溶鋼のAl濃度は0.002mass%であった。さらに、溶鋼にFe−70mass%Ti合金を1.2kg/溶鋼ton添加し、Ti脱酸処理を行った。このTi脱酸処理では、Fe−Ti合金添加後6分で真空脱ガス処理を終了し、終了時の溶鋼のTi濃度は0.045mass%、Al濃度は0.002mass%、全酸素濃度は30massppmであった。また、真空脱ガス処理(脱酸処理)後の取鍋中のスラグ組成は、CaO濃度:30mass%、SiO濃度:17mass%、Al濃度:40mass%、TiO濃度:2mass%、MgO濃度:8mass%、トータルFe濃度:1mass%、MnO濃度:2mass%であった。真空脱ガス処理終了後、取鍋内の溶鋼に30mass%Ca−70mass%Si合金を鉄被覆ワイヤーにより0.25kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の介在物の組成制御を行った。溶製された溶鋼のCa濃度は0.0005mass%であった。
以上のようにして溶製した溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて連続鋳造し、鋳片を製造した。この鋳造時のタンディッシュ内の介在物の形態および組成を調査した結果、75mass%Ti−12mass%CaO−18mass%Alの球状介在物であった。連続鋳造は、浸漬ノズルを流下する溶鋼にArやNなどのガスを吹き込むことなく行い、鋳造時の溶鋼スループットは4.0ton/minとした。また、鋳型では移動磁界を有する電磁撹拌装置により溶鋼を撹拌した。なお、鋳造後の浸漬ノズル内面には付着物はほとんどなかった。
鋳造されたスラブを板厚3.5mmまで熱間圧延し、さらに板厚0.8mmまで冷間圧延し、次いで、780℃×45秒の焼鈍条件で連続焼鈍を行った。このようにして得られた焼鈍板には、非金属介在物性および気泡性の欠陥が0.2個/1000mしか認められなかった。さらに、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率は55%であり、良好であった。
[発明例3]
転炉から出鋼して取鍋に入れられた溶鋼(300ton)に対して、スラグ中のFeO、MnOを還元するために、Al滓を300kg添加するとともに、真空脱ガス処理後のスラグ組成を制御するためにCaOを添加した。
次いで、RH真空脱ガス設備において、次のような一連の処理を行った。まず、溶鋼を脱炭処理し、溶鋼の成分組成をC:0.0015mass%、Si:0.01mass%、Mn:0.12mass%、P:0.015mass%、S:0.006mass%、酸素濃度:400massppmとし、溶鋼温度を1600℃に調整した。次いで、溶鋼にAlを0.4kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の溶存酸素濃度を100massppmまで低下させた。この時の溶鋼のAl濃度は0.002mass%であった。さらに、溶鋼にFe−70mass%Ti合金を1.1kg/溶鋼ton添加し、Ti脱酸処理を行った。このTi脱酸処理では、Fe−Ti合金添加後5分で真空脱ガス処理を終了し、終了時の溶鋼のTi濃度は0.042mass%、Al濃度は0.002mass%、全酸素濃度は30massppmであった。また、真空脱ガス処理(脱酸処理)後の取鍋中のスラグ組成は、CaO濃度:42mass%、SiO濃度:13mass%、Al濃度:30mass%、TiO濃度:4mass%、MgO濃度:6mass%、トータルFe濃度:1mass%、MnO濃度:2mass%であった。真空脱ガス処理終了後、取鍋内の溶鋼に30mass%Ca−70mass%Si合金を鉄被覆ワイヤーにより0.27kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の介在物の組成制御を行った。溶製された溶鋼のCa濃度は0.0006mass%であった。
以上のようにして溶製した溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて連続鋳造し、鋳片を製造した。この鋳造時のタンディッシュ内の介在物の形態および組成を調査した結果、72mass%Ti−12mass%CaO−16mass%Alの球状介在物であった。連続鋳造は、浸漬ノズルを流下する溶鋼にArやNなどのガスを吹き込むことなく行い、鋳造時の溶鋼スループットは4.0ton/minとした。また、鋳型内の溶鋼に直流磁場による静磁場を印加し、溶鋼流動を制動した。なお、鋳造後の浸漬ノズル内面には付着物はほとんどなかった。
鋳造されたスラブを板厚3.5mmまで熱間圧延し、さらに板厚0.8mmまで冷間圧延し、次いで、780℃×45秒の焼鈍条件で連続焼鈍を行った。このようにして得られた焼鈍板には、非金属介在物性および気泡性の欠陥が0.2個/1000mしか認められなかった。さらに、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率は55%であり、良好であった。
[発明例4]
発明例1と同一条件で溶製した溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて連続鋳造し、鋳片を製造した(鋳造時のタンディッシュ内の介在物の形態および組成は発明例1と同様)。連続鋳造装置には、浸漬ノズルの吐出孔の下端よりも500mm下方位置に静磁場印加装置を設置した。なお、浸漬ノズルの吐出孔の形状は、縦・横80mmの正方形とした。
溶鋼の連続鋳造では、浸漬ノズル内でのArガス吹き込み流量を0〜10NL/minとし、静磁場印加装置により印加する磁場強度(直流静磁場)を0.1〜0.3テスラの範囲で変化させ、幅1200〜1500mm、厚み250mmのスラブを、4.5〜6.0トン/minの注湯速度で鋳造した。
鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して薄鋼板とした後、この薄鋼板に溶融亜鉛めっきを施した。このようにして得られた溶融亜鉛めっき鋼板は、介在物性および気泡製の表面欠陥が極めて少なく、鋳造時に静磁場を印加することにより、表面及び内部ともに清浄なスラブを鋳造できることが確認できた。
[発明例5]
発明例1と同一条件で溶製した溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて連続鋳造し、鋳片を製造した(鋳造時のタンディッシュ内の介在物の形態および組成は発明例1と同様)。連続鋳造装置には、鋳型内溶鋼湯面から2mの位置に交流移動磁場印加装置を設置した。なお、浸漬ノズルの吐出孔の形状は、縦・横80mmの正方形とした。
溶鋼の連続鋳造では、浸漬ノズル内でのArガス吹き込み流量を0〜10NL/minとし、交流移動磁場印加装置により印加する磁場強度(交流移動磁場)を0.05〜0.2ステラの範囲で変化させ、幅1200〜1500mm、厚み250mmのスラブを、4.5〜6.0トン/minの注湯速度で鋳造した。
鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して薄鋼板とした後、この薄鋼板に溶融亜鉛めっきを施した。このようにして得られた溶融亜鉛めっき鋼板は、介在物性および気泡製の表面欠陥が極めて少なく、鋳造時に交流移動磁場を印加することにより、表面及び内部ともに清浄なスラブを鋳造できることが確認できた。
[比較例1]
転炉から出鋼して取鍋に入れられた溶鋼(300ton)に対して、スラグ中のFeO、MnOを還元するために、Al滓を100kg添加した。
次いで、RH真空脱ガス設備において、次のような一連の処理を行った。まず、溶鋼を脱炭処理し、溶鋼の成分組成をC:0.0010mass%、Si:0.01mass%、Mn:0.15mass%、P:0.015mass%、S:0.005mass%、酸素濃度:500massppmとし、溶鋼温度を1600℃に調整した。次いで、溶鋼にAlを0.3kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の溶存酸素濃度を220massppmまで低下させた。この時の溶鋼のAl濃度は0.002mass%であった。さらに、溶鋼にFe−70mass%Ti合金を1.2kg/溶鋼ton添加し、Ti脱酸処理を行った。このTi脱酸処理では、Fe−Ti合金添加後7分で真空脱ガス処理を終了し、終了時の溶鋼のTi濃度は0.035mass%、Al濃度は0.001mass%、全酸素濃度は40massppmであった。また、真空脱ガス処理(脱酸処理)後の取鍋中のスラグ組成は、CaO濃度:23mass%、SiO濃度:27mass%、Al濃度:20mass%、TiO濃度:0.8mass%、MgO濃度:9mass%、トータルFe濃度:8mass%、MnO濃度:6mass%であった。真空脱ガス処理終了後、取鍋内の溶鋼に30mass%Ca−70mass%Si合金を鉄被覆ワイヤーにより0.2kg/溶鋼ton添加し、溶鋼中の介在物の組成制御を行った。
以上のようにして溶製した溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて連続鋳造し、鋳片を製造した。この鋳造時のタンディッシュ内の介在物の形態および組成を調査した結果、70mass%Ti−15mass%CaO−15mass%Alの球状介在物であった。連続鋳造は、浸漬ノズルを流下する溶鋼にArやNなどのガスを吹き込むことなく行い、鋳造時の溶鋼スループットは4.8ton/minとした。なお、鋳造後の浸漬ノズル内面には付着物はほとんどなかった。
鋳造されたスラブを板厚3.5mmまで熱間圧延し、さらに板厚0.8mmまで冷間圧延し、次いで、780℃×45秒の焼鈍条件で連続焼鈍を行った。このようにして得られた焼鈍板には、非金属介在物性および気泡性の欠陥が0.5個/1000m認められた。さらに、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率は25%であり、不良であった。
溶鋼をTi脱酸処理した後の取鍋スラグ中のトータルFe濃度とMnO濃度の合計(%T.Fe)+(%MnO)と、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率との関係を示すグラフ 溶鋼をTi脱酸処理した後の取鍋スラグ中のCaO濃度とSiO濃度の質量比(%CaO)/(%SiO)と、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率との関係を示すグラフ 溶鋼をTi脱酸処理した後の取鍋スラグ中のTiO濃度と、冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率との関係を示すグラフ 溶鋼をTi脱酸処理した後の取鍋スラグ中のAl濃度と冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率との関係を示すグラフ Ti脱酸処理前の溶鋼中の溶存酸素濃度およびTi脱酸処理時間と冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率との関係を示すグラフ 鋳型内の溶鋼に磁場印加を行った試験例と、磁場印加を行わなかった試験例について、連続鋳造のスループットと冷延鋼板のバルジ試験における割れ部の板厚歪み率との関係を示すグラフ

Claims (11)

  1. C:0.020mass%以下、Ti:0.010mass%以上、Ca:0.0005mass%以上を含有する極低炭素Ti脱酸鋼を溶製するに当たり、
    転炉または電気炉から出鋼した溶鋼を、真空脱ガス設備において、脱炭処理し、次いで、該脱炭処理後の溶鋼にTi含有合金を添加して脱酸処理することにより、Al含有量(mass%)とTi含有量(mass%)が[%Al]≦[%Ti]/10を満足する組成の脱酸溶鋼とし、その後、該脱酸溶鋼にCaを含有する介在物組成調整用合金を添加することにより、溶鋼中の介在物組成をTi酸化物:90mass%以下、CaO:5〜50mass%、Al:70mass%以下に調整し、
    前記Ti含有合金を添加して溶鋼を脱酸処理した後の取鍋スラグ中の、トータルFe濃度とMnO濃度の合計を10mass%以下、CaO濃度とSiO濃度の質量比(%CaO)/(%SiO)を1以上、TiO濃度を1mass%以上、Al濃度を10〜50mass%とすることを特徴とする含Ti極低炭素鋼の溶製方法。
  2. C:0.020mass%以下、Ti:0.010mass%以上、Ca:0.0005mass%以上、Si:0.2mass%以下、Mn:2.0mass%以下、S:0.050mass%以下、P:0.005〜0.12mass%、N:0.0005〜0.0040mass%、残部Feおよび不可避的不純物からなる極低炭素Ti脱酸鋼を溶製することを特徴とする請求項1に記載の含Ti極低炭素鋼の溶製方法。
  3. さらに、Nb:0.100mass%以下、B:0.050mass%以下、Mo:1.0mass%以下の1種以上を含有する極低炭素Ti脱酸鋼を溶製することを特徴とする請求項2に記載の含Ti極低炭素鋼の溶製方法。
  4. 溶鋼を脱炭処理した後、Ti含有合金を添加して脱酸処理するのに先立ち、Al、SiおよびMnの中から選ばれる1種または2種以上を添加して予備脱酸することにより、溶鋼の溶存酸素濃度を予め200massppm以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の含Ti極低炭素鋼の溶製方法。
  5. Ti含有合金を添加して行う溶鋼の脱酸処理時間を5分以上とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の含Ti極低炭素鋼の溶製方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の溶製方法で溶製された溶鋼を連続鋳造して鋳片を製造する方法であって、
    タンディッシュ底部に設置された浸漬ノズルを通じてタンディッシュから鋳型内に溶鋼を注入する際に、前記浸漬ノズルを流下する溶鋼にガスを吹き込むことなく、溶鋼を鋳造することを特徴とする含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の溶製方法で溶製された溶鋼を連続鋳造して鋳片を製造する方法であって、
    鋳型内の溶鋼を移動磁場による電磁力により撹拌することを特徴とする含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の溶製方法で溶製された溶鋼を連続鋳造して鋳片を製造する方法であって、
    鋳型内の溶鋼に静磁場を印加し、溶鋼流動を制動することを特徴とする含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の溶製方法で溶製された溶鋼を連続鋳造して鋳片を製造する方法であって、
    鋳型内の溶鋼を移動磁場による電磁力により撹拌するとともに、溶鋼に静磁場を印加し、溶鋼流動を制動することを特徴とする含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法。
  10. タンディッシュ底部に設置された浸漬ノズルを通じてタンディッシュから鋳型内に溶鋼を注入する際に、前記浸漬ノズルを流下する溶鋼にガスを吹き込むことなく、溶鋼を鋳造することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法。
  11. 溶鋼をスループット4ton/min以下で連続鋳造することを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の含Ti極低炭素鋼鋳片の製造方法。
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