JP2009241900A - 鞍乗り型車両の車体カバー構造 - Google Patents

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Abstract

【目的】大型部品であって、寸法精度よくシートと合わせることが難しいリヤカバーの成形を容易とし、かつ外観性を良好に保つ。
【構成】シート20とリヤカバー21の間に、シート20の下端縁に沿う帯状のガーニッシュ23をリヤカバー21の上に重ねて取付け、ガーニッシュ23の上端縁をシート20の下端縁と合わせ、外観を良好に保つ。リヤカバー21の上端はシート20の下端縁部と合わせる必要がなく、寸法にバラツキがあっても、ガーニッシュ23により、シート20とリヤカバー21の間を埋める。
【選択図】図4

Description

この発明は、鞍乗り型車両の車体カバー構造、特に、シート下にリヤカバーと別部材のガーニッシュを設けた構造に関する。なお、本願において、車両取付部品の前後・左右・上下とは、車両取付状態における車両の進行方向を基準とする。また内側及び外側とは、上記車両取付状態にて車体中央側となる側を内側とし、反対側を外側という。
シート下方を覆う後部車体カバーとして、シート下方部分の少なくとも左右両側を覆うリヤカバーがあり、このリヤカバーは大型樹脂製部品として金型成形されることがある。
特開平7−69261号公報
このような大型の金型成形部品の場合、周辺に配置される別の部品、特に形状の変化が大きいシートとの合わせ位置においては、隙間が生じることにより外観性が低下することを抑制するために、金型の改修を行うことでカバー形状の調整を図ることがある。
ところが、このような大型部品の金型のうち一部だけを改修して成形精度の向上を図ることは作業的にも難しく、また樹脂の湯流れを考慮すると一部だけの成形精度向上を図ることは難しかった。
そこで本願発明は、このような大型の金型を改修せずに、シートとリヤカバー間における合わせ部の外観を良好に保つことができる鞍乗り型車両の車体カバー構造を提供する。
上記課題を解決するため鞍乗り型車両の車体カバー構造に係る請求項1の発明は、鞍乗り式シートと、その左右両側部下方を覆う樹脂製のリヤカバーを備えた鞍乗り型車両の車体カバー構造において、
前記シートの下縁に隣接しかつこの下縁に沿う前後方向部位を、前記リヤカバーの上縁部と別部品として構成した別体カバーで覆ったことを特徴とする。
請求項2の発明は、上記請求項1において、前記別体カバーが前記リヤカバーの上から重なるように配置されることを特徴とする。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2において、前記シートの下方に収納ボックスを配置し、前記別体カバーの上縁を前記収納ボックスの側縁部下面に配置される凹部に入れ、下縁を前記リヤカバーに係合させたことを特徴とする。
請求項4の発明は、上記請求項3において、前記別体カバーは左右一対で前記リヤカバーの少なくとも前部両側に配置され、これら別体カバーの各後端に連続する後部上縁部を前記リヤカバーに設けるとともに、前記別体カバーの上縁に加えて前記後部上縁部も前記収納ボックスの側縁部下面に配置される凹部へ入れることを特徴とする。
請求項5の発明は、上記請求項1において、前記シート後端部の両側及び後方を囲むように、前方が開放されて略コの字形状をなす荷台又はグリップを配置し、この荷台又はグリップの前端近傍まで前記別体カバーの後端部を延ばしたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、シート下縁に沿う部位のみをリヤカバーと別部品の別体カバーとして構成することで、これを形成する金型を小さくできる。このため型改修を容易にできて、成形精度の向上を図ることが容易となる。
請求項2の発明によれば、別体カバーがリヤカバーの上へ重なるので、シートの下縁に沿う車体カバー部分が二重構造になり、リヤカバーの上縁部を別体カバーで補強できる。
請求項3の発明によれば、収納ボックスの側縁を利用して別体カバーの上縁を固定でき、さらに別体カバーの上縁が収納ボックスに連続して両部材の合わせ部に隙間を生じさせないので外観性を向上できる。
請求項4の発明によれば、別体カバーの各後端に連続する後部上縁部をリヤカバーに設け、この上縁を別体カバーの上縁と共に、収納ボックスの側縁部下面に配置される凹部へ入れたので、る収納ボックスの周縁を囲むリヤカバーの上縁が収納ボックスに連続されるため、別体カバーが設けられないリヤカバー後部においても隙間を生じさせず、外観性を向上させることができる。
請求項5の発明によれば、別体カバーを荷台又はグリップの前端近傍まで延ばすことで、荷台又はグリップと連続する意匠を構成して荷台又はグリップとリヤカバーを一体風に見せて、これらを目立ちにくくする意匠を施すことができる。
以下、図面に基づいて一実施例を説明する。図1は鞍乗り型車両の一例であって本実施例に係るスクータ型自動2輪車の外観側面図であり、前輪1と後輪2の間に低床式のステップフロア3を有する。前輪1の左右を支持するフロントフォーク4の上部は樹脂製の前部車体カバー5で覆われる。6はフロントルーバー、7はフロントウインカ、8は排風口であり、本願発明の空気取り入れ口であるフロントルーバー6から走行風を前部車体カバー5内へ取り込み、後述するラジエタを冷却した後の温排風を前部車体カバー5の側面に開口する排風口8から車体側方へ排出するようになっている。9はハンドル、10はハンドルカバー、11はヘッドライトである。
前部車体カバー5は、前後合わせされる前方側のフロントカバー12と後方側のレッグシールド13を備える。フロントカバー12は側面視で略くの字状をなして上下方向中間部のフロントノーズ12dがフロントフェンダ14の上方を前方へ突出し、下端部は前輪1の後方まで延びてステップフロア3を下方から覆うフロアアンダースカート15の前端部と接続する。フロアアンダースカート15の後部側面には別体のアンダーカバー16が着脱自在に取付けられている。フロアアンダースカート15及びアンダーカバー16も樹脂製である。アンダーカバー16の後端部上縁にはステップホルダ17の下端部へ接続している。ステップホルダ17の側面には起倒自在のピリオンステップ18が配置されている。
レッグシールド13はステップフロア3上に足を置いた乗員の脚部F前方を覆う部材であり、側面視形状はフロントカバー12に対応して略くの字状をなす部分を備え、この前方へ突出する屈曲部近傍の側面に排風口8が設けられている。レッグシールド13の下端部はステップフロア3の前部へ係合している。ステップフロア3を挟んでレッグシールド13の後方には2人乗車用のシート20が配置され、その前端部の高さは、排風口8の位置とほぼ同程度であり、排風口8の後方に位置する。シート20の下方左右をリヤカバー21にて覆われる。前部はセンターカバー22で覆われる。リヤカバー21の前部とセンターカバー22とでエンジンを囲んでいる。これらのリヤカバー21及びセンターカバー22は樹脂製である。
センターカバー22は上下方向部分22aとその下端から略水平に屈曲して前方へ延出する脚部22bとを備え、上下方向部分22aはエンジンのメンテナンスリッドをなし、その上端部内側にはシート20の前端部を回動自在に連結するヒンジの支持部45aが収容されている。脚部22bはステップフロア3に形成されたメンテナンス開口(図示省略)を開閉自在に覆うメンテナンスリッドをなし、その下方に支持されているバッテリ19(図2)等に対するメンテナンスを可能にしている。
シート20とリヤカバー21の間には、略帯状をなすガーニッシュ23が設けられ、後述する収納ボックスの上縁部とリヤカバー21の上縁部との間に形成される前後方向へ略帯状に延びる部分を覆っている。ガーニッシュ23は本願発明の別体カバーに相当し、前部座席20aと後部座席20bの境界部を越え、その近傍で後部座席20b下方まで延び、その後端部近傍にリヤキャリヤ24の一部をなすグリップ部25の先端部が位置する。リヤキャリヤ24は本願発明における荷台とグリップを兼用する部材であり、平面視は前方が開放されて略コの字形状をなす。
ガーニッシュ23とリヤキャリヤ24とは同じ金属色に塗装されて一体感を出し、あたかもガーニッシュ23がグリップ部25と連続しているかのように見えている。
26はリヤカバー21の後端部には取付けられたテールランプユニット、27はスイング式パワーユニット、28はエアクリーナ、29はリヤクッションである。
図2は図1について車体カバー類を仮想線にして車体フレーム30等の内部構造を示した図である。車体フレーム30は、ステップフロア3を支持するフロア部31を備える。フロア部31は前後方向中間部が略水平部分をなし、その前端部は上方へ屈曲して立ち上がり、車体中心に沿って一本で上下方向へ斜めに配置されるダウン部32の下部に接続する。ダウン部32の先端(上端)にはヘッドパイプ33が支持され、このヘッドパイプ33によりハンドル軸34を回動自在に支持する。ハンドル軸34は下端がボトムブリッジ35を介してフロントフォーク4と接続し、上端がハンドル9と接続する。
36はヘッドパイプ33の上下方向中間部から斜め上がりに前方へ突出するステーであり、ホーン37を支持する。ホーン37の下方かつヘッドパイプ33の前方にはラジエタ38が位置し、ステー36の先端部にて左右へ張り出すブラケット36aに支持される。39はヘッドパイプ33の前面下部に設けられたブラケット、40は排風ガイド、41はラジエタ液のリザーブタンクであり、リザーブタンク41はステー42及びブラケット39等を介してヘッドパイプ33へ支持されている。
ホーン37,ラジエタ38及びリザーブタンク41は、前部車体カバー5の前側部分形状に合わせて、前方が次第に低くなりながら前方へ張り出すよう、側面視で略階段状に配置されている。
フロア部31の後部は、上方へ屈曲して立ち上がるピラー部43をなし、その上端にリヤフレーム44の前端部が支持されている。リヤフレーム44の前部には上方へ開放された樹脂製の収納ボックス45が支持され、その後方に燃料タンク46が支持されている。これらの上方は開閉自在のシート20で覆われ、シート20を開くことにより、収納ボックス45内への物品の出入及び燃料タンク46に対する給油が可能になっている。46aは給油キャップである。
リヤフレーム44にはスイング式パワーユニット27が揺動自在に支持されている。スイング式パワーユニット27はエンジン47とミッション48を一体化したものであり、エンジン47近傍部分でリンク機構27aを介してピラー部43との接続部近傍におけるリヤフレーム44へ揺動自在に支持されている。
ミッション48の後端部には後輪2が支持され、かつミッション48の後端部とリヤフレーム44の後端部間にはリヤクッションユニット29が設けられている。エンジン47はピラー部43の上端から前方へ突出するリヤフレーム44の前端部下方へ略水平状態に配置され、その吸気口には後方のエアクリーナ28から空気が供給され、電子燃料噴射装置49からから燃料が供給される。
図3はフロア部31部分の斜視図である。フロア部31は前後が上方へ屈曲する左右一対のパイプ部材50を備え、その各水平部における前後がクロスパイプ51、52で連結されている。前側のクロスパイプ51の中間部はダウン部32の下端部と溶接され、後側のクロスパイプ52は左右のピラー部43に溶接されたブラケット53の下端部間に溶接されている。また左右のパイプ部材50の各水平部には、外側面に金属製で板状の支持ステー54が溶接されている。支持ステー54は水平部に沿って前後方向へ延び、かつ外側方へ張り出し、この上面にてステップフロア3を支持する。支持ステー54の張り出し形状は先端側が高くなるように傾き、先端側上面がパイプ部材50の水平部上面と略同程度の高さとなっている。
各支持ステー54は、前後端及び中央の3ケ所にパイプ部材50側へ突出する突部55を設け、その各先端部をパイプ部材50の側面へ当接させて溶接することにより、前後方向3ケ所にてパイプ部材50へ溶接へ結合される。56は支持ステー54を利用して配設され、その下面に支持されるケーブル類である。57はステップフロア3の取付け部である。
このようにすると、板状部材の支持ステー54を用いることにより、フロア部31を高剛性かつ軽量にすることができる。また、板状にしたことで、ケーブル類56の支持が容易になる。
リヤフレーム44は前端部で湾曲して後方へ左右一対で延びる平面視で略U字状をなすパイプ部材であり、左右のパイプ部材の各後端部間はクロスパイプ44a(図2)で連結されている。
58はフロア部31の後部から側方へ張り出すステップフレームであり、ピリオンステップ18(図1)を支持する。
次にシートの下方も覆う車体後部側の車体カバー構造について説明する。図4は収納ボックス45の周りに一体化された後部車体カバー小組体60の斜視図であり、図5はその平面図である。後部車体カバー小組体60は収納ボックス45の前方部を覆うセンターカバー22、左右両側を覆うリヤカバー21の上縁部に取付けられるガーニッシュ23で構成される。ガーニッシュ23は本願発明における車体カバー上部取付部材である。
センターカバー22は上下部61と脚部62を備え、上下部61は収納ボックス45の前端部下方を着脱自在に覆って収納ボックス45下方のエンジン47(図2参照)等をメンテナンスできる。センターカバー22の上端部は前方への張り出し部63をなし、ここに収納ボックス45の前端に前方へ突出して設けられたヒンジ取付部64を収容する。
脚部62は上下部61の下端部から屈曲して前方へ広がる蓋状の部分であり、ステップフロア3のメンテナンスホールを開閉し、バッテリ19(図2)等をメンテナンスできる。
収納ボックス45は前部側のボックス部65と、その後部から後方へ長く延出する蓋部66を一体に有する。ボックス部65は上方へ開放され、ヘルメット等の大型物品を収納できる比較的大容量の空間をなす。
蓋部66は燃料タンク46(図2)の上方を覆って、シート20の下方をその後端部まで延びる。67は給油用開口部であり、燃料タンク46の給油キャップ46a(図2)が臨むようになっている。75はリヤカバー21の後方かつ車体中心上に形成される取付穴であり、リヤキャリヤ24をリヤフレーム44側へ取付けるための穴である。
収納ボックス45の左右縁部はフランジ68をなし、その内側にガーニッシュ23の上縁部を嵌合している。
ガーニッシュ23はリヤカバー21の肩部70上へ重なり、収納ボックス45の前端部近傍より、給油用開口部67の近傍まで前後方向へ長く形成されている。ガーニッシュ23の後端部に続いてその後ろ側の肩部70上にはグリップ部25の前端部をリヤフレーム44側へ取付けるための取付穴71が開口している。
リヤカバー21は左右分割され、収納ボックス45の左右側面へ重ねられる。
左右のリヤカバー21は、蓋部66の後端部よりも後方へ延出するテール部72,72で左右合わせされて結合一体化される。73は合わせライン、74は結合ボス、75は車体フレームへの取付用ボルト穴である。テール部72,72の左右両側面から後部に、テールランプユニット26が取付けられる。
図6は図5の6−6線に沿う断面図、図7はその一部でガーニッシュ23部分を拡大した図である。それらの図に示すように、フランジ68は外側へ曲がり、さらに下方へ曲がって折り返され、外側の折り返し部76は下方側が若干外方へ開くように傾斜している。折り返し部76の内側に形成された略逆U字状断面をなして下方側が開放された溝77を備え、この溝77内にガーニッシュ23の上縁部78が嵌合している。
上縁部78は上方へ立ち上がった立ちフランジ状をなすが、垂直よりも若干ボックス部65側(車幅方向中央側)へ傾いた傾斜をなす。このため、折り返し部76と上縁部78はテーパー合わせ状に嵌合し、折り返し部76と上縁部78の嵌合状態を密にすることができる。但し、上縁部78の先端はフランジ68の最頂部との間に若干クリアランスを有し、上縁部78の寸法バラツキに影響されず、寸法バラツキを吸収できるようになっている。
ガーニッシュ23の下端縁80には、適所に爪81が下方へ突出形成され、リヤカバー21の肩部70に形成された係合穴82へ上方から差し込みにより係止されるようになっている。ガーニッシュ23は肩部70上へ斜めに被さり、中間部が下方へ凸に湾曲している。
リヤカバー21は上部にボックス部65側へ段差状をなして入り込む肩部70が形成され、この肩部70はリヤカバー21の前後方向へほぼ全長に亘って形成されている。肩部70のボックス部65側は斜め部83をなし、さらにその先端側はボックス部65の側面へ最も接近し、かつボックス部65の側面と略平行に上方へ延びる立ちフランジ84をなす。立ちフランジ84はボックス部65と若干の間隙をなして接触せず、かつ上端も上縁部78の基部における段部79よりも下方に離れて位置する。
このようにすると、立ちフランジ84をフランジ68と結合せず、フランジ68と立ちフランジ84を分離して隙間が形成されていても、ガーニッシュ23によりこのような隙間等があって外観を損ないやすい合わせ部を見せないので、外観を良好に保つことができる。したがって、大型部品であるリヤカバー21の成形を、リヤカバー21との合わせを考慮せずに成形できるので、成形が容易になる。しかも、ガーニッシュ23は比較的小型の部品であるから、金型も小型化し、精度を高くした成形が容易になり、かつ安価になる。
そのうえ、上縁部78はフランジ68の溝77内へ折り返し部76とのテーパー合わせで嵌合し、寸法のバラツキを吸収できるようになっているので、高精度の成形をしなくても済むようになる。
図8は収納ボックス45を除いた状態でリヤカバー21,センターカバー22及びガーニッシュ23を一体化した状態の斜視図である。この図に示すように、立ちフランジ84は上縁部78よりも低い位置にある。但し、ガーニッシュ23で覆われない取付穴71近傍の部分からは、上縁部78と連続するように一段高くなって後方へ延びる後部立ちフランジ85をなす。後部立ちフランジ85はガーニッシュ23の後端に連続する本願発明の後部上縁部に相当する。ガーニッシュ23の後端より後方部分は、後部立ちフランジ85によって外側方を覆われ外観に影響しないので、ガーニッシュ23を省略できる。また後部立ちフランジ85をガーニッシュ23の上縁部78と同様にフランジ68へ直接嵌合させることができる。
図9はリヤカバー21の側面図、図10は同平面図である。これらの図に示すように、肩部70には前後方向複数個所(本実施例では4ケ所)の係合穴82が形成されている。また、立ちフランジ84の下部には前後方向複数個所(本実施例では3ケ所)の取付穴87が形成されている。
88はリヤカバー21の前部下端に形成される爪であり、ステップフロア3の後方延出部へ上方から差し込み係合する。89a,89bはテールランプユニット26の取付ボスであり、ここへテールランプユニット26がボルト止めされる。
なお、図10には左右のリヤカバー21が示され、そのテール部72,72のうち、右側の合わせライン73に沿って結合ボス74の前後から爪90が相手側へ突出形成されている。また、後端部にも係合穴91と爪92が形成されている。
左側のテール部72には右側と対応して係合凹部93,93、結合ボス74及び爪94及び係合凹部95が形成され、両合わせライン73を当接すると密に係合するようになっている。なお、右側と左側の結合ボス74は段違い状をなし、右側の結合ボス74が左側の結合ボス74へ重なるようになっている。
また、リヤカバー21の前端部には、内方へ向かって突出する係合突部96が形成され、センターカバー22の上下部61側縁に形成された爪(図示省略)が係合するようになっている。
図11はガーニッシュ23の側面図、図12は同正面図である。これらに示すように、ガーニッシュ23の下端縁80には前後方向へ爪81が突出形成され、リヤカバー21の係合穴82(図10参照)へ係合される。
また、ガーニッシュ23の側面には内側斜め下方へ向かって複数のボス97が一体に突出形成される。このボス97は図13に示すように、先端をリヤカバー21の取付穴87(図9,10参照)へ重ね、スクリュー98でリヤカバー21の内側斜め下方より結合される。図13は取付穴87とボス97の結合部断面である。
このように、シート20の側部下縁に沿う部位のみをリヤカバー21と別部品のガーニッシュ23として構成することで、これを形成する金型を小さくできる。このため型改修を容易にできて、成形精度の向上を図ることが容易となる。また、ガーニッシュ23がリヤカバー21の上へ重なるので、シート20の側部下縁に沿う車体カバー部分が二重構造になり、リヤカバー21の上縁部を別体カバーであるガーニッシュ23で補強できる。
そのうえ、収納ボックス45の側縁であるフランジ68の溝77を利用して上縁部78を固定でき、ガーニッシュ23の上縁部78が収納ボックス45のフランジ68に連続して両部材の合わせ部に隙間を生じさせないので外観性を向上できる。
さらに、左右のガーニッシュ23の各後端に連続する後部立ちフランジ85をリヤカバー21に設け、この上縁をフランジ68の上縁と共に、収納ボックスのフランジ68の溝77へ入れたので、収納ボックス45の後部側縁部を囲むリヤカバー21の上縁が収納ボックス45に連続されるため、ガーニッシュ23が設けられないリヤカバー21の後部においても隙間を生じさせず、外観性をさらに向上させることができる。
また、ガーニッシュ23をリヤカバー21と別体にすることで、色調を変えたりロゴマークを変えるような小変更に対応し易くなり、このような場合における金型の改修も小さくて済む。さらにリヤカバー21と色調を変えることで、車体カバーのデザインの自由度を向上させ、差別化を図ることができる。
図14はリヤキャリヤ24の平面図であり、リヤキャリヤ24は全体が金属製で前部側左右に腕状をなして前方へ延出する一対のグリップ部25を備え、その各先端部に形成されたボス部100が取付穴71(図4)内へ入り、ボス部100において、リヤフレーム44の後端部上に形成されたブラケット101(図2)へボルトで固定されている。
グリップ部25の後方は、シート20の後端よりも後方へ延出して荷物を支持するリヤキャリヤ24の本体部103をなす。本体部103の前部で車幅方向中央には、ボス104が形成され、ここにボルト(図示省略)を通して、リヤフレーム44の後端部に設けられたクロスパイプ44aの中央から上方へ延出するブラケット105(図2)へ固定される。このときリヤキャリヤ24はリヤカバー21のテール部72に重ねられ、ボス104を結合ボス74と一致させてボルトによりリヤキャリヤ24とテール部72をブラケット105へ共締めする(図2参照)
このようにすれば、リヤキャリヤ24のグリップ部25を利用して、シート20の下端縁とリヤカバー21の上部との合わせ部を覆うことができるので、ガーニッシュ23を省略しても外観を良好に保つことができる。ガーニッシュ23と同一色に塗装することで、ガーニッシュ23とグリップ部25があたかも連続している一部材のように見せることができ、統一感のある外観を実現できる。しかもグリップ部25をガーニッシュ23とデザインとして一体的に見せることで目立ちにくくすることができる。
なお、グリップ部25は、後部座席の乗員がグリップするための部材であるが、必ずしもグリップとすることなく、リヤキャリヤ24の取付部としてもよい。また、リヤキャリヤ24の機能を有しないグリップ部材としての単機能部品であるグラブレールであってもよい。
次に、テールランプユニット26について説明する。図15はテールランプユニット26の平面図、図16は背面図、図17は図16の17−17線に沿う平断面図である。これらの図において、テールランプユニット26は中央のテールランプ110と左右のリヤウインカ120,120とを一体にしたコンビネーションランプである。
図17に示すように、テールランプ110のバルブ111は光軸C1が真後ろを向くように後方へ突出し、リヤウインカ120のバルブ121は、その光軸C2が光軸C1と交方して側方へ向くように、左右両側方へ突出している。
テールランプ110のリフレクタ112とリヤウインカ120のリフレクタ122は連続一体に形成されるが、リフレクタ112は凹曲面上をなし、リフレクタ122は略平坦状をなして側方へ向いている。
テールランプ110のレンズ113は後方へ凸の曲面をなす。リヤウインカ120のレンズ123は後方側がレンズ113から連続する曲面をなすが、バルブ121の上で屈曲する屈曲部124をなし、この屈曲部124から前方が内方へ入り込む凹部125となっている。
図15に示すように、テールランプユニット26のリヤカバー21に対する合わせ部26aは前方へ拡開する略V字状をなす。このため、左右のリヤウインカ120、120のレンズ123、123の間隔D1を、同じ部位におけるリヤカバー21の間隔D2よりも大きくして、レンズ123、123をそれぞれリヤカバー21よりも左右へ大きく突出させてある。
このようにすると、左右のレンズ123の間隔D1に関する法規を満足させつつ、左右のバルブ121間隔及びリフレクタ122の面積に関する法規を充足して、なおかつ車幅を小さくできる。
次に、フロアアンダースカート15及びアンダーカバー16について詳細に説明する。図18はフロアアンダースカート15の斜視図、図19は同側面図、図20は同平面図(左側部分)である。これらの図に示すように、フロアアンダースカート15はステップフロア3の下方を車幅方向へ横断して形成される単一部材であり、底部130と両側部131とが連続して一体に形成されている。
両側部131の後半部側は、略三角形状に切り欠かれた切り欠き部(空間)132が設けられている。この切り欠き部(空間)132に臨む斜辺部133と略水平の底辺部134を備え、斜辺部133の後端部と底辺部134の前後方向中間部とは上下方向のピラー部135で一体に連結されている。
図20に示すように、斜辺部133は後方へ向けて外開き状に傾斜し、底辺部134は斜辺部133より内側を直線状に前後方向へ延び、斜辺部133の後端部は底辺部134よりも外側方へ開いている。このため、ピラー部135は上方へ外開き状に曲がっている(図18参照)。
図19において、両側部131の前部にはボス136が設けられ、フロントカバー12の下端部及びステップフロア3の前端部から突出する取付部をボルト止めするようになっている。
底部130の前部中央には略山形をなすリブ137が設けられ、クロスパイプ51(図3)の下端部へ当接する(図2)。
底辺部134の前端部、ピラー部135の上下部及び底辺部134の後端部には取付部138,139,140,141が設けられている。
図21はアンダーカバー16の側面図、図22は同平面図である。
これらの図において、アンダーカバー16は切り欠き部(空間)132を覆うように、側面視で略三角形状をなし、左右対称に一対で形成される。なお、図21,22は左側のアンダーカバー16を示すが、右側も同様構造である。
アンダーカバー16は斜辺143,底辺144を有し、それぞれ斜辺部133及び底辺部134(図19)と当接する。斜辺143と底辺144の各後端部間は、内側へ曲がった後フランジ145をなし、その上端部に取付穴146が設けられ、ステップホルダ17(図1)の後縁へ重ねられて後方からスクリューで止められる。
斜辺143の前端部及び後部には、段差状をなす突部147,148が上方へ突出して形成されている。前方の突部147は斜め前方及び上方へ突出してフロアアンダースカート15の両側部131内側へ重なる。
さらに、突部148近傍には取付穴150が設けられ、ここでブラケット53のナット部53a(図3)にスクリューで側方から取付けられる。
151〜154はボスであり、フロアアンダースカート15の取付部138〜141へ内側からスクリューにて結合される。このようにすると、車体下部で走行時の飛石等で傷が付きやすい部分を比較的小型部品であるアンダーカバー16として着脱構造にでき、かつ左右別体にすることでより小部品にすることができる。
このため、フロアアンダースカート15のうち損傷しやすい部分を別体のアンダーカバー16として交換自在としたので、アンダーカバー16部分が損傷してもフロアアンダースカート15を残して小部品のアンダーカバー16のみを交換すれば済むことになり、経済的になる。
なお、本願発明は上記の実施例に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、本願発明の適用される車両はスクータ型自動2輪車に限らず、これを含む各種鞍乗り型車両に適用できる。
本実施例に係るスクータ型自動2輪車の外観側面図 図1について車体カバー類を仮想線にして内部を示す図 フロア部部分の斜視図 後部車体カバー小組体の斜視図 図4の平面図 図5の6−6線に沿う断面図 ガーニッシュ部分を拡大した図 後部車体カバーの斜視図 リヤカバーの側面図 同平面図 ガーニッシュの側面図 同正面図 取付穴とボスの結合部断面 リヤキャリヤの平面図 テールランプユニットの平面図 背面図 図16の17−17線に沿う平断面図 フロアアンダースカートの下方斜視図 同側面図 同平面図 アンダーカバーの側面図 同平面図
符号の説明
1:前輪、2:後輪、3:ステップフロア、4:フロントフォーク、5:前部車体カバー、20:シート、21:リヤカバー、23:ガーニッシュ、24:リヤキャリヤ、25:グリップ部、26:テールランプユニット、27:スイング式パワーユニット、30:車体フレーム、44:リヤフレーム、45:収納ボックス、68:フランジ、78:上縁部、84:立ちフランジ、85:後部立ちフランジ

Claims (5)

  1. 鞍乗り式シートと、その左右両側部下方を覆う樹脂製のリヤカバーを備えた鞍乗り型車両の車体カバー構造において、
    前記シートの下縁に隣接しかつこの下縁に沿う前後方向部位を、前記リヤカバーの上縁部と別部品として構成した別体カバーで覆ったことを特徴とする鞍乗り型車両の車体カバー構造。
  2. 前記別体カバーが前記リヤカバーの上から重なるように配置されることを特徴とする請求項1に記載した鞍乗り型車両の車体カバー構造。
  3. 前記シートの下方に収納ボックスを配置し、前記別体カバーの上縁を前記収納ボックスの側縁部下面に配置される凹部に入れ、下縁を前記リヤカバーに係合させたことを特徴とする請求項1又は2に記載した鞍乗り型車両の車体カバー構造。
  4. 前記別体カバーは左右一対で前記リヤカバーの少なくとも前部両側に配置され、これら別体カバーの各後端に連続する後部上縁部を前記リヤカバーに設けるとともに、前記別体カバーの上縁に加えて前記後部上縁部も前記収納ボックスの側縁部下面に配置される凹部へ入れることを特徴とする請求項3に記載した鞍乗り型車両の車体カバー構造。
  5. 前記シート後端部の両側及び後方を囲むように、前方が開放されて略コの字形状をなす荷台又はグリップを配置し、この荷台又はグリップの前端近傍まで前記別体カバーの後端部を延ばしたことを特徴とする請求項1に記載した鞍乗り型車両の車体カバー構造。


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