JP2009236219A - シール部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジンのシリンダヘッド2に対してシリンダヘッドカバー1がボルト5により締結される締結構造体に、挿入支持されるインジェクタ3とシリンダヘッドカバーの貫通孔1aとの間をシールするシール部材4であって、
前記シリンダヘッドカバーの前記貫通孔及びこれの近傍に形成される前記ボルト用のボルト挿通孔1bの夫々に対応するインジェクタ用透孔部62及びボルト用ワッシャ部61を備えた基板部6と、該基板部における前記インジェクタ用透孔部の内周縁部分に固着され前記インジェクタの周体3aに弾接する弾性シール部7とよりなり、前記ボルトによって、前記基板部のボルト用ワッシャ部を介して前記シリンダヘッドカバーに締着固定されるものであることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
これによれば、前記蛇腹部を設けることにより、インジェクターチューブに対するシールリップの先端部の偏心追随性が確保されているから、径方向のガタがあっても、インジェクターチューブに対してシールリップの先端部を全周に亙って確実に密接させることができるとされている。
この場合、前記ボルトはシリンダヘッドカバーにシール部材を締着させるためだけに機能するものであるため、別途シリンダヘッドカバーをシリンダヘッドに締結固定するボルトが必要であった。よって、これに付随して該ボルトに対応したボルト穴、ワッシャ部材などを別に設ける必要が生じ、インジェクタをシリンダヘッドに支持固定する部材も別途必要であるため、構成部材の部品点数が多くなり、コスト高を招くため、部品点数の削減が求められていた。
また、引用文献1に記載されているようなシール部材は、シリンダヘッドカバーをシリンダヘッドに組み付ける前に予めシール部材をシリンダヘッドカバーに取付ける工程が必要であるため、組付工数が多くなる点も問題視されていた。更に、シリンダヘッドカバーをシリンダヘッドに締結固定させるためのボルト用のワッシャ部材と、インジェクタの周体をシールするシール部材とは別部材となるため、双方に落下防止対策が必要となり、部品点数・組付工数の更なる増加を招くため、改善が求められている。
また本発明において前記弾性シール部及び基板部は、夫々ゴム材及び金属板からなり、該弾性シール部は、ゴム材の加硫成型により金属板に一体固着形成されたものとすることができる。また前記ボルトは、更に、前記インジェクタをシリンダヘッドに支持固定する為の固定部を備えているものとすることもできる。
よってシリンダヘッドカバーに予めシール部材を組付けておく工程を省くことができるので、シリンダヘッドにシリンダヘッドカバーを組付ける工程で、シール部材の取付けを行えばよいものとすることができ、部品点数の低減だけでなく、組付工数の低減も図ることができる。
よって部品点数を大幅に削減できるとともに、組付工程が簡略化することができ、インジェクタの周体をシールしながら、インジェクタをシリンダヘッドに安定して支持固定することができる。
図は、本発明に係るシール部材4が、エンジンのシリンダヘッドカバー1に形成された貫通孔1aに挿入され、シリンダヘッド2に及ぶよう支持されるインジェクタ3の周体3aと、シリンダヘッドカバー1の貫通孔1aとの間をシールするものとして用いられた例を示している。
燃焼室(不図示)の一部を構成するシリンダヘッド2内に適正量の燃料を噴射する円柱形のインジェクタ3が貫通されるインジェクタ貫通孔2aが形成されており、該インジェクタ貫通孔2aを挟んだ両側にはシリンダヘッドカバー1を貫通したボルト5が挿通されるボルト穴2bが2箇所設けられており、ボルト穴2bには、ボルト5が螺着されるよう雌ねじが形成されている。
基板部6は、図2(a)及び図2(b)に示すようにシリンダヘッドカバー1のボルト挿通孔1bに対応するボルト用ワッシャ部61と、貫通孔1aに対応するインジェクタ用透孔部62とを備えており、ワッシャ部61は透孔部62を挟んで2箇所形成されている。シール部7は、FKM、NBR、H−NBR、EPDM、CR、ACM、AEM、VMQ及びFVMQ等のゴム材からなり、ゴム材の加硫成型により基板部6に一体固着形成される。
よって、シール部7は基板部6に一体固着されているからシール部7自体がインジェクタ3の脱着により脱落することがない。
これによれば、シリンダヘッドカバー1をシリンダヘッド2に締結固定するためのボルト5によって、シリンダヘッドカバー1に締着されるものであるから、締着に用いられる夫々のボルト5がシリンダヘッドカバー1をシリンダヘッド2に締結固定し、且つシール部材4をシリンダヘッドカバー1に締着させる機能を奏するので、部品点数を低減させることができる。
よってシリンダヘッドカバー1に予めシール部材4を組付けておく工程を省くことができるので、シリンダヘッド2にシリンダヘッドカバー1を組付ける工程で、シール部材4の取付けを行えばよいものとすることができ、部品点数の低減だけでなく、組付工数の低減も図ることができる。
ワッシャシール部71は、上述のようにワッシャ部61の内周縁部分も含んでシリンダヘッド1側の面に固着され、インジェクタシール部72と一体に形成されている。ワッシャシール部71は、ワッシャ部61の内周縁部分より挿通されるボルト5に向かって突出した突部71aを備えている。
更にワッシャシール部71は、ボルト5の締結に伴い、シリンダヘッドカバー1の上面と基板部6との間で、圧縮されて、ボルト5の締結部分をシールするとともに、その弾性によりシリンダヘッドカバー1の振動を吸収する。また上記圧縮に伴い突部71aが膨出した状態でボルト5に弾接するので、この部分でのシール性がより強化される。
前記インジェクタシール部72によって、インジェクタ3の軸方向に上下振動が生じても、その振動を吸収することができ、インジェクタ3に傾きが生じても、インジェクタシール部72の突出部72aはインジェクタ3の周体3aに向けて突出しているので、インジェクタ3の振動に追従して弾性変形し、シール性を維持することができる。
尚、周突部72bの段差部1aの側面1dに対する締め代を適宜設定すれば、インジェクタシール部72のシリンダヘッドカバー1への仮組み付けを可能なものとすることができる。また基板部6及びシール部7の構成、形状は図例のものに限定されるものではなく、例えば3本のボルトで締着可能なようにワッシャ部を3箇所設けたもの、或いは突出部72aが複数形成されたものとしてもよい。更に周突部72bは2箇所に限定されるものではなく、1箇所或いは3箇所以上備えたものとしてもよい。
このとき、インジェクタ3の周体には、インジェクタシール部72の突出部72aが弾接して圧縮変形し、インジェクタ3の周体に向かって復元弾力が生じる。また、インジェクタシール部72の周突部72bはインジェクタ3が配備されることにより、段差部1cの側面1dに圧接され圧縮変形する。そしてその復元弾力がインジェクタ3の周体に向かう押圧力となり、前記突出部72aの復元弾力との相乗効果により、インジェクタ3の周体とシリンダヘッドカバーの貫通孔1aとの間を強固にシールすることができる。
尚、シール部材4の組付手順は上述に限定されるものではない。
このように周突部72bが1箇所であっても、突出部72aがインジェクタ3の周体3aに弾接することにより、シール性を確保することができ、ワッシャ部61にボルト5を挿通し締着すれば、シリンダヘッドカバー1とシリンダヘッド2及び、シール部材4とシリンダヘッドカバー2を強固に締着することができる。
その他の構成は前記と同様であるので、共通部分に同一の符号を付し、その説明を割愛する。
第2の実施形態におけるシール部材4のボルト9は、更に、前記インジェクタ3をシリンダヘッド2に支持固定する為の固定部8を備えている点及びボルトの構成が前記実施形態とは異なるものである。
ボルト9は上方と下方の両端に雄ねじ部9b、9cが形成されたスタッドボルトが用いられ、ボルト9の下端部は、基板部6のワッシャ部61、シリンダヘッドカバー1のボルト挿通孔1bを通じて、シリンダヘッド2に形成されたボルト穴2bに螺着される。図中、92はシリンダヘッドカバー1の押さえ部材である。
まずシリンダヘッドカバー1をシリンダヘッド2の上方に配置する。このとき、シリンダヘッド2に形成されているインジェクタ貫通孔2a、ボルト穴2bの夫々と、シリンダヘッドカバー1に形成されている貫通孔1a、ボルト挿通孔1bとが対応するように位置合わせを行い、その後、シール部材4を所定の組付位置に配置する。シリンダヘッドカバー1の所定箇所を複数のボルト(不図示)によってシリンダヘッド2に締結固定するとともに、ボルト9をシール部材4のワッシャ部61及びシリンダヘッドカバー1のボルト挿通孔1bを介し、シリンダヘッド2のボルト穴2bに向けて挿入する。締付工具を工具作用部9aに嵌合させ、締付操作することにより、ボルト9の下端部の雄ねじ9cと、ボルト穴2bに形成された雌ねじが螺合し、締着される。このとき、押さえ部材92によってシール部材4がシリンダヘッドカバー1に強固に押し付けられ締結状態となる。
この状態で固定部材8のボルト挿通孔8bをボルト9に挿通し、固定部材8をインジェクタ3の段部3bに配置して、ボルト挿通孔8bにナット91を挿通させて、固定部材8をナット91で固定する。
よって部品点数を大幅に削減できるとともに、組付工程が簡略化することができ、インジェクタ3の周体3aを確実にシールしながら、インジェクタ3をシリンダヘッド2に安定して支持固定することができる。
1a 貫通孔
1b ボルト挿通孔
2 シリンダヘッド
3 インジェクタ
3a 周体
4 シール部材
5、9 ボルト
6 基板部
61 (ボルト用)ワッシャ部
62 (インジェクタ用)透孔部
7 (弾性)シール部
71 (弾性)ワッシャシール部
72 (インジェクタ)シール部
Claims (5)
- エンジンのシリンダヘッドに対してシリンダヘッドカバーがボルトにより締結される締結構造体に、挿入支持されるインジェクタとシリンダヘッドカバーの貫通孔との間をシールするシール部材であって、
前記シリンダヘッドカバーの前記貫通孔及びこれの近傍に形成される前記ボルト用のボルト挿通孔の夫々に対応するインジェクタ用透孔部及びボルト用ワッシャ部を備えた基板部と、該基板部における前記インジェクタ用透孔部の内周縁部分に固着され前記インジェクタの周体に弾接する弾性シール部とよりなり、
前記ボルトによって、前記基板部のボルト用ワッシャ部を介して前記シリンダヘッドカバーに締着固定されるものであることを特徴とするシール部材。 - 請求項1に記載のシール部材において、
前記ワッシャ部のシリンダヘッドカバー側の面に弾性ワッシャシール部が固着されていることを特徴とするシール部材。 - 請求項2に記載のシール部材において、
前記弾性ワッシャシール部は、前記弾性シール部と一体に形成されていることを特徴とするシール部材。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のシール部材において、
前記弾性シール部及び基板部は、夫々ゴム材及び金属板からなり、該弾性シール部は、ゴム材の加硫成型により金属板に一体固着形成されたものであることを特徴とするシール部材。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のシール部材において、
前記ボルトは、更に、前記インジェクタをシリンダヘッドに支持固定する為の固定部を備えていることを特徴とするシール部材。
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