JP5300140B2 - ガスケット取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車用エンジンにおいて、ガスケットを介在させて、シンリンダヘッドにヘッドカバーを締結合体させるに先立ち、ガスケットをヘッドカバーに取付保持させる為のガスケット取付構造に関する。
自動車用エンジンの組立工程において、シリンダヘッドにヘッドカバーを締結合体させる際、シール対象部位となる相互の合体面間に、ゴムや弾性樹脂等からなるガスケットが介在される。前記締結により、介在されたガスケットは圧縮弾性変形し、その弾性反力により前記シール対象部位間がシールされる。ヘッドカバーのシール対象部位には、シールラインに沿ってガスケットを半嵌装し得る凹溝が形成され、この凹溝にガスケットを事前に嵌装して前記締結合体がなされる。この時、ヘッドカバーをシリンダヘッド上に被せるようにして載せ置き、ヘッドカバー側からのボルト等の締結によって締結合体がなされるが、ヘッドカバーを被せる際に、ガスケットが脱落することがある。
その為、特許文献1に示すように、前記凹溝の底部に突起部を設け、ガスケットにこの突起部を受容する凹部を設けて、凹溝とガスケットとの嵌合力を強くし、上記のような脱落を防止することもなされている。また、特許文献2は、シリンダヘッドとヘッドカバーとの締着合体部のシールに係るものではないが、相互の合体面の双方に突起部を設け、ガスケット(環状パッキン)には両突起部を受容する凹部を形成して、結果的にガスケットの脱落を防止することができるガスケットの取付構造を開示している。更に、特許文献3においても、凹溝に突起部を設け、ガスケットにはこの突起部を圧入し得るスリットを設け、これによって凹溝とガスケットとの嵌合強度を高めることが開示されている。
実開昭59−25743号公報 実開平5−79126号公報 特許第3032952号公報
ところで、前記特許文献1〜3のように、ガスケットを嵌装する凹溝に突起部を設けて、ガスケットを保持する構造の場合、突起部がガスケットに食い込んだ状態とされ、しかも、該突起部はシールラインに沿った位置にある為、シール対象の2部材を締結合体する際、突起部に付加された締結力がガスケットに対してせん断力として作用する。従って、締結圧のかかり具合によっては、ガスケットに亀裂を生じたり、局部的なへたりが生じたりすることがあり、これが原因でシール性が低下することにもなる。
そこで、前記ガスケットに、シールラインから外れた位置に延びる分枝部を設け、この分枝部の前記締結圧がかからない位置に、前記ガスケット嵌装用の凹溝を備えたシール対象部材に凹溝とは別位置に形成された突起部を圧入させる為の保持孔を形成し、これによって、当該シール対象部材にガスケットを取付保持させるよう構成することもなされている。このようなガスケットの取付構造の例について、図8を参照して略述する。図8は、シール対象2部材がエンジンのシリンダヘッド及びヘッドカバーであり、ガスケットをヘッドカバーに取付けた上で、ヘッドカバーをシリンダヘッドに締結合体させる例を示している。図8(a)は、このようなガスケット取付構造に用いられるガスケット100を示し、図8(b)は、ヘッドカバー300に対して当該ガスケット100を取付保持させた上で、ヘッドカバー300をシリンダヘッド200に締結合体させる前段階の状態を示している。
図8(a)に示すガスケット100は、シールラインに沿った環状のガスケット本体部101と、該ガスケット本体部101から分枝した分枝部102と、該分枝部102に形成された保持孔103とよりなる。分枝部102は、必要によってガスケット本体部101の周方向に沿った複数箇所に設けられる。保持孔103は、ヘッドカバー300に設けられる突起部303を圧入し得る径の筒状体の内筒部からなり、突起部303が円柱状の場合、当該筒状体は円筒体とされる。そして、このガスケット100は、ゴム等の弾性体による成型体からなるが、成型によって上記保持孔103を直接形成しようとするとバリを作製せざるを得ない。その為、図8(a)に示すように保持孔103の内周部に相当する部位を薄肉部104aとしたバリ104を成型時に形成し、ガスケット100をヘッドカバー300に取付ける前に、図8(a)の2点鎖線で示すように、薄肉部104aを破断してバリ104を除去し得るよう構成される。
ヘッドカバー300は、図8(b)に示すように、その外周部に沿ってフランジ部301を有し、その下面がシリンダヘッド200との合体面とされる。そして、該フランジ部301の下面にはシールラインに沿った凹溝302が形成され、更に、ヘッドカバー300の内面には、下向きの柱状突起部303が形成されている。斯くして、前記ガスケット100を、該ヘッドカバー300に取付けるに際しては、先ず、前述のとおりバリ104を除去した上で、前記ガスケット本体部101を凹溝302に嵌装すると共に、柱状の下向き突起部303を保持孔103に圧入して貫装させる。保持孔103は、突起部303を圧入し得るよう、内径が突起部303の外径よりやや小とされているから、突起部303が圧入貫装された状態では、保持孔103の内面の求心方向への弾性的復元力により、ガスケット100が突起部303に保持される。ヘッドカバー300に対するガスケット100の上記取付作業は、作業台上でその内面が上向きとなるように置かれた状態でなされ、ヘッドカバー300をシリンダヘッド200に締結合体させる際には、これを天地逆転して、図8(b)の白抜矢示に沿うようにシリンダヘッド200上に所定部位に載せ置かれる。その後、不図示のボルトにより、ヘッドカバー300が、シリンダヘッド200に締結合体される。この場合、ガスケット100は、保持孔103と突起部303との前記弾性的保持関係によりヘッドカバー300に取付保持されているから、ヘッドカバー300の反転時にも脱落することがなく、締結合体作業が円滑になされる。
而して、前記のようなヘッドカバー300の組付工程においては、事前に前記バリ104が除去されなければならないが、この除去作業が煩わしく、また、除去したバリ104を廃棄処理する工程も必要とされる為、これがガスケット製造工程の作業効率を妨げる一要因となることにもなる。更に、うっかりバリ104を除去せずに突起部303を保持孔103に圧入すると、前記の薄肉部104aの一部が保持孔103の内面に繋がったまま残り、バリ104が垂れ下がった状態となる。このまま、シリンダヘッド200に組付けてしまうと、エンジンの稼動中にバリ104がシリンダヘッド200内に落下して、エンジンの稼動に支障を来たすことにもなる。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、ガスケットをシール対象部材に簡易に取付けることができ、且つ、ガスケット製造工程の効率化を図ることができると共に、取付ミスを生じさせないガスケット取付構造を提供することを目的としている。
本発明に係るガスケット取付構造は、相互に合体されるシール対象2部材間に弾性材からなるガスケットを介在させて当該シール対象2部材間をシールするシール構造において、前記合体に先立ち前記シール対象2部材の一方の部材に前記ガスケットを取付保持させる為のガスケット取付構造であって、前記ガスケットは、シールラインに沿ったガスケット本体部と、該ガスケット本体部から分枝した分枝部と、該分枝部に形成され前記一方の部材に形成された突起部を貫通させることによって該突起部に係着される係着部とを備え、前記係着部は、その中央部の肉厚が薄く、該中央部から遠心方向に向かって漸次肉厚が厚くなるよう形成され、前記突起部は、前記係着部に対して該係着部の中央部から突き起こすように貫通され、突き起こし部片の弾性復元力により前記突起部に対して係着部が弾性係着されるよう構成されていることを特徴とする。
本発明において、前記係着部が、その中央部から遠心方向に向かう複数の有底溝を放射状に備えていても良い。また、前記突起部が、漸次縮径する先端部を備えた円柱状とされ、前記突き起こしは、この先端部をしてなされるようにしても良い。更に、前記突起部における前記突き起こし部片が弾性係着される部位には、周溝が形成されていても良い。
本発明において、前記一方の部材には、前記シールラインに沿った凹溝が形成され、該凹溝は前記ガスケット本体部を半嵌装し得るよう構成されているものとしても良い。
本発明において、前記分枝部は前記係着部より更に延出された延出部を有し、前記一方の部材は前記シールラインとは別のシール対象部位を備え、前記延出部には当該シール対象部位のシールラインに適合されるサブガスケット部が一体に形成されているものとしても良い。
本発明のガスケット取付構造においては、ガスケットが、ガスケット本体部から分枝した分枝部に形成された係着部をして、シール対象2部材の一方の部材に形成された突起部に係着させることによって、当該一方の部材に取付保持される。従って、一方の部材を他方の部材に合体させる際に、ガスケットが落下することがなく、合体作業の効率化が図られる。前記取付状態では、ガスケット本体部が前記シールラインに位置し、前記2部材が合体された際には、両部材間に介在するガスケット本体部によって、シール対象2部材のシール構造が確立される。しかも、係着部がシールラインから外れた位置にあるから、合体の際に締結力が加わる場合でも、突起部と係着部との係着関係がガスケット本体部を劣化させる要因となることがない。
そして、前記係着部は、その中央部の肉厚が薄く、該中央部から遠心方向に向かって漸次肉厚が厚くなるよう形成されているから、前記突起部を該係着部の中央部から突き起こすように貫通させる際に、薄肉部分から突き起こしが簡易になされると共に、遠心方向の厚肉部分の存在により突き起こし部片が破断されることなく残る。この破断されることなく残った突き起こし部片の弾性復元力により、前記突起部に対して係着部が弾性係着されるから、ガスケットは1方の部材に安定的に取付保持される。従って、ガスケット製造時に、前記のようなバリを除去する作業や、除去したバリを処理する作業等を要さず、ガスケット製造工程の合理化が図られる。また、除去されるべき部片が存在しないから、シール対象2部材を合体した後に前記のような除去されずに残った部片のシール対象空間内への落下による不具合を来たす懸念もない。
前記係着部を、その中央部から遠心方向に向かう複数の有底溝を放射状に備えているものとした場合、有底溝の溝底の肉厚が薄くなっているから、前記突き起こしの際にこの有底溝の溝底に沿って破断がなされ、突き起こしが抵抗少なく簡易になされる。また、前記突起部を、漸次縮径する先端部を備えた円柱状とし、前記突き起こしが、この先端部をしてなされるようにすれば、漸次縮径する先端部によって係着部の中央部に応力が集中する結果、突き起こし部片が係着部に確実に残った状態で前記貫通を行うことができる。更に、前記突起部における前記突き起こし部片が弾性係着される部位に、周溝が形成されているものとすれば、突き起こし部片の一部がこの周溝に弾性的に係入し、この係入によるアンカー効果によって、ガスケットの前記1方の部材に対する取付保持がより安定的になされる。
前記一方の部材には、前記シールラインに沿った凹溝が形成され、該凹溝は前記ガスケット本体部を半嵌装し得るよう構成されているものとすれば、ガスケット本体部がシールラインに正しく適合され、前記係着部と突起部との係着関係とも相俟って、ガスケットの一方の部材の所定部位に対する取付保持が的確になされる。
前記分枝部は前記係着部より更に延出された延出部を有し、前記一方の部材は前記シールラインとは別のシール対象部位を備え、前記延出部には当該シール対象部位のシールラインに適合されるサブガスケット部が一体に形成されているものとした場合、以下のような作用効果を奏する。即ち、前記一方の部材が前記シールラインとは別のシール対象部位を備えている場合に、このシール対象部位をシールするサブガスケット部をも一体に備えることになるから、当該一方の部材に適用されるガスケットの部品点数及び取付工数も少なくすることができる。そして、ガスケット本体部とサブガスケット部とは延出部を有する分枝部によって連結され、しかもその途中において、係着部が突起部に係着されるから、分枝部が垂れ下がって周辺部位に干渉を起こすようなこともない。
本発明の一実施形態に係るガスケット取付構造が採用されるガスケットの概略的平面図である。 図1におけるX部の拡大平面図である。 (a)は、図2におけるY−Y線矢視断面であり、(b)は、同ガスケットをシール対象部材としてのヘッドカバーに取付けた状態及びこれをシリンダヘッドに合体する状態を示す要部の断面図である。 (a)(b)は同ガスケットの変形例を示し、(a)は図2と同様図で、(b)は(a)のZ−Z線矢視拡大断面図である。 同ガスケットの別の変形例を示す図3(a)と同様図である。 同ガスケットの更に別の変形例を示す図3(a)と同様図である。 本発明の他の実施形態に係るガスケット取付構造を示す図3(b)と同様図である。 (a)(b)は、従来のガスケット取付構造の一例を示す図3(a)(b)と同様図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1乃至図3は、本発明の一実施形態のガスケット取付構造に係り、図例のガスケット1は、エンジンのシリンダヘッド2及びヘッドカバー3(図3(b)参照)の間に介在されるヘッドカバーガスケットであること示している。シリンダヘッド2及びヘッドカバー3が相互に合体されるシール対象2部材であり、ヘッドカバー3が当該シール対象2部材の一方の部材とされる。ガスケット1は、ゴム或いはゴム弾性を備える合成樹脂等の弾性体(エラストマー)の成型体からなり、シールラインLに沿った環状のガスケット本体部4と、該ガスケット本体部4から分枝しガスケット本体部4の環内(求心方向)に向く複数(図示では4個)の分枝部5…と、該分枝部5…に形成された係着部6…とを含んで構成される。ここに、シールラインLは、シリンダヘッド2及びヘッドカバー3の合体部にあって、相互にシールされるべき所定幅の略中央部に沿った環状のラインを指す。
ガスケット1を構成する弾性体としては、NBR,H−NBR,ACM,AEM,FKM等のゴム材、或いは、弾性樹脂としてSBS,TPO,TPVC,TPV,TPEE,TPAE等の熱可塑性エラストマー(TPE)が用いられる。
ガスケット本体部4は、ヘッドカバー3に形成された後記する凹溝33に半嵌装し得る形状とされ、また、係着部6は、ヘッドカバー3の内面に形成された円柱状突起部34を貫通させることによって該突起部34に係着されるよう構成されている。前記係着部6は、有底円筒部60からなり、この円筒部60の底部61は、中央部61aの肉厚が薄く、該中央部61aから遠心方向に向かい漸次肉厚が厚くなり、円筒部60との境界部61bの肉厚が最も厚くなるよう形成されている。これにより、底部61は、その底面形状がすり鉢状乃至は円すい形状とされる。
ヘッドカバー3は、その外周部に沿ってフランジ部31を有し、該フランジ部31の下面がシリンダヘッド2との合体面32とされる。そして、該合体面32には前記シールラインLに沿った凹溝33が形成され、更に、ヘッドカバー3の内面には、下向きの前記円柱状突起部34が形成されている。該突起部34の先端部34aは漸次縮径する円すい形状とされ、この先端部34aに近接する突起部34の周体には周溝34bが形成されている。先端部34aの形状は、円すい形状に限らず、半球形状であっても良い。
前記のように構成されたガスケット1を、ヘッドカバー3に取付ける場合、先ず、ヘッドカバー3を、作業台(不図示)上にその内面が上に向くように、即ち図(b)とは上下逆となるように置き、ガスケット1のガスケット本体部4を、開口部が上向きとされたヘッドカバー3の凹溝33に嵌装する。この状態では、ガスケット本体部4の上半部が凹溝33の上に露出する。次いで、係着部6の円筒部60をその開口部より突起部34の先端部34に被せるようにして強く押下げると、漸次縮径する先端部34が前記底部61の薄肉の中央部61aに作用し、該中央部61aから底部61を突き抜くようにして突起部34が円筒部60に貫通される。この時、底部61の中央部61aが薄肉とされているから、先ず、中央部61aが前記先端部34により突き抜かれ、その後の先端部34の円すい面の作用を受けて、底部61が中央部61aより放射状に破断されて、複数の突き起こし部片61cに分断される。そして、底部61は、薄肉の中央部61aより遠心方向に向かって漸次厚肉とされているから、この突き起こし部片61cは、千切られることなく、前記境界部61bを基部として分枝部5に舌片状に残る。しかも、突き起こし部片61cは、突起部34によって押し広げられるようにして突き起こされるから、求心方向に復元弾力を保有し、突起部34の周面に弾接する。突起部34の周体には凹溝34bが形成されており、復元弾力を保有する突き起こし部片61cは、この凹溝34bに弾性的に嵌り込む。
このように、ガスケット1が取付けられたヘッドカバー3は、図3(b)に示すように天地反転されて、白抜矢示方向に沿ってシンリンダヘッド2の上に載せ置かれる。このようにヘッドカバー3が天地反転されても、突き起こし部片61cが凹溝34bに弾性的に嵌り込んで係入していることにより、そのアンカー効果が作用し係着部6が突起部34に安定的に係着保持されているから、ガスケット1がヘッドカバー3から脱落することがない。従って、ヘッドカバー3を載せ置く作業が支障なく効率的になされる。この状態で、前記ガスケット本体部4の突出部分をシンリンダヘッド2の合体面21のシールライン(不図示)に沿うよう載せ置き、前記フランジ部31において不図示のボルトによって締結することによって、ヘッドカバー3がシリンダヘッド2に締結合体される。この締結合体状態では、ガスケット本体部4が、シリンダヘッド2の合体面21と、ヘッドカバー3の合体面32(凹溝33の底部)との間に弾性圧縮状態で介在され、これにより、両合体面21,32の間がシールされる。そして、係着部6は、突起部34に安定的に係着保持されているから、エンジンの稼働中においても、外れる懸念がない。
図4はガスケット1の変形例を示し、前記係着部6の底部61に、中央部61aから遠心方向に向かう複数(図例では4本)の有底溝62が放射状に形成されている。この有底溝62の溝底62aは、その肉厚が中央部61aの肉厚と略同じとされている。従って、前記のようにヘッドカバー3の突起部34を円筒部60に貫通させる際、中央部61aからこの溝底62aに沿って放射状に破断がなされ、底部61の突き起こしが、抵抗少なく簡易になされる。しかも、前記と同様に底部61は中央部61aより遠心方向に漸次肉厚とされているから、突き起こし部片61cは、千切れることなく、前記境界部61bを基部として分枝部5に舌片状に残る。本例のガスケット1を図3(b)のようにヘッドカバー3に取付ければ、係着部6の突起部34に対する前記と同様の係着により、ガスケット1の安定した取付保持状態が得られる。
図5はガスケット1の別の変形例を示す。この例では、係着部6の底部61の円筒部60との境界部61bが段差状に形成されている。このように、境界部61bが段差状に形成されていることにより、ヘッドカバー3の突起部34を円筒部60に貫通させて底部61を突き起こす際に、前記破断がこの段差状の境界部61bにまで及ばないようにして、突き起こし部片61cの千切れの防止をより確実なものとしている。また、弾性変形した突き起こし部片61cと段差状の境界部61bとが円筒部60の凹溝34bに嵌り込むことにより、前記係着保持力がより強化され、ガスケット1のヘッドカバー3に対する取付保持状態の安定性が向上する。
図6はガスケット1の更に別の変形例を示す。この例では、係着部6の底部61の下面であって、前記境界部61bの外周に沿った位置に環状溝61dが形成されている。このように、環状溝61dが形成されていることにより、ヘッドカバー3の突起部34を円筒部60に貫通させて底部61を突き起こす際、突き起こし部片61cの弾性変形を助長して、突起部34の貫通時の抵抗を少なくすると共に、弾性復元弾力により係着保持の安定化が図られる。
図4〜図6におけるその他の構成は図1〜図3に示す例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、ここではその説明を割愛する。
図7は本発明のガスケット取付構造の他の実施形態を示す。この例のガスケット1は、前記と同様の弾性体による成型体からなり、前記分枝部5が前記係着部6より更に延出された延出部7を有し、この延出部7には、ヘッドカバー3に設けられたセンサ取付部(別のシール対象部位)35のシールラインに適合されるサブガスケット部8が一体に形成されている。センサ取付部35は、ヘッドカバー3の天面から内面間を貫く取付孔35aと、該取付孔35aの下端に形成されたガスケット装着用段部35bとよりなる。取付孔35aには、ヘッドカバー3内の状態等を検出するセンサ9が挿入され、該センサ9の外壁面と、前記段部35bの内壁面との間に前記サブガスケット部8を弾性変形を伴い圧入することにより、両壁面間をシールするよう構成している。この両壁面がシール対象の合体面であり、この合体面に図示を省略する所定のシールラインが存在する。ここでのヘッドカバー3及びセンサ9の関係も本発明におけるシール対象2部材の概念に含まれる。
この実施形態のガスケット取付構造において、ヘッドカバー3にガスケット1を取付ける際は、前記と同様にヘッドカバー3をその内面が上向きとなるよう作業台の上に置き、ガスケット本体部4の前記凹溝33に対する嵌装、及び、係着部6の突起部34に対する係着保持を、前記と同様に行うと共に、取付孔35aに挿通されたセンサ9と前記段部35bとの間にサブガスケット部8を圧入する。この状態で、ヘッドカバー3を天地反転させ、白抜矢示方向に沿ってシンリンダヘッド2の上の所定の位置に載せ置き、不図示のボルトによってヘッドカバー3がシリンダヘッド2に締結合体される。この場合も、係着部6が突起部34に係着保持されているから、前記天地反転する場合にもガスケット1が脱落することなく、従って、ヘッドカバー3を載せ置く作業が支障なく効率的になされる。
また、前記延出部7を有する分枝部5は、ガスケット本体部4とサブガスケット部8とを繋ぐ繋ぎ部として機能するものであるが、途中で係着部6によって突起部34に係着保持されているから、エンジンの稼動中にこの繋ぎ部が垂れ下がりエンジンの稼動中に周辺部に干渉して稼動に支障を来たすような懸念も生じない。更に、ガスケット本体部4を含むガスケット1と、センサ9等の取付部をシールするサブガスケット部8とは、元来別個に作製されるものであるが、本実施形態のように両者を一体に形成することにより、その作製が1種の金型で可能となり低コストでガスケット1の提供が可能とされると共に、部品点数が少なくなることから部品管理もし易く、組付工数も削減され、その実益は大である。
尚、本実施形態において、係着部6として図4〜図6に示す例を採用することは可能である。その他の構成は前記と同様であるので、共通部分に同一の符号を付しここでもその説明を割愛する。
尚、実施形態では、本発明のガスケット取付構造をエンジンのシリンダヘッドに適用させた例について述べたが、他のシール対象部材に適用させることも可能である。また、ガスケット1の形状は図例のものに限定されず、適用対象の形状等に応じた適宜形状が採用されるべきことは言うまでもない。更に、分枝部5の数及び形状も、適用対象の特性等に応じて適宜変更が可能である。加えて、実施形態では、ヘッドカバー3の突起部34の周体に周溝34bを形成することにより係着部6の係着保持の安定化を図っているが、周溝34bがなくても突き起こし部片61cの弾性復元力により保持機能は十分に発揮される。
1 ガスケット
2 シール対象部材
3 シール対象部材(一方の部材)
33 凹溝
34 突起部
34a 先端部
34b 周溝
35b 段部(別のシール対象部位)
4 ガスケット本体部
5 分枝部
6 係着部
61a 中央部
61c 突き起こし部片
62 有底溝
7 延出部
8 サブガスケット部
9 センサ(別のシール対象部位)
L シールライン

Claims (6)

  1. 相互に合体されるシール対象2部材間に弾性材からなるガスケットを介在させて当該シール対象2部材間をシールするシール構造において、前記合体に先立ち前記シール対象2部材の一方の部材に前記ガスケットを取付保持させる為のガスケット取付構造であって、
    前記ガスケットは、シールラインに沿ったガスケット本体部と、該ガスケット本体部から分枝した分枝部と、該分枝部に形成され前記一方の部材に形成された突起部を貫通させることによって該突起部に係着される係着部とを備え、
    前記係着部は、その中央部の肉厚が薄く、該中央部から遠心方向に向かって漸次肉厚が厚くなるよう形成され、前記突起部は、前記係着部に対して該係着部の中央部から突き起こすように貫通され、突き起こし部片の弾性復元力により前記突起部に対して係着部が弾性係着されるよう構成されていることを特徴とするガスケット取付構造。
  2. 請求項1に記載のガスケット取付構造において、
    前記係着部は、その中央部から遠心方向に向かう複数の有底溝を放射状に備えていることを特徴とするガスケット取付構造。
  3. 請求項1または2に記載のガスケット取付構造において、
    前記突起部は、漸次縮径する先端部を備えた円柱状とされ、前記突き起こしは、この先端部をしてなされるようにしたことを特徴とするガスケット取付構造。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガスケット取付構造において、
    前記突起部における前記突き起こし部片が弾性係着される部位には、周溝が形成されていることを特徴とするガスケット取付構造。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガスケット取付構造において、
    前記一方の部材には、前記シールラインに沿った凹溝が形成され、該凹溝は前記ガスケット本体部を半嵌装し得るよう構成されていることを特徴とするガスケット取付構造。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のガスケット取付構造において、
    前記分枝部は前記係着部より更に延出された延出部を有し、前記一方の部材は前記シールラインとは別のシール対象部位を備え、前記延出部には当該シール対象部位のシールラインに適合されるサブガスケット部が一体に形成されていることを特徴とするガスケット取付構造。
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