JP2009235061A - ジアルコールの製造方法、アリルハライド化合物の製造方法及びアリルクロライド化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ジアルコールの製造方法、アリルハライド化合物の製造方法及びアリルクロライド化合物等に関する。
Journal of Organic Chemistry (1961), 26, 1171-3
しかしながら、上記合成方法を工業的に行うことは必ずしも常に容易ではない。
式(1)で示されるジアルコールを簡便に製造する方法が求められている。
式(1)で示されるジアルコールを簡便に製造する方法が求められている。
このような状況下、本発明者は鋭意検討した結果、以下の[1]〜[6]の発明に至った。
[1] 有機溶媒中、グリニア試薬とアセチレンガスを30℃以上で反応させてエチニルマグネシウムハライドを得る第1工程、及び
第1工程で得られたエチニルマグネシウムハライドにメタクロレインを反応させる第2工程
を含むことを特徴とする式(1)
で示されるジアルコールの製造方法。
[1] 有機溶媒中、グリニア試薬とアセチレンガスを30℃以上で反応させてエチニルマグネシウムハライドを得る第1工程、及び
第1工程で得られたエチニルマグネシウムハライドにメタクロレインを反応させる第2工程
を含むことを特徴とする式(1)
で示されるジアルコールの製造方法。
[2] グリニア試薬が、エチルマグネシウムハライドであることを特徴とする[1]記載のジアルコールの製造方法。
[3] 第1工程及び第2工程で用いられる有機溶媒が、テトラヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル及びシクロペンチルメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒であることを特徴とする[1]又は[2]記載のジアルコールの製造方法。
[3] 第1工程及び第2工程で用いられる有機溶媒が、テトラヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル及びシクロペンチルメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒であることを特徴とする[1]又は[2]記載のジアルコールの製造方法。
[4] 式(1)
で示されるジアルコールを水素により還元して、式(2)
(式(2)中、波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方又はそれらの混合物であることを表す。)
で示されるトリエンアルコールを得る第3工程、及び
第3工程で得られたトリエンアルコールをハロゲン化する第4工程
を含むことを特徴とする式(3)で示されるアリルハライド化合物の製造方法。
(式(3)中、Xはハロゲン原子を示し、波線は前記と同じ意味を表す。)
で示されるジアルコールを水素により還元して、式(2)
(式(2)中、波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方又はそれらの混合物であることを表す。)
で示されるトリエンアルコールを得る第3工程、及び
第3工程で得られたトリエンアルコールをハロゲン化する第4工程
を含むことを特徴とする式(3)で示されるアリルハライド化合物の製造方法。
(式(3)中、Xはハロゲン原子を示し、波線は前記と同じ意味を表す。)
本発明の製造方法によれば、式(1)で示されるジアルコールを簡便に製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の第一の態様は、下記に示す第1工程及び第2工程を有することを特徴とする式(1)で示されるジアルコール(以下、ジアルコール(1)と記すことがある)の製造方法である。
第1工程は、有機溶媒中、グリニア試薬とアセチレンガスを30℃以上で反応させてエチニルマグネシウムハライドを得る工程であり、第2工程は、第1工程で得られたエチニルマグネシウムハライドにメタクロレインを反応させる工程である。
本発明の第一の態様は、下記に示す第1工程及び第2工程を有することを特徴とする式(1)で示されるジアルコール(以下、ジアルコール(1)と記すことがある)の製造方法である。
第1工程は、有機溶媒中、グリニア試薬とアセチレンガスを30℃以上で反応させてエチニルマグネシウムハライドを得る工程であり、第2工程は、第1工程で得られたエチニルマグネシウムハライドにメタクロレインを反応させる工程である。
第1工程に用いられるグリニア試薬としては、エチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウムブロマイド、メチルマグネシウムクロライド、イソプロピルマグネシウムブロマイド、イソプロピルマグネシウムクロライド等が挙げられ、好ましくはエチルマグネシウムブロマイドである。
かかるグリニア試薬の使用量は、第2工程で用いられるメタクロレインに対して通常、0.5〜3モル倍程度である。
かかるグリニア試薬の使用量は、第2工程で用いられるメタクロレインに対して通常、0.5〜3モル倍程度である。
第1工程に用いられるアセチレンガスとしては、有機溶媒溶解型のアセチレンボンベ中のアセチレンガスが好ましく、特に、アセチレンガスからコールドトラップ等により有機溶媒を除去したアセチレンガスが好ましい。
第2工程に用いられるメタクロレインとしては、重合禁止剤が含有していることが好ましく、特に、ハイドロキノンが含有していることが好ましい。重合禁止剤の含有量は、100ppm〜3000ppmの範囲であることが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒が挙げられる。エーテル系溶媒としては単一もしくは2種以上の混合溶媒であってもよく、単一もしくは2種以上のエーテル系溶媒と炭化水素系溶媒との混合溶媒、例えば、トリエン、キシレンなどとの混合溶媒であってもよい。
第1工程の反応温度は、30℃以上、好ましくは、30〜70℃である。30℃以上であると、第2工程におけるジアルコール(1)の選択性を向上する傾向があることから好ましい。
第2工程の温度は、使用する溶媒によって適宜選択されるものであるが、通常、−78℃から溶媒の沸点までの範囲であり、好ましくは、30℃以上である。
第1工程及び第2工程のそれぞれの反応時間は、使用する溶媒ならびに反応温度など諸条件によって異なるが、通常10分間から24時間程度の範囲である。
第2工程の温度は、使用する溶媒によって適宜選択されるものであるが、通常、−78℃から溶媒の沸点までの範囲であり、好ましくは、30℃以上である。
第1工程及び第2工程のそれぞれの反応時間は、使用する溶媒ならびに反応温度など諸条件によって異なるが、通常10分間から24時間程度の範囲である。
第2工程終了後、通常の後処理、例えば抽出、洗浄、晶析、各種クロマトグラフィー、低沸物の留去などの操作をすることによりジアルコール(1)を製造することができる。
また、後述する第3工程に供する前に、活性炭で処理することにより反応速度が向上する場合がある。
また、後述する第3工程に供する前に、活性炭で処理することにより反応速度が向上する場合がある。
かくして得られたジアルコール(1)は、以下に示す第3工程及び第4工程を含む製造方法により、式(3)で示されるアリルハライド化合物を製造することができる。
(式(3)中、Xはハロゲン原子を示し、波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方又はそれらの混合物であることを表す。)
(式(3)中、Xはハロゲン原子を示し、波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方又はそれらの混合物であることを表す。)
第3工程は、ジアルコール(1)を水素により還元して、式(2)
(式(2)中、波線は前記と同じ意味を表す。)
で示されるトリエンアルコールを得る工程である。
第4工程とは、第3工程で得られたトリエンアルコールをハロゲン化する工程である。
(式(2)中、波線は前記と同じ意味を表す。)
で示されるトリエンアルコールを得る工程である。
第4工程とは、第3工程で得られたトリエンアルコールをハロゲン化する工程である。
式(3)で示されるアリルハライド化合物におけるXはハロゲン原子を示し、具体的には塩素原子、臭素原子、沃素原子等が挙げられ、塩素原子もしくは臭素原子が好ましく、より好ましくは塩素原子が挙げられる。Xとしては塩素原子が特に好ましい。
式(3)で示されるアリルハライド化合物におけるXが塩素原子である化合物は、式(4)で示すことができる。
(式(4)中、波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方又はそれらの混合物であることを表す。)
式(3)で示されるアリルハライド化合物におけるXが塩素原子である化合物は、式(4)で示すことができる。
(式(4)中、波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方又はそれらの混合物であることを表す。)
第3工程に用いられる触媒としては、例えば、各種リンドラー触媒などが挙げられる。
反応の選択性を向上させるために、キノリンなどの塩基やシクロヘキセン等を添加してもよい。
リンドラー触媒の使用量は、ジアルコール(1)に対して、通常、0.5wt%〜10wt%、塩基の添加量は0.5モル%〜10モル%である。
反応の選択性を向上させるために、キノリンなどの塩基やシクロヘキセン等を添加してもよい。
リンドラー触媒の使用量は、ジアルコール(1)に対して、通常、0.5wt%〜10wt%、塩基の添加量は0.5モル%〜10モル%である。
ジアルコール(1)における三重結合を選択的に還元するために、第3工程における水素は0.5MPa以下、好ましくは、0.005〜0.3MPaの低い圧力で供給する。また、理論量の水素ガスの吸収後、すみやかに水素ガスの供給を停止することが好ましい。さらに、常圧による水素ガス供給で反応液中にバブリングすることにより反応を効率的に進めることも可能である。
第3工程は有機溶媒中で行うことが好ましく、使用される有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブタノールなどのアルコール系溶媒、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、アニソール、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のエーテル系溶媒などが挙げられる。これらは単一であっても2種以上の混合溶媒で使用してもよい。
第3工程における反応温度は、通常、−78℃から溶媒の沸点までの範囲内で任意に選択できるが、還元反応の選択性を向上させるために、50℃以下、好ましくは、10〜40℃で反応させるのが望ましい。
第3工程における反応時間は、使用する溶媒、触媒ならびに反応温度など諸条件によって異なるが、通常10分間から24時間程度の範囲である。
第3工程における反応時間は、使用する溶媒、触媒ならびに反応温度など諸条件によって異なるが、通常10分間から24時間程度の範囲である。
第3工程終了後は、通常の後処理、例えば濾過により触媒を濾別した後、洗浄、晶析、各種クロマトグラフィーなどの操作をすることにより式(2)で示されるトリエンアルコールを製造することができる。また、触媒を濾別した後、精製せずにそのまま次の第4工程に供することもできる。
第4工程のハロゲン化は、ハロゲン化剤を用いて行う。ハロゲン化剤としては、ハロゲン化水素の水溶液、アルコール溶液、酢酸溶液などが用いられる。ハロゲン化水素としては、HBr、HCl、HI等が好ましくは用いられ、より好ましくはHClである。使用量は、式(2)で示されるトリエンアルコールに対し、通常、2モル倍から30モル倍の範囲である。
第4工程は、通常、有機溶媒中もしくは水との混合溶媒中で行われる。有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブタノールなどのアルコール系溶媒、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、アニソール、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のエーテル系溶媒などが挙げられる。これらは単一であっても2種以上の混合溶媒で使用してもよい。
第4工程における反応温度は通常、−78℃から溶媒の沸点までの範囲内で任意に選択できるが、―30〜20℃で反応させるのが望ましい。
第4工程における反応時間は、使用する溶媒、触媒ならびに反応温度など諸条件によって異なるが、通常10分間から24時間程度の範囲である。
第4工程は、不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。また、安定剤として3,5―ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、エトキシキン、ビタミンE等の酸化防止剤存在下に行うことが好ましい。
第4工程における反応時間は、使用する溶媒、触媒ならびに反応温度など諸条件によって異なるが、通常10分間から24時間程度の範囲である。
第4工程は、不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。また、安定剤として3,5―ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、エトキシキン、ビタミンE等の酸化防止剤存在下に行うことが好ましい。
第4工程終了後は、通常の後処理、例えば濾過、抽出、洗浄、晶析、各種クロマトグラフィーなどの操作をすることにより式(3)で示されるアリルハライド化合物を製造することができる。
かくして得られた式(3)で示されるアリルハライド化合物は、例えば、式(5)であ表される化合物とともに、塩基性条件下、以下に示す反応(アルキル化反応、脱離反応)によりβ−カロテンに誘導することが可能であり、β−カロテンなどのカロテノイド類の重要な中間体と位置付けることができる。
(式(5)中、Ts−は、CH3C6H4SO2−を表す。)
(式(5)中、Ts−は、CH3C6H4SO2−を表す。)
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
(第1工程)
フラスコをアルゴンガスに置換した後、25℃でテトラヒドロフラン(以下、THFと記すことがある。)を40ml仕込み、別途調製した1mol/lのエチルマグネシウムブロマイドのTHF溶液を36.7ml(36.7mmol)仕込み、50℃に昇温した。50〜55℃で3時間、所定量のアセチレンガスを液中に吹込み、停止した。過剰のアセチレンガスを系外に除去するために、同温度で、アルゴンガスを30分間、液中に吹き込み、第1工程を終了した。
(実施例1)
(第1工程)
フラスコをアルゴンガスに置換した後、25℃でテトラヒドロフラン(以下、THFと記すことがある。)を40ml仕込み、別途調製した1mol/lのエチルマグネシウムブロマイドのTHF溶液を36.7ml(36.7mmol)仕込み、50℃に昇温した。50〜55℃で3時間、所定量のアセチレンガスを液中に吹込み、停止した。過剰のアセチレンガスを系外に除去するために、同温度で、アルゴンガスを30分間、液中に吹き込み、第1工程を終了した。
(第2工程)
ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を1000ppm含有するメタクロレイン2.0g(28.3mmol)をTHF10mlに溶解し、該THF溶液を第1工程で得られた溶液に30℃で30分かけて滴下し、30〜35℃で2時間保温した。30℃以下に冷却後、冷却した飽和塩化アンモニウムをゆっくりと滴下し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒をエバポレーターで留去することでアルコール(I)とアルコール(II)の78:22の混合物を得た。アルコール(I)の収率は76%であった。
ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を1000ppm含有するメタクロレイン2.0g(28.3mmol)をTHF10mlに溶解し、該THF溶液を第1工程で得られた溶液に30℃で30分かけて滴下し、30〜35℃で2時間保温した。30℃以下に冷却後、冷却した飽和塩化アンモニウムをゆっくりと滴下し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒をエバポレーターで留去することでアルコール(I)とアルコール(II)の78:22の混合物を得た。アルコール(I)の収率は76%であった。
(実施例2)
(第1工程)
フラスコをアルゴンガスに置換した後、25℃でTHFを300ml仕込み、別途調製した1mol/lのエチルマグネシウムブロマイドのTHF溶液を250ml(250mmol)仕込み、50℃に昇温した。50〜55℃で3時間、所定量のアセチレンガスを液中に吹込み、停止した。過剰のアセチレンガスを系外に除去するために、同温度で、アルゴンガスを30分間、液中に吹き込み、第1工程を終了した。
(第1工程)
フラスコをアルゴンガスに置換した後、25℃でTHFを300ml仕込み、別途調製した1mol/lのエチルマグネシウムブロマイドのTHF溶液を250ml(250mmol)仕込み、50℃に昇温した。50〜55℃で3時間、所定量のアセチレンガスを液中に吹込み、停止した。過剰のアセチレンガスを系外に除去するために、同温度で、アルゴンガスを30分間、液中に吹き込み、第1工程を終了した。
(第2工程)
BHTを1000ppm含有するメタクロレイン21.45g(300mmol)をTHF50mlに溶解し、該THF溶液を第1工程で得られた溶液に30℃で1時間かけて滴下し、30〜35℃で2時間保温した。30℃以下に冷却後、冷却した飽和塩化アンモニウムをゆっくりと滴下し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒をエバポレーターで留去することで、後述する式(I)で表されるアルコール(以下、アルコール(I)と記すことがある)と、後述する式(II)で表されるアルコール(以下、アルコール(II)と記すことがある)との89:11の混合物を得た。2成分以外の不純物はGC分析にて観測されなかった。
BHTを1000ppm含有するメタクロレイン21.45g(300mmol)をTHF50mlに溶解し、該THF溶液を第1工程で得られた溶液に30℃で1時間かけて滴下し、30〜35℃で2時間保温した。30℃以下に冷却後、冷却した飽和塩化アンモニウムをゆっくりと滴下し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒をエバポレーターで留去することで、後述する式(I)で表されるアルコール(以下、アルコール(I)と記すことがある)と、後述する式(II)で表されるアルコール(以下、アルコール(II)と記すことがある)との89:11の混合物を得た。2成分以外の不純物はGC分析にて観測されなかった。
(実施例3)
THFの代わりにシクロペンチルメチルエーテルを用いて36℃でアセチレンガスを吹き込んだ以外は実施例1と同様に反応、後処理を行い、アルコール(I)とアルコール(II)の98:2の混合物を得た。アルコール(I)の収率は90%であった。
THFの代わりにシクロペンチルメチルエーテルを用いて36℃でアセチレンガスを吹き込んだ以外は実施例1と同様に反応、後処理を行い、アルコール(I)とアルコール(II)の98:2の混合物を得た。アルコール(I)の収率は90%であった。
(実施例4)
THFの代わりにメチル−t−ブチルエーテルを用いた以外は実施例1と同様に反応、後処理を行い、アルコール(I)とアルコール(II)の72:28の混合物を得た。アルコール(I)の収率は64%であった。
THFの代わりにメチル−t−ブチルエーテルを用いた以外は実施例1と同様に反応、後処理を行い、アルコール(I)とアルコール(II)の72:28の混合物を得た。アルコール(I)の収率は64%であった。
(参考例1)
反応温度を20〜25℃にした以外は、実施例1と同様に第1工程及び第2工程を行い、アルコール(I)とアルコール(II)の18:82の混合物を得た。
反応温度を20〜25℃にした以外は、実施例1と同様に第1工程及び第2工程を行い、アルコール(I)とアルコール(II)の18:82の混合物を得た。
(参考例2)
反応温度を0〜5℃にした以外は、実施例1と同様に第1工程及び第2工程を行い、アルコール(I)とアルコール(II)の6:94の混合物を得た。
反応温度を0〜5℃にした以外は、実施例1と同様に第1工程及び第2工程を行い、アルコール(I)とアルコール(II)の6:94の混合物を得た。
(参考例3)メタクロレインとの反応例
THFの代わりにジエチルエーテルとトルエンの混合溶媒を用い、反応温度を0〜5℃にした以外は、実施例1と同様に第1工程及び第2工程を行い、アルコール(I)とアルコール(II)の95:5の混合物を得た。アルコール(I)の収率は49%であった。アセチレンガスを吹き込んだ反応マスは、不溶性油状物が生成し、ハンドリングが困難であった。
THFの代わりにジエチルエーテルとトルエンの混合溶媒を用い、反応温度を0〜5℃にした以外は、実施例1と同様に第1工程及び第2工程を行い、アルコール(I)とアルコール(II)の95:5の混合物を得た。アルコール(I)の収率は49%であった。アセチレンガスを吹き込んだ反応マスは、不溶性油状物が生成し、ハンドリングが困難であった。
(実施例5)
(第3工程)
フラスコに、アルコール(I)550mg(3.16mmol)とイソプロピルアルコール70mlを仕込み、溶解させ、キノリン20mg(0.16mmol)とリンドラー触媒 26mg(5wt%)を仕込み、水素ガスでフラスコを置換し、20-30℃、水素圧0.02MPaで3.5時間反応した。反応後、触媒を濾別し、溶媒をエバポレーターで留去することで、後述する式(III)で表されるアルコール(以下、アルコール(III)と記すことがある)を収率89%で得た。
(第3工程)
フラスコに、アルコール(I)550mg(3.16mmol)とイソプロピルアルコール70mlを仕込み、溶解させ、キノリン20mg(0.16mmol)とリンドラー触媒 26mg(5wt%)を仕込み、水素ガスでフラスコを置換し、20-30℃、水素圧0.02MPaで3.5時間反応した。反応後、触媒を濾別し、溶媒をエバポレーターで留去することで、後述する式(III)で表されるアルコール(以下、アルコール(III)と記すことがある)を収率89%で得た。
(実施例6)
(第3工程)
イソプロピルアルコールの代わりにトルエンを用いた以外は、実施例3と同様に第3工程を行い、アルコール(III)を収率83%で得た。
(第3工程)
イソプロピルアルコールの代わりにトルエンを用いた以外は、実施例3と同様に第3工程を行い、アルコール(III)を収率83%で得た。
(実施例7)
(第4工程)
フラスコに、アルコール(III)500mg(2.44mmol)とイソプロピルアルコール20mlを仕込み、溶解させ、-10〜0℃に冷却した。35%塩酸2.54g(24.4mmol)を同温度で30分をかけて滴下し、15分保温した。その後、水を滴下して、結晶の析出を確認し、窒素雰囲気下で濾別した。結晶を5%炭酸水素ナトリウム、水で洗浄し、乾燥後、後述する式(IV)で表されるアリルクロライド(以下、アリルクロライド(IV)と記すことがある)が収率85%で得られた。
アリルクロライド(IV)
FD-MS m/z=204
1H-NMR δ(CDCl3)
1.87(6H, s), 4.07(4H, s), 6.16-6.18(2H, m), 6.40-6.42(2H, m)
13C-NMR δ(CDCl3)
14.9, 52.2, 129.5, 129.6, 134.5
MS,NMRより主成分はアリルクロライド(IV)であることが示された。
末端オレフィンの幾何異性は、NOE測定よりトランス体である。
(第4工程)
フラスコに、アルコール(III)500mg(2.44mmol)とイソプロピルアルコール20mlを仕込み、溶解させ、-10〜0℃に冷却した。35%塩酸2.54g(24.4mmol)を同温度で30分をかけて滴下し、15分保温した。その後、水を滴下して、結晶の析出を確認し、窒素雰囲気下で濾別した。結晶を5%炭酸水素ナトリウム、水で洗浄し、乾燥後、後述する式(IV)で表されるアリルクロライド(以下、アリルクロライド(IV)と記すことがある)が収率85%で得られた。
アリルクロライド(IV)
FD-MS m/z=204
1H-NMR δ(CDCl3)
1.87(6H, s), 4.07(4H, s), 6.16-6.18(2H, m), 6.40-6.42(2H, m)
13C-NMR δ(CDCl3)
14.9, 52.2, 129.5, 129.6, 134.5
MS,NMRより主成分はアリルクロライド(IV)であることが示された。
末端オレフィンの幾何異性は、NOE測定よりトランス体である。
(実施例8)
(第4工程)
フラスコに、アルコール(III)300mg(1.59mmol)とイソプロピルアルコール150mlとを仕込み、溶解させ、-10〜0℃に冷却した。48%臭化水素酸2.68g(15.9mmol)を同温度で30分かけて滴下し、15分間保温した。その後、結晶の析出を確認し、窒素雰囲気下で濾別した。結晶を5%炭酸水素ナトリウム、水で洗浄し、乾燥後、後述する式(V)で表されるアリルクロライド(以下、アリルクロライド(V)と記すことがある)が収率80%で得られた。
アリルブロマイド(V)
FD-MS m/z=294
1H-NMR δ(CDCl3)
1.91(6H, s), 4.06(4H, s), 6.25-6.26(2H, s), 6.40-6.42(2H, m)
13C-NMR δ(CDCl3)
15.4, 41.5, 130.0, 130.2, 135.0
NMRより主成分はアリルブロマイド(V)であることが示された。
末端オレフィンの幾何異性は、NOE測定よりトランス体である。
(第4工程)
フラスコに、アルコール(III)300mg(1.59mmol)とイソプロピルアルコール150mlとを仕込み、溶解させ、-10〜0℃に冷却した。48%臭化水素酸2.68g(15.9mmol)を同温度で30分かけて滴下し、15分間保温した。その後、結晶の析出を確認し、窒素雰囲気下で濾別した。結晶を5%炭酸水素ナトリウム、水で洗浄し、乾燥後、後述する式(V)で表されるアリルクロライド(以下、アリルクロライド(V)と記すことがある)が収率80%で得られた。
アリルブロマイド(V)
FD-MS m/z=294
1H-NMR δ(CDCl3)
1.91(6H, s), 4.06(4H, s), 6.25-6.26(2H, s), 6.40-6.42(2H, m)
13C-NMR δ(CDCl3)
15.4, 41.5, 130.0, 130.2, 135.0
NMRより主成分はアリルブロマイド(V)であることが示された。
末端オレフィンの幾何異性は、NOE測定よりトランス体である。
本発明の製造方法によれば、式(1)で示されるジアルコールを簡便に製造することができる。
Claims (6)
- グリニア試薬が、エチルマグネシウムハライドであることを特徴とする請求項1記載のジアルコールの製造方法。
- 第1工程及び第2工程で用いられる有機溶媒が、テトラヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル及びシクロペンチルメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒であることを特徴とする請求項1又は2記載のジアルコールの製造方法。
- 式(1)で示されるジアルコールが、請求項1〜3のいずれか記載のジアルコールの製造方法によって得られたジアルコールであることを特徴とする請求項4記載のアリルハライド化合物の製造方法。
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