JP2019104700A - 1,3−ウンデカジエン−5−インの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】入手性も取扱いも共に容易な原料から、短い工程で工業的に実施できる、香料又はその原料として有用な1,3−ウンデカジエン−5−インの製造方法の提供。【解決手段】式1のクロトンアルデヒドに式2の1−ヘプチニルマグネシウムブロミド等の1−ヘプチニル金属試薬を反応させ、式3の不飽和アルコールを得た後、該不飽和アルコールに、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒を作用させて脱水反応を行う、式4の1,3−ウンデカジエン−5−インの製造方法。Mは、リチウム、ナトリウム、ハロゲン化亜鉛、又はハロゲン化マグネシウム。【選択図】なし
Description
本開示は、香料またはその原料として用いられる1,3−ウンデカジエン−5−インの製造方法である。
(E)−1,3,5−ウンデカジエン−5−インの合成方法として、1−クロロ−1−ノネン−3−インとビニルグリニャール試薬のカップリング反応(非特許文献1)、2−オクチナールとアレニルスズ化合物またはプロパルギルケイ素化合物との反応(非特許文献2)、1−クロロ−1,3−ブタジエンと1−ヘプチンとのカップリング反応(非特許文献3)、1−ヘプチリドと1,2−ジブロモエチレンとのカップリングに続く、ビニルグリニャール試薬とのカップリング反応(非特許文献4)、2−デセン−4−イン−1−アールとメチレントリフェニルホスホランとのWittig反応(非特許文献5)、1−ジエチルアミノ−2−ウンデセン−4−インのアルカリ分解反応(非特許文献6)などが知られている。
また、亜鉛で還元して香料の(E,Z)−1,3,5−ウンデカトリエンへ誘導する方法も報告されている(非特許文献3、非特許文献5)。
また、亜鉛で還元して香料の(E,Z)−1,3,5−ウンデカトリエンへ誘導する方法も報告されている(非特許文献3、非特許文献5)。
Tetrahedron Letters,38,2447(1997).
Tetrahedron,51,4483(1995).
Synthetic Communications,24,2273(1994).
Tetrahedron,43,4591(1987).
Helvetica Chimica Acta,70,1025(1987).
Zeitschrift fuer Chemie,18,59(1978).
従来の1,3−ウンデカジエン−5−インの合成法は、原料の入手性に難があること、多くの工程を必要となることなどから、工業的な手法として適しているとは言いがたい。
そこで、入手性も取扱いも共に容易な原料から、短い工程で、工業的に製造できる方法が求められている。
そこで、入手性も取扱いも共に容易な原料から、短い工程で、工業的に製造できる方法が求められている。
本発明によれば、入手性が良く、取扱いも容易な原料から短い工程で、工業的に1,3−ウンデカジエン−5−インを製造することができる。
本発明は、以下の項1〜4などからなる。
項1. 式1で表されるクロトンアルデヒドから、第一工程および第二工程を経て、式4で表される1,3−ウンデカジエン−5−インを製造する方法。
第一工程:式1で表されるクロトンアルデヒドに、式2で表される1−ヘプチニル金属試薬を反応させ、式3で表される不飽和アルコールを得る工程。
第二工程:式3で表される不飽和アルコールに、酸を作用させ、脱離反応を起こさせる工程。
式2において、
Mは、リチウム、ナトリウム、ハロゲン化亜鉛、またはハロゲン化マグネシウムである。
項1. 式1で表されるクロトンアルデヒドから、第一工程および第二工程を経て、式4で表される1,3−ウンデカジエン−5−インを製造する方法。
第一工程:式1で表されるクロトンアルデヒドに、式2で表される1−ヘプチニル金属試薬を反応させ、式3で表される不飽和アルコールを得る工程。
第二工程:式3で表される不飽和アルコールに、酸を作用させ、脱離反応を起こさせる工程。
式2において、
Mは、リチウム、ナトリウム、ハロゲン化亜鉛、またはハロゲン化マグネシウムである。
項2. 式2で表される1−ヘプチニル金属試薬が1−ヘプチニルグリニャール試薬である項1に記載の1,3−ウンデカジエン−5−インを製造する方法。
項3. 第二工程において、用いる酸がp−トルエンスルホン酸である、項1に記載の1,3−ウンデカジエン−5−インを製造する方法。
式2の調製方法としては、1−ヘプチンに、塩基性化合物を作用させることが挙げられる。塩基性化合物としては、アルキルリチウム、金属アミド、またはグリニャール試薬が好ましい。アルキルリチウムとしては、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、またはt−ブチルリチウムが好ましい。金属アミドとしては、ナトリウムアミド、またはリチウムアミドが好ましい。グリニャール試薬としては、メチルマグネシムハライド、エチルマグネシウムハライド、n−プロピルマグネシウムハライド、i−プロピルマグネシウムハライド、n−ブチルマグネシウムハライド、i−ブチルマグネシウムハライド、s−ブチルマグネシウムハライド、またはt−ブチルマグネシムハライドが好ましい。グリニャール試薬のハロゲンは、ヨウ素、臭素、または塩素である。
<第一工程(クロトンアルデヒドと金属1−ヘプチリドの反応)について>
クロトンアルデヒドと金属1−ヘプチリドの反応に用いられる溶媒としては、これらと反応しないものであればよく、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロプロピルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル系溶媒が好ましく用いられ、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒を加えてもよい。反応温度は−100℃〜50℃が好ましく、−30℃〜30℃がより好ましく、−10℃〜室温が更に好ましい。また、金属1−ヘプチリドまたはクロトンアルデヒドのどちらを滴下してもよく、滴下中にほとんど反応は進行し、発熱するため、これらの滴下中は低温で行い、滴下終了後、室温で反応させることが好ましい。必要に応じて加熱し反応を熟成させてもよい。
クロトンアルデヒドと金属1−ヘプチリドの反応に用いられる溶媒としては、これらと反応しないものであればよく、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロプロピルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル系溶媒が好ましく用いられ、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒を加えてもよい。反応温度は−100℃〜50℃が好ましく、−30℃〜30℃がより好ましく、−10℃〜室温が更に好ましい。また、金属1−ヘプチリドまたはクロトンアルデヒドのどちらを滴下してもよく、滴下中にほとんど反応は進行し、発熱するため、これらの滴下中は低温で行い、滴下終了後、室温で反応させることが好ましい。必要に応じて加熱し反応を熟成させてもよい。
<第二工程(不飽和アルコールの脱水反応)について>
不飽和アルコールの脱水反応に用いる溶媒は、原料の不飽和アルコールや触媒として使用する酸と反応しなければよく、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒などの非極性溶媒が好ましく使用され、これらの内2種類以上の混合溶媒も用いることができる。また、無溶媒でも反応は進行する。
不飽和アルコールの脱水反応に用いる溶媒は、原料の不飽和アルコールや触媒として使用する酸と反応しなければよく、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒などの非極性溶媒が好ましく使用され、これらの内2種類以上の混合溶媒も用いることができる。また、無溶媒でも反応は進行する。
不飽和アルコールの脱水反応は、式3で表わされる不飽和アルコールから直接脱水する経路と、式5で表わされる共役不飽和アルコールへ異性化して脱水する経路の二通りが起こる。反応温度が室温付近の低温ではこれら2種類の脱水反応は遅く、式3で表わされる不飽和アルコールから式5で表わされる共役不飽和アルコールへの異性化反応が優先する、従って、50〜200℃に加熱することが好ましく、100〜150℃が更に好ましい。
酸としては、リン酸、硫酸、硫酸水素カリウム、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、酸性イオン交換樹脂、固体酸などが好ましく用いられる。酸触媒の使用量としては、酸の強さによって変わり、通常0.01〜50mol%が好ましく、0.1〜10mol%がより好ましく、1〜5mol%が更に好ましい。
反応系内の水が少ないほど、脱水速度の遅い式5で表わされる共役不飽和アルコールの生成を抑制できるため、蒸留装置やディーンスターク装置などを用いることにより生成した水を除去することができる。減圧下で行うことにより水を除去させながら反応を行うこともでき、更に減圧度を高めれば、生成した1,3−ウンデカジエン−5−インを留出させることも可能であり、精製を同時に行わせることもできる。
水を溶媒として使用すると、酸触媒存在下に加熱しても脱水反応は進行せず、式5で表わされる共役不飽和アルコールへの異性化のみが進行する。この式5で表わされる共役不飽和アルコールを単離後に、酸触媒の存在下、上記の非極性溶媒中、または無溶媒下で、加熱することにより脱水反応を行わせることもできる。
<重合禁止剤について>
1,3−ウンデカジエン−5−インは重合などにより、純度が低下しやすいため、反応開始前後に重合禁止剤などを添加してもよい。
具体的な重合禁止剤としては、4−t−ブチルピロカテコール、t−ブチルヒドロキノン、1,4−ベンゾキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジルフリーラジカル、ガルビノキシルフリーラジカル、ヒドロキノン、4−メトキシフェノール、イルガノックス、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、フェノチアジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、カプフェロン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、キノパワー(登録商標)、4−t−ブチルカテコール、ジブチルジチオカルバミン酸銅、2−オキシジフェニルアミン、1−ナフトール、2−ナフトール、酸素などが挙げられる。重合禁止剤の添加量は生成する共役ジエンの重量の1〜1000ppmであり、好ましくは100〜500ppmである。
1,3−ウンデカジエン−5−インは重合などにより、純度が低下しやすいため、反応開始前後に重合禁止剤などを添加してもよい。
具体的な重合禁止剤としては、4−t−ブチルピロカテコール、t−ブチルヒドロキノン、1,4−ベンゾキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジルフリーラジカル、ガルビノキシルフリーラジカル、ヒドロキノン、4−メトキシフェノール、イルガノックス、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、フェノチアジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、カプフェロン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、キノパワー(登録商標)、4−t−ブチルカテコール、ジブチルジチオカルバミン酸銅、2−オキシジフェニルアミン、1−ナフトール、2−ナフトール、酸素などが挙げられる。重合禁止剤の添加量は生成する共役ジエンの重量の1〜1000ppmであり、好ましくは100〜500ppmである。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって、なんら限定されるものではない。
生成物は、ガスクロマトグラフィーで分析を行い、組成比を面積百分率にて算出した。測定条件は以下の通りである。
生成物は、ガスクロマトグラフィーで分析を行い、組成比を面積百分率にて算出した。測定条件は以下の通りである。
装置:島津製作所GC−2014
カラム:Agilent J&W GCカラム DB-1ms(L60m×φ0.250mm、D:0.25μm)(キャピラリーカラム)
カラム温度:50℃(5分保持)→10℃/min→250℃(5分保持)
インジェクション温度:280℃
キャリヤーガス:純ヘリウム G1
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
カラム:Agilent J&W GCカラム DB-1ms(L60m×φ0.250mm、D:0.25μm)(キャピラリーカラム)
カラム温度:50℃(5分保持)→10℃/min→250℃(5分保持)
インジェクション温度:280℃
キャリヤーガス:純ヘリウム G1
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
<実施例1>
[第一工程: クロトンアルデヒドと1−ヘプチニルマグネシウムブロミドとの反応による2−ウンデセン−5−イン−4−オールの合成]
窒素雰囲気下、1.23mol/Lのn−プロピルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(42.4ml)をフラスコに入れ、室温で1−ヘプチン(5.0g)を滴下した。ついで、30分間加熱還流させた後、氷冷した。内温が10℃を超えないようにクロトンアルデヒド(3.64g)を滴下した。ついで室温で30分間攪拌した後、再度氷冷し、1mol/L塩酸(50ml)を加えて反応を停止した。トルエンを加えて抽出し、水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮し、GC純度96.8%の2−ウンデセン−5−イン−4−オール(9・0g)を得た。
[第一工程: クロトンアルデヒドと1−ヘプチニルマグネシウムブロミドとの反応による2−ウンデセン−5−イン−4−オールの合成]
窒素雰囲気下、1.23mol/Lのn−プロピルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(42.4ml)をフラスコに入れ、室温で1−ヘプチン(5.0g)を滴下した。ついで、30分間加熱還流させた後、氷冷した。内温が10℃を超えないようにクロトンアルデヒド(3.64g)を滴下した。ついで室温で30分間攪拌した後、再度氷冷し、1mol/L塩酸(50ml)を加えて反応を停止した。トルエンを加えて抽出し、水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮し、GC純度96.8%の2−ウンデセン−5−イン−4−オール(9・0g)を得た。
500MHz1H−NMR(CDCl3)δ 5.87〜5.95(1H,m),5.65(1H,dd,J=15.0,5.0Hz),4.84(1H,d,J=5.0Hz),2.24〜2.39(2H,m),1.91(1H,brs),1.50〜1.60(3H,m),1.30〜1.42(4H,m),0.93(3H,t,J=7.1Hz).
<実施例2>
[第二工程:2−ウンデセン−5−イン−4−オールの脱水反応による1,3−ウンデカジエン−5−インの合成]
実施例1で得た2−ウンデセン−5−イン−4−オール(1g)をフラスコに入れ、トルエン(10ml)、p−トルエンスルホン酸・一水和物(11mg)、および4−t−ブチルピロカテコール(1mg)を加えて、10時間還流させたところ、1,3−ウンデカジエン−5−イン(GC収率78%、E/Z=82/18)および3−ウンデセン−5−イン−2−オール(GC収率18%)が生成した。反応溶液を室温まで冷却し、炭酸水素ナトリウム(100mg)を加えて30分間攪拌後、濾過し、ろ液をエバポレーターで減圧下に40℃に加温してトルエンを留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト(シリカゲル60(Merck)、ヘプタン、Rf≒0.8)で精製し、1,3−ウンデカジエン−5−インを得た。
[第二工程:2−ウンデセン−5−イン−4−オールの脱水反応による1,3−ウンデカジエン−5−インの合成]
実施例1で得た2−ウンデセン−5−イン−4−オール(1g)をフラスコに入れ、トルエン(10ml)、p−トルエンスルホン酸・一水和物(11mg)、および4−t−ブチルピロカテコール(1mg)を加えて、10時間還流させたところ、1,3−ウンデカジエン−5−イン(GC収率78%、E/Z=82/18)および3−ウンデセン−5−イン−2−オール(GC収率18%)が生成した。反応溶液を室温まで冷却し、炭酸水素ナトリウム(100mg)を加えて30分間攪拌後、濾過し、ろ液をエバポレーターで減圧下に40℃に加温してトルエンを留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト(シリカゲル60(Merck)、ヘプタン、Rf≒0.8)で精製し、1,3−ウンデカジエン−5−インを得た。
500MHz1H−NMR(CDCl3)δ 6.80〜6.92(0.15H,m),6.51(0.85H,dd,J=15.5,10.8Hz),6.29〜6.38(1H,m),5.62(0.85H,d,J=14.9Hz),5.46(0.15H,d,J=9.15Hz),5.33(0.15H,d,J=17.1Hz),5.24(0.85H,d,J=16.9Hz),5.22(0.15H,d.J=5.75Hz),5.12(0.85H,d,J=10.1Hz),2.38(0.3H,dt,J=7.15,2.25Hz),2.32(1.7H,dt,J=7.15,2.30Hz),1.50〜1.60(2H,m),1.30〜1.42(4H,m),0.92(3H,t,J=7.15Hz).
<実施例3>
実施例1で得た2−ウンデセン−5−イン−4−オール(1g)をフラスコに入れ、p−トルエンスルホン酸・一水和物(11mg)、および4−t−ブチルピロカテコール(1mg)を加えて、バス温120℃で3時間加熱攪拌したところ、1,3−ウンデカジエン−5−イン(GC収率63%、E/Z=86/14)および2−ウンデセン−5−イン−4−オール(GC収率20%)が生成した。
実施例1で得た2−ウンデセン−5−イン−4−オール(1g)をフラスコに入れ、p−トルエンスルホン酸・一水和物(11mg)、および4−t−ブチルピロカテコール(1mg)を加えて、バス温120℃で3時間加熱攪拌したところ、1,3−ウンデカジエン−5−イン(GC収率63%、E/Z=86/14)および2−ウンデセン−5−イン−4−オール(GC収率20%)が生成した。
<実施例4>
ディーンスターク装置を付けたフラスコにp−トルエンスルホン酸・一水和物(5.7mg)およびトルエン5mlを加えて、含まれる水を共沸脱水により除去した後、トルエンを還流させながら、実施例1で得た2−ウンデセン−5−イン−4−オール(1g)を加え、共沸脱水しながら2.5時間加熱還流させたところ、1,3−ウンデカジエン−5−イン(GC収率87%、E/Z=83/17)および2−ウンデセン−5−イン−4−オール(GC収率6%)が生成した。
ディーンスターク装置を付けたフラスコにp−トルエンスルホン酸・一水和物(5.7mg)およびトルエン5mlを加えて、含まれる水を共沸脱水により除去した後、トルエンを還流させながら、実施例1で得た2−ウンデセン−5−イン−4−オール(1g)を加え、共沸脱水しながら2.5時間加熱還流させたところ、1,3−ウンデカジエン−5−イン(GC収率87%、E/Z=83/17)および2−ウンデセン−5−イン−4−オール(GC収率6%)が生成した。
<実施例5>
[第二工程中間体の単離]
実施例1で得た2−ウンデセン−5−イン−4−オール(0.63g)をフラスコに入れ、p−トルエンスルホン酸・一水和物(11mg)、および水(50ml)を加えて、3時間還流させた。冷却後、トルエンを加えて分液し、トルエン層を水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、ろ液をエバポレーターで濃縮し、3−ウンデセン−5−イン−2−オール(0.52g、GC純度99%、E/Z=73/27)を得た。
[第二工程中間体の単離]
実施例1で得た2−ウンデセン−5−イン−4−オール(0.63g)をフラスコに入れ、p−トルエンスルホン酸・一水和物(11mg)、および水(50ml)を加えて、3時間還流させた。冷却後、トルエンを加えて分液し、トルエン層を水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、ろ液をエバポレーターで濃縮し、3−ウンデセン−5−イン−2−オール(0.52g、GC純度99%、E/Z=73/27)を得た。
500MHz1H−NMR(CDCl3)δ6.07(0.72H,dd,J=15.75,6.25Hz),5.84(0.28H,dd,J=11.0,8.25Hz),5.68(0.72H,d,J=15.75Hz),5.49(0.28H,d,J=11.0Hz),4.79〜4.86(0.28H,m),4.30〜4.37(0.72H,m),2.28〜2.38(2H,m),1.73(1H,brs),1.50〜1.57(2H,m),1.27〜1.41(7H,m),0.91(3H,t,J=5Hz).
本発明によれば入手性が良く、取扱いも容易な原料から短い工程で、工業的に1,3−ウンデカジエン−5−インを製造する方法として有用である。
Claims (4)
- 式2で表される1−ヘプチニル金属試薬が1−ヘプチニルグリニャール試薬である、請求項1に記載の1,3−ウンデカジエン−5−インを製造する方法。
- 第二工程において、用いる酸がp−トルエンスルホン酸である、請求項1または2に記載の1,3−ウンデカジエン−5−インを製造する方法。
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