JP2009191006A - 光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールの製造方法およびその中間体 - Google Patents

光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールの製造方法およびその中間体 Download PDF

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Abstract

【課題】光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールの工業的に有利な製造方法を提供すること。
【解決手段】光学活性なピロリジン化合物の存在下、3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒドとニトロメタンとを反応させて光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールを得、次いで、該光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールのホルミル基を還元して光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールを得、次いで、該光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールのニトロ基を還元することを特徴とする光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールの製造方法およびその中間体に関する。
光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールの製造方法としては、例えば、3−シアノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸を光学活性なN−メチルグルカミンで光学分割した後に還元する方法(特許文献1参照。)が知られている。しかしながら、かかる方法は少なくとも化学量論量の光学分割剤が必要であるため、工業的には、より光学活性化剤の使用量が少ない製造方法の開発が望まれていた。
特開平8−176108号公報
このような状況のもと、本発明者らは、光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールの工業的に有利な製造方法について鋭意検討したところ、触媒量の光学活性なピロリジン化合物の存在下で、3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒドとニトロメタンとを反応させ、得られた化合物を順次還元することにより、光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールが効率よく得られることを見出した。また、上記反応の途中段階で、新規な化合物である光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールおよび光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールが得られることも見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、式(I)
Figure 2009191006
(式中、Arはフェニル基(該フェニル基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい。)を表わし、Zは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜24のトリアルキルシリル基を表わし、*は当該炭素原子が光学活性中心であることを表わす。)
で示される光学活性なピロリジン化合物の存在下、3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒドとニトロメタンとを反応させて光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールを得、次いで、該光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールのホルミル基を還元して光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールを得、次いで、該光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールのニトロ基を還元することを特徴とする光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、光学活性化剤の使用量が触媒量であっても、十分な光学活性を有する目的物が得られるため、工業的に有利である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「光学活性な」とは、一方の鏡像異性体のみが存在することを意味するのみならず、一方の鏡像異性体が他方の鏡像異性体よりも過剰に存在することをも意味する。
まず、上記(I)で示される光学活性なピロリジン化合物(以下、光学活性ピロリジン化合物(I)と略記する。)について説明する。式(I)においてArで示されるフェニル基上に置換していてもよい基のうち、炭素数1〜12のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられ、なかでもメチル基およびt−ブチル基が好ましい。炭素数1〜12のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられ、なかでもメトキシ基およびt−ブトキシ基が好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、なかでもフッ素原子および塩素原子が好ましい。Arとしては、無置換のフェニル基がより好ましい。
Zで示される基のうち、炭素数1〜12のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられ、なかでもメチル基が好ましい。炭素数3〜24のトリアルキルシリル基とは、ケイ素原子に炭素数1〜8のアルキル基がそれぞれ独立に3つ結合した1価の基を表わし、その具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリペンチルシリル基、トリヘキシルシリル基、トリヘプチルシリル基、トリオクチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等が挙げられ、なかでもトリメチルシリル基が好ましい。Zとしては、トリメチルシリル基がより好ましい。
光学活性ピロリジン化合物(I)としては、例えば、光学活性ジフェニル(ピロリジン−2−イル)メタノール、光学活性2−(ジフェニル(トリメチルシリルオキシ)メチル)ピロリジン、光学活性2−(ジフェニル(トリエチルシリルオキシ)メチル)ピロリジン、光学活性2−(ジフェニル(t−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)ピロリジン、光学活性2−(ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル(トリメチルシリルオキシ)メチル)ピロリジン等が挙げられる。光学活性2−(ジフェニル(トリメチルシリルオキシ)メチル)ピロリジンが好ましい。
光学活性ピロリジン化合物(I)のうち、光学活性ジフェニル(ピロリジン−2−イル)メタノールは市販のものを用いることができるが、光学活性プロリンを原料として任意の公知の方法により製造して用いることもできる。また、式(I)におけるZが炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜24のトリアルキルシリル基であるときは、例えば、光学活性ジフェニル(ピロリジン−2−イル)メタノールをトリメチルシリルクロリドとを反応させる方法(例えば、Angew.Chem.Int.Ed.,44,4212(2005)のSupporting Information参照。)等の公知のエーテル化方法に準じて製造することができる。
次に、光学活性ピロリジン化合物(I)の存在下、3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒドとニトロメタンとを反応させる方法について説明する。
3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒドは、例えば、3,4−ジクロロベンズアルデヒドとトリフェニルホスホラニリデンアセトアルデヒドとを反応させる方法等の公知の方法に準じて製造することができる。
ニトロメタンは、通常、市販のものが利用できるが、任意の公知の方法により製造してもよい。その使用量は、3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒド1モルに対して、通常1〜20モル、好ましくは2〜6モルである。
光学活性ピロリジン化合物(I)の使用量は、3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒド1モルに対して、通常0.001〜0.3モル、好ましくは0.005〜0.2モルである。
反応は、無溶媒でも実施できるが、通常、溶媒の存在下で実施される。溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、イソノナン、デカン、イソデカン、ウンデカン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、モノフルオロベンゼン、α,α,α−トリフルオロメチルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等の芳香族溶媒;テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル等のエーテル溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、イソヘキシルアルコール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、イソペプチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノt−ブチルエーテル等のアルコール溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル等のエステル溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等の塩素化脂肪族炭化水素溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリジノン等の非プロトン性極性溶媒;等が挙げられる。これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を同時に用いてもよい。なかでも、アルコール溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、2−プロパノールがより好ましく、メタノールがさらに好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒド1kgに対して、通常1〜100L、好ましくは3〜30Lである。
反応温度は、通常−30〜70℃、好ましくは0〜40℃である。反応時間は、反応温度や試薬の使用量等にもよるが、通常1〜120時間である。反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィー等の通常の分析手段により確認することができる。
有機酸の存在下で本反応を実施することが、収率の観点から好ましい。有機酸としては、安息香酸、ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホン酸、フェノール(以上4つの酸のフェニル基は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい。)、脂肪族カルボン酸、脂肪族スルホン酸、脂肪族スルホンアミド(以上3つの酸の脂肪族基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基である)等が挙げられる。なかでも、安息香酸(該安息香酸のフェニル基は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基で置換されていてもよい)が好ましく、無置換の安息香酸がより好ましい。
有機酸の使用量は、3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒド1モルに対して、通常0.001〜0.4モル、好ましくは0.01〜0.3モルである。
本反応は、光学活性ピロリジン化合物(I)と3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒドとニトロメタンと、必要により溶媒と有機酸とを混合することにより実施され、それらの混合順序は特に限定されない。好ましい混合順序としては、溶媒の存在下で3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒドと有機酸とを混合し、そこにニトロメタンを加えていく方法、あるいは、溶媒の存在下で有機酸とニトロメタンとを混合し、そこに3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒドを加えていく方法が挙げられる。
反応終了後の反応混合物には、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールが含まれており、これをそのまま次のホルミル基の還元に供してもよいし、例えば、中和、抽出洗浄、水洗、濃縮等の通常の後処理に付し、必要に応じ、再結晶、蒸留、活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の精製処理に付した後にホルミル基の還元に供してもよい。工業的なプロセス短縮の観点からは、反応混合物をそのまま次のホルミル基の還元に供することが好ましい。
次に、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールのホルミル基の還元について説明する。
ホルミル基の還元は、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールが有するニトロ基やフェニル基や塩素原子等の基よりも、ホルミル基を優先的に還元する条件で実施される。この条件に適う還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム等の水素化ホウ素金属化合物;水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等の水素化アルミニウム化合物;ボラン・テトラヒドロフラン、ボラン・ジエチルエーテル、ボラン・ジメチルスルフィド等のボラン錯体;等が挙げられる。なかでも水素化ホウ素金属化合物が好ましく、水素化ホウ素ナトリウムがより好ましい。
かかる還元剤の使用量は、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナール1モルに対して、通常0.25〜3モル、好ましくは0.3〜1.2モルである。
反応は、無溶媒でも実施できるが、通常、溶媒の存在下で実施される。溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、イソノナン、デカン、イソデカン、ウンデカン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、モノフルオロベンゼン、α,α,α−トリフルオロメチルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等の芳香族溶媒;テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル等のエーテル溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、イソヘキシルアルコール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、イソペプチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノt−ブチルエーテル等のアルコール溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル等のエステル溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等の塩素化脂肪族炭化水素溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリジノン等の非プロトン性極性溶媒;等が挙げられる。これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を同時に用いてもよい。なかでも、アルコール溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、2−プロパノールがより好ましく、メタノールがさらに好ましい。
溶媒の使用量は、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナール1kgに対して、通常1〜100L、好ましくは3〜30Lである。
反応温度は、通常−30〜70℃、好ましくは0〜40℃である。反応時間は、反応温度や試薬の使用量等にもよるが、通常1分〜5時間である。反応の進行は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の通常の手段により確認できる。
本反応は、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールと還元剤と、必要により溶媒とを混合することにより実施され、それらの混合順序は特に限定されない。好ましい混合順序としては、溶媒と光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールの混合物に、還元剤を加えていく方法が挙げられる。ここで、還元剤は溶媒に分散されていてもよい。
反応終了後の反応混合物には、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールが含まれており、これをそのまま次のニトロ基の還元に供してもよいし、例えば、中和、抽出洗浄、水洗、濃縮等の通常の後処理に付し、必要に応じ、再結晶、蒸留、活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の精製処理に付した後にニトロ基の還元に供してもよい。工業的なプロセス短縮の観点からは、反応混合物をそのまま次のニトロ基の還元に供することが好ましい。
次に、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールのニトロ基の還元について説明する。
ニトロ基を還元は、反応条件下で、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールが有する塩素原子やフェニル基や水酸基等の基よりも、ニトロ基を優先的に還元する条件で実施される。この条件に適う反応としては、水素添加反応や、ハロゲン化ニッケルの存在下で水素化ホウ素金属化合物を還元剤として用いる反応が挙げられる。なかでも、水素添加反応が好ましい。
水素添加反応は、通常、金属触媒の存在下で光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールと水素とを接触させることにより行われる。金属触媒としては、例えば、スポンジニッケル、スポンジコバルト等が挙げられ、スポンジニッケルが好ましい。
金属触媒の使用量は、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オール1kgに対して、通常0.01〜1kg、好ましくは0.1〜0.6kgである。
反応は、通常、溶媒の存在下で実施される。溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、イソノナン、デカン、イソデカン、ウンデカン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、モノフルオロベンゼン、α,α,α−トリフルオロメチルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等の芳香族溶媒;テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル等のエーテル溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、イソヘキシルアルコール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、イソペプチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノt−ブチルエーテル等のアルコール溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル等のエステル溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリジノン等の非プロトン性極性溶媒;等が挙げられる。これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を同時に用いてもよい。なかでも、アルコール溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、2−プロパノールがより好ましく、エタノール、2−プロパノールがさらに好ましい。
溶媒の使用量は、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オール1kgに対して、通常1〜100L、好ましくは3〜30Lである。
反応温度は、通常0〜120℃、好ましくは50〜100℃である。反応時の水素圧力は通常0.1〜5MPa、好ましくは0.2〜0.8MPaである。反応時間は、反応温度や試薬の使用量等にもよるが、通常1時間〜12時間である。反応の進行は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の通常の手段により確認できる。
反応終了後の反応混合物には、光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールが含まれており、例えば、濾過等の固液分離処理により金属触媒を除去した後の反応混合物を、中和、抽出洗浄、水洗、濃縮等の通常の後処理に付し、必要に応じ、再結晶、蒸留、活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の精製処理に付すことにより、光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールを単離することができる。また、該化合物を、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸等の鉱酸塩や、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、安息香酸、マンデル酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸等の有機酸塩として取り出してもよい。
ここからは、ハロゲン化ニッケルの存在下で水素化ホウ素金属化合物を還元剤として用いて光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールのニトロ基を還元する方法について説明する。
ハロゲン化ニッケルとしては、例えば塩化ニッケル、臭化ニッケル等が挙げられ、塩化ニッケルが好ましい。水素化ホウ素金属化合物としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素カルシウム等が挙げられ、水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。
ハロゲン化ニッケルの使用量は、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オール1モルに対して、通常0.01〜0.5モル、好ましくは0.05〜0.3モルである。水素化ホウ素金属化合物の使用量は、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オール1モルに対して、通常1〜10モル、好ましくは2〜4モルである。
反応は、通常、溶媒の存在下で実施される。溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、イソノナン、デカン、イソデカン、ウンデカン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、モノフルオロベンゼン、α,α,α−トリフルオロメチルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等の芳香族溶媒;テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル等のエーテル溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、イソヘキシルアルコール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、イソペプチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノt−ブチルエーテル等のアルコール溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル等のエステル溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等の塩素化脂肪族炭化水素溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリジノン等の非プロトン性極性溶媒;等が挙げられる。これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を同時に用いてもよい。なかでも、アルコール溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、2−プロパノールがより好ましく、メタノールがさらに好ましい。
溶媒の使用量は、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オール1kgに対して、通常1〜100L、好ましくは3〜30Lである。
反応温度は、通常−20〜80℃、好ましくは10〜50℃である。反応時間は、反応温度や試薬の使用量等にもよるが、通常5分〜6時間である。反応の進行は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の通常の手段により確認できる。
本反応は、必要により溶媒の存在下、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールとハロゲン化ニッケルと水素化ホウ素金属化合物とを混合することにより実施され、それらの混合順序に特に限定はないが、通常、光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールとハロゲン化ニッケルと溶媒との混合物中に、水素化ホウ素金属化合物を添加していく方法が好ましい。
反応終了後の反応混合物には、光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールが含まれており、例えば、該混合物を中和、抽出洗浄、水洗、濃縮等の通常の後処理に付し、必要に応じ、再結晶、蒸留、活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の精製処理に付すことにより、光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールを単離することができる。また、該化合物を、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸等の鉱酸塩や、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、安息香酸、マンデル酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸等の有機酸塩として取り出してもよい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例で得られた生成物の鏡像異性体過剰率は、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略記する。)により求めた。その分析条件は、以下のとおり。
<HPLC分析条件>
カラム:ダイセル化学工業株式会社製 CHIRALPAK(登録商標)
AD−RH 4.6×150mm
移動相:(A)水,(B)アセトニトリル,(A)/(B)= 70/30
流量:1.0ml/min
検出器:UV210nm
参考例1:(E)−3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒド
窒素雰囲気下、3,4−ジクロロベンズアルデヒド5.0g(29mmol)をトルエン25mLに溶解させ、そこにトリフェニルホスホラニリデンアセトアルデヒド10.6g(35mmol)を加え、得られた混合物を50℃で1時間加熱撹拌した後、さらに80℃で4時間加熱撹拌した。該混合物を40℃まで冷却し、減圧濃縮した。得られた残渣に酢酸エチル25mLを加え、不溶物をろ別した。ろ液を40℃で減圧濃縮した後、得られた残渣にt−ブチルメチルエーテル25mLを加え、不溶物をろ別した。ろ液を40℃で減圧濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘプタン=1:1)により精製し、(E)−3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒド3.8g(収率66%)を得た。
参考例2:(S)−2−(ジフェニル(トリメチルシリルオキシ)メチル)ピロリジン
(S)−ジフェニル(ピロリジン−2−イル)メタノール(東京化成工業株式会社製)3.80g(15.0mmol)とイミダゾール4.08g(60.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド40mLに加えた。そこに、トリメチルシリルクロリド4.89g(45.0mmol)を加え、室温で18時間撹拌した。得られた反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで2回抽出した。それぞれ得られた有機層を合一し、硫酸ナトリウムで脱水処理し、該処理後の有機層を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘプタン=1:9)で精製することにより、油状物として、(S)−2−(ジフェニル(トリメチルシリルオキシ)メチル)ピロリジン1.37g(収率28%)を得た。
実施例1:(S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナール
窒素雰囲気下、参考例1で得た(E)−3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒド402mg(2mmol)をメタノール4mLに溶解させ、そこにニトロメタン244mg(4mmol)、安息香酸49.0mg(0.4mmol)および参考例2で得た(S)−2−(ジフェニル(トリメチルシリルオキシ)メチル)ピロリジン65.0mg(0.2mmol)を加え、得られた混合物を室温で15時間撹拌した。該混合物に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。それぞれ得られた有機層を合一して、10重量%クエン酸水溶液で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで脱水処理し、該処理後の有機層を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘプタン=1:9)により精製し、(S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナール461mg(収率88%)を淡黄色油状物として得た。
得られた(S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールを約1mg量り取り、0.1重量%水素化ホウ素ナトリウムメタノール溶液0.5mLと混合して1分間振とうした後、そこに10重量%塩酸を1滴加えて混合し、得られた混合物をHPLCで測定したところ、3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールの鏡像異性体過剰率は93%ee(S体)であった。
H−NMRデータ(δppm,CDCl):9.71(1H,s)、7.08〜7.47(3H,m)、4.68(1H,dd,J=6.4Hz,7.2Hz)、4.59(1H,dd,J=8.4Hz,8.0Hz)、4.03〜4.07(1H,m)、2.95(2H,d,J=7.2Hz)
実施例2:(S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オール
窒素雰囲気下、参考例1の方法で合成した(E)−3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒド2.01g(10mmol)をメタノール20mLに溶解させ、そこにニトロメタン1.6mL(30mmol)、安息香酸244mg(2mmol)および参考例2で得た(S)−2−(ジフェニル(トリメチルシリルオキシ)メチル)ピロリジン326mg(1mmol)を加えた。得られた混合物を室温で15時間撹拌した。該混合物を氷冷しながら、そこに水素化ホウ素ナトリウム0.378g(10mmol)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した後、そこに10重量%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。水層をさらに酢酸エチルで抽出し、それぞれ得られた有機層を合一して、飽和重曹水で1回、次いで5重量%食塩水で1回、それぞれ洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで脱水処理し、該処理後の有機層を濃縮することにより、(S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールの粗製物2.67gを得た。
得られた粗製物をHPLCにより測定したところ、3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールの鏡像異性体過剰率は93%ee(S体)であった。
H−NMRデータ(δppm,CDCl):7.07〜7.43(3H,m)、4.67(1H,dd)、4.58(1H,dd)、3.61〜3.73(2H,m)、3.44〜3.50(1H,m)、1.82〜1.99(2H,m)
実施例3:(S)−4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オール
70mL容のオートクレーブ反応装置に、実施例2で得た(S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールの粗製物2.61gと2−プロパノール26mLとを仕込み、そこに、スポンジニッケル(川研ファインケミカル株式会社製PL−9T(ロット番号1069、ウェット品))1.3gを加えた。気相部を水素雰囲気にした後、混合物を75〜85℃で約5時間攪拌した。反応中の水素圧は、約0.5Mpaであった。反応終了後の混合物を室温に冷却し、水素をパージした後、触媒をろ別した。得られた溶液を減圧下に濃縮し、t−ブチルメチルエーテル10mLおよび5重量%シュウ酸水溶液20mLを加え分液した。有機層をさらに5重量%シュウ酸水溶液20mLで抽出した。それぞれ得られた水層を合一した後、20重量%水酸化ナトリウム水溶液で水層のpHを13にした。得られた混合物をt−ブチルメチルエーテル50mLで2回抽出し、それぞれ得られた有機層を合一して、該有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLで洗浄し、次いで、飽和塩化ナトリウム水溶液10mLで洗浄した。洗浄後の有機層を硫酸ナトリウムで脱水処理し、該処理後の有機層を濃縮して濃縮残渣を得た。ヘプタンとt−ブチルメチルエーテルを用いて、該濃縮残渣を晶析処理することにより、(S)−4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オール1.81g(実施例2からの通算収率80%)を白色結晶として得た。
実施例4:(S)−4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オール (S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オール792mg(3mmol)をメタノール10mLに溶解し、そこに塩化ニッケル(II)78.0mg(0.6mmol)を加えた。得られた混合物を氷冷しながら、そこに水素化ホウ素ナトリウム340mg(9mmol)を30分かけて加えた。得られた混合物を、氷冷しながら1時間、さらに室温で1時間、それぞれ撹拌した。該混合物に1mol/L塩酸を加えてpH1に調整し、そこにt−ブチルメチルエーテルを加えて分液した。有機層を1mol/L塩酸で抽出し、それぞれ得られた水層を合一して、20重量%水酸化ナトリウム水溶液でpH12に調製し、酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、洗浄後の有機層を硫酸ナトリウムで脱水処理した。該処理後の有機層を濃縮することにより、(S)−4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オール220mg(収率31%)を淡黄色の固体として得た。
光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールは、例えば、抗欝剤、抗不安剤として有用なSaredutant(例えば、特表2002−542281号公報参照。)等の医薬品の合成中間体として有用であり、本発明は、かかる化合物の工業的な製造方法として利用可能である。

Claims (11)

  1. 式(I)
    Figure 2009191006
    (式中、Arはフェニル基(該フェニル基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい。)を表わし、Zは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜24のトリアルキルシリル基を表わし、*は当該炭素原子が光学活性中心であることを表わす。)
    で示される光学活性なピロリジン化合物の存在下、3−(3,4−ジクロロフェニル)アクリルアルデヒドとニトロメタンとを反応させて光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールを得、次いで、該光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナールのホルミル基を還元して光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールを得、次いで、該光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オールのニトロ基を還元することを特徴とする光学活性な4−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ブタン−1−オールの製造方法。
  2. ホルミル基の還元が、水素化ホウ素金属化合物を用いて行われる請求項1に記載の製造方法。
  3. ホルミル基の還元が、水素化ホウ素ナトリウムを用いて行われる請求項1に記載の製造方法。
  4. ニトロ基の還元が、水素添加反応である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. ニトロ基の還元が、スポンジニッケルまたはスポンジコバルトの存在下で行われる請求項4に記載の製造方法。
  6. ニトロ基の還元が、スポンジニッケルの存在下で行われる請求項4に記載の製造方法。
  7. ニトロ基の還元が、水素化ホウ素金属化合物を用いて行われる請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  8. ニトロ基の還元が、ハロゲン化ニッケルの存在下で水素化ホウ素ナトリウムを用いて行われる請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  9. ハロゲン化ニッケルが、塩化ニッケルである請求項8に記載の製造方法。
  10. 光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタナール。
  11. 光学活性な3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ニトロブタン−1−オール。
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