JP2009233498A - ロール塗布方法およびロール塗布装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続的に走行する基材に対して、例えば乾燥後の膜厚が0.1μm未満といった薄い塗布膜を形成させる場合であっても、生産性を阻害させることなく、かつ、基材表面に膜厚ムラを発生させることなく、塗布膜を形成することができるロール塗布方法およびロール塗布装置を提供する。
【解決手段】連続的に走行する基材1に対して、まず、プレコーターBによって塗布液13(塗布液3と同種類)を基材1に塗布し、続いて、プレコーターBで塗布した基材1上の塗布液13が液体状態のままで、その上に、硬度が60度以上のゴムをライニングしたアプリケーターロール6を備えた3ロールコーターAによって塗布液3を塗布する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロール塗布装置を用いて鋼帯等の長尺基材に連続して塗布液を塗布するロール塗布方法およびロール塗布装置に関する。
従来、連続して走行する基材(例えば鋼帯)に耐食性、加工性、美観性、絶縁性等の性能を付与するために、各種の塗膜を基材表面上に形成させる処理を行っている。この処理方法としては、ロールコーター(ロール塗布装置)が一般的に用いられており、ロールを2本用いる2ロールコーター、あるいは3本のロールを用いる3ロールコーターが広く使用されている。特に、3ロールコーターは塗布膜厚の制御性に優れることと、表面外観が比較的美麗であることから、主流のコーティング方式になっている。
この方式の塗布装置(3ロールコーター)は、図4に示すように、塗布液が満たされているコーターパン2より塗布液3をくみ上げるピックアップロール4と、ピックアップロール4によりくみ上げられた塗布液量を調整するミタリングロール5と、調整された塗布液量をピックアップロール4から鋼帯に転写するアプリケーターロール6により構成されている。
各ロールの回転方向は、ロール間の近接点、あるいは密接点において同方向に回転するナチュラル回転の場合と逆方向に回転するリバース回転の場合があるが、一般的にはリバース回転の方が鋼板の表面凹凸に沿った膜厚均一な塗膜面が得られやすいということから、基材表面に凹凸があり、表面凹凸に沿った均一な膜厚を得たい場合には、特にアプリケーターロール6と基材1間ではリバース回転にする場合が多い。また、アプリケーターロール6は基材1の表面に傷を付けないように鋼ロールにゴムをライニングしたゴムロールを用いられることが多い。
しかし、3ロールコーターを含むロールコーターの代表的な塗布欠陥として、ローピングと呼ばれる欠陥がある。このローピングは、ロールの周方向の筋模様が鋼板に転写され、膜厚むらとなり外観劣化を起こすものである。ローピングは塗布液体の粘度が高いほど、また、ロール周速が高速ほど発生しやすい傾向にある。特に、鋼板速度が速くなると各ロール周速も速くなるため、ローピングの発生が顕著となる。
ローピングを防止する技術としては、例えば、特許文献1には、ライン速度、アプリケーターロール周速、ピックアップロール周速の比率を特定範囲に制御する技術が開示されている。また、特許文献2には、塗料温度を塗料粘度が最小となる温度近傍に保持する方法が開示されている。さらに、特許文献3には、ライン速度200mpm以上の高速塗布において、ローピングの発生を低減させる方法として、ピックアップロールの周速を20〜80mpm、かつアプリケーターロールの周速をライン速度以上の200〜1000mpmとして塗布を行う方法が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、ライン速度が低速領域ではローピングを防止できても、ライン速度が高速になるとローピング防止効果が不十分となる。ローピングのない均一な外観を得ることができるライン速度は200mpm未満であり、生産性を阻害する要因となり得る。
また、上記特許文献3に開示された方法では、アプリケーターロールの周速を上げていくとアプリケーターロール上のローピングのピッチが細かくなり、鋼板上もローピングが目立ちにくくなるが、アプリケーターロールの周速をライン速度に対して上げすぎると、アプリケーターロールと鋼板とが接触する位置において、塗布液の流れが乱れ、幅方向で局所的に塗布液の界面が振動し、鋼板上に膜厚ムラであるまだら模様を発生させる場合があった。このように、アプリケーターロールの周速を速くすることは、ローピングに対しては有効な手段であるが、新たな塗布外観の劣化要因を作り出すというおそれがある。
なお、上記特許文献1〜3に開示されているいずれの塗布方法においても、塗布後の液膜状態での塗膜厚(ウェット膜厚)は10μm程度である。ウェット膜厚が10μm程度あると、塗布直後の塗膜に凹凸があっても、乾燥する途中でレベリングされるため膜厚ムラとしては問題ないレベルにまで抑制される。そのため、塗布後のウェット膜厚が10μm程度である場合には、乾燥後における膜厚ムラという問題は顕在化していなかった。
特開2000−254580号公報 特開平9−47716号公報 特開平10−309512号公報
近年、機能性向上の観点から、乾燥後の膜厚が0.1μm未満となるような塗布膜厚の薄膜化が求められている。塗布膜厚を薄膜化するためには、塗膜を基材へ液体状態で塗布する時点で薄膜化する必要がある。
しかし、上記特許文献1〜3に記載のいずれの方法を用いた場合であっても、塗膜を塗布する時点で薄膜化した場合には、乾燥後の膜厚にムラが残ってしまうという問題が発生する。これは、塗膜を塗布する時点での微小な膜厚のムラが、その後のレベリングでも解消されずに、乾燥後も膜厚ムラとして残ってしまうためである。
そこで、本発明は、連続的に走行する基材に対して、例えば乾燥後の膜厚が0.1μm未満といった薄い塗布膜を形成させる場合であっても、生産性を阻害することなく、かつ、基材表面に膜厚ムラを発生することなく、塗布膜を形成することができるロール塗布方法およびロール塗布装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有する。
[1]ピックアップロールに供給された塗布液の液量を、ミタリングロールで調整し、該調整された液量の塗布液をアプリケーターロールに供給し、該塗布液が供給されたアプリケーターロールを、連続的に走行する基材に接触させて、基材表面に塗布液を塗布する3ロールコーターを用いたロール塗布方法において、
前記アプリケーターロールとして、硬度が60度以上のゴムがライニングされたゴムライニングロールを用いると共に、
まず、3ロールコーターの基材走行方向の上流側で、少なくともロール1本を有するプレコーターを用いて、基材の塗布液を塗布する面に、前記3ロールコーターで塗布する塗布液と同じ組成の塗布液をプレコートし、続いて、該プレコートした基材上の塗布液が液体の状態において、前記3ロールコーターにより塗布液を基材に塗布することを特徴とするロール塗布方法。
[2]プレコーターにより塗布する塗布液の液膜の厚みを5μm未満とすることを特徴とする前記[1]に記載のロール塗布方法。
[3]塗布液が供給されるピックアップロールと、該ピックアップロールに供給された塗布液の液量を調整するミタリングロールと、前記液量が調整されたピックアップロールから塗布液を供給され、該供給された塗布液を連続的に走行する基材に塗布するアプリケーターロールとを備えた3ロールコーターと、
該3ロールコーターの基材走行方向の上流側で、基材の塗布液を塗布する面に、前記3ロールコーターで塗布する塗布液と同じ組成の塗布液をプレコートすると共に、該プレコートされた塗布液が液体の状態で前記3ロールコーターに到達する位置に設けられたプレコーターとを備えたロール塗布装置であって、
前記3ロールコーターを構成するアプリケーターロールが、硬度が60度以上のゴムがライニングされたゴムライニングロールであることを特徴とするロール塗布装置。
本発明によれば、連続的に走行する基材に対して、例えば乾燥後の膜厚が0.1μm未満といった薄い塗布膜を形成させる場合であっても、生産性を阻害させることなく、かつ、基材表面に膜厚ムラを発生させることなく、塗布膜の形成が可能なロール塗布方法およびロール塗布装置が提供される。
塗布・乾燥後の膜厚を薄膜化するためには、塗液を希釈する方法が考えられる。しかしながら、希釈しすぎると外観が劣化する場合が多いことが判明し、基材に液体状態で塗布する時点で薄膜化する必要がある。希釈可能な濃度は、処理液種類によって若干差があり、また、界面活性剤等の添加剤有無でも若干の差はあるものの、多くの場合、濃度1%程度以上で塗布した方が膜厚均一性や良好な外観を確保しやすいという結果を得た。そこで、乾燥後の膜厚0.1μm未満の皮膜を形成するためには、塗布時の液膜の厚みを3μm未満、好ましくは、1μm程度まで可能にしておく必要があると考え、塗布方法を鋭意検討した。
本発明の一実施形態を以下に述べる。
図1は、本発明の一実施形態において用いるロール塗布装置を示す図である。図1に示すように、この実施形態において用いるロール塗布装置は、連続して通板される基材1の表面にロールによって塗布液を塗布(転写)するものであり、3ロールコーターAと、その上流側に配置されたプレコーター(プレコート装置)Bを備えている。
3ロールコーターAは、コーターパン2から塗布液3をくみ上げるピックアップロール4と、ピックアップロール4上の塗布液の液量を調整するミタリングロール5と、調整されたピックアップロール4上の塗布液を基材1に転写するアプリケーターロール6とを備えている。
3ロールコーターAの各ロール4、5、6の回転方向は、各ロール間、あるいはアプリケーターロール6と基材1間において逆方向であり、ミタリングロール5上には塗布液3をかきとるブレード7が設置されている。
そして、基材1と接触するアプリケーターロール6には、硬度が60度以上のゴムがライニングされたゴムライニングロールを用いている。
一方、プレコーターBは、3ロールコーターAの上流側の位置で予め基材1に塗布液を塗布するものであり、プレコートロール9と、プレコートロール9に塗布液を供給する塗布液供給ロール10と、塗布液13が満たされたコーターパン12とを備えている。基材1と接触するプレコートロール9には、ゴムがライニングされたゴムライニングロールを用いている。一方、塗布液供給ロールロール10は金属ロールを用いている。
ここで、コーターパン12には、3ロールコーターAで基材1に塗布する塗布液3と同種類の塗布液13が満たされている。また、プレコーターBは、プレコーターBで塗布した基材1上の塗布液13が液体状態のままで、3ロールコーターAに到達する位置に配置されている。
そして、上記のように構成されたロール塗布装置を用いて、連続的に走行する基材1に対して、例えば乾燥後の膜厚が0.1μm未満となる薄膜を形成する場合には、まず、プレコーターBによって塗布液13を基材1に塗布し、続いて、プレコーターBで塗布した基材1上の塗布液13が液体状態のままで、その上に3ロールコーターAによって塗布液3を塗布する。
ここで、前述したように、アプリケーターロール6はゴムがライニングされたゴムライニングロールであり、そのゴムの硬度を60度以上にしている。
また、3ロールコーターAにより塗布する塗布液の液膜の厚みを3μm未満とするために、プレコーターBにより塗布(プレコート)する塗布液の液膜の厚み(プレコート膜厚)は、5μm未満とすることが好ましい。
以下、アプリケーターロール6のゴムの硬度と、3ロールコーターAおよびプレコーターBによって塗布する塗布液の液膜の厚みを、上記範囲とした理由について説明する。
まず、上記構成の3ロール方式のロールコーター方式において、ゴムライニングロールであるアプリケーターロール6の表面のゴムの硬度と、塗布・乾燥後の膜厚ムラの関係について基礎調査を実施した。すなわち、図1に示すロールコーター装置を用いて、アプリケーターロール6の表面のゴム硬度を30度〜90度の範囲で変化させた際のアプリケーターロール6と基材1間のメニスカス部の状況及び塗布後の搬送方向の膜厚分布について調査を行った。
なお、基材1の走行速度(ライン速度)は100mpmで、基材1には板厚0.6mmの亜鉛メッキ鋼板を用いた。また、アプリケーターロール6、ピックアップロール4、ミタリングロール5の直径はそれぞれ300mmのものを用いた。また、塗布液3にはリン酸系の水系塗料(リン酸化合物とMg化合物とシリカと4価のバナジウム化合物を含有)(濃度3%,液温20℃での粘度:3mPa・s,表面張力:40dyn/cm,皮膜の比重:1.2)を用いた。
そして、3ロールコーターAによる塗布後の液膜状態での塗膜厚が3μm未満とするために、ピックアップロール4には、一例として、表面の凹部の容積が5.8cm/mのグラビアロールを用いた。また、ピックアップロール4のロール周速は、塗布後の液膜状態での塗膜厚が2.6μm、乾燥後の膜厚が0.08μmとなるように調整した。
また、プレコートロール9は直径300mmのものを用いた。
図2に、アプリケーターロール6のロール表面のゴム硬度と塗布・乾燥後の膜厚ムラの関係を示す。ここで、膜厚ムラは、塗布後の基材(亜鉛メッキ鋼板)1について、搬送方向および幅方向のそれぞれ3mmの領域を10μmピッチで膜厚を測定し、測定値の最大値と最小値の差より算出した。
図2に示すように、アプリケーターロール6表面のゴムの硬度を60度以上とした場合に、膜厚ムラが0.004μm未満で、目標膜厚0.08μmに対し5%未満となり、均一な塗布が可能となることが明らかとなった。アプリケーターロール6表面のゴムの硬度が小さい場合には、アプリケーターロール6と基材1間のメニスカス部における塗布液の接触長さが長くなってしまうため、メニスカス部の振動が顕著となり、膜厚ムラを発生させたと考えられる。アプリケーターロール6表面のゴムの硬度を上げることで、メニスカス部の振動が低減し、ゴムの硬度を60度以上とした場合には、ほぼ振動の発生はなく、均一に塗布されていることを確認した。なお、ゴムの硬度の上限は特に規制するものではないが、基材上に疵が入らないゴムの硬度で使用すればよく、基材の硬度によって適宜選択すればよい。
次に、プレコーターBでプレコート(予備塗布)する塗布液の膜厚(プレコート膜厚)と、3ロールコーターAで塗布した後の塗布液の膜厚との関係について調査した。上記同様に、ライン速度100mpmで、基材1には板厚0.6mmの亜鉛メッキ鋼板を用いた。また、塗布液13にはリン酸系の水系塗料(濃度3%,液温20℃での粘度:3mPa・s,表面張力:40dyn/cm,皮膜の比重:1.2)を用いた。そして、プレコートなしの状態での液膜厚の測定結果が2.6μmとなる周速条件にて、プレコート膜厚の影響の調査を実施した。
図3に、プレコーターBでプレコートする塗布液の膜厚(プレコート膜厚)と3ロールコーターAで塗布した後の塗布液の膜厚との関係を示す。
図3に示すように、プレコート膜厚が厚い場合には、アプリケーターロール6と基材1との接触部にて、プレコートされた液膜がすり抜けてしまうため、3ロールコーターAで塗布した後の膜厚がプレコートを実施しない場合に比べ厚くなってしまう。したがって、3ロールコーターAにおいて、3μm未満の薄膜塗布を実現させるためには、プレコーターBでプレコートする塗布液の膜厚を5μm未満とすればよいことが明らかとなった。
そして、この実施形態に係るロール塗布装置では、図1に示すように、3ロールコーターAの基材1走行方向の上流側にプレコーターBを有している。
図4に示すように、プレコーターを有していないロール塗布装置の場合、3μm未満の膜厚となる塗布を施した際には、ライン方向に筋状の模様やカスレ(疵)が発生しやすくなる。筋状の模様が発生してしまう理由は、基材1に随伴される空気の流れが、基材1とアプリケーターロール6間のメニスカスに乱れを与えるためであると考えられる。カスレ(疵)が発生する原因としては、塗布する膜厚が3μm未満と薄い場合には、基材1表面の凹凸の影響により、凸部へ塗布される液量が極端に薄くなってしまうため、液切れが発生しやすくなるためであると考えられる。したがって、筋模様の発生しない、均一な膜厚を得るためには、基材1に随伴される空気がアプリケーターロール6と基材1とのメニスカスに影響を及ぼさないようにする必要があると思われる。
図1のこの実施形態に係るロール塗布装置で示すように、3ロールコーターAの基材1走行方向の上流側にプレコーターBを設置することによって、基材1にプレコートされた塗布液が、アプリケーターロール6と基材1との隙間に流れ込み、基材1に随伴する空気を効果的に遮断する働きをする。これにより、筋状の模様を発生させることなく均一な塗布が可能となった。また、プレコーターBにてプレコート(予備塗布)を実施することで、鋼板1表面に塗布膜が形成された状態でアプリケーターロール6と接触するため、カスレ(疵)の発生もなくなる。
このようにして、この実施形態においては、連続的に走行する基材1に対して、例えば乾燥後の膜厚が0.1μm未満といった薄い塗布膜を形成させる場合であっても、生産性を阻害させることなく、かつ、基材表面に膜厚ムラを発生させることなく、塗布膜を形成することができる。
なお、上記の実施形態では、通常行われているように、基材1がバックアップロール8に巻きついた状態で基材1の片面に塗布する場合を示しているが、本発明は、基材1を挟んで両面にロールコーターが配置され、バックアップロールを必要としない両面同時塗布の場合にも適用することができる。さらに、基材1の通板方向は水平パスでも垂直パスでも何れでもよい。
また、上記の実施形態では、プレコーターBとして、2ロールを用いた場合を示しているが、ロールが1本以上であればよく、1ロールコーターや3ロールコーターでもよい。2ロールコーターよりも3ロールコーターの方が膜厚制御性も高く、より有利なため望ましいが、コスト的には高くなる。前述したように、プレコーターBで塗布する膜厚(プレコート厚)は5μm未満であれば最終の膜厚には影響を及ぼさないので、膜厚制御が可能な塗布液供給装置を備えた場合には、1本ロールでも目的を達成することが十分可能である。
また、プレコーターBでの塗布液の供給方式としては、コーターパン12から塗布液13を汲み上げる方式でなくてもよく、ノズルからロールに塗布液を噴射する方式を採用してもよい。
本発明を以下の実施例により詳細に説明する。
本発明例として、板厚0.6mm、板幅1200mmの亜鉛メッキ鋼板のコイル(鋼帯)を基材にして、図1に示したロール塗布装置を用いて、表1に記載した塗布条件で塗布を行い、乾燥後の膜厚、塗布外観、膜厚ムラの有無の調査、また、塗液濃度と乾燥後膜厚、皮膜比重から塗布時の液膜厚を算定した。乾燥後の膜厚ムラについては、基材の走行方向(搬送方向)と幅方向の膜厚分布を測定し、測定値の最大値と最小値の差を求め、膜厚差が目標膜厚に対して5%以下の場合は膜厚ムラなしとし、5%超えの場合には膜厚ムラありと判定した。使用した塗布液3、13は、前述のリン酸系の水系塗料を種々の濃度に調整して用いた。
ここで、3ロールコーターAについては、各ロールの材質は、アプリケーターロール6がゴムをライニングしたゴムライニングロール、ピックアップロール4が表面に多数の凹部が形成されているグラビアロール、ミタリングロール5がゴムをライニングしたゴムライニングロールを用いた。各ロールのロール径は、アプリケーターロール6が300mm、ピックアップロール4が300mm、ミタリングロール5が200mmのものを用いた。ミタリングロール5の周速は、塗布膜厚が一定となるように5〜150mpmの範囲で調整した。
また、プレコーターBについては、各ロールの材質は、プレコートロール9がゴムライニングロール、塗布液供給ロール10が金属ロールであり、ロール径はいずれも300mmのものを用いた。そして、ロールの周速およびニップ圧力を調整することで、所定の塗膜厚(プレコート厚)になるようにした。
これに対して、比較例として、プレコーター(プレコート装置)Bを使用しない場合やアプリケーターロール6表面のゴムの硬度が60度未満のような、本発明の範囲外で、表1に記載した塗布条件で塗布を行った。なお、その他の点は本発明例と同様にした。
表1に結果を示すように、本発明例では、乾燥後の膜厚が0.1μm未満の薄膜を均一に塗布することが可能となった。
一方、比較例では、アプリケーターロール6表面のゴムの硬度が60度未満で、かつプレコーターBを用いない場合には、アプリケーターロール6と鋼板1間のメニスカス部で発生する塗布ムラの影響により、膜厚ムラが発生した。その際、塗布液膜厚が3μm以上では、カスレは発生しなかったが、ハジキが発生してしまい、乾燥後の膜厚ムラが顕著になった。また、塗布膜厚を3μm未満とした場合には、カスレが発生していた。
また、比較例では、アプリケーターロール6表面のゴムの硬度を60度未満にして、プレコーターBを用いた場合も、膜厚の不均一が発生した。特に、プレコート膜厚を5μm以上にすると、3ロールコーターAで塗布後の膜厚が3μm以上となり、ハジキが発生してしまい、乾燥後の膜厚ムラが顕著になった。
Figure 2009233498
なお、この実施例では、基材として亜鉛メッキ鋼板を用いたが、本発明は、特に鋼板に限定されることなく、アルミ等の他の金属板や紙、フィルムにも適用されるものである。
本発明の一実施形態において用いるロール塗布装置を示す側面図である。 アプリケーターロール表面ゴムの硬度と膜厚ムラの関係を示す図である。 プレコート膜厚と3ロールコーターで塗布後の膜厚の関係を示す図である。 従来のロール塗布装置を示す側面図である。
符号の説明
A 3ロールコーター
B プレコーター
1 基材
2 コーターパン
3 塗布液
4 ピックアップロール
5 ミタリングロール
6 アプリケーターロール
7 ブレード
8 バックアップロール
9 プレコートロール
10 塗布液供給ロール
12 コーターパン
13 塗布液

Claims (3)

  1. ピックアップロールに供給された塗布液の液量を、ミタリングロールで調整し、該調整された液量の塗布液をアプリケーターロールに供給し、該塗布液が供給されたアプリケーターロールを、連続的に走行する基材に接触させて、基材表面に塗布液を塗布する3ロールコーターを用いたロール塗布方法において、
    前記アプリケーターロールとして、硬度が60度以上のゴムがライニングされたゴムライニングロールを用いると共に、
    まず、3ロールコーターの基材走行方向の上流側で、少なくともロール1本を有するプレコーターを用いて、基材の塗布液を塗布する面に、前記3ロールコーターで塗布する塗布液と同じ組成の塗布液をプレコートし、続いて、該プレコートした基材上の塗布液が液体の状態において、前記3ロールコーターにより塗布液を基材に塗布することを特徴とするロール塗布方法。
  2. プレコーターにより塗布する塗布液の液膜の厚みを5μm未満とすることを特徴とする請求項1に記載のロール塗布方法。
  3. 塗布液が供給されるピックアップロールと、該ピックアップロールに供給された塗布液の液量を調整するミタリングロールと、前記液量が調整されたピックアップロールから塗布液を供給され、該供給された塗布液を連続的に走行する基材に塗布するアプリケーターロールとを備えた3ロールコーターと、
    該3ロールコーターの基材走行方向の上流側で、基材の塗布液を塗布する面に、前記3ロールコーターで塗布する塗布液と同じ組成の塗布液をプレコートすると共に、該プレコートされた塗布液が液体の状態で前記3ロールコーターに到達する位置に設けられたプレコーターとを備えたロール塗布装置であって、
    前記3ロールコーターを構成するアプリケーターロールが、硬度が60度以上のゴムがライニングされたゴムライニングロールであることを特徴とするロール塗布装置。
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