JP2009233348A - 紙製ストロー - Google Patents

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Abstract

【課題】易廃棄性およびリサイクル性の高い紙を主な原料とした紙製ストローを提供する。
【解決手段】紙製ストロー10は、耐水性を有する紙によって構成されている。この紙の内外両面には、ポリエチレン・フィルム12,12が貼付されており、ポリエチレン・フィルム12,12は、湿潤強力樹脂を定着剤として用いたサイジングによって、紙基材11に一体化固定されている。なお、紙基材11に一体化固定されるポリエチレン・フィルム12,12については、アルミニウム箔などの金属箔とすることも可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、水や熱水に対する耐性を備えた紙製ストローに関するものである。
近年における環境問題への関心の高まりから、廃棄あるいはリサイクルが容易に行える製品の普及が様々な分野において求められている。例えば、外食産業の分野では、プラスチックやアルミ等を用いた容器や包装材の代替品として、易廃棄性およびリサイクル性の高い紙を主な原料とした容器や包装材が導入されている。紙を主原料とする容器や包装材であれば、可燃ゴミとして廃棄したり、消費燃料の少ないシステムでのリサイクルを行ったりすることができるので、環境に与える負荷を極力抑えることが可能となり、好ましい。
なお、紙を主原料とする容器等に関する技術を開示する特許文献として、例えば、下記のものが存在している。
特開平7−315356号公報 特開平9−168464号公報
上記背景技術の欄で説明したように、容器や包装材のような製品については、プラスチックやアルミ等の難燃材料から紙を主原料とするものへの置換が進んでいる。しかしながら、ストローについては、現在流通しているもののほぼ全てがプラスチックによって製造されたものである。したがって、例えばファーストフード店で飲料を購入した場合には、紙製のコップとプラスチック製のストローを分別して廃棄しなければならず、現在の分別回収は非常に面倒である。また、このような分別回収の困難性は、回収効率の悪化にもつながるため、好ましくない。
本発明は、上述した課題の存在に鑑みて成されたものであり、その目的は、易廃棄性およびリサイクル性の高い紙を主な原料とした紙製ストローを提供することにより、ごみ回収の効率性を高めることにある。特に、従来技術では存在しなかった紙製のストローを実現することで、例えば外食産業で使用される部材のほとんど全てを同一分類で廃棄あるいはリサイクルすることができるので、環境に与える負荷を低減させることが可能となる。
本発明に係る紙製ストローは、耐水性を有する紙によって構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る紙製ストローにおいて、前記紙の内外両面には、ポリエチレン・フィルムを貼付することができる。
また、本発明に係る紙製ストローにおいて、前記紙の内外両面には、アルミニウム箔を貼付することができる。
さらに、本発明に係る紙製ストローにおいて、前記紙には、湿潤強力樹脂を定着剤として用いたサイジングが施されていることとすることができる。
本発明によれば、従来存在しなかった紙を主な原料とした紙製ストローを提供することができる。この紙製ストローは、易廃棄性およびリサイクル性が高いことから、ごみ回収の効率性を高めることに寄与する。また、従来技術では存在しなかった紙製ストローの実現によって、例えば外食産業で使用される部材のほとんど全てを同一分類で廃棄あるいはリサイクルすることができるので、環境に与える負荷を低減させることが可能となる。なお、このような本発明の効果は、外食産業のみでなく、医療分野などといったストローを使用するあらゆる分野にて発揮することが可能である。
本実施形態に係る紙製ストローの外観図である。 図1で示した本実施形態に係る紙製ストローのA−A断面を示す横断面図である。 本実施形態に係る紙製ストローの形状創出手法を例示する図である。 本実施形態に係る紙製ストローの他の形状創出手法を例示する図である。 本発明に係る紙製ストローが採り得る他の形態を例示する図である。 本実施形態に係る紙製ストローが有する多様な用途の一例を示す図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る紙製ストローの外観図である。また、図2は、図1で示した本実施形態に係る紙製ストローのA−A断面を示す横断面図である。
本実施形態に係る紙製ストロー10は、耐水性を有する紙によって構成されており、この紙は、図2に示すように、複数の部材が積層された積層部材として構成されている。この積層部材の中心に位置するのは紙基材11であり、積層部材として構成される紙製ストロー10の50%以上の比率を占める部材である。紙基材11が紙製ストロー10の50%以上の比率を占めることにより、本実施形態に係る紙製ストロー10は、可燃ごみとして廃棄できるようになっている。
紙基材11の内外両面には、ポリエチレン・フィルムからなるプラスチック基材12,12が積層されている。このポリエチレン・フィルムからなるプラスチック基材12,12は、紙基材11に対してサイジング(水などの液体の浸透防止処理)されることにより強固に一体化固定されている。なお、サイジングには、定着剤としての湿潤強力樹脂が使用されており、紙基材11を主原料として構成される紙製ストロー10からの液体の浸透や漏れなどが確実に防止されている。
なお、本実施形態に係る紙製ストロー10では、定着剤としての湿潤強力樹脂が使用されているが、全構成材料に対する比率が低いために、本実施形態に係る紙製ストロー10は、可燃ごみとして廃棄することが可能である。また、本実施形態に係る紙製ストロー10は、リサイクル処理することも可能であり、例えば、紙製ストロー10を次亜塩素酸ナトリウムで処理して湿潤強力樹脂を分解することで、よく離解したパルプを作ることが可能である。このパルプを用いれば、ティッシュペーパーなどへの紙基材11の再利用が可能となる。
次に、以上の構成を有する本実施形態に係る紙製ストロー10の製造方法を説明する。まず、シート状のカートン用紙を用意し、そのカートン用紙の両面に対してポリエチレン・フィルムを配置する。このように両面にポリエチレン・フィルムが配置されたカートン用紙に対して、定着剤としての湿潤強力樹脂を用いたサイジングを行うことにより、両面をポリエチレンでコートされた耐水性を備える積層部材としての紙が完成する。
耐水性が付与された紙には、フレキソグラフィー印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などの各方式を用いることで、その表面に印刷処理を施すことも可能である。
その後、耐水性が付与された紙に対して必要な裁断加工が行われ、所定形状となった裁断紙をストローの形状に成形する。さらに、シーラーと称される設備を用いることでつなぎ目を熱圧着し、本実施形態に係る紙製ストロー10が完成する。なお、裁断紙によるストロー形状の創出手法としては、例えば、図3に示すように、長方形状の裁断紙31をそのまま丸めることによってストロー形状にしてもよいし、図4に示すように、リボン形状の裁断紙41を螺旋状に巻き回していくことでストロー形状を形成してもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、紙製ストロー10を構成する紙に耐水性を付与するために、紙基材11の内外両面に対してポリエチレン・フィルムからなるプラスチック基材12,12を積層した場合の形態を例示して説明した。ただし、耐水性を付与するための基材としては、ポリエチレン・フィルムからなるプラスチック基材12,12には限られず、アルミニウム箔などの金属箔を用いることでも、同様の作用効果を得ることが可能である。
また、本実施形態に係る紙製ストロー10の形状については、図1にて例示したような単純な円筒形状のほか、例えば、図5にて示すような二重管ストロー50の形状とし、伸縮自在な構成を採用することも可能である。かかる構成の採用によって、本発明に係る紙製ストローの適用範囲が飛躍的に拡大する。
さらに、本実施形態に係る紙製ストロー10は、図6に例示するようなガゼット袋61に対して設置することも可能である。この実施例の場合、ガゼット袋61についても耐水性の紙にて形成することにより、飲料容器であるガゼット袋61と飲み口である紙製ストロー10という全ての構成部材を可燃ごみとして取り扱うことができるので、分別が容易である点で好適である。かかる構成の採用によって、環境に与える負荷を極力抑えることが可能となる。
その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 紙製ストロー、11 紙基材、12 プラスチック基材、31 長方形状の裁断紙、41 リボン形状の裁断紙、50 二重管ストロー、61 ガゼット袋。

Claims (4)

  1. 耐水性を有する紙によって構成されていることを特徴とする紙製ストロー。
  2. 請求項1に記載の紙製ストローにおいて、
    前記紙の内外両面には、ポリエチレン・フィルムが貼付されていることを特徴とする紙製ストロー。
  3. 請求項1に記載の紙製ストローにおいて、
    前記紙の内外両面には、アルミニウム箔が貼付されていることを特徴とする紙製ストロー。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙製ストローにおいて、
    前記紙には、湿潤強力樹脂を定着剤として用いたサイジングが施されていることを特徴とする紙製ストロー。
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