JPWO2020059635A1 - 紙筒 - Google Patents

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JPWO2020059635A1
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瑛司 草野
宗央 小山
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Abstract

環境への負荷が小さく、かつ、耐水性に優れた紙筒を提供することを課題とする。解決手段として、第一の帯状原紙が螺旋状に巻回されてなる内層と、第二の帯状原紙が螺旋状に巻回されてなる外層とを有し、前記第一および第二の帯状原紙が低吸水面と易吸水面とを備え、内面が前記第一の帯状原紙の低吸水面、外面が前記第二の帯状原紙の低吸水面から形成されている紙筒を提供する。

Description

本発明は、紙筒、特に耐水性に優れた紙筒に関する。
プラスチックは、安価で成形が容易なため、様々な製品の材料として広く用いられており、年間3億トン以上のプラスチック製品が生産されている。
プラスチック製品の多くは、適切に処分されているが、その一部は、管理不十分や不法投棄により、環境中にごみとして流出してしまい、最終的に海に到達する。海洋中に流出するプラスチックごみの量は、年間800万トン以上にのぼると推測されている。これらのプラスチックごみの多くは非生分解性であるため、そのほとんどが海洋中に蓄積され、2050年には、海洋中のプラスチック総量は魚類の総量(重量ベース)を上回ると予測されている。
プラスチックごみによる環境破壊を防ぐための動きが始まっており、プラスチック製使い捨て製品を、環境への負荷が小さい材料で代替することが求められている。中でもプラスチック製のストローは、1日に米国で5億本、世界で10億本以上が消費されているが、海鳥や海亀の誤飲による死亡例が報告されており、環境保護団体等が、プラスチック製ストローを使用しないように呼びかける運動を始めている。
プラスチック製ストローの、環境への負荷が小さい代替材料としては、生分解性プラスチックと並んで紙が注目されており、例えば、特許文献1、2には、紙製のストローが提案されている。
特開平6−133840号公報 特開2009−233348号公報
環境への負荷が小さく、かつ、耐水性に優れた紙筒を提供することを課題とする。
本発明の課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1.第一の帯状原紙が螺旋状に巻回されてなる内層と、第二の帯状原紙が螺旋状に巻回されてなる外層とを有し、
前記第一および第二の帯状原紙が低吸水面と易吸水面とを備え、
内面が前記第一の帯状原紙の低吸水面、外面が前記第二の帯状原紙の低吸水面から形成されていることを特徴とする紙筒。
2.前記第一の帯状原紙と前記第二の帯状原紙とが、接着剤で接着されていることを特徴とする1.に記載の紙筒。
3.内層と外層との間に、第三の帯状原紙が螺旋状に巻回されてなる中間層を有し、
前記第三の帯状原紙が、両面が易吸水面であり、各層間が接着剤で接着されていることを特徴とする1.に記載の紙筒。
4.前記第一の帯状原紙の低吸水面、第二の帯状原紙の低吸水面のいずれか、または両方が、外添サイズ剤が塗工されていることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の紙筒。
5.前記第一の帯状原紙の易吸水面、第二の帯状原紙の易吸水面のいずれか、または両方が、親水性界面活性剤が塗工されていることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の紙筒。
本発明の紙筒は、紙を主体としており、環境への負荷が小さい。本発明で使用する低吸水面と易吸水面とを備える帯状原紙は、抄紙ラインに設置されているオンマシンタイプのサイズプレス装置を用いて連続的に製造することができるため、生産性が高く、低コストである。また、本発明の紙筒は、紙を主体とするが耐水性に優れており、水と接触する用途で使用される紙筒に好適に利用することができる。
本発明の一実施態様である紙筒の部分分解図。 耐水性試験2の模式図。
1 紙筒
11 内層
110 第一の帯状原紙
111 第一の帯状原紙の低吸水面
112 第一の帯状原紙の易吸水面
12 外層
120 第二の帯状原紙
121 第二の帯状原紙の低吸水面
122 第二の帯状原紙の易吸水面
<紙筒>
本発明の紙筒は、第一の帯状原紙が螺旋状に巻回されてなる内層と、第二の帯状原紙が螺旋状に巻回されてなる外層とを有する。本発明の紙筒に使用する第一および第二の帯状原紙は、低吸水面と易吸水面とを備えており、紙筒の内面が第一の帯状原紙の低吸水面、紙筒の外面が第二の帯状原紙の低吸水面から形成されている。
本発明の一実施態様である紙筒の部分分解図を、図1に示す。
一実施態様である紙筒1は、内層11と外層12とを有し、内層11は第一の帯状原紙110が螺旋状に巻回されてなり、外層12は第二の帯状原紙120が螺旋状に巻回されてなる。第一の帯状原紙110は低吸水面111と易吸水面112を、第二の帯状原紙120は低吸水面121と易吸水面122を備えている。紙筒1は、その内面が第一の帯状原紙110の低吸水面111、外面が第二の帯状原紙120の低吸水面121から形成されている。また、第一の帯状原紙110の易吸水面112と、第二の帯状原紙120の易吸水面122とは、接着剤(図示せず)により、貼り合わされている。
本発明の紙筒は、少なくとも内層と外層を有していればよく、内層と外層に加えて1層以上の中間層を有する3層以上の構成とすることもできる。ただし、層数が多くなると、製造工程が煩雑となる、高コストとなる、欠陥が発生しやすくなる、といった問題があるため、内層と外層の2層、または、両面が易吸水面である第三の帯状原紙が螺旋状に巻回されてなる1層の中間層を加えた3層であることが好ましい。
本発明で使用する第一及び第二の帯状原紙は、低吸水面と易吸水面とを備えている。1層以上の中間層を有する場合は、中間層を形成するための1枚以上の帯状原紙は、両面が易吸水面である。そのため、本発明の紙筒は、水と馴染みやすい易吸水面同士が接着剤で貼り合わされているため、各層が強固に接着している。また、本発明の紙筒は、液体と直接接触する紙筒の内面と外面とが、第一および第二の帯状原紙の低吸水面から形成されているため、耐水性に優れている。
本発明の紙筒は、各層間での剥離が生じにくく、耐水性に優れているため、水と接触する用途に利用することができ、例えば、ストロー、マドラー等として好適に利用することができる。
帯状原紙を螺旋状に巻回して紙筒の一層を形成するに際し、紙筒長さ方向における重複幅(図1におけるd1、d2)が狭いほうが段差の小さな紙筒を形成できる点から好ましい。具体的には、重複幅は、2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましい。
ここで、紙筒の一層を、2本以上の帯状原紙で形成することは、1本の帯状原紙を螺旋状に巻回して形成した紙筒において、帯状原紙を長さ方向に沿って2本以上に切断したことと同義であり、本発明の技術的思想の範囲内である。
本発明の紙筒において、各層の巻き方向は、同一方向(S巻き、または、Z巻き)であってもよく、異なる方向であってもよい。ただし、隣接する層を異なる方向(S巻きとZ巻き)に巻回すと、ある層を形成する帯状原紙の幅方向の接合部と、隣接する層を形成する帯状原紙の幅方向の接合部とが周期的に重複し、この重複部分に隙間が生じやすくなるため、同一方向に巻回すことが好ましい。
帯状原紙を同一方向に巻く場合は、隣接する層を形成する帯状原紙の幅方向の接合部が重複しないように、各層を形成する帯状原紙が、紙筒の軸方向に対して同一角度で、帯幅方向にずれた状態で巻回されていることが好ましい。隣接する層を形成する帯状原紙の紙筒長さ方向のずれ幅(図1におけるD)は、帯状原紙の紙筒長さ方向幅の10%以上であることが好ましい。帯状原紙の紙筒長さ方向幅の10%以上ずらして巻回して貼り合わせることにより、強固に一体化した紙筒を製造することができる。ずれ幅は、帯状原紙の紙筒長さ方向幅の25%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましく、50%であることが最も好ましい。なお、ずれ幅の最大値は、帯状原紙の紙筒長さ方向幅の50%である。
本発明の紙筒の直径は特に制限されず、その用途に応じて様々な直径とすることができる。例えば、本発明の紙筒は耐水性に優れているため、内径3mm以上15mm以下の紙筒を、紙製ストローとして好適に利用することができる。
<帯状原紙・紙筒用原紙>
本発明において、帯状原紙は、紙筒用原紙を所定の幅に裁断し、帯状とすることにより製造される。帯状原紙の幅は特に制限されず、製造する紙筒の径に応じて適宜調整することができるが、通常、8mm以上40mm以下程度である。
第一および第二の帯状原紙を形成するための紙筒用原紙は、低吸水面と易吸水面とを備えている。本発明で使用する低吸水面と易吸水面とを備える紙筒用原紙は、その両面で吸水量が異なる原紙を特に制限することなく使用することができ、例えば、基紙の片面に外添サイズ剤や親水性界面活性剤等の吸水性を調整する目的で配合する薬剤(以下、吸水性調整薬剤ともいう。)を含む塗工液を塗工する等により製造することができる。この際、基紙の他面には、吸水性調整薬剤を含まない塗工液、吸水性調整薬剤の濃度が異なる塗工液、または片面に塗布した吸水性調整薬剤とは吸水性への作用が相反する吸水性調整薬剤を含む塗工液を塗工することができ、または、塗工を行わなくてもよい。また、第一の帯状原紙となる紙筒用原紙と第二の帯状原紙となる紙筒用原紙において、低吸水面または易吸水面を形成するための塗工等の処理は、同一であってもよく、異なっていてもよい。なお、吸水性への作用が相反する吸水性調整薬剤とは、片面(裏面)に塗布した吸水性調整薬剤と吸水性に関して逆の働きをする薬剤を意味し、例えば、片面に吸水度の値を大きくする薬剤が塗布された場合、吸水度の値を小さくする薬剤のことである。
本発明において、低吸水面の、JIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)により得られる吸水度の値は、20g/m以下であることが好ましく、15g/m以下であることがより好ましく、12g/m以下であることがさらに好ましい。
また、易吸水面は、低吸水面のJIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)により得られる吸水度よりも、吸水度が大きければよく、1g/m以上大きいことが好ましく、3g/m以上大きいことがより好ましく、5g/m以上大きいことがさらに好ましい。
中間層を形成するために両面が易吸水面である帯状原紙を用いる場合、この帯状原紙の各面のJIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)により得られる吸水度の値は、貼合される帯状原紙の易吸水面の吸水度の値と同じか、または大きいことが好ましい。中間層を形成する帯状原紙の吸水度の値が、対向する帯状原紙の易吸水面の吸水度の値より小さいと接着が不十分になる場合がある。
・基紙
基紙は、パルプ、填料、各種助剤等からなる。
本発明の紙筒を、ストローやマドラー等の飲食品や口に接触する用途(以下、食器用途という)に使用する場合、原料として、食品添加物として認可を受けている、またはFDA認証取得済み等、食品安全性に適合したものを使用することが好ましい。
パルプとしては、針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹の未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹の未晒クラフトパルプ(LUKP)、サルファイトパルプ(SP)等の木材の化学パルプ、グランドパルプ(GP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ストーングランドパルプ(SGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の木材の機械パルプ、ケナフ、バガス、竹、麻、ワラなどから得られた非木材パルプ、古紙を原料とし、脱墨工程にて古紙に含まれるインキを除去した古紙パルプなど、公知のパルプを適宜配合して用いることが可能である。
ただし、本発明の紙筒を、食器用途に使用する場合、異物混入が発生し難いLBKP、NBKP等の化学パルプが好ましく、また、古紙パルプの配合量が少ないことが好ましい。具体的には、化学パルプの配合量が80%以上であることが好ましく、化学パルプの配合量が100%であることが特に好ましい。
填料としては、タルク、カオリン、焼成カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料等の公知の填料を使用することができる。なお、填料は、必須材料ではなく、使用しなくてもよい。
各種助剤としては、ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)などの内添サイズ剤、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン化澱粉、各種変性澱粉、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂などの乾燥紙力増強剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、ポリビニルアミン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂などの湿潤紙力増強剤、歩留剤、濾水性向上剤、凝結剤、硫酸バンド、嵩高剤、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、紫外線防止剤、退色防止剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等が例示可能であり、必要に応じて適宜選択して使用可能である。
<抄紙工程>
基紙の製造(抄紙)方法、抄紙機の型式は特に限定されるものではなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、ギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー(オントップフォーマー)等の公知の製造(抄紙)方法、抄紙機が選択可能である。
また、抄紙時のpHは酸性領域(酸性抄紙)、疑似中性領域(疑似中性抄紙)、中性領域(中性抄紙)、アルカリ性領域(アルカリ性抄紙)のいずれでもよく、酸性領域で抄紙した後、紙層の表面にアルカリ性薬剤を塗布してもよい。
基紙の坪量は、30g/m以上200g/m以下であることが、剛直な紙筒を形成する点から好ましい。内層、外層、中間層のそれぞれを形成する基紙の坪量は同じであってもよく、異なっていてもよいが、紙筒の強度と巻き加工性を両立するため、外層の坪量は、内層および中間層の坪量以下であることが好ましい。具体的には、外層を形成する基紙の坪量は、30g/m以上150g/m以下であることが好ましい。外層を形成する基紙の坪量が150g/mを越えると、剛度が高くなり、巻き加工性が低下する場合がある。内層または中間層を形成する基紙の坪量は60g/m以上200g/m以下であることが好ましい。
<塗工液>
基紙の片面のみに吸水性調整薬剤を含む塗工液を塗工し、他面は吸水性調整薬剤を含まない塗工液を塗工する、あるいは塗工液を塗工しない、または、両面に吸水性調整薬剤の配合が異なる塗工液を塗工する、あるいは両面に吸水性への作用が相反する吸水性調整薬剤を含む塗工液を塗工することで、低吸水面と易吸水面を備える紙筒用原紙を得ることができる。吸水性調整薬剤としては、吸水度を大きくまたは小さくするものを特に制限することなく使用することができ、例えば、外添サイズ剤、親水性界面活性剤等が挙げられる。
外添サイズ剤を含む塗工液は、外添サイズ剤として、ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)、スチレン―マレイン酸共重合体、スチレン―アクリル酸共重合体、オレフィン系などの各種サイズ剤を、特に制限することなく使用することができる。塗工液の外添サイズ剤濃度は、塗工方式によって適宜調整することができる。外添サイズ剤の塗工量は、0.01g/m以上1.0g/m以下であることが好ましい。また、この塗工液には、外添サイズ剤以外にも、馬鈴薯、甘藷、コーン、タピオカ、小麦などから得られる澱粉および酸化澱粉、リン酸エステル化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、エーテル化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン化澱粉などの加工澱粉、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等の表面処理剤として通常使用される水溶性高分子や、強度向上を目的とした乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤などを含むことができる。外添サイズ剤を含む塗工液を塗布した面(サイズ面)は、塗工前と比較して吸水度の値が減少する。また、外添サイズ剤を含まない塗工液、または塗工を行わない面(非サイズ面)は、サイズ面と比較して吸水度の値が大きい。
親水性界面活性剤を含む塗工液は、親水性界面活性剤として、グリフィン法によるHLB値が8より大きな界面活性剤を特に制限することなく使用することができる。このHLB値が8より大きい親水性界面活性剤は、水分散液または水溶液として、均一に塗工することができる。塗工液の親水性界面活性剤濃度は、塗工方式によって適宜調整することができるが、親水性界面活性剤の塗工量は、0.005g/m以上1.0g/m以下であることが好ましい。また、この塗工液には、親水性界面活性剤以外にも、馬鈴薯、甘藷、コーン、タピオカ、小麦などから得られる澱粉および酸化澱粉、リン酸エステル化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、エーテル化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン化澱粉などの加工澱粉、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等の表面処理剤として通常使用される水溶性高分子や、強度向上を目的とした乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤などを含むことができる。親水性界面活性剤を含む塗工液を塗布した面は、塗工前と比較して吸水度の値が増加する。
<加工工程>
本発明の帯状原紙は、片面が低吸水面、他面が易吸水面であり、一面に外添サイズ剤や親水性界面活性剤等の吸水性調整薬剤を含む塗工液を塗工することにより製造することができる。塗工方法は、吸水性調整薬剤を含む塗工液を塗工できる方法であれば特に制限されず、他面は、吸水性調整薬剤を含まない、吸水性調整薬剤の配合が異なる、吸水性への作用が相反する吸水性調整薬剤を含む塗工液を塗工してもよく、または、塗工を行わなくてもよい。塗工装置としては、ゲートロールコーター、ロッドメタリングサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ビルブレードコーター、ベルバパコーター等の公知のサイズプレス装置を用いることが好ましく、紙筒用原紙を連続生産することができ、生産効率に優れているため、抄紙ラインに設置されているオンマシンタイプのサイズプレス装置を用いることが特に好ましい。
さらに、紙筒用原紙を所定の幅に裁断することにより、本発明で使用する帯状原紙を製造することができる。
<接着剤>
本発明の紙筒は、各層間が接着剤で貼り合わされてなる。この接着剤としては、公知の接着剤を特に制限することなく使用することができる。例えば、酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、澱粉系、アクリル系、エポキシ系等の接着剤を使用することができる。これらの中で、水溶性、または、水系エマルションを含む水分散性の接着剤が、製造時の環境負荷が小さく、また、食器用途として安心して使用できるため好ましい。さらに、生分解性である接着剤が、環境への負荷が小さい点から好ましい。
本発明の紙筒を、食器用途として使用する場合、食品添加物として認可を受けている、食品衛生法に適合している、またはFDA認証取得済み等、食品安全性に適合した接着剤を使用することが好ましい。
<紙筒の製造方法>
本発明の紙筒は、公知の方法で製造することができる。すなわち、紙筒用原紙を裁断して帯状原紙とし、帯状原紙をマンドレル(鉄芯)にスパイラル巻きしながら接着剤で貼り付けることにより、本発明の紙筒を製造することができる。接着剤は、ロール状の帯状原紙を繰り出してマンドレルに巻きつけるまでの間に、帯状原紙の片面、または両面に塗布することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
「実施例1」
坪量80g/mの基紙の片面に酸化澱粉(日本コーンスターチ株式会社 SK100)を2.1g/mで塗工し易吸水面を作製した。なお、JIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)による易吸水面の吸水度は24.3g/mであった。
ついでこの基紙の他面に、酸化澱粉(日本コーンスターチ株式会社 SK100)およびスチレンアクリルサイズ剤(栗田工業株式会社 PERGLUTIN A288)を固形分重量比15:3となるよう混合した塗工液を2.6g/mで塗工し低吸水面を作製することで紙筒用原紙を得た。JIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)による低吸水面の吸水度は18.7g/mであった。
この紙筒用原紙を、幅16mmに裁断して、低吸水面および易吸水面を備えた第一および第二の帯状原紙を得た。
直径6mmのマンドレルに、第一の帯状原紙を低吸水面が内側となるように螺旋状に巻き付け、内層を形成した。第二の帯状原紙の易吸水面にポリ酢酸ビニル系接着剤(日栄化工株式会社 AV―650Y―6L)を塗工量7g/mで塗工した後、内層上に易吸水面を内側として螺旋状に巻き付けて外層を形成し、紙筒を得た。
「実施例2」
低吸水面のスチレンアクリルサイズ剤をAKDサイズ剤(星光PMC株式会社 SE2366)とし、塗工量を2.5g/mとした以外は、実施例1と同様にして紙筒用原紙を得た。この紙筒用原紙のJIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)による低吸水面の吸水度は16.7g/mであった。
この紙筒用原紙を用いて、実施例1と同様の方法で紙筒を得た。
「実施例3」
低吸水面の酸化澱粉をエチレン変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ社 エクセバールRS4104)とし、塗工量を2.6g/mとした以外は実施例1と同様にして紙筒用原紙を得た。この紙筒用原紙のJIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)による低吸水面の吸水度は14.8g/mであった。
この紙筒用原紙を用いて、実施例1と同様の方法で紙筒を得た。
「実施例4」
低吸水面の酸化澱粉をエチレン変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ社 エクセバールRS4104)、スチレンアクリルサイズ剤をAKDサイズ剤(星光PMC株式会社 SE2366)とし、塗工量を2.7g/mとした以外は実施例1と同様にして紙筒用原紙を得た。この紙筒用原紙のJIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)による低吸水面の吸水度は13.6g/mであった。
この紙筒用原紙を用いて、実施例1と同様の方法で紙筒を得た。
「実施例5」
坪量110g/m、JIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)による吸水度が両面とも16.3g/mである基紙の片面のみに、界面活性剤(日信化学工業株式会社製、サーフィノール465)を塗工量0.02g/mで塗工し易吸水面とし、紙筒用原紙を得た。易吸水面のJIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)による吸水度は28.1g/mであった。また、非塗工面である低吸水面の吸水度は、裏面への界面活性剤の塗工の前後で変化はなかった。
この紙筒用原紙を用いて、実施例1と同様の方法で紙筒を得た。
「実施例6」
坪量60g/mの基紙を用いた以外は、実施例5と同様にして紙筒用原紙を得た。塗工面である易吸水面、非塗工面である低吸水面のJIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)による吸水度は、それぞれ29.9g/m、16.2g/mであった。
この紙筒用原紙を用いて、実施例1と同様の方法で紙筒を得た。
・耐水性試験1
上記実施例で製造した紙筒を常温の水を入れたコップに30分浸漬し、浸漬部分で剥離の有無を目視で確認した。
実施例1〜6で製造した紙筒は、いずれも30分浸漬した後も、内層と外層との間で剥離が生じず、紙ストローとして好適に使用することが可能であった。
・耐水性試験2
図2に、耐水性試験2の模式図を示す。
上記実施例で抄紙した各紙筒用原紙を5cm×20cmの短冊状に2枚断裁し、紙筒の作成に使用したのと同じポリ酢酸ビニル系接着剤を片側の原紙の易吸水面側にマイヤーバーを用いて固形分30g/mとなるように短辺側端部から3cmの領域を除いて塗工した。次いで、もう片側の原紙の易吸水面側を前記接着剤の塗工面に貼り合わせ、一晩乾燥させて試験片を得た。
試験片の接着されていない部分で、一方の原紙をクリップでワイヤーに固定し、他方の原紙の短辺側端部に100gの重りをクリップで固定した状態で、水7Lを入れた10L容器に重りが容器底面に接触しないよう試験片全体を浸漬した。試験片の接着面が重りを固定した端部側から5cm剥離するまでの時間を測定した。結果を表1に示す。
実施例1〜6で製造した紙筒用原紙は、100g/5cm幅の加重が加わった状態で、5cm剥離するまでに5分以上の時間を要し、耐水性は良好であった。

Claims (5)

  1. 第一の帯状原紙が螺旋状に巻回されてなる内層と、第二の帯状原紙が螺旋状に巻回されてなる外層とを有し、
    前記第一および第二の帯状原紙が低吸水面と易吸水面とを備え、
    内面が前記第一の帯状原紙の低吸水面、外面が前記第二の帯状原紙の低吸水面から形成されていることを特徴とする紙筒。
  2. 前記第一の帯状原紙と前記第二の帯状原紙とが、接着剤で接着されていることを特徴とする請求項1に記載の紙筒。
  3. 内層と外層との間に、第三の帯状原紙が螺旋状に巻回されてなる中間層を有し、
    前記第三の帯状原紙が、両面が易吸水面であり、各層間が接着剤で接着されていることを特徴とする請求項1に記載の紙筒。
  4. 前記第一の帯状原紙の低吸水面、第二の帯状原紙の低吸水面のいずれか、または両方が、外添サイズ剤が塗工されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紙筒。
  5. 前記第一の帯状原紙の易吸水面、第二の帯状原紙の易吸水面のいずれか、または両方が、親水性界面活性剤が塗工されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紙筒。
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