JP6217712B2 - 液体用紙容器 - Google Patents

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Description

本発明は液体用紙容器に関するものである。とくに容易に解体が可能な液体用紙容器に関するものである。
食品や非食品などの液体内容物に使用される液体用紙容器は、牛乳をその代表格として、広く用いられており、紙を基材としてその内面に熱可塑性樹脂によるシーラント層が設けられた積層材料からなる。液体用紙容器はそのほか果汁飲料、ジュース、お茶、コーヒー、乳飲料、スープ等の液体食品、日本酒、焼酎等の酒類にも広く用いられている。
これらの液体用紙容器は、紙基材とシーラント層からなる構成のほか、紙層とシーラント層の間にアルミニウム箔や金属蒸着フィルム、金属酸化物蒸着フィルム、などを用いてガスバリア層としたり、あるいは、無機化合物蒸着フィルムなどのガスバリア性のある層を設けたりしたものなどもある。
紙容器はその利便性と経済性から広く用いられ、さまざまな商品の包装容器として普及している。近年にいたっては環境保全の観点から、容器が廃棄される際の減容化が求められ、さらに資源としての再利用をするためのリサイクルの仕組みも定着しつつあって、消費者の意識にも変化が見られる。そうした中、たとえば使い終わった牛乳パックなどはリサイクルのために消費者サイドで解体し、分別回収のルートに乗せることが行なわれている。また分別回収のルートに乗らない容器についても解体、減容化して廃棄することなどが定着しつつある。
しかしながら実際に解体するに際しては問題も存在する。たとえば、切妻屋根形の頂部の屋根板に、口栓を設けた液体用紙容器があるが、口栓が強固に溶着しているため、廃棄するために、この口栓を分離するには、トップシール部を開口して、ハサミ等で口栓の周りを切って分離する以外には難しかった。
さらに前述した従来の液体用紙容器は、トップシール部の熱融着による封鎖が強固であるため、使用後の空容器を解体するときに、手でトップシール部を開口して容器を解体する作業が難しいことがあった。
これは、液体用紙容器のトップシール部は、折り曲がった積層体が突き当たった状態でシールされるために隙間が生じ易いので、液体用紙容器の裏面のシーラント層には、溶融時の流動性の良いポリエチレン樹脂が用いられ、高い温度と強い押圧でシールして、隙間を埋めて完全密封するようにしてあるためである。
このような事情を背景にシール強度が強くなっている。したがってシール強度を弱くするために、シールする温度を下げたり押圧を弱くしたりすると、密封が不完全になり、液漏れが生じてしまう危険性がある。
あるいはトップシール部を開口するのではなく、口栓の開口部からハサミで切り込んでいって、空容器を解体することは可能ではあるが、ハサミで硬い口栓もしくはその周辺を切りとることはかなりの困難を伴い、また道具を必要とする方法は煩雑であるために、一般に行われている状況にはない。
この状況の改良として、胴部の側面板を切り破って、それをきっかけとして容易に解体
できるようにした液体用紙容器がある。
例えば、特許文献1に記載された方法は、紙層の表裏に合成樹脂層を設けた複合シートの両端部を互いに重ね合わせ、シールした胴部貼り合せ部の重ね合わせた外面側の複合シートの端部に、プルタブを設け、プルタブは易剥離性のテープ状フィルムによる剥離層を介して剥離可能に設けられている液体用紙容器である。このテープ状フィルムは、四面の側面板の内面に沿って連続して設けられていて、テープ状フィルムの幅方向両端縁に沿って、複合シートの紙層に切り込み線、ハーフカット、ミシン目などのカッティングラインが刻設されている。
しかし、ここに提案されている液体用紙容器では、易剥離性のテープ状フィルムが必要であり、また、胴部貼り合せ部のシールが、易剥離性のテープ状フィルムのため不安定になる恐れもあり、容器使用後の解体性に関して、更なる改良あるいは別の方法による解体の簡易化が望まれている。
特許第3843510号公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、紙基材をベースとする液体用紙容器において、容器の構造が簡単で、使用後の解体が容易である液体用紙容器を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、紙基材の容器外層側に熱可塑性樹脂層を有し、容器内層側にシーラント層を有する積層体からなる液体用紙容器であって、折り曲げて解体するための線状の脆弱部が容器の胴部に形成されており、紙基材の水分率が8%未満であることを特徴とする液体用紙容器である。
また、請求項2に記載の発明は、前記解体のための脆弱部が、前記紙基材に設けられた傷加工によるものであることを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器である。
また、請求項3に記載の発明は、前記紙基材に設けられた傷加工が、レーザー光加工または刃型を用いた半抜き加工、全抜き加工により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体用紙容器である。
また、請求項4に記載の発明は、前記積層体が紙基材とシーラント層との間に中間層を有しており、この中間層が、プラスチックフィルムに無機化合物層を設けて成るガスバリア層を有することを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器である。
また、請求項5に記載の発明は、前記積層体が紙基材とシーラント層との間に中間層を有しており、この中間層が、金属箔から成るガスバリア層を有することを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器である。
また、請求項6に記載の発明は、前記解体のための脆弱部が、前記紙基材に設けられた傷加工、およびそれと位置を同じくする、ガスバリア層に設けられた傷加工とによるものであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の液体用紙容器である。
また、請求項7に記載の発明は、前記紙基材に設けられた傷加工が、レーザー光加工または刃型を用いた半抜き加工、または全抜き加工により形成されていることを特徴とする請求項6に記載の液体用紙容器である。
また、請求項8に記載の発明は、前記ガスバリア層に設けられた傷加工が、レーザー光加工または刃型を用いた半抜き加工、または全抜き加工により形成されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の液体用紙容器である。
本発明によれば、紙基材をベースとする液体用紙容器において、容器の構造が簡単で、使用後の解体が容易である液体用紙容器を提供することが可能である。
また請求項2に記載の発明によれば、より容易に解体できる液体用紙容器を提供することが可能である。
また請求項3に記載の発明によれば、より容易かつ安定的に解体できる液体用紙容器を提供することが可能である。
また請求項4に記載の発明によれば、より広範囲に使用することができ、より容易に解体することが可能な液体用紙容器を提供することが可能である。
また請求項5記載の発明によれば、より広範囲に使用することができ、より容易に解体することが可能な液体用紙容器を提供することが可能である。
また請求項6に記載の発明によれば、より広範囲に使用することができ、より容易に解体することが可能な液体用紙容器を提供することが可能である。
また請求項7に記載の発明によれば、より広範囲に使用することができ、より容易かつ安定的に解体することが可能な液体用紙容器を提供することが可能である。
また請求項8に記載の発明によれば、より広範囲に使用することができ、より容易かつ安定的に解体することが可能な液体用紙容器を提供することが可能である。
図1は本発明に係る液体用紙容器に用いる積層体の一実施形態を説明するための部分断面模式図である。 図2は本発明に係る液体用紙容器に用いる積層体の他の実施形態を説明するための部分断面模式図である。 図3は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態を示す斜視模式図である。 図4は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態の平面展開図である。
以下本発明を実施するための形態について、図を参照しながら詳細な説明を加える。ただし本発明はこれらの例にのみ限定されるものではない。
図1は本発明に係る液体用紙容器に用いる積層体の一実施形態を説明するための部分断面模式図である。積層体(100)は、紙を基材としており紙基材(1)を有し、接着層(3)を介して、容器内層側にシーラント層(2)を有する。紙基材の容器外層側には熱可塑性樹脂層(4)が設けてあり、最外層には印刷層(5)を設けてある。
本発明においては、液体容器使用後に容器を解体するために紙基材に脆弱部を設けるが、脆弱部は積層体の容器外層側から紙基材にいたる傷加工部(6)から構成される。解体はこの脆弱部を折り曲げることにより、傷加工部(6)をきっかけにして積層体を切断、分離させることによって行なうことができる。本発明においては紙基材(1)には水分率が9%未満の紙を使用する。
図2は本発明に係る液体用紙容器に用いる積層体の他の実施形態を説明するための部分断面模式図である。ここに示す積層体(100)の実施形態例では、紙基材は接着層(7)を介してガスバリア層(10)と貼りあわせてあり、ガスバリア層(10)はプラスチックフィルム層(8)と無機化合物層(9)とから構成される。積層体の容器内層側には接着層(3)を介してシーラント層(2)が設けてある。
紙基材(1)の容器外層側には熱可塑性樹脂層(4)が設けてあり、最外層には印刷層(5)を設けてある。ここに示す実施形態例では、脆弱部は容器外層側から紙基材(1)にいたる傷加工部(6)、およびガスバリア層(10)に設けられた傷加工部(11)とを、位置を同じくして設けて構成される。解体はこの脆弱部を折り曲げることにより、傷加工部(6)および傷加工部(11)をきっかけにして積層体を切断、分離させることによって行なうことができる。本発明においては紙基材(1)には水分率が9%未満の紙を使用する。
図3は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態を示す斜視模式図である。この実施形態例で示す液体用紙容器(101)は、たとえば牛乳などの液体に用いられるゲーベルトップ型紙容器と呼ばれるもので、頂部(23)、胴部(22)、および底部(24)からなる。頂部(23)はトップシール部(21)を頂点にして屋根形の斜面を有しており、内容物を注ぎ出すための口栓(20)が取り付けられている。
図4は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態の平面展開図である。これは図3で示した実施形態例の液体用紙容器を平面展開図としたものである。組み立てて液体容器とするには、貼着板(25)と折罫線(27)を用いて胴部(22)の四角柱を形成し、その他の折罫線を用いて頂部(23)および底部(24)を形成する。脆弱部は胴部に設けるが、たとえば傷加工によって脆弱部(26)を設けて、容易に頂部(23)と胴部(22)を切断、分離させることができる。
以下本発明による液体用紙容器を構成する各構成要素について図を参照しながら個々に詳しく説明を加える。
本発明による液体用紙容器においては、紙基材(1)には水分率が9%未満の紙を使用する。これはわれわれが、容易に解体することができる液体用紙基材の構成を鋭意検討する過程で見出したものである。この範囲の紙基材を用いることによって、脆弱部を構成する傷加工部が、折り曲げなど力が加わることによって、傷加工部にダメージが発生し、積層体を切断、分離して液体用紙容器を容易に解体することができる。なお水分率は加熱乾燥式水分計を用いて測定することができる。
水分率が本発明による範囲を超えて高い場合には、傷加工部にダメージが充分与えることができず、容易な解体を実現することが困難である。これは水分率が高いと紙の伸びを起こして傷加工部にダメージが充分与えることができないことによるものと考えられる。加えて紙の水分率が高い場合には、液体用紙容器の組み立てあるいは充填後のシールにおいて、ホットエアーによる加熱で内部の水分の蒸発によって、ピンホールの発生を誘発する恐れもある。
逆に紙の水分率が低い場合、たとえば5%未満であると、解体性は満足するものの、紙の伸びがなくなるために、折罫線の集合部分などで、紙に亀裂や破れが発生する恐れがあるため、水分率は5%以上が望ましい。したがって、本発明による紙基材の紙の水分率は9%未満の範囲であるが、より好ましくは5%以上8%未満の範囲である。
紙の水分率は、積層材が、熱可塑性樹脂層およびシーラント層で挟みこまれているために、紙容器製造工程、充填、密封工程を経てもほとんど変化することはないため、本発明においては水分率が9%未満の紙を積層体の材料に使用することによって、使用後の解体が容易である液体用紙容器とすることができる。
紙基材(1)としては、特に限定をするものではないが、一般にミルクカートン原紙等の板紙が用いられる。坪量と密度は容器の容量やデザインにより適宜選定されるが、通常は坪量200〜500g/mの範囲で密度0.6〜1.1g/cmの紙が好適に用いられる。
脆弱部は積層体(100)の容器外層側から紙基材(1)にいたる傷加工部(6)を設けて形成することが可能である。積層体中にガスバリア層を含む場合には、ガスバリア層にも傷加工部(11)を位置を同じくして形成することによって、積層体の脆弱部とすることができる。
紙基材(1)に設ける傷加工はレーザー光加工または刃型を用いた半抜き加工、または全抜き加工により形成することができる。積層体がガスバリア層を含む場合には、脆弱部は紙基材に対する傷加工のほか、それと位置を同じくする、ガスバリア層に設けられた傷加工とから構成される。ガスバリア層に設ける傷加工は、レーザー光加工または刃型を用いた半抜き加工、または全抜き加工により形成することができる。
脆弱部は液体用紙容器(101)の胴部(22)に設けるが、位置については限定を加えるものではない。しかし、たとえば胴部と頂部の境界に設けた場合には、折罫線とも重なるために、容器の使用後に容器を折罫線で折りたたんで脆弱部にダメージを与え、切断、分離する際に作業効率が良いことに加え、口栓などのプラスチック部品が付着している頂部を容易に切り離すことができ、リサイクルなどを解体の目的にする場合にも合目的であり、好都合である。
積層体(100)の容器内側になる層にはシーラント層(2)を設ける。シーラント層によって積層体は箱型に立体を形成することができ、また内容物充填後に容器を密封することが可能である。一般にシーラント層にはポリオレフィン系樹脂が用いられる。
ポリオレフィン系樹脂は具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
シーラント層(2)とガスバリア層(10)、あるいはシーラント層(2)と紙基材(1)との間に、接着層(3)を設けることができる。接着層は、押し出し樹脂層であってもよいし、また、ラミネート用接着剤であってもよい。押し出し樹脂層に用いる樹脂としては、ポリエチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。厚みは5μmから20μmの範囲が通常用いられる。また、ラミネート用接着剤を用いる場合には、ウレタン系2液硬化型のドライラミネート用接着剤(無溶剤型接着剤を含む)を用いることができる。乾燥塗布量は、0.5〜7.0g/mが好ましい。
内容物の保存性を向上させることを目的として、積層体中に着色フィルムなど紫外線を遮蔽する不透明層を設けることができる。あるいは、積層体中にガスバリア層を設けることができる。
ガスバリア層(10)には、アルミニウム箔などの金属箔、あるいはプラスチックフィルムに金属、無機化合物の蒸着層を設けてガスバリア層として用いることができる。無機化合物には、たとえばSiOやAlOなどの無機化合物がある。ガスバリア層は接着剤を用いて、たとえばドライラミネーション法を用いて積層することもでき、あるいは押出機を用いて熱可塑性樹脂を押し出して積層することもできる。
ガスバリア層をガスバリアフィルムとする場合、プラスチックフィルムに無機化合物の蒸着層、コーティング層を設けて構成することができ、プラスチックフィルムにアンカーコートを設けた後、蒸着層、コーティング層を順次設ける。
ガスバリアフィルムに用いるプラスチックフィルムには、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレンなどのフィルムを用いることができる。特に2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが、蒸着加工時や貼り合わせ加工時に、伸縮が少ないので好ましく用いられる。厚さは、6〜25μmのものが好ましく用いられる。
ガスバリア層のアンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料をグラビアコーティングなど印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
蒸着層を形成する方法としては,たとえばSiOやAlOなどの無機化合物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けた基材フィルム上に無機化合物層を形成することができる。さらに無機化合物のコーティング層を重ねることもできる。
無機化合物のコーティング層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
無機化合物層は真空蒸着法による蒸着層形成のみでもガスバリア性を有するが、無機化合物のコーティング層を真空蒸着法による蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。
これら2層の複合により、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成されるため、高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、変形に耐えられる可撓性を有するため、包装材料としての適性も具備することができる。
また無機化合物層としてSiOを用いる場合には、金属箔をガスバリア層として用いる
場合と異なり、検査機としての金属探知機などの使用も可能である。これらは、包装袋の用途、要求品質によって適宜選択し、使い分けをすればよい。
接着層(7)は、紙基材(1)とガスバリア層(10)を接着させるための接着層である。たとえばポリオレフィン系樹脂を用いてサンドイッチラミネーションで積層してもよい。この場合には厚みは10μmから60μmの範囲が通常用いられる。10μm未満では十分な接着強度が得られない。
具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレン系樹脂やポリプロピレン、あるいは、エチレン・アクリル酸共重合体やエチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)などのエチレン・α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・アクリル酸メチルやエチレン・アクリル酸エチルやエチレン・メタクリル酸メチルやエチレン・メタクリル酸エチルなどのエチレン・α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、あるいは、亜鉛イオンで架橋した、エチレン・α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン・無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体、あるいは、これらから選ばれる2種以上の混合物などにより設けられる。
接着強度を高めるために、紙基材やガスバリア層の面に、コロナ処理、オゾン処理、アンカーコートなどの易接着処理を行うことができる。
容器外層側の熱可塑性樹脂層(4)に用いる樹脂には、低密度ポリエチレン樹脂や、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂を好ましく使用することができる。熱可塑性樹脂層(4)はこれらの熱可塑性樹脂を用いて、たとえば紙基材の外面に押出しラミネーションにより設けることができる。
熱可塑性樹脂層の外側の面に設けられる印刷層(5)は、周知のインキを用いてグラビア印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法等の方法を用いることができる。印刷は内容物に関する情報のほかロゴマークなどを表示し、また内容物に関してのイメージや用途例、バーコードなどを文字や画像で表示することができる。熱可塑性樹脂層の表面にはコロナ処理などの易接着処理を行って、印刷層との接着性を高めることが好ましい。印刷層上には耐摩耗性向上の為にオーバーコート層を設けても良い。
このようにして本発明によれば、紙基材をベースとする液体用紙容器において、容器の構造が簡単で、使用後の解体が容易である液体用紙容器を提供することが可能である。以下本発明を実施例を用いてより具体的に説明する。
<実施例1>
液体用紙容器のための積層体は、液体用紙容器の容器外側から容器内側に向かって、下記の構成である。
印刷層/熱可塑性樹脂層:低密度ポリエチレン(厚さ18μm)/紙基材:(400g/m)/接着層:EMAA(厚さ30μm)/ガスバリア層:アルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、(厚さ12μm)/シーラント層:直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ60μm)
この積層体を用いて、図4に示す液体用紙容器(101)と同様に脆弱部を形成し、容量2000mlの液体用紙容器を作成した。
低密度ポリエチレン層および紙基材には、図1に示すような傷加工部を刃型加工により、紙の厚みの3/4までの、一本の半抜きで形成した。
またガスバリア層には位置を合わせてレーザー光による加工で一本の全抜き傷加工部を形成した。レーザー光は炭酸ガスレーザー装置を用いて、照射出力21W、加工速度150m/min.の条件で照射を行った。
このブランクの各部を糊付け、成型したのち、口栓を装着して液体用紙容器とした。
この時、紙基材の水分率は5.3%であった。
水分率の測定は、液体用紙容器から紙基材を取り出し、加熱乾燥式水分計を用いて測定した。測定条件は200℃、5分である。
一旦内容液を注入して液漏れなどが生じないことを確認した後、内容液を注した後包装容器を解体した。また傷加工部の引き裂き強度を測定した。
<実施例2>
紙基材の水分率が6.7%であった以外は実施例1と同様である。
<実施例3>
紙基材の水分率が7.8%であった以外は実施例1と同様である。
<実施例4>
紙基材の水分率が8.0%であった以外は実施例1と同様である。
<比較例1>
紙基材の水分率が9.6%であった以外は実施例1と同様である。
<比較例2>
紙基材の水分率が10.2%であった以外は実施例1と同様である。
<評価項目および評価方法>
(引き裂き強度)
傷加工部を180度一往復で折り曲げた後、引っ張り試験機を用いて、引っ張り速度200mm/分で測定した。
(解体の容易性)
官能評価によった。
評価基準は、○:容易に解体できる、×:解体できない、△:解体はできるが容易ではない、とした。
評価結果を表1に示す。
表1に示された結果から、紙基材の水分率が高くなると引き裂き強度が大きくなることが見て取れる。また官能評価による解体の容易性からも、水分率9%を超えた場合には解体ができなくなることがわかる。反対に9%未満であれば解体が容易であることが示されている。
したがって本発明によれば、紙基材をベースとする液体用紙容器において、容器の構造が簡単で、使用後の解体が容易である液体用紙容器を提供することが可能であることを検証することができた。
1・・・紙基材
2・・・シーラント層
3・・・接着層
4・・・熱可塑性樹脂層
5・・・印刷層
6・・・傷加工部
7・・・接着層
8・・・プラスチックフィルム
9・・・無機化合物層
10・・・ガスバリア層
11・・・傷加工部
20・・・口栓
21・・・トップシール部
22・・・胴部
23・・・頂部
24・・・底部
25・・・貼着板
26・・・脆弱部
27・・・折罫線
100・・・積層体
101・・・液体用紙容器

Claims (8)

  1. 紙基材の容器外層側に熱可塑性樹脂層を有し、容器内層側にシーラント層を有する積層体からなる液体用紙容器であって、折り曲げて解体するための線状の脆弱部が容器の胴部に形成されており、紙基材の水分率が8%未満であることを特徴とする液体用紙容器。
  2. 前記解体のための脆弱部が、前記紙基材に設けられた傷加工によるものであることを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器。
  3. 前記紙基材に設けられた傷加工が、レーザー光加工または刃型を用いた半抜き加工、全抜き加工により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体用紙容器。
  4. 前記積層体が紙基材とシーラント層との間に中間層を有しており、この中間層が、プラスチックフィルムに無機化合物層を設けて成るガスバリア層を有することを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器。
  5. 前記積層体が紙基材とシーラント層との間に中間層を有しており、この中間層が、金属箔から成るガスバリア層を有することを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器。
  6. 前記解体のための脆弱部が、前記紙基材に設けられた傷加工、およびそれと位置を同じくする、ガスバリア層に設けられた傷加工とによるものであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の液体用紙容器。
  7. 前記紙基材に設けられた傷加工が、レーザー光加工または刃型を用いた半抜き加工、または全抜き加工により形成されていることを特徴とする請求項6に記載の液体用紙容器。
  8. 前記ガスバリア層に設けられた傷加工が、レーザー光加工または刃型を用いた半抜き加工、または全抜き加工により形成されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の液体用紙容器。
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