以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチング電源装置の回路構成を表すものである。このスイッチング電源装置は例えば自動車などに適用されるものであり、トランス2と、このトランス2と後述する主バッテリ10との間に設けられたコンデンサC1、電圧検出部13および双方向型のスイッチング回路11と、トランス2と後述する交流電圧入力端子T5,T6との間に設けられた双方向型のスイッチング回路41、電圧検出部42、コンデンサC3を含むPFC(Power Factor Correction;力率改善)回路43、整流回路44、リレー部45および電圧検出部46とを備えている。
また、このスイッチング電源装置はさらに、スイッチング回路11を駆動するためのSW駆動回路12と、スイッチング回路41を駆動するためのSW駆動回路491と、PFC回路43を駆動するためのSW駆動回路492と、これらSW駆動回路12,491,492を制御する制御部6と、トランス5と、アイソレーションアンプ53と、差動アンプ47とを備えている。
コンデンサC1は、高圧ラインLH1と低圧ラインLL1との間に配置され、平滑コンデンサとして機能している。なお、高圧ラインLH1の一端は入出力端子T1に接続され、低圧ラインLL1の一端は入出力端子T2に接続され、入出力端子T1,T2間には主バッテリ10が配置されている。主バッテリ10は、直流入力電圧Vdcinを入出力端子T1,T2間に供給するためのものであり、例えばこのスイッチング電源装置が自動車に適用された場合には駆動用のインバータや昇降圧コンバータに接続され、例えば350〜500V程度の高圧バッテリとして機能するものである。
電圧検出部13は、コンデンサC1と後述するスイッチング回路11との間に配置されており、コンデンサC1の両端間の直流電圧V1を検出すると共に、検出した直流電圧V1に対応する電圧をアイソレーションアンプ53へ出力するものである。なお、この電圧検出部13の具体的な回路構成としては、例えば、高圧ラインLH1と低圧ラインLL1との間に配置された分圧抵抗(図示せず)によって直流電圧V1を検出してこれに応じた電圧を生成するものなどが挙げられる。
スイッチング回路11は、4つのスイッチング素子Q1〜Q4と、4つのダイオードD1〜D4とを有するフルブリッジ型のスイッチング回路である。具体的には、スイッチング素子Q1の一端は高圧ラインLH1に接続され、他端はスイッチング素子Q2の一端および後述するトランス2の巻線21の一端に接続されている。スイッチング素子Q3の一端は高圧ラインLH1に接続され、他端はスイッチング素子Q4の一端およびトランス2の巻線21の他端に接続されている。スイッチング素子Q2の他端およびスイッチング素子Q4の他端はそれぞれ、低圧ラインLL1に接続されている。また、ダイオードD1〜D4はそれぞれ、スイッチング素子Q1〜Q4の両端間において逆方向に並列接続されている(高圧ラインLH1側に各ダイオードのカソードが接続され、低圧ラインLL1側に各ダイオードのアノードが接続されている)。すなわち、1つのスイッチング素子と1つのダイオードとにより1つの双方向スイッチを構成し、これによりスイッチング回路11は双方向スイッチング回路として機能するようになっている。具体的には、詳細は後述するが、このスイッチング回路11は、直流/交流変換(直流から交流への変換)を行うDC/ACインバータ回路または整流回路として機能するようになっている。なお、スイッチング素子Q1〜Q4は、例えば、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)または電界効果型トランジスタ(MOS−FET;Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)などにより構成される。これらスイッチング素子Q1〜Q4がそれぞれMOS−FETにより構成されて寄生ダイオード成分を持つ場合には、ダイオードD1〜D4の代わりにこれらの寄生ダイオード成分を利用するようにしてもよい。
SW駆動回路12は、後述する制御部6による制御によってスイッチング制御信号S1〜S4を生成し、これによりスイッチング回路11内のスイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング動作をそれぞれ制御するものである。具体的には、詳細は後述するが、スイッチング回路11が前述のDC/AC変換動作や整流動作を行うように制御するようになっている。
トランス2は、主バッテリ10側に設けられた1つの巻線21と、後述する入力端子T5,T6側に設けられた1つの巻線22とを有しており、各巻線21,22は互いに極性が同じ向きとなるように磁気結合されている。巻線21は、スイッチング素子Q1の他端とスイッチング素子Q4の一端との間に配置されている。巻線22の両端は、後述するスイッチング回路41に接続されている。
スイッチング回路41は、4つのスイッチング素子Q5〜Q8と、4つのダイオードD5〜D8とを有するフルブリッジ型のスイッチング回路である。具体的には、スイッチング素子Q5の一端は高圧ラインLH4に接続され、他端はスイッチング素子Q6の一端およびトランス2の巻線22の一端に接続されている。スイッチング素子Q7の一端は高圧ラインLH4に接続され、他端はスイッチング素子Q8の一端および巻線22の他端に接続されている。スイッチング素子Q6の他端およびスイッチング素子Q8の他端はそれぞれ、低圧ラインLL4に接続されている。また、ダイオードD5〜D8はそれぞれ、スイッチング素子Q5〜Q8の両端間において逆方向に並列接続されている(高圧ラインLH4側に各ダイオードのカソードが接続され、低圧ラインLL4側に各ダイオードのアノードが接続されている)。すなわち、1つのスイッチング素子と1つのダイオードとにより1つの双方向スイッチを構成し、これによりスイッチング回路41も双方向スイッチング回路として機能するようになっている。具体的には、詳細は後述するが、このスイッチング回路41は、整流回路またはDC/ACインバータ回路として機能するようになっている。なお、スイッチング素子Q5〜Q8も、例えばバイポーラトランジスタ、IGBTまたはMOS−FETなどにより構成されるが、スイッチング素子Q5〜Q8がそれぞれMOS−FETにより構成されて寄生ダイオード成分を持つ場合には、ダイオードD5〜D8の代わりにこれらの寄生ダイオード成分を利用するようにしてもよい。
SW駆動回路491は、後述する制御部6による制御によってスイッチング制御信号S5〜S8を生成し、これによりスイッチング回路41内のスイッチング素子Q5〜Q8のスイッチング動作をそれぞれ制御するものである。具体的には、詳細は後述するが、スイッチング回路41が前述の整流動作やDC/AC変換動作を行うように制御するようになっている。
電圧検出部42は、スイッチング回路41と後述するPFC回路43との間に配置されており、コンデンサC3の両端間の電圧V3を検出すると共に、検出した電圧V3に対応する電圧を制御部6へ出力するものである。なお、この電圧検出部42の具体的な回路構成としては、電圧検出部13と同様に、例えば、接続ラインLH4,LL4間に配置された分圧抵抗(図示せず)によって電圧V3を検出すると共にこれに応じた電圧を生成するものなどが挙げられる。
PFC回路43は、インダクタ43Lと、ダイオード43Dと、スイッチング素子Q9と、コンデンサC3とを有している。インダクタ43Lの一端はダイオード43Dのアノードおよびスイッチング素子Q9の一端に接続され、スイッチング素子Q9の他端は低圧ラインLL4に接続され、コンデンサC3は、高圧ラインLH4(ダイオード43Dと電圧検出部42との間の部分)と低圧ラインLL4(スイッチング素子Q9の他端と電圧検出部42との間の部分)との間に配置されている。また、スイッチング素子Q9は、例えばIGBTやMOS−FETなどにより構成される。このような構成によりPFC回路43では、詳細は後述するが、PFC回路43への入力電圧V43を昇圧すると共に安定化させ、力率を改善するようになっている。なお、このPFC回路43の代わりに平滑コンデンサとして機能するコンデンサC3だけを設けるようにしてもよいが、本実施の形態のPFC回路43を設けた場合、入力周波数の全域でスイッチング素子Q9のスイッチング動作を行うことができるため、ピーク電流が少なくなり、同容量の平滑コンデンサと比べてリップル電圧が小さくなるので好ましい。
SW駆動回路492は、制御部6による制御によってスイッチング制御信号S9を生成し、これによりPFC回路43内のスイッチング素子Q9のスイッチング動作(PFC動作)を制御するものである。
整流回路44は、PFC回路43とリレー部45との間に配置されており、ダイオード44D1〜44D4によるブリッジ回路を構成している。具体的には、ダイオード44D1のアノードおよびダイオード44D2のカソードが互いに接続ラインL42を介して入力端子T6に接続され、ダイオード44D3のアノードおよびダイオード44D4のカソードが互いに接続ラインL41を介して入力端子T5に接続されている。また、ダイオード44D1のカソードおよびダイオードD44D3のカソードが互いに高圧ラインLH4の一端(PFC回路43内のインダクタ43Lの一端)に接続され、ダイオード44D2のアノードおよびダイオード44D4のアノードが互いに低圧ラインLL4の一端に接続されている。なお、入端子T5,T6間には商用電源40が接続され、交流入力電圧Vacin(いわゆる商用電圧)が入力されるようになっている。
リレー部45は、整流回路44と後述する電圧検出部46との間に配置されており、一対のリレー451,452を有している。具体的には、リレー451は接続ラインL41上に挿入配置されており、リレー452は接続ラインL42上に挿入配置されている。なお、これらリレー451,452には、それぞれ、制御部6からのスイッチング制御信号S14,S15が供給され、これにより商用電源40を用いて、本来の充電によって主バッテリ10を充電することも可能となる。
電圧検出部46は、リレー部45と入力端子T5,T6との間に配置されており、これら入力端子T5,T6間の交流電圧(具体的には、交流入力電圧Vacin)を検出すると共に、検出した交流入力電圧Vacinに対応する電圧を差動アンプ47へ出力するものである。なお、この電圧検出部46の具体的な回路構成としては、電圧検出部13,42と同様に、接続ラインL41と接続ラインL42との間に配置された分圧抵抗(図示せず)によって、交流入力電圧Vacoutを検出すると共にこれに応じた電圧を生成するものなどが挙げられる。
アイソレーションアンプ53は、電圧検出部13により検出された直流電圧V1に対応する電圧を、トランス2における巻線21側と巻線22側との間で電気的に絶縁しつつ増幅し、その増幅した電圧を制御部6へと出力するものである。
差動アンプ47は、電圧検出部46により検出された交流入力電圧Vacinを増幅し、その増幅した電圧を制御部6へと出力するものである。
トランス5は、主バッテリ10側(トランス2の巻線21側)に設けられた1つの巻線51と、入力端子T5,T6側(トランス2の巻線22側)に設けられた1つの巻線52とを有しており、各巻線51,52は互いに極性が同じ向きとなるように磁気結合されている。このトランス5は、制御部6によるSW駆動回路12の制御信号を、トランス2における巻線21側と巻線22側との間で電気的に絶縁しつつ、SW駆動回路12へと供給するためのものである。
制御部6は、電圧検出部13によって検出された直流電圧V1、電圧検出部42によって検出された直流電圧V3、電圧検出部46によって検出された交流入力電圧Vacinに基づいて、SW駆動回路12,491,492およびリレー部45をそれぞれ制御するものである。これにより、これらSW駆動回路12,491,492およびリレー部45からスイッチング制御信号S1〜S9,S14,S15が出力され、スイッチング回路11におけるスイッチング素子Q1〜Q4、スイッチング回路41におけるスイッチング素子Q5〜Q8、PFC回路43におけるスイッチング素子Q9およびリレー部45におけるリレー451、452のスイッチング動作が、それぞれ制御されるようになっている。
ここで、巻線21が本発明における「第1トランスコイル」の一具体例に対応し、巻線22が本発明における「第2トランスコイル」の一具体例に対応する。また、主バッテリ10が、本発明における「第1の直流電源」の一具体例に対応する。また、トランス2が本発明における「トランス」の一具体例に対応する。また、スイッチング回路11が本発明における「第1のスイッチング回路」の一具体例に対応し、スイッチング回路41が本発明における「第2のスイッチング回路」の一具体例に対応する。また、整流回路44が本発明における「第1の整流回路」の一具体例に対応し、制御部6およびSW駆動回路12,491,492が本発明における「制御部」の一具体例に対応する。また、コンデンサC3が、本発明における「平滑コンデンサ」の一具体例に対応する。また、電圧検出部42が本発明における「第1の検出部」の一具体例に対応し、電圧検出部13が本発明における「第2の検出部」の一具体例に対応し、電圧検出部46が本発明における「第3の検出部」の一具体例に対応する。また、入力端子T5,T6が、本発明における「交流電圧入力端子」の一具体例に対応する。
次に、以上のような構成のスイッチング電源装置の動作について詳細に説明する。
このスイッチング電源装置では、商用電源40から供給される交流入力電圧Vacinに基づき、リレー部45、整流回路44、PFC回路43、スイッチング回路41、トランス2およびスイッチング回路11により、以下説明するように、主バッテリ10に対する充電が行われる。
この際、何も考慮せずに、商用電源40がリレー部45を介して整流回路44およびPFC回路43に接続されると、例えば図2(A)(正の半波期間の状態)および図2(B)(負の半波期間の状態)に示した電流経路により、平滑コンデンサとして機能する比較的大容量のコンデンサC3に対して比較的大きな突入電流I101,I102が流れ込む場合があり、その場合には整流回路44内のダイオード44D1〜44D4等が破損するおそれが生じてしまう。また、そのような素子の破損等のおそれがあると、装置の信頼性も低下してしまうことになる。
ここで、従来のスイッチング電源装置では、そのような突入電流が流れる経路(例えば、図2における高圧ラインLH4、低圧ラインLL4または接続ラインL41,L42)上に、突入電流抑制用の抵抗器(図示せず;突入電流抑制用の専用部品)が配置されるようになっている。ところが、この手法では、平滑コンデンサ(例えば、図2におけるコンデンサC3)が充電されて突入電流が流れなくなったときに上記抵抗器をバイパスさせるためのスイッチ回路(突入電流抑制用の専用部品)が必要になったり、抵抗器自体が比較的大電流の突入電流によって焼き切れたりしないように定格の高いもの使用しなければならないなど、制限が生じてしまうと共に部材コストが高くなってしまう。
そこで、本実施の形態のスイッチング電源装置では、例えば図3に示したようにして、制御部6による充電の制御動作がなされるようになっている。具体的には、入力端子T5,T6から入力される交流入力電圧Vacinに基づいて主バッテリ10を充電する際に、この交流入力電圧Vacinに基づいて主バッテリ10に対する本来の充電が行われる前に、コンデンサC3における充電量に応じて主バッテリ10からコンデンサC3に対して以下説明する所定の予備充電がなされるよう、スイッチング回路11,41、PFC回路43およびリレー部45の動作が制御される。
以下、図1に加えて図3〜図8を参照して、この制御部6による充電の制御動作について詳細に説明する。
ここで、図4は、本実施の形態に係る予備充電動作について説明するための回路図である。また、図5は、この予備充電動作の一例をタイミング波形図で表したものであり、(A)はスイッチング制御信号S1,S4を、(B)はスイッチング制御信号S2,S3を、(C)はトランス2の巻線22の両端間に生じる電圧V22を、(D)はスイッチング制御信号S5,S8を、(E)はスイッチング制御信号S6,S7を、(F)はコンデンサC3の両端間の電圧V3を表している。また、図6は、本実施の形態に係る本来の充電動作について説明するための回路図である。また、図7および図8は、この本来の充電動作の一例をタイミング波形図で表したものである。具体的には、図7は、交流入力電圧Vacinに基づいてコンデンサC3の両端間の電圧V3を生成するまでの動作波形を表しており、(A)は交流入力電圧Vacinを、(B)はPFC回路43への入力電圧(ダイオード44D1〜44D4によるブリッジ回路からの出力電圧)V43を、(C)はスイッチング制御信号S9を、(D)はインダクタL43を流れる電流I43Lを、(E)はコンデンサC3の両端間の電圧V3を、それぞれ表している。また、図8は、電圧V3に基づいてコンデンサC1に充電(主バッテリ10を充電)するまでの動作波形を表しており、(A)はスイッチング制御信号S5,S8を、(B)はスイッチング制御信号S6,S7を、(C)はトランス2の巻線21の両端間に生じる電圧V21を、(D)はスイッチング制御信号S1,S4を、(E)はスイッチング制御信号S2,S3を、(F)はコンデンサC1の両端間の電圧V1を、それぞれ表している。なお、電圧V1,V21,V22,V3,V43,Vacinおよび電流I43Lについては、図1に示した矢印の方向が正方向を表している。
まず、制御部6は、例えば図1に示したように、リレー451,452がオフ状態となるように、スイッチング制御信号S14,S15によってリレー部45を制御する(図3のステップS101)。
次に、制御部6は、入力端子T5,T6間に交流入力電圧Vacinが入力されているか否か、すなわち商用電源40が入力端子T5,T6に接続されているか否かを、電圧検出部46による検出電圧に基づいて判断する(ステップS102)。具体的には、この検出電圧に基づいて商用電源40が入力端子T5,T6に接続されていると判断した場合(ステップS102:Y)には、次のステップS104へと進む。一方、商用電源40が入力端子T5,T6に接続されていないと判断した場合(ステップS102:N)には、これ以降の予備充電および本来の充電を行わないと判断し、AC未接続フラグを発生させ(ステップS103)、全体の処理が終了となる。
次に、制御部6は、コンデンサC3における充電量を考慮して、後述するステップS107における予備充電を行うか否かを判断する。具体的には、電圧検出部42により検出された直流電圧V3が、所定の閾値電圧Vth3(第1の閾値の一具体例)以上の値であるか否かを判断する(ステップS104)。そして直流電圧V3が閾値電圧Vth3以上であると判断した場合(ステップS104:Y)には、過大な突入電流が流れるおそれはないために予備充電を行う必要がないと判断し、後述するステップS109へと進む。一方、直流電圧V3が閾値電圧Vth3未満であると判断した場合(ステップS104:N)には、過大な投入電流が流れるおそれがあるために予備充電を行う必要があると判断し、次のステップS105へと進む。
次に、制御部6は、主バッテリ10おける充電量を考慮して、次のステップS107における予備充電を行うか否かを判断する。具体的には、電圧検出部13により検出された直流電圧V1が、所定の閾値電圧Vth1(第2の閾値の一具体例)以上の値であるか否かを判断する(ステップS105)。そして直流電圧V1が閾値電圧Vth1未満であると判断した場合(ステップS105:N)には、そのまま予備充電を行うと主バッテリ10が過放電状態となってしまうおそれがあるために予備充電を行わないと判断し、主バッテリ過放電フラグを発生させ(ステップS106)、全体の処理が終了となる。一方、直流電圧V1が閾値電圧Vth1以上であると判断した場合(ステップS105:Y)には、主バッテリ10が過放電状態となってしまうおそれはないために予備充電を行うと判断し、次のステップS107へと進む。
次に、制御部6は、主バッテリ10からコンデンサC3に対して所定の予備充電が行われるよう、スイッチング回路11,41の動作を制御する(ステップS107)。具体的には、例えば図4に示したエネルギー伝送経路71および図5に示したようにして、予備充電がなされる。
まず、主バッテリ10から入出力端子T1,T2を介して直流入力電圧Vdcinが入力すると、図5中のタイミングt1〜t8で示したように、スイッチング制御信号S1〜S4(図5(A),(B))に基づきスイッチング回路11において交流のパルス電圧が生成され、トランス2の巻線21に供給される。このとき、トランス2の巻線22からは、変圧された交流のパルス電圧V22が取り出される(図5(C))。なお、この場合の変圧の度合いは、巻線21と巻線22との巻数比によって定まる。
次に、変圧された交流のパルス電圧は、整流回路として機能するスイッチング回路41内のダイオードD5〜D8によって整流される。これにより、高圧ラインLH4と低圧ラインLL4との間(コンデンサC3の両端間)に、例えば図5(F)に示したような整流出力(直流電圧V3)が発生する。なお、スイッチング制御信号S5〜S8(図5(D),(E))に基づいてスイッチング素子Q5〜Q8がPWM動作を行い、スイッチング回路41において同期整流動作がなされているのは、スイッチング素子Q5〜Q8でのスイッチング損失を低減するためである。
このようにして、主バッテリ10から直流入力電圧Vdcinが供給されることにより、この直流入力電圧Vdcinに基づいて、スイッチング回路11、SW駆動回路12、トランス2の巻線21,22A,22B、スイッチング回路41およびコンデンサC3からなるDC/DCコンバータによって直流電圧V3が生成され、コンデンサC3に対する予備充電がなされる。
図3に戻り、次に制御部6は、コンデンサC3における充電量を考慮して、ステップS107における予備充電を継続させるか否かを逐次判断する。具体的には、電圧検出部42により検出された直流電圧V3が、前述の閾値電圧Vth3以上の値であるか否かを再度判断する(ステップS108)。そして直流電圧V3が閾値電圧Vth3以上であると判断した場合(ステップS108:Y)には、過大な突入電流が流れるおそれはないために予備充電を継続させる必要がないと判断し、後述するステップS109へと進む。一方、直流電圧V3が閾値電圧Vth3未満であると判断した場合(ステップS108:N)には、まだ過大な投入電流が流れるおそれがあるために予備充電を継続させる必要があると判断し、再度ステップS107へと進む。
次に、制御部6は、例えば図6に示したように、リレー451,452がオン状態となるように、スイッチング制御信号S14,S15によってリレー部45を制御する(ステップS109)。これにより、商用電源40が、リレー部45を介して整流回路44およびPFC回路43等へと接続される。
次に、制御部6は、商用電源40からコンデンサC3への充電動作がなされる(ステップS110)と共に、このコンデンサC3へ蓄積されたエネルギーによる主バッテリ10への本来の充電動作がなされる(ステップS111)よう、PFC回路43およびスイッチング回路11,41の動作を制御する。具体的には、例えば図6に示したエネルギー伝送経路72および図7,図8に示したようにして、本来の充電がなされる。
まず、商用電源40から入力端子T5,T6を介し、図7(A)で示したような交流入力電圧Vacin(商用電圧)が入力すると、この交流入力電圧Vacinがダイオード44D1〜44D4からなるブリッジ回路によって整流され、図7(B)に示したような電圧V43が生成され、PFC回路43へ入力する。このとき、スイッチング素子Q9は、図7(C)に示したようにオン・オフ動作を繰り返して(例えば、タイミングt11からt12,t13〜t14ではオン状態、タイミングt12からt13ではオフ状態)おり、これによりインダクタ43Lに流れる電流I43Lは、図7(D)に示したように三角波となり、かつその頂点の電圧の軌跡が符号G1で示したように、タイミングt11〜t16,t16〜t18,…をそれぞれ1周期とする半波の正弦波を示すようになる。なお、図7(D)に示した電流I43L(ave)は、電流I43Lの平均電流を表している。このようにしてPFC回路43の作用により、コンデンサC3の両端間の電圧V3は、図7(F)に示したように、値が一定の直流電圧となる。
次に、コンデンサC3の両端間に蓄積された電圧V3に基づいて、主バッテリ10に対する本来の充電がなされる。具体的には、スイッチング回路41がインバータ回路として機能し、スイッチング素子Q5〜Q8が、図8(A),(B)のタイミングt21〜t28等に示したようにオン・オフ動作することにより、トランス2の巻線22に交流のパルス電圧が生じる。そして巻線22と巻線21との巻数比に応じて、巻線21の両端間に図8(C)に示したような変圧された交流のパルス電圧V21が生じる。次に、スイッチング回路11が整流回路として機能し、スイッチング素子Q1〜Q4が図8(D),(E)に示したようにオン・オフ動作することにより、交流のパルス電圧V21が整流され、コンデンサC1の両端間に、図8(F)に示したような一定の直流電圧V1が印加される。これにより、この直流電圧V1に基づいて主バッテリ10への本来の充電がなされる。
このようにして、商用電源40から入力された交流入力電圧Vacin(商用電圧)に基づいて主バッテリ10が充電され、制御部6による充電の制御動作が終了となる。
以上のように本実施の形態では、入力端子T5,T6から入力される交流入力電圧Vacinに基づいて主バッテリ10を充電する際に、この交流入力電圧Vacinに基づいて主バッテリ10に対する本来の充電を行う前に、コンデンサC3における充電量に応じて主バッテリ10からコンデンサC3に対して所定の予備充電を行うように、スイッチング回路11,41等の動作を制御するようにしたので、従来のように突入電流抑制用の専用部品を別途設けることなく、主バッテリ10に対する本来の充電の際に、交流入力電圧Vacinに起因してコンデンサC3へ流れる突入電流の発生を抑えることができる。よって、比較的簡易な構成で装置の信頼性を向上させることが可能となる。
また、コンデンサC3における充電量(直流電圧V3)を検出する電圧検出部42を設けると共に、この電圧検出部42によって検出されたコンデンサC3における充電量に応じて、予備充電および本来の充電を行うようにしたので、コンデンサC3における充電量を考慮した予備充電が可能となり、効率的な充電動作を行うことが可能となる。
具体的には、コンデンサC3における充電量(直流電圧V3)が所定の閾値電圧Vth3未満のときには予備充電を行うようにすると共に、コンデンサC3における充電量(直流電圧V3)が閾値電圧Vth3以上のときには本来の充電を行うようにしたので、必要なとき(コンデンサC3における充電量が少ないとき)にのみ予備充電がなされるようになり、突入電流の発生を抑えつつ効率的な充電動作を行うことが可能となる。
また、主バッテリ10における充電量(直流電圧V1)を検出する電圧検出部13を設けると共に、この電圧検出部13によって検出された主バッテリ10における充電量(直流電圧V1)に応じて予備充電を行うようにしたので、主バッテリ10における充電量を考慮した予備充電が可能となり、主バッテリ10における過放電を回避しつつ、突入電流の発生を抑制することが可能となる。
具体的には、主バッテリ10における充電量(直流電圧V1)が所定の閾値電圧Vth1未満のときには予備充電を行わないようにすると共に、主バッテリ10における充電量(直流電圧V1)が閾値電圧Vth1以上のときには予備充電を行うようにしたので、予備充電が主バッテリ10における許容量以上になされることを回避することができ、主バッテリ10における過放電を回避しつつ、突入電流の発生を抑制することが可能となる。
さらに、入力端子T5,T6からの交流入力電圧Vacinの供給の有無を検出する電圧検出部46を設けると共に、この電圧検出部36による検出結果に基づいて交流入力電圧Vacinが供給されていると判断した場合に、予備充電および本来の充電を行うようにしたので、入力端子T5,T6に商用電源40が接続されていない場合等における誤動作(充電動作の失敗)を回避することが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図9は、本実施の形態に係るスイッチング電源装置の回路構成を表すものである。この図において、図1に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。本実施の形態のスイッチング電源装置は、第1の実施の形態のスイッチング電源装置において、トランス2の代わりにトランス2において他方側に巻線23(一対の巻線23A,23Bからなる)を追加したトランス2Aを設けると共に、このトランス2Aと補機バッテリ30との間に、整流回路31、平滑回路32および電圧検出部33を設けるようにしたものである。
トランス2Aの巻線23A,23Bの両端は、それぞれ整流回路31に接続されている。
整流回路31は、2つのダイオード31D1,31D2を有している。ダイオード31D1のアノードは巻線23Aの一端に接続され、ダイオード31D2のアノードは巻線23Bの一端に接続され、ダイオード31D1,31D2のカソード同士は互いに高圧ラインLH3に共通接続されている。また、巻線23A,23Bの他端は互いに共通接続され、低圧ラインLL3に接続されている。すなわち、この整流回路31はカソードコモン型の整流回路である。
平滑回路32は、インダクタ32Lと、コンデンサ32Cとを有している。インダクタ32Lは高圧ラインLH3上に挿入配置され、一端はダイオード31D1,31D2のカソードに接続されると共に他端は電圧検出部33を介して出力端子T3に接続されている。また、コンデンサ32Cは、高圧ラインLH3(インダクタ32Lの他端部分)と低圧ラインLL3との間に配置され、この低圧ラインLL3の他端は出力端子T4に接続されている。なお、出力端子T3,T4間には図示しない補機(例えば、パワーウィンドウなど)を駆動するための補機バッテリ30が接続され、直流出力電圧Vdcout2(例えば、14V程度)が供給されるようになっている。
電圧検出部33は、出力端子T3,T4間に供給される直流出力電圧Vdcout2を検出すると共に、検出した直流出力電圧Vdcout2に対応する電圧を制御部6へ出力するものである。なお、この電圧検出部33の具体的な回路構成としては、例えば、高圧ラインLH3と低圧ラインLL3との間に配置された分圧抵抗(図示せず)によって、直流出力電圧Vdcout2を検出すると共にこれに応じた電圧を生成するものなどが挙げられる。
ここで、トランス2Aが、本発明における「トランス」の一具体例に対応する。また、巻線23(23A,23B)が、本発明における「第3トランスコイル」の一具体例に対応する。また、補機バッテリ30が、本発明における「第2の直流電源」の一具体例に対応する。また、整流回路31が、本発明における「第2の整流回路」の一具体例に対応する。
本実施の形態のスイッチング電源装置においても、第1の実施の形態と同様にして、制御部6による充電の制御動作がなされる。すなわち、入力端子T5,T6から入力される交流入力電圧Vacinに基づいて主バッテリ10を充電する際に、この交流入力電圧Vacinに基づいて主バッテリ10に対する本来の充電が行われる前に、コンデンサC3における充電量に応じて主バッテリ10からコンデンサC3に対して所定の予備充電がなされるよう、スイッチング回路11,41、PFC回路43およびリレー部45の動作が制御される。
具体的には、例えば図10に示したエネルギー伝送経路71によって、第1の実施の形態と同様にして予備充電がなされると共に、この際、本実施の形態では、主バッテリ10から供給される直流入力電圧Vdcinに基づき、図中のエネルギー伝送経路73によって、補機バッテリ30が充電される。
以下、このエネルギー伝送経路73による補機バッテリ30の充電について説明する。まず、主バッテリ10から入出力端子T1,T2を介して直流入力電圧Vdcinが入力すると、スイッチング回路11がDC/ACインバータ回路として機能し、直流入力電圧Vdcinをスイッチングすることにより交流のパルス電圧が生成され、トランス2Aの巻線21に供給される。そしてトランス2Aの巻線23A,23Bからは、変圧(ここでは、降圧)された交流のパルス電圧が取り出される。なお、この場合の変圧の度合いは、巻線21と巻線23A,23Bとの巻数比によって定まる。
次に、変圧された交流のパルス電圧は、整流回路31内のダイオード31D1,31D2によって整流される。これにより、高圧ラインLH3と低圧ラインLL3との間に、整流出力が発生する。
次に、平滑回路32では、高圧ラインLH3と低圧ラインLL3との間に生じた整流出力が平滑化され、これにより出力端子T3,T4から直流出力電圧Vdcout2が出力される。そしてこの直流出力電圧Vdcout2が補機バッテリ30に供給されると共に、図示しない補機が駆動される。この際、この直流出力電圧Vdcout2は電圧検出部33によって検出され、検出された直流出力電圧Vdcout2に基づいて制御部6およびSW駆動回路12からスイッチング回路11へスイッチング制御信号S1〜S4が出力されることにより、スイッチング回路11がDC/AC変換動作を行うと共に直流出力電圧Vdcoutが一定となるように、スイッチング回路11内のスイッチング素子Q1〜Q4がPWM(Pulse Width Modulation)制御される。
このようにして、DC/DCコンバータとして機能するスイッチング回路11、トランス2の巻線21,23A,23B、整流回路31および平滑回路32によって、主バッテリ10から供給される直流入力電圧Vdcinが直流出力電圧Vdcout2に直流電圧変換され、出力端子T3、T4から出力される。これにより、補機バッテリ30が定電圧充電されると共に、図示しない補機が駆動される。
また、本実施の形態では、例えば図11に示したエネルギー伝送経路72によって、第1の実施の形態と同様にして本来の充電がなされると共に、この際、商用電源40から供給される交流入力電圧Vacinに基づき、図中のエネルギー伝送経路74によって、補機バッテリ30が充電される。
以下、このエネルギー伝送経路74による補機バッテリ30の充電について説明する。まず、第1の実施の形態で説明したように、本来の充電の際にトランス2Aの巻線22に交流のパルス電圧が生じると、トランス2Aの巻線23A,23Bにも、巻線22と巻線23A,23Bとの巻数比によって定まる変圧された交流のパルス電圧が取り出される。したがって、この変圧された交流のパルス電圧が整流回路31で整流され、平滑回路32で平滑化されることにより、補機バッテリ30にも一定の電圧(直流出力電圧Vdcout2)による充電がなされる。なお、この直流出力電圧Vdcout2は電圧検出部33によって検出され、検出された直流出力電圧Vdcout2に基づいて、制御部6およびSW駆動回路12からスイッチング回路41へスイッチング制御信号S5〜S8が出力されることにより、スイッチング回路41がDC/AC変換動作を行うと共に直流出力電圧Vdcout1,Vdcout2がそれぞれ一定となるように、スイッチング回路41内のスイッチング素子Q5〜Q8がPWM制御される。
以上のように本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、従来のように突入電流抑制用の専用部品を別途設けることなく、主バッテリ10に対する本来の充電の際に、交流入力電圧Vacinに起因してコンデンサC3へ流れる突入電流の発生を抑えることができる。よって、比較的簡易な構成で装置の信頼性を向上させることが可能となる。
また、トランス2Aが、巻線21,22と互いに磁気的に結合された巻線23A,23Bを有すると共に、この巻線23A,23Bと補機バッテリ30との間に整流回路31をさらに設けるようにしたので、主バッテリ10からの直流入力電圧Vdcinに基づいて、コンデンサC3への予備充電動作に加えて補機バッテリ30への充電動作を行うことが可能となると共に、入力端子T5,T6からの交流入力電圧Vacinに基づく直流出力電圧Vdcout1,Vdcout2により、主バッテリ10および補機バッテリ30のうちの少なくとも一方に対して充電動作を行うことが可能となる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図12は、本実施の形態に係るスイッチング電源装置の回路構成を表すものである。この図において、図1に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。本実施の形態のスイッチング電源装置は、第1の実施の形態のスイッチング電源装置において、整流回路44、PFC回路43およびSW駆動回路492の代わりにスイッチング回路481、平滑回路482およびSW駆動回路493をそれぞれ設けると共に、入力端子T5,T6と並列に(具体的には、図中の接続点P1,P2に接続されている)、交流出力電圧Vacoutを出力するための出力端子T7,T8を設けるようにしたものである。
スイッチング回路481は、4つのスイッチング素子Q10〜Q13と、4つのダイオードD10〜D13とを有するフルブリッジ型のスイッチング回路である。具体的には、スイッチング素子Q10の一端は高圧ラインLH4に接続され、他端はスイッチング素子Q11の一端および後述する平滑回路482内のインダクタ482L1の一端に接続されている。スイッチング素子Q12の一端は高圧ラインLH4に接続され、他端はスイッチング素子Q13の一端および後述する平滑回路482内のインダクタ482L2の一端に接続されている。スイッチング素子Q11の他端およびスイッチング素子Q13の他端はそれぞれ、低圧ラインLL4に接続されている。また、ダイオードD10〜D13はそれぞれ、スイッチング素子Q10〜Q13の両端間において逆方向に並列接続されている(高圧ラインLH4側に各ダイオードのカソードが接続され、低圧ラインLL4側に各ダイオードのアノードが接続されている)。すなわち、1つのスイッチング素子と1つのダイオードとにより1つの双方向スイッチを構成し、これによりスイッチング回路481も双方向スイッチング回路として機能するようになっている。具体的には、詳細は後述するが、このスイッチング回路481は、DC/ACインバータ回路または交流/直流変換(交流から直流への変換)を行うAC/DCコンバータ回路として機能するようになっている。なお、スイッチング素子Q10〜Q13も、例えばバイポーラトランジスタ、IGBTまたはMOS−FETなどにより構成されるが、スイッチング素子Q10〜Q13がそれぞれMOS−FETにより構成されて寄生ダイオード成分を持つ場合には、ダイオードD10〜D13の代わりにこれらの寄生ダイオード成分を利用するようにしてもよい。
なお、このスイッチング回路481は、AC/DCインバータ回路として機能しているときに、力率改善動作を行うPFC(Power Factor Correction;力率改善)回路としても機能するようになっている。これにより、PFC回路としてのスイッチング回路481への入力電圧を昇圧すると共に安定化させ、力率を改善できるようになっている。
SW駆動回路493は、制御部6による制御によってスイッチング制御信号S10〜S13を生成し、これによりスイッチング回路481内のスイッチング素子Q10〜Q13のスイッチング動作をそれぞれ制御するものである。具体的には、詳細は後述するが、スイッチング回路481が前述のDC/AC変換動作、AC/DC変換動作およびPFC動作を行うように制御するようになっている。
平滑回路482は、2つのインダクタ482L1,482L2と、コンデンサ482Cとを有している。インダクタ482L1は接続ラインL41上に挿入配置され、一端はスイッチング素子Q10の他端およびスイッチング素子Q11の一端に接続されると共に、他端はリレー部45および電圧検出部46を介して入力端子T5に接続されている。インダクタ482L2は接続ラインL42上に挿入配置され、一端はスイッチング素子Q12の他端およびスイッチング素子Q13の一端に接続されると共に、他端はリレー部45および電圧検出部46を介して入力端子T6に接続されている。また、コンデンサ482Cは、接続ラインL41(インダクタ482L1の他端部分)と接続ラインL42(インダクタ482L2の他端部分)との間に配置されている。
ここで、スイッチング回路481が本発明における「第3のスイッチング回路」の一具体例に対応し、制御部6およびSW駆動回路12,491,493が本発明における「制御部」の一具体例に対応する。また、入力端子T5,T6および出力端子T7,T8が、本発明における「交流電圧入出力端子」の一具体例に対応する。
本実施の形態のスイッチング電源装置においても、第1および第2の実施の形態と同様にして、制御部6による充電の制御動作がなされる。すなわち、入力端子T5,T6から入力される交流入力電圧Vacinに基づいて主バッテリ10を充電する際に、この交流入力電圧Vacinに基づいて主バッテリ10に対する本来の充電が行われる前に、コンデンサC3における充電量に応じて主バッテリ10からコンデンサC3に対して所定の予備充電がなされるよう、スイッチング回路11,41,481およびリレー部45の動作が制御される。
具体的には、例えば図13に示したエネルギー伝送経路71によって、図14および図15に示したようにして、第1の実施の形態と同様にして予備充電がなされると共に、この際、本実施の形態では、主バッテリ10から供給される直流入力電圧Vdcinに基づき、図中のエネルギー伝送経路75によって、交流出力電圧Vacoutが生成される。なお、図14は、コンデンサC3の両端間の直流電圧V3に基づいて、交流出力電圧Vacoutを生成・出力する動作の一例をタイミング波形図で表したものであり、(A)はコンデンサC3の両端間の電圧V3を、(B)〜(E)はそれぞれスイッチング制御信号S10〜S13を、(F)は交流出力電圧Vacoutを表している。なお、電圧V3,Vacoutについては、図12に示した矢印の方向が正方向を表している。
以下、この直流電圧V3に基づく交流出力電圧Vacoutの生成動作について説明する。まず、スイッチング回路481がDC/ACインバータとして機能し、SW駆動回路493からのスイッチング制御信号S10〜S13(図14(B)〜(E)参照)に従って、スイッチング素子Q10〜Q13が電圧V3をスイッチングする。
具体的には、例えばまずタイミングt31〜t32の期間(正の半波期間Δ75A)では、スイッチング制御信号S13が常時「H」となって(図14(E))スイッチング素子Q13が常時オン状態となる共に、スイッチング制御信号S12が常時「L」となって(図14(D))スイッチング素子Q12が常時オフ状態となる。すると、この期間におけるスイッチング回路481および平滑回路482の部分の等価回路は、図15(A)に示したようになる。ここで、この期間では、スイッチング制御信号S10が、図14(B)に示したように、タイミングt31〜t32の前半部分でパルス幅が徐々に大きくなっていくと共に、タイミングt31〜t32の後半部分でパルス幅が徐々に小さくなっていく。また、図14(C)に示したように、スイッチング制御信号S11は常時「L」となる。すなわち、この期間では、スイッチング素子Q11が常時オフ状態となってダイオードD11が導通すると共に、スイッチング素子Q10がPWM制御によるオン・オフ状態となる。したがって、この正の半波期間Δ75Aでは、図15(A)に示したエネルギー経路75Aにおいて、スイッチング素子Q10〜Q13による上記スイッチング動作および平滑回路482による平滑化処理により、出力端子T7,T8から出力される交流出力電圧Vacoutは、図14(F)に示したように、上に凸の正弦波形となる。なお、この正の半波期間Δ75Aにおいて、スイッチング素子Q11が常時オン状態となって同期整流動作を行うようにしてもよい。そのようにした場合、スイッチング素子Q11でのスイッチング損失が低減するので好ましい。
次に、タイミングt32〜t33の期間は、スイッチング素子Q10〜Q13がいずれもオフ状態となる(図14(B)〜(E))デッドタイムTdである。
次に、タイミングt33〜t34の期間(負の半波期間Δ75B)では、スイッチング制御信号S11が常時「H」となって(図14(C))スイッチング素子Q11が常時オン状態となる共に、スイッチング制御信号S10が常時「L」となって(図14(B))スイッチング素子Q10が常時オフ状態となる。すると、この期間におけるスイッチング回路481および平滑回路482の部分の等価回路は、図15(B)に示したように、平滑回路482の部分において図15(A)に示したものと上下逆の構成となる。ここで、この期間では、スイッチング制御信号S12が、図14(D)に示したように、タイミングt33〜t34の前半部分でパルス幅が徐々に大きくなっていくと共に、タイミングt33〜t34の後半部分でパルス幅が徐々に小さくなっていく。また、図14(E)に示したように、スイッチング制御信号S13は常時「L」となる。すなわち、この期間では、スイッチング素子Q13が常時オフ状態となってダイオードD13が導通すると共に、スイッチング素子Q12がPWM制御によるオン・オフ状態となる。したがって、この負の半波期間Δ75Bでは、図15(B)に示したエネルギー経路75Bにおいて、スイッチング素子Q10〜Q13による上記スイッチング動作および平滑回路482による平滑化処理により、出力端子T7,T8から出力される交流出力電圧Vacoutは、図14(F)に示したように、下に凸の正弦波形となる。なお、この負の半波期間Δ75Bにおいても、スイッチング素子Q13が常時オン状態となって同期整流動作を行うようにしてもよい。そのようにした場合、スイッチング素子Q13でのスイッチング損失が低減するので好ましい。
次に、この後のタイミングt34〜t35の期間は、やはりスイッチング素子Q10〜Q13がいずれもオフ状態となる(図14(B)〜(E))デッドタイムTdである。また、タイミングt35の動作状態はタイミングt31の動作状態と等価であり、その後はタイミングt31〜t35の動作を繰り返すこととなる。なお、出力端子T7,T8から出力される交流出力電圧Vacoutは、電圧検出部46によって検出され、検出された交流出力電圧Vacoutに基づいてSW駆動回路493からスイッチング回路481へスイッチング制御信号S10〜S13が出力されることにより、スイッチング回路481がDC/AC変換動作を行うと共に交流出力電圧Vacoutが安定化するように、スイッチング回路481内のスイッチング素子Q10〜Q13のパルス幅が制御される。また、出力端子T7,T8間に交流出力電圧Vacoutが供給されると、いわゆる商用電圧として、電気機器の電源電圧として機能するようになる。
また、本実施の形態では、例えば図16に示したエネルギー伝送経路76によって、例えば図17〜図19に示したようにして、本来の充電がなされる。なお、図17および図19は、この場合の動作波形をタイミング波形図で表したものである。具体的には、図17は、交流入力電圧Vacinに基づいてコンデンサC3の両端間の電圧V3を生成するまでの動作波形を表しており、(A)は交流入力電圧Vacinを、(B)〜(E)はそれぞれスイッチング制御信号S10〜S13を、(F)はコンデンサC3の両端間の電圧V3を、それぞれ表している。また、図19は、電圧V3に基づいてコンデンサC1に充電(主バッテリ10を充電)するまでの動作波形を表しており、(A)はスイッチング制御信号S5,S8を、(B)はスイッチング制御信号S6,S7を、(C)はトランス2の巻線21の両端間に生じる電圧V21を、(D)はスイッチング制御信号S1,S4を、(E)はスイッチング制御信号S2,S3を、(F)はコンデンサC1の両端間の電圧V1を、それぞれ表している。なお、交流入力電圧Vacin、電圧V3,V21,V1については、図12に示した矢印の方向が正方向を表している。
まず、商用電源40から入力端子T5,T6を介し、図17(A)で示したような交流入力電圧Vacin(商用電圧)が入力すると、平滑回路482においてノイズ成分が除去される平滑化処理がなされたのち、スイッチング回路481へ入力する。すると、スイッチング回路481が、インダクタ482L1,482L2のインダクタ成分を用いて昇圧型のAC/DCコンバータとして機能し、SW駆動回路493からのスイッチング制御信号S10〜S13(図17(B)〜(E))に従って、スイッチング素子Q10〜Q13が交流入力電圧Vacinをスイッチングする。なお、SW駆動回路491は、スイッチング回路481からの出力電圧に基づき制御される。
具体的には、例えばまずタイミングt41〜t42の期間(交流入力電圧Vacinが上に凸の正弦波形を示す正の半波期間Δ76A)では、スイッチング制御信号S13が常時「H」となって(図17(E))スイッチング素子Q13が常時オン状態となる共に、スイッチング制御信号S12が常時「L」となって(図17(D))スイッチング素子Q12が常時オフ状態となる。すると、この期間におけるスイッチング回路481および平滑回路482の部分の等価回路は、図18(A)に示したようになる。ここで、この期間では、スイッチング制御信号S11が、図17(C)に示したように、タイミングt41〜t42の前半部分でパルス幅が徐々に小さくなっていくと共に、タイミングt41〜t42の後半部分でパルス幅が徐々に大きくなっていく。また、図17(B)に示したように、スイッチング制御信号S10は常時「L」となる。すなわち、この期間では、スイッチング素子Q10が常時オフ状態となってダイオードD12が導通すると共に、スイッチング素子Q11がPWM制御によるオン・オフ状態となる。したがって、この正の半波期間Δ76Aでは、平滑回路482による平滑化処理(図18(A)に示したエネルギー経路76A)において、平滑回路482による平滑化処理およびスイッチング素子Q10〜Q13による上記スイッチング動作により、コンデンサC3の両端間の電圧V3は、図17(F)に示したように、値が一定の直流電圧となる。なお、この正の半波期間Δ76Aにおいて、スイッチング素子Q10がスイッチング素子Q11と逆位相状態となって同期整流動作を行うようにしてもよい。そのようにした場合、ダイオードD10でのスイッチング損失および導通損が低減するので好ましい。
次に、タイミングt42〜t43の期間(交流入力電圧Vacinが下に凸の正弦波形を示す負の半波期間Δ76B)では、スイッチング制御信号S11が常時「H」となって(図17(C))スイッチング素子Q11が常時オン状態となる共に、スイッチング制御信号S10が常時「L」となって(図17(B))スイッチング素子Q10が常時オフ状態となる。すると、この期間におけるスイッチング回路481および平滑回路482の部分の等価回路は、図18(B)に示したように、平滑回路482の部分において図18(A)に示したものと上下逆の構成となる。ここで、この期間では、スイッチング制御信号S11が、図17(E)に示したように、タイミングt42〜t43の前半部分でパルス幅が徐々に小さくなっていくと共に、タイミングt42〜t43の後半部分でパルス幅が徐々に大きくなっていく。また、図17(D)に示したように、スイッチング制御信号S12は常時「L」となる。すなわち、この期間では、スイッチング素子Q12が常時オフ状態となってダイオードD12が導通すると共に、スイッチング素子Q13がPWM制御によるオン・オフ状態となる。したがって、この負の半波期間Δ76Bでは、図18(B)に示したエネルギー経路76Bにおいて、平滑回路482による平滑化処理およびスイッチング素子Q10〜Q13による上記スイッチング動作により、コンデンサC3の両端間の電圧V3は、図17(F)に示したように、値が一定の直流電圧となる。なお、この負の半波期間Δ76Bにおいても、スイッチング素子Q12がスイッチング素子Q13と逆位相状態となって同期整流動作を行うようにしてもよい。そのようにした場合、ダイオードD12でのスイッチング損失および導通損が低減するので好ましい。
なお、このときスイッチング回路481および平滑回路482では、上記したようなAC/DC変換動作を行うためのコンデンサインプット型の整流器と比べ、力率が改善されるようになっている。これにより、ピーク電流が少なくなり、同容量の平滑コンデンサと比べてリップル電圧が小さくなるようになっている。
次に、コンデンサC3の両端間に蓄積された電圧V3に基づいて、エネルギー伝送経路76により、主バッテリ10に対する本来の充電がなされる。
具体的には、スイッチング回路41がDC/ACインバータ回路として機能し、スイッチング素子Q5〜Q8が、図19(A),(B)のタイミングt51〜t58等に示したようにオン・オフ動作することにより、トランス2の巻線22に交流のパルス電圧が生じる。そして巻線22と巻線21との巻数比に応じて、巻線21の両端間に、図19(C)に示したような変圧された交流のパルス電圧V21が生じる。次に、スイッチング回路11が整流回路として機能し、スイッチング素子Q1〜Q4が図19(D),(E)に示したようにオン・オフ動作することにより、交流のパルス電圧V21が整流され、コンデンサC1の両端間には図19(F)に示したような一定の直流電圧V1が印加される。このようにして、電圧V1に基づく直流出力電圧Vdcout1により、主バッテリ10への本来の充電がなされる。なお、スイッチング制御信号S1〜S4に基づいてスイッチング素子Q1〜Q4がPWM動作を行い、このPWMの動作はスイッチング回路41のPWMの動作と同期している。
以上のように本実施の形態においても、第1および第2の実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、従来のように突入電流抑制用の専用部品を別途設けることなく、主バッテリ10に対する本来の充電の際に、交流入力電圧Vacinに起因してコンデンサC3へ流れる突入電流の発生を抑えることができる。よって、比較的簡易な構成で装置の信頼性を向上させることが可能となる。
また、第1の実施の形態における整流回路44、PFC回路43およびSW駆動回路492の代わりにスイッチング回路481、平滑回路482およびSW駆動回路493をそれぞれ設けると共に、入力端子T5,T6と並列に出力端子T7,T8を設けるようにしたので、予備充電を行いつつ、出力端子T7,T8から交流出力電圧Vacoutを出力することが可能となる。
さらに、スイッチング回路481が力率改善動作をも行うようにしたので、交流入力電圧Vacinを電圧変換する際の力率を改善し、高調波成分を軽減することが可能となる。
なお、本実施の形態においても第2の実施の形態と同様に、例えば図20に示したように、トランス2の代わりにトランス2Aを設けると共に、このトランス2Aと補機バッテリ30との間に、整流回路31、平滑回路32および電圧検出部33を設けるようにしてもよい。このように構成した場合、例えば図21に示したように、エネルギー伝送経路71によって予備充電を行いつつ、エネルギー伝送経路73によって補機バッテリ30を充電すると共に、エネルギー伝送経路75によって交流出力電圧Vacoutを生成・出力することが可能となる。また、例えば図22に示したように、エネルギー伝送経路76によって主バッテリ10への本来の充電を行いつつ、エネルギー伝送経路77によって補機バッテリ30を充電することも可能となる。
[変形例1,2]
次に、上記第1〜第3の実施の形態に共通する本発明の変形例について説明する。具体的には、制御部6による充電の制御動作の変形例についていくつか説明する。
図23は、本発明の変形例1に係る制御部6による充電の制御動作を流れ図で表したものであり、図3に示したものの変形例に対応している。この変形例1に係る充電の制御動作では、制御部6が、電圧検出部46による複数回の検出結果(商用電源40が入力端子T5,T6に接続されているか否かの検出結果)を考慮して、予備充電および本来の充電を行うか否かを判断するようになっている。
具体的には、ステップS202において、変数k=0に初期設定したのち、制御部6は、電圧検出部46による検出電圧に基づき、交流入力電圧Vacinが入力されているか否か(商用電源40が入力端子T5,T6に接続されているか否か)を判断する(ステップS203)。そして交流入力電圧Vacinが入力されていると判断された場合(ステップS203:Y)には、次に変数k=k+1にインクリメントし(ステップS205)、この変数kが所定回数Nに達したか否かを判断する(ステップS206)。そしてk=Nになったときには(ステップS206:Y)、以降の予備充電動作および本来の充電動作へと進む一方、k<Nであるときには(ステップS206:N)、再びステップS203へと戻り、交流入力電圧Vacinが入力されているか否かを判断することになる。
なお、図23におけるステップS201〜S214のうちの他のステップについては、第1の実施の形態における図3のものと同様であるため、説明を省略する。
このようにして本変形例では、電圧検出部46による複数回の検出結果(商用電源40が入力端子T5,T6に接続されているか否かの検出結果)を考慮して、予備充電および本来の充電を行うか否かを判断するようにしたので、より確実に、誤動作(充電動作の失敗)を回避することが可能となる。
次に、図24は、本発明の変形例2に係る制御部6による充電の制御動作を流れ図で表したものであり、図3に示したものの変形例に対応している。この変形例2に係る充電の制御動作では、第1の実施の形態で説明した閾値電圧Vth3(コンデンサC3の充電量に対応する第1の閾値)が、主バッテリ10における充電量に応じて変化するように設定されている。
具体的には、まず、ステップS305において、主バッテリ10における充電量(直流電圧V1)と、2つの閾値電圧Vth11,Vth12(Vth11<Vth12)との大小が比較される。より具体的には、まず、直流電圧V1が閾値電圧Vth11未満であるとき(V1<Vth11)には、主バッテリ過放電フラグが発生する(ステップS306)。
また、直流電圧V1が、閾値電圧Vth11以上かつ閾値電圧Vth12未満であるとき(Vth11≦V1<Vth12)には、主バッテリ10からコンデンサC3への予備充電がなされる(ステップS307)と共に、このコンデンサC3への充電量(直流電圧V3)と閾値電圧Vth3aとの大小が比較される(ステップS308)。また、直流電圧V1が閾値電圧Vth12以上であるとき(Vth12≦V1)には、主バッテリ10からコンデンサC3への予備充電がなされる(ステップS309)と共に、このコンデンサC3への充電量(直流電圧V3)と閾値電圧Vth3bとの大小が比較される(ステップS310)。
ここで、主バッテリ10への充電量に応じて、例えば閾値電圧Vth3aと閾値電圧Vth3bとのように、閾値電圧Vth3が変化する(互いに異なる)ようになっている(ここでは、Vth3b>Vth3a)。
なお、図24におけるステップS301〜S313のうちの他のステップについては、第1の実施の形態における図3のものと同様であるため、説明を省略する。
このようにして本変形例では、閾値電圧Vth3(コンデンサC3の充電量に対応する第1の閾値)が、主バッテリ10における充電量に応じて変化するようにしたので、主バッテリ10における充電量を考慮した予備充電および本来の充電が可能となるため、主バッテリ10における過放電を回避しつつ、突入電流の発生を抑制することが可能となる。
以上、第1〜第3実施の形態およびそれらの変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態等では、スイッチング回路11,41,481がいずれもフルブリッジ型のスイッチング回路である場合について説明したが、スイッチング回路の構成はこれには限られず、例えばスイッチング回路11,481をハーフブリッジ型のスイッチング回路によって構成してもよい。
また、上記実施の形態等では、スイッチング回路41がPWM動作を行うと共にスイッチング回路11がスイッチング回路41と同期整流している場合について説明したが、例えば、交流入力電圧Vacinに基づいて直流出力電圧Vdcout1を生成・出力して主バッテリ10へ充電動作を行う際に、スイッチング回路41内のスイッチング素子Q5〜Q8が可変のパルス幅でスイッチング動作する一方、スイッチング回路11内のスイッチング素子Q1〜Q4が固定のパルス幅でスイッチング動作し、主バッテリ10への充電量を調整できるようにしてもよい。
10…主バッテリ、11,41,481…スイッチング回路、12,491,492,493…SW制御回路、13,33,42,46…電圧検出部、2,2A,5…トランス、21〜23,51,52…巻線、30…補機バッテリ、31,44…整流回路、32,482…平滑回路、40…商用電源(交流電源)、43…PFC回路、45…リレー部、451,452…リレー、47…差動アンプ、53…アイソレーションアンプ、6…制御部、71〜77,75A,75B,76A,76B…エネルギー伝送経路、T1,T2…入出力端子、T3,T4,T7,T8…出力端子、T5,T6…入力端子、Vdcin…直流入力電圧、Vdcout1,Vdcout2…直流出力電圧、Vacin…交流入力電圧、Vacout…交流出力電圧、Q1〜Q13…スイッチング素子、S1〜S15…スイッチング制御信号、C1,C3,32C,482C…コンデンサ、D1〜D8,D10〜D13,31D1,31D2,44D1〜44D4…ダイオード、32L,43L,482L1,482L2…インダクタ、LH1,LH3,LH4…高圧ライン、LL1,LL3,LL4…低圧ライン、L41,L42…接続ライン、V1,V21,V22,V3,V43…電圧、Vth11,Vth12,Vth3,Vth3a,Vth3b…閾値電圧、I43L…電流、Td…デッドタイム、t1〜t8,t11〜t18,t21〜t28,t31〜t35,t41〜t43,t51〜t58…タイミング、Δ75A,Δ76A…正の半波期間、Δ75B,Δ76B…負の半波期間。