JP2009224161A - リチウム電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体電解質を用いながらも、高容量で生産性に優れ、充放電に伴い性能の劣化し難いリチウム電池を提供する。
【解決手段】正極層13と、負極層14と、これら両層の間でリチウムイオンの伝導を媒介する硫化物固体電解質層(SE層15)とを備えるリチウム電池1である。この電池1は、正極層13とSE層15との間に、これら両層の界面近傍におけるリチウムイオンの偏りを緩衝する緩衝層16を備える。そして、正極層13の平均厚さを0.2〜20μm、緩衝層16の平均厚さを2〜40nm、負極層14の平均厚さを0.3〜8μmとする。好ましくは、正極層13の平均厚さを0.8〜1.5μm、緩衝層16の平均厚さを4〜8nm、負極層14の平均厚さを0.6〜1.0μmとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、硫化物固体電解質層を備えるリチウム電池に関するものである。
携帯機器といった比較的小型の電気機器の電源に、リチウムイオン二次電池(以下、単にリチウム電池と呼ぶ)が利用されている。リチウム電池は、正極層と負極層と、これらの層の間でリチウムイオンの伝導を媒介する電解質層とを備える。
近年、このリチウム電池として、正・負極間のリチウムの伝導に有機電解液を用いない全固体型リチウム電池が提案されている。全固体型リチウム電池は、電解質層として固体電解質層を使用しており、有機溶媒系の電解液を用いることに伴う問題、例えば、電解液の漏れによる安全性の問題、高温時に有機電解液がその沸点を超えて揮発することによる耐熱性の問題などを解消することができる。この固体電解質層には、リチウムイオン伝導性が高く、絶縁性に優れる硫化物系の物質が広く利用されている。
上述した利点を有する一方で、固体電解質層を用いた全固体型リチウム電池は、有機電解液を使用したリチウム電池と比較して、容量が低い(即ち、出力特性が悪い)という問題を有していた。このような問題点の原因は、リチウムイオンが、固体電解質層の硫化物イオンよりも正極層の酸化物イオンに引き寄せられ易いため、硫化物固体電解質層の正極層側領域に、リチウムイオンが欠乏した層(空乏層)が形成されるためである(非特許文献1を参照)。この空乏層は、リチウムイオンが欠乏しているために電気抵抗値が高く、電池の容量を低下させる。
このような問題点を解決する技術として、非特許文献1では、正極活物質粒子の表面にリチウムイオン伝導性の酸化物をコーティングしている。このコーティングにより、リチウムイオンの移動を抑制し、硫化物固体電解質層において空乏層が形成されることを抑制することで、リチウム電池の出力特性の向上を実現している。
Advanced Materials 2006.18,2226-2229
しかし、上記非特許文献1のリチウム電池は、生産性が悪いため、近年の携帯機器の発達に伴うリチウム電池の需要拡大に対して不利である。具体的には、この文献では、静電噴霧法により活物質粒子の表面にコーティングを形成しているが、この静電噴霧法によるコートは、技術的に難しく、また煩雑である。つまり、この文献に記載されるリチウム電池は、生産コストが高く、生産効率も悪いので、リチウム電池の需要拡大の要請に応えることが難しい。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、固体電解質を用いながらも、高容量で生産性に優れ、充放電に伴い性能の劣化し難いリチウム電池を提供することにある。
本発明リチウム電池は、正極層と、負極層と、これら両層の間でリチウムイオンの伝導を媒介する硫化物固体電解質層とを備える。この電池は、正極層と硫化物固体電解質層との間に、これら両層の界面近傍におけるリチウムイオンの偏りを緩衝する緩衝層を備える。そして、正極層の平均厚さを0.2〜20μm、緩衝層の平均厚さを2〜40nm、負極層の平均厚さを0.3〜8μmとしたことを特徴とする。なお、本発明における平均厚さは、各層における異なる3点以上の層厚さの平均とする。
正極層と硫化物固体電解質層との間に緩衝層を設けることにより、硫化物固体電解質層における空乏層の形成を抑制することができるので、有機電解液を使用した従来のリチウム電池に匹敵する容量を備えるリチウム電池とすることができる。また、正極層、緩衝層および負極層の厚さを規定することにより、リチウム電池の内部抵抗を大幅に低減することができ、その結果、放電特性に優れるリチウム電池とすることができる。
以下、本発明のリチウム電池の好ましい態様について説明する。
<緩衝層>
本発明のリチウム電池に備わる緩衝層としては、特に、LiNbO3を使用することが好ましい。緩衝層として、LiNbO3を使用するで、空乏層の形成を抑制しつつ、リチウム電池の容量を向上させることができる。ところで、緩衝層は、空乏層の形成を抑制し電池の性能を向上させることができる一方で、電池の内部抵抗を増加させる要素でもあるが、上記化合物はリチウムイオン伝導度に優れるので、電池の内部抵抗を大幅に増加させることがない。
<正極層>
本発明リチウム電池に備わる正極層としては、特にLiCoO2が好ましい。LiCoO2を含む正極層とすると、リチウム電池の性能を向上させることができる。
<負極層>
本発明リチウム電池に備わる負極層としては、特に、リチウム金属を使用することが好ましい。リチウム金属を負極層とすると、高い容量を確保しつつ、負極層の厚さを薄くできる。
<固体電解質層>
本発明リチウム電池に備わる固体電解質層としては、LiとPとを含有するものが好ましい。特に、Li2SとP2S5とからなるLi-P-Sで構成した固体電解質層とすると、この固体電解質層と負活物質層との間の界面抵抗値を低下させることができ、その結果、電池の性能を向上させることができる。これら、LiとPとを含有する電解質層は、Li/Pのモル比が1.2〜4.0の範囲にあることが好ましい。Li/Pが高すぎても低すぎても固体電解質層自身が高抵抗となり、リチウム電池の全抵抗を増加させる。
本発明リチウム電池は、正極層と固体電解質層との間に緩衝層が配置されていることにより、固体電解質層における空乏層の形成が抑制されており、その結果、従来の全固体型電池よりも容量が高く、有機電解液を使用した従来の電池に匹敵する容量を備える。また、本発明リチウム電池は、正極層、緩衝層および負極層の厚さが規定されていることにより、内部抵抗の増加が抑制されており、その結果、放電特性に優れる。
以下、一般的なコインセル型のリチウム電池を例にして本発明の実施形態を説明する。
≪全体構成≫
図1は、本実施の形態におけるリチウム電池の縦断面図である。このリチウム電池1は、正極集電体層11の上に、正極層13、緩衝層16、固体電解質層(SE層)15、負極層14、負極集電体層12の順に積層された構成を有している。これらの層のうち、層13、14、16は、以下のように規定する。
正極層13の厚さ…0.2〜20μm
緩衝層16の厚さ…2〜40nm
負極層14の厚さ…0.3〜8μm
ここで、本発明者らが検討した結果、規定する各層の厚さにはさらに好ましい範囲が存在するが、各層の膜厚を別個に調整しても電池の内部抵抗が思うように低減しないことがわかった。つまり、正極層、負極層および緩衝層の膜厚を一体に調節すると、さらなる電池の内部抵抗の低減を実現できる。
好ましい膜厚の規定は以下の通りである。
正極層厚さ…0.7〜2μm
緩衝層厚さ…3〜10nm
負極層厚さ…0.55〜1.5μm
より好ましい膜厚の規定は以下の通りである。
正極層厚さ…0.8〜1.5μm
緩衝層厚さ…4〜8nm
負極層厚さ…0.6〜1.0μm
≪各構成部材≫
(正極集電体層)
正極集電体層11は、所定の厚さを有する金属製の薄板であり、後述する各層を支持する基板の役割を兼ねている。正極集電体層11としては、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、これらの合金、ステンレスから選択される1種が好適に利用できる。なお、絶縁性の基板上に金属膜を形成し、この金属膜を正極集電体層11としても良い。
(正極層)
正極層13は、リチウムイオンの吸蔵及び放出を行う活物質を含む層である。特に、LiMO2(Mは、CoおよびNiの少なくとも一種以上を含み、Mにおける前記元素の割合が50%以上)で表される酸化物、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)またはLiNi0.5Mn0.5O2、若しくはこれらの混合物を好適に使用することができる。なお、正極層13は、さらに導電助剤(例えば、カーボンブラックや金属繊維など)を含んでいても良い。
このような正極層13の厚さは、0.2〜20μmの範囲とする。正極層の平均厚さが厚すぎると、電池の薄型化の要請に反するし、正極層の形成時に正極層表面の凹凸が大きくなるので、負極層との間で短絡を起こす可能性が高くなる。一方で、正極層の厚さが薄すぎると、リチウム電池の用途に対応した容量を確保できない虞がある。
(負極集電体層)
負極集電体層12は、負極層14の上に形成される金属膜である。負極集電体層12としては、Cu、Ni、Fe、Cr、及びこれらの合金から選択される1種が好適に利用できる。
(負極層)
負極層14は、リチウムイオンの吸蔵及び放出を行う活物質を含む層で構成する。例えば、負極層14として、Li金属及びLi金属と合金を形成することのできる金属よりなる群より選ばれる1つ、若しくはこれらの混合物又は合金が好適に使用できる。Liと合金を形成することのできる金属としては、Al、Si、Sn、Bi、及びInよりなる群より選ばれる少なくとも一つが良い。なお、負極層14自体に集電体としての機能を持たせてもかまわない。
このような負極層14の厚さは、0.3〜8μmの範囲とする。負極層の平均厚さが厚すぎると、電池の薄型化の要請に反するし、正極層との間で短絡を起こす可能性が高くなる。一方で、負極層の厚さが薄すぎると、リチウム電池の用途に対応した容量を確保できない虞がある。
(固体電解質層)
固体電解質層(SE層)15は、硫化物で構成されるリチウムイオン伝導体である。このSE層15は、リチウムイオン伝導度(20℃)が10-5S/cm以上あり、かつLiイオン輸率が0.999以上であることが好ましい。特に、リチウムイオン伝導度が10-4S/cm以上あり、かつリチウムイオン輸率が0.9999以上であれば良い。また、SE層15は、電子伝導度が10-8S/cm以下であることが好ましい。SE層15の材質としては、硫化物、例えば、Li、P、S、OからなるLi-P-S-Oや、Li2SとP2S5とからなるLi-P-Sのアモルファス膜あるいは多結晶膜などで構成することが好ましい。特に、Li2SとP2S5とからなるLi-P-Sで構成したSE層とすると、このSE層と負活物質層との間の界面抵抗値を低下させることができ、その結果、電池の性能を向上させることができる。SE層15のLi/Pの範囲は、1.2〜4.0が好ましい。より好ましい範囲は、1.9〜3.7である。
このようなSE層15の厚さは、2〜20μmの範囲とする。固体電解質層の平均厚さが厚すぎると、電池の薄型化の要請に反する。一方で、固体電解質層の厚さが薄すぎると、正極層と負極層の短絡を引き起こし易くなる。SE層15の好ましい範囲は、3〜15μm、より好ましい範囲は、5〜12μmである。
(緩衝層)
緩衝層16は、上記SE層15から正極層13にリチウムイオンが大量に移動することを防止して、SE層15と正極層13との界面において電荷の偏りを緩衝し、この界面近傍のSE層15に空乏層が生じることを防止する層である。緩衝層16は、酸化物からなることが好ましく、具体的には、LixLa(2-x)/3TiO3(x=0.1〜0.5)、Li4Ti5O12、Li3.6Si0.6P0.4O4、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3、Li1.8Cr0.8Ti1.2(PO4)3、LiNbO3、LiTaO3または、Li1.4In0.4Ti1.6(PO4)3などを単独あるいは組み合わせて使用できる。また、緩衝層16に、Arを0.1〜5mol%含有させることも、緩衝層16のリチウムイオン伝導性を向上させることに寄与する。
上段に列挙した緩衝層を構成するための化合物の一部、例えば、LixLa(2-x)/3TiO3、LiNbO3、LiTaO3は、アモルファスの状態とすると、リチウムイオン伝導度が向上する。上記酸化物の中でも、LixLa(2-x)/3TiO3(x=0.1〜0.5)は、結晶状態およびアモルファスの状態の両方でリチウムイオン伝導度が約10-3S/cmという非常に優れたリチウムイオン伝導性を有するので、緩衝層16として採用したときに、電池の性能を向上させることができる。その他、LiNbO3も、アモルファスの状態でリチウムイオン伝導度が10-5S/cm以上という非常に優れたリチウムイオン伝導性を有する。
このような緩衝層16の厚さは、2〜40nmの範囲とする。ここで、緩衝層にリチウムイオン伝導性があるとはいえ、リチウムイオンの輸送を主たる機能とする固体電解質層に比べて緩衝層のリチウムイオン伝導度は低い。そのため、緩衝層の平均厚さが厚すぎると、この緩衝層によりリチウムイオンの移動が阻害されるので、好ましくない。また、薄型でありながら、用途に応じた容量を有する電池を製造するために、正極層の厚さをできるだけ大きくしたいというニーズがあり、この観点からも緩衝層厚さは、40nm以下とする。さらに、緩衝層厚さを限定することは、電池の内部抵抗の増加を抑制することに有効であり、その結果として、熱の影響による正極層の膨張・収縮差を緩和し、正極層の剥離や損傷を抑制することができる。一方で、緩衝層厚さが、薄すぎると、固体電解質層における電荷の偏りを抑制する効果が小さくなるので、緩衝層厚さは、2nm以上とする。
≪リチウム電池の製造方法≫
リチウム電池を製造するには、各層を支持する基板を兼ねる正極集電体層11の上に、正極層13、緩衝層16、SE層15、負極層14、負極集電体層12の順に積層することで作製する。また、正極集電体層11、正極層13、緩衝層16およびSE層15を積層した積層体を作製すると共に、この積層体とは別個に負極集電体層12と負極層14とからなる積層体を作製し、これら二つの積層体を重ね合わせることでリチウム電池1を作製しても良い。
≪本発明リチウム電池の効果≫
以上の構成を備えるリチウム電池1は、正極層13とSE層15との間に緩衝層16を設けるだけで、正極層13とSE層15との界面近傍におけるリチウムイオンの偏りを抑制し、SE層15において空乏層が形成されることを抑制することができる。また、正極層13、負極層14および緩衝層16の膜厚を規定することにより、電池における種々の抵抗値を低減することができ、その結果、放電特性に優れたリチウム電池とすることができる。
以下、実施の形態において説明した構成のコインセル型のリチウム電池(試料1〜3、10〜13および100)を実際に作製し、電池における種々の抵抗値を測定することで電池の性能を評価した。
<試料1>
正極集電体層11として、厚さ0.5mmのSUS316Lからなる薄板を用意した。この薄板は、各層を支持する基板の役割も兼ねる。
電子ビーム蒸着法により、正極集電体層11の上にLiCoO2からなる正極層13を形成した。電子ビーム蒸着法は、蒸発源としてLiCoO2粉末とCo3O4粉末の混合原料を用いて実施した。正極層13の厚さは、1μmであった。
エキシマレーザーアブレーション法により、正極層13の上に、LiNbO3を蒸着することで緩衝層16を形成した。緩衝層16の厚さは、5nmであった。
エキシマレーザーアブレーション法により、緩衝層16の上に、Li-P-S組成のSE層15を形成した。SE層15の形成の際は、硫化リチウム(Li2S)及び五硫化リン(P2S5)を原料とし、SE層15におけるLi/Pのモル比が2.4のアモルファス膜となるように調整した。また、SE層15の厚さは、10μmであった。
負極集電体12として、厚さ0.5mmのSUS316Lの薄板を用意し、この薄板上に、抵抗加熱蒸着法により、Liを蒸着することで負極層14を形成した。負極層14の厚さは、0.7μmであった。
最後に、正極側の積層体と負極側の積層体とを貼り合わせて、その外周を外装材で覆ってリチウム電池を作製した。リチウム電池は、集電体から端子を取れるようにしてある。
<試料2>
緩衝層16の厚さが10nmのリチウム電池(試料2)を作製した。緩衝層16以外の構成は、試料1と同じである。
<試料3>
正極層13の厚さが1.5μmのリチウム電池(試料3)を作製した。正極層13の構成以外は、試料1と同じである。
<試料10>
正極層13の厚さが0.1μmのリチウム電池(試料10)を作製した。正極層13の構成以外は、試料1と同じである。
<試料11>
SE層15のLi/Pが1.0であるリチウム電池(試料11)を作製した。この変更点以外の構成は、試料1と同じである。
<試料12>
緩衝層16の厚さが50nmのリチウム電池(試料12)を作製した。この変更点以外の構成は、試料1と同じである。
<試料13>
負極層14の厚さが10μm、SE層15のLi/Pが1.0、緩衝層16の厚さが50nmのリチウム電池(試料13)を作製した。この変更点以外の構成は、試料1と同じである。
<試料100>
緩衝層を設けないリチウム電池(試料100)を作製した。この変更点以外の構成は、試料13と同じである。
<電池の性能評価>
上記試料1〜3、10〜13、100の電池について、交流インピーダンス法により電池の内部抵抗である全抵抗を測定することでその性能を評価した。全抵抗は、バルク抵抗、電荷移動抵抗および拡散抵抗に分けることができる。以下に、各抵抗の定義を示す。
バルク抵抗…SE層15と緩衝層16のバルク抵抗である。但し、試料100については、SE層15のみのバルク抵抗である。バルク抵抗は、インピーダンス法を利用した全抵抗の測定結果を解析することで求めた。
電荷移動抵抗…SE層15と緩衝層16との間でのLiイオンの電荷の移動抵抗である。電荷移動抵抗は、全抵抗の測定結果を結果を解析することで求めた。
拡散抵抗…正極層におけるLiイオンの拡散抵抗である。拡散抵抗は、全抵抗の測定結果を解析することで求めた。
各試料の構成を表1に、各試料の抵抗の測定結果を表2に示す。
Figure 2009224161
Figure 2009224161
表2の結果から、緩衝層16を有さない試料100の電池よりも緩衝層16を有する試料1〜3の電池の方が、測定した全ての抵抗値が低いことが明らかになった。また、本発明に規定する膜厚の範囲を満たす試料1〜3の電池は、試料10〜13の電池と比較して、測定した全ての抵抗値が低いことが明らかになった。なお、試料13の電池は、正・負極間で短絡を生じ、電池として使用できない。
なお、上述した実施の形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能である。具体的には、リチウム電池を構成する正極層、固体電解質層、負極層の配置には、上述した実施の形態以外のものも考えられるが、どのような配置を選択しても、正極層と固体電解質層とが直接接触しないように、両層の間に緩衝層を設けると共に、各層の厚みを規定すると良い。各層の厚みの規定は、例えば、電池を平面視したときに正極層と負極層の一部が重なる部分積層構造の電池であれば、積層方向に重なる部分について行えば良い。
本発明リチウム電池は、携帯機器などの電源として好適に利用することができる。
実施形態に記載の本発明リチウム電池の縦断面図である。
符号の説明
1 リチウム電池
11 正極集電体層 12 負極集電体層
13 正極層 14 負極層
15 固体電解質層(SE層) 16 緩衝層

Claims (5)

  1. 正極層と、負極層と、これら両層の間でリチウムイオンの伝導を媒介する硫化物固体電解質層とを備えるリチウム電池であって、
    前記正極層と固体電解質層との間に、これら両層の界面近傍におけるリチウムイオンの偏りを緩衝する緩衝層を備え、
    前記正極層の平均厚さが、0.2〜20μm、
    前記緩衝層の平均厚さが、2〜40nm、
    前記負極層の平均厚さが、0.3〜8μm、
    であることを特徴とするリチウム電池。
  2. 前記正極層は、LiCoO2を含有することを特徴とする請求項1に記載のリチウム電池。
  3. 前記緩衝層は、LiNbO3を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム電池。
  4. 前記硫化物固体電解質層が、LiおよびPを含有し、
    Li/Pのモル比が、1.2〜4.0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウム電池。
  5. 前記硫化物固体電解質層は、Li、PおよびSを含有するアモルファス膜あるいは多結晶膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウム電池。
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