JP2009208537A - 自動車の後部車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ル−フレールとリアヘッダーとリアピラーとが交差する三叉部の剛性を十分に向上させる。
【解決手段】リアピラーアウタ50とリアピラーインナ22とから構成されるリアピラーRPが、ル−フレールRRの後端部およびリアヘッダー41,42の車幅方向端部から下方へ伸びる。リアピラーRP内にリアピラーレインフォースメント60が配設される。リアヘッダー41,42の下方でかつリアピラーRPの車幅方向内方側が、バックドア6によって開閉される後方開口部5とされて、バックドア5が開かれたときにリアピラーアウタ50が車体意匠面を構成する。
リアピラーレインフォースメント60の上端部に形成された延出部60aが、ル−フレールRR内に延出して、ル−フレールRRに対してフランジ接合されると共に、リアピラーアウタ50の上端部における腹部分にも接合される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、自動車の後部車体構造に関するものである。
自動車にあっては、ルーフパネルの車幅方向端部において前後方向に伸びるル−フレールと、ルーフパネルの後端部において車幅方向に伸びるリアヘッダーとを有して、上下方向に伸びるリアピラーの上端部が、ル−フレールの後端部とリアヘッダーの車幅方向端部に対して連結される構造が多く採択されている。上記ル−フレールおよびリアピラーは、それぞれアウタとインナとによって閉断面状に構成され、リアヘッダーも閉断面状に構成されるのが一般的である。
上記リアヘッダーの下方でかつリアピラーの車幅方向内方側が、バックドアによって開閉される後方開口部とされる自動車もある。特許文献1には、リアピラーの剛性向上のために、その内部にリアピラーレインフォースメントを配設するものが開示されている。
特開2005ー324602号公報
ところで、リアヘッダー下方でかつリアピラーの車幅方向内方側に後方開口部が形成される自動車にあっては、ル−フレールとリアヘッダーとリアピラーとの3方向からの交差部位となる三叉部の剛性を向上させることが強く望まれるものとなる。特許文献1に記載のように、リアピラーの内部に単にリアピラーレインフォースメントを配設しただけでは、リアピラーの剛性が向上されても、上記三叉部の剛性を十分に向上させるものとはならない。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、ル−フレールとリアヘッダーとリアピラーとが交差する三叉部の剛性を十分に向上させることのできるようにした自動車の後部車体構造を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
ルーフパネルの車幅方向端部において前後方向に伸び、ル−フレールアウタとル−フレールインナとから構成されるル−フレールと、
前記ルーフパネルの後端部において車幅方向に伸びるリアヘッダーと、
前記ル−フレールの後端部および前記リアヘッダーの車幅方向端部から下方へ伸び、リアピラーアウタとリアピラーインナとから構成されるリアピラーと、
前記リアピラー内に配設されたリアピラーレインフォースメントと、
を備え、
前記リアヘッダーの下方でかつ前記リアピラーの車幅方向内方側が、バックドアによって開閉される後方開口部とされて、該バックドアが開かれたときに前記リアピラーアウタが車体意匠面を構成するようにされ、
前記リアピラーレインフォースメントの上端部に形成された延出部が、前記ル−フレール内に延出して該ル−フレールに対してフランジ接合され、
前記延出部が、前記リアピラーアウタの上端部における腹部分にも接合されている、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、ル−フレールとリアピラーとの接続部の剛性が大きく向上されて、車体後部のねじれ剛性向上の上で好ましいものとなる。また、リアピラーレインフォースメントを有効に利用して剛性向上を図るので、補強部材を別部品として設ける必要もないものとなる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記リアヘッダーに、前記バックドアを支持するヒンジ部材が取付けられ、
前記リアヘッダーに、前記ヒンジ部材の取付部位を補強するためのヒンジレインフォースメントが設けられ、
前記ヒンジレインフォースメントが、前記延出部と前記リアピラーアウタの前記腹部分との接合部位近傍において、前記リアピラーアウタの上端部と接合されている、
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、バックドアの車体への取付部位の剛性向上を図るヒンジレインフォースメントを有効に利用して、リアピラーアウタつまりリアピラーの剛性をより一層向上させて、車体後部のねじり剛性向上の上でより一層好ましいものとなる。
前記リアピラーアウタの上端部には、その腹部分として、前記ル−フレールの後方延長部位おいて上下方向に伸びる縦壁部と、該縦壁部の下端から後方へ伸びる水平壁部とを有し、
前記延出部が、前記水平壁部に接合されている、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、リアピラーレインフォースメントの延出部が接合されるリアピラーアウタの腹部分を、ル−フレールの後端部位置に設定して、ル−フレールとリアヘッダーとリアピラーとが交差する三叉部の剛性を十分に向上させることができる。
前記延出部は、前記縦壁部にも接合されている、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、リアピラーレインフォースメントとリアピラーアウタとの接合面積をより大きく確保して、請求項3に対応した効果をより一層十分に得ることができる。
前記リアピラーアウタの上端部に、前記バックドアを支承するためのステー部材が取付けられている、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、ステー部材の取付部位をリアピラーアウタのうち剛性の優れた上端部に設定して、ステー部材の取付部位の剛性確保の上で好ましいものとなる。
前記リアピラーアウタのうち前記ステー部材の取付部位に対して、前記リアピラーレインフォースメントが重合されている、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、リアピラーレインフォースメントを有効に利用して、ステー部材の取付部位の剛性をより向上させることができる。
本発明によれば、ル−フレールとリアヘッダーとリアピラーとが交差する三叉部の剛性をより向上させることができる。
図1において、自動車Vは、その左右側方において、前後一対の乗降用の側方開口部1,2を有し、前側の側方開口部1が前ドア3によって開閉され、後側の側方開口部2が後ドア4によって開閉される。また、自動車Vは、後方開口部5を有して、この後方開口部5が、バックドア6によって開閉される。
図2、図3において、自動車Vの後部の車体構造が示される。図中10はルーフパネル、20インナパネル、30はアウタパネル(外板パネル)である。インナパネル20は、前後方向に伸びるル−フレールインナ21と、ル−フレールインナ21の後端部から下方へ伸びるリアピラーインナ22と、リアホイールハウス23とを一体的に有する大型のパネル材とされている。また、アウタパネル30は、前後方向に伸びるル−フレールアウタ31と、ル−フレールアウタ31の後端部から下方へ伸びるリアピラーアウタ32と、リアフェンダ33とを一体的に有する大型のパネル材とされている。なお、インナパネル20は、そのル−フレールインナ21とリアピラーインナ22との境界部位において、その車幅方向内端側に大きな切欠部20aが形成されている。
上記インナパネル20とアウタパネル30とを接合したとき、ル−フレールインナ21とル−フレールアウタ31とによって、車体前後方向に伸びる閉断面状のル−フレールRRが構成される。このル−フレールRRは、ルーフパネル10の車幅方向端部に接合されている。また、リアピラーインナ22とリアピラーアウタ32とで、上下方向に伸びる閉断面状のリアピラーRPが構成される。
前記ルーフパネル10の後端部には、後述するように、車幅方向に伸びる閉断面状のリアヘッダーRHが構成されている。リアヘッダーRHは、後述するように、リアヘッダーアッパ41とリアヘッダーロア42とを有して、閉断面状に構成されている。このリアヘッダーRHとル−フレールRRとリアピラーRPとが交差する三叉部αに対して、車室側から、補強部材としてのコーナガセット70が設けられている。このコーナガセット70は、ル−フレールRRの後端部と、リアヘッダーRHの車幅方向端部と、リアピラーRPの上端部とに跨がって、各部材RR、RH、RPに接合されている。
上記リアピラーRPに関連して、さらにリアピラーアウタ50とリアピラーレインフォースメント60とが設けられる。リアピラーアウタ50は、上下方向に伸びて、アウタパネル30よりも車幅方向内端側に突出されて、バックドア6を開いたときに、後方に向けて露出する車体後面の意匠面を構成するようになっている。また、リアピラーレインフォースメント60は、上下方向に伸びて、リアピラーインナ22とリアピラーアウタ50との間に配設されている。
ルーフパネル10の後端部は、特に図11,図12に示すように、その意匠面となる上面から下方へ伸びる縦壁部10aと、縦壁部10aの下端から後方へ伸びる水平壁部10bとを有する。この水平壁部10bに、左右一対のヒンジ部材11が取付けられている。そしてバックドア6が、ヒンジ部材11に連結されて、ヒンジ部材11を中心にして開閉されるようになっている。ヒンジ部材11の取付部位補強のために、リアヘッダーRHにはヒンジレインフォースメント43が設けられる。
図2に示すように、バックドア6が開いたときの意匠面を構成するリアピラーアウタ50には、ステー部材15の一端部が取付けられている。このステー部材15の他端部は、バックドア6に取付けられる。すなわち、ステー部材15は、バックドア6を開状態に保持するもので、例えばガススプリングを利用して構成することができる(ステー部材15は、ダンパを呼ばれることもある)。なお、ステー部材15のリアピラーアウタ50への取付用の取付具が、図15において符合16で示される。
次に、ル−フレールRRとリアヘッダーRHとリアピラーRPとの交差部となる佐奈部α付近の構造について、図5以下を参照しつつ説明する。なお、各図において、重なる部材同士は互いに接合(例えば溶接接合)されているものである。まず、リアピラーレインフォースメント60は、その上端部に、延出部60aを有する。この延出部60aは、ル−フレールRR内に伸びて、当該ル−フレールRRにフランジ接合されている(図5,図7〜図9、図16参照)。この延出部60aは、リアピラーアウタ50の上端部のうち腹部分(フランジ部ではない本体部分で、剛性の優れた内側部分)にも接合されている。延出部60aが接合されるリアピラーアウタ50の腹部分は、特に図5に明確に示される。すなわち、リアピラーアウタ50は、ル−フレールRRの後方延長線上において、上下方向に伸びる縦壁部50aと、縦壁部50aの下端から後方へ伸びる水平壁部50bとを有する。そして、延出部60aは、この縦壁部50aと水平壁部50bの両方に対して接合されている。なお、図6のX10−X10相当断面図である図10は、リアピラーレインフォースメント60(の延出部60a)とリアピラーアウタ50の水平壁部50bとの接合箇所での正面断面図を示す。また、図5のX16−X16線相当断面図である図16は、リアピラーレインフォースメント60(延出部60a)とリアピラーアウタ50の縦壁部50aとの接合箇所での平面断面図である。
リアピラーアウタ50の上端部は、ヒンジレインフォースメント43に接合され(図7,図10参照)、またルーフパネル10に接合されている(図12参照)。リアピラーレインフォースメント60(の延出部60a)が、ル−フレールRRに接合されると共に、リアピラーアウタ50の上端部の腹部分に接合されていることから、ル−フレールRRとリアヘッダーRH(つまりルーフパネル10)とリアピラーRPとが交差する三叉部αの剛性が飛躍的に向上されることになる。また、リアピラーレインフォースメント60は、図15に示すように、リアピラーアウタ50に対して、ステー部材15の取付部位(取付具16の位置)において重合するように配設されている(この重合部分で接合を行うようにしてもよい)
ここで、図6は、三叉部αを車室内側から見たもので、コーナガセット70が存在する状態が示される。図6の状態からコーナガセット70を除去した状態が、図7に示される。図7の状態からリアヘッダーロア42を除去した状態が、図8に示される。図8に示す状態からヒンジレインフォースメント43を除去した状態が、図9に示される。上記図7〜図9から、リアピラーアウタ50とリアピラーレインフォースメント60(の延出部60a)とによって、三叉部αの補強が行われている状態がより明確になる。リアピラーアウタ50は、ルーフパネル10(の水平壁部10b)に対して接合されると共に、ヒンジレインフォースメント43に接合されているので、ヒンジ部材11部分の剛性が、ヒンジレインフォースメント43による補強作用と合わせてより一層向上されることになる。
ここで、リアピラーレインフォースメント60(の延出部60a)とヒンジレインフォースメント43とは、そのまま上下に重合させた場合は、アウタパネル30とルーフパネル10との接合によって4枚重ねの接合となって好ましくないものとなる(図14において、各部材60.43,30,10の4枚を重ねた状態とするのは好ましくない)。このため、図7に示すように、ヒンジレインフォースメント43とリアピラーレインフォースメント60との突き合わせた状態とし(重合させない)、この突き合わせ部分にそれぞれ凹凸部を形成して、一方の凹部(他方の凹部)内に他方の凸部(一方の取付部)を挿入させて、凸部部分でのみ接合を行うことにより、ルーフパネル10とアウタパネル30とに対してそれぞれ3枚重ねでの接合となるようにしてある。なお、図7において、上記各凸部での接合部位を符合βあるいはγで示してある。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。実施形態では、合計5つのドアを有する5ドア式を示したが、左右の側方開口部としては前席用と後席用とを兼用したものとして、後方開口部5を含めて合計3つの開口部を有する自動車であってもよい(いわゆる3ドア式)。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明が適用された自動車の一例を示す簡略側面図。 図1に示す自動車を、バックドアを外した状態で後方から見た斜視図。 車体後部の要部分解斜視図。 リアピラーアウタとリアピラーレインフォースメントの車体への組付状態を示す要部斜視図。 図4の状態を車外側かみ見た要部側面図。 図2のうち、ル−フレールとリアヘッダーとリアピラーとが交差する三叉部を、車室側から見た要部斜視図。 図6の状態からコーナガセットを取外した状態を示す要部斜視図。 図7の状態からリアヘッダーロアを取外した状態を示す要部斜視図。 図8の状態からヒンジレインフォースメントを取外した状態を示す要部斜視図。 図6のX10−X10線相当断面図。 図6のX11−X11線相当断面図。 図6のX12−X12線相当断面図。 図5のX13−X13線相当断面図。 図5のX14−X14線相当断面図。 図5のX15−X15線相当断面図。 図5のX16−X16線相当断面図。
符号の説明
V:自動車
α三叉部
RR:ル−フレール
RP:リアピラー
RH:リアヘッダー
5:後方開口部
6:バックドア
10:ルーフパネル
11:ヒンジ部材
15:ステー部材
20:インナパネル
21:ル−フレールインナ
22:リアピラーインナ
30:アウタパネル
31:ル−フレールアウタ
32:リアピラーインナ
41:リアヘッダーアッパ
42:リアヘッダーロア
43:ヒンジレインフォースメント
50:リアピラーアウタ
50a:縦壁部
50b:水平壁部
60:リアピラーレインフォースメント
60a:延出部
70:コーナガセット

Claims (6)

  1. ルーフパネルの車幅方向端部において前後方向に伸び、ル−フレールアウタとル−フレールインナとから構成されるル−フレールと、
    前記ルーフパネルの後端部において車幅方向に伸びるリアヘッダーと、
    前記ル−フレールの後端部および前記リアヘッダーの車幅方向端部から下方へ伸び、リアピラーアウタとリアピラーインナとから構成されるリアピラーと、
    前記リアピラー内に配設されたリアピラーレインフォースメントと、
    を備え、
    前記リアヘッダーの下方でかつ前記リアピラーの車幅方向内方側が、バックドアによって開閉される後方開口部とされて、該バックドアが開かれたときに前記リアピラーアウタが車体意匠面を構成するようにされ、
    前記リアピラーレインフォースメントの上端部に形成された延出部が、前記ル−フレール内に延出して該ル−フレールに対してフランジ接合され、
    前記延出部が、前記リアピラーアウタの上端部における腹部分にも接合されている、
    ことを特徴とする自動車の後部車体構造
  2. 請求項1において、
    前記リアヘッダーに、前記バックドアを支持するヒンジ部材が取付けられ、
    前記リアヘッダーに、前記ヒンジ部材の取付部位を補強するためのヒンジレインフォースメントが設けられ、
    前記ヒンジレインフォースメントが、前記延出部と前記リアピラーアウタの前記腹部分との接合部位近傍において、前記リアピラーアウタの上端部と接合されている、
    ことを特徴とする自動車の後部車体構造。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記リアピラーアウタの上端部には、その腹部分として、前記ル−フレールの後方延長部位おいて上下方向に伸びる縦壁部と、該縦壁部の下端から後方へ伸びる水平壁部とを有し、
    前記延出部が、前記水平壁部に接合されている、
    ことを特徴とする自動車の後部車体構造。
  4. 請求項3において、
    前記延出部は、前記縦壁部にも接合されている、ことを特徴とする自動車の後部車体構造。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記リアピラーアウタの上端部に、前記バックドアを支承するためのステー部材が取付けられている、ことを特徴とする自動車の後部車体構造。
  6. 請求項5において、
    前記リアピラーアウタのうち前記ステー部材の取付部位に対して、前記リアピラーレインフォースメントが重合されている、ことを特徴とする自動車の後部車体構造。
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