JP2009204805A - 感光性樹脂組成物、積層体及びその製造方法並びに電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルカリ可溶性樹脂、光酸発生剤及びポリシロキサンを含有してなる感光性樹脂組成物。ポリシロキサンが、式で表わされるオルガノシラン化合物の縮合物であることが好ましい。
【化1】
(A1は、プロトン性極性基と反応し得る官能基を有する炭素数1〜20の炭化水素基。Z1〜Z3は、それぞれ、単結合であるか又は酸素原子。R1〜R3は、それぞれ、ハロゲン原子であるか、互いに結合して環を形成していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基。また、Z1R1〜Z3R3の少なくとも1つは、ハロゲン原子であるか炭素数1〜20の炭化水素オキシ基である。)
【選択図】なし
Description
従来、これらの樹脂膜を形成するための樹脂材料としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂材料が汎用されていた。しかしながら、近年の配線やデバイスの高密度化に伴い、これらの樹脂材料にも、微細なパターニングが可能で低誘電性等の電気特性の優れた新しい感光性樹脂材料の開発が求められてきた。
例えば、特許文献1には、アルカリ可溶性環状ポリオレフィン系樹脂組成物、1,2−キノンジアジド化合物及び架橋剤を形成しうる官能基を有する架橋剤(好ましくは、グリコールウリル類、及び、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂等の少なくとも2個のエポキシ基を有するラジカル重合性を有さない化合物)を含有する感放射線組成物が開示されている。
この感放射線組成物は、絶縁性、平坦性、耐熱性、透明性、耐薬品性及び低誘電性に優れているとされているが、基板との密着性改良のためには、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等の密着助剤の使用が必要である。
特許文献2には、環構造含有重合体と特定の構造を有する多官能エポキシ化合物と、所望により、硬化剤とを含んでなる硬化性組成物が開示されている。この硬化性組成物は、耐熱性、耐溶剤性及び表面硬度特性に優れているが、密着性については、言及がない。
この感放射線組成物には、実用上、接着助剤を配合するが、それでも基板との密着性に更に改良の余地を残していることが判明した。
更に本発明の他の目的は、この感光性樹脂組成物を用いてなる樹脂膜を基板上に形成した積層体、及びこの積層体の製造方法を提供することにある。
本発明において、ポリシロキサンが、1つのケイ素原子に1〜3個のヒドロキシ基又はヒドロカルビルオキシ基が結合してなる部分構造を有するものであることが好ましい。
本発明において、ポリシロキサンがプロトン性極性基と反応し得る官能基を有するものであることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、光酸発生剤がキノンジアジド化合物であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、更に、架橋剤を含有してなるものであることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、架橋剤がオキサシクロアルキル基、イソシアネート基及びアミノ基からなる群から選ばれる基を有する化合物であることが好ましい。
上記本発明の積層体は、感光性樹脂組成物を用いて樹脂膜を基板上に形成することを特徴とする積層体の製造方法によって得ることができる。
上記本発明の積層体の製造方法において、樹脂膜を基板上に形成した後、樹脂を架橋する工程を有することが好ましい。
樹脂膜がパターン化樹脂膜である積層体は、本発明の感光性樹脂組成物を用いて樹脂膜を基板上に積層し、この樹脂膜に活性放射線を照射して樹脂膜中に潜像パターンを形成し、次いで樹脂膜に現像液を接触させることにより潜像パターンを顕在化させて、基板上にパターン化樹脂を形成する積層体の製造方法によって得ることができる。
上記本発明のパターン化樹脂膜を有する積層体の製造方法において、基板上にパターン化樹脂を形成した後に、樹脂の架橋反応を行なう工程を有することが好ましい。
また、本発明の積層体は、電気特性、形状保持性、透明性及び耐薬品性に優れることから、例えば、表示素子、集積回路素子、固体撮像素子、カラーフィルター、ブラックマトリックス等の電子部品においては、その劣化や損傷を防止するための保護膜、素子表面や配線を平坦化するための平坦化膜、電気絶縁性を保つための電気絶縁膜(薄型トランジスタ型液晶表示素子や集積回路素子の電気絶縁膜である層間絶縁膜やソルダーレジスト膜等を含む)、マイクロレンズ、スペーサ等の電子部品用材料として好適である。
本発明の積層体は、密着性に優れているので、電子部品製造工程における層間の剥がれを抑えられることにより歩留まりが向上し、また、電子部品を含む製品が使用環境の変化により正常に動かなくなるような不良がなくなる。従って、安価で性能の良い電子部品を内蔵する製品を作成することが可能になる。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂(A)に結合しているプロトン性極性基の数に特に限定はなく、また、相異なる種類のプロトン性極性基が含まれていてもよい。
環状オレフィン重合体の全構造単位中、環状オレフィン単量体単位の割合は、通常、30〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%である。
プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体において、プロトン性極性基は、環状オレフィン単量体単位に結合していても、環状オレフィン単量体以外の単量体単位に結合していてもよいが、環状オレフィン単量体単位に結合しているのが望ましい。
本発明において、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体は、単量体(a)と、単量体(b)及び/又は単量体(c)とから構成されることが好ましく、単量体(a)と単量体(b)とから構成されることが更に好ましい。
エステル基を有する環状オレフィンとしては、例えば、5−アセトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
シアノ基を有する環状オレフィンとしては、例えば、8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が挙げられる。
ハロゲン原子を有する環状オレフィンとしては、例えば、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
これらのプロトン性極性基以外の極性基を有する環状オレフィン単量体(b)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの極性基を一切持たない環状オレフィン単量体(c)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの環状オレフィン以外の単量体(d)は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
プロトン性極性基を有しない重合体は、前記単量体(b)〜(d)を任意に組み合わせて重合することによって得ることができる。
このような化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、アトロパ酸、ケイ皮酸等の不飽和カルボン酸;アリルアルコール、メチルビニルメタノール、クロチルアルコール、メタリルアルコール、1−フェニルエテン−1−オール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、4−メチル−4−ぺンテン−1−オール、2−ヘキセン−1−オール等の不飽和アルコール;等が挙げられる。
この変性剤を用いる環状オレフィン重合体の変性反応は、常法に従えばよく、通常、ラジカル発生剤の存在下で行なわれる。
重合触媒としては、例えば、モリブデン、ルテニウム、オスミウム等の金属錯体が好適に用いられる。これらの重合触媒は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。重合触媒の量は、重合触媒中の金属化合物:環状オレフィンのモル比で、通常、1:100〜1:2,000,000、好ましくは1:500〜1:1,000,000、より好ましくは1:1,000〜1:500,000の範囲である。
水素添加触媒としては、例えば、オレフィン化合物の水素添加に際して一般的に使用されているものを用いることができる。具体的には、チーグラータイプの均一系触媒、貴金属錯体触媒、及び担持型貴金属系触媒等が利用できる。
これらの水素添加触媒のうち、官能基が変性する等の副反応が起きず、重合体中の炭素−炭素不飽和結合を選択的に水素添加できる点から、ロジウム、ルテニウム等の貴金属錯体触媒が好ましく、電子供与性の高い含窒素複素環式カルベン化合物又はホスフィン類が配位したルテニウム触媒が特に好ましい。
R’で示される、置換基を有していてもよいアルキル基は、通常、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜7のアルキル基であり、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。置換基を有していてもよい芳香族基は、通常、炭素数6〜10の芳香族基であり、その例としては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。これらのアルキル基や芳香族基の置換基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;フェニル基、キシリル基、トリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基;等が挙げられる。
R’で示されるプロトン性極性基としては、上述したような基が挙げられる。
これらの化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
環状構造を構成している4級炭素原子に二つの環状構造が結合した骨格構造の具体例としては、フルオレン骨格、ビスフェノールフルオレン骨格、ビスアミノフェニルフルオレン骨格、エポキシ基を有するフルオレン骨格、アクリル基を有するフルオレン骨格等が挙げられる。
カルド樹脂は、このカルド構造を有する骨格がそれに結合している官能基間の反応等により重合して形成される。カルド樹脂は、主鎖と嵩高い側鎖が一つの元素で繋がれた構造(カルド構造)をもち、主鎖に対してほぼ垂直方向に環状構造を有している。
カルド構造を有する単量体は、例えば、ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン型エポキシ樹脂;ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂とアクリル酸との縮合物;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノ−ル類;9,9−ビス(シアノメチル)フルオレン等の9,9−ビス(シアノアルキル)フルオレン類;9,9−ビス(3−アミノプロピル)フルオレン等の9,9−ビス(アミノアルキル)フルオレン類;等が挙げられる。
カルド樹脂は、カルド構造を有する単量体を重合して得られる重合体であるが、その他の共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。
上記単量体の重合方法は、常法に従えばよく、例えば、開環重合法や付加重合法等が採用される。
エポキシグリシジルエーテル構造を有するカルド構造の例を式(6)に示す。
なお、本発明において、ヘテロ原子とは、周期表第15族及び第16族の原子をいい、好ましくは周期律表第15族及び第16族第1及び第2周期の原子を、更に好ましくは酸素、窒素、硫黄及びりんを指す。
プロトン性極性基におけるヘテロ原子は、特に好ましくは酸素原子である。
プロトン性極性基の具体例としては、カルボキシル基(ヒドロキシカルボニル基)、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシル基等の酸素原子を有する極性基;第一級アミノ基、第二級アミノ基、第一級アミド基、第二級アミド基(イミド基)等の窒素原子を有する極性基;チオール基等のイオウ原子を有する極性基;等が挙げられる。これらの中でも、酸素原子を有するものが好ましく、より好ましくはカルボキシル基である。
本発明において、プロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体に含まれるプロトン性極性基は、環状オレフィン単量体単位に結合していても、環状オレフィン単量体以外の単量体単位に結合していてもよいが、環状オレフィン単量体単位に結合していることが望ましい。
これらのプロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体は、組成等の異なるものを、それぞれ単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
これらの光酸発生剤(B)は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなポリシロキサンは、一般式(1)で表わされるオルガノシラン化合物を縮合させることによって得られるポリシロキサンであることが好ましい。
ハロゲン原子は、特に限定されないが、塩素原子が好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基は、炭素数1〜8の炭化水素基であることが好ましい。このような炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等を挙げることができる。
A1は、プロトン性極性基と反応し得る官能基を有する炭素数1〜20の炭化水素基であり、その炭化水素鎖は、ヘテロ原子で中断されていてもよい。
炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等を挙げることができる。
プロトン極性基と反応し得る官能基は、特に限定されないが、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基、カルボキシ基、水酸基、アクリル基、メタクリル基等を挙げることができる。これらのうち、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基及びメルカプト基が好ましい。
Z4〜Z6は、それぞれ、単結合であるか又は酸素原子である。
R4〜R6は、それぞれ、ハロゲン原子であるか、互いに結合して環を形成していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、その炭化水素鎖は、ヘテロ原子で中断されていてもよい。
炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等を挙げることができる。
但し、Z4R4〜Z6R6において、Z4、Z5又はZ6が酸素原子であるときは、対応するR4、R5又はR6がハロゲン原子であることはない。また、Z4R4〜Z6R6の少なくとも1つは、ハロゲン原子であるか炭素数1〜20の炭化水素オキシ基であり、その炭化水素鎖は、ヘテロ原子で中断されていてもよい。
R7〜R10は、それぞれ、それぞれ、ハロゲン原子であるか、互いに結合して環を形成していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、その炭化水素鎖は、ヘテロ原子で中断されていてもよい。
炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等を挙げることができる。
但し、Z7R7〜Z10R10において、Z7、Z8、Z9又はZ10が酸素原子であるときは、対応するR7、R8、R9又はR10がハロゲン原子であることはない。また、Z7R7〜Z10R10の少なくとも1つは、ハロゲン原子であるか炭素数1〜20の炭化水素オキシ基であり、その炭化水素鎖は、ヘテロ原子で中断されていてもよい。
また、これらのオルガノシランのうち、3官能性シランが好ましく用いられる。
重量平均分子量がこの範囲内にあることにより、得られる感光性樹脂組成物は、これから成膜するときに相分離を起こさず、均一な膜となる。
本発明で用いうる架橋剤は、プロトン性極性基と反応する官能基を2個含む化合物である。
この架橋剤を用いることにより、本発明の感光性樹脂組成物から形成した樹脂膜が誘電特性、耐熱性及び耐溶剤性に優れるものとなる。
特に、プロトン性極性基と反応する官能基を含有するこれらの化合物が脂環構造を有するものであるとき、プロトン性極性基を含む環状オレフィン系重合体との相溶性に優れるので好適である。
オキサシクロアルキル基としては、炭素数2〜7のオキサシクロアルキル基が挙げられ、例えば、オキサシクロプロピル基(エポキシ基)、オキサシクロブチル基(オキセタニル基)、オキサシクロペンチル基、オキサシクロヘキシル基、オキサシクロヘプチル基等が挙げられる。これらのうち、特にオキサシクロプロピル基(エポキシ基)及びオキサシクロブチル基(オキセタニル基)が好ましい。
本発明において、架橋剤として使用する化合物は、これらの官能基の1種類のみを含有するものであっても、2種類以上を含有するものであってもよい。
脂環構造を有し且つエポキシ基が3個以上の多官能性化合物の具体例としては、ジシクロペンタジエンを骨格とする3官能性のエポキシ化合物(商品名「XD−1000」。日本化薬社製)、[2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(シクロヘキサン骨格及び末端エポキシ基を有する15官能性の脂環式エポキシ樹脂。商品名「EHPE3150」。ダイセル化学工業社製)、エポキシ化3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ビス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトン(脂肪族環状3官能性のエポキシ樹脂。商品名「エポリードGT301」。ダイセル化学工業社製)、エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトン(脂肪族環状4官能性のエポキシ樹脂。商品名「エポリードGT401」。ダイセル化学工業社製)を挙げることができる。
オキセタニル化合物としては、特に多官能オキセタン化合物が好ましい。
本発明において、架橋剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、プロトン性極性基を有する環状オレフィン系重合体100重量部に対し、通常、1〜200重量部、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは20〜50重量部である。使用量がこの範囲にあるときに、形成される樹脂膜の耐熱性(耐熱形状保持性及び耐熱透明性)が高度に改善され好適である。
その他の樹脂成分としては、例えば、プロトン性極性基を含有しない環状オレフィン系重合体、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム及びエラストマー等を挙げることができる。
増感剤としては、例えば、2H−ピリド−(3,2−b)−1,4−オキサジン−3(4H)−オン類、10H−ピリド−(3,2−b)−1,4−ベンゾチアジン類、ウラゾール類、ヒダントイン類、バルビツール酸類、グリシン無水物類、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール類、アロキサン類、マレイミド類等が好ましく挙げられる。
界面活性剤は、ストリエーション(塗布筋あと)の防止、現像性の向上等の目的で使用され、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレンジアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤;フッ素系界面活性剤;シリコーン系界面活性剤;(メタ)アクリル酸共重合体系界面活性剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、通常の重合体に使用されている、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤等が使用できる。例えば、フェノール類として、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、p−メトキシフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、アルキル化ビスフェノール等を挙げることができる。リン系酸化防止剤としては、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)、イオウ系としては、チオジプロピオン酸ジラウリル等が挙げられる。これらの中でも、加熱時の黄変の観点から、フェノール系酸化防止剤が好ましく、中でも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
本発明で使用できる溶媒には、格別な制限はなく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のアルキレングリコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルメチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類;
本発明の感光性樹脂組成物は、溶媒に溶解又は分散した後に、例えば孔径が0.5μm程度のフィルター等を用いて濾過した後、使用に供することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物を溶媒に溶解又は分散するときの固形分濃度は、通常、1〜70重量%、好ましくは、5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。固形分濃度がこの範囲にある時に、基板上への塗布性や形成される樹脂膜の膜厚均一性及び平坦性等が高度にバランスされ好適である。
樹脂膜の厚さは、通常、0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは0.5〜30μmの範囲である。
本発明において、基板は、例えば、プリント配線基板、シリコンウエハー基板、ガラス基板、プラスチック基板等を用いることができる。また、ディスプレイ分野において使用される、ガラス基板やプラスチック基板等に薄型トランジスタ型液晶表示素子、カラーフィルター、ブラックマトリックス等が形成されたものも好適に用いられる。
樹脂膜を基板上に形成する方法は、特に限定されず、例えば、塗布法やフィルム積層法等の方法を用いることができる。塗布法は、例えば、感光性樹脂組成物を基板上に塗布した後、加熱乾燥して溶媒を除去する方法である。感光性樹脂組成物を基板上に塗布する方法としては、例えば、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、ドクターブレード法、回転塗布法、バー塗布法、スクリーン印刷法等の各種の方法を採用することができる。加熱乾燥条件は、各成分の種類や配合割合に応じて異なるが、通常、30〜150℃、好ましくは60〜120℃で、通常、0.5〜90分間、好ましくは1〜60分間、より好ましくは1〜30分間で行なえばよい。
基板上に形成された樹脂膜の架橋は、架橋剤の種類に応じて適宜方法を選択すればよいが、通常、加熱により行なう。加熱方法は、例えば、ホットプレート、オーブン等を用いて行なうことができる。加熱温度は、通常、180〜250℃であり、加熱時間は、樹脂膜の大きさや厚さ及び使用機器等により適宜選択され、例えばホットプレートを用いる場合は、通常、5〜60分間、オーブンを用いる場合は、通常、30〜90分間の範囲である。加熱は、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。不活性ガスとしては、酸素を含まず且つ樹脂膜を酸化させないものであればよく、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン等が挙げられる。これらの中でも窒素とアルゴンが好ましく、特に窒素が好ましい。特に、酸素含有量が0.1体積%以下、好ましくは0.01体積%以下の不活性ガス、特に窒素が好適である。これらの不活性ガスは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
基板上に形成されたパターン化樹脂膜は、例えば、樹脂膜に活性放射線を照射して潜像パターンを形成し、次いで潜像パターンを有する樹脂膜に現像液を接触させることによりパターンを顕在化させて得ることができる。
潜像パターンを有する樹脂膜に現像液を接触させる方法としては、例えば、パドル法、スプレー法、ディッピング法等の方法が用いられる。現像は、通常、0〜100℃、好ましくは5〜55℃、より好ましくは10〜30℃の範囲で、通常、30〜180秒間の範囲で適宜選択される。
更に、必要に応じて、光酸発生剤(B)を失活させるために、パターン化樹脂膜を有する基板全面に活性放射線を照射することもできる。活性放射線の照射には、上記潜像パターンの形成に例示した方法を利用できる。照射と同時に又は照射後に樹脂膜を加熱してもよい。加熱方法としては、例えば、基板をホットプレートやオーブン内で加熱する方法が挙げられる。温度は、通常、100〜300℃、好ましくは120〜200℃の範囲である。
架橋は、上述した基板上に形成された樹脂膜の架橋と同様に行なえばよい。
成膜後にコーテック社製のアドヒージョンテスターを用いてプルオフ法による測定を行ない、測定の結果に基づいて下記の基準で判定する。
◎:測定結果が8MPa以上
○:5MPa以上8MPa未満
△:3MPa以上5MPa未満
×:3MPa未満
成膜後に温度60℃、湿度90%に設定した恒温・恒湿槽に100時間静置した後、上記の方法により、密着性評価を行なう。
コーニング社製のガラス基板上に感光性樹脂組成物をスピンコーターを用いて塗布した後に90℃に設定したホットプレートにて2分間焼成を行った。365nmにおける光強度が5mW/cm2である紫外線を、空気中で60秒間照射し、次いで、ホットプレートを用いてこのパターンが形成されたガラス基板を130℃で2分間、1回目の加熱処理(以下、「ミドルベイク」ということがある。)する。次に、1回目の加熱処理(ミドルベイク)を施したガラス基板について、クリーンオーブンを用いて、窒素雰囲気中にて230℃で1時間、2回目の加熱処理(以下、「ポストベイク」ということがある。)を施す。成膜後、紫外・可視分光測定を行なう。膜厚2μmに換算した透過率の値に基づき、下記の基準で判定する。
◎:透過率が98%以上100%以下である。
○:透過率が96%以上98%未満である。
△:透過率が94%以上96%未満である。
×:透過率が94%未満である。
基板上にパターンを形成した有機保護膜の全面に、365nmにおける光強度が5mW/cm2である紫外線を、空気中で60秒間照射し、次いで、ホットプレートを用いてこのパターンが形成されたガラス基板を160℃で2分間、1回目の加熱処理(「ミドルベイク」ということがある)する。得られたパターンの断面を電子顕微鏡で観察して、パターンの下端の幅aを測定する。次に、1回目の加熱処理(ミドルベイク)を施したガラス基板について、クリーンオーブンを用いて、220℃で1時間、2回目の加熱処理(「ポストベイク」ということがある)を施す。この2回目の加熱処理をしたパターンの断面を電子顕微鏡で観察して、パターンの上端の形状を評価すると共に、パターンの下端幅bを測定する。1回目の加熱処理(ミドルベイク)後のパターンの下端幅aに対する2回目の加熱処理(ポストベイク)後のパターンの下端幅bの百分比率(b/a)を求めて、下記の基準で判定する。
◎:上端に丸みは認められず、上記比率は110%以下である。
○:上端が丸みを帯びているが、上記比率は120%以下である。
△:上端が丸みを帯び、上記比率は120%を超えている。
×:パターンが完全に溶融し、隣接パターンと融着している。
(プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体の製造)
プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体として8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン60部、プロトン性極性基を有さない環状オレフィン単量体としてN−フェニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)40部、1,5−ヘキサジエン2.8部、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド0.05部及びジエチレングリコールエチルメチルエーテル400部を、窒素置換した耐圧ガラス反応器に仕込み、撹拌下に80℃で2時間重合反応を行なって開環メタセシス重合体1Aを含有する重合反応溶液を得た。重合転化率は、99.9%以上であった。この重合体1Aの重量平均分子量は3,200、数平均分子量は1,900、分子量分布は1.68であった。
なお、前記重合体及び水素化物の重量平均分子量及び数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶離液とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、製品名「HLC−8020」)を用いて、ポリイソプレン換算分子量として求めた。水素化率は、1H−NMRスペクトルにより、水素化された炭素−炭素二重結合モル数の、水素添加前の炭素−炭素二重結合モル数に対する割合として求めた。
(アクリル樹脂の製造)
スチレン20部、ブチルメタクリレート25部、2−エチルヘキシルアクリレート25部、メタクリル酸30部、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.5部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300部を窒素気流中で撹拌しながら80℃で5時間加熱した。得られた樹脂溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、固形分濃度35%のアクリル樹脂溶液を得た。
(カルド樹脂の製造)
還留冷却器付き四つ口フラスコ中にビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂とアクリル酸との等当量反応物(固形分濃度50%、固形分換算の酸価1.28mgKOH/g、エポキシ当量21,300。新日鐵化学社製、製品名「ASF−400」溶液)の50%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液198.53部と、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物39.54部、コハク酸無水物8.13部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート48.12部及びトリフェニルホスフィン0.45部を仕込み、120〜125℃に加熱下に1時間撹拌し、更に75〜80℃で6時間の加熱撹拌を行ない、その後、グリシジルメタクリレート8.6部を投入し、更に80℃で8時間攪拌し、カルド樹脂を得た。
合成例1で得られたプロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(1)100部、光酸発生剤として1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(1.9モル)との縮合物(キノンジアジド化合物)として25部、ポリシロキサンとして、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとテトラエトキシシランとの共縮合物(重量平均分子量=3,249、数平均分子量=1,807)(信越化学工業社製、商品名「X−41−1053」)5.0部、架橋剤として、脂環構造含有15官能性のエポキシ樹脂である[2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(シクロヘキサン骨格及び末端エポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂。商品名「EHPE3150」。ダイセル化学工業社製)、溶媒としてプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート200部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル100部、N‐メチル−1−ピロリドン100部、酸化防止剤としてペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名イルガノックス1010、チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)を1部、界面活性剤としてシリコーン系界面活性剤(商品名kp341、信越化学工業社製)0.05部を混合し溶解させた後、孔径0.45μmのミリポアフィルタでろ過して感光性樹脂組成物(1)を調製した。
この感光性樹脂組成物(1)について、密着性、環境試験後密着性、耐熱透明性及び耐熱形状保持性を評価した。結果を、表1に示す。
ポリシロキサンとして、X−41−1053に代えて、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとアルキル鎖を有するトリメトキシシランとの共縮合物(重量平均分子量=3,676、数平均分子量=1,903)(信越化学工業社製、商品名「X−41−1056」)を使用する以外は、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物(2)を調製し、この感光性樹脂組成物(2)について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表1に示す。
ポリシロキサンとして、X−41−1053に代えて、ケイ素原子に直結したヒドロキシ基及びメルカプト基を有するポリシロキサン(重量平均分子量=781、数平均分子量=707)(信越化学工業社製、商品名「X−12−414」)を使用する以外は、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物(3)を調製し、この感光性樹脂組成物(3)について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
ポリシロキサンとして、X−41−1053に代えて、アルキルメトキシシランの重合体KR−500(プロトン性極性基と反応し得る官能基を有しない。)(重量平均分子量=2,228、数平均分子量=1,046)(信越化学工業社製)を使用する以外は、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物(4)を調製し、この感光性樹脂組成物(4)について、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表1に示す。
ポリシロキサンとして、X−41−1053に代えて、ケイ素原子に直結したヒドロキシ基を有するが、プロトン性極性基と反応し得る官能基を有しないポリシロキサン(東レダウ・コーニング社製、商品名「FLAKE217」(重量平均分子量=1,698、数平均分子量=1,364)を使用する以外は、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物(5)を調製し、この感光性樹脂組成物(5)について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
KR−500に代えて、ケイ素原子に直結したヒドロキシ基及びヒドロカルビルオキシ基を有しないが、エポキシ基を有するポリシロキサン(信越化学工業社製、商品名「X−40−2670」(重量平均分子量=803、数平均分子量=793)を使用する以外は、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物(6)を調製し、この感光性樹脂組成物(6)について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
架橋剤を使用しないほかは、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物(7)を調製し、この感光性樹脂組成物(7)について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(1)に代えて、合成例2及び合成例3で、それぞれ、合成したアクリル樹脂及びカルド樹脂を、それぞれ、用いるほかは、実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物(8)及び(9)を調製し、この感光性樹脂組成物(8)及び(9)について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
ポリシロキサンKR−500に代えて、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(重量平均分子量=272、数平均分子量=270)(信越化学工業社製、商品名「KBM303」)を使用する以外は、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物(C1)を調製し、この感光性樹脂組成物(C1)について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
ポリシロキサンを使用しないほかは、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物(C2)を調製し、この感光性樹脂組成物(C2)について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
これに対して、本発明の感光性樹脂組成物を用いて得られる樹脂膜は、密着性が良好で、また、耐熱透明性及び耐熱形状保持性も良好である。特に、ポリシロキサンとして、一般式(1)で表わされるオルガノシラン化合物の縮合物を用いた場合(実施例1〜3)は、密着性に特に優れると共に耐熱透明性及び耐熱形状保持性にも優れている。
Claims (18)
- アルカリ可溶性樹脂(A)、光酸発生剤(B)及びポリシロキサン(C)を含有してなる感光性樹脂組成物。
- ポリシロキサンが、1つのケイ素原子に1〜3個のヒドロキシ基又はヒドロカルビルオキシ基が結合してなる部分構造を有するものである請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- ポリシロキサンが、更にプロトン性極性基と反応し得る官能基を有するものである請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- ポリシロキサンが、一般式(1)で表わされるオルガノシラン化合物の縮合物である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- ポリシロキサンが、一般式(1)で表わされるオルガノシラン化合物と一般式(2)で表されるオルガノシラン化合物及び/又は一般式(3)で表わされるオルガノシラン化合物との共縮合物である請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- プロトン性極性基と反応し得る官能基が、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基又はメルカプト基である請求項3〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- ポリシロキサンが5,000以下の単分散ポリスチレン換算重量平均分子量を有するものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- アルカリ可溶性樹脂(A)がプロトン性極性基を有する環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂及びカルド樹脂からなる群から選ばれるものである請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 光酸発生剤がキノンジアジド化合物である請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 更に架橋剤を含有してなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 架橋剤がオキサシクロアルキル基、イソシアネート基及びアミノ基からなる群から選ばれる基を有する化合物である請求項10に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物からなる樹脂膜を基板上に積層してなる積層体。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて樹脂膜を基板上に形成することを特徴とする請求項12記載の積層体の製造方法。
- 樹脂膜を基板上に形成した後、樹脂を架橋する工程を有する請求項12記載の積層体の製造方法。
- 樹脂膜がパターン化樹脂膜である請求項12に記載の積層体。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて樹脂膜を基板上に積層し、この樹脂膜に活性放射線を照射して樹脂膜中に潜像パターンを形成し、次いで樹脂膜に現像液を接触させることにより潜像パターンを顕在化させて、基板上にパターン化樹脂を形成する請求項15記載の積層体の製造方法。
- 基板上にパターン化樹脂を形成した後に、樹脂の架橋反応を行なう工程を有する請求項16記載の積層体の製造方法。
- 請求項12又は15に記載の積層体からなる電子部品。
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