JP2008009406A - 感光性シロキサン組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子 - Google Patents

感光性シロキサン組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子 Download PDF

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Abstract

【課題】熱硬化後の透明性に優れ、アルカリ溶剤に含浸後のクラック発生が抑えられ、基板との接着性に優れる硬化膜を得ることができる感光性シロキサン組成物を提供する。
【解決手段】(a)ポリシロキサン(b)キノンジアジド化合物、(c)溶剤、(d)ビスイミド化合物または側鎖にイミド基を有するアクリル重合体化合物からなる接着促進剤を含有する感光性シロキサン組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶表示素子や有機EL表示素子などの薄膜トランジスタ(TFT)基板用平坦化膜、半導体素子の層間絶縁膜、あるいは光導波路のコアやクラッド材を形成するための感光性シロキサン組成物、それから形成された硬化膜、およびその硬化膜を有する素子に関する。
近年、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどにおいて、さらなる高精細、高解像度を実現する方法として、表示装置の開口率を上げる方法が知られている(特許文献1参照)。これは基板上に作製されたTFT素子の上に平坦化材料を塗布、熱硬化させることによってTFT素子上に透明な耐熱性平坦化膜を作製し、光をより効率的に透過させる方法である。
このようなTFT基板用平坦化膜の材料としては、高耐熱性、高透明性の材料が必要であり、これらの特性を併せ持つものとしてポリシロキサンが知られている(特許文献2参照)。
一般的にTFT基板用平坦化膜に有機化合物を用いると、金属や無機物で構成される基板表面や素子表面との十分な接着性が得られないという問題点を有している。そこで、接着性を改善するために、フェノール系樹脂とキノンジアジド化合物にシランカップリング剤を添加した組成物(特許文献3参照)あるいはアクリル系樹脂とキノンジアジド化合物に、シランカップリング剤を添加した組成物(特許文献4参照)が知られている。いずれの技術もシランカップリング剤は、基板との接着性向上のために加えられている。しかしながら同様の目的でポリシロキサンにシランカップリング剤を添加すると、ポリシロキサンとシランカップリング剤が室温で反応してしまい、組成物の常温時の保存安定性が悪くなるという問題点があった。
他方、ポリイミドに芳香族ビスイミドオリゴマーを添加することによって、接着性を向上させることが知られている(特許文献5参照)。しかしながら、ポリイミドや芳香族ビスイミド構造は熱により酸化され、TFT素子にとって必要な透過率が低下してしまうという問題点があった。
またこれまでの樹脂組成物から得られる硬化膜は、膜を形成した後に行われるアルカリ溶剤による、硬化膜の上層を加工するために行われるレジスト剥離処理において、用いられる溶剤の種類によってひずみやクラック等が発生していた。
特許第2933879号公報(請求項1) 特開2006−18249号公報(請求項1) 特開2003−43688号公報(第8頁) 特開2005−49691号公報(第18頁) 特開平10−1542号公報(請求項1)
本発明は上記のような事情に基づいてなされたものであり、熱硬化後に高透明性を有し、アルカリ溶剤に対するクラック発生を抑え、基板との接着性に優れる硬化膜を得ることができる感光性シロキサン組成物を提供することにある。
また、上記特性を有する耐熱性絶縁膜、TFT基板用平坦化膜、層間絶縁膜、あるいはコアやクラッド材などの素子材料を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成からなる。すなわち本発明は、(a)ポリシロキサン(b)キノンジアジド化合物、(c)溶剤、(d)一般式(1)で表される化合物または下記一般式(2)で表される繰り返し単位を少なくとも1つ有するアクリル重合体化合物からなる感光性シロキサン組成物である。
Figure 2008009406
(R、Rは同じでも異なっていても良く、アルキル基またはフェニル基、及びそれらが置換された有機基を表す。またRとRはアルキル基、アルケニル基、及びそれらが置換された脂肪族有機基を表す。nは0〜80の範囲を表す。R27は水素またはメチル基を表し、R28はアルキル基、アルケニル基、及びそれらが置換された脂肪族有機基を表す。)
本発明の組成物はパターンを形成するに際し、高感度、高解像度を有しており、また高透明性を有し、耐溶剤性に優れ、基板に対して高い接着性を有する硬化膜を形成することができる。
本発明で用いる(a)ポリシロキサンの構造は特に制限されないが、好ましい態様としては、一般式(3)で表されるオルガノシランの1種以上を混合、反応させることによって得られるポリシロキサンが挙げられる。
Figure 2008009406
は水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜15のアリール基のいずれかを表し、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数6〜15のアリール基のいずれかを表し、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。mは0から3の整数を表す。
一般式(3)のRで挙げられたアルキル基、アルケニル基、アリール基はいずれも置換基を有していてもよく、また置換基を有していない無置換体であってもよく、組成物の特性に応じて選択できる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−イソシアネートプロピル基が挙げられる。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、3−アクリロキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、p−ヒドロキシフェニル基、1−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、4−ヒドロキシ−5−(p−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチル基、ナフチル基が挙げられる。
一般式(3)のRで挙げられたアルキル基、アシル基はいずれも置換基を有していてもよく、また置換基を有していない無置換体であってもよく、組成物の特性に応じて選択できる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基が挙げられる。アシル基の具体例としては、アセチル基が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基が挙げられる。
一般式(3)のmは0から3の整数を表す。m=0の場合は4官能性シラン、m=1の場合は3官能性シラン、m=2の場合は2官能性シラン、n=3の場合は1官能性シランである。
一般式(3)で表されるオルガノシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラフェノキシシランなどの4官能性シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリn−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリn−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、1−(p−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシ−5−(p−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどの3官能性シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジn−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどの2官能性シラン、トリメチルメトキシシラン、トリn−ブチルエトキシシランなどの1官能性シランが挙げられる。
これらのオルガノシランのうち、硬化膜の耐クラック性と硬度の点から3官能性シランが好ましく用いられる。また、これらのオルガノシランは単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の(a)ポリシロキサンは、シリカ粒子が共重合されたポリシロキサンを用いても良い。シリカ粒子の共重合方法としては、前述のオルガノシランから合成されたポリシロキサンとシリカ粒子を反応させる方法、もしくは前述のオルガノシランとシリカ粒子を反応させてポリシロキサンを得る方法が挙げられる。ポリシロキサン中にシリカ粒子が組み込まれ、ポリシロキサンの少なくとも一部に化学的に結合(シリカ粒子と共有結合)していることにより、ポリシロキサンの流動性を低下させ、熱硬化時のパターンだれが抑えられ、熱硬化後のパターン解像度が向上する。
ポリシロキサンとシリカ粒子を反応させる方法においては、シリカ粒子は組成物中独立した成分として含まれているが、プリベークや硬化時加熱によって、ポリシロキサン中に組み込まれていく。
用いられるシリカ粒子の数平均粒子径は、好ましくは2nm〜200nmであり、さらに好ましくは5nm〜70nmである。2nmより小さいとパターン解像度の向上が十分ではなく、200nmより大きいと硬化膜が光散乱し透明性が低下する。ここで、シリカ粒子の数平均粒子径は、比表面積法換算値を用いる場合には、シリカ粒子を乾燥後、焼成し、得られた粒子の比表面積を測定した後に、粒子を球と仮定して比表面積から粒子径を求め、数平均として平均粒子径を求める。用いる機器は特に限定されないが、アサップ2020(Micromeritics社製)などを用いることができる。
シリカ粒子はアルコキシシランの1種または2種以上を水、有機溶媒および塩基(好ましくは、アンモニア)の存在下で加水分解、重縮合させる方法などにより得られる。有機溶媒に分散したシリカ粒子は水性シリカ粒子分散媒である水を有機溶媒で置換することで得られる。分散媒の置換は水性シリカ粒子に有機溶媒を添加し、蒸留などの手段で水を留去させる方法等が挙げられる。溶媒の種類によっては低級アルコールを添加し、シリカ粒子の表面が一部エステル化される場合もある。ポリシロキサンやキノンジアジド化合物との相溶性の点から、有機溶媒に分散したシリカ粒子が好ましい。
シリカ粒子の具体例としては、イソプロパノールを分散媒とした粒子径12nmのIPA−ST、メチルイソブチルケトンを分散媒とした粒子径12nmのMIBK−ST、イソプロパノールを分散媒とした粒子径45nmのIPA−ST−L、イソプロパノールを分散媒とした粒子径100nmのIPA−ST−ZL、プロピレングリコールモノメチルエーテルを分散媒とした粒子径15nmのPGM−ST(以上商品名、日産化学工業(株)製)、γ−ブチロラクトンを分散媒とした粒子径12nmのオスカル101、γ−ブチロラクトンを分散媒とした粒子径60nmのオスカル105、ジアセトンアルコールを分散媒とした粒子径120nmのオスカル106、分散溶液が水である粒子径5〜80nmのカタロイド−S(以上商品名、触媒化成工業(株)製)、プロピレングリコールモノメチルエーテルを分散媒とした粒子径16nmのクォートロンPL−2L−PGME、γ−ブチロラクトンを分散媒とした粒子径17nmのクォートロンPL−2L−BL、ジアセトンアルコールを分散媒とした粒子径17nmのクォートロンPL−2L−DAA、分散溶液が水である粒子径18〜20nmのクォートロンPL−2L、GP−2L(以上商品名、扶桑化学工業(株)製)、粒子径が100nmであるシリカ(SiO)SG−SO100(商品名、共立マテリアル(株)製)、粒子径が5〜50nmであるレオロシール(商品名、(株)トクヤマ製)などが挙げられる。また、これらのシリカ粒子は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、用いるシリカ粒子の表面が反応性基を有していると、ポリシロキサンとシリカ粒子の結合を容易にし、膜の強度が高まる点から好ましい。反応性基として、シラノール、アルコール、フェノールなどの水酸基、ビニル基、アクリル基、エチニル基、エポキシ基、アミノ基等が挙げられる。シリカ粒子と反応性基を有するアルコキシシランと反応させることで、表面に反応性基を有するシリカ粒子が得ることができる。もちろん本発明の効果を損なわない限り、メチル基、フェニル基などの反応性基を持たない置換基を有するシリカ粒子を用いてもよい。
シリカ粒子を用いる場合の混合比率は特に制限されないが、Si原子モル数で、ポリマー全体のSi原子モル数に対して1〜50%が好ましい。シリカ粒子が50%より多いと、ポリシロキサンとキノンジアジド化合物との相溶性が悪くなり、硬化膜の透明性が低下する。
なお、ポリマー全体のSi原子モル数に対するシリカ粒子のSi原子モル比はIRにおいてSi−C結合由来のピークとSi−O結合由来のピークの積分比から求めることができる。ピークの重なりが多く求められない場合は、H−NMR、13C−NMR、IR、TOF−MSなどにより粒子以外のモノマーの構造を決定し、さらに元素分析法において発生する気体と残存する灰(すべてSiOと仮定する)の割合から求めることができる。
また、ポリシロキサン中において、膜の耐クラック性と硬度を両立させる点から、ポリシロキサン中にあるフェニル基の含有率はSi原子に対して20〜70モル%が好ましく、さらに好ましくは35〜55モル%である。フェニル基の含有率が70モル%より多いと硬度が低下し、フェニル基含有率が20モル%より少ないと耐クラック性が低下する。フェニル基の含有率は、例えば、ポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴スペクトルを測定し、そのフェニル基が結合したSiのピーク面積とフェニル基が結合していないSiのピーク面積の比から求めることができる。
また、本発明で用いるポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、好ましくはGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)で測定されるポリスチレン換算で1000〜100000、さらに好ましくは2000〜50000である。Mwが1000より小さいと塗膜性が悪くなり、100000より大きいとパターン形成時の現像液への溶解性が悪くなる。アルカリ水溶液に可溶のポリシロキサンは好ましくは2000〜50000、ポリシロキサンの重量平均分子量は好ましくは5000〜100000が好ましい。Mwが5000よりも小さいと熱によるパターンだれが発生する温度が低くなってしまう場合がある。
また、シリカ粒子を用いた場合、シリカ粒子がポリシロキサンと均質化していることが好ましい。シリカ粒子が均質化していると硬化膜の硬度が向上し、現像時にプリベーク膜からシリカ粒子の析出を防ぐ。ここでいう「均質化している」とはシリカ粒子のシリカ成分とマトリックスのポリシロキサンが反応し、ポリシロキサン中にシリカ粒子が密度一定で組み込まれていることを指す。その状態は、透過型電子顕微鏡(以下、TEMと記述)でシリカ粒子とポリシロキサンの境界部分を観察することによって確認することができる。均質化している場合、TEM観察にてシリカ粒子とポリシロキサンとの境界線が観察されない。また、均質化した系は、同量のシリカ粒子をポリシロキサンに添加した系より高解像となる点からも均質化することが好ましい。
本発明におけるポリシロキサンは、上述のオルガノシランを加水分解および部分縮合させることにより得られる。加水分解および部分縮合には一般的な方法を用いることができる。例えば、混合物に溶媒、水、必要に応じて触媒を添加し、加熱攪拌する。攪拌中、必要に応じて蒸留によって加水分解副生物(メタノールなどのアルコール)や縮合副生成物(水)を留去してもよい。
シリカ粒子を結合させる場合のポリシロキサンの製造方法としては、オルガノシランに溶媒、水必要に応じて触媒を添加してオルガノシランの加水分解し、シリカ粒子と加水分解されたオルガノシランを部分縮合させることにより得られる。シリカ粒子はオルガノシランとはじめから共存させておいてもよいし、オルガノシランを加水分解、重合させてポリシロキサンとしてからシリカ粒子を加えてさらに加熱してもよいが、好ましくは相溶性の点からオルガノシランの加水分解直後に滴下する方法が挙げられる。
上記の反応溶媒としては特に制限は無いが、通常は後述する(c)溶剤と同様のものが用いられる。溶媒の添加量はオルガノシランもしくはオルガノシランとシリカ粒子の合計量100重量%に対して10〜1000重量%が好ましい。また加水分解反応に用いる水の添加量は、加水分解性基1モルに対して0.5〜2モルが好ましい。
必要に応じて添加される触媒に特に制限はないが、酸触媒、塩基触媒が好ましく用いられる。酸触媒の具体例としては塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、多価カルボン酸あるいはその無水物、イオン交換樹脂が挙げられる。塩基触媒の具体例としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミノ基を有するアルコキシシラン、イオン交換樹脂が挙げられる。触媒の添加量はオルガノシラン100重量%に対して0.01〜10重量%が好ましい。
また、塗膜性、貯蔵安定性の点から、加水分解、部分縮合後のポリシロキサン溶液には副生成物のアルコールや水、触媒が含まれないことが好ましい。必要に応じてこれらの除去を行ってもよい。除去方法は特に制限されない。好ましくはアルコールや水の除去方法としては、ポリシロキサン溶液を適当な疎水性溶剤で希釈した後、水で数回洗浄して得られた有機層をエバポレーターで濃縮する方法を用いることができる。また、触媒の除去方法としては、上記の水洗浄に加えてあるいは単独でイオン交換樹脂で処理する方法を用いることができる。
本発明の感光性シロキサン組成物は、(b)キノンジアジド化合物を含有する。キノンジアジド化合物を含有する感光性シロキサン組成物は、露光部が現像液で除去されるポジ型を形成する。用いるキノンジアジド化合物の添加量は特に制限されないが、好ましくは(a)ポリシロキサンに対して3〜10重量%である。さらに好ましくは4〜10重量%である。キノンジアジド化合物の添加量が3重量%より少ない場合、露光部と未露光部との溶解コントラストが低すぎて、現実的な感光性を有さない。また、さらに良好な溶解コントラストを得るためには4重量%以上が好ましい。一方、キノンジアジド化合物の添加量が10重量%より多い場合、ポリシロキサンとキノンジアジド化合物との相溶性が悪くなることによる塗布膜の白化が発生し、熱硬化時に起こるキノンジアジド化合物の分解による着色が顕著になるために、硬化膜の無色透明性が低下する。
用いるキノンジアジド化合物は特に制限されないが、好ましくはフェノール性水酸基を有する化合物にナフトキノンジアジドスルホン酸がエステル結合した化合物であり、当該化合物のフェノール性水酸基のオルト位、およびパラ位がそれぞれ独立して水素、もしくは一般式(4)で表される置換基のいずれかである化合物が用いられる。
Figure 2008009406
〜Rはそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基、カルボキシル基、フェニル基、置換フェニル基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRで環を形成してもよい。
一般式(4)で表される置換基において、R〜Rはそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基、カルボキシル基、フェニル基、置換フェニル基のいずれかを表す。アルキル基は置換基を有していてもよく、また置換基を有していない無置換体であってもよく、組成物の特性に応じて選択できる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、2−カルボキシエチル基が挙げられる。また、フェニル基に置換する置換基としては、水酸基が挙げられる。また、RとR、RとR、RとRで環を形成してもよく、具体例としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、アダマンタン環、フルオレン環が挙げられる。
フェノール性水酸基のオルト位、およびパラ位が上記以外、例えばメチル基の場合、熱硬化によって酸化分解が起こり、キノイド構造に代表される共役系化合物が形成され、硬化膜が着色して無色透明性が低下する。なお、これらのキノンジアジド化合物は、フェノール性水酸基を有する化合物と、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドとの公知のエステル化反応により合成することができる。
フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる(商品名、本州化学工業(株)製)。
Figure 2008009406
Figure 2008009406
ナフトキノンジアジドスルホン酸としては、4−ナフトキノンジアジドスルホン酸あるいは5−ナフトキノンジアジドスルホン酸を用いることができる。4−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物はi線(波長365nm)領域に吸収を持つため、i線露光に適している。また、5−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物は広範囲の波長領域に吸収が存在するため、広範囲の波長での露光に適している。露光する波長によって4−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物、5−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を選択することが好ましい。4−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物と5−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を混合して用いることもできる。
ナフトキノンジアジド化合物の分子量は、好ましくは300〜1500、さらに好ましくは350〜1200である。ナフトキノンジアジド化合物の分子量が1500より多いと、4〜10重量%の添加量ではパターン形成ができなくなる可能性がある。一方、ナフトキノンジアジド化合物の分子量が300より小さいと、無色透明性が低下する可能性がある。
本発明の感光性シロキサン組成物は(c)溶剤を含有する。溶剤は特に制限されないが、好ましくはアルコール性水酸基を有する化合物および/またはカルボニル基を有する環状化合物が用いられる。これらの溶剤を用いると、ポリシロキサンとキノンジアジド化合物とが均一に溶解し、組成物を塗布製膜しても膜は白化することなく、高透明性が達成できる。
アルコール性水酸基を有する化合物は特に制限されないが、好ましくは大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物である。沸点が250℃より高いと膜中の残存溶剤量が多くなり熱硬化時の膜収縮が大きくなり、良好な平坦性が得られなくなる。一方、沸点が110℃より低いと、塗膜時の乾燥が速すぎて膜表面が荒れるなど塗膜性が悪くなる。
アルコール性水酸基を有する化合物の具体例としては、アセトール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールが挙げられる。これらの中でも、さらにカルボニル基を有する化合物が好ましく、特にジアセトンアルコールが好ましく用いられる。これらのアルコール性水酸基を有する化合物は、単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
カルボニル基を有する環状化合物は特に制限されないが、好ましくは大気圧下の沸点が150〜250℃である化合物である。沸点が250℃より高いと膜中の残存溶剤量が多くなり熱硬化時の膜収縮が大きくなり、良好な平坦性が得られなくなる。一方、沸点が150℃より低いと、塗膜時の乾燥が速すぎて膜表面が荒れるなど塗膜性が悪くなる。
カルボニル基を有する環状化合物の具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンが挙げられる。これらの中でも、特にγ−ブチロラクトンが好ましく用いられる。これらのカルボニル基を有する環状化合物は、単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上述のアルコール性水酸基を有する化合物とカルボニル基を有する環状化合物は、単独でも、あるいは各々混合して用いても良い。混合して用いる場合、その重量比率は特に制限されないが、好ましくはアルコール性水酸基を有する化合物/カルボニル基を有する環状化合物=(99〜50)/(1〜50)、さらに好ましくは(97〜60)/(3〜40)である。アルコール性水酸基を有する化合物が99重量%より多い(カルボニル基を有する環状化合物が1重量%より少ない)と、ポリシロキサンとキノンジアジド化合物との相溶性が悪く、硬化膜が白化して透明性が低下する。また、アルコール性水酸基を有する化合物が50重量%より少ない(カルボニル基を有する環状化合物が50重量%より多い)と、ポリシロキサン中の未反応シラノール基の縮合反応が起こり易くなり、貯蔵安定性が悪くなる。
また、本発明の感光性シロキサン組成物は、本発明の効果を損なわない限り、その他の溶剤を含有してもよい。その他の溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−1−ブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテートなどのエステル類、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類が挙げられる。
溶剤の添加量は、ポリシロキサンに対して、好ましくは100〜1000重量%の範囲である。
本発明の感光性シロキサン組成物は、(d)一般式(1)で表される化合物または下記一般式(2)で表される繰り返し単位を少なくとも1つ有するアクリル重合体化合物からなる感光性シロキサン組成物を含有する。
一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を少なくとも1つ有するアクリル重合体化合物は組成物を熱硬化したのちの膜の耐薬品性向上、基板との接着性向上に寄与する。
Figure 2008009406
、Rは同じでも異なっていても良く、アルキル基またはフェニル基、及びそれらが置換された有機基を表す。アルキル基の具体例としては、炭素数1〜10個のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。なかでもn−プロピル基が容易に作製できる点で好ましい。また、アルキル基、フェニル基が置換された有機基であればよく、1−メトキシプロピル基等が挙げられる。
またRとRは同じでも異なってもよくアルキル基またはアルケニル基、及びそれらが置換された脂肪族有機基を表す。R、Rに含まれる炭素数は原料となるジカルボン酸無水物由来であり、特に限定されないが、原料となるジカルボン酸無水物の入手しやすさの点からR、Rに含まれる炭素数は2〜8個が好ましく、さらに化合物の安定性の点から3個〜8個がより好ましい。アルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられ、アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アクリロキシプロピル基、メタクリロキシプロピル基が上げられる。またRとRにはシクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン、ノルボルネン環、アダマンタン環などの脂肪族環状有機基が含まれていても良い。
やRがフェニル基、トリル基、ナフチル基などの芳香族基である場合、当該組成物から得られる硬化膜を高温加熱すると上記の芳香族イミド基が着色源となるため、膜の光線透過率が低下してしまう。また上記の芳香族基が含まれるとポリシロキサンとの相溶性が低下する。さらに塗布膜を作製した際に相分離を起こし、膜の白濁を引き起こしてしまい、光線透過率が低下する。従って、RとRは脂肪族有機基である必要がある。RとRが脂肪族有機基である場合、高温硬化により膜の透過率を下げることなく、またポリシロキサンとの相溶性も高いため、硬化膜にしたときの白濁化を引き起こさず高い光線透過率を有することができる。
一般式(1)で表される化合物のRとRの具体的な例としては、以下に挙げた有機基(脂環式構造)がある。本発明では、これらの有機基を組み合わせた化合物であればよく、その組合せについては特に限定されない。
Figure 2008009406
また、一般式(1)で表される化合物のnは0〜80の範囲である。好ましくは、nは0〜20が良い。nが80よりも大きい両末端がイミド構造になっているジメチルシロキサンポリマーを用いた場合は接着性を十分に向上できないだけではなく、疎水性が高い長鎖ジメチルシロキサン部位を有するため、組成物中や塗布後に相分離を起こしてしまう。その結果として塗液の保存安定性や塗布膜の白濁化や、熱効果後のゆがみによる皺を発現させてしまう。これに対してnが0〜80の場合は組成物中や塗布後に相分離を起こすことなく、接着性を十分に向上することができる。
一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に挙げる。
Figure 2008009406
ラダー状の架橋ポリマーであるポリシロキサンは、一般にその硬化膜がもろい。特にアルカリ性の溶剤に硬化膜を含浸させた場合、クラックなどが発生してしまうという問題点がある。一般式(1)で表される化合物には、直鎖状のシロキサン部位があるため、一般式(1)で表される化合物が添加された硬化膜は柔らかくなり、耐溶剤性が向上する。
一般式(1)で表されるビスイミド化合物の添加量はポリシロキサンに対して好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。0.1重量%よりも少ないと接着性や耐溶剤性に効果を十分に示さず、10重量%よりも多い場合は、パターニングを行った際に可塑剤としての機能が発現してしまい、パターニングだれが発生してしまい解像度が低下してしまう場合がある。
一般式(2)で表される繰り返し単位を有する化合物はアクリル酸、メタクリル酸基を有するアクリル重合体とアジリジンを反応させた後に、カルボン酸無水物基を有する化合物と反応させ、イミド基にすることにより得られる。
一般式(2)のR27は水素、メチル基を表し、アクリル共重合体中に複数ある場合は同じでも異なってもよい。またR28アルキル基またはアルケニル基、及びそれらが置換された脂肪族有機基を表し、アクリル共重合体中に複数ある場合は同じでも異なっても良い。R28に含まれる炭素数は原料となるジカルボン酸無水物由来であり、特に限定されないが、原料となるジカルボン酸無水物の入手しやすさの点からR28に含まれる炭素数は2〜8個が好ましく、さらに化合物の安定性の点から3個〜8個がより好ましい。アルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられ、アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アクリロキシプロピル基、メタクリロキシプロピル基が上げられる。またR28にはシクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン、ノルボルネン環、アダマンタン環などの脂肪族環状有機基が含まれていても良い。R28がフェニル基、トリル基、ナフチル基などの芳香族基である場合、当該組成物から得られる硬化膜を高温加熱すると上記の芳香族イミド基が着色源となるため、膜の光線透過率が低下してしまう。また上記の芳香族基が含まれるとポリシロキサンとの相溶性が低下する。さらに塗布膜を作製した際に相分離を起こし、膜の白濁を引き起こしてしまい、光線透過率が低下する。従って、R28は脂肪族有機基である必要がある。R28が脂肪族有機基である場合、高温硬化により膜の透過率を下げることなく、またポリシロキサンとの相溶性も高いため、硬化膜にしたときの白濁化を引き起こさず高い光線透過率を有することができる。
一般式(2)で表される繰り返し単位を有するアクリル重合体化合物は、下記一般式(5)、(6)で表される繰り返し単位を有することが望ましい。一般式(5)で表される構造体はパターニング時のアルカリ現像液への溶解性をコントロールする効果があり、一般式(6)で表される化合物は感光剤キノンジアジド化合物との相溶性向上に効果がある。
Figure 2008009406
(R29は水素又はメチル基を表し、R30は水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基およびそれらが置換された有機基を表す。)
一般式(5)で表される構造体のR29は水素基又はメチル基を表し、R30は水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基およびそれらが置換された有機基を表す。一般式(5)で表される構造体のR30で挙げられたアルキル基、アルケニル基、アリール基はいずれも置換基を有していてもよく、また置換基を有していない無置換体であってもよく、組成物の特性に応じて選択できる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−イソシアネートプロピル基が挙げられる。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、3−アクリロキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、p−ヒドロキシフェニル基、1−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、4−ヒドロキシ−5−(p−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチル基、ナフチル基が挙げられる。共重合することにより一般式(5)で表される構造体となるエチレン性不飽和化合物としてはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸nープロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソ−ブチル、メタクリル酸イソ−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ペンチル等が挙げられる。一般式(6)で表される構造体はスチレンを共重合することにより得られる。
一般式(2)で表される構造体を少なくとも1つ有するアクリル重合体化合物の数平均分子量はポリシロキサンと良く相溶し、熱による硬化した後に白濁等を防ぐという点から好ましくは8000以下である。一般式(2)で表される構造体を少なくとも1つ有するアクリル重合体化合物の添加量はポリシロキサンに対して好ましくは0.1%〜10%である。0.1重量%よりも少ないと接着性や耐溶剤性に効果を十分に示さず、10重量%よりも多い場合はポリシロキサンと相分離を起こし熱効果後の透過率低下を引き起こす。
ラダー状の架橋ポリマーであるポリシロキサンは、一般にその硬化膜がもろいが一般式(2)で表されるアクリル重合体化合物は直鎖状であるため、添加された硬化膜は柔らかくなり、耐溶剤性が向上する。
一般式(2)で表される構造体の具体例を以下に挙げる
Figure 2008009406
本発明では一般式(1)で表されるビスイミド化合物もしくはイミド基含有の一般式(2)で表される構造体を有するアクリル重合体を用いればよく、単独で用いても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
さらに、本発明の感光性シロキサン組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、熱酸発生剤を用いても良い。
好ましく用いられる熱酸発生剤の具体例としては、SI−60、SI−80、SI−100、SI−110、SI−145、SI−150、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−110L、SI−145L、SI−150L、SI−160L、SI−180L(いずれも、三新化学工業(株)製)、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−アセチルフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ベンゾイルオキシフェニルメチルスルホニウム、これらのメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩が挙げられる。より好ましくは4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−アセチルフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ベンゾイルオキシフェニルメチルスルホニウム、これらのメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩である。なお、これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
熱酸発生剤の好ましい添加量はシロキサンポリマー100重量部に対して0.01〜10重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。0.01重量部より少ないとシロキサンポリマーの架橋促進剤としての機能が十分に発揮されず低硬度の膜となり、10重量部より多いと、感度の低下やクラックの発生、透明性の低下を引き起こす。
さらに、本発明の感光性シロキサン組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、増感剤を含有してもよい。このときの増感剤は熱処理により気化する、および/または膜に残存した場合においても、光照射によって退色する増感剤が好ましい。
上記の熱処理により気化する、および/または光照射によって退色する増感剤の具体例としては、3,3’−カルボニルビス(ジエチルアミノクマリン)などのクマリン、9,10−アントラキノンなどのアントラキノン、ベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、アセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、ベンズアルデヒドなどの芳香族ケトン、ビフェニル、1,4−ジメチルナフタレン、9−フルオレノン、フルオレン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、アントラセン、9−フェニルアントラセン、9−メトキシアントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(4−メトキシフェニル)アントラセン、9,10−ビス(トリフェニルシリル)アントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン(DPA、川崎化成(株)製)、9,10−ジブトキシアントラセン(DBA、川崎化成(株)製)、9,10−ジペンタオキシアントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ビス(トリメチルシリルエチニル)アントラセンなどの縮合芳香族などが挙げられる。
これらの増感剤の中で、熱処理により気化する増感剤は、好ましくは熱処理により昇華、蒸発、熱分解による熱分解物が昇華または蒸発する増感剤である。また、増感剤の気化温度としては、好ましくは130℃〜400℃、さらに好ましくは150℃〜250℃である。増感剤の気化温度が130℃より低いと、増感剤がプリベーク中に気化して露光プロセス中に存在しなくなり高感度化が達成されない。また、プリベーク中の気化を極力抑えるためには、増感剤の気化温度は150℃以上が好ましい。一方、増感剤の気化温度が400℃より高いと、増感剤が熱硬化時に気化せず硬化膜中に残存して、無色透明性が低下する。また、熱硬化時に完全に気化させるためには、増感剤の気化温度は250℃以下が好ましい。
一方、光照射によって退色する増感剤は、透明性の点から可視光領域における吸収が光照射によって退色する増感剤が好ましい。また、さらに好ましい光照射によって退色する化合物は、光照射によって二量化する化合物である。光照射によって二量化することによって、分子量が増大して不溶化するので、耐薬品性向上、耐熱性向上、透明硬化膜からの抽出物の低減という効果が得られる。
また、増感剤は高感度を達成できるという点、光照射によって二量化して退色するという点からアントラセン系化合物が好ましく、さらに、9,10位が水素であるアントラセン系化合物は熱に不安定であるので、9,10−二置換アントラセン系化合物であることが好ましい。さらに、増感剤の溶解性の向上と光二量化反応の反応性の点から一般式(8)で表される9,10−ジアルコキシアントラセン系化合物であることが好ましい。
Figure 2008009406
一般式(8)のR10〜R17は、それぞれ独立して水素、炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アシル基、およびこれら列挙した有機基がその他の有機基で置換された有機基を表す。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基が挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基が挙げられる。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アクリロキシプロピル基、メタクリロキシプロピル基が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基が挙げられる。アシル基の具体例としては、アセチル基が挙げられる。化合物の気化性、光二量化の反応性の点から、R10〜R17は水素、または炭素数は1〜6までの有機基であることが好ましい。さらに好ましくは、R10、R13、R14、R17は水素であることが好ましい。
一般式(8)のR18、R19は炭素数1〜20のアルコキシ基がその他の有機基で置換された有機基を表す。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基が挙げられるが、化合物の溶解性と光二量化による退色反応の点から、プロポキシ基、ブトキシ基が好ましい。
増感剤を用いる場合、ポリシロキサンに対して0.001〜5重量%、さらに好ましくは0.005〜1重量%の範囲で添加するのが好ましい。この範囲を外れると、透明性が低下したり、感度が低下したりするので注意を要する。
さらに、本発明の感光性シロキサン組成物は熱架橋性化合物を含有してもよい。熱架橋性化合物は熱硬化時にポリシロキサンを架橋する化合物であり、架橋によりポリシロキサン骨格中に取り込まれる化合物である。熱架橋性化合物を含有することによって硬化膜の架橋度が高くなる。これによって硬化膜の耐溶剤性が向上する。
熱架橋性化合物は熱硬化時にポリシロキサンを架橋し、ポリシロキサン骨格中に取り込まれる化合物であれば特に制限されないが、好ましくは一般式(9)で表される基、エポキシ構造、オキセタン構造の群から選択される構造を2個以上有する化合物が挙げられる。上記構造の組み合わせは特に限定されないが、選択される構造は同じものであることが好ましい。
Figure 2008009406
20は水素、炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを表す。なお、化合物中の複数のR20はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
一般式(9)で表される基を2個以上有する化合物において、R20は水素、炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを表す。なお、化合物中の複数のR20はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基が挙げられる。
一般式(9)で表される基を2個以上有する化合物の具体例としては、以下のようなメラミン誘導体や尿素誘導体(商品名、三和ケミカル(株)製)、およびフェノール性化合物(商品名、本州化学工業(株)製)が挙げられる。
Figure 2008009406
エポキシ構造を2個以上有する化合物の具体例としては、“エポライト”40E、“エポライト”100E、“エポライト”200E、“エポライト”400E、“エポライト”70P、“エポライト”200P、“エポライト”400P、“エポライト”1500NP、“エポライト”80MF、“エポライト”4000、“エポライト”3002(以上商品名、共栄社化学工業(株)製)、“デナコール”EX−212L、“デナコール”EX−214L、“デナコール”EX−216L、“デナコール”EX−850L、“デナコール”EX−321L(以上商品名、ナガセケムテックス(株)製)、GAN、GOT、EPPN502H、NC3000、NC6000(以上商品名、日本化薬(株)製)、“エピコート”828、“エピコート”1002、“エピコート”1750、“エピコート”1007、YX8100−BH30、E1256、E4250、E4275(以上商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン”EXA−9583、HP4032、“エピクロン”N695、HP7200(以上商品名、大日本インキ化学工業(株)製)、“テピック”S、“テピック”G、“テピック”P(以上商品名、日産化学工業(株)製)、“エポトート”YH−434L(商品名、東都化成(株)製)などが挙げられる。
オキセタン構造を2個以上有する化合物の具体例としては、OXT−121、OXT−221、OX−SQ−H、OXT−191、PNOX−1009、RSOX(以上商品名、東亜合成(株)製)、“エタナコール”OXBP、“エタナコール”OXTP(以上商品名、宇部興産(株)製)などが挙げられる。
なお、上記の熱架橋性化合物は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
熱架橋性化合物の添加量は特に制限されないが、好ましくはポリシロキサンに対して0.1〜10重量%の範囲である。熱架橋性化合物の添加量が0.1重量%より少ない場合、ポリシロキサンの架橋が不十分で効果が少ない。一方、熱架橋性化合物の添加量が10重量%より多い場合、硬化膜の無色透明性が低下したり、組成物の貯蔵安定性が低下する。
本発明の感光性シロキサン組成物は必要に応じて、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、消泡剤などの添加剤を含有することもできる。
本発明の感光性シロキサン組成物を用いた硬化膜の形成方法について説明する。本発明の感光性シロキサン組成物をスピンナー、ディッピング、スリットなどの公知の方法によって下地基板上に塗布し、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置でプリベークする。プリベークは、50〜150℃の範囲で30秒〜30分間行い、プリベーク後の膜厚は、0.1〜15μmとするのが好ましい。
プリベーク後、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナー(PLA)などの紫外可視露光機を用い、10〜4000J/m程度(波長365nm露光量換算)を所望のマスクを介してパターニング露光する。また、本発明の感光性シロキサン組成物は、PLAによる露光での感度が100〜4000J/mであることが好ましい。感度が4000J/mより低いと、パターン形成時の放射線露光時間が長くなるために生産性が低下したり、放射線露光量が多くなるために下地基板からの反射量が多くなりパターン形状が悪化する。
前記のPLAによるパターニング露光での感度は、例えば以下の方法により求められる。組成物をシリコンウェハにスピンコーターを用いて任意の回転数でスピンコートし、ホットプレートを用いて115℃で2分間プリベークし、膜厚4μmの膜を作製する。作製した膜をPLA(キヤノン(株)製PLA−501F)を用いて、超高圧水銀灯を感度測定用のグレースケールマスクを介して露光した後、自動現像装置(滝沢産業(株)製AD−2000)を用いて2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で任意の時間パドル現像し、次いで水で30秒間リンスする。形成されたパターンにおいて、10μmのラインアンドスペースパターンを1対1の幅で解像する露光量を感度として求める。
パターニング露光後、現像により露光部が溶解し、ポジ型のパターンを得ることができる。現像方法としては、シャワー、ディッピング、パドルなどの方法で現像液に5秒〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、公知のアルカリ現像液を用いることができる。具体的例としてはアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩などの無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、コリン等の4級アンモニウム塩を1種あるいは2種以上含む水溶液等が挙げられる。
現像後、水でリンスすることが好ましく、つづいて50〜150℃の範囲で乾燥ベークを行うこともできる。
その後、ブリーチング露光を行うことが好ましい。ブリーチング露光を行うことによって、膜中に残存する未反応のキノンジアジド化合物が光分解して、膜の光透明性がさらに向上する。ブリーチング露光の方法としては、PLAなどの紫外可視露光機を用い、100〜4000J/m程度(波長365nm露光量換算)を全面に露光する。
その後、この膜をホットプレート、オーブンなどの加熱装置で150〜450℃の範囲で1時間程度熱硬化する。解像度は、好ましくは10μm以下である。
本発明の感光性シロキサン組成物は、波長400nmでの膜厚3μmあたりの透過率が95%以上である硬化膜が形成可能であり、さらに好ましくは98%以上を有する。光透過率が95%より低いと、液晶表示素子のTFT基板用平坦化膜として用いた場合、バックライトが通過する際に色変化が起こり、白色表示が黄色味を帯びる。
前記の波長400nmにおける膜厚3μmあたりの透過率は、以下の方法により求められる。組成物をテンパックスガラス板にスピンコーターを用いて任意の回転数でスピンコートし、ホットプレートを用いて115℃で2分間プリベークする。その後、ブリーチング露光として、PLAを用いて、膜全面に超高圧水銀灯を6000J/m(波長365nm露光量換算)露光し、オーブンを用いて空気中250℃で1時間熱硬化して硬化膜を作製する。得られた硬化膜の紫外可視吸収スペクトルを(株)島津製作所製MultiSpec−1500を用いて測定し、膜厚3μmあたりの波長400nmにおける透過率を求める。
この硬化膜は表示素子におけるTFT用平坦化膜、半導体素子における層間絶縁膜、あるいは光導波路におけるコアやクラッド材等に好適に使用される。
本発明の素子は、表示素子、半導体素子、あるいは光導波路材が挙げられる。また、本発明の素子は、上述の本発明の高解像度、高硬度、高透明性、高耐熱性の硬化膜を有するので、特に、TFT用平坦化膜として用いた液晶ディスプレイや有機EL表示素子は画面の明るさと信頼性に優れている。
以下に本発明をその実施例を用いて説明するが、本発明の様態はこれらの実施例に限定されるものではない。また実施例等で用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、以下に示す。
DAA:ジアセトンアルコール
EDM:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
HPE:2−ヒドロキシプロピオン酸エチル
GBL:γ−ブチロラクトン
DBA:9,10−ジブトキシアントラセン
SiDA:1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン。
合成例1 ポリシロキサン溶液(i)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを74.91g(0.65mol)、フェニルトリメトキシシランを69.41g(0.35mol)、ジアセトンアルコール(DAA)を150.36g仕込み、室温で攪拌しながら水55.8gにリン酸0.338g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(i)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は6000であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して35%であった。ポリマーの重量平均分子量はGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)(展開溶剤:テトラヒドロフラン、展開速度:0.4ml/分)を用いてポリスチレン換算で測定した。フェニル基の含有率はポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴スペクトルを測定し、そのフェニル基が結合したSiのピーク面積とフェニル基が結合していないSiのピーク面積の比から測定した。
合成例2 ポリシロキサン溶液(ii)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを63.39g(0.55mol)、フェニルトリメトキシシランを69.41g(0.35mol)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを24.64g(0.1mol)、DAAを150.36g仕込み、室温で攪拌しながら水55.8gにリン酸0.338g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(ii)を得た。なお、得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は5000であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して35%であった。
合成例3 ポリシロキサン溶液(iii)の合成
メチルトリメトキシシラン23.84g(0.175モル)、フェニルトリメトキシシラン99.15g(0.5モル)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシラン12.32g(0.05モル)、シリカ粒子DAA溶剤分散液クォートロンPL−2L−DAA(扶桑化学工業(株)製:固形分26.4重量%)を62.58g(シラン原子数で27.5モル)、DAA209.47gを500mLの三口フラスコに仕込み、室温で攪拌しながら水40.05gにリン酸0.181gを溶かしたリン酸水溶液を30分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから45分加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計89g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液が、ポリマー濃度が43重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(iii)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は5500であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して50モル%であった。
合成例4 キノンジアジド化合物(iv)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)21.23g(0.05mol)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド37.62g(0.14mol)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン15.58g(0.154mol)を系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入させた。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、エステル化率93%の下記構造のキノンジアジド化合物(iv)を得た。
Figure 2008009406
合成例5 キノンジアジド化合物(v)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−HPA(商品名、本州化学工業(株)製)15.32g(0.05mol)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド30.9g(0.115mol)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン13.03g(0.127mol)を系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入させた。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、エステル化率93%の下記構造のキノンジアジド化合物(v)を得た。
Figure 2008009406
合成例6 ビスイミド化合物(vi)の合成
GBL40gに1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(SiDA)20g(80.5mmol)を加えて撹拌し溶解させる。メチルシクロヘキシンカルボン酸無水物24.5g(161mmol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、120℃にて2時間撹拌した。得られた溶液を固形分濃度が20%になるようにGBLで希釈して、下記構造で表されるビスイミド化合物(vi)溶液を得た。
Figure 2008009406
合成例7 ビスイミド化合物(vii)の合成
GBL40gにSiDA20g(80.5mmol)を加えて撹拌し溶解させる。グルタル酸無水物9.2g(80.5mmol)、3−エチル−3−メチルグルタル酸無水物12.6g(80.5mmol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、120℃にて2時間撹拌した。得られた溶液を固形分濃度が20%になるようにGBLで希釈して、下記構造で表されるビスイミド化合物(vii)溶液を得た。
Figure 2008009406
合成例8 ビスイミド化合物(viii)の合成
GBL40gに1,3−ビス(p−アニリン)テトラメチルジシロキサン31.41g(80.5mmol)を加えて撹拌し溶解させる。ノルボルネン酸無水物19.7g(120.8mmol)、endo−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2.3−ジカルボン酸無水物7.2g(40.3mmol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、120℃にて2時間撹拌した。得られた溶液を固形分濃度が20%になるようにGBLで希釈して、下記構造で表されるビスイミド化合物(viii)溶液を得た。
Figure 2008009406
合成例9 ビスイミド化合物(ix)の合成
GBL40gにX−22−161A(商品名、信越化学工業(株)製)、両末端が3−アミノプロピル基となっているジメチルシロキサンオリゴマー(以下に示した化合物、n=1〜80の混合物(平均分子量1600))を128.8g加えて撹拌し溶解させる。
Figure 2008009406
次にマレイン酸7.3g(80.5mmol)、2,3−ジメチルマレイン酸10.15g(80.5mmol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、120℃にて2時間撹拌した。得られた溶液を固形分濃度が20%になるようにGBLで希釈して、下記構造で表されるビスイミド化合物(ix)溶液を得た。
Figure 2008009406
合成例10 ビスイミド化合物(x)の合成
GBL40gにSiDA20g(80.5mmol)を加えて撹拌し溶解させる。フタル酸無水物23.8g(161mmol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、120℃にて2時間撹拌した。得られた溶液を固形分濃度が20%になるようにGBLで希釈して、下記構造で表されるビスイミド化合物(x)溶液を得た。得られたビスイミド化合物は一般式(1)で表される化合物とは異なる構造を有している。
Figure 2008009406
合成例11 アクリル樹脂溶液(xi)の合成
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5g、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(EDM)200gを500mLの三口フラスコに仕込んだ。引き続きスチレン25g、メタクリル酸20g、メタクリル酸グリシジル45g、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート10gを仕込み、室温でしばらく攪拌した後、フラスコ内を窒素置換した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて、5時間加熱攪拌した。得られたアクリル樹脂のEDM溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにさらにEDMを加えて、アクリル樹脂溶液(xi)を得た。なお、得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は15000であった。
合成例12 ノボラック樹脂の溶液(xii)の合成
冷却管と撹拌装置を装着した2Lのセパラブルフラスコに、m−クレゾール172.8g(1.6mol)、2.3−ジメチルフェノール36.6g(0.3モル)、3.4−ジメチルフェノール12.2g(0.1mol)、37重量%ホルムアルデヒド水溶液12.6g(ホルムアルデヒド:1.5mol)、シュウ酸2水和物12.6g(0.1mol)及びメチルイソブチルケトン554gを加え、30分撹拌した後、1時間静置した。2層に分離した上層をデカンテーションによって除去し、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル(HPE)を加え、残存メチルイソブチルケトン、水を減圧濃縮によって除去し、ノボラック樹脂のHPE溶液を得た。得られたノボラック樹脂のHPE溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにHPEを加えて、ノボラック樹脂のHPE溶液(xii)を得た。
合成例13 イミド基を有するアクリル共重合体溶液(A)の合成
メタクリル酸メチルを14g(0.14mol)、スチレンを14g(0.135mol)、メタクリル酸を48g(0.557mol)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を3g、および、γ−ブチロラクトンを150g重合容器中に仕込み、90℃にて2時間撹拌し、さらに液温を100℃に上げ、1時間反応させた。次に、得られた溶液にp−メトキシフェノール0.2g添加し、90℃で4時間撹拌した。このアクリル共重合体溶液にアジリジン7.9g(0.18mol)を加えて40℃で5時間反応させ、続いて2,3−ジメチルマレイン酸11.3g(0.090mol)を投入し120℃で2時間攪拌した。反応終了時にγ−BLを27g添加して、下記の繰り返し単位を有するイミド基を有するアクリル共重合体溶液(A)(固形分43質量%、分子量18000)を得た。
Figure 2008009406
合成例14 イミド基を有するアクリル共重合体溶液(B)の合成
アクリル酸を76g(1.055mol)2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を3g、および、γ−ブチロラクトンを150g重合容器中に仕込み、40℃にて2時間撹拌し、さらに液温を60℃に上げ、1時間反応させた。次に、得られた溶液にp−メトキシフェノール0.2g添加し、60℃で4時間撹拌した。このアクリル共重合体溶液にアジリジン7.9g(0.180mol)を加えて40℃で5時間反応させ、続いてメチルシクロヘキシンカルボン酸無水物13.7g(0.090mol)、を投入し120℃で2時間攪拌した。反応終了時にγ−BLを25g添加して、下記の繰り返し単位を有するイミド基を有するアクリル共重合体溶液(B)(固形分43質量%、分子量6800)を得た。
Figure 2008009406
合成例15 イミド基を有するアクリル共重合体溶液(C)の合成
アクリル酸エチルを14g(140mmol)、スチレンを14g(0.135mol)、アクリル酸を48g(0.66mol)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を3g、および、γ−ブチロラクトンを150g重合容器中に仕込み、90℃にて2時間撹拌し、さらに液温を100℃に上げ、1時間反応させた。次に、得られた溶液にp−メトキシフェノール0.2g添加し、90℃で4時間撹拌した。このアクリル共重合体溶液にアジリジン7.9g(0.18mol)を加えて40℃で5時間反応させ、続いてグルタル酸無水物5.14g(0.045mol)、ノルボルネン酸無水物14.7g(45mmol)、を投入し120℃で2時間攪拌した。反応終了時にγ−BLを22g添加して、下記の繰り返し単位を有するイミド基を有するアクリル共重合体溶液(C)(固形分43質量%、分子量19000)を得た。
Figure 2008009406
合成例16 イミド基を有するアクリル共重合体溶液(D)の合成
アクリル酸を76g(1.055mol)2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を3g、および、γ−ブチロラクトンを150g重合容器中に仕込み、90℃にて2時間撹拌し、さらに液温を100℃に上げ、1時間反応させた。次に、得られた溶液にp−メトキシフェノール0.2g添加し、90℃で4時間撹拌した。このアクリル共重合体溶液にアジリジン7.9g(0.180mol)を加えて40℃で5時間反応させ、続いて5−メチルフタル酸無水物14.58g(0.09mol)、を投入し120℃で2時間攪拌した。反応終了時にγ−BLを25g添加して、下記の繰り返し単位を有するイミド基を有するアクリル共重合体溶液(D)(固形分43質量%、分子量26000)を得た。得られたアクリル共重合体に含まれるイミド基を有する構造体は下記一般式(2)で表される構造体とは異なる構造をしている。
Figure 2008009406
また実施例等で用いる化合物の構造を以下に示す。
Figure 2008009406
実施例1
黄色灯下にてキノンジアジド化合物(iv)0.333g(8重量部)、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート(三新化学工業(株)製)0.095g(2重量部)、“ニカラック”MX−270(商品名、三和ケミカル(株)製)0.095g(2重量部)、9,10−ジブトキシアントラセン(DBA、川崎化成(株)製)0.0143g(0.3重量部)、組成物全体のDAA/γ−ブチロラクトン(GBL)の重量比が70/30になるように、DAAを0.403g、GBL2.498gに溶解させ、ビスイミド化合物(vi)を0.476g(固形分換算で2重量部)、ポリシロキサン溶液(i)11.08g(ポリシロキサン100重量部に相当)、シリコーン系界面活性剤であるBYK−333(ビックケミージャパン(株)製)を0.008g(組成物全量に対して濃度50ppmに相当)加え撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、感光性シロキサン組成物を得た。得られた組成物を組成物1とする。
作製した組成物1をテンパックスガラス板(旭テクノガラス板(株)製)、およびシリコンウェハにスピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いて任意の回転数でスピンコートした後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SCW−636)を用いて115℃で2分間プリベークし、膜厚4μmのプリベーク膜を作製した。作製したプリベーク膜をパラレルライトマスクアライナー(以下PLAという)(キヤノン(株)製PLA−501F)を用いてg線+h線+i線(約350nm〜450nmの波長を持つ光)をグレースケールマスクを用いて最大i線露光量で20から2000J/m照射した。なおグレースケールマスクとはマスク上から2000J/m露光することにより、マスク下に1%(20J/m)から100%(2000J/m)までを段階的に一括で露光することができるマスクのことである。その後、自動現像装置(AD−2000、滝沢産業(株)製)を用いて2.38wt%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液であるELM−D(三菱ガス化学(株)製)で80秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした。その後、ブリーチング露光として、PLA−501F(キヤノン(株)製)を用いて、膜全面に超高圧水銀灯を6000J/m(波長365nm露光量換算)露光した。その後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SCW−636)を用いて90℃で2分間ソフトベークし、次いでオーブン(エスペック(株)製IHPS−222)を用いて空気中220℃で1時間キュアして硬化膜を作製した。得られた硬化膜をパターン付きキュア膜とする。
評価結果を表2に示す。なお、表中の評価は以下の方法で行った。なお、下記の(1)、(2)、(3)、(4)の評価は、基板はシリコンウェハを用い、(5)の評価はテンパックスガラス板を用いて行った。
(1)膜厚測定
大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースSTM−602を用いて、屈折率1.50でプリベーク膜及び、硬化膜の厚さを測定した。
(2)残膜率
残膜率は組成物をシリコンウェハ上に塗布し、100℃120秒のホットプレート上でプリベークした後に現像を行い、プリベーク後の膜厚(I)、現像後の未露光部膜厚(II)とすると、
残膜率(%)=(II)×100/(I)で算出される。
(3)感度
露光、現像後、10μmのラインアンドスペースパターンを1対1の幅に形成する露光量(以下、これを最適露光量という)を感度とした。
(4)解像度
最適露光量における現像後に得られた最小パターン寸法を現像後解像度とし、キュア後の最小パターン寸法をキュア後解像度とした。
(5)光透過率の測定
MultiSpec−1500((株)島津製作所製)を用いて、まずテンパックスガラス板のみを測定し、その紫外可視吸収スペクトルをリファレンスとした。次に上記のようにテンパックスガラス上に形成された各プリベーク膜を、2.38wt%テトラメチルアンモニウム水溶液で23℃60秒間シャワー現像し、PLA(PLA−501F、キヤノン(株)製)でi線換算で6000J/m照射した。ホットプレート上で90℃2分間ソフトベークを行い、さらにオーブンにて220℃1時間キュアして、ガラス上に硬化膜を形成した。これをサンプルとし、サンプルを用いてシングルビームで測定し、3μmあたりの波長400nmでの光透過率を求め、リファレンスに基づいて硬化膜の透過率を算出した。
(6)接着性の評価
テンパックスガラス板に、組成物を塗布、プリベーク、露光、キュア処理し、薄膜を形成する。JIS K5400 8.5.2(1990)碁盤目テープ法に準じて測定した。テンパックスガラス板上の薄膜表面に、カッターナイフでガラス板の素地に到達するように、直交する縦横11本ずつの平行な直線を1mm間隔で引いて、1mm×1mmのマス目を100個作製した。切られた薄膜表面にセロハン粘着テ−プ(幅=18mm、粘着力=3.7N/10mm)を張り付け、消しゴム(JIS S6050合格品)で擦って密着させ、テープの一端を持ち、板に直角に保ち瞬間的に剥離した際のマス目の残存数を目視によって評価した。
(7)耐溶剤性
パターン付きキュア膜をモノエタノールアミン/ジメチルスルホキシド=70/30(重量比)中に65℃で10分間浸漬した後、5分間純水リンスを行い、水を窒素ブローで除去した。40μmの抜きのスクエアーパターンの4つのエッジ部(各角の頂点から半径1μm以内)について、浸漬前後のクラックの発生有無をラムダエースSTM−602(大日本スクリーン製造(株)製)を用いて目視にて評価し、4つのエッジ部に確認されたクラックの総本数を耐溶剤性の指標とした。
実施例2
ポリシロキサン(i)をポリシロキサン(ii)に換え、キノンジアジド化合物(iv)を10重量部用い、ビスイミド化合物(vi)をビスイミド化合物(vii)に換え、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、“ニカラック”MX−270、DBAを用いなかった他は、実施例1と同様に行い、組成物2を得た。各評価結果については表2に示した。
実施例3
ポリシロキサン(i)を、シリカ粒子PL−2L−DAAをSi原子で27.5mol%共重合したポリシロキサン(iii)に換え、キノンジアジド化合物(iv)を4重量部用い、ビスイミド化合物(vi)2重量部をビスイミド化合物(viii)8重量部に換え、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、“ニカラック”MX−270、DBAを用いなかった他は、実施例1と同様に行い、組成物3を得た。各評価結果については表2に示した。
実施例4
ポリシロキサン(i)にSi原子で27.5mol%となるようにシリカ粒子DAA溶剤分散液クォートロンPL−2L−DAA(扶桑化学工業(株)製:固形分26.4重量%)を加えて、キノンジアジド化合物(v)を8重量部用い、ビスイミド化合物(vi)2重量部をビスイミド化合物(ix)9重量部に換え、“ニカラック”MX−270、DBAを用いなかった他は、実施例1と同様に行い、組成物4を得た。各評価結果については表2に示した。
実施例5
キノンジアジド化合物(iv)をキノンジアジド化合物(v)に換え、ビスイミド化合物(vii)2重量部をビスイミド化合物(vi)0.5重量部に換えた他は、実施例2と同様に行い、組成物5を得た。各評価結果については表2に示した。
実施例6
ビスイミド化合物(vi)を0.476g(固形分換算で2重量部)を、2.856g(固形分換算で12重量部)に換えた他は、実施例1と同様に行い、組成物6を得た。各評価結果については表2に示した。
実施例7
ビスイミド化合物(vi)を0.476g(固形分換算で2重量部)を、0.019g(固形分換算で0.08重量部)に換えた他は、実施例1と同様に行い、組成物7を得た。各評価結果については表2に示した。
実施例8
ポリシロキサン(i)をポリシロキサン(ii)に換え、キノンジアジド化合物(iv)を10重量部用い、ビスイミド化合物(vi)(固形分換算で2重量部)を、イミド基を有するアクリル共重合体溶液(A)(固形分換算で9重量部)に換え、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、“ニカラック”MX−270、DBAを用いなかった他は、実施例1と同様に行い、組成物12を得た。各評価結果については表2に示した。
実施例9
ポリシロキサン(i)を、シリカ粒子PL−2L−DAAをSi原子で27.5mol%共重合したポリシロキサン(iii)に換え、キノンジアジド化合物(iv)を4重量部用い、ビスイミド化合物(vi)(固形分換算で2重量部)を、イミド基を有するアクリル共重合体溶液(B)(固形分換算で3重量部)に換え、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、“ニカラック”MX−270、DBAを用いなかった他は、実施例1と同様に行い、組成物13を得た。各評価結果については表2に示した。
実施例10
ポリシロキサン(i)にSi原子で27.5mol%となるようにシリカ粒子DAA溶剤分散液クォートロンPL−2L−DAA(扶桑化学工業(株)製:固形分26.4重量%)を加えて、キノンジアジド化合物(v)を8重量部用い、(固形分換算で2重量部)を、イミド基を有するアクリル共重合体溶液(C)(固形分換算で0.5重量部)に換え、“ニカラック”MX−270、DBAを用いなかった他は、実施例1と同様に行い、組成物14を得た。各評価結果については表2に示した。
比較例1
ビスイミド化合物(vi)を用いなかった他は、実施例2と同様に行い、組成物8を得た。各評価結果については表2に示した。
比較例2
ビスイミド化合物(vi)2重量部をビスイミド化合物(x)3重量部に換えた他は、実施例1と同様に行い、組成物9を得た。各評価結果については表2に示した。
比較例3
黄色灯下にてキノンジアジド化合物(iv)2.64g(30重量部)、エピコート828(ジャパンエポキシレジン(株)製)0.88g(10重量部)をEDM5.94gに溶解させた。アクリル樹脂溶液(xi)20.52g(アクリル樹脂100重量部に相当)、BYK−333(ビックケミージャパン(株)製)0.0015g(組成物全量に対して濃度50ppmに相当)を加え撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、得られた組成物を組成物10とした。
比較例4
黄色灯下にてキノンジアジド化合物(iv)0.965g(10重量部)、HPE6.58gに溶解させた。ノボラック樹脂溶液(xii)22.44g(ノボラック樹脂部を100重量部に相当)、BYK−333(ビックケミージャパン(株)製)0.0015g(組成物全量に対して濃度50ppmに相当)を加え撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、得られた組成物を組成物11とした。
比較例5
キノンジアジド化合物(iv)をキノンジアジド化合物(v)に換え、ビスイミド化合物(vi)(固形分換算で2重量部)を、イミド基を有するアクリル共重合体溶液(D)(固形分換算で3重量部)に換えた他は、実施例2と同様に行い、組成物15を得た。各評価結果については表2に示した。
Figure 2008009406
Figure 2008009406

Claims (5)

  1. (a)ポリシロキサン(b)キノンジアジド化合物、(c)溶剤、(d)一般式(1)で表される化合物または下記一般式(2)で表される繰り返し単位を少なくとも1つ有するアクリル重合体化合物からなる感光性シロキサン組成物。
    Figure 2008009406
    (R、Rは同じでも異なっていても良く、アルキル基またはフェニル基、及びそれらが置換された有機基を表す。またRとRはアルキル基、アルケニル基、及びそれらが置換された脂肪族有機基を表す。nは0〜80の範囲を表す。R27は水素またはメチル基を表し、R28はアルキル基、アルケニル基、及びそれらが置換された脂肪族有機基を表す。)
  2. (d)一般式(1)で表される化合物または下記一般式(2)で表される構造体を少なくとも1つ有するアクリル重合体化合物の含有量がポリシロキサンに対して0.1〜10重量%である請求項1記載の感光性シロキサン組成物。
  3. (a)ポリシロキサンが共重合体であり、該ポリシロキサンの少なくとも一部に化学的に結合したシリカ粒子を含んでいる請求項1記載の感光性シロキサン組成物。
  4. 請求項1記載の感光性シロキサン組成物から形成された硬化膜であって、波長400nmにおける膜厚3μmあたりの光透過率が95%以上である硬化膜。
  5. 請求項3記載の硬化膜を具備する素子。
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