JP4967687B2 - 感光性シロキサン組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子 - Google Patents

感光性シロキサン組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示素子や有機EL表示素子などの薄膜トランジスタ(TFT)基板用平坦化膜、半導体素子の層間絶縁膜、あるいは光導波路のコアやクラッド材を形成するための感光性シロキサン組成物、それから形成された硬化膜、およびその硬化膜を有する素子に関する。
近年、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどにおいて、さらなる高精細、高解像度を実現する方法として、表示装置の開口率を上げる方法が知られている(特許文献1参照)。これは基板上に作製されたTFT素子の上に平坦化材料を塗布、熱硬化させることによってTFT素子上に透明な耐熱性平坦化膜を作製し、光をより効率的に透過させる方法である。
このようなTFT基板用平坦化膜としては、硬化後に、高耐熱性、高透明性となる材料が必要であり、これらの特性を併せ持つものとしてポリシロキサンやシリコーンイミド前駆体が知られている(特許文献2、3、4参照)。
一般的にTFT基板用平坦化膜に有機化合物を用いると、その硬化膜は、耐熱性、透明性に加えて、金属や無機物で構成される基板表面や素子表面との十分な接着性が得られないという問題点を有していた。そこで、接着性を改善するためには、フェノール系樹脂とキノンジアジド化合物にシランカップリング剤を添加した組成物(特許文献5参照)あるいはアクリル系樹脂とキノンジアジド化合物に、シランカップリング剤を添加した組成物(特許文献6参照)が知られている。いずれの技術もシランカップリング剤は、基板との接着性向上のために加えられている。しかしながら同様の目的でポリシロキサンにシランカップリング剤を添加すると、高耐熱性、高透明性を損なわずに基板表面や素子表面との十分な接着性を得る事ができるが、硬化膜形成後に行われるアルカリ溶剤による、硬化膜の上層を加工するために行われるレジスト剥離処理において、用いられる溶剤の種類によってひずみやクラック等が発生し、問題があった。
また、ポリイミドに芳香族ビスイミドオリゴマーを添加することによって、接着性を向上させることが知られている(特許文献7参照)。しかしながら、芳香族ビスイミドオリゴマーは可視光に吸収があるため、これを、ポリシロキサンに添加すると、基板表面や素子表面との十分な接着性、アルカリ溶剤に対するクラック発生を抑えることが可能であるが、透明性に問題があった。
他方、シリコーンイミド前駆体のうち、主鎖にイミド前駆体構造を有し、末端にシランカップリング剤構造を有しているものは、硬化膜がイミド結合を有しているため、基板表面や素子表面との良好な接着性及び、アルカリ溶剤に対する耐クラック性を示すが、該イミド前駆体は、アミド酸構造を有するため、熱によりイミドに変換される時の硬化収縮が大きく、平坦化特性が十分ではなかった。また、主鎖にシリコーン構造を有し、側差にイミド前駆体構造を有しているものも、硬化膜がイミド結合を有しているため、基板表面や素子表面との良好な接着性及び、アルカリ溶剤に対する耐クラック性を示すが、該イミド前駆体は、アミド酸構造を有するため、熱によりイミドに変換される時の硬化収縮が大きく、平坦化特性が十分ではなかった。
特開2006−227649号公報(請求項1) 特開2006−18249号公報(請求項1) 特開平8−259894号公報(請求項1、2) 特開平9−291150号公報(請求項1) 特開2003−43688号公報(第8頁) 特開2005−49691号公報(第18頁) 特開平10−1542号公報(請求項1)
本発明は上記のような事情に基づいてなされたものであり、低硬化収縮性で有りかつ、熱硬化後に、高透明性を有し、アルカリ溶剤に対するクラック発生を抑え、基板との接着性に優れる硬化膜を得ることができる感光性シロキサン組成物を提供することにある。
また、上記特性を有する耐熱性絶縁膜、TFT基板用平坦化膜、層間絶縁膜、あるいはコアやクラッド材などの素子材料を提供することにある。
すなわち本発明は、(a)一般式(1)で表されるイミド基含有シラン化合物とオルガノシラン化合物の1種以上を反応させて得られるポリシロキサン、(b)キノンジアジド化合物、(c)溶剤、を含有する感光性シロキサン組成物である。
Figure 0004967687
(各Rはそれぞれ同じでも異なっていても良く、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基またはそれらが置換された有機基を表し、R の少なくとも1つは、炭素数1〜6のアルコキシル基またはそれが置換された有機基を表す。またRは炭素数1〜10の2価の有機基、Rは、ケイ素原子を含まない炭素数5〜20の有機基を表す。)
本発明の組成物はパターンを形成するに際し、高感度、高解像度を有しており、また高透明性を有し、耐溶剤性に優れ、基板に対して高い接着性を有する硬化膜を形成することができる。
本発明は、(a)一般式(1)で表されるイミド基含有シラン化合物とオルガノシラン化合物の1種以上を反応させて得られるポリシロキサン、(b)キノンジアジド化合物、(c)溶剤、を含有する感光性シロキサン組成物である。
Figure 0004967687
(各Rはそれぞれ同じでも異なっていても良く、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基またはそれらが置換された有機基を表し、R の少なくとも1つは、炭素数1〜6のアルコキシル基またはそれが置換された有機基を表す。またRは炭素数1〜10の2価の有機基、Rは、ケイ素原子を含まない炭素数5〜20の有機基を表す。)
本発明で用いる(a)で用いる一般式(1)で表されるイミド基含有シラン化合物は、酸二無水物および/または酸無水物と、下記イソシアネートシラン化合物を、1モル対1モルの比で、公知の直接イミド化法により、容易に得る事ができる。
Figure 0004967687
(各Rはそれぞれ同じでも異なっていても良く、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基またはそれらが置換された有機基を表し、R の少なくとも1つは、炭素数1〜6のアルコキシル基またはそれが置換された有機基を表す。またRは炭素数1〜10の2価の有機基を表す。)
アルキル基の具体例としては、炭素数1〜6個のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。なかでもメチル基、エチル基が容易に作製できる点で好ましい。また、アルコキシル基の具体例としては、炭素数1〜6個のアルコキシル基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基が挙げられる。なかでもメトキシ基、エトキシ基が容易に作製できる点で好ましい。また、アルキル基、アルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基が置換された有機基であればよく、1−メトキシプロピル基等が挙げられる。
またRは炭素数1〜10の2価の有機基を表す。具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシn−ブチレン基、オキシn−ペンチレン基等が挙げられる。なかでも、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシn−ブチレン基が容易に作製できる点で好ましい。
またRは、ケイ素原子を含まない炭素数5〜20の有機基を表す。これらは、酸二無水物および/または酸無水物およびそれらの誘導体の構造成分を表しており、芳香族環又は脂肪族を含有する有機基である。なかでも炭素原子数2〜20の2〜14価の有機基であることが好ましい。
がケイ素原子を含むと、合成されたイミド基含有シラン化合物を用いてポリシロキサンを合成する場合、イミド基含有シラン化合物を30モル%以上導入すると、合成時にゲル化し、ポリシロキサンが得られない。30モル%よりも少ないと接着性や耐溶剤性に効果を十分に示さない。
酸二無水物としては具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、9,9−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}フルオレン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物や、水添ピロメリット酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、リカシッドTDA−100(商品名、新日本理化(株)社製)、リカシッドBT−100(商品名、新日本理化(株)社製)、EPICLON B−4400(商品名、大日本インキ化学工業(株)社製)、下記の構造の脂肪族のテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。
Figure 0004967687
がフェニル基、トリル基、ナフチル基などの芳香族基である場合、当該組成物から得られる硬化膜は、着色源の上記の芳香族イミドオリゴマーと類似構造の化合物を含むため、膜の透明性が低下してしまう可能性がある。また上記の芳香族基が含まれるとポリシロキサンとの相溶性が低下する場合がある。さらに塗布膜を作製した際に相分離を起こし、膜の白濁を引き起こしてしまい、光線透過率が低下する場合がある。従って、Rが芳香族基の場合は、添加量に制限があり、それ故、Rは脂肪族有機基であることが特に好ましい。Rが脂肪族有機基である場合、着色源の構造がないため透過率を下げることなく、またポリシロキサンとの相溶性も高いため、硬化膜にしたときの白濁化を引き起こさず高い光線透過率を有することができる。一般式(1)で表される化合物の特に好ましい具体例を以下に挙げる。本発明では一般式(1)で表されるイミドシラン化合物を用いればよく、単独で用いても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 0004967687
Figure 0004967687
酸無水物としては具体的には、無水マレイン酸、無水フタル酸、メチル無水フタル酸、コハク酸、グルタル酸、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、シス−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタル酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(以上、東京化成工業(株)社製)、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物(和光純薬工業(株)社製)、リカシッドHNA(商品名、新日本理化(株)社製)、リカシッドHNA−100(商品名、新日本理化(株)社製)を挙げることができる。これらのうち、特に好ましくは、無水フタル酸、コハク酸、グルタル酸、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,8−ナフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル無水フタル酸である。これらは、イソシアネートシラン化合物との反応性が特に高く、140℃以下の低温と直接イミド化が可能となる。
本発明で用いる(a)ポリシロキサンは、上記のイミドシラン化合物を、一般式(2)で表されるオルガノシランの1種以上を混合、反応させることによって得られるポリシロキサンである。
Figure 0004967687
(Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜15のアリール基のいずれかを表し、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数6〜15のアリール基のいずれかを表し、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。mは0から3の整数を表す。)
一般式(2)のRで挙げられたアルキル基、アルケニル基、アリール基はいずれも置換基を有していてもよく、また置換基を有していない無置換体であってもよく、組成物の特性に応じて選択できる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−イソシアネートプロピル基が挙げられる。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、3−アクリロキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、p−ヒドロキシフェニル基、1−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、4−ヒドロキシ−5−(p−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチル基、ナフチル基が挙げられる。
一般式(2)のRで挙げられたアルキル基、アシル基はいずれも置換基を有していてもよく、また置換基を有していない無置換体であってもよく、組成物の特性に応じて選択できる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基が挙げられる。アシル基の具体例としては、アセチル基が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基が挙げられる。
一般式(2)のmは0から3の整数を表す。m=0の場合は4官能性シラン、m=1の場合は3官能性シラン、m=2の場合は2官能性シラン、n=3の場合は1官能性シランである。
一般式(2)で表されるオルガノシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラフェノキシシランなどの4官能性シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリn−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリn−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、1−(p−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシ−5−(p−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどの3官能性シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジn−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどの2官能性シラン、トリメチルメトキシシラン、トリn−ブチルエトキシシランなどの1官能性シランが挙げられる。
これらのオルガノシランのうち、硬化膜の耐クラック性と硬度の点から3官能性シランが好ましく用いられる。また、これらのオルガノシランは単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、1.5〜5wt%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を現像液に使用する場合、現像液への溶解性の観点から、無水物が残っていない酸無水物を用いて合成されたポリシロキサンが好ましく用いられる。一方、1〜0.1wt%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を現像液に使用する場合、現像液への溶解性の観点から、酸無水物が残っている酸二無水物を用いて合成されたポリシロキサンが好ましく用いられる。
一般式(1)で表されるイミドシラン化合物の導入量は、ポリシロキサンに対して好ましくは30モル%以上であり、特に好ましくは50モル%以上である。30モル%よりも少ないと接着性や耐溶剤性に効果を十分に示さない。
一方、イミドシラン化合物を用いず、アミノシラン化合物と酸二無水物および/または酸無水物を用い、イミド前駆体を経由したポリシロキサンの場合は、イミド前駆体がシロキサン縮合触媒となるため、アルカリ溶解性のないポリシロキサンしか得られず、これを用いた組成物は、感光性を有しない。
本発明の(a)ポリシロキサンは、シリカ粒子が共重合されたポリシロキサンを用いても良い。シリカ粒子の共重合方法としては、前述のオルガノシランから合成されたポリシロキサンとシリカ粒子を反応させる方法、もしくは前述のオルガノシランとシリカ粒子を反応させてポリシロキサンを得る方法が挙げられる。ポリシロキサン中にシリカ粒子が組み込まれ、ポリシロキサンの少なくとも一部に化学的に結合(シリカ粒子と共有結合)していることにより、ポリシロキサンの流動性を低下させ、熱硬化時のパターンだれが抑えられ、熱硬化後のパターン解像度が向上する。
ポリシロキサンとシリカ粒子を反応させる方法においては、シリカ粒子は組成物中独立した成分として含まれているが、プリベークや硬化時加熱によって、ポリシロキサン中に組み込まれていく。
用いられるシリカ粒子の数平均粒子径は、好ましくは2nm〜200nmであり、さらに好ましくは5nm〜70nmである。2nmより小さいとパターン解像度の向上が十分ではなく、200nmより大きいと硬化膜が光散乱し透明性が低下する。ここで、シリカ粒子の数平均粒子径は、比表面積法換算値を用いる場合には、シリカ粒子を乾燥後、焼成し、得られた粒子の比表面積を測定した後に、粒子を球と仮定して比表面積から粒子径を求め、数平均として平均粒子径を求める。用いる機器は特に限定されないが、アサップ2020(Micromeritics社製)などを用いることができる。
シリカ粒子はアルコキシシランの1種または2種以上を水、有機溶媒および塩基(好ましくは、アンモニア)の存在下で加水分解、重縮合させる方法などにより得られる。有機溶媒に分散したシリカ粒子は水性シリカ粒子分散媒である水を有機溶媒で置換することで得られる。分散媒の置換は水性シリカ粒子に有機溶媒を添加し、蒸留などの手段で水を留去させる方法等が挙げられる。溶媒の種類によっては低級アルコールを添加し、シリカ粒子の表面が一部エステル化される場合もある。ポリシロキサンやキノンジアジド化合物との相溶性の点から、有機溶媒に分散したシリカ粒子が好ましい。
シリカ粒子の具体例としては、イソプロパノールを分散媒とした粒子径12nmのIPA−ST、メチルイソブチルケトンを分散媒とした粒子径12nmのMIBK−ST、イソプロパノールを分散媒とした粒子径45nmのIPA−ST−L、イソプロパノールを分散媒とした粒子径100nmのIPA−ST−ZL、プロピレングリコールモノメチルエーテルを分散媒とした粒子径15nmのPGM−ST(以上商品名、日産化学工業(株)製)、γ−ブチロラクトンを分散媒とした粒子径12nmのオスカル101、γ−ブチロラクトンを分散媒とした粒子径60nmのオスカル105、ジアセトンアルコールを分散媒とした粒子径120nmのオスカル106、分散溶液が水である粒子径5〜80nmのカタロイド−S(以上商品名、触媒化成工業(株)製)、プロピレングリコールモノメチルエーテルを分散媒とした粒子径16nmのクォートロンPL−2L−PGME、γ−ブチロラクトンを分散媒とした粒子径17nmのクォートロンPL−2L−BL、ジアセトンアルコールを分散媒とした粒子径17nmのクォートロンPL−2L−DAA、分散溶液が水である粒子径18〜20nmのクォートロンPL−2L、GP−2L(以上商品名、扶桑化学工業(株)製)、粒子径が100nmであるシリカ(SiO)SG−SO100(商品名、共立マテリアル(株)製)、粒子径が5〜50nmであるレオロシール(商品名、(株)トクヤマ製)などが挙げられる。また、これらのシリカ粒子は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、用いるシリカ粒子の表面が反応性基を有していると、ポリシロキサンとシリカ粒子の結合を容易にし、膜の強度が高まる点から好ましい。反応性基として、シラノール、アルコール、フェノールなどの水酸基、ビニル基、アクリル基、エチニル基、エポキシ基、アミノ基等が挙げられる。シリカ粒子と反応性基を有するアルコキシシランと反応させることで、表面に反応性基を有するシリカ粒子が得ることができる。もちろん本発明の効果を損なわない限り、メチル基、フェニル基などの反応性基を持たない置換基を有するシリカ粒子を用いてもよい。
シリカ粒子を用いる場合の混合比率は特に制限されないが、Si原子モル数で、ポリマー全体のSi原子モル数に対して1〜50%が好ましい。シリカ粒子が50%より多いと、ポリシロキサンとキノンジアジド化合物との相溶性が悪くなり、硬化膜の透明性が低下する。
なお、ポリマー全体のSi原子モル数に対するシリカ粒子のSi原子モル比はIRにおいてSi−C結合由来のピークとSi−O結合由来のピークの積分比から求めることができる。ピークの重なりが多く求められない場合は、H−NMR、13C−NMR、IR、TOF−MSなどにより粒子以外のモノマーの構造を決定し、さらに元素分析法において発生する気体と残存する灰(すべてSiOと仮定する)の割合から求めることができる。
また、ポリシロキサン中において、膜の耐クラック性と硬度を両立させる点から、ポリシロキサン中にあるフェニル基の含有率はSi原子に対して20〜70モル%が好ましく、さらに好ましくは35〜55モル%である。フェニル基の含有率が70モル%より多いと硬度が低下し、フェニル基含有率が20モル%より少ないと耐クラック性が低下する。フェニル基の含有率は、例えば、ポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴スペクトルを測定し、そのフェニル基が結合したSiのピーク面積とフェニル基が結合していないSiのピーク面積の比から求めることができる。
また、本発明で用いるポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、好ましくはGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)で測定されるポリスチレン換算で1000〜100000、さらに好ましくは2000〜50000である。Mwが1000より小さいと塗膜性が悪くなり、100000より大きいとパターン形成時の現像液への溶解性が悪くなる。アルカリ水溶液に可溶のポリシロキサンは好ましくは2000〜50000、ポリシロキサンの重量平均分子量は好ましくは5000〜100000が好ましい。Mwが5000よりも小さいと熱によるパターンだれが発生する温度が低くなってしまう場合がある。
ここでいう「ポリシロキサンの少なくとも一部に化学的に結合(シリカ粒子と共有結合)している」とはシリカ粒子のシリカ成分とマトリックスのポリシロキサンの一部が反応し、ポリシロキサン中にシリカ粒子が密度一定で組み込まれていることを指す。その状態は、透過型電子顕微鏡(以下、TEMと記述)でシリカ粒子とポリシロキサンの境界部分を観察することによって確認することができる。少なくとも一部に化学的に結合している場合、TEM観察にてシリカ粒子とポリシロキサンとの境界線が観察されない。また、少なくとも一部に化学的に結合した系は、同量のシリカ粒子をポリシロキサンに添加した系より、現像時にプリベーク膜からシリカ粒子の析出を防ぐだけでなく、ポリシロキサンの流動性を低下させ、熱硬化時のパターンだれが抑えられ、熱硬化後のパターン解像度が向上する点からも好ましい。
本発明におけるポリシロキサンは、上述のオルガノシランを加水分解および部分縮合させることにより得られる。加水分解および部分縮合には一般的な方法を用いることができる。例えば、混合物に溶媒、水、必要に応じて触媒を添加し、加熱攪拌する。攪拌中、必要に応じて蒸留によって加水分解副生物(メタノールなどのアルコール)や縮合副生成物(水)を留去してもよい。
シリカ粒子を結合させる場合のポリシロキサンの製造方法としては、オルガノシランに溶媒、水必要に応じて触媒を添加してオルガノシランが加水分解し、シリカ粒子と加水分解されたオルガノシランを部分縮合させることにより得られる。シリカ粒子はオルガノシランとはじめから共存させておいてもよいし、オルガノシランを加水分解、重合させてポリシロキサンとしてからシリカ粒子を加えてさらに加熱してもよいが、好ましくは相溶性の点からオルガノシランの加水分解直後に滴下する方法が挙げられる。
上記の反応溶媒としては特に制限は無いが、通常は後述する(c)溶剤と同様のものが用いられる。溶媒の添加量はオルガノシランもしくはオルガノシランとシリカ粒子の合計量100重量%に対して10〜1000重量%が好ましい。また加水分解反応に用いる水の添加量は、加水分解性基1モルに対して0.5〜2モルが好ましい。
必要に応じて添加される触媒に特に制限はないが、酸触媒、塩基触媒が好ましく用いられる。酸触媒の具体例としては塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、多価カルボン酸あるいはその無水物、イオン交換樹脂が挙げられる。塩基触媒の具体例としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミノ基を有するアルコキシシラン、イオン交換樹脂が挙げられる。触媒の添加量はオルガノシラン100重量%に対して0.01〜10重量%が好ましい。
また、塗膜性、貯蔵安定性の点から、加水分解、部分縮合後のポリシロキサン溶液には副生成物のアルコールや水、触媒が含まれないことが好ましい。必要に応じてこれらの除去を行ってもよい。除去方法は特に制限されない。好ましくはアルコールや水の除去方法としては、ポリシロキサン溶液を適当な疎水性溶剤で希釈した後、水で数回洗浄して得られた有機層をエバポレーターで濃縮する方法を用いることができる。また、触媒の除去方法としては、上記の水洗浄に加えてあるいは単独でイオン交換樹脂で処理する方法を用いることができる。
本発明の感光性シロキサン組成物は、(b)キノンジアジド化合物を含有する。キノンジアジド化合物を含有する感光性シロキサン組成物は、露光部が現像液で除去されるポジ型を形成する。用いるキノンジアジド化合物の添加量は特に制限されないが、好ましくは(a)ポリシロキサンに対して3〜30重量%である。さらに好ましくは4〜20重量%である。キノンジアジド化合物の添加量が3重量%より少ない場合、露光部と未露光部との溶解コントラストが低すぎて、現実的な感光性を有さない。また、さらに良好な溶解コントラストを得るためには4重量%以上が好ましい。一方、キノンジアジド化合物の添加量が30重量%より多い場合、ポリシロキサンとキノンジアジド化合物との相溶性が悪くなることによる塗布膜の白化が発生したり、熱硬化時に起こるキノンジアジド化合物の分解による着色が顕著になるために、硬化膜の無色透明性が低下する。
用いるキノンジアジド化合物は特に制限されないが、好ましくはフェノール性水酸基を有する化合物にナフトキノンジアジドスルホン酸がエステル結合した化合物であり、当該化合物のフェノール性水酸基のオルト位、およびパラ位がそれぞれ独立して水素、もしくは一般式(3)で表される置換基のいずれかである化合物が用いられる。
Figure 0004967687
(R〜Rはそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基、カルボキシル基、フェニル基、置換フェニル基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRで環を形成してもよい。)
一般式(3)で表される置換基において、R〜Rはそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基、カルボキシル基、フェニル基、置換フェニル基のいずれかを表す。アルキル基は置換基を有していてもよく、また置換基を有していない無置換体であってもよく、組成物の特性に応じて選択できる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、2−カルボキシエチル基が挙げられる。また、フェニル基に置換する置換基としては、水酸基が挙げられる。また、RとR、RとR、RとRで環を形成してもよく、具体例としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、アダマンタン環、フルオレン環が挙げられる。
フェノール性水酸基のオルト位、およびパラ位が上記以外、例えばメチル基の場合、熱硬化によって酸化分解が起こり、キノイド構造に代表される共役系化合物が形成され、硬化膜が着色して無色透明性が低下する。なお、これらのキノンジアジド化合物は、フェノール性水酸基を有する化合物と、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドとの公知のエステル化反応により合成することができる。
フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる(商品名、本州化学工業(株)製)。
Figure 0004967687
Figure 0004967687
ナフトキノンジアジドスルホン酸としては、4−ナフトキノンジアジドスルホン酸あるいは5−ナフトキノンジアジドスルホン酸を用いることができる。4−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物はi線(波長365nm)領域に吸収を持つため、i線露光に適している。また、5−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物は広範囲の波長領域に吸収が存在するため、広範囲の波長での露光に適している。露光する波長によって4−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物、5−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を選択することが好ましい。4−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物と5−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を混合して用いることもできる。
ナフトキノンジアジド化合物の分子量は、好ましくは300〜1500、さらに好ましくは350〜1200である。ナフトキノンジアジド化合物の分子量が1500より多いと、4〜10重量%の添加量ではパターン形成ができなくなる可能性がある。一方、ナフトキノンジアジド化合物の分子量が300より小さいと、無色透明性が低下する可能性がある。
本発明の感光性シロキサン組成物は(c)溶剤を含有する。溶剤は特に制限されないが、好ましくはアルコール性水酸基を有する化合物および/またはカルボニル基を有する環状化合物が用いられる。これらの溶剤を用いると、ポリシロキサンとキノンジアジド化合物とが均一に溶解し、組成物を塗布製膜しても膜は白化することなく、高透明性が達成できる。
アルコール性水酸基を有する化合物は特に制限されないが、好ましくは大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物である。沸点が250℃より高いと膜中の残存溶剤量が多くなり熱硬化時の膜収縮が大きくなり、良好な平坦性が得られなくなる。一方、沸点が110℃より低いと、塗膜時の乾燥が速すぎて膜表面が荒れるなど塗膜性が悪くなる。
アルコール性水酸基を有する化合物の具体例としては、アセトール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールが挙げられる。これらの中でも、さらにカルボニル基を有する化合物が好ましく、特にジアセトンアルコールが好ましく用いられる。これらのアルコール性水酸基を有する化合物は、単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
カルボニル基を有する環状化合物は特に制限されないが、好ましくは大気圧下の沸点が150〜250℃である化合物である。沸点が250℃より高いと膜中の残存溶剤量が多くなり熱硬化時の膜収縮が大きくなり、良好な平坦性が得られなくなる。一方、沸点が150℃より低いと、塗膜時の乾燥が速すぎて膜表面が荒れるなど塗膜性が悪くなる。
カルボニル基を有する環状化合物の具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンが挙げられる。これらの中でも、特にγ−ブチロラクトンが好ましく用いられる。これらのカルボニル基を有する環状化合物は、単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上述のアルコール性水酸基を有する化合物とカルボニル基を有する環状化合物は、単独でも、あるいは各々混合して用いても良い。混合して用いる場合、その重量比率は特に制限されないが、好ましくはアルコール性水酸基を有する化合物/カルボニル基を有する環状化合物=(99〜50)/(1〜50)、さらに好ましくは(97〜60)/(3〜40)である。アルコール性水酸基を有する化合物が99重量%より多い(カルボニル基を有する環状化合物が1重量%より少ない)と、ポリシロキサンとキノンジアジド化合物との相溶性が悪く、硬化膜が白化して透明性が低下する。また、アルコール性水酸基を有する化合物が50重量%より少ない(カルボニル基を有する環状化合物が50重量%より多い)と、ポリシロキサン中の未反応シラノール基の縮合反応が起こり易くなり、貯蔵安定性が悪くなる。
また、本発明の感光性シロキサン組成物は、本発明の効果を損なわない限り、その他の溶剤を含有してもよい。その他の溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−1−ブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテートなどのエステル類、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類が挙げられる。
溶剤の添加量は、ポリシロキサンに対して、好ましくは100〜1000重量%の範囲である。
ラダー状の架橋ポリマーであるポリシロキサンは、一般にその硬化膜がもろい。特にアルカリ性の溶剤に硬化膜を含浸させた場合、クラックなどが発生してしまうという問題点がある。一般式(1)で表される化合物には、内部に耐溶剤性、高接着性、高柔軟性のイミド部位がありかつ、末端がシラン化合物のため、該化合物が導入された(a)ポリシロキサンからなる組成物は、硬化膜は柔らかくなり、耐溶剤性が向上する。さらに、該化合物は、上記のようにイミド前駆体のアミド酸構造を有しないため、熱によりイミドに変換に由来する硬化収縮がなく、良好な平坦化特性を有するだけでなく、イミド前駆体に由来する、ポリシロキサン縮合触媒作用を示さないため、アルカリ溶解性を有するポリシロキサンを容易に合成することができる。
さらに、本発明の感光性シロキサン組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、熱酸発生剤を用いても良い。
好ましく用いられる熱酸発生剤の具体例としては、SI−60、SI−80、SI−100、SI−110、SI−145、SI−150、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−110L、SI−145L、SI−150L、SI−160L、SI−180L(いずれも、三新化学工業(株)製)、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−アセチルフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ベンゾイルオキシフェニルメチルスルホニウム、これらのメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩が挙げられる。より好ましくは4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−アセチルフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ベンゾイルオキシフェニルメチルスルホニウム、これらのメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩である。なお、これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
熱酸発生剤の好ましい添加量はシロキサンポリマー100重量部に対して0.01〜10重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。0.01重量部より少ないとシロキサンポリマーの架橋促進剤としての機能が十分に発揮されず低硬度の膜となり、10重量部より多いと、感度の低下やクラックの発生、透明性の低下を引き起こす。
さらに、本発明の感光性シロキサン組成物は熱架橋性化合物を含有してもよい。熱架橋性化合物は熱硬化時にポリシロキサンを架橋する化合物であり、架橋によりポリシロキサン骨格中に取り込まれる化合物である。熱架橋性化合物を含有することによって硬化膜の架橋度が高くなる。これによって硬化膜の耐溶剤性が向上する。
熱架橋性化合物は熱硬化時にポリシロキサンを架橋し、ポリシロキサン骨格中に取り込まれる化合物であれば特に制限されないが、好ましくは一般式(4)で表される基、エポキシ構造、オキセタン構造の群から選択される構造を2個以上有する化合物が挙げられる。上記構造の組み合わせは特に限定されないが、選択される構造は同じものであることが好ましい。
Figure 0004967687
は水素、炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを表す。なお、化合物中の複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
一般式(4)で表される基を2個以上有する化合物において、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを表す。なお、化合物中の複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基が挙げられる。
一般式(4)で表される基を2個以上有する化合物の具体例としては、以下のようなメラミン誘導体や尿素誘導体(商品名、三和ケミカル(株)製)、およびフェノール性化合物(商品名、本州化学工業(株)製)が挙げられる。
Figure 0004967687
エポキシ構造を2個以上有する化合物の具体例としては、“エポライト”40E、“エポライト”100E、“エポライト”200E、“エポライト”400E、“エポライト”70P、“エポライト”200P、“エポライト”400P、“エポライト”1500NP、“エポライト”80MF、“エポライト”4000、“エポライト”3002(以上商品名、共栄社化学工業(株)製)、“デナコール”EX−212L、“デナコール”EX−214L、“デナコール”EX−216L、“デナコール”EX−850L、“デナコール”EX−321L(以上商品名、ナガセケムテックス(株)製)、GAN、GOT、EPPN502H、NC3000、NC6000(以上商品名、日本化薬(株)製)、“エピコート”828、“エピコート”1002、“エピコート”1750、“エピコート”1007、YX8100−BH30、E1256、E4250、E4275(以上商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン”EXA−9583、HP4032、“エピクロン”N695、HP7200(以上商品名、大日本インキ化学工業(株)製)、“テピック”S、“テピック”G、“テピック”P(以上商品名、日産化学工業(株)製)、“エポトート”YH−434L(商品名、東都化成(株)製)などが挙げられる。
オキセタン構造を2個以上有する化合物の具体例としては、OXT−121、OXT−221、OX−SQ−H、OXT−191、PNOX−1009、RSOX(以上商品名、東亜合成(株)製)、“エタナコール”OXBP、“エタナコール”OXTP(以上商品名、宇部興産(株)製)などが挙げられる。
なお、上記の熱架橋性化合物は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
熱架橋性化合物の添加量は特に制限されないが、好ましくはポリシロキサンに対して0.1〜10重量%の範囲である。熱架橋性化合物の添加量が0.1重量%より少ない場合、ポリシロキサンの架橋が不十分で効果が少ない。一方、熱架橋性化合物の添加量が10重量%より多い場合、硬化膜の無色透明性が低下したり、組成物の貯蔵安定性が低下する。
本発明の感光性シロキサン組成物は必要に応じて、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、消泡剤などの添加剤を含有することもできる。
本発明の感光性シロキサン組成物を用いた硬化膜の形成方法について説明する。本発明の感光性シロキサン組成物をスピンナー、ディッピング、スリットなどの公知の方法によって下地基板上に塗布し、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置でプリベークする。プリベークは、50〜150℃の範囲で30秒〜30分間行い、プリベーク後の膜厚は、0.1〜15μmとするのが好ましい。
プリベーク後、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナー(PLA)などの紫外可視露光機を用い、10〜4000J/m程度(波長365nm露光量換算)を所望のマスクを介してパターニング露光する。また、本発明の感光性シロキサン組成物は、PLAによる露光での感度が100〜4000J/mであることが好ましい。感度が4000J/mより低いと、パターン形成時の放射線露光時間が長くなるために生産性が低下したり、放射線露光量が多くなるために下地基板からの反射量が多くなりパターン形状が悪化する。
前記のPLAによるパターニング露光での感度は、例えば以下の方法により求められる。組成物をシリコンウェハにスピンコーターを用いて任意の回転数でスピンコートし、ホットプレートを用いて115℃で2分間プリベークし、膜厚4μmの膜を作製する。作製した膜をPLA(キヤノン(株)製PLA−501F)を用いて、超高圧水銀灯を感度測定用のグレースケールマスクを介して露光した後、自動現像装置(滝沢産業(株)製AD−2000)を用いて2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で任意の時間パドル現像し、次いで水で30秒間リンスする。形成されたパターンにおいて、10μmのラインアンドスペースパターンを1対1の幅で解像する露光量を感度として求める。
パターニング露光後、現像により露光部が溶解し、ポジ型のパターンを得ることができる。現像方法としては、シャワー、ディッピング、パドルなどの方法で現像液に5秒〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、公知のアルカリ現像液を用いることができる。具体的例としてはアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩などの無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、コリン等の4級アンモニウム塩を1種あるいは2種以上含む水溶液等が挙げられる。
現像後、水でリンスすることが好ましく、つづいて50〜150℃の範囲で乾燥ベークを行うこともできる。
その後、ブリーチング露光を行うことが好ましい。ブリーチング露光を行うことによって、膜中に残存する未反応のキノンジアジド化合物が光分解して、膜の光透明性がさらに向上する。ブリーチング露光の方法としては、PLAなどの紫外可視露光機を用い、100〜4000J/m程度(波長365nm露光量換算)を全面に露光する。
その後、この膜をホットプレート、オーブンなどの加熱装置で150〜450℃の範囲で1時間程度熱硬化する。解像度は、好ましくは10μm以下である。
本発明の感光性シロキサン組成物は、波長400nmでの膜厚3μmあたりの透過率が95%以上である硬化膜が形成可能であり、さらに好ましくは98%以上を有する。光透過率が95%より低いと、液晶表示素子のTFT基板用平坦化膜として用いた場合、バックライトが通過する際に色変化が起こり、白色表示が黄色味を帯びる。
前記の波長400nmにおける膜厚3μmあたりの透過率は、以下の方法により求められる。組成物をテンパックスガラス板にスピンコーターを用いて任意の回転数でスピンコートし、ホットプレートを用いて115℃で2分間プリベークする。その後、ブリーチング露光として、PLAを用いて、膜全面に超高圧水銀灯を6000J/m(波長365nm露光量換算)露光し、オーブンを用いて空気中250℃で1時間熱硬化して硬化膜を作製する。得られた硬化膜の紫外可視吸収スペクトルを(株)島津製作所製MultiSpec−1500を用いて測定し、膜厚3μmあたりの波長400nmにおける透過率を求める。
この硬化膜は表示素子におけるTFT用平坦化膜、半導体素子における層間絶縁膜、あるいは光導波路におけるコアやクラッド材等に好適に使用される。
本発明の素子は、表示素子、半導体素子、あるいは光導波路材が挙げられる。また、本発明の素子は、上述の本発明の高解像度、高硬度、高透明性、高耐熱性の硬化膜を有するので、特に、TFT用平坦化膜として用いた液晶ディスプレイや有機EL表示素子は画面の明るさと信頼性に優れている。
以下に本発明をその実施例を用いて説明するが、本発明の様態はこれらの実施例に限定されるものではない。また実施例等で用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、以下に示す。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
DAA:ジアセトンアルコール
EDM:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
HPE:2−ヒドロキシプロピオン酸エチル
GBL:γ−ブチロラクトン
SiDA:1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン。
合成例1 イミドシラン化合物(i)の合成
GBL200gにイソシアネートプロピルトリエトキシシラン197.9g(0.80mol)と無水フタル酸(東京化成工業(株)社製)118.5g(0.80mol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、140℃にて2時間撹拌した。その結果、固形分58.4%の下記構造で表されるイミドシラン化合物(i)溶液を得た。
Figure 0004967687
合成例2 イミドシラン化合物(ii)の合成
GBL200gにイソシアネートプロピルジエチルエトキシシラン172.3g(0.80mol)を加えて撹拌し溶解させる。コハク酸無水物80.1g(0.80mol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、140℃にて2時間撹拌した。結果、固形分52.1%の下記構造で表されるイミドシラン化合物(ii)溶液を得た。
Figure 0004967687
合成例3 イミドシラン化合物(iii)の合成
GBL200gにイソシアネートプロピルトリメチルシラン125.8g(0.80mol)を加えて撹拌し溶解させる。グルタル酸無水物91.3g(0.80mol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、140℃にて2時間撹拌した。その結果、固形分47.6%の下記構造で表されるイミドシラン化合物(iii)溶液を得た。
Figure 0004967687
合成例4 イミドシラン化合物(v)の合成
GBL200gにイソシアネートプロピルジエチルエトキシシラン172.3g(0.80mol)を加えて撹拌し溶解させる。4,4‘−オキシジフタル酸ニ無水物248.2g(0.80mol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、140℃にて2時間撹拌した。その結果、固形分65.3%の下記構造で表されるイミドシラン化合物(v)溶液を得た。
Figure 0004967687
合成例5 イミドシラン化合物(vi)の合成
GBL100gにイソシアネートプロピルトリメトキシシラン328.4g(1.60mol)を加えて撹拌し溶解させる。水添ピロメリット酸ニ無水物179.3g(0.80mol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、140℃にて2時間撹拌した。得られた溶液を固形分濃度が20%になるようにGBLで希釈して、固形分81.2%の下記構造で表されるイミドシラン化合物(vi)溶液を得た。
Figure 0004967687
合成例6 イミドシラン化合物(vii)の合成
GBL100gにイソシアネートプロピルジエチルエトキシシラン344.6g(1.60mol)を加えて撹拌し溶解させる。4,4‘−オキシジフタル酸ニ無水物248.2g(0.80mol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、140℃にて2時間撹拌した。その結果、固形分84.4%の下記構造で表されるイミドシラン化合物(vii)溶液を得た。
Figure 0004967687
合成例7 芳香族ビスイミドオリゴマー(i)の合成
攪拌機、還流冷却管、および窒素導入管を備えた容器に、無水フタル酸、32.58g(220mmol)、γ−ピコリン1.39g、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)130.3gを挿入し、ここに、SiDA24.8g(100mmol)をNMP99.4gに溶解したものを滴下し、窒素、窒素雰囲気下で2時間攪拌した。その後、無水酢酸40.8g(400mmol)を挿入し、窒素雰囲気下で攪拌しながら70℃まで加熱昇温し70℃で4時間反応した。反応終了後室温まで冷却し、約2000mlの水に投入、ビスイミド粉43.24gを得た。このビスイミド粉の赤外吸収スペクトルを測定し、1720cm−1、1780cm−1にイミド環の特性吸収が確認された。得られたビスイミド粉を、固形分濃度が20%になるようにGBLに溶解して、下記構造で表される芳香族ビスイミドオリゴマー(i)溶液を得た。
Figure 0004967687
合成例8 シリコーンポリイミド前駆体化合物(i)の合成
GBL40gにアミノプロピルトリエトキシシラン35.42g(160mmol)を加えて撹拌し溶解させる。4,4‘−オキシジフタル酸ニ無水物24.82g(80mmol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、40℃にて2時間撹拌した。得られた溶液を固形分濃度が20%になるようにGBLで希釈して、下記構造で表されるシリコーンポリイミド前駆体化合物(i)溶液を得た。
Figure 0004967687
合成例9 キノンジアジド化合物(i)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)21.23g(0.05mol)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド37.62g(0.14mol)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン15.58g(0.154mol)を系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入させた。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、エステル化率93%の下記構造のキノンジアジド化合物(i)を得た。
Figure 0004967687
合成例10 キノンジアジド化合物(ii)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−HPA(商品名、本州化学工業(株)製)15.32g(0.05mol)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド30.9g(0.115mol)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン13.03g(0.127mol)を系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入させた。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、エステル化率93%の下記構造のキノンジアジド化合物(ii)を得た。
Figure 0004967687
合成例11 ポリシロキサン溶液(i)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを40.34g(0.35mol)、フェニルトリメトキシシランを69.41g(0.35mol)、イミドシラン化合物溶液(i)180.5g(固形分換算で0.30molに相当)、DAAを75.36g仕込み、室温で攪拌しながら水55.8gにリン酸0.338g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(i)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は6000であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して35%であった。ポリマーの重量平均分子量はGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)(展開溶剤:テトラヒドロフラン、展開速度:0.4ml/分)を用いてポリスチレン換算で測定した。フェニル基の含有率はポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴スペクトルを測定し、そのフェニル基が結合したSiのピーク面積とフェニル基が結合していないSiのピーク面積の比から測定した。
合成例12 ポリシロキサン溶液(ii)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを11.53g(0.10mol)、フェニルトリメトキシシランを69.41g(0.35mol)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを12.32g(0.05mol)、イミドシラン化合物溶液(ii)260.8g(固形分換算で0.50molに相当)、DAAを25.36g仕込み、室温で攪拌しながら水55.8gにリン酸0.338g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(ii)を得た。なお、得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は5000であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して35%であった。
合成例13 ポリシロキサン溶液(iii)の合成
メチルトリメトキシシラン23.84g(0.175mol)、フェニルトリメトキシシラン29.75g(0.15mol)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシラン12.32g(0.05mol)、イミドシラン化合物溶液(iii)167.1g(固形分換算で0.35molに相当)、シリカ粒子DAA溶剤分散液クォートロンPL−2L−DAA(扶桑化学工業(株)製:固形分26.4重量%)を62.58g(シラン原子数で27.5モル)、DAA121.97gを500mLの三口フラスコに仕込み、室温で攪拌しながら水40.05gにリン酸0.181gを溶かしたリン酸水溶液を30分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから45分加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計89g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液が、ポリマー濃度が43重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(iii)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は5500であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して15モル%であった。
合成例14 ポリシロキサン溶液(iv)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを11.52g(0.10mol)、フェニルトリメトキシシランを19.83g(0.10mol)、イミドシラン化合物溶液(iv)408.4g(固形分換算で0.80molに相当)、DAAを40.36g仕込み、室温で攪拌しながら水55.8gにリン酸0.338g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(iv)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は6000であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して10%であった。ポリマーの重量平均分子量はGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)(展開溶剤:テトラヒドロフラン、展開速度:0.4ml/分)を用いてポリスチレン換算で測定した。フェニル基の含有率はポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴スペクトルを測定し、そのフェニル基が結合したSiのピーク面積とフェニル基が結合していないSiのピーク面積の比から測定した。
合成例15 ポリシロキサン溶液(v)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを23.05g(0.20mol)、フェニルトリメトキシシランを39.66g(0.20mol)、イミドシラン化合物溶液(v)438.98g(固形分換算で0.60molに相当)、DAAを0.36g仕込み、室温で攪拌しながら水55.8gにリン酸0.338g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(v)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は6000であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して20%であった。ポリマーの重量平均分子量はGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)(展開溶剤:テトラヒドロフラン、展開速度:0.4ml/分)を用いてポリスチレン換算で測定した。フェニル基の含有率はポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴スペクトルを測定し、そのフェニル基が結合したSiのピーク面積とフェニル基が結合していないSiのピーク面積の比から測定した。
合成例16 ポリシロキサン溶液(vi)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを63.39g(0.55mol)、フェニルトリメトキシシランを109.07g(0.55mol)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを24.64g(0.1mol)、イミドシラン化合物溶液(vi)101.23g(固形分換算で0.15molに相当)、DAAを98.86g仕込み、室温で攪拌しながら水55.8gにリン酸0.338g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(vi)を得た。なお、得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は5000であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して55%であった。
合成例17 ポリシロキサン溶液(vii)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを34.58g(0.30mol)、フェニルトリメトキシシランを59.49g(0.30mol)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを24.64g(0.05mol)、イミドシラン化合物溶液(vii)272.08g(固形分換算で0.35molに相当)、DAAを12.86g仕込み、室温で攪拌しながら水55.8gにリン酸0.338g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌している途中でフラスコ内がゲル化し、ポリシロキサン溶液(vii)を得る事ができなかった。
合成例18 ポリシロキサン溶液(viii)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを74.91g(0.65mol)、フェニルトリメトキシシランを69.41g(0.35mol)、ジアセトンアルコール(DAA)を150.36g仕込み、室温で攪拌しながら水55.8gにリン酸0.338g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(viii)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は6000であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して35%であった。ポリマーの重量平均分子量はGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)(展開溶剤:テトラヒドロフラン、展開速度:0.4ml/分)を用いてポリスチレン換算で測定した。フェニル基の含有率はポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴スペクトルを測定し、そのフェニル基が結合したSiのピーク面積とフェニル基が結合していないSiのピーク面積の比から測定した。
合成例19 ポリシロキサン溶液(ix)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを63.39g(0.55mol)、フェニルトリメトキシシランを69.41g(0.35mol)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを24.64g(0.1mol)、DAAを150.36g仕込み、室温で攪拌しながら水55.8gにリン酸0.338g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(ix)を得た。なお、得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は5000であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して35%であった。
合成例20 ポリシロキサン溶液(x)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを40.36g(0.35mol)、フェニルトリメトキシシランを69.41g(0.35mol)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを12.32g(0.05mol)、イミドシラン化合物溶液(ii)130.4g(固形分換算で0.25molに相当)、DAAを87.86g仕込み、室温で攪拌しながら水55.8gにリン酸0.338g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(x)を得た。なお、得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は5000であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して35%であった。
合成例21 ポリシロキサン溶液(xi)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを34.59g(0.30mol)、フェニルトリメトキシシランを109.07g(0.55mol)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを12.32g(0.05mol)、イミドシラン化合物溶液(ii)52.16g(固形分換算で0.10molに相当)、DAAを105.30g仕込み、室温で攪拌しながら水55.8gにリン酸0.338g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(xi)を得た。なお、得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は7000であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して55%であった。
合成例22 アクリル樹脂溶液(i)の合成
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5g、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(EDM)200gを500mLの三口フラスコに仕込んだ。引き続きスチレン25g、メタクリル酸20g、メタクリル酸グリシジル45g、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート10gを仕込み、室温でしばらく攪拌した後、フラスコ内を窒素置換した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて、5時間加熱攪拌した。得られたアクリル樹脂のEDM溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにさらにEDMを加えて、アクリル樹脂溶液(i)を得た。なお、得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は15000であった。
合成例23 ノボラック樹脂の溶液(i)の合成
冷却管と撹拌装置を装着した2Lのセパラブルフラスコに、m−クレゾール172.8g(1.6mol)、2.3−ジメチルフェノール36.6g(0.3モル)、3.4−ジメチルフェノール12.2g(0.1mol)、37重量%ホルムアルデヒド水溶液12.6g(ホルムアルデヒド:1.5mol)、シュウ酸2水和物12.6g(0.1mol)及びメチルイソブチルケトン554gを加え、30分撹拌した後、1時間静置した。2層に分離した上層をデカンテーションによって除去し、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル(HPE)を加え、残存メチルイソブチルケトン、水を減圧濃縮によって除去し、ノボラック樹脂のHPE溶液を得た。得られたノボラック樹脂のHPE溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにHPEを加えて、ノボラック樹脂のHPE溶液(i)を得た。
また実施例等で用いる化合物の構造を以下に示す。
Figure 0004967687
実施例1
黄色灯下にてキノンジアジド化合物(i)0.333g(8重量部)、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート(三新化学工業(株)製)0.095g(2重量部)、“ニカラック”MX−270(商品名、三和ケミカル(株)製)0.095g(2重量部)、組成物全体のDAA/γ−ブチロラクトン(GBL)の重量比が70/30になるように、DAAを0.403g、GBL2.498gに溶解させ、ポリシロキサン溶液(i)11.08g(ポリシロキサン100重量部に相当)、シリコーン系界面活性剤であるBYK−333(ビックケミージャパン(株)製)を0.008g(組成物全量に対して濃度50ppmに相当)加え撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、感光性シロキサン組成物を得た。得られた組成物を組成物1とする。
作製した組成物1をテンパックスガラス板(旭テクノガラス板(株)製)、およびシリコンウェハにスピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いて任意の回転数でスピンコートした後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SCW−636)を用いて100℃で2分間プリベークし、膜厚4μmのプリベーク膜を作製した。作製したプリベーク膜をパラレルライトマスクアライナー(以下PLAという)(キヤノン(株)製PLA−501F)を用いてg線+h線+i線(約350nm〜450nmの波長を持つ光)をグレースケールマスクを用いて最大i線露光量で20から2000J/m照射した。なおグレースケールマスクとはマスク上から2000J/m露光することにより、マスク下に1%(20J/m)から100%(2000J/m)までを段階的に一括で露光することができるマスクのことである。その後、自動現像装置(AD−2000、滝沢産業(株)製)を用いて2.38wt%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液であるELM−D(三菱ガス化学(株)製)で80秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした。その後、ブリーチング露光として、PLA−501F(キヤノン(株)製)を用いて、膜全面に超高圧水銀灯を6000J/m(波長365nm露光量換算)露光した。その後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SCW−636)を用いて90℃で2分間ソフトベークし、次いでオーブン(エスペック(株)製IHPS−222)を用いて空気中220℃で1時間キュアして硬化膜を作製した。得られた硬化膜をパターン付きキュア膜とする。 実施例1〜5、9、比較例1〜10について、組成を表1に、評価結果を表2に示す。表中の評価は以下の方法で行った。なお、下記の(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(8)の評価は、基板はシリコンウェハを用い、(6)、(7)の評価はテンパックスガラス板を用いて行った。
(1)膜厚測定
大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースSTM−602を用いて、屈折率1.50でプリベーク膜及び、硬化膜の厚さを測定した。
(2)残膜率
残膜率は組成物をシリコンウェハ上に塗布し、100℃120秒のホットプレート上でプリベークした後に現像を行い、プリベーク後の膜厚(I)、現像後の未露光部膜厚(II)とすると、
残膜率(%)=(II)×100/(I)で算出される。
(3)感度
露光、現像後、10μmのラインアンドスペースパターンを1対1の幅に形成する露光量(以下、これを最適露光量という)を感度とした。
(4)解像度
最適露光量における現像後に得られた最小パターン寸法を現像後解像度とし、キュア後の最小パターン寸法をキュア後解像度とした。
(5)硬化収縮率
硬化収縮率は、組成物をシリコンウェハ上に塗布し、100℃120秒のホットプレート上でプリベーク、次いで現像し、6000J/mのブリーチング露光、90℃で2分間のソフトベーク後、220℃で1時間キュアして得られた硬化膜について、現像後の未露光部膜厚(I)、キュア後の未露光部膜厚(II)とすると、
残膜率(%)={1−(II)/(I)}×100で算出される。
(6)光透過率の測定
MultiSpec−1500((株)島津製作所製)を用いて、まずテンパックスガラス板のみを測定し、その紫外可視吸収スペクトルをリファレンスとした。次に上記のようにテンパックスガラス上に形成された各プリベーク膜を、2.38wt%テトラメチルアンモニウム水溶液で23℃60秒間シャワー現像し、PLA(PLA−501F、キヤノン(株)製)でi線換算で6000J/m照射した。ホットプレート上で90℃2分間ソフトベークを行い、さらにオーブンにて220℃1時間キュアして、ガラス上に硬化膜を形成した。これをサンプルとし、サンプルを用いてシングルビームで測定し、3μmあたりの波長400nmでの光透過率を求め、リファレンスに基づいて硬化膜の透過率を算出した。
(7)接着性の評価
テンパックスガラス板に、組成物を塗布、プリベーク、露光、キュア処理し、薄膜を形成する。JIS K5400 8.5.2(1990)碁盤目テープ法に準じて測定した。テンパックスガラス板上の薄膜表面に、カッターナイフでガラス板の素地に到達するように、直交する縦横11本ずつの平行な直線を1mm間隔で引いて、1mm×1mmのマス目を100個作製した。切られた薄膜表面にセロハン粘着テ−プ(幅=18mm、粘着力=3.7N/10mm)を張り付け、消しゴム(JIS S6050合格品)で擦って密着させ、テープの一端を持ち、板に直角に保ち瞬間的に剥離した際のマス目の残存数を目視によって評価した。
(8)耐溶剤性
シリコンウェハ上に形成されたパターン付きキュア膜をモノエタノールアミン/ジメチルスルホキシド=70/30(重量比)中に80℃で20分間浸漬した後、5分間純水リンスを行い、水を窒素ブローで除去した。40μmの抜きのスクエアーパターンの4つのエッジ部(各角の頂点から半径1μm以内)について、浸漬前後のクラックの発生有無をラムダエースSTM−602(大日本スクリーン製造(株)製)を用いて目視にて評価し、4つのエッジ部に確認されたクラックの総本数を耐溶剤性の指標とした。
実施例2
ポリシロキサン(i)をポリシロキサン(ii)に換え、キノンジアジド化合物(i)を10重量部用い、 BHPMT、DBA、“ニカラック”MX−270を用いなかった他は、実施例1と同様に行い、組成物2を得た。各評価結果については表2に示した。
実施例3
ポリシロキサン(ii)を、シリカ粒子PL−2L−DAAをSi原子で27.5mol%共重合したポリシロキサン(iii)に換え、キノンジアジド化合物(i)を4重量部用いた他は、実施例2と同様に行い、組成物3を得た。各評価結果については表2に示した。
実施例
ポリシロキサン(ii)をポリシロキサン(v)に換え、キノンジアジド化合物(ii)を10重量部用い、0.5wt%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で80秒間シャワー現像した他は、実施例2と同様に行い、組成物を得た。各評価結果については表2に示した。
実施例
ポリシロキサン(i)をポリシロキサン(xi)に換え、キノンジアジド化合物(i)を10重量部用い、 BHPMT、DBA、“ニカラック”MX−270を用いなかった他は、実施例1と同様に行い、組成物を得た。各評価結果については表2に示した。
実施例
パッシベーション膜として、100nmの窒化シリコン膜を有するTFT基板上に、組成物1の感光性シロキサン組成物を塗布し、上述した硬化膜形成方法によりドレイン電極の共通配線と対向し保持容量を形成している部分上にコンタクトホールを形成した。この硬化膜をマスクとしてパッシベーション膜をドライエッチングし、ドレイン電極を露出させた。続いて、その表面に、スパッタリング蒸着法によって厚さ130nmのITO透明電極膜を形成、そのITO透明電極膜上にフォトレジストを塗布して、通常のフォトリソグラフィ法による露光・現像によりパターニング、ITOの不要部分をウエットエッチングして除去、その後、フォトレジストをアルカリ溶剤であるモノエタノールアミン/ジメチルスルホキシド=70/30(重量比)中に80℃で20分間浸漬した後、5分間純水リンスを行い、水を窒素ブローで除去することによって、100μmピッチのストライプ形状にパターニングしたITO画素電極を形成したところ、感光性シロキサン組成物の硬化膜とパッシベーション膜及びITOとの密着性が良好で、低硬化収縮性による平坦性や透明性が高く、クラック発生がない良好な素子が得られた。
実施例
組成物2の感光性シロキサン組成物を用いた他は、実施例と同様にして、TFT素子を作製したところ、感光性シロキサン組成物の硬化膜とパッシベーション膜及びITOとの密着性が良好で、低硬化収縮性による平坦性や透明性が高く、クラック発生がない良好な素子が得られた。
実施例
組成物3の感光性シロキサン組成物を用いた他は、実施例と同様にして、TFT素子を作製したところ、感光性シロキサン組成物の硬化膜とパッシベーション膜及びITOとの密着性が良好で、低硬化収縮性による平坦性や透明性が高く、クラック発生がない良好な素子が得られた。
比較例1
ポリシロキサン(ii)をポリシロキサン(vi)に換え、キノンジアジド化合物(i)を10重量部用いた他は、実施例2と同様に行い、組成物を得た。各評価結果については表2に示した。
比較例2
ポリシロキサン(ii)をポリシロキサン(vii)に換え、キノンジアジド化合物(i)を10重量部用いた他は、実施例2と同様に行い、組成物を得た。各評価結果については表2に示した。
比較例3
ポリシロキサン(i)をポリシロキサン(viii)に換え、キノンジアジド化合物(i)8重量部、イミドシラン化合物(vi)2重量部を用いた他は、実施例1と同様に行い、組成物を得た。各評価結果については表2に示した。
比較例4
ポリシロキサン(ii)100重量部を、ポリシロキサン(ix)50重量部に換え、イミドシラン化合物(i)50重量部を用いた他は、実施例2と同様に行い、組成物を得た。各評価結果については表2に示した。
実施例9
ポリシロキサン(ii)をポリシロキサン(x)に換えた他は、実施例2と同様に行い、組成物10を得た。各評価結果については表2に示した。
比較例
ポリシロキサン(ii)をポリシロキサン(viii)に換え、キノンジアジド化合物(i)7重量部、ビスイミドオリゴマー(i)5重量部を用いた他は、実施例2と同様に行い、組成物11を得た。各評価結果については表2に示した。
比較例
ポリシロキサン(ii)をポリシロキサン(viii)に換え、キノンジアジド化合物(i)7重量部、シリコーンイミド前駆体(i)10重量部を用いた他は、実施例2と同様に行い、組成物12を得た。各評価結果については表2に示した。
比較例
ポリシロキサン(ii)をポリシロキサン(viii)に換え、キノンジアジド化合物(i)7重量部、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)社製、商品名:KBM−303)1重量部を用いた他は、実施例2と同様に行い、組成物13を得た。各評価結果については表2に示した。
比較例
黄色灯下にてキノンジアジド化合物(ii)0.965g(10重量部)、HPE6.58gに溶解させた。ノボラック樹脂溶液(i)22.44g(ノボラック樹脂部を100重量部に相当)、BYK−333(ビックケミージャパン(株)製)0.0015g(組成物全量に対して濃度50ppmに相当)を加え撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、得られた組成物14を得た。各評価結果については表2に示した。
比較例
黄色灯下にてキノンジアジド化合物(i)2.64g(30重量部)、イミドシラン化合物(ii)を0.476g(固形分換算で2重量部)をEDM5.94gに溶解させた。アクリル樹脂溶液(i)20.52g(アクリル樹脂100重量部に相当)、BYK−333(ビックケミージャパン(株)製)0.0015g(組成物全量に対して濃度50ppmに相当)を加え撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、得られた組成物15を得た。各評価結果については表2に示した。
比較例10
黄色灯下にてキノンジアジド化合物(i)0.965g(10重量部)、HPE6.58g、イミドシラン化合物(v)を0.476g(固形分換算で2重量部)、に溶解させた。ノボラック樹脂溶液(xiii)22.44g(ノボラック樹脂部を100重量部に相当)、BYK−333(ビックケミージャパン(株)製)0.0015g(組成物全量に対して濃度50ppmに相当)を加え撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、得られた組成物を組成物16とした。
比較例11
組成物の感光性シロキサン組成物を用いた他は、実施例と同様にして、TFT素子を作製したが、硬化膜にクラックあり、欠陥のない良好な素子を得ることができなかった。
比較例12
組成物の感光性シロキサン組成物を用いた他は、実施例と同様にして、TFT素子を作製したが、硬化膜にクラックあり、欠陥のない良好な素子を得ることができなかった。
比較例13
組成物の感光性シロキサン組成物を用いた他は、実施例と同様にして、TFT素子を作製したが、接着性や、平坦性、透明性に問題がありかつ、硬化膜にクラックある等、欠陥のない良好な素子を得ることができなかった。
比較例14
組成物11の感光性シロキサン組成物を用いた他は、実施例と同様にして、TFT素子を作製したが、平坦性や、透明性に問題がありかつ、硬化膜にクラックある等、欠陥のない良好な素子を得ることができなかった。
比較例15
組成物12の感光性シロキサン組成物を用いた他は、実施例と同様にして、TFT素子を作製したが、平坦性や、透明性に問題がありかつ、硬化膜にクラックある等、欠陥のない良好な素子を得ることができなかった。
Figure 0004967687
Figure 0004967687

Claims (7)

  1. (a)一般式(1)で表されるイミド基含有シラン化合物とオルガノシラン化合物の1種以上を反応させて得られるポリシロキサン、(b)キノンジアジド化合物、(c)溶剤、を含有する感光性シロキサン組成物。
    Figure 0004967687
    (各Rはそれぞれ同じでも異なっていても良く、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基またはそれらが置換された有機基を表し、R の少なくとも1つは、炭素数1〜6のアルコキシル基またはそれが置換された有機基を表す。またRは炭素数1〜10の2価の有機基、Rは、ケイ素原子を含まない炭素数5〜20の有機基を表す。)
  2. (a)一般式(1)で表される化合物の含有量がポリシロキサンに対して30モル%以上80モル%以下である請求項1に記載の感光性シロキサン組成物。
  3. 一般式(1)で表される化合物が、酸無水物および/または酸二無水物とイソシアネート基含有シラン化合物の直接イミド化法により得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性シロキサン組成物。
  4. (a)ポリシロキサンが共重合体であり、該ポリシロキサンの少なくとも一部に化学的に結合したシリカ粒子を含んでいる請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性シロキサン組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性シロキサン組成物を、塗布・パターン形成して得られた硬化膜であって、波長400nmにおける膜厚3μmあたりの光透過率が95%以上である硬化膜。
  6. 前記硬化膜がTFT基板用平坦化膜、半導体素子用層間絶縁膜、光導波路用コア材または光導波路用クラッド材であることを特徴とする請求項5に記載の硬化膜。
  7. 請求項5または6に記載の硬化膜を具備する素子。
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