JP5444704B2 - 感光性組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子 - Google Patents
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Description
このようなTFT基板用平坦化膜の材料としては、高耐熱性、高透明性の特性を有し、かつTFT基板電極とITO電極との導通確保のため50μm〜数μm程度のホールパターン形成をする必要があり、一般的にポジ型感光性材料が用いられる。代表的な材料としては、アクリル樹脂にキノンジアジド化合物を組み合わせた材料(特許文献2、3、4参照)が知られている。しかしながら、これらの材料は耐熱性や耐薬品性が不十分であり、基板の高温処理や各種薬液処理により硬化膜が着色して透明性が低下するという問題がある。また、これらアクリル系材料は一般に感度が低いため生産性が低く、より高感度の材料が求められている。
一方、高耐熱性、高透明性といった特性を有する他の材料として、ポリシロキサンが知られており、これにポジ型の感光性を付与するためにキノンジアジド化合物を組み合わせた材料(特許文献5参照)が公知である。この材料は透明性が高く、基板の高温処理によっても透明性は低下すること無く、高透明の硬化膜を得ることができる。しかしながらポリシロキサンは強アルカリ溶液耐性が低く、硬化膜が強アルカリ溶液へ溶解、膜厚減少が起こってしまうという問題点があった。アルカリ溶液でのクラック発生を抑制させるためポリシロキサンへイミド骨格を導入する手法が報告されているが、本手法にても硬化膜の膜厚減少という問題点は解消できなかった。(特許文献6参照)
(a)珪素原子に結合する水素原子を含まないポリシロキサンは、下記一般式(3)で表されるオルガノシランの1種以上を加水分解し縮合させることによって合成されるポリシロキサンであることが好ましい。
上記の反応溶媒としては特に制限は無いが、通常は後述の(d)溶剤と同様のものが用いられる。溶媒の添加量はオルガノシランなどのモノマー100重量部に対して10〜1000重量部が好ましい。また加水分解反応に用いる水の添加量は、加水分解性基1モルに対して0.5〜2モルが好ましい。
フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる(いずれも本州化学工業(株)製)。
アルコール性水酸基を有する化合物の具体例としては、アセトール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールなどが挙げられる。なお、これらのアルコール性水酸基を有する化合物は、単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の感光性組成物は、界面活性剤を含有しても良い。界面活性剤を含有することで、塗布ムラが改善し均一な塗布膜が得られる。フッ素系界面活性剤や、シリコーン系界面化成剤が好ましく用いられる。
界面活性剤の含有量は、感光性組成物中、0.0001〜1重量%とするのが一般的である。
プリベーク後、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナー(PLA)などの紫外可視露光機を用い、10〜4000J/m2程度(波長365nm露光量換算)を所望のマスクを介してパターン露光する。
露光後、現像により露光部が溶解し、ポジパターンを得ることができる。現像方法としては、シャワー、ディップ、パドルなどの方法で現像液に5秒〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、公知のアルカリ現像液を用いることができる。具体的例としてはアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩などの無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類、水酸化テトラメチルアンモニウム、コリン等の4級アンモニウム塩を1種あるいは2種以上含む水溶液等が挙げられる。また、現像後は水でリンスすることが好ましく、必要であればホットプレート、オーブンなどの加熱装置で50〜150℃の範囲で脱水乾燥ベークを行うこともできる。
ブリーチング露光した膜を、必要であればホットプレート、オーブンなどの加熱装置で50〜150℃の範囲で30秒〜30分間ソフトベークを行った後、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置で150〜450℃の範囲で1時間程度キュアすることで、表示素子におけるTFT用平坦化膜、半導体素子における層間絶縁膜、あるいは光導波路におけるコアやクラッド材といった硬化膜が形成される。
前記の波長400nmにおける膜厚3μmあたりの透過率は、以下の方法により求められる。組成物をテンパックスガラス板にスピンコーターを用いて任意の回転数でスピンコートし、ホットプレートを用いて100℃で2分間プリベークする。その後、ブリーチング露光として、PLAを用いて、膜全面に超高圧水銀灯を3000J/m2(波長365nm露光量換算)露光し、オーブンを用いて空気中220℃で1時間熱硬化して膜厚3μmの硬化膜を作製する。得られた硬化膜の紫外可視吸収スペクトルを(株)島津製作所製MultiSpec−1500を用いて測定し、波長400nmでの透過率を求める。
この硬化膜は表示素子におけるTFT用平坦化膜、半導体素子における層間絶縁膜、あるいは光導波路におけるコアやクラッド材等に好適に使用される。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
GBL:γ−ブチロラクトン
EDM:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
HPE:2−ヒドロキシプロピオン酸エチル。
アルミカップにポリシロキサン溶液またはアクリル樹脂溶液を1g秤取し、ホットプレートを用いて250℃で30分間加熱して液分を蒸発させた。加熱後のアルミカップに残った固形分を秤量して、アクリル樹脂またはポリシロキサン溶液の固形分濃度を求めた。
重量平均分子量はGPC(Waters社製410型RI検出器、流動層:テトラヒドロフラン)にてポリスチレン換算により求めた。
500mlの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを54.48g(0.40mol)、フェニルトリメトキシシランを109.07g(0.55mol)、(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを14.78g(0.05mol)、PGMEAを151g仕込み、室温で攪拌しながら水65.9gにリン酸0.54g(仕込みモノマーに対して0.3重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌し(内温は100〜110℃)、ポリシロキサン溶液を得た。
500mlの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを49.03g(0.36mol)、フェニルトリメトキシシランを130.88g(0.66mol)、シリケート40(多摩化学工業株式会社製)を26.82g(0.18mol)、DAAを190g仕込み、室温で攪拌しながら水62.9gにリン酸0.62g(仕込みモノマーに対して0.3重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌し(内温は100〜110℃)、ポリシロキサン溶液を得た。
500mlの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを35.41g(0.26mol)、フェニルトリメトキシシランを141.78g(0.715mol)、(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを14.78g(0.065mol)、Mシリケート51(多摩化学工業株式会社製)を28.20g(0.18mol)、PGMEAを205g仕込み、室温で攪拌しながら水63.7gにリン酸1.1g(仕込みモノマーに対して0.5重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌し(内温は100〜110℃)、ポリシロキサン溶液を得た。
500mlの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを40.86g(0.30mol)、フェニルトリメトキシシランを99.15g(0.50mol)、Mシリケート51(多摩化学工業株式会社製)を11.75g(0.10mol)、シリカゾル粒子分散液クォートロンPL−2L(扶桑化学工業株式会社製、分散媒:水 シリカ粒子含有量19.7w%)30.50g(0.10mol)、DAA190gを仕込み、室温で攪拌しながら水23.21gにリン酸0.47g(仕込みモノマーに対して0.3重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌し(内温は100〜110℃)、ポリシロキサン溶液を得た。
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを54.48g(0.40mol)、フェニルトリメトキシシランを109.07g(0.55mol)、トリス−(3− トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(X−12−965:信越化学工業(株)製)を30.76(0.05mol)、PGMEAを158.98g仕込み、室温で撹拌しながら水53.55gにリン酸0.389g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間撹拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサン溶液の固形分濃度を測定し、固形分濃度が40重量%となるようにPGMEAを加えてイソシナヌレート骨格を有するポリシロキサン溶液(e)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は8000であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して55%であった。ポリシロキサン溶液(e)をスピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いてスピンコートした後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SCW−636)を用いて120℃で2分間プリベークし、赤外吸収スペクトル測定((株)堀場製作所製FT−720)を行ったところシラノール基を有していた。
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを44.95g(0.30mol)、フェニルトリメトキシシランを109.07g(0.50mol)、(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン27.10g(0.10mol)、ビニルトリメトキシシラン16.29g(0.10mol)、PGMEAを161.51g仕込み、室温で撹拌しながら水61.38gにリン酸0.099g(仕込みモノマーに対して0.05重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間撹拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサン溶液の固形分濃度を測定し、固形分濃度が40重量%となるようにPGMEAを加えて炭素−炭素二重結合を有するポリシロキサン溶液(f)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は4500であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して50%であった。ポリシロキサン溶液(f)をスピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いてスピンコートした後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SCW−636)を用いて120℃で2分間プリベークし、赤外吸収スペクトル測定((株)堀場製作所製FT−720)を行ったところシラノール基を有していた。
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを47.67g(0.35mol)、フェニルトリメトキシシランを39.66g(0.20mol)、(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン26.23g(0.10mol)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン82.04g(0.35mol)、DAAを179.42g仕込み、室温で撹拌しながら水55.80gにリン酸0.391g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて1時間撹拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計115g留出した。得られたポリシロキサン溶液の固形分濃度を測定し、固形分濃度が40重量%となるようにDAAを加えて炭素−炭素二重結合を有するポリシロキサン溶液(g)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は4800であり、フェニル基の含有量はSi原子に対して50%であった。ポリシロキサン溶液(g)をスピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いてスピンコートした後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SCW−636)を用いて120℃で2分間プリベークし、赤外吸収スペクトル測定((株)堀場製作所製FT−720)を行ったところシラノール基を有していた。
GBL200gにイソシアネートプロピルトリエトキシシラン197.9g(0.80
mol)と無水フタル酸(東京化成工業(株)社製)118.5g(0.80mol)を
加えてしばらく室温にて攪拌した後、140℃にて2時間攪拌した。その結果、固形分5
8.4%の下記構造で表されるイミドシラン化合物溶液を得た。
500mlのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を5g、t−ドデカンチオールを5g、PGMEAを120g仕込んだ。その後、メタクリル酸を30g、ベンジルメタクリレートを35g、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレートを35g仕込み、室温で攪拌してフラスコ内を窒素置換した後、70℃で5時間加熱攪拌した。ジメチルベンジルアミンを1g、p−メトキシフェノールを0.2g添加し、90℃で4時間加熱攪拌し、アクリル樹脂溶液(a)を得た。
得られたアクリル樹脂溶液の固形分濃度を測定し、固形分濃度が43重量%となるようにPGMEAを加えてアクリル樹脂溶液(a)を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は11500、酸価は105mgKOH/gであった。
冷却管と撹拌装置を装着した2Lのセパラブルフラスコに、m−クレゾール172.8g(1.6mol)、2.3−ジメチルフェノール36.6g(0.3モル)、3.4−ジメチルフェノール12.2g(0.1mol)、37重量%ホルムアルデヒド水溶液12.6g(ホルムアルデヒド:1.5mol)、シュウ酸2水和物12.6g(0.1mol)及びメチルイソブチルケトン554gを加え、30分撹拌した後、1時間静置した。2層に分離した上層をデカンテーションによって除去し、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル(HPE)を加え、残存メチルイソブチルケトン、水を減圧濃縮によって除去し、ノボラック樹脂のHPE溶液を得た。得られたノボラック樹脂のHPE溶液に、ポリマー濃度が43重量%となるようにHPEを加えて、ノボラック樹脂のHPE溶液(x)を得た。
乾燥窒素気流下、TrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)21.23g(0.05mol)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド37.62g(0.14mol)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン15.58g(0.154mol)を系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入させた。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記構造のキノンジアジド化合物(a)を得た。
乾燥窒素気流下、TrisP−HAP(商品名、本州化学工業(株)製)15.32g(0.05mol)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド26.87g(0.1mol)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン11.13g(0.11mol)を系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入させた。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記構造のキノンジアジド化合物(b)を得た。
合成例1で得られたポリシロキサン溶液(a)17.63g(ポリシロキサン100重量部)、合成例9で得られたキノンジアジド化合物(a)0.49g(7重量部)、請求項2の一般式(2)で表されるイソシアヌレート骨格を有する化合物としてX−12−965(信越化学工業(株)製)0.75g(10重量部)、溶剤としてDAA4.27g、PGMEA6.28gを黄色灯下で混合、攪拌した。次に界面活性剤としてBYK−333を30ppmとなるように添加し、攪拌、均一溶液とした後、0.45μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して組成物1を調製した。
光干渉式膜厚測定装置(商品名“ラムダエース”STM−602、大日本スクリーン製)を用いて、屈折率1.50で測定を行った。
残膜率は以下の式に従って算出した。
残膜率(%)=現像後の未露光部膜厚÷プリベーク後の膜厚×100
(5)感度の算出
露光、現像後、10μmのライン・アンド・スペースパターンを1対1の幅に形成する露光量(以下、これを最適露光量という)を感度とした。
最適露光量における現像後の最小パターン寸法を現像後解像度、キュア後の最小パターン寸法をキュア後解像度とした。
紫外・可視分光光度計(商品名“MultiSpec−1500”、(株)島津製作所)を用いて、まずOA−10ガラス板のみを測定し、その紫外可視吸収スペクトルをリファレンスとした。次にOA−10ガラス板上に組成物の硬化膜を形成(パターン露光は行わない)し、このサンプルをシングルビームで測定し、3μmあたりの波長400nmでの光透過率を求め、リファレンスとの差異を硬化膜の光透過率とした。
シリコンウェハ上に形成された硬化膜の膜厚を光干渉式膜厚測定装置(商品名“ラムダエース”STM−602、大日本スクリーン製)にて測定する。その後硬化膜を強アルカリ溶液であるモノエタノールアミン/ジメチルスルホキシド=70/30(重量比)中に80℃で20分間浸漬した後、5分間純水リンスを行い、水を窒素ブローで除去し、再び膜厚を測定した。(アルカリ溶液処理後の膜厚)×100/(処理前の膜厚)[%]を求め耐アルカリ性の指標とした。
組成物1と同様に、組成物2〜15を表1に記載の組成にて調製した。イソシアヌレート骨格を有する化合物として用いた、“TAIC”(日本化成(株)社製)、“アロニックス”M−315(イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート:東亞合成(株)製)、“アロニックス”M−215(イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート:東亞合成(株)製)の構造を下記に示す。組成物1と同様の評価を行い、結果を表2に示す。
Claims (4)
- (a)珪素原子に結合する水素原子を含まないポリシロキサン、(b)ナフトキノンジアジド化合物、および(c)溶剤を含有し、さらに(d)下記一般式(1)で表されるイソシアヌレート基を有する化合物、もしくは(e)イソシアヌレート基を有して珪素原子に結合する水素原子を含まないポリシロキサンを含有することを特徴とするポジ型感光性組成物であり、前記(a)のポリシロキサンが1つ以上の珪素原子に結合するシラノール基(−Si−OH)を有し、かつ前記(d)のイソシアヌレート基を有する化合物の一般式(1)における少なくとも1つのR1が下記一般式(2)で表される基であることを特徴とするポジ型感光性組成物。
- (a)珪素原子に結合する水素原子を含まないポリシロキサン、(b)ナフトキノンジアジド化合物、および(c)溶剤を含有し、さらに(d)下記一般式(1)で表されるイソシアヌレート基を有する化合物、もしくは(e)イソシアヌレート基を有して珪素原子に結合する水素原子を含まないポリシロキサンを含有することを特徴とするポジ型感光性組成物であり、前記(a)のポリシロキサンが1つ以上の炭素−炭素二重結合を有し、かつ前記(d)のイソシアヌレート基を有する化合物の一般式(1)における少なくとも1つのR1が炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜10の1価の有機基であることを特徴とするポジ型感光性組成物。
- 請求項1又は2に記載のポジ型感光性組成物から形成された硬化膜であって、波長400nmにおける膜厚3μmあたりの光透過率が90%以上である硬化膜。
- 請求項3記載の硬化膜を具備する素子。
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