JP2009201416A - 固形ルウ用油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物性油脂、特にパーム油、パーム分別油やパーム硬化油脂等のパーム系油脂を多く使用した場合であっても、固化性が良好で、常温でのスナップ性が良好であり、且つ、製造時及び流通・販売時の固形ルウ表面のブルームが防止された固形ルウを得ることができる固形ルウ用油脂組成物、このような特徴を有する固形ルウ、及び、風味や口溶けが良好な、固形ルウを使用した加工食品を提供すること。
【解決手段】油相中に、下記(A)成分を1〜3質量%及び下記(B)成分を1〜5質量%含有し、前記(A)成分と前記(B)成分の比率が、0.20≦(A)/(A)+(B)≦0.80(質量基準)であり、且つ下記(C)成分を7〜30質量%含有することを特徴とする固形ルウ用油脂組成物、該固形ルウ用油脂組成物を用いた固形ルウ、該固形ルウを用いた加工食品。
(A):全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
(B):全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
(C):SUS(Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸を示し、Uは炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸を示す)で表されるトリグリセリド
【選択図】なし

Description

本発明は、カレールウ、ハヤシルウ、シチュールウ等の固形ルウの製造に用いる固形ルウ用油脂組成物に関する。
固形ルウ、例えばカレールウは、食用油脂及び小麦粉を混合加熱し、カレー粉、香辛料、調味料等を混合溶解した後、容器に流し込み、風冷固化させることで得られ、油脂の連続相に粉体が分散している形を採っている。そして、一般に、常温で流通・販売される。
従来、固形ルウに使用する油脂としては、風味やコク味が良好であること及び常温で固体であることから、牛脂、豚脂、牛脂硬化油脂、豚脂硬化油指などの動物性油脂が、主として使用されてきたが、最近は、あっさりした風味や、素材を生かした風味を大切にする目的で、パーム油、大豆油、パーム硬化油脂、大豆硬化油脂などの植物性油脂を使用した固形ルウも製造されるようになってきており、特に、固形ルウのスナップ性を向上させる目的等により、パーム油、パーム硬化油脂、パーム分別油などのパーム系油脂を使用した固形ルウも製造されるようになってきている。
しかし、固形ルウの製造は、上述のとおり風冷固化という徐冷条件下で行なわれるため、これらの油脂、特に固形ルウのスナップ性(ぱりっと割れる性質)を上げる目的で、パーム系油脂、特に、パーム油やパーム分別中部油等のSUS(Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸を示し、Uは炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸を示す)で表されるトリグリセリドが多く含まれる油脂を使用した場合であっても、ぐにゃっとした物性になってしまい、常温での良好なスナップ性は得られないことに加え、経日的に該SUSで表されるトリグリセリドに由来するブルームと呼ばれる粗大結晶粒を形成することがあり、固形ルウの表面が白色化したり、縞模様を生じたり、ザラつきや触感の悪さを呈したりして、製品価値の全くないものになってしまうことがしばしば発生する。
ここで、一般的に、固形ルウの製造時の固化性(徐冷条件下であっても急速に固化すること)を改善するために、融点60℃以上の油脂を1〜10重量%配合する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかし、特許文献1の方法では、例示されているハイエルシン菜種油やローエルシン菜種油の極度硬化油脂を使用するが、固化性は改善されるものの、SUSで表されるトリグリセリド特有のスナップ性が出にくくなり、ぐにゃっとした物性になってしまい、常温でのスナップ性は悪化してしまう。さらに、該極度硬化油脂の配合量を増やせば、この固形ルウを使用して得られるカレー等の加工食品の口溶けが極端に悪化してしまう。
そこで、極度硬化油脂のような高融点油脂を使用していても、常温でのスナップ性が良好で、ブルーム発生が抑制され、且つ、得られる加工食品の口溶けが良好である固形ルウ用油脂が求められていた。
そのためには、上記融点60℃以上の油脂に代えて、融点が60℃未満である高融点油脂を使用するのが最も簡単な方法であり、まず、極度硬化油脂に他の油脂を混合した油脂配合物をランダムエステル交換した各種のエステル交換油脂を使用することが考えられた。このような油脂を使用した例としては、パーム油起源の油脂と炭素原子数22個の飽和脂肪酸残基を持つ脂肪酸及び/又はその誘導体とをエステル交換したエステル交換油脂を使用する方法(例えば特許文献2参照)、炭素数16以上の飽和脂肪酸を主として含有する油脂と、炭素数12以下の飽和脂肪酸を主として含有する油脂とのエステル交換油脂を使用する方法(例えば特許文献3参照)、パーム油起源の油脂と炭素原子数18個の飽和脂肪酸残基を80質量%以上持つ植物性油脂の混合物をエステル交換して得られることを特徴とする油脂組成物を使用する方法(例えば特許文献4参照)等が提案されている。
しかし、これらのエステル交換油脂を使用する方法は、エステル交換により生成する非対称型油脂含有量が高くなってしまうことから、常温でのスナップ性が十分なものとはならない問題があった。
それに加え、特許文献2の方法は、長鎖脂肪酸を多く含有することから、油脂が硬く粘りが強いため、固形ルウ製造の際の型剥がれが悪く、また得られた加工食品の口溶けもワキシーなものになってしまうという問題があった。また、特許文献3の方法は、短鎖脂肪酸を多く含有するため油脂がソフトになり、固化性が悪く、固形ルウ製造の際の型剥れが悪く、加水分解により経日的に風味が劣化するという問題があった。
また、エステル交換油脂を必要としない方法として、S1MS2(S1及びS2は飽和脂肪酸、Mはモノ不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリドとMS3M(S3は飽和脂肪酸、Mはモノ不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリドとからなるコンパウンド結晶を含有することを特徴とする固形ルウ用油脂組成物を使用する方法(例えば特許文献5参照)も考えられたが、特許文献5の方法は、ブルーム発生は抑制され、得られる加工食品の口溶けも良好なものとなるが、常温でのスナップ性はやはり十分なものとはならないという問題があった。
なお、最近になって、エステル交換油脂単独であっても適度な硬さを有し、固形ルウの白色化防止効果を有する方法として、パーム油やパームステアリンなどのパーム系油脂、豚脂又は牛脂、豚脂又は牛脂の極度硬化油脂の3種の油脂の混合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂を使用する方法(例えば特許文献6参照)、パームステアリン、パーム油、パームオレインの3種の油脂の混合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂を使用する方法(例えば特許文献7参照)、ラウリン系油脂とパーム系油脂の混合物を極度硬化した油脂、及び、牛脂又は豚脂からなる混合物をランダムエステル交換したエステル交換油脂を使用する方法(例えば特許文献8参照)の提案がなされている。
しかし、特許文献6や特許文献8のように、豚脂や牛脂などの動物性油脂を使用したエステル交換油脂を用いる方法は、動物油脂そのものを使用した固形ルウよりは良好ではあるが、極度硬化油脂を使用する方法に比べて、固化性や型剥れ、常温でのスナップ性が十分なものとはならない問題があり、また、特許文献7の方法は、エステル交換に使用する油脂配合物に3種のパーム系油脂を併用することで融点調整を行っただけであり、固化性や型剥れや常温でのスナップ性の改善効果はほとんどみられないという問題があった。
特開2003−125702号公報 特開平5−001297号公報 特開平9−224571号公報 特開2001−258474号公報 特開2005−160374号公報 特開2006−288231号公報 特開2006−288232号公報 特開2006−288233号公報
本発明の目的は、植物性油脂、特にパーム油、パーム分別油やパーム硬化油脂などのパーム系油脂を多く使用した場合であっても、固化性が良好で、常温でのスナップ性が良好であり、且つ、製造時及び流通・販売時の固形ルウ表面のブルームが防止された固形ルウを得ることができる固形ルウ用油脂組成物、このような特徴を有する固形ルウ、及び風味や口溶けが良好な、固形ルウを使用した加工食品を提供することにある。また、本発明のさらなる目的は、上記特徴を有する固形ルウ用油脂組成物の製造方法及び固形ルウの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、各種の固形ルウ用油脂組成物について各種検討を行ったところ、パーム系油脂に対しそれぞれ単独で添加使用した場合にはぐにゃっとした物性となって常温でのスナップ性が悪い2種の極度硬化油脂を特定比で併用した場合、得られる固形ルウが、なぜか、ぐにゃっとした物性が消失し、硬く粘りがない物性となり、常温でのスナップ性が著しく向上することを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、油相中に、下記(A)成分を1〜3質量%及び下記(B)成分を1〜5質量%含有し、前記(A)成分と前記(B)成分の比率が、0.20≦(A)/(A)+(B)≦0.80(質量基準)であり、且つ下記(C)成分を7〜30質量%含有することを特徴とする固形ルウ用油脂組成物を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
(A):全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
(B):全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
(C):SUS(Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸を示し、Uは炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸を示す)で表されるトリグリセリド
また、本発明は、上記固形ルウ用油脂組成物を用いたことを特徴とする固形ルウを提供することにより、上記の目的を達成したものである。
また、本発明は、上記固形ルウを用いたことを特徴とする加工食品を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
また、本発明は、上記固形ルウ用油脂組成物を製造する方法であって、下記(A)成分を1〜3質量%及び下記(B)成分を1〜5質量%含有し、前記(A)成分と前記(B)成分の比率が、0.20≦(A)/(A)+(B)≦0.80(質量基準)であり、且つ下記(C)成分を7〜30質量%含有する油相を溶解し、混合することを特徴とする固形ルウ用油脂組成物の製造方法を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
(A):全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
(B):全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
(C):SUS(Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸を示し、Uは炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸を示す)で表されるトリグリセリド
また、本発明は、上記固形ルウを製造する方法であって、上記固形ルウ用油脂組成物及びその他の原料を混合溶解した後、型に流し込み、冷却固化させることを特徴とする固形ルウの製造方法を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
本発明の固形ルウ用油脂組成物を用いて固形ルウを製造すると、製造時及び流通・販売・保管時の固形ルウ表面のブルームが防止され、且つ固形ルウ製造時の冷却時間が短くて済む。
また、本発明の固形ルウ用油脂組成物を用いた固形ルウは、常温でのスナップ性が良好であり、風味や口溶けが良好な加工食品を提供することができる。
以下、本発明の固形ルウ用油脂組成物、固形ルウ、加工食品及び固形ルウの製造方法について、順に、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
先ず、本発明の固形ルウ用油脂組成物について説明する。
本発明の固形ルウ用油脂組成物は、油相中に、下記(A)成分を1〜3質量%及び下記(B)成分を1〜5質量%含有し、前記(A)成分と前記(B)成分の比率が、0.20≦(A)/(A)+(B)≦0.80(質量基準)であり、且つ下記(C)成分を7〜30質量%含有することを特徴とする。
(A):全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
(B):全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
(C):SUSで表されるトリグリセリド
本発明の固形ルウ用油脂組成物で使用する、(A)全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂としては、例えば、ハイエルシン菜種極度硬化油脂を挙げることができる。
上記ハイエルシン菜種極度硬化油脂とは、ハイエルシン菜種油、ハイエルシン菜種分別軟部油、ハイエルシン菜種分別中部油、ハイエルシン菜種分別硬部油等のハイエルシン菜種系油脂に対し、ヨウ素価10以下、好ましくは5以下、より好ましくは1未満となるまで水素添加し、実質的に構成成分である不飽和脂肪酸をほぼ完全に飽和することによって得られる極度硬化油脂である。
本発明において、上記(A)全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂の含有量は、油相中に、1〜3質量%、好ましくは2〜3質量%である。上記(A)全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂の含有量が、1質量%未満であると、得られる固形ルウの固化性が悪くなってしまう。また、3質量%を超えると、得られる固形ルウが硬すぎるため、常温でのスナップ性が悪化することに加え、得られる加工食品の口溶けも著しく悪くなってしまう。
本発明で使用する、(B)全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油、パーム油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、豚脂、カカオ脂等の食用油脂や、これらの食用油脂に部分水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した加工油脂の単独、又は混合油脂に対し、ヨウ素価10以下、好ましくは5以下、より好ましくは1未満となるまで水素添加し、実質的に構成成分である不飽和脂肪酸をほぼ完全に飽和することによって得られる極度硬化油脂を挙げることができ、本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明では、これらの中でも、より常温でのスナップ性が良好な固形ルウが得られる点で、上記(B)成分として、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、最も好ましくはその全部にパーム極度硬化油脂を使用することが好ましい。
本発明において、上記(B)全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂の含有量は、油相中に、1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%である。(B)全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂の含有量が、1質量%未満であると、常温でのスナップ性が悪く、また、5質量%を超えると、得られる固形ルウが硬すぎるため、常温でのスナップ性が悪化することに加え、得られる加工食品の口溶けも著しく悪くなってしまう。
本発明では、上記(A)全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂と、上記(B)全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂とを、前記(A)成分と前記(B)成分の比率が、0.20≦(A)/(A)+(B)≦0.80(質量基準)、好ましくは、0.20≦(A)/(A)+(B)≦0.70、より好ましくは、0.30≦(A)/(A)+(B)≦0.60となるように配合する。
(A)/(A)+(B)の値が0.20未満であるか又は0.80を超えると、得られる固形ルウがぐにゃっとした触感となってしまい、常温でのスナップ性が著しく悪化してしまう。
ここで、なぜ、上記(A)全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂の単独添加使用や、上記(B)全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂の単独添加使用では、ぐにゃっとした物性となり、常温でのスナップ性が悪化するのに対し、(A)(B)両成分を併用することで硬くしっかりした物性になり、常温でのスナップ性が良好なものとなるのかは明確ではないが、徐冷条件下では、(A)(B)成分それぞれに主体的に含まれる3飽和トリグリセリドが並存した場合、なんらかの相互作用が生じているものと考えられる。
なお、上記2種の極度硬化油脂を上記条件となるように混合使用する代わりに、上記全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂と、上記全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を上記の条件となるように混合した混合油脂に対し、ヨウ素価10以下、好ましくは5以下、より好ましくは1未満となるまで水素添加し、実質的に構成成分である不飽和脂肪酸をほぼ完全に飽和することによって得られる極度硬化油脂を使用してもよい。
なお、本発明では、上記(A)全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂と、上記(B)全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂との合計した含有量は、油相中に、好ましくは、2〜8質量%、より好ましくは2〜7質量%、さらに好ましくは3〜5質量%である。
本発明では、常温でのスナップ性を良好なものとするために、油相中に、(C)SUSで表されるトリグリセリドを7〜30質量%、好ましくは10〜30質量%、より好ましくは10〜25質量%含有するものとする。
上記(C)SUSで表されるトリグリセリドの由来としては、「(C)SUSで表されるトリグリセリドを多く含有する油脂」を使用することが好ましい。
上記「(C)SUSで表されるトリグリセリドを多く含有する油脂」としては、例えば、パーム油、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、コクム脂、デュパー脂、モーラー脂、フルクラ脂、チャイニーズタロー等の各種植物油脂や牛脂等の動物油脂、これらの各種動植物油脂を分別した加工油脂、並びに下記エステル交換油脂を用いることができる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いる。
上記のエステル交換油脂としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種動植物油脂、これらの各種動植物油脂を必要に応じて水素添加及び/又は分別した後に得られる加工油脂、脂肪酸、脂肪酸低級アルコールエステルを用いて製造したエステル交換油脂が挙げられる。
本発明においては、上記の「(C)SUSで表されるトリグリセリドを多く含有する油脂」として、以下に述べる、純植物性の油脂組成物を得ることが可能な点、及び、以下に述べるトランス脂肪酸を実質的に含有しない油脂組成物を得ることが可能な点で、パーム油や、パームステアリン、パームオレイン、パーム中部油等のパーム系油脂を使用することが好ましく、中でも、良好な物性の固形ルウを製造可能であることから、パーム油、パームステアリン、パーム系油脂を用いて製造したエステル交換油脂、のうちの1種又は2種以上を使用することが特に好ましい。
本発明の固形ルウ用油脂組成物では、必要に応じ、上記(A)全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂、上記(B)全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂、上記「(C)SUSで表されるトリグリセリドを多く含有する油脂」以外の、その他の油脂を使用することができる。
上記その他の油脂としては、食用に適する油脂であればよく、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油等の常温で液体の油脂が挙げられるが、その他に、パーム核油、ヤシ油、乳脂、豚脂、魚油、鯨油等の常温で固体の油脂も用いることができ、更に、これらの食用油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を使用することもできる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明では、上記その他の油脂の含有量は、油相中、合計で90質量%以下とする。
なお、本発明の固形ルウ用油脂組成物では、油相中に、構成脂肪酸が全て炭素数16以上の飽和脂肪酸である3飽和トリグリセリドを、好ましくは2〜35質量%、より好ましくは10〜20質量%、さらに好ましくは10〜18質量%含有するものとする。
該3飽和トリグリセリドの含有量が、油相中で2質量%未満であると、本発明の効果が得られにくく、また、油相中で35質量%を越えると、得られる固形ルウが硬すぎて、常温でのスナップ性が悪くなりやすく、得られる加工食品の口溶けも悪化してしまうおそれがある。
本発明の固形ルウ用油脂組成物では、常温でのスナップ性をより良好なものとすることができる点で、構成脂肪酸組成において、炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量が好ましくは1〜3.0質量%、より好ましくは1〜2.0質量%とすることが好ましい。
本発明の固形ルウ用油脂組成物では、使用油脂の全てが植物油脂由来であることが好ましい。
これは、動物油脂及び/又は動物油脂由来の加工油脂を多く含有する固形ルウ用油脂組成物を使用して得られる固形ルウは、本発明によっても常温でのスナップ性の向上効果が少ないからである。これは、動物油脂は基本的に奇数酸が多く、また、脂肪酸鎖長分布範囲も広いことから、構成脂肪酸の種類がきわめて多く、極度硬化油脂や(C)SUSで表されるトリグリセリドを添加使用しても、常温でのスナップ性の向上効果がもともと少ないためである。
本発明の固形ルウ用油脂組成物は、トランス脂肪酸を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「トランス脂肪酸を実質的に含有しない」とは、固形ルウ用油脂組成物の全構成脂肪酸中、トランス脂肪酸含量が、好ましくは10質量%未満、さらに好ましくは7質量%以下、最も好ましくは5質量%以下であることをいう。
水素添加は、油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、部分水素添加油脂は、通常構成脂肪酸中にトランス脂肪酸が10〜50質量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス脂肪酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10質量%未満含まれているにすぎない。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものも要求されている。
本発明の固形ルウ用油脂組成物に用いられる、上記(A)全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂、及び上記(B)全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂は、トランス脂肪酸を実質的に含有しないため、上記「(C)SUSで表されるトリグリセリドを多く含有する油脂」や「その他の油脂」として、部分水素添加油脂を使用しないことにより、トランス脂肪酸を含まずとも適切なコンステンシーを有する固形ルウ用油脂組成物とすることができる。
なお、本発明の固形ルウ用油脂組成物は、油相のSFCが、好ましくは10℃で30〜85%、20℃で20〜75%、さらに好ましくは10℃で40〜80%、20℃で30〜70%となるように調整するのがよい。SFCが10℃で30%未満又は20℃で20%未満であると、固形ルウ製造時の固化性が悪くなりやすく、また、流通・販売時に溶解・軟化しやすく、商品価値が無くなってしまうおそれがあり、一方、SFCが10℃で85%を超える又は20℃で75%を超えると、固形ルウを使用して加工食品を製造する際に固形ルウが溶解しにくくなる上に、得られる加工食品の口溶けが悪くなりやすい。
上記のSFCは、次のようにして測定する。即ち、配合油を60℃に30分保持し、油脂を完全に融解した後、0℃に30分保持して固化させる。次いで、25℃に30分保持し、テンパリングを行い、その後、0℃に30分保持する。これをSFCの各測定温度に順次30分保持後、SFCを測定する。
本発明の固形ルウ用油脂組成物には、上記の油脂分の他に、必要に応じ、本発明の目的の範囲内(合計で40質量%以下とする。(組成物基準))で、例えば、水、乳化剤、食塩、乳製品、糖類、多糖類、酵素、抗酸化剤、塩類、色素、香料等を配合することもできる。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニン類等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記乳化剤の配合量は、特に制限はないが、本発明の固形ルウ用油脂組成物中、好ましくは0〜3質量%、さらに好ましくは0〜1質量%である。
本発明の固形ルウ用油脂組成物は、可塑性を示しても示さなくてもどちらでもよく、水分を含むマーガリンタイプでも水分を含まないショートニングタイプでもどちらでもよい。また、乳化物とする場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型及び二重乳化型のいずれでも構わない。
本発明の固形ルウ用油脂組成物は、下記(A)成分を1〜3質量%及び下記(B)成分を1〜5質量%含有し、前記(A)成分と前記(B)成分の比率が、0.20≦(A)/(A)+(B)≦0.80(質量基準)であり、且つ下記(C)成分を7〜30質量%含有する油相を溶解し、混合することにより、製造することができる。そして、好ましくは、冷却し、結晶化させることにより製造することができる。
(A):全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
(B):全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
(C):SUSで表されるトリグリセリド
詳しくは、先ず、上記条件を満たす油相を溶解し、混合した後、必要により水相を混合乳化する。そして、次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。次に、必要に応じ、冷却し、好ましくは冷却可塑化する。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、さらに好ましくは−5℃/分以上とする。冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、本発明の固形ルウ用油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
次に、本発明の固形ルウについて説明する。
本発明の固形ルウは、本発明の固形ルウ用油脂組成物を、好ましくは25〜70質量%、更に好ましくは、30〜60質量%含有するものである。
本発明の固形ルウ用油脂組成物の配合量が25質量%より少ないと、本発明の効果、特に常温での良好なスナップ性が固形ルウに顕れないおそれがあることに加え、固形ルウを使用した加工食品に適度な粘性を付与できず、なめらかさに欠ける食感となってしまう場合がある。また、本発明の固形ルウ用油脂組成物の配合量が70質量%より多いと、固形ルウを使用した加工食品の粘度が低下し、また油っぽくなってしまう場合がある。
また、本発明の固形ルウにおいて、小麦粉の配合量は、特に限定はないが、好ましくは30〜75質量%、更に好ましくは40〜70質量%である。小麦粉の配合量が75質量%より多いと、固形ルウを使用した加工食品に適度な粘性を付与できず、なめらかさに欠ける食感となってしまう場合がある。また、小麦粉の配合量が30質量%より少ないと、固形ルウを使用した加工食品の粘度が低下し、得られる加工食品のコク味が欠けてしまう場合がある。
また、本発明の固形ルウには、本発明の固形ルウ用油脂組成物及び上記の小麦粉以外に、必要により、副原料として、水、乳化剤、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、カレー粉等の香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物等を使用することができる。本発明の固形ルウにおいて、これらの副原料の配合量は、特に制限されるものではなく、固形ルウを使用する加工食品の種類等に応じて適宜選択することができるが、好ましくは合計量として45質量%以下である。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニン類等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記乳化剤の配合量は、特に制限はないが、本発明の固形ルウ中、好ましくは0〜3質量%、さらに好ましくは0〜1質量%である。
また、上記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記増粘安定剤の配合量は、特に制限はないが、本発明の固形ルウ中、好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0〜5質量%である。
次に、本発明の固形ルウの製造方法について説明する。
本発明の固形ルウは、一般的な固形ルウの製造方法を用いて製造することが出来るが、例えば、以下の製造方法で製造することができる。上述した本発明の固形ルウ用油脂組成物及び小麦粉を混合加熱し、必要に応じ、副原料を混合して、容器に流し込み、風冷等の冷却方法により冷却固化させることによって製造することができる。
カレールウの場合は、本発明の固形ルウ用油脂組成物を加熱溶解し、小麦粉を加えて混
合物を作製し、該混合物を110〜120℃に達するまで撹拌しながら加熱焙焼した後、ここにカレー粉等の香辛料、食塩、糖類、調味料等の副材料を添加して、混合し、次いで、これを型に流し込み、風冷等の冷却方法により、0〜25℃で5〜120分冷却して固化させることによって製造することができる。
なお、本発明の固形ルウを製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
次に、本発明の加工食品について説明する。
本発明の加工食品は、上述した本発明の固形ルウを使用して製造されたものであり、その具体例としては、ホワイトソース、デミグラスソース、カレーソース等のソースや、ホワイトシチュー、デミグラスシチュー、カレーシチュー等のシチューの他、パンのフィリング材、トッピング材、包餡生地の内包材等が挙げられる。本発明の固形ルウを使用して製造された本発明の加工食品は、良好な口溶け感を保ちながら適度のボディー感を有し、更には、冷蔵したり或いはレトルト処理を行った後においても、食感が硬くならずに良好な口溶け感を保つことが出来る。本発明の加工食品において、本発明の固形ルウの使用量は、特に限定はなく、目的とする個々の加工食品の所望とする食感や物性に応じて適宜選択することが出来るが、加工食品中、1〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。本発明の加工食品の製造方法に特に限定はなく、例えば、従来使用していた固形ルウを本発明の固形ルウに代替することで、本発明の加工食品を得ることが出来る。
本発明の加工食品は、冷却しても口溶けや食感が良好なものである。また、本発明の加工食品は、冷蔵又は冷凍してもよく、本発明の加工食品の冷凍品を解凍して食する際には、電子レンジで解凍調理することも可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例等により何ら制限されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸、Uは炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸を示す。
<エステル交換油脂Aの調製>
ヨウ素価52のパーム油65質量部及びヨウ素価0.8のパーム油の極度硬化油脂35質量部を70℃にて混合溶解して得た油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、非選択的エステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂Aを得た。
<固形ルウ用油脂組成物の調製>
〔実施例1〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物1の製造
ハイエルシン菜種油の極度硬化油脂(SSS含有量94.7%、SUS含有量0%)1.2質量部、パーム極度硬化油脂(SSS含有量91.8%、SUS含有量0%)1.2質量部、パーム油(SSS含有量5.4%、SUS含有量24.7%)52.6質量部、パームステアリン(SSS含有量29.8%、SUS含有量28.3%)15質量部、上記エステル交換油脂A(SSS含有量28.4%、SUS含有量10.5%)15質量部、及びパーム部分硬化油脂(SSS含有量6.4%、SUS含有量15.2%)15質量部からなる混合油を溶解したものを、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、使用油脂の全てが植物油脂由来である、本発明の固形ルウ用油脂組成物1を得た。
(以下、表1の順番に整合しました。)
得られた固形ルウ用油脂組成物1の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成における炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物1を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
〔実施例2〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物2の製造
パーム極度硬化油脂1.2質量部を2.4質量部に変更し、パーム油52.6質量部を51.4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、使用油脂の全てが植物油脂由来である、本発明の固形ルウ用油脂組成物2を得た。
得られた固形ルウ用油脂組成物2の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成における炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物2を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
〔実施例3〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物3の製造
ハイエルシン菜種油の極度硬化油脂1.2質量部を2.4質量部に変更し、パーム油52.6質量部を51.4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、使用油脂の全てが植物油脂由来である、本発明の固形ルウ用油脂組成物3を得た。
得られた固形ルウ用油脂組成物3の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成における炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物3を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
〔実施例4〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物4の製造
ハイエルシン菜種極度硬化油脂1.2質量部を2.4質量部に変更し、パーム極度硬化油脂1.2質量部を2.4質量部に変更し、パーム油52.6質量部を50.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、使用油脂の全てが植物油脂由来である、本発明の固形ルウ用油脂組成物4を得た。
得られた固形ルウ用油脂組成物4の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成における炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物4を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
〔実施例5〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物5の製造
ハイエルシン菜種極度硬化油脂1.2質量部を2.4質量部に変更し、パーム極度硬化油脂1.2質量部を4.8質量部に変更し、パーム油52.6質量部を47.8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、使用油脂の全てが植物油脂由来である、本発明の固形ルウ用油脂組成物5を得た。
得られた固形ルウ用油脂組成物5の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成における炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物5を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
〔実施例6〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物6の製造
ハイエルシン菜種極度硬化油脂1.2質量部を2.4質量部に変更し、パーム極度硬化油脂1.2質量部を、大豆極度硬化油脂2.4質量部に変更し、パーム油52.6質量部を50.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、使用油脂の全てが植物油脂由来である、本発明の固形ルウ用油脂組成物6を得た。
得られた固形ルウ用油脂組成物6の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成における炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物6を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
〔実施例7〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物7の製造
ハイエルシン菜種極度硬化油脂1.2質量部を2.4質量部に変更し、パーム極度硬化油脂1.2質量部を、パーム極度硬化油脂1.2質量部と大豆極度硬化油脂1.2質量部の混合物に変更し、パーム油52.6質量部を50.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、使用油脂の全てが植物油脂由来である、本発明の固形ルウ用油脂組成物7を得た。
得られた固形ルウ用油脂組成物7の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成における炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物7を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
〔比較例1〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物8の製造
ハイエルシン菜種極度硬化油脂1.2質量部を無添加に変更し、パーム極度硬化油脂1.2質量部を2.4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、使用油脂の全てが植物油脂由来である、比較例の固形ルウ用油脂組成物8を得た。
得られた固形ルウ用油脂組成物8の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成における炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物8を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
〔比較例2〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物9の製造
ハイエルシン菜種極度硬化油脂1.2質量部を4.8質量部に変更し、パーム極度硬化油脂1.2質量部を2.4質量部に変更し、パーム油52.6質量部を47.8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、使用油脂の全てが植物油脂由来である、比較例の固形ルウ用油脂組成物9を得た。
得られた固形ルウ用油脂組成物9の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成における炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物9を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
〔比較例3〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物10の製造
ハイエルシン菜種極度硬化油脂1.2質量部を2.4質量部に変更し、パーム極度硬化油脂1.2質量部を無添加に変更した以外は、実施例1と同様にして、使用油脂の全てが植物油脂由来である、比較例の固形ルウ用油脂組成物10を得た。
得られた固形ルウ用油脂組成物10の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成における炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物10を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
〔比較例4〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物11の製造
ハイエルシン菜種極度硬化油脂1.2質量部を2.4質量部に変更し、パーム極度硬化油脂1.2質量部を6質量部に変更し、パーム油52.6質量部を46.6質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、使用油脂の全てが植物油脂由来である、比較例の固形ルウ用油脂組成物11を得た。
得られた固形ルウ用油脂組成物11の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成における炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物11を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
〔比較例5〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物12の製造
ハイエルシン菜種極度硬化油脂1.2質量部を無添加に変更し、パーム極度硬化油脂1.2質量部を大豆極度硬化油脂4.8質量部に変更し、パーム油52.6質量部を50.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、使用油脂の全てが植物油脂由来である、比較例の固形ルウ用油脂組成物12を得た。
得られた固形ルウ用油脂組成物12の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成における炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物12を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
〔比較例6〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物13の製造
ハイエルシン菜種極度硬化油脂1.2質量部を無添加に変更し、パーム極度硬化油脂1.2質量部を、パーム極度硬化油脂2.4質量部と大豆極度硬化油脂2.4質量部の混合物に変更し、パーム油52.6質量部を50.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、使用油脂の全てが植物油脂由来である、比較例の固形ルウ用油脂組成物13を得た。
得られた固形ルウ用油脂組成物13の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成における炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物13を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
〔比較例7〕ショートニングタイプの固形ルウ用油脂組成物14の製造
ハイエルシン菜種極度硬化油脂1.2質量部を無添加に変更し、パーム極度硬化油脂1.2質量部を無添加に変更し、パーム油52.6質量部を55質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、使用油脂の全てが植物油脂由来である、比較例の固形ルウ用油脂組成物14を得た。
得られた固形ルウ用油脂組成物14の、油相中の(A)の含有量、(B)の含有量、(A)+(B)の含有量、(A)/(A)+(B)の値、油相中の(C)SUSの含有量、SSSの含有量、脂肪酸組成におけるトランス脂肪酸の含有量、油相のSFC値(10℃及び20℃)については表1に記載した。
得られた固形ルウ用油脂組成物14を用いて、後述の配合・製法により、固形ルウ(カレールウ)、さらに加工食品(カレーソース)を製造した。
<固形ルウの配合・製法>
固形ルウ用油脂組成物350g及び小麦粉320gを釜に投入し、かき混ぜながら120℃まで加熱した後、火を止め、さらにかき混ぜた。約100℃まで下がった時点で、引き続きかき混ぜながら、食塩100g、上砂糖50g、カレー粉90g、調味料90gを順次添加し、さらにかき混ぜ、次いで、これを直径50mmの型に厚さ10mmに流し込み、20℃で60分冷却・固化させ、本発明又は比較例の固形ルウ(固形カレールウ)を得た。
<固形ルウの評価方法>
上記固形ルウの冷却・固化時の固化性及び型剥れ性について下記の基準により評価し、表2に記載した。
また、上記固形ルウを、20℃に調温した後、手での折りやすさ(スナップ性)を比較して下記の評価基準により評価し、結果を表2に記した。
また、上記固形ルウを、25℃の恒温室にて保管し、製造直後から4週間後まで、1週間ごとに固形ルウの表面状態(ブルーム)を観察し、下記の評価基準により評価し、結果を表2に記した。
(固化性評価基準)
◎ :極めて良好である。
○ :良好である。
△ :やや不良である。
× :不良である。
(型剥れ評価基準)
○ :良好である。
△ :やや不良である。
× :不良である。
(スナップ性評価基準)
◎:爽快なスナップ性を有し、極めて良好である。
○:良好である。
△:硬い物性であり、不良である。
×:ぐにゃっとした物性であり、不良である。
(ブルーム評価基準)
◎:良好な艶を有しており、白色化は見られなかった。
○:白色化は見られなかったが、やや艶が失われていた。
△:艶がなく、ややざらついている。
×:白色化し、ざらつきがある。
<加工食品の配合・製法及び評価方法>
上記固形ルウを20質量%含有するカレーソースを常法により作成し、品温45℃におけるカレーソースの風味と口溶けを下記の評価基準により評価し、結果を表2に記した。
(カレーソース風味評価基準)
○ :良好である。
△ :やや不良である。
× :不良である。
(カレーソース口溶け評価基準)
◎ :爽快な口溶けを有し、極めて良好である。
○ :良好である。
△ :若干ワキシー感あり、不良である。
× :ワキシー感が強く、極めて不良である。
Figure 2009201416
Figure 2009201416
上記の結果からわかるとおり、油相中に、(A)全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂を1〜3質量%、及び、(B)全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂を1〜5質量%含有し、前記(A)成分と前記(B)成分の比率が、0.2≦(A)/(A)+(B)≦0.8(質量基準)であり、(C)SUSで表されるトリグリセリドを7〜30質量%含有する、実施例1〜7の固形ルウ用油脂組成物を使用して得られた固形ルウは、固化性、型剥れ、常温でのスナップ性が良好であり、また、保管時のブルーム耐性も良好であった。また該固形ルウを使用して得られたカレーソースは風味、口溶けが良好であった。
とくに、実施例4と実施例6、7を比較してみるとわかるとおり、上記(B)成分として、パーム極度硬化油脂を使用して得られた固形ルウは、常温でのスナップ性が優れていることがわかる。
これに対して、
(A)成分又は(B)成分を含有しない比較例1、3、5、6の固形ルウ用油脂組成物を使用して得られた固形ルウは、型剥れがやや不良であり、ぐにゃっとした物性で、常温でのスナップ性は不良であった。また、(B)成分は含有するが(A)成分を含有しない、比較例1、5、6の固形ルウ用油脂組成物を使用して得られた固形ルウは、固化性もやや不良であった。
なお、(A)成分も(B)成分も含有しない比較例7の固形ルウ用油脂組成物を使用して得られた固形ルウは、ぐにゃっとした物性で、常温でのスナップ性は不良であることに加え、固化性、型剥れも不良であり、さらには保管時のブルーム耐性が不良であった。
また、(A)成分が3質量%を超える比較例2の固形ルウ用油脂組成物を使用して得られた固形ルウや、(B)成分が5質量%を超える比較例4の固形ルウ用油脂組成物を使用して得られた固形ルウは、型剥れと固化性は良好であるが、該固形ルウを使用して得られたカレーソースは口溶けが不良であった。

Claims (9)

  1. 油相中に、下記(A)成分を1〜3質量%及び下記(B)成分を1〜5質量%含有し、前記(A)成分と前記(B)成分の比率が、0.20≦(A)/(A)+(B)≦0.80(質量基準)であり、且つ下記(C)成分を7〜30質量%含有することを特徴とする固形ルウ用油脂組成物。
    (A):全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
    (B):全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
    (C):SUS(Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸を示し、Uは炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸を示す)で表されるトリグリセリド
  2. 上記(B)成分として、パーム極度硬化油脂を使用したことを特徴とする請求項1記載の固形ルウ用油脂組成物。
  3. 油相中に、構成脂肪酸が全て炭素数16以上の飽和脂肪酸である3飽和トリグリセリドを2〜35質量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の固形ルウ用油脂組成物。
  4. 使用油脂の全てが植物油脂由来であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の固形ルウ用油脂組成物。
  5. トランス脂肪酸を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の固形ルウ用油脂組成物。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の固形ルウ用油脂組成物を用いたことを特徴とする固形ルウ。
  7. 請求項6記載の固形ルウを用いたことを特徴とする加工食品。
  8. 請求項1〜5の何れかに記載の固形ルウ用油脂組成物を製造する方法であって、下記(A)成分を1〜3質量%及び下記(B)成分を1〜5質量%含有し、前記(A)成分と前記(B)成分の比率が、0.20≦(A)/(A)+(B)≦0.80(質量基準)であり、且つ下記(C)成分を7〜30質量%含有する油相を溶解し、混合することを特徴とする固形ルウ用油脂組成物の製造方法。
    (A):全構成脂肪酸中に、炭素数20以上の脂肪酸を50質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
    (B):全構成脂肪酸中に、炭素数16〜18の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂を極度硬化して得られた極度硬化油脂
    (C):SUS(Sは炭素数16以上の飽和脂肪酸を示し、Uは炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸を示す)で表されるトリグリセリド
  9. 請求項6記載の固形ルウを製造する方法であって、請求項1〜5の何れかに記載の固形ルウ用油脂組成物及びその他の原料を混合溶解した後、型に流し込み、冷却固化させることを特徴とする固形ルウの製造方法。
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